JP4672409B2 - 脂肪族ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた熱安定性を持ち、成形加工性に優れた脂肪族ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
近年、自然環境保護の見地から、自然環境中で分解する生分解性ポリマー及びその成形体が求められ、脂肪族ポリエステル樹脂等の自然分解性樹脂の研究が活発に行われている。特にポリ乳酸は、とうもろこし、サトウキビ、サツマイモ等の植物由来の原料から得られることから、最近はバイオプラスチックとしても注目されている。これらの植物原料から得られる材料は、燃焼(熱分解)又は、生分解により容易に水と炭酸ガスになるが、ここで発生する炭酸ガスは本来光合成により蓄えられたものであり、大気中の炭酸ガス濃度を増やさないことから環境に優しいプラスチックといえる。
数ある脂肪族ポリエステル樹脂の中で、特にポリ乳酸は他の脂肪族ポリエステル樹脂と比較して融点が高く、耐熱性に優れているという特長を持っている。しかし、溶融状態にあるポリ乳酸は溶融粘度や溶融張力が低いため、例えばフィルム、シートの成形時にネッキングを起こし、フィルムの厚さや幅が不安定になったり、繊維の成形時に糸切れを引き起こしやすい。また、インフレーション成形のフロストラインが不安定になったり、ブロー成形のパリソンがドローダウンして、成形体に偏肉が生じ易いといった問題が起こりやすい。
そこで従来、溶融粘度や溶融張力を向上させる手段として、脂肪族ポリエステル樹脂の重合過程において、多官能重合開始剤を用いて長鎖分岐ポリマーを生成させる組成物が知られている。このような分岐鎖を導入することにより、溶融粘度及び溶融張力は改善されるが、長い重合時間と操作が煩雑なため、実用性に乏しいという問題があった。そこで、重合後の後工程における架橋構造や分岐構造を導入した樹脂組成物が提案されている。
即ち、その第1は、生分解性ポリエステル樹脂と、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル樹脂と、(メタ)アクリル酸エステル化合物とからなる生分解性ポリエステル樹脂組成物である(例えば、特許文献1を参照)。第2は、生分解性樹脂に特定のエポキシ化合物を配合した耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルム又はシートである(例えば、特許文献2を参照)。第3は、ポリ乳酸を含有する生分解性ポリエステル樹脂と層状珪酸塩とからなり、更にエポキシ基を有する反応性化合物を含有する生分解性樹脂組成物である(例えば、特許文献3を参照)。
第4は、ポリ乳酸と、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルと、変性オレフィン化合物とからなるポリ乳酸系樹脂組成物である(例えば、特許文献4を参照)。変性オレフィン化合物にはエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が含まれている。第5は、脂肪族ポリエステル及び変性エラストマーを含有する組成物をアニール処理してなる結晶性生分解性樹脂組成物である(例えば、特許文献5を参照)。脂肪族ポリエステルにはポリ乳酸が含まれ、変性エラストマーにはアクリル系エラストマーが含まれている。
特開2004−67894号公報(第2頁、第5頁及び第6頁) 特開2004−10693号公報(第2頁及び第7頁) 特開2003−261756号公報(第2頁及び第7頁) 特開2001−123055号公報(第2頁、第5頁及び第6頁) 特開2004−35691号公報(第2頁、第5頁、第8頁及び第9頁)
ところが、特許文献1に記載の生分解性ポリエステル樹脂組成物は、生分解性ポリエステル樹脂、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル樹脂及び(メタ)アクリル酸エステル化合物に過酸化物を加えて溶融混練することにより製造される。その場合、グリシジル基等の官能基をもつ(メタ)アクリル酸エステル化合物を用いることにより、生分解性ポリエステル樹脂としてのポリ乳酸樹脂の水素引き抜き反応と架橋反応が起きて、部分的な架橋物が生成するとともに、黄変等の着色が生じやすい。
また、特許文献2及び特許文献3の組成物では、ポリ乳酸分子末端の水酸基やカルボキシル基とエポキシ基含有重合体を反応させ、長鎖分岐ポリマーを生成させるため、成形加工性の改良効果は認められる。しかし、1分子当たりのエポキシ基の数が多過ぎる(例えば、特許文献2ではグリシジルメタクリレートのホモポリマーを使用、特許文献3ではその実施例3でグリシジルメタクリレート50%とスチレン50%の共重合体を使用)ため、ポリ乳酸分子末端の水酸基やカルボキシル基とエポキシ基との反応が局所的で、その制御が困難である。その結果、成形機内で架橋反応が過度に進行して樹脂組成物がゲル化状態に到り、吐出が不安定化し、得られる成形体表面が不均一なものになるという不具合が発生する。つまり、樹脂組成物は熱安定性に欠けるという問題があった。
加えて、特許文献4に記載のポリ乳酸系樹脂組成物では、変性オレフィン化合物の配合量が脂肪族ポリエステルに対して5重量%以上であり、特許文献5に記載の生分解性樹脂組成物では、アクリル系エラストマーの配合量がポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルに対して10重量%以上である。このため、得られる樹脂組成物は強度、耐熱性等の物性向上が認められるが、過剰な架橋反応が引き起こされるおそれがあり、成形加工性に欠ける場合がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、過剰な架橋反応を抑制しつつ、増粘効果により成形加工性を向上させることができるとともに、優れた熱安定性を発揮することができる脂肪族ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、乳酸単位を有する重合体を主成分とし、ラクチド又は乳酸の含有量が0.2質量%未満である脂肪族ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、ガラス転移温度が0℃以上で、1分子当たりの平均エポキシ基の数が3〜30であり、かつ質量平均分子量が1,000〜30,000であるアクリル樹脂系改質剤(B)を0.15〜1質量部の割合で含有することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、請求項2に係る発明において、JIS−K7210に規定された熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準じて測定された210℃、荷重2.16kgでのMFR値であって、樹脂投入5分後のMFR値(MFR)と15分後のMFR値(MFR15)の変化率偏差(σMFR:(MFR15−MFR)/MFR)の値が−0.35〜0.1であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、請求項1又は請求項2に係る発明において、アクリル樹脂系改質剤(B)のエポキシ当量が0.70〜3.00meq/gであることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明において、アクリル樹脂系改質剤(B)が、エポキシ基含有アクリル系単量体及びスチレン系単量体を含有する単量体混合物を重合して得られるものであることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、請求項1から請求項4のいずれか一項に係る発明において、アクリル樹脂系改質剤(B)が、130〜350℃の温度に設定された連続攪拌槽重合法で製造されるものであることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明において、直径1mm、長さ10mmのダイを備えたレオメータにて、200℃、せん断速度121sec-1の条件で測定した溶融粘度に関して、アクリル樹脂系改質剤(B)を添加したときの溶融粘度(ηadd)とアクリル樹脂系改質剤(B)を添加しないときの溶融粘度(η)の変化率Δη(ηadd/η)の値が1.1〜1.8であることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明において、アクリル樹脂系改質剤(B)を添加したときのスウェル(=ダイ出口樹脂直径/ダイ直径)(DSadd)とアクリル樹脂系改質剤(B)を添加しないときのスウェル(DS)の変化率ΔDS(DSadd/DS)の値が1.05〜1.3であることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)100質量部に対してアクリル樹脂系改質剤(B)を0.15〜1質量部の割合で含有するものである。脂肪族ポリエステル樹脂(A)は、乳酸単位を有する重合体を主成分とし、ラクチド又は乳酸の含有量が0.2質量%未満のものである。一方、アクリル樹脂系改質剤(B)は、ガラス転移温度が0℃以上で、1分子当たりの平均エポキシ基の数が3〜30であり、かつ質量平均分子量が1,000〜30,000である。このような脂肪族ポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂系改質剤(B)の双方の特定要件の下に、アクリル樹脂系改質剤(B)のエポキシ基が脂肪族ポリエステル樹脂(A)の末端に存在するカルボキシル基又はヒドロキシル基と反応して適度な架橋構造を形成することができる。
そして、脂肪族ポリエステル樹脂組成物を溶融して成形する場合には、アクリル樹脂系改質剤(B)中のエポキシ基が脂肪族ポリエステル樹脂(A)末端のカルボキシル基やヒドロキシル基と反応して架橋することにより粘度が上昇し、成形に好適な粘性が発現される。従って、過剰な架橋反応を抑制しつつ、増粘効果により成形加工性を向上させることができるとともに、優れた熱安定性を発揮することができる。
請求項2に記載の発明では、アクリル樹脂系改質剤(B)は、JIS−K7210に規定された熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準じて測定された210℃、荷重2.16kgでのMFR値であって、樹脂投入5分後のMFR値(MFR)と15分後のMFR値(MFR15)の変化率偏差(σMFR:(MFR15−MFR)/MFR)の値が−0.35〜0.1である。このため、脂肪族ポリエステル樹脂組成物は流動性の変化が速やかであり、請求項1に係る発明の効果に加えて、成形加工性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明においては、アクリル樹脂系改質剤(B)のエポキシ当量が0.70〜3.00meq/gに設定されていることから、アクリル樹脂系改質剤(B)に含まれるエポキシ基の量が分子量と1分子当たりの平均エポキシ基の数を勘案して決定されている。従って、架橋反応の程度を適切な範囲に容易に設定することができ、請求項1又は請求項2に係る発明の効果を向上させることができる。
請求項4に記載の発明では、アクリル樹脂系改質剤(B)が、エポキシ基含有アクリル系単量体及びスチレン系単量体を含有する単量体混合物を重合して得られるものであるため、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、アクリル樹脂系改質剤(B)としてエポキシ基を有する重合体を容易に得ることができる。
請求項5に記載の発明においては、アクリル樹脂系改質剤(B)が、130〜350℃の温度に設定された連続攪拌槽重合法で製造されるものであるため、請求項1から請求項4のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、目的とする分子量のアクリル樹脂系改質剤(B)を効率良く製造することができる。
請求項6に記載の発明では、所定の条件で測定した溶融粘度に関して、アクリル樹脂系改質剤(B)を添加したときの溶融粘度(ηadd)とアクリル樹脂系改質剤(B)を添加しないときの溶融粘度(η)の変化率Δη(ηadd/η)の値が1.1〜1.8である。このため、アクリル樹脂系改質剤(B)の添加によって溶融粘度を上昇させることができ、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、成形加工性を一層向上させることができる。
請求項7に記載の発明では、アクリル樹脂系改質剤(B)を添加したときのスウェル(=ダイ出口樹脂直径/ダイ直径)(DSadd)とアクリル樹脂系改質剤(B)を添加しないときのスウェル(DS)の変化率ΔDS(DSadd/DS)の値が1.05〜1.3である。従って、アクリル樹脂系改質剤(B)の添加によって溶融粘度を上昇させることができ、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、成形加工性を一層向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の脂肪族ポリエステル樹脂組成物(以下、単にポリエステル樹脂組成物ともいう)は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)(以下、単にポリエステル樹脂ともいう)100質量部に対して、アクリル樹脂系改質剤(B)(以下、単にアクリル樹脂系改質剤ともいう)を0.15〜1質量部の割合で含有するものである。脂肪族ポリエステル樹脂(A)は、乳酸単位を有する重合体(以下、ポリ乳酸ともいう)を主成分とし、ラクチド又は乳酸の含有量が0.2質量%未満のものである。一方、アクリル樹脂系改質剤(B)は、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上で、1分子当たりの平均エポキシ基の数が3〜30であり、かつ質量平均分子量が1,000〜30,000のものである。
前記ポリエステル樹脂は、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の主要成分であり、脂肪族ポリエステル樹脂組成物を成形加工して得られる成形体の基本的機能を担うものである。ポリ乳酸を主成分とする脂肪族ポリエステル樹脂とは、50質量%以上のポリ乳酸成分を含有する脂肪族ポリエステル樹脂である。即ち、50質量%以上のポリ乳酸成分を含有しておれば、ホモポリ乳酸であっても、他の脂肪族ポリエステル単位との共重合ポリ乳酸であっても差し支えない。また、50質量%以上のポリ乳酸成分を含有しておれば、ポリ乳酸を含まない他の脂肪族ポリエステルとの2種以上の混合物であってもよい。
乳酸単位を有する重合体は、ラクチド〔CHCH(COO)CHCH〕の開環重合又は乳酸〔CHCH(OH)(COOH)〕の重縮合によって得られるものである。この乳酸単位を有する重合体は、従来公知の方法で合成されたものを用いることができる。即ち、特開平7−33861号公報、特開昭59−96123号公報、高分子討論会予稿集第44巻、3198−3199頁に記載のような乳酸からの直接脱水縮合、又は乳酸環状二量体ラクチドの開環重合によって合成することができる。
直接脱水縮合を行う場合、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物のいずれの乳酸を用いても良い。また、開環重合を行う場合においても、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、meso−ラクチド、又はこれら混合物のいずれのラクチドを用いても良い。ラクチドの合成、精製及び重合操作は、例えば米国特許4057537号明細書、公開欧州特許出願第261572号明細書、Polymer Bulletin,14,491−495(1985)、及びMacromol.Chem., 187,1611−1628(1986)等の文献に様々に記載されている。
この重合反応に用いられる触媒は、特に限定されるものではないが、公知の乳酸重合用触媒を用いることができる。例えば、乳酸スズ、酒石酸スズ、ジカプリル酸スズ、ジラウリル酸スズ、ジパルミチン酸スズ、ジステアリン酸スズ、ジオレイン酸スズ、α−ナフトエ酸スズ、β−ナフトエ酸スズ、オクチル酸スズ等のスズ系化合物、粉末スズ、酸化スズ、亜鉛末、ハロゲン化亜鉛、酸化亜鉛、有機亜鉛系化合物、テトラプロピルチタネート等のチタン系化合物、ジルコニウムイソプロポキシド等のジルコニウム系化合物、三酸化アンチモン等のアンチモン系化合物、酸化ビスマス(III)等のビスマス系化合物、酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウム系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、スズ又はスズ化合物からなる触媒が活性の点から特に好ましい。これらの触媒の使用量は、例えば開環重合を行う場合、ラクチドに対して0.001〜5質量%程度である。重合反応は、上記触媒の存在下、触媒種によって異なるが、通常100〜220℃の温度で行うことができる。また、特開平7−247345号公報に記載のような2段階重合を行うことも好ましい。
乳酸単位を有する重合体以外の脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4−ヒドロキシ吉草酸)、ポリカプロラクトン等の開環重付加系脂肪族ポリエステル、並びにポリエステルカーボネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリヘキサメチレンオキサレート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート等の重縮合反応系脂肪族ポリエステルが挙げられる。
乳酸単位を有する重合体を主成分とするポリエステル樹脂の質量(重量)平均分子量は、100,000以上であることが好ましく、120,000以上であることがより好ましく、150,000以上であることが更に好ましく、180,000以上であることが特に好ましい。ポリエステル樹脂の質量平均分子量が100,000未満では、得られる成形体の強度、弾性率等の機械特性が不十分となり、質量平均分子量が高くなるほどこのような物性がより向上する傾向にある。また、ポリエステル樹脂の質量平均分子量は、成形時の溶融粘度及び溶融張力の観点から400,000以下であることが好ましい。
また、乳酸単位を有する重合体を主成分とするポリエステル樹脂においては、未反応のラクチド又は乳酸が少量含まれている。そのようなラクチド又は乳酸は、アクリル樹脂系改質剤のエポキシ基と反応してアクリル樹脂系改質剤によるポリエステル樹脂の架橋反応を阻害する。そのため、ラクチド又は乳酸の含有量は0.2質量%未満であることが必要で、0.15質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることが更に好ましく、0.05質量%未満であることが特に好ましい。ラクチド又は乳酸の含有量が0.2質量%以上である場合には、アクリル樹脂系改質剤を添加しても、アクリル樹脂系改質剤中のエポキシ基がラクチド又は乳酸と反応して消費されてしまい、本来得られるべき増粘効果が十分に発揮されない。そのため、アクリル樹脂系改質剤の過度な添加量が必要になることで、生分解性も損なわれるだけでなく、コストアップの一因ともなる。或いは、酸成分となる開環ラクチドがアクリル樹脂系改質剤の反応助剤として働き、その量が多いと局所的に反応が進行して架橋物の発生が起きる。また、増粘効果が一様に得られないため、所望とする物性が得られないといった問題が発生する。
また、乳酸単位を有する重合体におけるL−乳酸単位及びD−乳酸単位の構成モル比L/Dは、100/0〜0/100のいずれであっても良いが、高い融点を得るためにはL−乳酸及びD−乳酸のいずれかの単位を96モル%以上、更に高い融点を得るためにはL−乳酸及びD−乳酸のいずれかの単位を98モル%以上含むことが特に好ましい。その場合の乳酸単位を有する重合体は、前記の通り、乳酸(単量体)又はラクチドと共重合可能な他の成分とが共重合された共重合体であっても良い。共重合可能な他の成分としては、2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等、及びこれら種々の構成成分よりなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等が挙げられる。
ジカルボン酸の例としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。多価アルコールの例としては、ビスフェノールにエチレンオキサイドを付加反応させたもの等の芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール等の脂肪族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエーテルグリコール等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸の例としては、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、その他特開平6−184417号公報に記載されているもの等が挙げられる。ラクトンの例としては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、ε−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。また、前記共重合体の配列様式は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
次に、アクリル樹脂系改質剤(B)は、乳酸を主成分とする脂肪族ポリエステル樹脂の成形加工性及び熱安定性を改善する機能を担う成分である。このアクリル樹脂系改質剤は、特定のガラス転移温度(Tg)、1分子当たりの平均エポキシ基の数及び質量平均分子量を有している。尚、本明細書では、アクリル及びメタクリルを総称して(メタ)アクリルという。
上記のガラス転移温度は0℃以上であり、30℃以上であることが好ましく、50℃以上が更に好ましい。ガラス転移点温度が0℃未満の場合、ポリエステル樹脂組成物の成形時にアクリル樹脂系改質剤がポリエステル樹脂に対する増粘効果を十分に発現できず、成形加工性を改良するには到らない場合がある。このガラス転移温度の上限は、通常100℃程度である。
また、前記1分子当たりの平均エポキシ基の数は3〜30であり、好ましくは3.5〜20、更に好ましくは4.0〜10である。この平均エポキシ基の数が3未満であると、ポリエステル樹脂に対する増粘効果が小さく、成形加工性を十分に改良することができなくなる。一方、30を越えると、過剰なエポキシ基がポリエステル樹脂のカルボキシル基やヒドロキシル基と過度の架橋反応を起こし、成形加工性が悪化する場合がある。
前記1分子当たりの平均エポキシ基の数(以下、Fnという。)の測定は、次に示す式(1)より算出することができる。
平均エポキシ基の数(Fn) = a×b/(100×c) ・・・(1)
式(1)においてa、b及びcはそれぞれ以下のとおりである。
a:アクリル樹脂系改質剤(B)に含まれるエポキシ基を有するアクリル系重合体単位の割合(質量%)
b:アクリル樹脂系改質剤(B)の数平均分子量
c:エポキシ基を有するアクリル系単量体の分子量
前記アクリル樹脂系改質剤(B)の質量平均分子量は1,000〜30,000であり、好ましくは1,500〜20,000、更に好ましくは2,000〜15,000である。この質量平均分子量が1,000未満の場合には、アクリル樹脂系改質剤1分子当たりの平均エポキシ基の数が少なくなるため、ポリエステル樹脂に対する増粘効果が不十分となる場合がある。また、質量平均分子量が30,000を越える場合には、アクリル樹脂系改質剤1分子当たりの平均エポキシ基の数が多くなり、ポリエステル樹脂が過剰な架橋反応を起こして成形加工性を悪くする場合がある。更に、アクリル樹脂系改質剤の分子量分布(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.5〜5.0が好ましく、1.6〜4.5がより好ましく、1.7〜4.0が更に好ましい。
アクリル樹脂系改質剤は、エポキシ基含有アクリル系単量体及びスチレン系単量体を含有する単量体混合物を重合して得られるもの、或いはエポキシ基含有アクリル系単量体、スチレン系単量体及びその他のビニル系単量体を含有する単量体混合物を重合して得られるものである。エポキシ基含有アクリル系単量体として、例えば(メタ)アクリル酸グリシジルやシクロヘキセンオキシド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ基含有アクリル系単量体として好ましいものは、反応性の高い(メタ)アクリル酸グリシジルである。スチレン系単量体は、その重合体が前記乳酸単位を有する重合体と同様の性質を有するもので、従って乳酸単位を有する重合体に親和性を示し、例えばスチレン、αーメチルスチレン等が用いられる。
その他のビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の炭素数が1〜22のアルキル基(アルキル基は直鎖、分岐鎖でもよい)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシシリルアルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジアルキルアミド、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルエーテル類、(メタ)アリルエーテル類、の芳香族系ビニル系単量体、エチレン、プロピレン等のαオレフィンモノマーも使用可能である。これらは、一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。
アクリル樹脂系改質剤は、エポキシ基含有アクリル系重合体単位、スチレン系重合体単位及びその他のビニル系重合体単位が各々10〜40質量%、90〜20質量%及び0〜70質量%が好ましく、15〜35質量%、85〜25質量%及び0〜60質量%がより好ましく、20〜30質量%、80〜30質量%及び0〜50質量%が更に好ましい。アクリル系重合体単位の割合が10質量%未満である場合には、アクリル樹脂系改質剤の単位質量中のエポキシ基が乏しく、ポリエステル樹脂組成物の成形加工性や熱安定性の改良効果を十分に得るためには、ポリエステル樹脂へアクリル樹脂系改質剤を多量に添加することが必要となる。その結果、ポリエステル樹脂組成物より得られる成形体の機械的強度が低下すという問題を生じる。一方、アクリル系重合体単位の割合が40質量%を越える場合には、ポリエステル樹脂とアクリル樹脂系改質剤との過剰な架橋反応により、ポリエステル樹脂組成物が過度に架橋した架橋物が生成し、所望形状の成形体を得ることができない場合がある。スチレン系重合体単位及びその他のビニル系重合体単位は、アクリル系重合体単位の割合を設定した後に、上記の範囲内において成形体の機械的強度等を勘案して適宜設定される。
アクリル樹脂系改質剤は、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法等任意の方法で製造することができる。好ましい重合法は連続攪拌槽重合法であり、より好ましい重合方法は高温連続攪拌槽重合法である。その重合温度は130〜350℃が好ましく、150〜330℃がより好ましく、170〜270℃が更に好ましい。上記重合温度においては、ラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を使用しないか又は極めて少量の使用により、目的とする分子量の重合体(共重合体を含む概念である)が効率的に得られる。重合温度が130℃未満の場合、目的とする分子量の重合体を得るには、多量のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を必要とするため、得られた重合体中には不純物が多く含まれやすい。そのため、脂肪族ポリエステル樹脂や成形体に着色や異臭等の問題が発生する場合がある。重合温度が350℃を越える場合、重合体の熱分解が起こり、目的とする重合体を得ることができないおそれがある。
このような高温連続攪拌槽重合法は、特表昭57−502171号公報、特開昭59−6207号公報、特開昭60−215007号公報等に開示された公知の重合法に従えば良い。例えば、加圧可能な反応器を加圧下で所定温度に設定した後、各ビニル系単量体、及び必要に応じて重合溶媒からなるビニル系単量体混合物を一定の供給速度で反応器へ供給し、ビニル系単量体混合物の供給量に見合う量の重合反応液を抜き出す方法が採用される。また、ビニル系単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。その場合の配合量としては、ビニル系単量体混合物100質量部に対して0.001〜2質量部であることが好ましい。圧力は、反応温度と使用するビニル系単量体及び重合溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさないので、前記反応温度を維持できる圧力であればよい。単量体混合物の反応器内での滞留時間は、1〜60分であることが好ましい。滞留時間が1分に満たない場合には単量体が十分に反応しないおそれがあり、60分を越える場合には生産性が低下する傾向となる。好ましい滞留時間は2〜40分である。
このような高温連続攪拌槽重合法は、バッチ式重合法及びセミバッチ式重合法と比較して重合槽内の組成を均一状態に保つことができるため、得られる重合体の組成分布が均一となる。従って、アクリル樹脂系改質剤は、より均一な1分子当たりのエポキシ基の数や分子量分布を有しており、目的に適うものである。更に、高温連続重合法は短時間の重合操作で、所望のアクリル樹脂系改質剤を得ることができ、経済的、かつ架橋反応によるゲル化が起こり難いという利点を有している。
アクリル樹脂系改質剤は、JIS−K7210に規定された熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準じて測定された210℃、荷重2.16kgでのMFR値が所定値を示すことが好ましい。即ち、樹脂投入5分後のMFR値(MFR)と15分後のMFR値(MFR15)の変化率偏差(σMFR:(MFR15−MFR)/MFR)の値が好ましくは−0.35〜0.1、より好ましくは−0.2〜0.05である。
このMFR値の変化率偏差の値が0未満であるということは、時間経過と共に、粘度が上昇していることを意味する。即ち、樹脂及びアクリル樹脂系改質剤の反応が混合混練時に完了しておらず、その後の成形加工時に更に反応が進んだことを示している。MFR値の変化率偏差の値が−0.35未満である場合、成形加工時に、ポリエステル樹脂とアクリル樹脂系改質剤との反応が過度に進行し、必要以上に増粘することから、得られる成形体の表面にフィッシュアイや失艶が発生し意匠性が低下する。一方、このMFR値の変化率偏差の値が0.1を越えるということは、時間経過と共に、粘度が低下することを意味する。この場合、成形加工時の長時間滞留により樹脂粘度は大幅に低下し、ドローダウンが発生して所望形状の成形体を得ることが難しくなる。
アクリル樹脂系改質剤のエポキシ当量(以下、EVという。)は0.70〜3.00meq/gであることが好ましく、1.06〜2.46meq/gであることがより好ましく、1.40〜2.11meq/gであることが更に好ましい。このエポキシ当量が、0.70meq/g未満であると、ポリエステル樹脂組成物の成形加工性や熱安定性を十分に得るために、ポリエステル樹脂へアクリル樹脂系改質剤を多量に添加する必要がある。その結果、ポリエステル樹脂組成物より得られる成形体の機械的強度が低下するという問題が生じる。一方、エポキシ当量が3.00meq/gを越える場合には、ポリエステル樹脂のカルボキシル基又はヒドロキシル基とアクリル樹脂系改質剤のエポキシ基との過剰な架橋反応により、ポリエステル樹脂組成物が例えば成形機内で過度の架橋状態を引き起こし、サージング等により所望形状の成形体を得ることができない場合がある。
アクリル樹脂系改質剤の添加量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.15〜1質量部であり、0.2〜0.8質量部が好ましく、0.3〜0.6質量部がより好ましい。この添加量が0.15質量部未満では改質効果に乏しく、ポリエステル樹脂組成物の優れた熱安定性と成形加工性が得られない。一方、1質量部を越える場合にはポリエステル樹脂組成物の熱安定性に優れるものの、成形加工中に架橋反応が進行するため、過度の架橋状態に到り、成形が困難となりやすい。
前記ポリエステル樹脂へのアクリル樹脂系改質剤の混合、及び各種添加剤を配合する方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって行うことができる。例えば、ポリエステル樹脂粉末又はペレットと添加剤各成分とをそれぞれドライブレンドで混合してもよく、添加剤の一部をプリブレンドして他の成分を後でドライブレンドしても構わない。例えば、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー等を用いて混合し、次いで単軸又は二軸押出機等を用いて混練すればよい。この混合及び混練は、通常120〜220℃程度の温度で行われる。
但し、ポリエステル樹脂とアクリル樹脂系改質剤の混合温度は、180〜230℃の範囲で行われることが好ましい。180℃未満の温度では反応が緩やかに進行するため反応時間を十分にとる必要があり、生産性、装置の制限等から好ましくない。230℃を越える温度では、ポリエステル樹脂の解重合が同時に発生し、最終的に得られるポリエステル樹脂組成物中のポリエステル樹脂成分の鎖長が短くなって粘度低下が起きるため好ましくない。また、この温度条件で混合するときには、滞留時間を2分以上確保することが好ましく、3〜15分がより好ましく、3〜10分が更に好ましい。滞留時間が2分未満では十分な反応時間が確保されず、未反応物が残留して成形加工時に反応が進行してしまうため好ましくない。一方、15分を越えると生産性が低下するばかりか、熱劣化や解重合が懸念されるため好ましくない。更に、ポリエステル樹脂を得るための重合段階で、添加剤を添加しても差し支えない。また、添加剤を高濃度で含有するマスターバッチを作製し、これをポリエステル樹脂に添加する方法等を採ることもできる。
ポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて従来公知の可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各種フィラー、帯電防止剤、離型剤、香料、滑剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤・抗カビ剤、他の核形成剤等の各種添加剤を配合することもできる。特に、成形加工性の改善のために、公知の結晶核剤である脂肪族アミド系化合物、芳香族アミド系化合物、タルク等を配合することが好ましい。
更に、ポリエステル樹脂組成物は、直径1mm、長さ10mmのダイを備えたレオメータ、具体的にはキャピラリーレオメータ(東洋精機(株)製 キャピログラフ1C)にて、200℃、せん断速度121sec-1の条件で測定した溶融粘度に関し、次のような条件を満たすことが好ましい。即ち、アクリル樹脂系改質剤(B)を添加したときの溶融粘度(ηadd)とアクリル樹脂系改質剤(B)を添加しないときの溶融粘度(η)の変化率Δη(ηadd/η)の値が好ましくは1.1〜1.8である。この変化率Δηが1.1より小さい場合、増粘効果が小さく、目的とする成形加工性の改善効果が不十分であるため好ましくない。一方、1.8を越える場合、成形加工時に粘度が上昇し過ぎ、所望とする成形体を得ることが難しくなる。
また、アクリル樹脂系改質剤(B)を添加したときのスウェル(=ダイ出口樹脂直径/ダイ直径)(DSadd)とアクリル樹脂系改質剤(B)を添加しないときのスウェル(DS)の変化率ΔDS(DSadd/DS)の値が好ましくは1.05〜1.3である。この変化率ΔDSが1.05より小さい場合、増粘効果が乏しく、十分な成形加工性を発揮することができないため好ましくない。一方、1.3を越える場合、成形加工時における粘度上昇が大きくなり過ぎ、所望形状の成形体を得ることが難しくなる。従って、上記の溶融粘度の変化率Δηとスウェルの変化率ΔDSの条件を共に満たすことが特に好ましい。
ポリエステル樹脂組成物の成形方法としては、フィルム、シート等の押出成形法に限らず、一般のプラスチックと同様に、射出成形法、ブロー成形法、真空成形法、圧縮成形法等の成形法を採用することができる。そして、フィルム成形体、シート成形体、繊維、発泡成形体、ブロー成形体等の各種成形体を得ることができる。また、ポリエステル樹脂組成物は、その増粘特性から溶融張力が特に必要な発泡体等の成形にも適している。
さて、ポリエステル樹脂組成物は、前述したポリエステル樹脂(A)100質量部に対してアクリル樹脂系改質剤(B)を0.15〜1質量部の割合で配合することによって得られる。得られたポリエステル樹脂組成物を用いて成形体を製造する場合には、ポリエステル樹脂組成物を加熱溶融し、射出成形法等の成形法に従って成形することにより所望形状の成形体が製造される。
この成形過程で、アクリル樹脂系改質剤中に含まれるエポキシ基がポリエステル樹脂中の主成分である乳酸単位を有する重合体の末端に存在するカルボキシル基又はヒドロキシル基と反応して架橋反応が進行する。このとき、ポリエステル樹脂中のラクチド又は乳酸の含有量が0.2質量%未満に限定されているため、アクリル樹脂系改質剤中のエポキシ基が乳酸単位を有する重合体のカルボキシル基又はヒドロキシル基と有効に反応することができる。同時に、アクリル樹脂系改質剤の1分子当たりの平均エポキシ基の数が3〜30に制限され、かつ質量平均分子量が1,000〜30,000の範囲に設定されているため、架橋反応の過度の進行が抑えられる。従って、成形時には適度な増粘性が得られ、成形が円滑に進行して良好な外観と物性を有する成形体を製造することができる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対してアクリル樹脂系改質剤(B)を0.15〜1質量部の割合で含有するものである。ポリエステル樹脂は、乳酸単位を有する重合体を主成分とし、ラクチド又は乳酸の含有量が0.2質量%未満のものである。一方、アクリル樹脂系改質剤は、ガラス転移温度が0℃以上で、1分子当たりの平均エポキシ基の数が3〜30であり、かつ質量平均分子量が1,000〜30,000である。このため、アクリル樹脂系改質剤のエポキシ基が乳酸単位を有する重合体末端のカルボキシル基又はヒドロキシル基と反応して適度な架橋構造が形成される。
そして、ポリエステル樹脂組成物を加熱して成形する場合には、前記の架橋反応により粘度が上昇し、成形に好適な粘性が得られる。従って、過剰な架橋反応を抑制しつつ、増粘効果により成形加工性を向上させることができるとともに、優れた熱安定性を発揮することができる。
・ また、ポリエステル樹脂組成物は、前記変化率偏差(σMFR)の値が−0.35〜0.1であるため、加熱滞留時間が長くても流動性の変化が少なく、成形加工性を向上させることができる。
・ 更に、アクリル樹脂系改質剤のエポキシ当量が0.70〜3.00meq/gに設定されていることから、アクリル樹脂系改質剤に含まれるエポキシ基の量が分子量と1分子当たりの平均エポキシ基の数を勘案して決定されている。従って、架橋反応の程度を適切な範囲に抑制することができる。
・ また、アクリル樹脂系改質剤が、エポキシ基含有アクリル系単量体及びスチレン系単量体を含有する単量体混合物を重合して得られるものであるため、アクリル樹脂系改質剤としてエポキシ基を有する重合体を容易に得ることができる。
・ その上、アクリル樹脂系改質剤が、130〜350℃の温度に設定された連続攪拌槽重合法で製造されることにより、目的とする分子量のアクリル樹脂系改質剤を効率良く製造することができる。
・ 加えて、前記溶融粘度(η)の変化率Δη(ηadd/η)の値が1.1〜1.8で、かつスウェル(DS)の変化率ΔDS(DSadd/DS)の値が1.05〜1.3である。このため、アクリル樹脂系改質剤の添加によって溶融粘度を上昇させることができ、成形加工性を一層向上させることができる。
・ 以上のように、ポリエステル樹脂組成物の溶融粘度の温度依存性を小さくすることができ、成形加工性を改善することができるだけでなく、成形加工温度における長時間の滞留においても粘度変化を一定範囲に抑えることが可能となる。その結果、ポリエステル樹脂組成物を溶融成形することで、従来よりも優れた外観や機械的物性を備えた成形体を製造することができる。
以下に、製造例及び実施例を挙げ、前記実施形態を更に具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。以下の各実施例において、ラクチド又は乳酸含有量の分析は、ペレットをアセトニトリルに12時間浸漬し、抽出された測定検体を高速液体クロマトグラフィにて測定し、得られた結果を予め作成したラクチド検量線又は乳酸検量線により算出した。また、重合体の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)分析によるポリスチレン換算値、ガラス転移温度及び融点は走査型示差熱量計(DSC)により、昇温速度10℃/minで測定した値である。
アクリル樹脂系改質剤(B)の1分子当たりの平均エポキシ基の数(Fn)は、前述した式(1)より算出した。また、エポキシ当量(EV)の測定は、ASTM D−1652−73に準じて行った。
各種アクリル樹脂系改質剤は、下記に示す方法にて予め製造した。
(製造例1、アクリル系重合体1の製造)
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。一方、スチレン(以下、Stという。)74質量部、グリシジルメタクリレート(以下、GMAという。)20質量部、アクリル酸ブチル(以下、BAという。)6質量部、キシレン15質量部及び重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド(以下、DTBPという。)0.5質量部からなる単量体混合液を原料タンクに仕込んだ。一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給し、反応器の内容液質量が約580gで一定になるように反応液を反応器の出口から連続的に抜き出した。その時の反応器内温は、約210℃に保たれた。
反応器内部の温度が安定してから36分経過した後から、抜き出した反応液を減圧度30kPa、温度250℃に保った薄膜蒸発機により連続的に揮発成分除去処理して、揮発成分をほとんど含まない重合体1を回収した。180分かけて約7kgの重合体1を回収した。
(製造例2、アクリル系重合体2の製造)
St38質量部、BA8質量部、GMA25質量部、メチルメタクリレート(以下、MMAという。)29質量部、キシレン15質量部、DTBP0.3質量部からなる単量体混合液を用いた以外は、重合体1の製造と同じ方法にて、重合体2を製造した。
(製造例3、アクリル系重合体3の製造)
原料単量体の組成を表1に示すとおりとした以外は重合体1の製造と同じ製造方法にて、重合体3を製造した。
(製造例4〜7、アクリル系重合体4〜7の製造)
原料単量体の組成と重合温度を表1に示すとおりとした以外は重合体1の製造と同じ製造方法にて、重合体4〜7を製造した。
Figure 0004672409
ポリ乳酸樹脂としては以下に挙げる2種類を使用した。以下に示す各分子量は、GPC法によるポリスチレン換算値を、TgはDSCによる。また、ラクチド含有率は上記手法による液体クロマトグラフィにより測定した結果である。
トヨタ自動車(株)製ポリ乳酸樹脂B−2(以下、PLA1という)
Mw=123,000、Mn=56,400、Mw/Mn=2.18、
Tg=59.7℃、ラクチド含有率=970ppm(0.097質量%)
トヨタ自動車(株)製ポリ乳酸樹脂#5000(以下、PLA2という)
Mw=224,000、Mn=98,700、Mw/Mn=2.27、
Tg=60.7℃、ラクチド含有率=2,500ppm(0.25質量%)
(実施例1〜7及び比較例1〜12、コンパウンド及び成形性試験)
各種ポリ乳酸樹脂と混合脂肪族ポリエステル樹脂に、表2に示す添加量になるようアクリル樹脂系改質剤(B)を配合し、ヘンシェルミキサーにて各成分を均一に予備混合した後、同方向平行2軸押出機(プラスチック工学研究所製 ST−40)にて、200℃で溶融混練した。
Figure 0004672409
※エポキシ化大豆油 : 旭電化工業(株)製アデカサイザーO-130P
デナコールEX-313 : ナガセケムテック(株)製ポリグリシジルエーテル
GS−pla : 三菱化学(株)製脂肪族ポリエステル樹脂(ポリブチレンサクシネート)「GS−pla AZ71T」
AO−50 : 旭電化工業(株)製フェノール系酸化防止剤:「アデカスタブAO−50」
MA−P6 : 日本タルク(株)製微粉末タルク:「MICRO ACE P−6」
WX−1 : 川研ファインケミカル(株)製ビスアミド系滑剤:「WX−1」
LA−1 : 日清紡製カルボジイミド系安定剤:「LA−1」
(コンパウンドの粘度変化及び増粘効果評価)
次に、得られたコンパウンドについて、JIS−K7210熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準じて、210℃、荷重2.16kgでのMFR値を測定した。樹脂投入後5分後のMFR値(MFR)、15分後のMFR値(MFR15)を測定した。
更に、直径1mm、長さ10mmのダイを備えたキャピラリーレオメータ(東洋精機(株)製 キャピログラフ1C)を用い、200℃、せん断測度 121sec-1にて、溶融粘度を測定した。キャピラリーレオメータのダイより吐出した各サンプルの直径を測定し、ダイ直径との比較からスウェルを測定した(スウェル=吐出サンプル直径(mm)/ダイ直径(mm)より算出した)。その結果を、表3に示す。
Figure 0004672409
表3の実施例1〜5に示されるように、重合体1〜3を加えた各種PLAコンパウンドは、外観が良好で、かつ比較例1のPLA樹脂と比較して十分な増粘効果が確認された。更に、2種類の脂肪族ポリエステルを混合した実施例6及び7は、比較例12に比べアクリル樹脂系改質剤(B)の添加による増粘効果が十分に確認され、また各種添加剤が含まれた場合でも増粘効果が阻害されることはなかった。
表3の結果をもとに、変化率偏差(σMFR:(MFR15−MFR5)/MFR5)の値、溶融粘度の測定結果より溶融粘度の変化率Δηの値、及びスウェルの測定結果よりスウェル変化率ΔDSの値を夫々算出した。それらの結果を、表4に示す。
Figure 0004672409
(ポリ乳酸樹脂中のラクチド含有量による効果)
実施例1の溶融粘度変化の値と、ラクチド含有量の多いポリ乳酸樹脂を用いた比較例11の溶融粘度変化の値とを比較すると、アクリル樹脂系改質剤である重合体1の添加量、コンパウンド条件が同一であるにもかかわらず、実施例1の粘度変化値の方が、増粘効果が高かった。
(アクリル樹脂系改質剤種による効果)
比較例3より、エポキシ基当量の大きい重合体4を用いた場合、押出機内で架橋反応が起こり、溶融物はゲル化に至ったため、安定した押出成形ができなかった。更に、比較例4〜6より、0℃以下のTgを有する重合体5〜7を用いると押出成形性、MFR測定による粘度変化は良好であったが、溶融粘度変化率Δη、スウェル変化率ΔDSの結果より、十分な増粘が認められなかった。エポキシ化大豆油とポリグリシジルエーテルを添加した比較例7及び8の結果では、反応性が不十分なため、MFR測定による粘度変化の改良効果が低く、溶融粘度測定からも、増粘が認められなかった。
(アクリル樹脂系改質剤添加量による効果)
実施例1、実施例4及び実施例5の結果より、PLAコンパウンドは、外観が良好で、PLA樹脂として十分な増粘効果が確認されたが、アクリル樹脂系改質剤の添加量が少ない比較例9では、Δη、ΔDSの値から判断して十分な増粘効果が確認されなかった。一方、アクリル樹脂系改質剤の添加量を過剰に加えた比較例10では、押出機内で架橋反応が起こり、溶融物はゲル化に到り、安定した押出成形ができなかった。しかも、反応が過剰に進行し、MFR測定の粘度変化が大きくなって成形加工時の熱安定性に欠けることが確認された。
尚、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ ポリエステル樹脂組成物には、アクリル樹脂系改質剤(B)に加え、酸無水物、アルコキシ化合物、アミド基含有化合物等の乳酸単位を有する重合体のヒドロキシル基又はカルボキシル基と反応する化合物を配合することも可能である。
・ ポリエステル樹脂組成物には、成形体の機械的強度や耐熱性を向上させるために、芳香族ポリエステル樹脂を配合することもできる。
・ ポリエステル樹脂組成物には、ビスフェノールA等のエポキシ化合物を少量配合して架橋反応を促進させることもできる。
更に、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を溶融成形して得られることを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形体。このように構成した場合、成形時における成形加工性を向上させることができるとともに、優れた熱安定性を発揮することができる。
・ アクリル樹脂系改質剤(B)が、エポキシ基含有アクリル系単量体、スチレン系単量体及びその他のビニル系単量体を含有する単量体混合物を重合して得られるものであることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。この場合、アクリル樹脂系改質剤が有するエポキシ基の数を調整することができるとともに、その他のビニル系単量体の機能を発現させることができる。

Claims (7)

  1. 乳酸単位を有する重合体を主成分とし、ラクチド又は乳酸の含有量が0.2質量%未満である脂肪族ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、ガラス転移温度が0℃以上で、1分子当たりの平均エポキシ基の数が3〜30であり、かつ質量平均分子量が1,000〜30,000であるアクリル樹脂系改質剤(B)を0.15〜1質量部の割合で含有することを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  2. JIS−K7210に規定された熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準じて測定された210℃、荷重2.16kgでのMFR値であって、樹脂投入5分後のMFR値(MFR)と15分後のMFR値(MFR15)の変化率偏差(σMFR:(MFR15−MFR)/MFR)の値が−0.35〜0.1であることを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  3. アクリル樹脂系改質剤(B)のエポキシ当量が0.70〜3.00meq/gであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  4. アクリル樹脂系改質剤(B)が、エポキシ基含有アクリル系単量体及びスチレン系単量体を含有する単量体混合物を重合して得られるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  5. アクリル樹脂系改質剤(B)が、130〜350℃の温度に設定された連続攪拌槽重合法で製造されるものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  6. 直径1mm、長さ10mmのダイを備えたレオメータにて、200℃、せん断速度121sec-1の条件で測定した溶融粘度に関して、アクリル樹脂系改質剤(B)を添加したときの溶融粘度(ηadd)とアクリル樹脂系改質剤(B)を添加しないときの溶融粘度(η)の変化率Δη(ηadd/η)の値が1.1〜1.8であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  7. アクリル樹脂系改質剤(B)を添加したときのスウェル(=ダイ出口樹脂直径/ダイ直径)(DSadd)とアクリル樹脂系改質剤(B)を添加しないときのスウェル(DS)の変化率ΔDS(DSadd/DS)の値が1.05〜1.3であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
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