JP2004099671A - 生分解性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用後に廃棄処理を行っても自然環境に悪影響を及ぼさず、しかも高ヘイズ、低光沢度で、パール調を有し、さらにハンドカット性に優れた生分解性二軸延伸フィルムを提供する。
【解決手段】ポリ乳酸、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、無機質充填材の混合物からなり、二軸延伸が施されている。詳細には、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有比率が、(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70質量%であり、前記ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合計100質量部に対し、可塑剤が3〜30質量部、無機質充填材が5〜40質量部の範囲で配合されている。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリ乳酸、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、無機質充填材の混合物からなり、二軸延伸が施されている。詳細には、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有比率が、(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70質量%であり、前記ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合計100質量部に対し、可塑剤が3〜30質量部、無機質充填材が5〜40質量部の範囲で配合されている。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生分解性フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、優れた物理的、化学的特性を有するため、磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、感光材料、各種写真材料等多くの用途に使用されている。その場合は、各用途に応じて要求性能が異なるのが原則であるが、例えば半透明フィルムにおいては、美しい外観を有し、筆記性、取り扱い時の作業性に優れる等の性能が望まれている。透明性を低下させるには、フィルム表面を粗面化する方法があり、具体的方法としては、フィルム表面に硬い粒状砂などを吹き付けて粗面化するサンドブラスト法、酸またはアルカリ、溶媒などでフィルム表面を浸食するケミカルエッチング法、フィルム表面に無機粒子などを含有した樹脂をコートする方法、フィルム用樹脂の中に無機粒子や有機合成樹脂などをあらかじめ練り込んでおく方法、さらに延伸することにより空洞を含有させる方法等がある。
【0003】
特開平6−206291号公報には、熱可塑性ポリエステル樹脂にガラス転移温度および臨界表面張力の異なる熱可塑性樹脂を添加した適度な曇度ならびに低光沢度を有する二軸延伸フィルムである粗面化フィルムが開示され、また特開2000−94383号公報には、ポリエステル樹脂にポリプロピレンと白色無機顔料を含有することで、白色のパール調(真珠様)の光沢を持ち、しかも印字適性に優れたポリエステルフィルムが開示されている。後者のようなパール調を有するフィルムとしては、ポリエステルフィルムだけではなく、特開平5−279505号公報には、結晶性ポリプロピレン系樹脂にポリプロピレン系共重合体と無機質系フィラーとを混合させた混合物からなり、空洞含有率が40%以下である二軸軸延伸ポリプロピレン系フィルムが開示され、特開平11−5852号公報には、ポリプロピレンに炭酸カルシウム粉末を含有したポリプロピレン二軸延伸フィルムが開示され、特開2000−302886号公報には、ポリプロピレンとポリスチレンとのブレンド樹脂からなるフィルムが開示されている。
【0004】
しかし、上記のような従来のプラスチックフィルムは、化学的、生物学的安定性のために、自然環境下では生分解または加水分解しないか、あるいは分解速度が極めて遅いために、使用後、埋め立てにより廃棄処理された場合は残存したり、投棄された場合は景観を損ねたり、生物の生活環境を破壊することがある。また、焼却処理された場合でも、有害なガスを生じたり、焼却時の発熱量が高いため焼却炉を傷める恐れがあるという問題がある。
【0005】
そこで、近年の環境保全に対する社会的要求の高まりに伴い、微生物などにより分解、堆肥化処理が可能な生分解性フィルムが要求されてきている。生分解性を有する重合体の中でも、特にポリ乳酸系重合体は、各種でんぷんや糖類などを発酵して得られる乳酸を重合した植物由来の原料で、最終的には再び炭酸ガスと水となって地球的規模で環境リサイクルされる理想的なポリマー原料として注目され、各種用途に利用され始めている。
【0006】
例えば、特開平7−109413号公報には、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリ乳酸および/または乳酸類とその他のヒドロキシカルボン酸類との共重合体からなる真珠光沢を有する樹脂組成物が開示され、特開2001−49003号公報には、脂肪族ポリエステルを主成分とするポリマーからなり、光線透過率が50%以下である白色脂肪族ポリエステル系フィルムが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−206291号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−94383号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平5−279505号公報
【0010】
【特許文献4】
特開平11−5852号公報
【0011】
【特許文献5】
特開2000−302886号公報
【0012】
【特許文献6】
特開平7−109413号公報
【0013】
【特許文献7】
特開2001−49003号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平7−109413号公報のものでは、非生分解性樹脂を含んでいるため完全生分解性ではなく、特開2001−49003号公報のものでは、印刷鮮明性や手切れ性等は得られるが、隠蔽性が高いため半透明ではなく、また、パール調に関する記載はない。また、ポリ乳酸系重合体は、そのままでは非常に固く脆い性質を有するため、不活性粒子を多量に添加した場合、延伸が困難となり操業性に問題が生じやすく、得られたフィルムも柔軟性に劣ったものとなる。
【0015】
本発明は、上記問題点を解決し、使用後に廃棄処理を行っても自然環境に悪影響を及ぼさず、しかも高ヘイズ、低光沢度で、パール調を有し、さらにハンドカット性に優れた生分解性二軸延伸フィルムを提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリ乳酸、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、無機質充填材との混合物からなるポリマーを用いて製造され、しかも二軸延伸が施されたフィルムによって、上記課題を解決できることを見出して、本発明に到達した。
【0017】
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)ポリ乳酸、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、無機質充填材の混合物からなり、二軸延伸が施されていることを特徴とする生分解性フィルム。
【0018】
(2)ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有比率が、(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70質量%であり、前記ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合計100質量部に対し、可塑剤が3〜30質量部、無機質充填材が5〜25質量部の範囲で配合されていることを特徴とする(1)記載の生分解性フィルム。
【0019】
(3)生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの結晶融解熱量(ΔHm)が35J/g以下であることを特徴とする(1)または(2)記載の生分解性フィルム。
【0020】
(4)可塑剤が、エーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤から選択される少なくとも1種であることを特徴とする(1)から(3)までのいずれかに記載の生分解性フィルム。
【0021】
(5)ヘイズが40%以上、光沢度が30%以下であることを特徴とする(1)から(4)までのいずれかに記載の生分解性フィルム。
(6)端裂抵抗が10N以上かつ80N以下であることを特徴とする(1)から(5)までのいずれかに記載の生分解性フィルム。
【0022】
(7)ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有比率が、(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70質量%であり、前記ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合計100質量部に対し、可塑剤が3〜30質量部、無機質充填材が5〜25質量部の範囲で配合された樹脂組成物を加熱溶融してダイより押出すことにより未延伸フィルムを製造し、次いでこの未延伸フィルムに二軸延伸処理を施すことを特徴とする生分解性フィルムの製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられるポリ乳酸としては、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリDL−乳酸、またはこれらの混合体が挙げられるその数平均分子量は、8万〜15万が好ましい。また、可塑剤のブリードアウトの抑制を図るとともに、ポリ乳酸の結晶化による製膜安定性を確保するという理由から、結晶性ポリ乳酸と非晶性ポリ乳酸の併用が好ましく、その割合は、結晶性ポリ乳酸/非晶性ポリ乳酸=50/50質量%〜90/10質量%が好ましい。ここでいう結晶性ポリ乳酸とは、140〜175℃の範囲の融点を有すポリ乳酸樹脂のことを指し、非晶性ポリ乳酸とは、実質的に融点を保有しないポリ乳酸樹脂のことをいう。結晶性ポリ乳酸の割合が50質量%未満であると、ポリ乳酸の結晶化に劣り、安定した製膜が行えない。一方、結晶性ポリ乳酸の割合が90質量%を超えると、可塑剤を保持できなくなり、製膜時あるいは製膜後に可塑剤のブリードアウトが生じやすくなる。
【0024】
本発明のポリ乳酸は、主成分が乳酸成分であればよく、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、ジオール等の成分が共重合されていてもかまわない。共重合成分として用いられるヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
【0025】
ポリ乳酸の重合方法については、特に限定されるものではないが、例えば、環状体であるラクチドやグリコリド、カプロラクトン等を用いて重合する開環重合法等が適用できる。重合時もしくは重合直後に他の重合体や副成分を加え、さらに重合を進める方法も可能である。
【0026】
本発明においては、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを含有することが必要である。以下、その理由を説明する。すなわち、従来の生分解性脂肪族ポリエステルでは、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分は脂肪族のジカルボン酸であったため、得られる樹脂の融点が低く(115℃程度)、その上、柔軟性付与を目的として一般的なアジピン酸などの成分を共重合するとさらに融点降下が生じて樹脂の加工性悪化を誘発することから、柔軟性付与を目的とした成分をあまり共重合できない。このため、得られる脂肪族ポリエステル樹脂の結晶性もさほど低下せず、したがって結晶性の高い樹脂となり、可塑剤を添加した場合に、可塑剤を十分保持できずにブリードアウトが見られる。ところが、本発明において使用される脂肪族−芳香族共重合ポリエステルは、ポリエステルの構成成分に芳香族ジカルボン酸を使用しているため、比較的高い融点にて設計可能となる。このため融点降下を誘発する脂肪族ジカルボン酸を脂肪族ポリエステルの場合よりも多量に共重合することが可能となる。これによって、樹脂の加工性に悪影響を及ぼさない程度(融点=100℃程度)にまで脂肪族ジカルボン酸成分を共重合して、結晶性を著しく低下させるような樹脂設計が可能である。このことにより、脂肪族ポリエステルよりも柔軟性に優れ、可塑剤の保持も格段に向上し、耐ブリードアウト性を改善できることになる。
【0027】
つまり、可塑剤はポリ乳酸と脂肪族−芳香族ポリエステルに分配されるため、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの結晶性が高い場合、すなわち結晶融解熱量(ΔHm)が大きい場合は、この結晶化にともなう排除体積効果と非晶領域の絶対的な不足とによって可塑剤のブリードアウトが生じ、樹脂中に可塑剤を保持することが困難となる。そこで、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジカルボン酸成分の共重合組成比によって、得られる樹脂の結晶融解熱量(ΔHm)が異なるが、本発明においては、可塑剤のブリードアウトを防止するために、脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体の結晶融解熱量(ΔHm)を、好ましくは35J/g以下、さらに好ましくは25J/g以下とする。脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体の結晶融解熱量(ΔHm)が35J/gを超えると、樹脂の結晶性向上による非晶領域の低下にともなって可塑剤を保持できなくなり、可塑剤のブリードアウトが著しくなる。
【0028】
上述のように結晶融解熱量(ΔHm)は共重合組成比によって異なるが、たとえば市販のポリマーを利用する際には、この結晶融解熱量(ΔHm)が35J/g以下のものを選択して使用する。
【0029】
本発明において用いられる生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとしては、脂肪族成分及び芳香族成分を有するものであればよく、脂肪族ジオール、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、環状ラクトン、環状酸無水物、オキシラン類等を縮合して得られる。
【0030】
脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを構成する脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどがあり、芳香族ジオールとしては、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン、トルエンジオールなどがあり、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などがあり、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸などがあり、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸などがあり、環状ラクトンとしては、グリコリド、ラクチド、カプロラクトン、ブチロラクトンなどがある。中でも、脂肪族成分として1,4−ブタンジオール、アジピン酸、芳香族成分としてテレフタル酸を有するものが好ましい。
【0031】
生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの重合方法は、特に限定されるものではないが、縮合重合法、開環重合法等が適用できる。重合時もしくは重合直後に他の重合体や副成分を加え、さらに重合を進める方法も可能である。また、生分解性に影響を与えない範囲で、必要に応じて鎖延長剤を使用して高分子量化してもかまわない。例えば、多官能であるイソシアネート化合物などにより架橋してもかまわない。
【0032】
本発明において、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有比率は、好ましくは(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70質量%、さらに好ましくは80/20〜40/60質量%である。ポリ乳酸含有成分が95質量%を超えると、得られるフィルムは柔軟性に劣るとともに加水分解性が高くなり、フィルムの物性低下が実用上問題となる。ポリ乳酸含有成分が30質量%未満であると、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル成分の影響により、加水分解性が著しく遅くなる。このため、コンポスト装置などによる堆肥化処理では、例えば、攪拌翼にフィルムが絡みつき、コンポスト装置を破損する恐れがあるため好ましくない。
【0033】
本発明において、可塑剤も必要構成成分である。脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを含有するだけでは、必要十分な柔軟性は得られない。ただし、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと可塑剤との双方を含有することが必要で、可塑剤を含有するだけでは、相当量の可塑剤をポリ乳酸に対し配合しなければならず、また、可塑剤がブリードアウトしやすくなって印刷性、柔軟性等に問題を生じる。
【0034】
本発明において用いられる可塑剤としては、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとに対して相溶し、かつ、不揮発性であり、環境問題などの観点から無毒性で、さらにFDAに合格しているものが好ましい。このような条件を満たす可塑剤としては、エーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤がある。エーテルエステル系可塑剤としては、ビスメチルジエチレングリコールアジペート、ビスブチルジエチレングリコールアジペートなどがあり、オキシ酸エステル系可塑剤としては、アセチルクエン酸トリブチルなどが挙げられ、これら可塑剤は2種以上混合して使用することもできる。
【0035】
ポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの合計100質量部に対し、可塑剤の含有比率は、好ましくは3〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部である。可塑剤の含有比率が3質量部未満であると、ポリ乳酸のガラス転移温度の低下がほとんど見られず、その結果、得られるフィルムは柔軟性に劣るものとなる。反対に可塑剤の含有比率が30質量部を超えると、ポリ乳酸のガラス転移温度が低下しすぎて、得られるフィルムの加水分解速度を促進させることにより、製品寿命が短くなりすぎて実用上問題になるばかりか、可塑剤のブリードアウトが発現して、製膜時にフィルムブロッキングが生じたり、印刷できなくなったりするといった問題が生じる。
【0036】
本発明において、無機質充填材も必要構成成分として使用する。その目的は、可塑剤による樹脂の可塑化に伴い、製膜時におけるフィルムの溶融張力の著しい低下を抑制するために結晶核剤として作用させること、および、製膜時のブロッキングを抑制すること、フィルムに滑り性を付与すること、フィルムに高ヘイズ、低光沢度等の隠蔽性を付与することにある。この無機質充填材の配合がない場合は、フィルム溶融張力不足により安定した製膜ができないばかりか、フィルムのブロッキングが生じて好ましくない。また、隠蔽性を付与することができない。
【0037】
本発明で用いられる無機質充填材としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、カオリン、マイカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ゼオライト、クレー、ガラスビーズなど一般的な無機質充填材が挙げられるが、特にタルクはポリ乳酸の結晶核剤として最も効果を発揮するため好ましい。
【0038】
無機質充填材の平均粒径は、0.1〜5μmであることが好ましい。平均粒径が上記の範囲未満であると、ポリマーに高充填することが困難となり、また上記範囲を越えるとフィルムの延伸が困難となり切断が生じやすくなり好ましくない。
【0039】
ポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの合計100質量部に対し、無機質充填材の含有比率は、好ましくは5〜25質量部、さらに好ましくは10〜20質量部である。無機質充填材の含有比率が5質量部未満であると、無機質充填材が有する結晶核剤的効果が現れないため、製膜時におけるフィルムの溶融張力不足により製膜が困難となるばかりか、フィルム自体の滑り性、耐ブロッキング性に劣り、後加工などの加工上問題が生じる可能性がある。一方、無機質充填材の含有比率が25質量部を超えると、得られるフィルムの物性や柔軟性が低下し、実用上問題となる。
【0040】
本発明のフィルムは、二軸延伸されたものであることが必要である。なぜなら、ポリ乳酸系重合体はそのままでは非常に固く脆い性質をもつために、フィルムとして用いる場合には何らかの処理により柔軟性等を付与する必要があり、このために二軸延伸処理を施すことが好適なためである。
【0041】
また、本発明では、有機滑剤を使用してもよい。有機滑剤の具体例としては、たとえば、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィンなどの脂肪族炭化水素系滑剤や、ステアリン酸、ラウリル酸、ヒドロキシステアリン酸、硬化ひまし油などの脂肪酸系滑剤や、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤や、ステアリン酸アルミ、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤や、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸(部分)エステル系滑剤や、ステアリン酸ブチルエステル、モンタンワックスなどの長鎖エステルワックスなどの脂肪酸エステル系滑剤や、またはこれらを複合した複合滑剤などが挙げられる。
【0042】
本発明において、必要に応じて有機過酸化物などの架橋剤および架橋助剤を併用して樹脂組成物に軽度の架橋を施すことも可能である。
架橋剤の具体例としては、n−ブチル−4,4−ビス−t−ブチルパーオキシバリレート、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−t−ブチルパーオキシヘキシン−3などの有機過酸化物や、無水フタル酸、無水マレイン酸、トリメチルアジピン酸、無水トリメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸や、蟻酸リチウム、ナトリウムメトキシド、プロピオン酸カリウム、マグネシウムエトキシドなどの金属錯体や、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルなどのエポキシ化合物や、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物などが挙げられる。
【0043】
架橋助剤の具体例としては、グリシジルメタクリレート、ノルマル−ブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0044】
本発明においては、用途に応じて紫外線防止剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、着色防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料など上記以外の添加剤なども使用できる。
【0045】
本発明のフィルムのヘイズは、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。本発明によれば、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルおよび無機質充填材の含有割合を適宜に調整することによって、ヘイズを40%以上とするとすることができる。また光沢度は、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、いっそう好ましくは10%以下である。詳細は不明であるが、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有量と光沢度との間に相関関係があるように見受けられる。同様に詳細は不明であるが、ヘイズと光沢度とを適宜に調整することによって、優れたパール調の外観を得ることが可能となる傾向がある。
【0046】
本発明のフィルムの端裂抵抗は、好ましくは10N以上かつ80N以下、さらに好ましくは10N以上かつ70N以下である。端裂抵抗が上記の範囲を超えると十分なハンドカット性が得られなくなるため好ましくない。また、端裂抵抗は小さいほど良好なハンドカット性を示すが、上記の範囲より小さいと、フィルムの二次加工などの際に切断等が生じ好ましくない。端裂抵抗を10N以上かつ80N以下とするためには、無機質充填材の含有にもとづきボイドを発生させるか、あるいは脂肪族−芳香族共重合ポリエステルや可塑材の含有率を低下させて柔軟性を低下させればよい。
【0047】
本発明のフィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜80μmである。上記の範囲よりも薄いとフィルムのハンドリング性が低下し、また、上記の範囲よりも厚いと経済的に好ましくない。
【0048】
次に、本発明のフィルムの製造方法について詳細に説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと可塑剤と無機質充填材とを所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型混合機等を用いて混合し、その後、2軸混練押出機にて、180〜250℃の温度範囲で適宜選択された溶融温度で溶融混練して、コンパウンドペレットを作製する。あるいは、ペレット化せず直接押出機で製膜することも可能である。コンパウンドペレットを製造する際に、必要に応じて架橋剤、架橋助剤、有機滑剤などを添加することもできる。加えて、フィルム製造の際にも、これらを必要に応じてフィルム物性に影響を与えない範囲で添加してもよい。
【0049】
このコンパウンドペレットを乾燥した後、押出機に投入し、ポリマーを160℃〜230℃の温度範囲で溶融押出しする。この溶融押出温度は、コンパウンドペレットのポリ乳酸のL−乳酸とD−乳酸との組成比、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの融点や配合量、可塑剤の配合量等を考慮して適時選択される。溶融押出温度が上記の範囲未満の場合は、押出安定性を得難くなるだけではなく過負荷に陥りやすくなり、また上記の範囲を超えると、ポリマーの分解が著しくなる。そして、溶融したポリマーをTダイより押出し、表面温度が0〜50℃に制御されたキャストロールの表面にエアーナイフ法や静電ピニング法等により押し付け、未延伸フィルムを得る。
【0050】
その後、延伸温度50〜130℃の温度範囲で、延伸倍率が縦方向および横方向それぞれ1.5以上かつ5.0倍以下となるように、同時または逐次二軸延伸処理を施す。なお、同時二軸延伸する際には、それに先だって縦方向に1.02倍以上3.0倍以下の倍率で予備延伸を行ってもよい。予備縦延伸の延伸倍率が3.0倍を越えると、続く二軸延伸工程での延伸性に劣るものとなる。
【0051】
二軸延伸を行った後は、通常、熱固定が行われる。熱固定する方法としては、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法、加熱されたロール面上を接触走行させる方法などがある。この中でも、均一に精度よく加熱できる点で、熱風を吹き付ける方法が好ましく、60〜170℃の温度範囲で熱処理を施す。
【0052】
本発明のフィルムには、その少なくとも片面に、目的に応じて各種機能層が形成されてもよい。例えば、ヒートシール性を付与するためにポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などの層が、バリア性を付与するためにアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体などの層が、接着性を付与するためにポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、共重合ポリエステル樹脂などの層が、あるいはコロナ放電処理層、プラズマ処理層、サンドブラスト処理層などが形成されてもよい。その中でも、生分解性を有する層が好ましい。機能層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、ラミネート法、共押出法、エマルジョンコーティング法、ホットメルトコーティング法などがある。機能層は、フィルム全面に形成されていてもよいし、必要な部分のみに形成されていてもよい。
【0053】
本発明のフィルムは、包装体として用いる場合は、フィルムとヒートシール層のみでも使用可能であるが、他の素材と積層して使用することも可能である。積層する素材は特に限定されないが、アルミ箔および/または紙との積層が好ましい。
【0054】
【実施例】
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性の測定は、下記の方法により実施した。
(1)結晶融解熱量
パーキンエルマー社製のDSCを用い、試料7mgを20℃/分の昇温速度で加熱して、測定を行った。
(2)引張強伸度
島津製作所社製オートグラフ(AG−100E)を用い、JIS K−7127に準じて、フィルムのMD方向、TD方向の強度(MPa)、伸度(%)の測定を行った。
(3)ヘーズ(曇度)
日本電色社製ヘーズメーター(NDH 2000)を用い、JIS K 7105に準じて、全光線透過率(Tt)、拡散透過率(Td)、平行光線透過率(Tp:Tt−Td)、ヘーズ(Hz:Td/Tt×100)の測定を行った。
(4)光沢度
村上色彩技術研究所社製(GLOSS METER GM−26 PRO)を用い、JIS K 7105に準じて、入射角20°で測定を行った。
(5)端裂抵抗
島津製作所社製オートグラフ(AG−100E)を用い、JIS C 2318に準じて、フィルムのMD方向、TD方向につき測定を行った。
(6)パール調
5人のモニターによる官能検査を行った。見かけ上フィルムが優れたパール調を示していると感じた人が、5人のモニターのうち4人以上であればパール調良好で○とし、3人以下であればパール調不良で×とした。
実施例1
結晶性ポリ乳酸(D−乳酸1モル%、重量平均分子量20万、カーギル・ダウ社製:ネイチャーワークス)と、非晶性ポリ乳酸(D−乳酸10モル%、重量平均分子量20万、カーギル・ダウ社製:ネイチャーワークス)との配合比が70/30質量%となるようにするとともに、これらポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(BASF社製:エコフレックスF、結晶融解熱量19J/g)との配合比が60/40質量%となるようにした。そして、可塑剤としてのビスメチルジエチレングリコールアジペート(大八化学社製:MXA)がポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステル100質量部に対し8質量部配合されるとともに、無機質充填材としてのタルク(林化成社製Upu HST−0.5、平均粒子径2.75μm)がポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステル100質量部に対し15質量部配合されるよう計量した。これらの原料を2軸押出混練機を用いて溶融混練し、押出温度230℃で、ポリ乳酸系コンパウンド原料を作製した。
【0055】
次いでこのポリ乳酸系コンパウンド原料を乾燥し、口径50mmφの押出機を用い、温度210℃で溶融し、Tダイよりシート状に押出し、表面温度が10℃のキャストロールで急冷固化して、未延伸フィルムを作成した。
【0056】
さらに、この未延伸フィルムを、倍率可変式パンタグラフ式同時二軸延伸機に供給し、予熱温度70℃、延伸温度80℃で、縦方向3倍×横方向3倍の延伸倍率で延伸し、125℃で熱処理して、厚み25μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
実施例2
可塑剤をビスブチルジエチレングリコールアジペート(大八化学社製:BXA)にし、その配合比を、ポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステル100質量部に対し6質量部に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製した。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
実施例3
可塑剤をアセチルクエン酸トリブチル(田岡化学社製:ATBC)とし、その配合比を10質量部に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製した。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
実施例4
実施例1で得られた未延伸フィルムを、予熱ロールで60℃で予熱し、延伸ロール70℃で縦方向に3倍延伸し、引き続いて80℃のテンター内で横方向に4倍延伸し、その後、125℃で熱処理して、厚み25μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
比較例1
実施例1において、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを全く使用しなかった。そして、それ以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製した。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
比較例2
実施例1において、可塑剤を全く使用しなかった。そして、それ以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製した。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
比較例3
実施例1において、無機質充填材を全く使用しなかった。そして、それ以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製しようとした。
【0059】
実施例1〜4では、高ヘイズかつ低光沢度でパール調を有し、しかもハンドカット性に優れたフィルムが得られた。
しかし、比較例1では、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを全く使用しなかったため、柔軟性、外観に劣ったフィルムしか得られず、しかも可塑剤のブリードアウトが発生した。また、比較例2では、可塑剤を全く使用しなかったため、柔軟性に劣ったフィルムしか得られなかった。比較例3は、無機質充填材を全く使用しなかったため、ブロッキングが生じて製膜できなかった。
【0060】
【発明の効果】
本発明の生分解性フィルムは、ポリ乳酸、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、無機質充填材の混合物からなる二軸延伸フィルムであるため、使用後に廃棄処理を行っても自然環境に悪影響を及ぼさず、しかも、高ヘイズ、低光沢度、パール調の優れた外観を有し、また、ハンドカット性に優れた生分解性フィルムである。
【発明の属する技術分野】
本発明は生分解性フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、優れた物理的、化学的特性を有するため、磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、感光材料、各種写真材料等多くの用途に使用されている。その場合は、各用途に応じて要求性能が異なるのが原則であるが、例えば半透明フィルムにおいては、美しい外観を有し、筆記性、取り扱い時の作業性に優れる等の性能が望まれている。透明性を低下させるには、フィルム表面を粗面化する方法があり、具体的方法としては、フィルム表面に硬い粒状砂などを吹き付けて粗面化するサンドブラスト法、酸またはアルカリ、溶媒などでフィルム表面を浸食するケミカルエッチング法、フィルム表面に無機粒子などを含有した樹脂をコートする方法、フィルム用樹脂の中に無機粒子や有機合成樹脂などをあらかじめ練り込んでおく方法、さらに延伸することにより空洞を含有させる方法等がある。
【0003】
特開平6−206291号公報には、熱可塑性ポリエステル樹脂にガラス転移温度および臨界表面張力の異なる熱可塑性樹脂を添加した適度な曇度ならびに低光沢度を有する二軸延伸フィルムである粗面化フィルムが開示され、また特開2000−94383号公報には、ポリエステル樹脂にポリプロピレンと白色無機顔料を含有することで、白色のパール調(真珠様)の光沢を持ち、しかも印字適性に優れたポリエステルフィルムが開示されている。後者のようなパール調を有するフィルムとしては、ポリエステルフィルムだけではなく、特開平5−279505号公報には、結晶性ポリプロピレン系樹脂にポリプロピレン系共重合体と無機質系フィラーとを混合させた混合物からなり、空洞含有率が40%以下である二軸軸延伸ポリプロピレン系フィルムが開示され、特開平11−5852号公報には、ポリプロピレンに炭酸カルシウム粉末を含有したポリプロピレン二軸延伸フィルムが開示され、特開2000−302886号公報には、ポリプロピレンとポリスチレンとのブレンド樹脂からなるフィルムが開示されている。
【0004】
しかし、上記のような従来のプラスチックフィルムは、化学的、生物学的安定性のために、自然環境下では生分解または加水分解しないか、あるいは分解速度が極めて遅いために、使用後、埋め立てにより廃棄処理された場合は残存したり、投棄された場合は景観を損ねたり、生物の生活環境を破壊することがある。また、焼却処理された場合でも、有害なガスを生じたり、焼却時の発熱量が高いため焼却炉を傷める恐れがあるという問題がある。
【0005】
そこで、近年の環境保全に対する社会的要求の高まりに伴い、微生物などにより分解、堆肥化処理が可能な生分解性フィルムが要求されてきている。生分解性を有する重合体の中でも、特にポリ乳酸系重合体は、各種でんぷんや糖類などを発酵して得られる乳酸を重合した植物由来の原料で、最終的には再び炭酸ガスと水となって地球的規模で環境リサイクルされる理想的なポリマー原料として注目され、各種用途に利用され始めている。
【0006】
例えば、特開平7−109413号公報には、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリ乳酸および/または乳酸類とその他のヒドロキシカルボン酸類との共重合体からなる真珠光沢を有する樹脂組成物が開示され、特開2001−49003号公報には、脂肪族ポリエステルを主成分とするポリマーからなり、光線透過率が50%以下である白色脂肪族ポリエステル系フィルムが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−206291号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−94383号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平5−279505号公報
【0010】
【特許文献4】
特開平11−5852号公報
【0011】
【特許文献5】
特開2000−302886号公報
【0012】
【特許文献6】
特開平7−109413号公報
【0013】
【特許文献7】
特開2001−49003号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平7−109413号公報のものでは、非生分解性樹脂を含んでいるため完全生分解性ではなく、特開2001−49003号公報のものでは、印刷鮮明性や手切れ性等は得られるが、隠蔽性が高いため半透明ではなく、また、パール調に関する記載はない。また、ポリ乳酸系重合体は、そのままでは非常に固く脆い性質を有するため、不活性粒子を多量に添加した場合、延伸が困難となり操業性に問題が生じやすく、得られたフィルムも柔軟性に劣ったものとなる。
【0015】
本発明は、上記問題点を解決し、使用後に廃棄処理を行っても自然環境に悪影響を及ぼさず、しかも高ヘイズ、低光沢度で、パール調を有し、さらにハンドカット性に優れた生分解性二軸延伸フィルムを提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリ乳酸、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、無機質充填材との混合物からなるポリマーを用いて製造され、しかも二軸延伸が施されたフィルムによって、上記課題を解決できることを見出して、本発明に到達した。
【0017】
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)ポリ乳酸、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、無機質充填材の混合物からなり、二軸延伸が施されていることを特徴とする生分解性フィルム。
【0018】
(2)ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有比率が、(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70質量%であり、前記ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合計100質量部に対し、可塑剤が3〜30質量部、無機質充填材が5〜25質量部の範囲で配合されていることを特徴とする(1)記載の生分解性フィルム。
【0019】
(3)生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの結晶融解熱量(ΔHm)が35J/g以下であることを特徴とする(1)または(2)記載の生分解性フィルム。
【0020】
(4)可塑剤が、エーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤から選択される少なくとも1種であることを特徴とする(1)から(3)までのいずれかに記載の生分解性フィルム。
【0021】
(5)ヘイズが40%以上、光沢度が30%以下であることを特徴とする(1)から(4)までのいずれかに記載の生分解性フィルム。
(6)端裂抵抗が10N以上かつ80N以下であることを特徴とする(1)から(5)までのいずれかに記載の生分解性フィルム。
【0022】
(7)ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有比率が、(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70質量%であり、前記ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合計100質量部に対し、可塑剤が3〜30質量部、無機質充填材が5〜25質量部の範囲で配合された樹脂組成物を加熱溶融してダイより押出すことにより未延伸フィルムを製造し、次いでこの未延伸フィルムに二軸延伸処理を施すことを特徴とする生分解性フィルムの製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられるポリ乳酸としては、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリDL−乳酸、またはこれらの混合体が挙げられるその数平均分子量は、8万〜15万が好ましい。また、可塑剤のブリードアウトの抑制を図るとともに、ポリ乳酸の結晶化による製膜安定性を確保するという理由から、結晶性ポリ乳酸と非晶性ポリ乳酸の併用が好ましく、その割合は、結晶性ポリ乳酸/非晶性ポリ乳酸=50/50質量%〜90/10質量%が好ましい。ここでいう結晶性ポリ乳酸とは、140〜175℃の範囲の融点を有すポリ乳酸樹脂のことを指し、非晶性ポリ乳酸とは、実質的に融点を保有しないポリ乳酸樹脂のことをいう。結晶性ポリ乳酸の割合が50質量%未満であると、ポリ乳酸の結晶化に劣り、安定した製膜が行えない。一方、結晶性ポリ乳酸の割合が90質量%を超えると、可塑剤を保持できなくなり、製膜時あるいは製膜後に可塑剤のブリードアウトが生じやすくなる。
【0024】
本発明のポリ乳酸は、主成分が乳酸成分であればよく、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、ジオール等の成分が共重合されていてもかまわない。共重合成分として用いられるヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
【0025】
ポリ乳酸の重合方法については、特に限定されるものではないが、例えば、環状体であるラクチドやグリコリド、カプロラクトン等を用いて重合する開環重合法等が適用できる。重合時もしくは重合直後に他の重合体や副成分を加え、さらに重合を進める方法も可能である。
【0026】
本発明においては、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを含有することが必要である。以下、その理由を説明する。すなわち、従来の生分解性脂肪族ポリエステルでは、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分は脂肪族のジカルボン酸であったため、得られる樹脂の融点が低く(115℃程度)、その上、柔軟性付与を目的として一般的なアジピン酸などの成分を共重合するとさらに融点降下が生じて樹脂の加工性悪化を誘発することから、柔軟性付与を目的とした成分をあまり共重合できない。このため、得られる脂肪族ポリエステル樹脂の結晶性もさほど低下せず、したがって結晶性の高い樹脂となり、可塑剤を添加した場合に、可塑剤を十分保持できずにブリードアウトが見られる。ところが、本発明において使用される脂肪族−芳香族共重合ポリエステルは、ポリエステルの構成成分に芳香族ジカルボン酸を使用しているため、比較的高い融点にて設計可能となる。このため融点降下を誘発する脂肪族ジカルボン酸を脂肪族ポリエステルの場合よりも多量に共重合することが可能となる。これによって、樹脂の加工性に悪影響を及ぼさない程度(融点=100℃程度)にまで脂肪族ジカルボン酸成分を共重合して、結晶性を著しく低下させるような樹脂設計が可能である。このことにより、脂肪族ポリエステルよりも柔軟性に優れ、可塑剤の保持も格段に向上し、耐ブリードアウト性を改善できることになる。
【0027】
つまり、可塑剤はポリ乳酸と脂肪族−芳香族ポリエステルに分配されるため、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの結晶性が高い場合、すなわち結晶融解熱量(ΔHm)が大きい場合は、この結晶化にともなう排除体積効果と非晶領域の絶対的な不足とによって可塑剤のブリードアウトが生じ、樹脂中に可塑剤を保持することが困難となる。そこで、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジカルボン酸成分の共重合組成比によって、得られる樹脂の結晶融解熱量(ΔHm)が異なるが、本発明においては、可塑剤のブリードアウトを防止するために、脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体の結晶融解熱量(ΔHm)を、好ましくは35J/g以下、さらに好ましくは25J/g以下とする。脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体の結晶融解熱量(ΔHm)が35J/gを超えると、樹脂の結晶性向上による非晶領域の低下にともなって可塑剤を保持できなくなり、可塑剤のブリードアウトが著しくなる。
【0028】
上述のように結晶融解熱量(ΔHm)は共重合組成比によって異なるが、たとえば市販のポリマーを利用する際には、この結晶融解熱量(ΔHm)が35J/g以下のものを選択して使用する。
【0029】
本発明において用いられる生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとしては、脂肪族成分及び芳香族成分を有するものであればよく、脂肪族ジオール、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、環状ラクトン、環状酸無水物、オキシラン類等を縮合して得られる。
【0030】
脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを構成する脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどがあり、芳香族ジオールとしては、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン、トルエンジオールなどがあり、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などがあり、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸などがあり、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸などがあり、環状ラクトンとしては、グリコリド、ラクチド、カプロラクトン、ブチロラクトンなどがある。中でも、脂肪族成分として1,4−ブタンジオール、アジピン酸、芳香族成分としてテレフタル酸を有するものが好ましい。
【0031】
生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの重合方法は、特に限定されるものではないが、縮合重合法、開環重合法等が適用できる。重合時もしくは重合直後に他の重合体や副成分を加え、さらに重合を進める方法も可能である。また、生分解性に影響を与えない範囲で、必要に応じて鎖延長剤を使用して高分子量化してもかまわない。例えば、多官能であるイソシアネート化合物などにより架橋してもかまわない。
【0032】
本発明において、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有比率は、好ましくは(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70質量%、さらに好ましくは80/20〜40/60質量%である。ポリ乳酸含有成分が95質量%を超えると、得られるフィルムは柔軟性に劣るとともに加水分解性が高くなり、フィルムの物性低下が実用上問題となる。ポリ乳酸含有成分が30質量%未満であると、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル成分の影響により、加水分解性が著しく遅くなる。このため、コンポスト装置などによる堆肥化処理では、例えば、攪拌翼にフィルムが絡みつき、コンポスト装置を破損する恐れがあるため好ましくない。
【0033】
本発明において、可塑剤も必要構成成分である。脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを含有するだけでは、必要十分な柔軟性は得られない。ただし、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと可塑剤との双方を含有することが必要で、可塑剤を含有するだけでは、相当量の可塑剤をポリ乳酸に対し配合しなければならず、また、可塑剤がブリードアウトしやすくなって印刷性、柔軟性等に問題を生じる。
【0034】
本発明において用いられる可塑剤としては、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとに対して相溶し、かつ、不揮発性であり、環境問題などの観点から無毒性で、さらにFDAに合格しているものが好ましい。このような条件を満たす可塑剤としては、エーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤がある。エーテルエステル系可塑剤としては、ビスメチルジエチレングリコールアジペート、ビスブチルジエチレングリコールアジペートなどがあり、オキシ酸エステル系可塑剤としては、アセチルクエン酸トリブチルなどが挙げられ、これら可塑剤は2種以上混合して使用することもできる。
【0035】
ポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの合計100質量部に対し、可塑剤の含有比率は、好ましくは3〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部である。可塑剤の含有比率が3質量部未満であると、ポリ乳酸のガラス転移温度の低下がほとんど見られず、その結果、得られるフィルムは柔軟性に劣るものとなる。反対に可塑剤の含有比率が30質量部を超えると、ポリ乳酸のガラス転移温度が低下しすぎて、得られるフィルムの加水分解速度を促進させることにより、製品寿命が短くなりすぎて実用上問題になるばかりか、可塑剤のブリードアウトが発現して、製膜時にフィルムブロッキングが生じたり、印刷できなくなったりするといった問題が生じる。
【0036】
本発明において、無機質充填材も必要構成成分として使用する。その目的は、可塑剤による樹脂の可塑化に伴い、製膜時におけるフィルムの溶融張力の著しい低下を抑制するために結晶核剤として作用させること、および、製膜時のブロッキングを抑制すること、フィルムに滑り性を付与すること、フィルムに高ヘイズ、低光沢度等の隠蔽性を付与することにある。この無機質充填材の配合がない場合は、フィルム溶融張力不足により安定した製膜ができないばかりか、フィルムのブロッキングが生じて好ましくない。また、隠蔽性を付与することができない。
【0037】
本発明で用いられる無機質充填材としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、カオリン、マイカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ゼオライト、クレー、ガラスビーズなど一般的な無機質充填材が挙げられるが、特にタルクはポリ乳酸の結晶核剤として最も効果を発揮するため好ましい。
【0038】
無機質充填材の平均粒径は、0.1〜5μmであることが好ましい。平均粒径が上記の範囲未満であると、ポリマーに高充填することが困難となり、また上記範囲を越えるとフィルムの延伸が困難となり切断が生じやすくなり好ましくない。
【0039】
ポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの合計100質量部に対し、無機質充填材の含有比率は、好ましくは5〜25質量部、さらに好ましくは10〜20質量部である。無機質充填材の含有比率が5質量部未満であると、無機質充填材が有する結晶核剤的効果が現れないため、製膜時におけるフィルムの溶融張力不足により製膜が困難となるばかりか、フィルム自体の滑り性、耐ブロッキング性に劣り、後加工などの加工上問題が生じる可能性がある。一方、無機質充填材の含有比率が25質量部を超えると、得られるフィルムの物性や柔軟性が低下し、実用上問題となる。
【0040】
本発明のフィルムは、二軸延伸されたものであることが必要である。なぜなら、ポリ乳酸系重合体はそのままでは非常に固く脆い性質をもつために、フィルムとして用いる場合には何らかの処理により柔軟性等を付与する必要があり、このために二軸延伸処理を施すことが好適なためである。
【0041】
また、本発明では、有機滑剤を使用してもよい。有機滑剤の具体例としては、たとえば、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィンなどの脂肪族炭化水素系滑剤や、ステアリン酸、ラウリル酸、ヒドロキシステアリン酸、硬化ひまし油などの脂肪酸系滑剤や、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤や、ステアリン酸アルミ、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤や、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸(部分)エステル系滑剤や、ステアリン酸ブチルエステル、モンタンワックスなどの長鎖エステルワックスなどの脂肪酸エステル系滑剤や、またはこれらを複合した複合滑剤などが挙げられる。
【0042】
本発明において、必要に応じて有機過酸化物などの架橋剤および架橋助剤を併用して樹脂組成物に軽度の架橋を施すことも可能である。
架橋剤の具体例としては、n−ブチル−4,4−ビス−t−ブチルパーオキシバリレート、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−t−ブチルパーオキシヘキシン−3などの有機過酸化物や、無水フタル酸、無水マレイン酸、トリメチルアジピン酸、無水トリメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸や、蟻酸リチウム、ナトリウムメトキシド、プロピオン酸カリウム、マグネシウムエトキシドなどの金属錯体や、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルなどのエポキシ化合物や、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物などが挙げられる。
【0043】
架橋助剤の具体例としては、グリシジルメタクリレート、ノルマル−ブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0044】
本発明においては、用途に応じて紫外線防止剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、着色防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料など上記以外の添加剤なども使用できる。
【0045】
本発明のフィルムのヘイズは、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。本発明によれば、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルおよび無機質充填材の含有割合を適宜に調整することによって、ヘイズを40%以上とするとすることができる。また光沢度は、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、いっそう好ましくは10%以下である。詳細は不明であるが、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有量と光沢度との間に相関関係があるように見受けられる。同様に詳細は不明であるが、ヘイズと光沢度とを適宜に調整することによって、優れたパール調の外観を得ることが可能となる傾向がある。
【0046】
本発明のフィルムの端裂抵抗は、好ましくは10N以上かつ80N以下、さらに好ましくは10N以上かつ70N以下である。端裂抵抗が上記の範囲を超えると十分なハンドカット性が得られなくなるため好ましくない。また、端裂抵抗は小さいほど良好なハンドカット性を示すが、上記の範囲より小さいと、フィルムの二次加工などの際に切断等が生じ好ましくない。端裂抵抗を10N以上かつ80N以下とするためには、無機質充填材の含有にもとづきボイドを発生させるか、あるいは脂肪族−芳香族共重合ポリエステルや可塑材の含有率を低下させて柔軟性を低下させればよい。
【0047】
本発明のフィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜80μmである。上記の範囲よりも薄いとフィルムのハンドリング性が低下し、また、上記の範囲よりも厚いと経済的に好ましくない。
【0048】
次に、本発明のフィルムの製造方法について詳細に説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと可塑剤と無機質充填材とを所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型混合機等を用いて混合し、その後、2軸混練押出機にて、180〜250℃の温度範囲で適宜選択された溶融温度で溶融混練して、コンパウンドペレットを作製する。あるいは、ペレット化せず直接押出機で製膜することも可能である。コンパウンドペレットを製造する際に、必要に応じて架橋剤、架橋助剤、有機滑剤などを添加することもできる。加えて、フィルム製造の際にも、これらを必要に応じてフィルム物性に影響を与えない範囲で添加してもよい。
【0049】
このコンパウンドペレットを乾燥した後、押出機に投入し、ポリマーを160℃〜230℃の温度範囲で溶融押出しする。この溶融押出温度は、コンパウンドペレットのポリ乳酸のL−乳酸とD−乳酸との組成比、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの融点や配合量、可塑剤の配合量等を考慮して適時選択される。溶融押出温度が上記の範囲未満の場合は、押出安定性を得難くなるだけではなく過負荷に陥りやすくなり、また上記の範囲を超えると、ポリマーの分解が著しくなる。そして、溶融したポリマーをTダイより押出し、表面温度が0〜50℃に制御されたキャストロールの表面にエアーナイフ法や静電ピニング法等により押し付け、未延伸フィルムを得る。
【0050】
その後、延伸温度50〜130℃の温度範囲で、延伸倍率が縦方向および横方向それぞれ1.5以上かつ5.0倍以下となるように、同時または逐次二軸延伸処理を施す。なお、同時二軸延伸する際には、それに先だって縦方向に1.02倍以上3.0倍以下の倍率で予備延伸を行ってもよい。予備縦延伸の延伸倍率が3.0倍を越えると、続く二軸延伸工程での延伸性に劣るものとなる。
【0051】
二軸延伸を行った後は、通常、熱固定が行われる。熱固定する方法としては、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法、加熱されたロール面上を接触走行させる方法などがある。この中でも、均一に精度よく加熱できる点で、熱風を吹き付ける方法が好ましく、60〜170℃の温度範囲で熱処理を施す。
【0052】
本発明のフィルムには、その少なくとも片面に、目的に応じて各種機能層が形成されてもよい。例えば、ヒートシール性を付与するためにポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などの層が、バリア性を付与するためにアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体などの層が、接着性を付与するためにポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、共重合ポリエステル樹脂などの層が、あるいはコロナ放電処理層、プラズマ処理層、サンドブラスト処理層などが形成されてもよい。その中でも、生分解性を有する層が好ましい。機能層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、ラミネート法、共押出法、エマルジョンコーティング法、ホットメルトコーティング法などがある。機能層は、フィルム全面に形成されていてもよいし、必要な部分のみに形成されていてもよい。
【0053】
本発明のフィルムは、包装体として用いる場合は、フィルムとヒートシール層のみでも使用可能であるが、他の素材と積層して使用することも可能である。積層する素材は特に限定されないが、アルミ箔および/または紙との積層が好ましい。
【0054】
【実施例】
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性の測定は、下記の方法により実施した。
(1)結晶融解熱量
パーキンエルマー社製のDSCを用い、試料7mgを20℃/分の昇温速度で加熱して、測定を行った。
(2)引張強伸度
島津製作所社製オートグラフ(AG−100E)を用い、JIS K−7127に準じて、フィルムのMD方向、TD方向の強度(MPa)、伸度(%)の測定を行った。
(3)ヘーズ(曇度)
日本電色社製ヘーズメーター(NDH 2000)を用い、JIS K 7105に準じて、全光線透過率(Tt)、拡散透過率(Td)、平行光線透過率(Tp:Tt−Td)、ヘーズ(Hz:Td/Tt×100)の測定を行った。
(4)光沢度
村上色彩技術研究所社製(GLOSS METER GM−26 PRO)を用い、JIS K 7105に準じて、入射角20°で測定を行った。
(5)端裂抵抗
島津製作所社製オートグラフ(AG−100E)を用い、JIS C 2318に準じて、フィルムのMD方向、TD方向につき測定を行った。
(6)パール調
5人のモニターによる官能検査を行った。見かけ上フィルムが優れたパール調を示していると感じた人が、5人のモニターのうち4人以上であればパール調良好で○とし、3人以下であればパール調不良で×とした。
実施例1
結晶性ポリ乳酸(D−乳酸1モル%、重量平均分子量20万、カーギル・ダウ社製:ネイチャーワークス)と、非晶性ポリ乳酸(D−乳酸10モル%、重量平均分子量20万、カーギル・ダウ社製:ネイチャーワークス)との配合比が70/30質量%となるようにするとともに、これらポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(BASF社製:エコフレックスF、結晶融解熱量19J/g)との配合比が60/40質量%となるようにした。そして、可塑剤としてのビスメチルジエチレングリコールアジペート(大八化学社製:MXA)がポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステル100質量部に対し8質量部配合されるとともに、無機質充填材としてのタルク(林化成社製Upu HST−0.5、平均粒子径2.75μm)がポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステル100質量部に対し15質量部配合されるよう計量した。これらの原料を2軸押出混練機を用いて溶融混練し、押出温度230℃で、ポリ乳酸系コンパウンド原料を作製した。
【0055】
次いでこのポリ乳酸系コンパウンド原料を乾燥し、口径50mmφの押出機を用い、温度210℃で溶融し、Tダイよりシート状に押出し、表面温度が10℃のキャストロールで急冷固化して、未延伸フィルムを作成した。
【0056】
さらに、この未延伸フィルムを、倍率可変式パンタグラフ式同時二軸延伸機に供給し、予熱温度70℃、延伸温度80℃で、縦方向3倍×横方向3倍の延伸倍率で延伸し、125℃で熱処理して、厚み25μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
実施例2
可塑剤をビスブチルジエチレングリコールアジペート(大八化学社製:BXA)にし、その配合比を、ポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステル100質量部に対し6質量部に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製した。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
実施例3
可塑剤をアセチルクエン酸トリブチル(田岡化学社製:ATBC)とし、その配合比を10質量部に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製した。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
実施例4
実施例1で得られた未延伸フィルムを、予熱ロールで60℃で予熱し、延伸ロール70℃で縦方向に3倍延伸し、引き続いて80℃のテンター内で横方向に4倍延伸し、その後、125℃で熱処理して、厚み25μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
比較例1
実施例1において、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを全く使用しなかった。そして、それ以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製した。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
比較例2
実施例1において、可塑剤を全く使用しなかった。そして、それ以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製した。得られたフィルムの物性等を表1に示す。
比較例3
実施例1において、無機質充填材を全く使用しなかった。そして、それ以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製しようとした。
【0059】
実施例1〜4では、高ヘイズかつ低光沢度でパール調を有し、しかもハンドカット性に優れたフィルムが得られた。
しかし、比較例1では、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを全く使用しなかったため、柔軟性、外観に劣ったフィルムしか得られず、しかも可塑剤のブリードアウトが発生した。また、比較例2では、可塑剤を全く使用しなかったため、柔軟性に劣ったフィルムしか得られなかった。比較例3は、無機質充填材を全く使用しなかったため、ブロッキングが生じて製膜できなかった。
【0060】
【発明の効果】
本発明の生分解性フィルムは、ポリ乳酸、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、無機質充填材の混合物からなる二軸延伸フィルムであるため、使用後に廃棄処理を行っても自然環境に悪影響を及ぼさず、しかも、高ヘイズ、低光沢度、パール調の優れた外観を有し、また、ハンドカット性に優れた生分解性フィルムである。
Claims (7)
- ポリ乳酸、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、無機質充填材の混合物からなり、二軸延伸が施されていることを特徴とする生分解性フィルム。
- ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有比率が、(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70質量%であり、前記ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合計100質量部に対し、可塑剤が3〜30質量部、無機質充填材が5〜25質量部の範囲で配合されていることを特徴とする請求項1記載の生分解性フィルム。
- 生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの結晶融解熱量(ΔHm)が35J/g以下であることを特徴とする請求項1または2記載の生分解性フィルム。
- 可塑剤が、エーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の生分解性フィルム。
- ヘイズが40%以上、光沢度が30%以下であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の生分解性フィルム。
- 端裂抵抗が10N以上かつ80N以下であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の生分解性フィルム。
- ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有比率が、(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70質量%であり、前記ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合計100質量部に対し、可塑剤が3〜30質量部、無機質充填材が5〜25質量部の範囲で配合された樹脂組成物を加熱溶融してダイより押出すことにより未延伸フィルムを製造し、次いでこの未延伸フィルムに二軸延伸処理を施すことを特徴とする生分解性フィルムの製造方法。
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