JP2005343970A - ポリ乳酸系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明性を大きく損なうことなく、溶融張力が高くインフレーション法によるフィルム化に適しており、厚み、幅等の設定条件の自由度が高く、さらにはインフレーション成形後においても分子量がさほど大きく低下することがなく、以て耐加水分解性に優れたポリ乳酸系樹脂組成物の提供。
【解決手段】 ポリ乳酸(A)100重量部と、エポキシ当量200〜1000g/eq、重量平均分子量(Mw)5000〜100000であるエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)0.001重量部ないし1重量部とを加熱してなることを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物。190℃で測定される溶融張力は0.1g以上であることを特徴とする。190℃における溶融伸長は20m/分以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明性、溶融張力が高く、インフレーションフィルム成形に好適なポリ乳酸系樹脂組成物に関する。
最近、地球環境保全の見地から、土中、水中に存在する微生物の作用により自然環境下で分解される生分解性ポリマーが注目され、様々な生分解性ポリマーが開発されている。これらの中で溶融成形が可能な生分解性ポリマーとして、例えばポリヒドロキシブチレートやポリカプロラクトン、コハク酸やアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸成分とエチレングリコールやブタンジオールなどのグリコール成分とからなるポリエチレンサクシネートやポリブチレンアジペート、ポリ乳酸などが知られている。
ポリ乳酸は融点がおよそ170℃と耐熱性を有しており、モノマーである乳酸が微生物を利用した発酵法により製造されているので、バイオ生分解素材としても注目されている。また、より一層低コストでポリ乳酸を生産できるようになってきたため、生分解性ポリマーとしてだけでなく、汎用ポリマーとしての利用も検討されるようになってきた。
汎用ポリマーの加工方法の一つとしてインフレーション法がある。インフレーション法は設備建設費が比較的低く、多品種少量生産が必要な場合、および厚みが薄いフィルムが必要な場合に有利なフィルム製膜法である。しかしながら、ポリ乳酸は溶融張力が低く、インフレーション法でフィルム製膜する場合、製膜可能なブロー比、引取速度の範囲が限られ、同一の設備を用いた多品種生産が難しかった。
特許文献1〜3にはインフレーション法によるポリ乳酸系フィルムが開示されている。しかしながら、これらの公報に開示されているフィルムはポリ乳酸樹脂にガラス転移温度(Tg)が10℃以下の生分解性樹脂や脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの重縮合物との混合物である。それらポリ乳酸樹脂以外の生分解性樹脂はおおむねポリ乳酸樹脂に比べてインフレーション法が容易であるが、混合物自身のガラス転移温度の低下も避けられず、耐熱性の劣るものとなっていた。
また一般にポリ乳酸樹脂と脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの重縮合物は相溶性が低く、重縮合物の配合量が増すに従い透明性が低下する。
また、ポリ乳酸樹脂は加水分解性を示し、加熱押出成形時や、高温高湿下において分子量が低下するという問題があった。そのため、通常のポリエステルの耐加水分解性改良と同様に、ポリ乳酸においてもカルボキシル基末端を封鎖する方法が試みられている。特許文献4にはエポキシ化合物でカルボキシル基末端を封鎖させた脂肪族ポリエステル樹脂が開示されており、特許文献5にはカルボキシル基末端を例えば付加反応型の化合物で封鎖させたポリ乳酸系樹脂組成物が開示されている。
特開2003−292642公報 特開2003−212269公報 特開2000−273207公報 特開2001−335626公報 特開2002−030208公報
以上の通り、ポリ乳酸は溶融張力が低く、インフレーション法でフィルム化する場合、製膜可能なブロー比、引取速度の範囲が限られ、この結果、厚み、幅等の設定条件の自由度が少なかった。また、ポリ乳酸は加水分解性を示し、加熱押出成形時や、高温高湿下において分子量が低下するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、透明性、溶融張力が高くインフレーション法による製膜に適したポリ乳酸系樹脂組成物を提供することを目的とする。
より詳細には本発明は、透明性を大きく損なうことなく、溶融張力が高くインフレーション法によるフィルム化に適しており、厚み、幅等の設定条件の自由度が高く、さらにはインフレーション成形後においても分子量がさほど大きく低下することがなく、以て耐加水分解性に優れたポリ乳酸系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリ乳酸(A)にエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)を添加することにより、溶融張力が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の(1)〜(3)に記載した事項により特定される。
(1)ポリ乳酸(A)100重量部と、エポキシ当量200〜1000g/eq、重量平均分子量(Mw)5000〜100000であるエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)0.001重量部ないし1重量部とを加熱してなることを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物。
(2)190℃で測定される溶融張力が0.1g以上であることを特徴とする上記(1)に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
(3)190℃における溶融伸長が20m/分以上であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸がインフレーション成形時において加水分解されても、エポキシ基含有アクリル系ポリマーが、ポリ乳酸の分子鎖同士を結びつけ分子量の低下を最大限抑止する。この結果、組成物全体としての溶融張力、溶融伸長が維持され、製膜可能なブロー比、引取速度の範囲が広がり、厚み、幅等の設定条件の自由度が広がる。また組成物から得られる成形体の透明性はほぼ維持されており、耐加水分解性も向上したものである。
透明性を大きく損なうことがないことについて、実施例1では曇り度が2.5%、実施例2では曇り度が3.3%、実施例3では曇り度が4.2%と、比較例1の曇り度2.0%よりも低下しているものの、この値は十分満足の行くものである。透明のポリ袋(LDPE)の曇り度はおよそ10〜15%、半透明のポリ袋(HDPE)の曇り度はおよそ20%だからである。
溶融張力は高くなっていることに関して、エポキシ当量はエポキシ基が1モル含まれるために必要な化合物の重量であり、エポキシ基が多く含まれる化合物程エポキシ当量は少なくなる。EP1とEP2を比較するとEP1の方がより多くの割合でエポキシ基が含まれる。
また、インフレーションフィルム製膜性は、インフレーション加工時におけるチューブの安定性の尺度である。この値が小さい程インフレーション法によるフィルム化に適しているといえる。また、安定してインフレーション加工できるということは、ブロー比を大きく(幅を広く)したり、引取速度を高める(厚みを薄くする)ことができることを意味する。
耐加水分解性に優れたポリ乳酸系樹脂組成物の耐加水分解性は、実施例1〜3と比較例1のデータを参照するとわかるように、実際には、溶融粘度がこの数値を裏付けるものである。また、溶融伸長においても同様のことがいえる。
以上の通り、ポリ乳酸にエポキシ基含有アクリル系ポリマーを配合して得られる組成物を用いることにより、透明性の低下が最小限に抑えられたポリ乳酸を主体とするインフレーションフィルムを得ることができるようになった。また、本発明によって得られるポリ乳酸系樹脂組成物は溶融伸長、溶融張力に優れているために、インフレーション成形においてブローアップ比、引取速度の選択範囲が広がるため、厚み、幅等の設定条件の自由度が広がるという効果を奏する。
以下、本発明を具体的に説明する。
ポリ乳酸(A)とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主成分として重合してなるポリマーである。なお本発明の目的を損なわない範囲、好ましくは20モル%以下で、特に好ましくは10モル%以下で、乳酸以外の他の共重合成分を共重合してもよい。
乳酸との共重合成分として用いられる単量体として、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。また、脂肪族環状エステルとしては、グリコリド、ラクチド、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンおよびこれらにメチル基などの種々の基が置換したラクトン類が挙げられる。また、ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等、多価アルコールとしては、ビスフェノール/エチレンオキサイド付加反応物などの芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエーテルグリコール等が挙げられる。
乳酸には光学異性体として、L−乳酸とD−乳酸が存在し、それらが重合してできるポリ乳酸には、D−乳酸単位が約10%以下でL−乳酸単位が約90%以上、またはL−乳酸単位が約10%以下でD−乳酸単位が約90%以上であるポリ乳酸で、光学純度が約80%以上の結晶性ポリ乳酸と、D−乳酸単位が10〜90%でL−乳酸単位が90〜10%であるポリ乳酸で、光学純度が約80%以下の非晶性ポリ乳酸とがあることが知られている。本発明で用いるポリ乳酸(A)は特に限定されない。
一方本発明においては、ポリ乳酸(A)に特定のエポキシ当量、重量平均分子量を有するエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)を所定量配合する。このようにすることにより組成物の溶融張力、溶融伸張が向上し、インフレーションフィルム成形に好適なものとなる。このような効果が発現する理由としては、ポリ乳酸あるいは低分子量化したポリ乳酸の末端にエポキシ基含有アクリル系ポリマーが反応し、分子量の維持が可能となり溶融張力、溶融伸張を高く維持できたものと考えられる。
本発明でいうエポキシ基含有アクリル系ポリマーとしてはまず、(1):アクリル酸グリシジル、および/または、メタクリル酸グリシジルと、(2):(1)以外のアクリル酸系単量体との共重合体が挙げられる。さらに、(1):アクリル酸グリシジル、および/または、メタクリル酸グリシジルと、(2):(1)以外のアクリル酸系単量体と、(3):(1)〜(2)以外の重合性二重結合を含む単量体との共重合体が挙げられる。
(1)以外のアクリル酸系単量体(2)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ドコシルなどの炭素数が1〜22のアルキル基をもつ(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール基をもつ(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸およびこれらの塩;フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、これらの酸無水物およびこれらの塩;フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジn−ブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジt−ブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジn−ブチル、フマル酸メチルエチル、フマル酸メチル−n−ブチル、イタコン酸メチルエチル、イタコン酸エチル−t−ブチル等のジカルボン酸エステル等が挙げられる。
(1)〜(2)以外の重合性二重結合を含む単量体(3)としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニルやハロゲン化ビニリデン;メチルビニルケトン、n−ブチルビニルケトンなどの不飽和ケトン;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;メチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル;アクリルアミドやそのアルキル置換アミド;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸やこれらの塩;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−マレイミドなどのビニル化合物等を挙げることができる。
また本発明において用いられるエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)はエポキシ当量200〜1000g/eqであることが必要である。エポキシ当量が200g/eq未満であると、加熱時において組成物中で起こる反応の制御が困難となる。逆にエポキシ当量が1000g/eqを超えると、インフレーション成形に適した組成物となり得ない。さらに本発明において用いられるはエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)は、重量平均分子量(Mw)が5000〜100000の範囲を満たすものである。エポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量(Mw)が5000未満であると未反応成分がフィルム表面に滲出するなどの不都合を生じる。一方、エポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量(Mw)が100000を超えるとポリ乳酸への分散性が低下することによりフィルムの地合いが低下する。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸(A)と、エポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)とを加熱してなる組成物である。加熱手段は特に制限はなく、好ましくはポリ乳酸(A)と、エポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)とを加熱混練するとよい。たとえば同方向二軸混練機、ニーダーは強力な混練効果が得られる、単軸(一軸)押出機でも一応の混練効果が得られる。事前に加熱混練するばかりではなく、インフレーション成形機に直接ポリ乳酸(A)とエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)を直接投入してフィルム成形することもできる。本発明の実施例では、同方向二軸混練機で加熱混練・ペレット化し、さらに押出機で押し出してフィルムを作っている。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は190℃における溶融張力が0.1g以上で、190℃における溶融伸長が20m/min以上であることが望ましい。190℃における溶融張力が0.1g以上であると、ブローアップ比を大きくとることができ、多品種のフィルム生産に適したものとなる。また、190℃における溶融伸張が20m/min以上であると、その場合もまたブローアップ比を大きくとることができ、多品種のフィルム生産に適したものとなる。なお、上記した溶融張力、溶融伸張の測定方法は後述する実施例において説明する。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、通常の添加剤、例えば、紫外線吸収剤(レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、熱安定剤(ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、滑剤、離形剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(ニグロシンなど)および顔料(硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、着色防止剤(亜リン酸塩、次亜リン酸塩など)、難燃剤(赤燐、燐酸エステル、ブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌール酸またはその塩など)、導電剤あるいは着色剤(カーボンブラックなど)、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂など)、結晶核剤(タルク、有機カルボン酸金属塩など)、帯電防止剤などの1種または2種以上を添加することができる。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は例えば、ポリ乳酸(A)とエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)を溶融押出し機に供給する方法が挙げられる。溶融押出し機に供する場合は、プレッシャーメルター型や1軸あるいは2軸エクストルーダー型など通常の溶融押出し機を使用することができるが、ポリ乳酸(A)とエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)を十分混練する観点から1軸あるいは2軸エクストルーダー型が好ましい。さらには、ポリ乳酸(A)とエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)のドライブレンド物を2軸エクストルーダー型の混練機にて溶融・混練した後ペレット化することで予備混練されたポリ乳酸とエポキシ基含有アクリル系ポリマーのブレンド物からなるペレットをあらかじめ用意し、この予備混練されたペレットを溶融成形機に供する方法などが好ましい。
以下、実施例および比較例によって本発明を説明する。なお本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
以下の実施例、比較例では以下のポリ乳酸、エポキシ基含有アクリル系ポリマーを用いた。
[ポリ乳酸]
・三井化学社製LACEA H−280(PLAと略称)
[エポキシ基含有アクリル系ポリマー]
・日本油脂社製ブレンマーCP−50M(重量平均分子量:10000、エポキシ当量:310g/eq、EP1と略称)
・日本油脂社製ブレンマーCP−30(重量平均分子量:9000、エポキシ当量:530g/eq、EP2と略称)
また、ポリ乳酸系樹脂組成物の各特性は以下のようにして評価した。
(1)溶融張力(MT)の測定
(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Cを用い、長さ10mm、直径1mmのオリフィスを用いて、ポリ乳酸系樹脂組成物の溶融張力を、測定温度190℃、押出速度15mm/分、引取速度15m/分の条件で測定した。
(2)溶融伸長(ME)の測定
(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Cを用い、長さ10mm、直径1mmのオリフィスを用いて、測定温度190℃、押出速度15mm/分で押し出されたストランドの引取速度を15m/分から徐々に上げ、オリフィスから引き取られるストランドが切断した時の引取速度を溶融伸張とした。
(3)曇り度(Haze、%)
JIS K7105に準拠して、村上色彩研究所製の濁度計(ヘーズメーター)、HM−150を用いて、曇り度(Haze:単位%)を標準状態下で測定し、1種フィルム当たり10点の算術平均値(有効数字2桁)をもって測定値とした。
(4)インフレーションフィルム製膜性の評価
(株)東洋精機製作所製のサーキュラーダイスを備えたラボプラストミル単軸押出し機(シリンダー径φ25mm、ダイスリップ径φ25mm)を用い、インフレーション法によりフィルムを製膜した。なお、加工樹脂温度:197℃、スクリュー回転数:25rpm、ブロー比:2.0、引取速度:17.5m/min、フィルム厚み:約60μmとした。そしてピンチロールで折り畳まれることにより得られたインフレーションフィルムの平均幅値に対する最大幅と最小幅の誤差を百分率で表した。その結果を以下の基準で評価した。
◎:誤差が±1.0%未満である。
○:誤差が±1.0%以上±1.5%未満である。
×:誤差が±1.5%以上である。
結果を表1に示した。
(5)フィルムの溶融粘度の評価
インフレーション成形されたフィルム、あるいはインフレーション成形できなかったものについてはその溶融吐出物につき、(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Cを用い、長さ10mm、直径1mmのオリフィスを用いて、溶融粘度を、測定温度190℃、剪断速度1.22×102sec-1の条件で測定した。なお同条件で測定したPLAペレット(インフレーション成形による熱履歴なし)の溶融粘度は1.46×103Pa・Sであった。
PLA:99.5重量部、EP1:0.5重量部をそれぞれフィーダーで同方向二軸混練機に投入しポリ乳酸樹脂組成物を得た。得られたポリ乳酸樹脂組成物の各特性を上記した方法により測定した。さらに得られたポリ乳酸樹脂組成物をインフレーションフィルムとし、曇り度、製膜性、溶融粘度の評価を行った。その結果を表1に示す。
PLA:99.2重量部、EP1:0.8重量部をそれぞれフィーダーで同方向二軸混練機に投入しポリ乳酸樹脂組成物を得た。得られたポリ乳酸樹脂組成物の各特性を上記した方法により測定した。さらに得られたポリ乳酸樹脂組成物をインフレーションフィルムとし、曇り度、製膜性、溶融粘度の評価を行った。その結果を表1に示す。
PLA:99.2重量部、EP2:0.8重量部をそれぞれフィーダーで同方向二軸混練機に投入しポリ乳酸樹脂組成物を得た。得られたポリ乳酸樹脂組成物の各特性を上記した方法により測定した。さらに得られたポリ乳酸樹脂組成物をインフレーションフィルムとし、曇り度、製膜性、溶融粘度の評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
PLAの溶融張力、溶融伸長の測定を試みたが溶融粘度が低すぎ測定不能であった。その後PLAをインフレーション成形し、得られたフィルムにつき、ヘイズ、製膜性、溶融粘度の評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例2]
PLA:98.7重量部、EP1:1.3重量部をそれぞれフィーダーで同方向二軸混練機に投入しポリ乳酸樹脂組成物を得た。得られたポリ乳酸樹脂組成物の各特性を上記した方法により測定した。さらに得られたポリ乳酸樹脂組成物をインフレーションフィルムとし、曇り度、製膜性、溶融粘度の評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例3]
PLA:98.0重量部、EP1:2.0をそれぞれフィーダーで同方向二軸混練機に投入しポリ乳酸樹脂組成物を得た。得られたポリ乳酸樹脂組成物の溶融張力、溶融伸長の測定を試みたが溶融粘度が高すぎ測定不能であった。さらに得られたポリ乳酸樹脂組成物のインフレーションフィルム成形を試みたが、組成物がゲル化し、インフレーション成形ができなかった。この際の吐出物につき、溶融粘度の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2005343970
以上説明したように本発明によれば、透明性を大きく損なうことなく、溶融張力が高くインフレーション法によるフィルム化に適しており、厚み、幅等の設定条件の自由度が高く、さらにはインフレーション成形後においても分子量がさほど大きく低下することがなく、以て耐加水分解性に優れたポリ乳酸系樹脂組成物が提供される。本発明のポリ乳酸系樹脂組成物このような特長を活かして包装資材、農業用資材等として好適に利用されるものである。

Claims (3)

  1. ポリ乳酸(A)100重量部と、エポキシ当量200〜1000g/eq、重量平均分子量(Mw)5000〜100000であるエポキシ基含有アクリル系ポリマー(B)0.001重量部ないし1重量部とを加熱してなることを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物。
  2. 190℃で測定される溶融張力が0.1g以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  3. 190℃における溶融伸長が20m/分以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
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