JP4389541B2 - 非結晶性ポリエステル組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、透明性および色調に優れ、且つ押出成形に適した非結晶性ポリエステル組成物に関する。
非結晶性ポリエステルは特定の単量体を構成単位とすることにより、従来の結晶性ポリエステルよりも透明性が高く、またより低い温度で成形が可能となった為、優れた透明性が求められるフィルムやシートに広く用いられている。しかしながら、非結晶性ポリエステルからなる成形物は自由体積緩和現象が起こりやすい為、フィルムおよびシート製品の長期保管中に機械的物性が低下するという問題を抱えている。従来、非結晶性ポリエステルの耐衝撃性を改良する手段として、特定の耐衝撃性の優れた樹脂をブレンドする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、非結晶性ポリエステルは、一般に用いられている結晶性ポリエステルと同様、押出成形時の溶融粘度や溶融張力が低い為、高い溶融張力を必要とする異形押出成形には不適とされてきた。そこで従来、グリシジル基を有するスチレン系共重合体をポリエステルに添加して、溶融張力を高くする技術が提案されている(例えば、特許文献2、および特許文献3参照。)。
特開平1−263149号公報 特許第3210702号公報 特開2002−265765号公報
特許文献1にて提案されている方法では、透明な成形物を得ることが困難である。その理由は、組成物に配合される材料どうしの屈折率が大きく異なるためと推測される。
特許文献2記載の組成物は、透明性の高い成形物が得られない。その理由は、使用されているポリエステルの結晶性が高いためと推測される。
また、特許文献3記載の組成物は、溶融成型時の溶融張力が低く、異形押出成形法による成形物の製造が困難である。
本発明の目的は、透明性が優れ、長期保管中の寸法変化や機械的物性低下が少ないフィルム、シート、成形品を与える、異形押出成形に好適に使用できるポリエステル組成物を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の異形押出成形用ポリエステル組成物は、押出成形機にて150〜240℃の温度で溶融混練できる非結晶性ポリエステル(A)100質量部および屈折率が1.565〜1.575であり重量平均分子量が6000〜25000でありスチレン単位およびグリシジル(メタ)アクリレート単位を有するビニル重合体(B)0.1〜15質量部を含有し、温度240℃、せん断速度608cm-1における溶融粘度が400〜2000Pa・sのものである。
請求項2に記載の発明の異形押出成形用ポリエステル組成物は、請求項1に記載の発明において、上記温度240℃、せん断速度608cm-1における溶融粘度が、500〜1130Pa・sであることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明の異形押出成形用ポリエステル組成物は、請求項1または2のいずれかに記載の発明において、非結晶性ポリエステル(A)が、二価カルボン酸単位100モル%を基準とする炭素数8〜14の芳香族二価カルボン酸単位およびその他の二価カルボン酸単位の割合がそれぞれ80〜100モル%および0〜20モル%であり、二価アルコール単位100モル%を基準とする1,4−シクロヘキサンジメタノール単位およびその他の二価アルコール単位の割合がそれぞれ10〜100モル%および0〜90モル%であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明の異形押出成形用ポリエステル組成物は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、ビニル重合体(B)が、スチレン単位45〜75質量%、グリシジル(メタ)アクリレート単位5〜55質量%およびスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート以外の窒素原子を含まないビニル単量体単位0〜50質量%からなることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明の異形押出成形用ポリエステル組成物は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、ビニル重合体(B)が、ビニル単量体を170〜350℃の温度において連続重合させて得られることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明の異形押出成形用ポリエステル組成物は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、ポリエステル組成物のヘーズ値が6以下であることを特徴とするものである。

本発明の組成物を押出成形に用いれば、設計により忠実な成形物を得ることができ、得られた成形物は透明性が高く、保存安定性に優れたものとなる。フィルム、シートおよび異形押出成形物の製造に好適に使用することができる。
本明細書において、(メタ)アクリレートとはアクリレートおよびメタクリレートを意味する。
本発明の組成物の主成分である非結晶性ポリエステル(A)は溶融温度が240℃以下のものであり、好ましくは150〜230℃、より好ましくは160〜220℃のものである。溶融温度が高すぎても低すぎても異形押出成形に対する適性が損なわれる。ここにいう溶融温度とは、ポリエステルを押出成形機にて溶融混練する際に必要とされる最低の温度を意味する。非結晶性ポリエステルとは、固体状態から液体状態(溶融状態)に相変化する際に結晶融解熱が明確に確認されないポリエステルを意味する。該融解熱の測定は示差走査熱量測定法によって行うことができる。
非結晶性ポリエステルを構成する二価カルボン酸単位100モル%を基準とする炭素数8〜14の芳香族二価カルボン酸単位およびその他の二価カルボン酸単位の割合がそれぞれ80〜100モル%および0〜20モル%であるものが好ましく、それぞれ90〜100モル%および0〜10モル%であるものがより好ましい。また、非結晶性ポリエステルを構成する二価アルコール単位100モル%を基準とする1,4−シクロヘキサンジメタノール単位およびその他の二価アルコール単位の割合がそれぞれ10〜100モル%および0〜90モル%であるものが好ましく、それぞれ20〜80モル%および20〜80モル%であるものがより好ましい。
炭素数8〜14の芳香族二価カルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、これらの2種以上を用いてもよい。その他の二価カルボン酸としては、例えばコハク酸、セバシン酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、これらの2種以上を用いてもよい。テレフタル酸は特に好ましいものである。
1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の二価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられ、これらの2種以上を用いてもよい。エチレングリコールは特に好ましいものである。
ビニル重合体(B)は、屈折率が1.565〜1.575であり、重量平均分子量が6000〜25000であり、好ましくは8000〜22000であり、スチレン単位およびグリシジル(メタ)アクリレート単位を有するものである。このようなビニル重合体(B)は、ポリエステル組成物に配合されて、「透明性が優れ、長期保管中の寸法変化や機械的物性低下が少ないフィルム、シート、成形品を与える、異形押出成形に好適に使用できるポリエステル組成物を提供する」という特徴を発揮する。
屈折率が1.565未満であるかまたは1.575を超えると、ポリエステル組成物およびその成形物の透明性が損なわれる。また、重量平均分子量が6000未満であるとポリエステル組成物から得られる成形物が機械的物性の保存安定性の不充分なものとなりやすい。また重量平均分子量が25000を超えると組成物の押出成形時にゲルが生成し、得られる成形物が表面平滑性の悪いものとなりやすい。
ビニル重合体(B)は、スチレン単位45〜75質量%、グリシジル(メタ)アクリレート単位5〜55質量%およびスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート以外の窒素原子を含まないビニル単量体(以下、その他のビニル単量体ともいう。)単位0〜50質量%からなるものであることが好ましい。スチレン単位は55〜75質量%であることがより好ましく、60〜75質量%であることがさらに好ましい。グリシジル(メタ)アクリレート単位は10〜45質量%であることがより好ましく、15〜40質量%であることがさらに好ましい。その他のビニル単量体単位は0〜35質量%であることがより好ましく、0〜25質量%であることがさらに好ましい。このような構成のビニル重合体(B)は、特に透明性が優れ、機械的物性の良好な組成物を与える。
その他のビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル等の公知のビニル系単量体が挙げられ、2種以上を用いることもできる。
ビニル重合体(B)は、ビニル単量体を170〜350℃の温度において連続重合させて得られるものが好ましく、180〜270℃の温度において連続重合させて得られるものがより好ましい。この方法によれば、ゲル化が起こりにくく、且つ組成が均一で不純物の少ない透明性の高いビニル重合体が得られる。このような高温連続重合法としては、特表昭57−502171号、特開昭59−6207号、特開昭60−215007号等に開示された公知の方法に従えば良い。例えば、加圧可能な反応器を加圧下で所定温度に設定した後、各ビニル単量体、及び必要に応じて重合溶媒とからなるビニル単量体混合物を一定の供給速度で反応機へ供給し、ビニル単量体混合物の供給量に見合う量の重合液を抜き出す方法があげられる。又、ビニル単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。その場合の配合量としては、ビニル単量体混合物100質量部に対して0.001〜2質量部であることが好ましい。圧力は、反応温度と使用するビニル単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさないので、前記反応温度を維持できる圧力であればよい。反応温度が高すぎると着色の問題が生じる場合があり、低すぎると生産性が悪いなどの問題がおこることがある。単量体混合物の反応器内での滞留時間は、1〜60分であることが好ましい。滞留時間が1分に満たない場合は単量体が充分に反応しない恐れがあり、60分を越える場合は、生産性が悪くなってしまうことがある。好ましい滞留時間は2〜40分である。
非結晶性ポリエステル(A)100質量部を基準とするビニル重合体(B)の配合割合は、0.1〜15質量部であり、好ましくは2〜10質量部である。ビニル重合体の配合割合が0.1質量部未満であると、組成物の溶融粘度が低すぎるため、すなわち溶融張力の向上がなく、良好な押出成形性が得られない。また、ビニル重合体の配合割合が15質量部を超えると、組成物の押出成形中に溶融した組成物がゲル化しやすく、得られる成形物の表面平滑性が悪化するか、または成形物の透明性が悪くなる。
本発明のポリエステル組成物は、温度240℃、せん断速度608cm-1における溶融粘度が400〜2000Pa・sのものである。ここにいう溶融粘度とは、JIS K7199に規定されるキャピラリーレオメータにて測定された値である。温度およびせん断速度以外の条件として直径1mm、長さ10mm、流入角180°のダイスを用いた。溶融粘度が400Pa・s未満であると、異形押出成形の際、ドローダウン現象が起こり所望の形状の異形押出成形物を得ることができない。また、2000Pa・sを超えると、押出成形の際、メルトフラクチャー現象が起こり、得られる成形物の表面平滑性が悪くなるばかりか、所望の形状を得る事ができない。
また、本発明のポリエステル組成物は、上記のような構成とすることにより透明性の優れたものとなるが、特にヘーズ値が6以下であるものが好ましく、5以下であるものがより好ましい。
本発明のポリエステル組成物は、押出成形法によるフィルム、シートおよび異形成形物の製造に適している。上記溶融粘度を有するため特に異形押出成形物の製造に好適に使用することができる。押出成形法に供される組成物に求められる性能として、ダイスから吐出した特定の形状を付与された溶融物が、空気中若しくは水中、またはサイジング装置で冷却・固化するまでの間、所望の形状を保持することが重要である。すなわち高い溶融粘度や溶融張力を持つ組成物が押出成形方法に適している。一方他の成形方法、例えば射出成形方法は高温で溶融させた樹脂組成物を、樹脂が冷却・固化できる温度以下で管理された金型内に、高圧条件下で流し込む方法である為、射出成形法に供される樹脂組成物の溶融粘度は、より低い事が好適である。従って、射出成形方法は本発明に示される樹脂組成物の特徴を最大に活用できる分野ではない。
押出成形方法に用いられる押出機としては、例えば単軸押出機、同方向回転2軸押出機、異方向回転平行軸2軸押出機、異方向回転斜軸2軸押出機、プラネタリギヤ押出機、等の任意の押出機が任意の形式の押出機を選択できる。
本発明のポリエステル組成物は、目的に応じて任意の添加剤が本発明の効果を損なわない範囲で配合されたものであってもよい。添加剤の例としては、可塑剤、加工助剤、充填剤、顔料等が挙げられる。
本発明のポリエステル組成物は、従来のポリエステルおよびポリエステル組成物に比べ、透明性と溶融張力の高さを両立したものである。また、この組成物から得られる押出成形物の破断伸び率や衝撃強度は、長期の保存安定性に優れたものである。
(重合体1の製造)
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。次いで、スチレン(以下Stという。)74質量部、グリシジルメタクリレート(以下GMAという。)20質量部、アクリル酸ブチル(以下BAという。)6質量部、キシレン15質量部および重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド(以下DTBPという。)0.5質量部からなる単量体混合液を原料タンクに仕込んだ。一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給し、反応器内の混合液質量が580gで一定になるように反応液を出口から連続的に抜き出した。その時の反応器内温は、210℃に保たれた。抜き出した反応液を減圧度30kPa、温度250℃に保った薄膜蒸発機で連続的に揮発成分を分離し、揮発成分をほとんど含まない重合体1を回収した。
単量体混合物の供給開始後、反応器内部の温度が安定してからさらに36分後を薄膜蒸発後の重合体の回収開始点とし、それから180分反応を継続した結果、約7kgの重合体1を回収した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)より求めたポリスチレン換算による重合体1の重量平均分子量(以下Mwという。)は9800であった。またガスクロマトグラフ(GC)による重合体1中の揮発成分量は1%以下であった。
さらに、重合体1を目視で確認したところ、黄変等の着色がなく、透明性の優れたものであった。
重合体の屈折率は次の式1より計算され、その結果、重合体1の屈折率は1.5709であった。
(屈折率の計算式)
屈折率 = Sr×Sw+Gr×Gw+Vr×Vw (式1)
式1における略号の意味は下記のとおりである。
Sr:St単独重合体の屈折率(1.591)
Gr:GMA単独重合体の屈折率(1.526)
Vr:StおよびGMA以外のビニル単量体単独重合体の屈折率
例えば、メチルメタクリレート(以下MMA)単独重合体の屈折率(1.4893)
BA単独重合体の屈折率(1.4631)
エチルアクリレート(以下EA)単独重合体の屈折率(1.4665)
アクリル酸単独重合体の屈折率(1.527)
エチレン単独重合体の屈折率(1.51)
アクリロニトリル(以下AN)単独重合体の屈折率(1.5187)
この他のビニル単量体単独重合体の屈折率は、文献「J.Brandup編、 Polymer Handbook、JOHN WILLEY & SONS社発行, 1999年, 第4版,VI-571頁」に記載されている。
Sw:ビニル重合体中のStの質量分率
Gw:ビニル重合体中のGMAの質量分率
Vw:ビニル重合体中のSt、GMA以外のビニル単量体の各質量分率
(重合体2〜10の製造)
重合体2〜10は、表1に示すビニル単量体混合物、重合開始剤量、重合温度条件の他は重合体1の製造方法と同様の操作で得られた。このようにして得られた重合体2〜10のMwおよび屈折率は、表1に示されるものであった。また、各重合体の色調で黄変等の不具合は認められなかった。
Figure 0004389541
(重合体11の製造)
ビニル単量体混合物としてSt70質量部、GMA20質量部、AN10質量部、キシレン10質量部および重合開始剤であるDTBP 0.5質量部を使用し、重合温度として210℃の条件で重合反応を行なった他は前記重合体1の製造方法と同様の操作を行い、Mw9000、屈折率1.5708である重合体11を得た。しかしながら、重合体11の色調を目視で確認したところ、黄変していた。
(ポリエステル組成物の製造)
非結晶性ポリエステルとして、イーストマンケミカル社製 イースター6763(以下 PET−Gという。)を用いた。PET−G 100質量部に対し、前記の製造例により得られた各重合体を表2に示す割合でそれぞれ添加した。次にヘンシェルミキサーにてPET−Gと各重合体を均一に混合した後、同方向平行軸2軸押出機(プラスチック工学研究所製、ST−40)、240℃の温度条件下にて、ポリエステル組成物を得た。
Figure 0004389541
(評価用成形物の製造)
名機製射出成形機 M−50AIIを用い、シリンダ温度280℃、金型温度40℃の条件にて、前記各組成物を射出成形し、引張試験用テストピースJIS K3113記載の1号試験片を得た。また、成形物の透明性評価用テストピースとして厚さ2mm、直径10cmの板状成形物を得た。
(引張試験)
インストロン社製 引張試験機5564タイプを用い10mm/minの速度で破断伸び率を測定した。
(透明性の評価)
日本電色工業製 ヘーズメータΣ−80を用い、前記板状成形物のヘーズを測定した。
(押出成形性の評価)
直径1mm、長さ10mm、流入角180°のダイスを備えた東洋精機株式会社製キャピラリーグラフ1Cを用い、240℃、せん断速度608cm-1の条件下で、前記樹脂組成物の溶融粘度とストランド表面平滑性を観察した。さらに、せん断速度60.8cm-1の条件で溶融張力を測定した。
(保存安定性(エージング試験))
温度50℃の乾燥機中に前記引張試験用テストピースを5日間静置後、前記引張試験の条件で破断伸び率を測定した。
(評価結果のまとめ)
前記各評価を実施した結果、表2に示されるように、実施例1〜4の樹脂組成物は機械的物性の保存安定性および透明性が優れ、且つ溶融粘度および溶融張力が高い事が明らかとなった。また、実施例5の樹脂組成物は、透明性がやや悪くなるものの、実使用に支障のないレベルであった。さらにその他の物性は本発明記載の目的を満たすものであった。また、重合体1に代えて重合体11を使用して実施例1と同様に評価したところ、黄色に着色はしていたが、評価結果は良好であった。
しかし、比較例1および6では溶融粘度や溶融張力が低く、押出成形、特に異形押出成形方法には不適であった。比較例2は機械的物性の保存安定性に乏しい。また、比較例3、5、7および8は、それぞれ用いられた重合体8、10、5および6の屈折率が本発明の範囲外であった為、透明性の優れた成形物を得ることができなかった。さらに比較例4では、溶融樹脂中にゲルが発生し、ストランド表面平滑性が悪かった。
本発明のポリエステル組成物は、透明性が優れ、異形押出成形に好適に使用でき、本発明のポリエステル組成物を使用することにより、長期保管中の寸法変化や機械的物性低下が少ないフィルム、シート、成形品が得られる。

Claims (6)

  1. 押出成形機にて150〜240℃の温度で溶融混練できる非結晶性ポリエステル(A)100質量部および屈折率が1.565〜1.575であり重量平均分子量が6000〜25000でありスチレン単位およびグリシジル(メタ)アクリレート単位を有するビニル重合体(B)0.1〜15質量部を含有し、温度240℃、せん断速度608cm-1における溶融粘度が400〜2000Pa・sである異形押出成形用ポリエステル組成物。
  2. 上記温度240℃、せん断速度608cm -1 における溶融粘度が、500〜1130Pa・sであることを特徴とする請求項1に記載の異形押出成形用ポリエステル組成物。
  3. 非結晶性ポリエステル(A)が、二価カルボン酸単位100モル%を基準とする炭素数8〜14の芳香族二価カルボン酸単位およびその他の二価カルボン酸単位の割合がそれぞれ80〜100モル%および0〜20モル%であり、二価アルコール単位100モル%を基準とする1,4−シクロヘキサンジメタノール単位およびその他の二価アルコール単位の割合がそれぞれ10〜100モル%および0〜90モル%であることを特徴とする請求項1または2に記載の異形押出成形用ポリエステル組成物。
  4. ビニル重合体(B)が、スチレン単位55〜75質量%、グリシジル(メタ)アクリレート単位10〜45質量%およびスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート以外の窒素原子を含まないビニル単量体単位0〜35質量%からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異形押出成形用ポリエステル組成物。
  5. ビニル重合体(B)が、ビニル単量体を170〜350℃の温度において連続重合させて得られるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の異形押出成形用ポリエステル組成物。
  6. ヘーズ値が6以下である請求項1〜5のいずれかに記載の異形押出成形用ポリエステル組成物。
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