JP4725514B2 - 熱可塑性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および成形品 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂等の縮合重合体を主成分とする熱可塑性樹脂組成物およびその成形品に関するものである。詳しくは、優れた寸法安定性、表面平滑性、光沢および透明性を発揮する成形品を与える熱可塑性樹脂組成物およびその成形品に関する。
ポリエステル樹脂を代表とする縮合重合体は、優れた機械的強度を発揮することからボトル、シート、フィルムなどの多様な分野で用いられている。特にポリエステル樹脂は、透明性や衛生性に優れるため、ボトルやブリスターパックなどの食品包装材料として広く用いられている。近年では環境負荷低減への配慮から廃棄される樹脂を回収、再利用する動きが活発になっており、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PETともいう。)樹脂ボトルの回収量、再利用量は年々増加している。再生PET樹脂の主な需要は、卵パック用のシートや衣服、カーペット用の繊維に用いられている。再生PET樹脂の回収量は増加する一方で、シート、繊維等の再利用製品の需要は横ばい状態になりつつある。
そこで現在、再生PET樹脂製品の需要を拡大すべく、新たな製品の開発が求められている。本来PET樹脂は溶融粘度や溶融張力が低いため、繊維やフィルム等の小径や小断面積の成形品には適している。しかし、大径または大断面積の成形品、特に押出成形品を得るには、溶融張力が低すぎてドローダウン現象が発生し、所望の寸法の成形品が得られない。また真空成形においても、ドローダウン現象による厚みの不均一な偏肉が起こり易い。このようなPET樹脂本来の低粘度、低溶融張力が、新たな製品の開発の障壁となっている。さらに、再生PET樹脂においては、熱履歴が多く加水分解が進行しているために、ヴァージンPET樹脂よりも更に溶融粘度および溶融張力が低いので、新規の成形品用途開発は極めて難しい状況にある。
そこで従来、PET樹脂および再生PET樹脂の溶融粘度および溶融張力を改善する(大きくする)方法として、エポキシ基を有する重合体を配合する方法(例えば特許文献1、及び特許文献2参照。)やエポキシ基含有化合物と有機アルカリ金属塩を配合する方法(例えば特許文献3参照。)等が提案されている。
特許文献1、特許文献2または特許文献3に記載された方法によれば、ポリエステル樹脂の溶融粘度および溶融張力を高めることができ、成形時のドローダウンを改良する事ができる。しかしながら、上記方法においては成形機内で部分的に強固な架橋物が生成され、成形機内での溶融樹脂の流動が不均一になり、成形品の寸法安定性、表面平滑性、光沢、透明性が損なわれる場合がある。
特許第2675718号公報 国際公開WO03/066704号パンフレット 再公表特許WO01/094443号公報
本発明は、溶融粘度および溶融張力が大きい熱可塑性樹脂組成物であって、寸法安定性、表面平滑性、光沢および透明性の優れた成形品を与える熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、寸法安定性、表面平滑性、光沢および透明性の優れた成形品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、エポキシ基との反応性を備える官能基を有するポリエステル樹脂(A)、エポキシ基を有するビニル単量体10〜50質量%、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステルの合計量50〜90質量%を重合反応させて得られる重合体(B)〔但し、前記エポキシ基を有するビニル単量体、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステルの合計を100質量%とする〕、並びにカルボキシル基を1個有する(A)成分以外の化合物(C)を含有し、前記(C)成分が有するカルボキシル基は、全部または一部が金属と塩を形成していないものであり、前記(A)成分100質量部を基準とする(B)成分の割合が0.1〜20質量部であり、(B)成分100質量部を基準とする(C)成分の割合が0.025〜7質量部であることを特徴とするものである。
本発明の成形品は、請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形加工して得られるものである。
溶融粘度および溶融張力が大きく、寸法安定性、表面平滑性、光沢および透明性の優れた成形品を与える熱可塑性樹脂組成物が得られた。また、寸法安定性、表面平滑性、光沢および透明性の優れた成形品が得られた。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明において、アクリルおよびメタクリルを併せて(メタ)アクリルともいう。
エポキシ基との反応性を備える官能基を有する熱可塑性樹脂(A)(以下、単に熱可塑性樹脂(A)ともいう。)は、熱可塑性樹脂組成物の主要成分であり、組成物を成形させて得られる成形品の基本的な性能を担うものである。エポキシ基との反応性を備える官能基の具体例としては、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基等が挙げられる。熱可塑性樹脂(A)の例としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロース樹脂、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂、カルボン酸変性SBS樹脂、カルボン酸変性SEBS樹脂等が挙げられる。また、これらの熱可塑性樹脂の廃棄物が回収、再利用されたもの、すなわち再生熱可塑性樹脂であってもよい。好ましくは、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびこれらの再生樹脂が挙げられる。より好ましい熱可塑性樹脂(A)としては、ポリエステル樹脂(再生ポリエステル樹脂を含む)が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸単位およびジオール単位を構成単位とする縮合型の重合体または共重合体が挙げられる。
ジカルボン酸単位を形成するために使用される原料の例としては芳香族ジカルボン酸およびそのジアルキルエステル化物またはジアリルエステル化物が挙げられる。芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン1,4−ジカルボン酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸またはそのジアルキルエステル化物もしくはジアリルエステル化物を併用することもでき、脂肪族ジカルボン酸の具体例としてはグルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、シュウ酸、コハク酸等が挙げられる。
ジオール単位を形成するために使用される原料の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリエステル樹脂のうち、ジカルボン酸単位としてテレフタル酸単位および/またはイソフタル酸単位を含み、ジオール単位としてエチレングリコール単位を含む結晶性ホモポリエチレンテレフタレート樹脂および結晶性コポリエステル樹脂は好ましいものである。また、ジカルボン酸単位としてテレフタル酸単位を含み、ジオール単位としてエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を含む非結晶性コポリエステル樹脂は好ましいものである。またその他のポリエステル樹脂として、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、生分解性ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
エポキシ基を有する重合体(B)(以下、単に重合体(B)ともいう。)は、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度および溶融張力を高める役割を担う成分である。重合体(B)は、エポキシ基を有するビニル単量体とその他のビニル単量体を重合反応させて得られる。エポキシ基を有するビニル単量体として、例えば(メタ)アクリル酸グリシジルやシクロヘキセンオキシド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ基を有するビニル単量体として好ましいものは(メタ)アクリル酸グリシジルである。
その他のビニル単量体の例としては、炭素数が1〜22であるアルキル基(アルキル基は直鎖でもよいし、分岐鎖でもよい)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル及び(メタ)アクリル酸アルコキシシリルアルキルエステルが挙げられる。炭素数が1〜22であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリルが挙げられる。
その他のビニル単量体としては、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジアルキルアミド、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルエーテル類、(メタ)アリルエーテル類、スチレン、αーメチルスチレン等の芳香族系ビニル単量体、エチレン、プロピレン等のαオレフィンモノマーも使用可能である。これらは、一種または二種以上を用いることができる。
重合体(B)に用いられるビニル単量体組成を設計する上で、本発明の目的、およびその他の機能を付与する目的に合わせてビニル単量体を選択することができる。例えば、得られる成形品の性能として、特に透明性が要求される場合には、屈折率が熱可塑性樹脂(A)に近いビニル単量体を選択することが好ましい。熱可塑性樹脂(A)がポリエチレンテレフタレート(屈折率 約1.565)である場合は、その他のビニル単量体としては屈折率の高いスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族系ビニル単量体が好ましい。また、得られる成形品に特に柔軟性が要求される場合には、その他のビニル単量体として、(メタ)アクリル酸ブチルまたは(メタ)アクリル酸エチル等のガラス転移温度の低いビニル単量体が好ましい。また、重合体(B)に相容化剤としての機能も担わせる場合、例えばポリエチレンテレフタレート/ポリオレフィンブレンド組成物やポリカーボネート/ポリオレフィンブレンド組成物を対象とする場合には、その他のビニル単量体として、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン系ビニル単量体を用いる事が好ましい。
重合体(B)は、エポキシ基を有するビニル単量体単位およびその他のビニル単量体単位をそれぞれ1〜70質量%および30〜99質量%の割合で含むものが好ましく、それぞれ5〜60質量%および40〜95質量%の割合で含むものがより好ましく、10〜50質量%および50〜90質量%の割合で含むものがさらに好ましい。エポキシ基を有するビニル単量体単位の割合が1質量%未満である場合には、熱可塑性樹脂組成物の溶融張力を大きくする効果が小さく、ドローダウン現象を抑えられずに目的とする成形品の形状を得ることができない場合がある。また、エポキシ基を有するビニル単量体単位の割合が70質量%を超える場合には、熱可塑性樹脂(A)と重合体(B)との過剰な架橋反応により、熱可塑性樹脂組成物が成形機内で架橋物となり、所望形状の成形品を得ることができない場合がある。
重合体(B)1分子当たりが有する平均エポキシ基の個数は、1.2個以上が好ましい。より好ましくは1.5〜100個であり、さらに好ましくは2.0〜50個である。
重合体(B)1分子当たりが有する平均エポキシ基の個数は、下記の式(1)から求める事ができる。
平均エポキシ基の個数 = a×b/100c (1)
式(1)においてa、bおよびcはそれぞれ以下のとおりである。
a:重合体(B)に含まれるエポキシ基を有するビニル単量体単位の割合(質量%)
b:重合体(B)の数平均分子量
c:エポキシ基を有するビニル単量体の分子量
重合体(B)1分子当たりが有する平均エポキシ基の個数が、1.2個未満であると、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度および溶融張力を大きくする効果が小さく、ドローダウン現象の改良に至らない場合がある。
重合体(B)の数平均分子量は、300〜30000が好ましく、350〜25000がより好ましく、400〜20000がさらに好ましい。数平均分子量が300未満であると、重合体(B)1分子当たりの平均エポキシ基の個数が少なくなるため、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度および溶融張力を大きくする効果が不十分となる場合がある。また、数平均分子量が30000を超えると、重合体(B)1分子当たりの平均エポキシ基の個数が多くなり、熱可塑性樹脂組成物が成形機内で過剰な架橋反応を起こして成形性を悪くする場合がある。
重合体(B)は、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法等任意の方法で製造することができる。好ましい方法は連続塊状重合法であり、より好ましい方法は高温連続塊状重合法である。重合温度は130〜350℃が好ましく、150〜330℃がより好ましく、170〜270℃がさらに好ましい。上記重合温度においては、ラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を使用しないかまたは極めて少量の使用により、目的とする分子量の重合体が効率的に得られる。重合温度が130℃未満の場合、目的の分子量を得るには、多量のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を必要とするため、得られた重合体中には不純物が多く含まれやすい。そのため、熱可塑性樹脂組成物や成形品に着色や異臭等の問題が発生する場合がある。重合温度が350℃を超えると、重合体の熱分解が起こり、目的とする重合体を効率よく得ることができない場合がある。
このような高温連続重合は、特表昭57−502171号公報、特開昭59−6207号公報、特開昭60−215007号公報等に開示された公知の方法に従えば良い。例えば、加圧可能な反応器を加圧下で所定温度に設定した後、各ビニル単量体、及び必要に応じて重合溶媒とからなるビニル単量体混合物を一定の供給速度で反応機へ供給し、ビニル単量体混合物の供給量に見合う量の重合反応液を抜き出す方法があげられる。又、ビニル単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。その場合の配合量としては、ビニル単量体混合物100質量部に対して0.001〜2質量部であることが好ましい。圧力は、反応温度と使用するビニル単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさないので、前記反応温度を維持できる圧力であればよい。単量体混合物の反応器内での滞留時間は、1〜60分であることが好ましい。滞留時間が1分に満たない場合は単量体が充分に反応しない恐れがあり、60分を越える場合は、生産性が悪くなってしまうことがある。好ましい滞留時間は2〜40分である。
カルボキシル基を1個有する(A)成分以外の化合物(C)(以下、カルボキシル化合物(C)ともいう。)は、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度および溶融張力を調節し、熱可塑性樹脂組成物が成形される前または成形工程中にゲル化することにより引き起こされる成形の不具合を防ぐための成分である。「(A)成分以外の」としたのは、「エポキシ基との反応性を備える官能基を有する熱可塑性樹脂(A)」と定義されるものの中にはカルボキシル基を1個のみ有する化合物(例えば2つの末端にカルボキシル基および水酸基を1個ずつ有するポリエステル樹脂)も含まれるが、このような(A)成分はカルボキシル化合物(C)から除外されることを明確に表現したものである。
カルボキシル化合物(C)が有するカルボキシル基は、全部または一部がナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの金属と塩を形成していないものでなければならない。その理由は、これら金属と塩を形成しているものは、熱可塑性樹脂組成物の成形の不具合を防ぐ効果が充分発揮されないためである。
カルボキシル化合物(C)の具体例としては、酢酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、イソペンタン酸等の低級脂肪族カルボン酸化合物、及びデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪族カルボン酸化合物、及び安息香酸、メチル安息香酸、4−エチル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、o−トリル酢酸、m−トリル酢酸、p−トリル酢酸、2−フェニル酪酸、4−フェニル酪酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸化合物が挙げられる。無水安息香酸、無水酪酸、無水ヘキサン酸、無水プロピオン酸等の単官能カルボン酸の無水物は、加水分解によりカルボキシル基を1個有する化合物に転化されるので、カルボキシル化合物(C)に含まれる。無水フタル酸、無水マレイン酸などの2価カルボン酸の無水物は、加水分解によりカルボキシル基を2個有する化合物に転化されるので、カルボキシル化合物(C)に含まれない。
カルボキシル化合物(C)としては、炭素数が5以上のカルボン酸化合物が好ましく、芳香族カルボン酸化合物がより好ましい。カルボキシル化合物(C)が芳香族カルボン酸化合物である場合は、熱可塑性樹脂組成物の成分である熱可塑性樹脂(A)および重合体(B)の相溶性を良好にさせる効果があり、得られる成形品はより均質なものとなりやすいために好ましい。
カルボキシル化合物(C)は、沸点が100℃以上であるものが好ましい。150℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましい。沸点が100℃未満であると、組成物製造における加熱溶融過程において、カルボキシル化合物(C)が気散しやすいため、組成物中における濃度を制御しにくいほか、作業環境を不適性にする場合もある。
熱可塑性樹脂組成物に含まれる重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)の割合は、重合体(B)100質量部を基準としてカルボキシル化合物(C)0.025〜7質量部であり、好ましくは0.03〜7質量部であり、より好ましくは0.04〜6質量部であり、さらに好ましくは0.05〜5質量部である。カルボキシル化合物(C)の割合が0.025質量部未満であると熱可塑性樹脂組成物が成形される時に成形安定性(流動性)が不安定なものになり、得られる成形品の寸法安定性が不十分なものとなる。7質量部を超えると熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度および溶融張力を大きくする効果が不充分となり、設計通りの成形品を得ることが困難となる。
熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂(A)および重合体(B)の割合は、熱可塑性樹脂(A)100質量部を基準として重合体(B)0.1〜20質量部であり、好ましくは0.2〜16質量部である。重合体(B)の割合が0.1質量部未満であると熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度および溶融張力を大きくする効果が不充分となり、設計通りの成形品を得ることが困難となる。20質量部を超えると熱可塑性樹脂組成物が成形される時に成形安定性(流動性)が不安定なものになり、得られる成形品の寸法安定性が不十分なものとなる。
熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)以外に、体質顔料、着色顔料、可塑剤、流動性調整剤、その他熱可塑性樹脂に配合可能な公知の成分が添加されたものであってもよい。
熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)を任意の方法により混合させて得られる。例えば、単軸押出機、噛合い形同方向平行軸二軸押出機、噛合い形異方向平行軸二軸押出機、噛合い形異方向斜軸二軸押出機、非噛合い形二軸押出機、不完全噛合い形二軸押出機、コニーダー形押出機、プラネタリギヤ形押出機、トランスファミックス押出機、ラム押出機、ローラ押出機等の押出成形機またはニーダー等により、各原料を混合することにより得られる。また、上記混合に先立って、ヘンシェルミキサーやタンブラー等を使用して原料を予備混合することもできる。
熱可塑性樹脂組成物の各原料成分は、ペレット形状、パウダー形状、液状等の任意形状または性状のものを使用することができる。
重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)は、予め一定量の熱可塑性樹脂と混合されたマスターバッチとして調製され、該マスターバッチと熱可塑性樹脂(A)を混合することにより熱可塑性樹脂組成物を製造することができる(以下、マスターバッチ法ともいう。)。マスターバッチ法は、比較的少量の成分であるカルボキシル化合物(C)を、熱可塑性樹脂組成物中に均一に混合させやすいために好ましい方法である。マスターバッチの調製に使用される熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂(A)の一部であってもよいし、エポキシ基との反応性を備える官能基を有しない熱可塑性樹脂(D)(以下、単に熱可塑性樹脂(D)ともいう。)であってもよいし、両者が併用されてもよい。
マスターバッチの調製およびマスターバッチと熱可塑性樹脂(A)の混合による熱可塑性樹脂組成物の製造は、上記に例示した押出機やニーダーなどを使用して行うことができる。
マスターバッチの調製に使用される熱可塑性樹脂が熱可塑性樹脂(A)である場合は、マスターバッチの調製工程において、最終的に熱可塑性樹脂組成物に配合される熱可塑性樹脂(A)全量のうちの一部が使用される。マスターバッチ中の熱可塑性樹脂(A)、重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)の合計量100質量部を基準として、熱可塑性樹脂(A)は30〜85質量部であり、重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)の合計量は15〜70質量部であることが好ましい。熱可塑性樹脂(A)は40〜80質量部であり、重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)の合計量は20〜60質量部であることがより好ましく、熱可塑性樹脂(A)は45〜75質量部であり、重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)の合計量は25〜55質量部であることがより好ましい。
このようなマスターバッチを使用することにより、熱可塑性樹脂組成物は特に溶融粘度、溶融張力が大きく、寸法安定性、表面平滑性、光沢および透明性の優れた成形品を与えるものとなる。
上記のように調製された熱可塑性樹脂(A)を含むマスターバッチを使用して熱可塑性樹脂組成物を製造する場合には、マスターバッチと混合する熱可塑性樹脂(A)の量は、最終的に熱可塑性樹脂組成物に配合される熱可塑性樹脂(A)全量から、マスターバッチの調製に供された熱可塑性樹脂(A)の量を差し引いたものとなる。
マスターバッチの調製は、熱可塑性樹脂(A)を使用せずに熱可塑性樹脂(D)を使用して行うこともできる。マスターバッチ中の熱可塑性樹脂(D)、重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)の合計量100質量部を基準として、熱可塑性樹脂(D)は30〜85質量部であり、重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)の合計量は15〜70質量部であることが好ましい。熱可塑性樹脂(D)は40〜80質量部であり、重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)の合計量は20〜60質量部であることがより好ましく、熱可塑性樹脂(D)は45〜75質量部であり、重合体(B)およびカルボキシル化合物(C)の合計量は25〜55質量部であることがより好ましい。
このようなマスターバッチを使用することにより、熱可塑性樹脂組成物は特に溶融粘度、溶融張力が大きく、寸法安定性、表面平滑性、光沢および透明性の優れた成形品を与えるものとなる。
上記のように調製された熱可塑性樹脂(A)を含まないマスターバッチを使用して熱可塑性樹脂組成物を製造する場合には、マスターバッチと混合する熱可塑性樹脂(A)の量は、最終的に熱可塑性樹脂組成物に配合される熱可塑性樹脂(A)全量となる。
マスターバッチが熱可塑性樹脂(A)および熱可塑性樹脂(D)を併用して製造される場合は、上記マスターバッチ製造要領において、熱可塑性樹脂(A)または(D)の割合を、マスターバッチ調製に使用される熱可塑性樹脂(A)および熱可塑性樹脂(D)の合計量に置き換えて設計すればよい。
マスターバッチの調製に使用される熱可塑性樹脂は、その一部または全量が熱可塑性樹脂(A)であることが好ましい。その理由は、熱可塑性樹脂組成物が上記特性の特に良好なものとなりやすいためである。
マスターバッチ調製に使用される熱可塑性樹脂(D)の例としては、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン・アクリル酸エチル共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体、メタクリル酸メチル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等のスチレン樹脂、およびポリメタクリル酸メチル樹脂等のアクリル樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物は、押出成形機や射出成形機を使用して各種成形品の製造に供することができる。熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品としては、シート、フィルム等の押出成形品、カレンダー成形品、パイプ、巾木等の異形押出成形品、射出成形品、ボトル等のブロー成形品、絞り成形品等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は耐ドローダウン性が優れるものであるため、押出成形機により成形品を製造する方法は、本発明の特徴を有効に利用するという点で好ましい方法である。好ましい成形品としては押出機による透明シート、透明フィルム、異形成形品が挙げられる。
(重合体1の製造)
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。一方、スチレン(以下、Stという。)74質量部、グリシジルメタクリレート(以下、GMAという。)20質量部、アクリル酸ブチル(以下、BAという。)6質量部、キシレン15質量部および重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド(以下、DTBPという。)0.5質量部からなる単量体混合液を原料タンクに仕込んだ。一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給し、反応器の内容液質量が約580gで一定になるように反応液を反応器の出口から連続的に抜き出した。その時の反応器内温は、約210℃に保たれた。
反応器内部の温度が安定してから36分経過した後から、抜き出した反応液を減圧度30kPa、温度250℃に保った薄膜蒸発機により連続的に揮発成分除去処理して、揮発成分をほとんど含まない重合体1を回収した。180分かけて約7kgの重合体1を回収した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、GPCという。)より求めたポリスチレン換算による重合体1の数平均分子量(以下、Mnという。)は3800であり、また重量平均分子量(以下、Mwという。)は9800であった。重合体1分子当たりに含まれるエポキシ基の平均個数(以下、Fnという。)は、4.5であった。
(重合体2の製造)
St38質量部、BA8質量部、GMA25質量部、メチルメタクリレート(以下、MMAという。)29質量部、キシレン15質量部、DTBP0.3質量部からなる単量体混合液を用いた以外は、重合体1の製造と同じ方法にて、重合体2を製造した。
GPCより求めたポリスチレン換算による重合体2のMnは2900であり、Mwは10800であった。Fnは5.1であった。
(重合体3および4の製造)
原料単量体の組成を表1に示すとおりとした以外は重合体1の製造と同じ製造方法にて、重合体3および4を製造した。
Figure 0004725514
(マスターバッチ1〜16の調製)
マスターバッチ用熱可塑性樹脂(以下、ビヒクルともいう。)として、非結晶性コポリエステル樹脂であるイーストマンケミカル社製 イースター6763(以下、PET−Gという。)を用いた。PET−G 79.995質量%に、重合体1を20質量%、安息香酸を0.005質量%添加し、ヘンシェルミキサーにて各成分を均一に予備混合した後、同方向平行軸2軸押出機(プラスチック工学研究所製 ST−40)にて、溶融混練してマスターバッチ1を得た。
また、原料の種類および量を表2の通りとする以外は、マスターバッチ1の調製と同じ方法によりマスターバッチ2〜16を調製した。
(マスターバッチ17−21の調製)
ビヒクルとして、結晶性コポリエステル樹脂である三菱化学株式会社製 ノバペットBK−2180(以下、単にBK−2180という。)を用いた。BK−2180 84.55質量%に、安息香酸を0.05質量%添加し、ヘンシェルミキサーにて各成分を均一に混合した。その混合物を、同方向平行軸2軸押出機(プラスチック工学研究所製、ST−40)のホッパーに投入した。ついでBK−2180と安息香酸の混合物が押出機内で溶融したところで、液状添加装置を用いて、重合体4を15.4質量%になるように加えて混合し、マスターバッチ17を得た。
また、原料の種類および量を表2の通りとする以外は、マスターバッチ17の調製と同じ方法によりマスターバッチ18〜21を調製した。
Figure 0004725514
(熱可塑性樹脂組成物の製造)
テストニーダー(東洋精機株式会社製 ラボプラストミル 30C150型 R−60 ミル)を使用し、表3に示す配合の熱可塑性樹脂組成物および表4に示す配合の比較用組成物を280℃で5分混練した(表3の実験例1〜12は実施例であり、実験例13及び14は参考例である)。混練開始後1分毎に混練トルクを計測して、組成物の溶融状態を観測した。
Figure 0004725514
Figure 0004725514
例1〜8および比較例1〜5のトルクの測定結果を表5に示した。
例1は、比較例1よりも混練トルクが高く増粘効果すなわち溶融粘度増大効果が確認された。また、実例1の増粘作用は、混練時間1〜2分程度で速やかに終了し、かつ樹脂組成物を取り出した際の状態もゲル化はしていなかった。一方、比較例2においては混練時間1〜5分間に増粘作用が続き、取り出した樹脂組成物はゲル化した状態であった。比較例4、比較例5の組成物もゲル化した状態であった。
Figure 0004725514
(押出シート成形試験、シート表面平滑性評価)
例9〜14の熱可塑性樹脂組成物および比較例6〜10の比較用樹脂組成物について、シート成形用のフィッシュテールダイを装備した直径40mmの単軸押出機を用い、スクリュー回転20回転/分の条件で、成形温度280℃にて、厚さ0.5mmのシートを成形した。
シートの表面状態を評価するために、表面光沢計(日本電色株式会社製グロスメーターVG2000型)にて表面光沢(60度グロス)を測定した。また、目視により透明性を評価した。これらの結果を表6に示した。
例9のシートの表面平滑性は高く(60度グロスが大きく)、透明性に優れるものであった。実例10〜14のシートも良好な透明性を有していた。比較例6、8〜10のシートは、表面が粗く光沢が無い状態であり、不透明であった。比較例7は実例12との比較において表面光沢の劣るものであった。さらに、各実例のシートの寸法安定性は、各比較例のシートに比べて高かった。このことから、実例9〜12の熱可塑性樹脂組成物から、優れた寸法安定性、表面平滑性、光沢、および透明性を発揮する成形品が得られることがわかる。
Figure 0004725514
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、溶融張力が高く、溶融成形時の寸法安定性に優れる材料であるので、シート、フィルム等の押出成形品、および異形押出成形品、また絞り成形品、さらにブロー成形品に適している。

Claims (8)

  1. エポキシ基との反応性を備える官能基を有するポリエステル樹脂(A)、エポキシ基を有するビニル単量体10〜50質量%、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステルの合計量50〜90質量%を重合反応させて得られる重合体(B)〔但し、前記エポキシ基を有するビニル単量体、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステルの合計を100質量%とする〕、並びにカルボキシル基を1個有する(A)成分以外の化合物(C)を含有し、
    前記(C)成分が有するカルボキシル基は、全部または一部が金属と塩を形成していないものであり、
    前記(A)成分100質量部を基準とする(B)成分の割合が0.1〜20質量部であり、(B)成分100質量部を基準とする(C)成分の割合が0.025〜7質量部である熱可塑性樹脂組成物。
  2. 上記重合体(B)は、重合体1分子平均エポキシ基を1.2個以上有する重合体である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 上記重合体(B)は、数平均分子量が300〜30000の重合体である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. エポキシ基との反応性を備える官能基を有するポリエステル樹脂(A)および以下のマスターバッチを混合して得られる請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    マスターバッチ:エポキシ基との反応性を備える官能基を有するポリエステル樹脂(A)、エポキシ基を有するビニル単量体10〜50質量%、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステルの合計量50〜90質量%を重合反応させて得られる重合体(B)〔但し、前記エポキシ基を有するビニル単量体、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステルの合計を100質量%とする〕、並びにカルボキシル基を1個有する(A)成分以外の化合物(C)を混合して得られ、
    前記(C)成分が有するカルボキシル基は、全部または一部が金属と塩を形成していないものであり、
    前記(B)成分、(C)成分および(A)成分の割合は、(B)成分、(C)成分および(A)成分の合計量100質量部を基準として、(B)成分と(C)成分の合計量15〜70質量部、(A)成分30〜85質量部である組成物。
  5. エポキシ基との反応性を備える官能基を有するポリエステル樹脂(A)および以下のマスターバッチを混合して得られる請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    マスターバッチ:エポキシ基との反応性を備える官能基を有しない熱可塑性樹脂(D)、エポキシ基を有するビニル単量体10〜50質量%、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステルの合計量50〜90質量%を重合反応させて得られる重合体(B)〔但し、前記エポキシ基を有するビニル単量体、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステルの合計を100質量%とする〕、並びにカルボキシル基を1個有する(A)成分以外の化合物(C)を混合して得られ、
    前記(C)成分が有するカルボキシル基は、全部または一部が金属と塩を形成していないものであり、
    前記(B)成分、(C)成分および(D)成分の割合は、(B)成分、(C)成分および(D)成分の合計量100質量部を基準として、(B)成分と(C)成分の合計量15〜70質量部、(D)成分30〜85質量部である組成物。
  6. 熱可塑性樹脂(D)は、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂からなる群から選ばれたものである請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の成形により得られる成形品。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の押出成形により得られる成形品。
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