JP4411888B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ基を有する特定のビニル重合体を可塑剤として含有する樹脂組成物および該樹脂組成物を特定の方法により成形する樹脂成形物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
可塑剤は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及びゴム等の樹脂に柔軟性を付与する添加剤として有用である。特に可塑剤が多量に添加された軟質ポリ塩化ビニルは、フィルム、シート等で広範な分野で用いられている。近年の環境負荷への配慮から、ポリ塩化ビニルに代表されるハロゲンを含むプラスチック材料は、ポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂等への切替が進行している。
従来、ポリエステル樹脂などの樹脂に柔軟性を付与する為、脂肪族ポリエステル系可塑剤を用いる技術(例えば、特許文献1参照。)、エポキシ化大豆油等のエポキシ化可塑剤を添加する技術(例えば、特許文献2参照。)、エポキシ基を有するアクリル系共重合体と可塑剤を併用する技術(例えば、特許文献3参照。)、エポキシ基を有するアクリル系共重合体からなる可塑剤を使用する技術(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平07−18167号公報 P.4−7
【特許文献2】
特表平9−505627号公報 P.9−15
【特許文献3】
特開2002−265675号公報 P.4−5
【特許文献4】
国際公開第WO01/83619号パンフレット
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの特許文献1及び2で提案される可塑剤をポリエステル樹脂に添加した場合、成形時の溶融粘度が低くなり、ひいてはドローダウン現象(成形品が設計よりも直径や肉厚の小さいものとなる現象)が生じる為、所望の形状の成形品を得ることが困難であった。
【0005】
特許文献3には、エポキシ価が0.50〜5.00meq/gであるエポキシ基を有するビニル重合体をポリエステル樹脂に配合する技術が記載されている(実施例6〜11)。しかし、上記重合体はガラス転移温度が高いものであり、該重合体とポリエステル樹脂のみからなる配合物は柔軟性に欠けるので、別途多量の可塑剤が添加される必要があり、組成物を均質なものとするために製造条件などの管理が複雑なものとなる。
また特許文献3には、ガラス転移温度が0℃以下であり、エポキシ基を有するビニル重合体をポリエステル樹脂に配合する技術が記載されている(実施例12〜13)。しかし、上記重合体はエポキシ価が低いものであり、得られる組成物は溶融状態における粘度が低すぎて、成形条件によってはドローダウン現象が生ずる場合がある。
【0006】
特許文献4には、ガラス転移温度が0℃以下であり、エポキシ基を有するビニル重合体からなる可塑剤および塩化ビニル樹脂を含有する樹脂組成物が記載されている(実施例9〜10)。しかし、上記重合体はエポキシ価が低いものであり、得られる組成物は溶融状態における粘度が低すぎて、成形条件によってはドローダウン現象が生ずる場合がある。
【0007】
本発明の目的は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及びゴム等の樹脂、特に水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基等のエポキシ基との反応性を有する官能基を有する樹脂に柔軟性を付与し、かつ溶融粘度を低下させず、押出成形法、ブロー成形法、射出成形法、カレンダー成形法、プレス成形法などの成形方法により、設計寸法からの狂いの少ない成形品が得られる樹脂組成物を提供することにある。また、該樹脂組成物を使用する樹脂成形物の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の樹脂組成物は、ガラス転移温度が0℃以下であり、重量平均分子量が500〜30000であり、エポキシ価が0.50〜5.00meq/gであるエポキシ基を有するビニル重合体からなる可塑剤1〜30質量部およびエポキシ基と反応しうる官能基を有する樹脂100質量部を含有するものである。
請求項2に記載の発明の樹脂組成物は、請求項1に記載の発明において、可塑剤が、ビニル単量体を130〜350℃の温度において重合させて得られることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明の樹脂組成物は、請求項1または2に記載の発明において、樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明の樹脂組成物は、請求項1または2に記載の発明において、樹脂がポリエステル系エラストマーであることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明の樹脂組成物は、請求項1または2に記載の発明において、樹脂がポリアミド系樹脂であることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明の樹脂組成物は、請求項1または2に記載の発明において、樹脂がポリカーボネート系樹脂であることを特徴とするものである。請求項に記載の発明の樹脂組成物は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、可塑剤が、樹脂の鎖伸長剤として作用するものであることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本明細書において、アクリルおよびメタクリルを合わせて(メタ)アクリルともいう。
本発明における可塑剤は、ガラス転移温度が0℃以下であり、重量平均分子量が500〜30000であり、エポキシ価が0.50〜5.00meq/gであるエポキシ基を有するビニル重合体からなるものである。
可塑剤のガラス転移温度は0℃以下であることが必要であり、−20℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が0℃を超えると、可塑化の効果が低くなり樹脂に柔軟性を付与する事が困難である。
可塑剤の重量平均分子量は、500〜30000であることが必要であり、1000〜10000であることが好ましい。重量平均分子量が500未満の場合、可塑化効果は高いものの、組成物の溶融粘度が低くなり押出成形時にドローダウンが発生する。また、重量平均分子量が30000を超えると、樹脂への相溶性が悪くなるとともに、可塑化効果も低くなる。
可塑剤のエポキシ価は0.50〜5.00meq/gであることが必要であり、0.65〜4.00meq/gであることが好ましい。「meq/g」とは可塑剤1g当たりに含まれるエポキシ基のミリモル数を意味する。エポキシ価が0.5meq/g未満の場合、樹脂との反応性が低くなり、相溶性やドローダウンが悪化する。また、5.0meq/gを超えると、樹脂との反応が著しく架橋状態に至り、安定な成形が困難となる。
【0010】
可塑剤であるビニル重合体は、エポキシ基を有するビニル単量体と本発明の効果を損なわない範囲で任意のその他のビニル単量体すなわちエポキシ基を有していないビニル単量体を共重合させて得られる。
エポキシ基を有するビニル単量体として、(メタ)アクリル酸グリシジルやシクロヘキセンオキシド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アリルグリシジルエーテル等を用いる事ができる。好ましくは(メタ)アクリル酸グリシジルである。
【0011】
その他のビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の炭素数が1〜22のアルキル基(アルキル基は直鎖、分岐鎖でもよい)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシシリルアルキルエステル等があげられる。他には無水マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジアルキルアミド、、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルエーテル類、(メタ)アリルエーテル類、スチレン、αーメチルスチレン等の芳香族系ビニル単量体、エチレン、プロピレン等のαオレフィンモノマーを用いる事ができる。これらは、一種または二種以上を用いることができる。
【0012】
可塑剤であるビニル重合体は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、分散重合、または懸濁重合法において連続管式プロセス、連続攪拌槽式プロセスによって通常のラジカル重合法で作られることができる。特に連続攪拌槽式プロセスが好ましく、エポキシ基分布や分子量分布の狭いビニル系共重合体を得ることができる。連続攪拌槽の数は1段から5段がよい。好ましくは2段以下、さらに好ましくは1段がよい。重合温度は、130〜350℃の高温がよく、より好ましくは150〜300℃、さらに好ましくは180〜270℃である。この方法によれば、高温重合のために高分子鎖からの水素引き抜き反応に始まるラジカル分岐反応が起こりにくく、切断反応が優先するために分岐成分の少ない、直鎖成分の多い高分子を得ることができる。また、切断反応が優先することにより多量の開始剤や連鎖移動剤等の不純物を含まない重量平均分子量500〜30000程度の重合体が効率的に得られる。重合温度が130℃未満の場合、目的の重量平均分子量を得るには、多量のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を必要とし、得られた重合体中には不純物が多く含まれる。その為、樹脂に添加した場合、着色や異臭等の問題が発生する場合がある。また分岐反応も頻繁に起こり目的とする分子量が得られない。さらにゲルが発生する場合もある。重合温度が350℃を超えると、単量体の熱分解が起こり着色や熱劣化の問題が生じる。反応器内のビニル単量体とビニル重合体の合計の濃度は50%以上が好ましく、より好ましくは60%以上である。濃度が50%以下では生産性が悪く、除去する溶剤の量も多く経済的でない。
【0013】
ビニル単量体の反応器内の滞留時間は、1〜60分であることが好ましく、5〜30分がより好ましい。滞留時間が1分に満たない場合はモノマーが充分に反応しない恐れがあり、滞留時間が60分を越える場合は、生産性が悪く、着色や熱劣化が起こってしまうことがある。
【0014】
高温連続ラジカル重合法としては、特表昭57−502171号公報、特開昭59−6207号公報、同60−215007号公報等に開示された公知の方法に従えば良い。例えば、加圧可能な反応器を加圧下で所定温度に設定した後、各ビニル系単量体、及び必要に応じて重合溶媒とからなるビニル系単量体混合物を一定の供給速度で反応機へ供給し、ビニル系単量体混合物の供給量に見合う量の重合液を抜き出す方法があげられる。又、ビニル系単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。その配合する場合の配合量としては、ビニル系単量体混合物100質量部に対して0.001〜3質量部であることが好ましい。圧力は、反応温度と使用するビニル系単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさないが、前記反応温度を維持できる圧力であればよい。圧力は、反応温度と使用するビニル単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさないので、前記反応温度を維持できる圧力であればよい。
【0015】
本発明における樹脂は、水酸基、カルボキシル基、アミド基、またはアミノ基等のエポキシ基と反応性しうる官能基(以下、単に反応性官能基ともいう。)を有する樹脂が望ましい。このような樹脂が使用された場合、可塑剤に含まれるエポキシ基は、樹脂中の反応性官能基と反応するため、樹脂組成物は、溶融状態における粘度が極端に低下しすぎることが抑制され、柔軟性と成形性が両立されたものとなりやすい。エポキシ基と反応性のある官能基を有する樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等の結晶性芳香族ポリエステル樹脂、ジカルボン酸単位にイソフタル酸および/またはジオール単位に1,4ーシクロヘキサンジメタノールを用いて得られる非結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステルセグメント及び非結晶性ポリエーテルセグメント及び/または、非結晶性ポリエステルセグメントを共重合して得られるポリエステル系エラストマー樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド樹脂、ポリアミド系エラストマー、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエーテル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。複数の種類の樹脂が併用されてもよい。
【0016】
樹脂組成物は、樹脂100質量部を基準として可塑剤1〜30質量部を含有する。可塑剤が1質量部未満であると十分な可塑化効果が発揮されず、30質量部を超えると樹脂本来の特性が損なわれる。可塑剤の好ましい割合は1〜20質量部である。
【0017】
本発明の樹脂組成物は、目的に応じて任意の添加剤が本発明の効果を損なわない範囲で配合されたものであってもよい。添加剤の例としては、ヒンダードフェノール、ホスファイト、チオエーテル、フェニレンジアミン等の酸化防止剤、金属セッケン、有機錫、βージケトン等の熱安定剤、ヒンダードアミン、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の光安定剤、流動パラフィン、パラフィンワックス、脂肪酸エステル等の滑剤、炭酸カルシウム、タルク等の充填剤、顔料、結晶核剤等が挙げられる。
【0018】
本発明の樹脂組成物は、上記樹脂および可塑剤などの原料を押出機、ニーダー等により混合させて製造することができる。原料を予めタンブラーやヘンシェルミキサー等で混合し、押出機などで混合させてもよいし、各原料を押出機に別々に計量投入して混合させてもよい。
また、樹脂100質量部に、可塑剤を高濃度、例えば10〜50質量部の割合で混合してマスターバッチを製造し、該マスターバッチをさらに同一のまたは別の樹脂と混合して、樹脂組成物を得ることもできる。
【0019】
本発明の樹脂組成物は、任意の成形方法によって成形することができる。本発明の樹脂組成物は、ドローダウンしにくいという優れた特性を有するため、例えば押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法に供された場合は、寸法安定性の優れた成形物を得る事が容易である。また、本発明の樹脂組成物は、柔軟性が付与されているけれども溶融状態で高粘度が維持できるため、射出成形法に供された場合には、射出2次圧力を高くでき、ヒケ等の不具合を防ぐことが容易である。更に、本発明の樹脂組成物は、高い溶融張力を有する為、カレンダー成形法に供された場合には、ロール面からの剥離性が良好であり、生産性を高めることができる。さらに、本発明の樹脂組成物より得られる成形物の用途も限定を受けるものではないが、本発明の樹脂組成物は優れたドローダウン特性を有することから、特に異型押出成形品、フィルム、シートや熱収縮フィルムの製造に適している。
【0020】
【実施例】
(重合体1の製造(可塑剤の製造))
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。一方、アクリル酸ブチル(以下BAという。)90質量部、グリシジルメタクリレート(以下GMAという。)10質量部、キシレン10質量部および重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド(以下DTBPという。)0.5質量部からなる単量体混合液を原料タンクに仕込んだ。一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で単量体混合液を原料タンクから反応器に連続供給し、反応器内の混合液質量が580gで一定になるように反応液を出口から連続的に抜き出した。その時の反応器内温は、245℃に保たれた。抜き出した反応液を圧力30kPa、温度250℃に保った薄膜蒸発機で連続的に揮発成分を分離し、揮発成分をほとんど含まない重合体1を回収した。
単量体混合物の供給開始後、反応器内部の温度が安定してからさらに36分後を薄膜蒸発後の重合体の回収開始点とし、それから180分反応を継続した結果、約7kgの重合体1を回収した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCという。)より求めたポリスチレン換算による重合体1の重量平均分子量(以下Mwという。)は2900であった。またASTM D-1652-73によるエポキシ価(以下EVという。)は、0.70meq/gであった。さらに、示差走査熱量測定(以下DSCという。)によるガラス転移温度(以下Tgという。)は、−61℃であった。
さらに、重合体1を目視で確認したところ、黄変等の着色がなく、透明性の優れたものであった。
【0021】
(重合体2〜9の製造(可塑剤の製造))
重合体2〜9は、表1に示すビニル単量体混合物、重合開始剤量、重合温度条件の他は重合体1の製造方法と同様の操作で得られた。このようにして得られた重合体2〜9のMwおよびEV、およびTgは、表1に示されるものであった。また、各重合体の色調で黄変等の不具合は認められなかった。
【0022】
【表1】
Figure 0004411888
【0023】
(実施例1)
PET樹脂(ユニチカ製ポリエステル樹脂 ユニペットNEH-2031)100質量部に対し、ビニル重合体1を1質量部加えた。その配合物をテストニーダー(東洋精機株式会社製 ラボプラストミルR-60)に投入し、280℃、60rpmの条件で5分間混練した時の混練トルクを測定し、組成物の溶融粘度を評価した。その時のニーダートルクは、0.29kg・mであった。
配合物をテストニーダーより取り出し、冷却・固化・粉砕した後、 直径1mm、長さ10mm、流入角180°のダイスを備えた東洋精機株式会社製キャピラリーグラフ1Cに粉砕した組成物を投入。280℃、せん断速度122cm-1の条件下で、ドローダウンの評価をダイスウェルで評価したところ、0.77であった。
さらに、組成物の柔軟性をDSCにて測定したところ、Tgが65℃であった。
【0024】
(実施例2〜5、比較例1〜4)
表2に示す配合物を用意し、実施例1に示す方法により、組成物溶融粘度、ドローダウン、及びTgを測定した。
【0025】
【表2】
Figure 0004411888
【0026】
(実施例6〜9、比較例5〜8)
表3に示す配合物を用意し、実施例1に示す方法により、組成物溶融粘度を測定した。
【0027】
【表3】
Figure 0004411888
【0028】
(評価結果のまとめ)
前記各評価を実施した結果、表2に示されるように、実施例1〜5の樹脂組成物のTgは、比較例1のPET樹脂のTgよりも低く、柔軟性が付与されたことがわかった。また、溶融粘度(ニーダートルク)やダイスウェルが向上し、成形時のドローダウンが改質されたことがわかった。
一方、比較例2〜4に示される公知の可塑剤を用いた場合、Tgは低くなり、柔軟性付与はされているが、溶融粘度やダイスウェルが低く、成形時のドローダウンが著しいことが明らかとなった。なお、比較例4において使用されたビニル重合体9は、エポキシ価が0.35meq/gと小さいものである。
また、実施例6及び比較例5では、非結晶性PET樹脂、実施例7及び比較例6では、ポリカーボネート樹脂、実施例8及び比較例7では、ポリエステルエラストマー樹脂、実施例9及び比較例8では、ポリアミド樹脂に対して、本発明にかかるビニル重合体(可塑剤)をそれぞれ添加したところ、溶融粘度の増加が認められ、ドローダウンが改質されたことが明らかとなった。
【0029】
【発明の効果】
本発明の組成物を用いれば、柔軟且つ成形寸法の優れた成形物を得ることができる。特にフィルム、シート等の押出成形物の製造に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. ガラス転移温度が0℃以下であり、重量平均分子量が500〜30000であり、エポキシ価が0.50〜5.00meq/gであるエポキシ基を有するビニル重合体からなる可塑剤1〜30質量部およびエポキシ基と反応しうる官能基を有する樹脂100質量部を含有する樹脂組成物。
  2. 可塑剤が、ビニル単量体を130〜350℃の温度において重合させて得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 樹脂がポリエステル系エラストマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  5. 樹脂がポリアミド系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  6. 樹脂がポリカーボネート系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  7. 可塑剤が、樹脂の鎖伸長剤として作用するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
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