JP7255479B2 - ポリエステル樹脂組成物、これを含む光反射体用部品および光反射体 - Google Patents
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Description
[1] 82~88質量%のポリブチレンテレフタレート樹脂と、12~18質量%のポリエチレンテレフタレート樹脂とを含有するポリエステル樹脂Aを含むポリエステル樹脂組成物であって、前記ポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属の有機酸塩およびアルカリ土類金属の有機酸塩のいずれか一方または両方である金属有機酸塩Bと、前記ポリエステル樹脂A100質量部に対し、1~13質量部の平均粒子径0.05~3μmである無機フィラーCとを含み、前記ポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子のいずれか一方または両方を、前記ポリエステル樹脂A100質量部に対し、0.000005~0.05質量部含み、かつ、前記ポリエステル樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレートの線状オリゴマーの含有量、または前記ポリブチレンテレフタレートの線状オリゴマーおよびポリエチレンテレフタレートの線状オリゴマーの含有量が1000mg/kg以下であり、該ポリエステル樹脂組成物は、♯16000による表面仕上げを施した鏡面金型を用いて、該ポリエステル樹脂組成物を成形温度260℃、金型温度45℃、充填時間4.5秒以上で射出成形して得られた100mm×100mm×2mmtの平板の最大高さ粗さ(Rz)が0.70μm以下である、ポリエステル樹脂組成物。
[2] 上記ポリエステル樹脂組成物は、上記アルカリ金属原子および上記アルカリ土類金属原子のいずれか一方または両方を、上記ポリエステル樹脂A100質量部に対し、0.0005~0.05質量部含む、[1]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[3] 上記金属有機酸塩Bの金属種は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムからなる群より選ばれる1種または2種以上である、[1]または[2]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[4] 上記金属有機酸塩Bは、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウムおよび安息香酸カリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
[5] 前記無機フィラーCは、炭酸カルシウム、シリカ、カオリンおよび硫酸バリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上である、[1]~[4]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を含む、光反射体用部品。
[7] [6]に記載の光反射体用部品の表面の少なくとも一部に光反射金属層が形成されている、光反射体。
[ポリエステル樹脂組成物]
本発明は、82~88質量%(82質量%以上88質量%以下、本明細書において数値範囲を「~」を用いて表わす場合、その範囲は上限および下限の数値を含むものとする)のポリブチレンテレフタレート樹脂と、12~18質量%のポリエチレンテレフタレート樹脂とを含有するポリエステル樹脂Aを含むポリエステル樹脂組成物である。ポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属の有機酸塩およびアルカリ土類金属の有機酸塩のいずれか一方または両方である金属有機酸塩Bと、ポリエステル樹脂A100質量部に対し、1~13質量部の平均粒子径0.05~3μmである無機フィラーCとを含む。さらにポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子のいずれか一方または両方を、ポリエステル樹脂A100質量部に対し、0.000005~0.05質量部含む。さらに、ポリエステル樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレートの線状オリゴマーの含有量、またはポリブチレンテレフタレートの線状オリゴマーおよびポリエチレンテレフタレートの線状オリゴマーの含有量が1000mg/kg以下である。
本発明においてポリエステル樹脂Aは、82~88質量%のポリブチレンテレフタレート樹脂と、12~18質量%のポリエチレンテレフタレート樹脂とを含有する。ポリエステル樹脂Aは、ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリエチレンテレフタレート樹脂以外の第3の成分を含むことを除外するものではないが、この2成分で構成されることが好ましい。ポリエステル樹脂組成物中のポリエステル樹脂Aは、ポリエステル樹脂Aが主成分である限り特に限定されないが、90質量%以上であることが好ましく、92質量%以上であることがより好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸と、1、4-ブタンジオールまたはそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジオールとを重縮合反応させるなどの一般的な重合方法によって得ることができる重合体である。ポリブチレンテレフタレート樹脂は、ブチレンテレフタレートの繰返し単位が80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましく、100モル%であることが最も好ましい。
上記式(I)において、ηr=η/η0であり、ηはポリブチレンテレフタレート樹脂溶液の落下秒数であり、η0は混合溶媒のみの落下秒数であり、Cはポリブチレンテレフタレート樹脂溶液の濃度(g/dl)である。
ポリエチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジオールとを重縮合反応させるなどの一般的な重合方法によって得ることができる重合体である。ポリエチレンテレフタレート樹脂は、エチレンテレフタレートの繰返し単位が80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましく、100モル%であることが特に好ましい。
本発明を構成するポリブチレンテレフタレート樹脂は、たとえば1、4-ブタンジオールと、テレフタル酸またはテレフタル酸ジアルキルとのチタン触媒を使用したエステル化反応またはエステル交換反応により得ることができる。本発明ではポリエステル樹脂組成物に含まれるチタン触媒の含有量を、チタン原子の含有量により規定している。
本発明において、連続成形の際の金型汚れを抑制することができるのは、以下の理由によるものと考えられる。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属の有機酸塩およびアルカリ土類金属の有機酸塩のいずれか一方または両方である金属有機酸塩Bを含む。その含有量は、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子のいずれか一方または両方の含有量を基準として特定され、具体的には、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子のいずれか一方または両方を、上記ポリエステル樹脂A100質量部に対し、0.000005~0.05質量部含むものとなる。すなわち本発明では、ポリエステル樹脂組成物に含まれる金属有機酸塩Bの含有量を、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子のいずれか一方または両方の含有量を特定することにより把握するものとしている。ポリエステル樹脂組成物が、アルカリ金属の有機酸塩およびアルカリ土類金属の有機酸塩の両方を含む場合、前記含有量はアルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子の両方の合計の量である。
金属有機酸塩Bを、ポリエステル樹脂Aを構成するポリブチレンテレフタレート樹脂の重合初期(エステル化反応後またはエステル交換反応後)、およびポリブチレンテレフタレート樹脂の重合後期(重縮合工程(減圧工程)中または重合終了後)のタイミングで添加する場合、その原料であるテレフタル酸と金属有機酸塩B中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属とが塩を形成し、金属有機酸塩Bの作用が失われることにより、金型汚れを抑制する効果が低下する恐れがある。さらに、形成した塩が析出してブツ(seeds)となることにより、良好な外観(特に平滑性を示す鏡面外観)が得られず、この析出した塩などの異物が材料破壊の起点となって機械特性も低下する恐れがある(金属有機酸塩Bを重合終了後に添加する場合には、樹脂の粘度が高いため均一分散が困難であり、金属有機酸塩B自体がブツとなることもある)。
一方、あらかじめ作製した金属有機酸塩Bのマスターペレットをポリエステル樹脂組成物の混練時もしくは成形時に添加する場合、金属有機酸塩Bの存在下でポリエステル樹脂Aが溶融状態である時間を短くすることが可能となり、上記問題が解決されるだけでなく、ポリエステル樹脂Aの分解が低減されるため、色調の悪化(黄色味の増大)が抑制され、かつ耐フォギング性を維持することもできる。
したがって、金属有機酸塩Bは、ポリブチレンテレフタレート樹脂の重合時に添加するよりも、マスターペレットとしてポリエステル樹脂組成物の混練時もしくは成形時に添加することが好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂A100質量部に対し、1~13質量部の平均粒子径0.05~3μmである無機フィラーCを含む。無機フィラーCをこのような範囲にすることにより、耐熱性及び剛性がより向上し、さらに収縮率を小さく制御することができる。特に収縮率が大きいと、射出成形時に金型へのだきつきによる離型不良が生じたり、成形品が大型である場合や形状が複雑な場合などには、成形品に歪みが生じたりすることがあるため、無機フィラーCにより収縮率を小さく制御することは非常に重要である。
無機フィラーCの含有量が1質量部未満の場合、耐熱性及び剛性の向上効果が小さい。13質量部を超えると、フィラーの浮き出しにより、ランプ部材として用いるために必要な表面平滑性が損なわれる。
耐熱性及び剛性の向上、表面平滑性の観点から、無機フィラーCの含有量は2質量部以上が好ましく、さらに収縮率制御の観点から、無機フィラーCの含有量は4質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。表面平滑性の観点から、無機フィラーCの含有量は11質量部以下が好ましく、9質量部以下がより好ましい。
表面処理としては、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アルミネート系カップリング剤等の表面処理剤による処理、シリカによる処理、脂肪酸による処理、SiO2-Al2O3による処理、リン化合物などの酸性化合物による中和処理等が挙げられ、これらの処理を組み合わせても良い。フォギング性の観点から、シリカによる処理、エポキシシランカップリング剤による処理、アルキルシランカップリング剤による処理が好ましい。
(離型剤D)
本発明のポリエステル樹脂組成物は、離型性をより向上させるために、離型剤Dを含有することができる。離型剤Dは、金型汚れを抑制する観点から、脂肪酸エステル化合物であることが好ましい。この脂肪酸エステル化合物には、カルボン酸が部分的に、モノグリコールまたはポリグリコールによりエステル化されている化合物、および部分的に金属塩を形成している化合物を含むことができる。離型剤Dの含有量は、ポリエステル樹脂A100質量部に対し、0.05~3質量部であることが好ましい。離型剤Dの含有量が0.05質量部未満であると十分な離型効果が得られず、離型不良または離型ジワなどが発生する恐れがある。離型剤Dはそれ自体がガス化し、またはブリードアウトすることによって、金型汚れを引き起こす。さらに、たとえばこの離型剤Dを含むポリエステル樹脂組成物を自動車用ランプに適用したとき、100℃~200℃の範囲の温度環境下でヘッドライトのカバーまたはミラーなどに付着し、曇りを発生(フォギング)させたりする。これらの問題は、離型剤Dの含有量が3質量部を超えると顕著となる。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物を製造する方法は、上述した各成分、および必要に応じて添加する安定剤などの添加剤を混合し、溶融混練することにより製造することができる。溶融混練の方法は、公知の方法を用いることが可能であり、たとえば、単軸押出機、二軸押出機、加圧ニーダーまたはバンバリーミキサーなどを使用して溶融混練することができる。なかでも二軸押出機を使用することが好ましい。一般的な溶融混練の条件としては、二軸押出機を使用する場合、シリンダー温度を250~280℃とし、混練時間を2~15分とすることができる。
本発明に係る光反射体用部品は、上記ポリエステル樹脂組成物を含む。光反射体用部品は、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法などの公知の方法でポリエステル樹脂組成物を成形することにより得ることができ、汎用性の観点から射出成形法を用いて得ることが好ましい。光反射体用部品は、たとえば光反射金属層を備えることにより、後述する光反射体となる。
本発明に係る光反射体は、上記光反射体用部品の表面の少なくとも一部に、光反射金属層が形成されている。たとえば、光反射体は、上記光反射体用部品の表面の少なくとも一部に、光反射金属層としての金属薄膜(たとえば、アルミニウム箔)を直接形成することにより得ることができる。特に、光反射体は、上記光反射体用部品の表面の少なくとも一部に、金属薄膜を蒸着することにより得ることが好ましい。蒸着方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
ポリエチレンテレフタレート樹脂bの場合: {(iii)×1000000/2}/{(i)×192/4}=末端水酸基濃度(eq/ton)。
カラム: Shim-pack XR-ODS 2.2μm(3×100mm)
移動相: A 0.2%酢酸水、B アセトニトリル
グラジエント: 0min(10%B)、25min(100%B)、27min(100%B)、27.01min(10%B)、32min(10%B)
流速: 1.1ml/min
カラム温度: 50℃
注入量: 5μl
検出波長: UV258nm。
B: ほとんど汚れが認められない
C: ゲート部反対側の凹部付近の中心に汚れがぼんやりと認められる
D: ゲート部反対側の凹部付近の中心の汚れがはっきりとした輪郭で黒く目立つ。
射出成形機(商品名:「EC100N」、東芝機械株式会社製)を準備し、♯16000番のやすりで磨かれた鏡面を有する金型を用い、100mm×100mm×2mmのポリエステル樹脂組成物からなる平板成形品を射出成形することにより得た。この平板成形品は、金型から転写された鏡面を片面に有する。成形時のシリンダー温度は260℃で、金型温度は45℃、表面にフローマークおよびフィラー浮きが発生しやすくなるように充填時間4.5秒以上で成形した。成形品の鏡面を、フローマークおよびフィラーの浮きによる不良(白化、表面の荒れ、フローマーク)がないか目視および最大高さ粗さ(Rz)により評価した。最大高さ粗さ(Rz)はレーザー顕微鏡(商品名:「カラー3Dレーザー顕微鏡 VK-9700、株式会社キーエンス製」を用いて、倍率20倍で流動末端から10mmの範囲内で5箇所測定を行い、その中の最大値高さ粗さで評価した。
(鏡面外観 目視)
◎:白化、表面の荒れ、フローマークが全く無い。
〇:白化、表面の荒れ、フローマークが目視の角度によりわずかに認められるが、実用上問題ない程度である。
×:白化、表面の荒れ、フローマークが目立つ。
(鏡面外観 最大高さ粗さ(Rz))
〇:最大高さ粗さ(Rz)が0.70μm以下。
×:最大高さ粗さ(Rz)が0.70μm超える。
射出成形機(商品名:「EC100N」、東芝機械株式会社製)を用い、シリンダー温度260℃、金型温度60℃の条件で、ISO-3167の多目的試験片を成形した。この多目的試験片に対し、ISO-75に準拠し、0.45MPaで荷重したときの熱変形温度を測定した。
射出成形機(商品名:「EC100N」、東芝機械株式会社製)を用い、シリンダー温度260℃、金型温度60℃の条件で、100mm×100mm×2mmのポリエステル樹脂組成物からなる平板成形品を射出成形することにより得た。成形後24時間経過後に成形品の流動方向と、流動方向に対して直角方向の成形品の幅をノギスでそれぞれ測定し、下記式により、成形収縮率(流動方向、直角方向の成形収縮率の平均値)を算出した。
成形収縮率: [{100-(成形品の流動方向の幅)}/100+{100-(成形品の直角方向の幅)}/100]/2
ポリエステル樹脂Aは、以下のポリブチレンテレフタレート樹脂aのいずれかからなり、または以下のポリブチレンテレフタレート樹脂aのいずれかとポリエチレンテレフタレート樹脂bとからなる。
a-1: IV=0.83dl/g、末端水酸基=95eq/ton、酸価=9eq/ton、チタン原子含有量=80mg/kg(IV=0.78dl/gの溶融重合樹脂を使用、210℃でIV=0.83dl/gに到達するまで固相重合した)。ただし、金属有機酸塩Bとして酢酸カリウム10mg/kgを上記溶融重合樹脂の溶融重合時(エステル化反応後)に添加
a-2: IV=0.83dl/g、末端水酸基=95eq/ton、酸価=9eq/ton、チタン原子含有量=80mg/kg(IV=0.78dl/gの溶融重合樹脂を使用、210℃でIV=0.83dl/gに到達するまで固相重合した)。ただし、溶融混練時に金属有機酸塩Bをマスターペレットにより添加
a-3: IV=0.83dl/g(溶融重合により得た樹脂)、末端水酸基=100eq/ton、酸価=10eq/ton、チタン原子含有量=80mg/kg(線状オリゴマーの含有量を低減するための特段の処理をしなかった)。ただし、金属有機酸塩Bとして酢酸カリウム10mg/kgを上記樹脂の溶融重合時(エステル化反応後)に添加
a-4: IV=0.83dl/g、末端水酸基=95eq/ton、酸価=9eq/ton、チタン原子含有量=30mg/kg(IV=0.78dl/gの溶融重合樹脂を使用、210℃でIV=0.83dl/gに到達するまで固相重合した)。ただし、金属有機酸塩B不添加
a-5: IV=0.83dl/g(溶融重合により得た樹脂)、末端水酸基=100eq/ton、酸価=10eq/ton、チタン原子含有量=80mg/kg(線状オリゴマーの含有量を低減するための特段の処理をしなかった)。ただし、溶融混練時に金属有機酸塩Bをマスターペレットにより添加。
B-1: 酢酸カリウム(和光純薬工業株式会社製)
B-2: 酢酸カリウム(和光純薬工業株式会社製)のマスターペレット。
下記平均粒子径は、レーザー回折法により測定した値(体積累積粒度分布の50%径)を示す。
C-1: 軽質炭酸カルシウム[商品名:「RK-92BR3F」、白石工業株式会社製(シリカ/エポキシシランカップリング剤処理、平均粒子径0.15μm)]
C-2: 軽質炭酸カルシウム[商品名:「RK-82BR1F」、白石工業株式会社製(シリカ/アルキルシランカップリング剤処理、平均粒子径0.15μm)]
C-3: 軽質炭酸カルシウム[商品名:「RK-87BR2F」、白石工業株式会社製(シリカ処理、平均粒子径0.15μm)]
C-4: 溶融シリカ[商品名:「MC3000」、キンセイマテック株式会社製(平均粒子径1.2μm)]
C-5: 含水カオリン[商品名:「ASP-200」、BASF社製(平均粒子径0.4μm)]
C-6: 沈降性硫酸バリウム[商品名:「B-54」、堺化学工業株式会社製(平均粒子径0.7μm)]
C-7: 炭酸カルシウム[商品名:「SCP E-#45」、林化成株式会社製(平均粒子径20.0μm)]
C-8: 硫酸バリウム[商品名:「BMH-100」、堺化学工業株式会社社製(平均粒子径11.6μm)]。
D-1: トリグリセリンベヘン酸フルエステル(商品名:「ポエムTR-FB」、理研ビタミン株式会社製)
表1、2に示す組み合わせで配合した配合成分を、シリンダー温度260℃に設定した同方向二軸押出機で混練を行い、得られたストランドを水冷し、ペレット化した。得られた各ペレットを130℃で4時間乾燥し、各実施例および各比較例に対応するポリエステル樹脂組成物を得た。これらのポリエステル樹脂組成物を対象にして、上述の各評価試験(4)~(10)を行なった。
また、無機フィラーを含まない比較例5と無機フィラー以外の組成物構成が同じである実施例2、5とで、熱変形温度を比較すると、比較例5が120℃である一方、実施例2が133℃、実施例5が152℃となり、比較例5は耐熱性が低いと評価された。さらに実施例1~11は、成形収縮率が13/1000~14/1000であったのに対し、比較例5は、成形収縮率が16/1000であった。比較例5は、射出成形時の金型へのだきつきによる離型不良や成形品が大型である場合や形状が複雑な場合などに成形品に歪みが生じたりする可能性が高いといえる。
比較例6は、無機フィラーCが過多であり、フィラーの浮き出しによる外観不良が見られた。比較例7、8は、無機フィラーCの平均粒子径が所定値を超えて大きく、分散不良により鏡面外観が悪化した。
比較例9、10はポリエチレンテレフタレート樹脂bが過小である例であり、成形収縮率はそれぞれ16/1000、14/1000であった。比較例9は、射出成形時の金型へのだきつきによる離型不良や成形品が大型である場合や形状が複雑な場合などに成形品に歪みが生じたりする可能性が高いといえる。これに対し、比較例10では無機フィラーの添加量が増加しているため、成形収縮率は抑えられているが、フィラーの浮き出しにより、外観が悪化した。
Claims (7)
- 82~88質量%のポリブチレンテレフタレート樹脂と、12~18質量%のポリエチレンテレフタレート樹脂とを含有するポリエステル樹脂Aを含むポリエステル樹脂組成物であって、
前記ポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属の有機酸塩およびアルカリ土類金属の有機酸塩のいずれか一方または両方である金属有機酸塩Bと、前記ポリエステル樹脂A100質量部に対し、1~13質量部の平均粒子径0.05~3μmである無機フィラーCを含み、
前記ポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子のいずれか一方または両方を、前記ポリエステル樹脂A100質量部に対し、0.000005~0.05質量部含み、かつ、
前記ポリエステル樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレートの線状オリゴマーの含有量、または前記ポリブチレンテレフタレートの線状オリゴマーおよびポリエチレンテレフタレートの線状オリゴマーの含有量が1000mg/kg以下であり、
該ポリエステル樹脂組成物は、♯16000による表面仕上げを施した鏡面金型を用いて、該ポリエステル樹脂組成物を成形温度260℃、金型温度45℃、充填時間4.5秒以上で射出成形して得られた100mm×100mm×2mmtの平板の最大高さ粗さ(Rz)が0.70μm以下である、ポリエステル樹脂組成物。 - 前記ポリエステル樹脂組成物は、前記アルカリ金属原子および前記アルカリ土類金属原子のいずれか一方または両方を、前記ポリエステル樹脂A100質量部に対し、0.0005~0.05質量部含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記金属有機酸塩Bの金属種は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムからなる群より選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記金属有機酸塩Bは、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウムおよび安息香酸カリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上である、請求項1~3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記無機フィラーCは、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、および硫酸バリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上である、請求項1~4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を含む、光反射体用部品。
- 請求項6に記載の光反射体用部品の表面の少なくとも一部に光反射金属層が形成されている、光反射体。
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