JPH1171490A - スチレン系樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物及びその製造方法

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JPH1171490A
JPH1171490A JP17547598A JP17547598A JPH1171490A JP H1171490 A JPH1171490 A JP H1171490A JP 17547598 A JP17547598 A JP 17547598A JP 17547598 A JP17547598 A JP 17547598A JP H1171490 A JPH1171490 A JP H1171490A
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毅 森田
Mamoru Fujihira
衛 藤平
Jiro Matsuo
二郎 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、成形加工性及び耐油性を兼備したスチ
レン系樹脂組成物並びにその製造方法を提供する。 【解決手段】 スチレン−ブロック共重合体にスチレン
とメタクリル酸メチルをグラフト重合して得られる樹脂
と、イソブチレンと1−ブテンと2−ブテンとの共重合
体を含有。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は改良されたスチレン
系樹脂組成物およびその製造方法に関し、さらに詳細に
はスチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸アルキルと
の共重合体、更にはゴム質重合体の存在下にスチレン系
モノマーと(メタ)アクリル酸アルキルとをグラフト共
重合して得られる透明性ならびに実用強度、とりわけシ
−トや押出成形品にした場合の透明性、特に成形品の表
面外観に優れ、かつ耐衝撃性や引っ張り伸びに優れたス
チレン系樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系モノマーと(メタ)アクリル
酸アルキルとを必須の単量体成分として重合して得られ
る樹脂は、一般に強度に優れるという特徴を有してお
り、MS樹脂など種々の用途に使用されている。また、
スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸アルキルを単
量体成分とする樹脂として、衝撃強度に格段に優れ、更
に透明性も兼備したものとしては、例えば特開平4−1
80907号公報、特開平6−16744号公報には、
スチレン−ブタジエン共重合ゴムの存在下、スチレン系
モノマーと(メタ)アクリル酸アルキルとをグラフト重
合させて得られるゴム変性共重合樹脂組成物が開示され
ている。
【0003】しかし、これらの樹脂はいずれも流動性、
成形加工性などに劣るという欠点を有しており、通常、
溶融押出によりシート、成形品等を得る場合には可塑剤
等を配合して使用されている。この様な成形加工性を高
める手段として、スチレン系重合体に鉱油(ミネラルオ
イル)等の可塑剤を添加する方法が知られており、特に
前記したゴム変性共重合樹脂は、通常のスチレン系樹脂
に比べて溶融粘度が高く流動性が悪いため、可塑剤の使
用は不可欠な手段となっている。
【0004】また、前記したスチレン−ブタジエン共重
合ゴムの存在下、スチレン系モノマーと(メタ)アクリ
ル酸アルキルとをグラフト重合させて得られるゴム変性
共重合樹脂組成物に適した可塑剤として、特開平8−2
31814号公報には、脂肪族ジカルボン酸とジオ−ル
からなるポリエステルが優れていることが開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したポリ
エステル系可塑剤を前記のスチレン系樹脂にブレンドし
た場合、互いに相溶性が良好で成形加工性は改善される
ものの、耐油性を低下させるという課題を有していた。
更に、真空成形等でシート成形体を二次形成した際に
は、成形品光沢が劣化するものであった。本発明が解決
しようとする課題は、強度、成形加工性及び耐油性を兼
備し、更にシート成形品等の用途において二次成形時の
成形品外観に優れるスチレン系樹脂組成物及びその製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この様な
状況に鑑み鋭意研究した結果、イソパラフィン系重合体
を可塑剤として、スチレン系モノマーと(メタ)アクリ
ル酸アルキルとを必須の単量体成分とする重合体に配合
することにより耐油性を劣化させることなく成形性、強
度を改善できることを見出し本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明はスチレン系モノマー(a1)と(メ
タ)アクリル酸アルキル(a2)との共重合樹脂
(A)、及び、イソパラフィン系重合体(B)とを必須
成分とするスチレン系樹脂組成物、及び、スチレン系モ
ノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキル(a2)
とを重合させて、スチレン系モノマー(a1)と(メ
タ)アクリル酸アルキル(a2)との共重合樹脂(A)
を得るに際し、(1)該重合途中に、イソパラフィン系重
合体(B)を混合させるか、(2)(a1)と(a2)と
の混合溶液中に、 イソパラフィン系重合体(B)
を溶解させた後、前記重合を行うか、又は、(3)共重合
樹脂(A)を得た後、イソパラフィン系重合体(B)と
溶融混練することを特徴とするスチレン系樹脂の製造方
法に関する。
【0007】本発明で用いる共重合樹脂(A)は、スチ
レン系モノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキル
(a2)とを必須の単量体成分として共重合させたもの
であり、これとイソパラフィン系重合体(B)とを混合
して目的とする組成物とすることができるが、本発明に
おいては、更に、共重合樹脂(A)及びイソパラフィン
重合体(B)に加え、ゴム質重合体(a3)とスチレン
系モノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキル(a
2)とのグラフト共重合ゴム粒子(A’)を含有させる
ことにより、成形品の耐衝撃性を飛躍的に向上させるこ
とができ好ましい。
【0008】この場合、共重合樹脂(A)とグラフト共
重合ゴム粒子(A’)とはそれぞれ独立的に配合して使
用できるが、後に詳述するように、ゴム質重合体(a
3)とスチレン系モノマー(a1)と(メタ)アクリル
酸アルキル(a2)とをグラフト共重合させることによ
り、共重合樹脂(A)をマトリックス樹脂としてグラフ
ト共重合ゴム粒子(A’)が分散した組成物を得ること
ができ、これを使用することが耐衝撃性の向上効果の点
から好ましい。
【0009】共重合体(A)及びグラフト共重合ゴム粒
子(A’)を構成するスチレン系モノマー(a1)とし
ては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、ターシャリ
ーブチルスチレン、o−ブロムスチレン、m−ブロムス
チレン、p−ブロムスチレン、o−クロロスチレン、m
−クロロスチレン、p−クロロスチレン等が挙げられ、
なかでも透明性に優れる点からスチレンが好ましい。
【0010】共重合体(A)及びグラフト共重合ゴム粒
子(A’)を構成する(メタ)アクリル酸アルキル(a
2)は、強度を付与する必須成分であるが(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル等のアルキルエステル類が挙げられるが、なかでも
メタアクリル酸メチルが強度や透明性の点から好まし
い。
【0011】また、(メタ)アクリル酸アルキル(a
2)としてメタアクリル酸メチルと、その他のアクリル
酸アルキルエステルとを併用しても良く、併用するその
他のアクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル等が挙げられ、なかでもアクリル酸n−ブチルが好
ましい。
【0012】また、共重合樹脂(A)の構成成分比率は
特に制限されるものではないが、使用原料における重量
比で、スチレン系モノマー(a1)が95〜40重量
%、(メタ)アクリル酸アルキル(a2)が5〜60重
量%となる範囲であることが好ましい。
【0013】また、グラフト共重合ゴム粒子(A’)を
構成するゴム質重合体としては、特に限定されるもので
はなく、ポリブタジエン、或は、スチレン系モノマーと
ジエン系モノマーとの共重合ゴム等が挙げられるが、本
発明においては不透明又は半透明な樹脂組成物を得る場
合は、成形品の耐衝撃性の点からポリブタジエンが好ま
しく、また、成形品に透明性を付与する場合は後者のス
チレン系モノマーとジエン系モノマーとの共重合ゴムが
好ましい。
【0014】ここで、ポリブタジエンとしては、特に限
定されるものではないが、ローシスポリブタジエンやハ
イシスポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンの5
重量%スチレン溶液粘度は20〜100センチポイズ、
好ましくは30〜50センチポイズであるものが耐衝撃
強度の向上効果が大きく、かつ製造に際してゴム粒子径
のコントロールが容易な点で好ましく、かつ100℃で
のLローター使用によるムーニー粘度が20〜80のも
のが好ましい。
【0015】また、スチレン系モノマーとジエン系モノ
マーとの共重合ゴムにおいて、スチレン系モノマーとジ
エン系モノマーとの存在比率は特に制限されるものでは
ないが、とりわけ透明性と耐衝撃性とのバランスが格段
に良好になる点からスチレン骨格含有率が5〜55重量
%となる様に両者が共重合されていることが好ましい。
【0016】ここで用いるスチレン系モノマーとジエン
系モノマーとの共重合ゴムを構成するスチレン系モノマ
ーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、ターシ
ャリーブチルスチレン、o−ブロムスチレン、m−ブロ
ムスチレン、p−ブロムスチレン、o−クロロスチレ
ン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等が挙げ
られる。
【0017】一方、当該共重合ゴムを構成するジエン系
モノマーとしては、ブタジエン、クロロプレン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。当該共重
合ゴムはこれらのモノマーを組み合わせ反応させて得ら
れるものが種々挙げられるが、それらの中でもとくに、
上記2成分のお互いの反応性に優れる点からスチレン−
ブタジエン共重合ゴムが好ましい。
【0018】また、ゴム質重合体として、組成物中に顔
料を含有させて半透明乃至は不透明の成形品を得る場合
には、成形品の光沢改善の点からポリブタジエンを使用
すればよい。
【0019】また、上記のスチレン系モノマーとジエン
系モノマーとの共重合ゴムは、ジエン系モノマーに基づ
く不飽和結合のうちの1,2−ビニル結合の割合が7〜
35%のもの、なかでも10〜25%のものが好まし
い。この場合、1,2−ビニル結合の残りはシスおよび
トランス結合を形成している。
【0020】ここで、1,2−ビニル結合の割合が7%
以上の共重合ゴムを用いた場合には、共重合樹脂
(A)、グラフト共重合粒子(A’)、イソパラフィン
系重合体(B)及び必要に応じ添加剤を含む系におい
て、該樹脂組成物中のトルエン不溶分含有率が上昇し、
耐衝撃性が向上する。一方、該1,2−ビニル結合の割
合が35%以下の場合には、製造時の高温下での架橋の
進行を抑制できる一方、グラフト化率を高められ、ゴム
弾性が向上し、やはり耐衝撃性が向上する。更に、10
〜25%の範囲に入る場合は、グラフト共重合粒子
(A’)のグラフト化率と架橋の程度とのバランスが著
しく良好となり、ゴム弾性が著しく向上する。
【0021】また、スチレン系モノマーとジエン系モノ
マーとの共重合ゴム中のスチレン系モノマーとジエン系
モノマーとの結合様式としては、ランダム結合とブロッ
ク結合とが挙げられ、いずれも使用できるが、前述した
共重合ゴム中のスチレン骨格含有率高くなるほどブロッ
ク結合のものが好ましくなる。
【0022】また、スチレン系モノマーとジエン系モノ
マーとの共重合ゴム中のスチレン骨格含有率は、前述の
通り5〜55重量%であることが好ましいが、その理由
を更に詳述すれば、スチレン骨格含有率が5重量%以上
の場合には、本発明の組成物の透明性が向上する。ま
た、55重量%以下の場合は、該組成物のゴム弾性顕著
になり、耐衝撃性が向上する。更に、スチレン骨格含有
率が20〜45重量%であることが、透明性と耐衝撃性
とが共に著しく向上する点から好ましい。また、この2
0〜45重量%なる範囲においては、その結合様式とし
てブロック結合であることが好ましい。
【0023】更に、本発明で用いるスチレン系モノマー
とジエン系モノマーとの共重合ゴムは、5重量%スチレ
ン溶液粘度が5〜50センチポイズのものが耐衝撃強度
の向上効果が大きく、かつ製造に際してゴム粒子径のコ
ントロールが容易な点で好ましく、特に25℃での5重
量%スチレン溶液粘度が9〜40センチポイズで、かつ
100℃でのLローター使用によるムーニー粘度が20
〜80のものが好ましい。
【0024】次に、本発明で用いるイソパラフィン重合
体(B)は、イソブテン、イソペンテン、イソヘキセ
ン、イソヘプテン、イソオクテン等に代表されるイソオ
レフィンを主たる成分とする原料成分の重合体、これら
イソオレフィンの2種上の共重合体、これらイソオレフ
ィンとその他のオレフィンとの共重合体又はその変性物
等が挙げられ、その具体的構造は、イソアルキレン単位
を繰り返し単位とする構造を主構造とするもの、イソア
ルキレンと1−アルケンと2−アルケンとの共重合体、
又は、イソアルキレン単位を繰り返し単位とする構造の
マレイン酸変性体若しくは5硫化燐変性体等が挙げられ
る。
【0025】これらのイソオレフィンの中でも特に耐油
性の改善効果、可塑化の効果の点からイソブチレンと1
−ブテンと2−ブテンとの共重合体、又は、イソブチレ
ンが好ましい。また、前者の共重合においては、通常、
原料イソブチレン中に、イソブチレンの他、1−ブテ
ン、2−ブテン等のモノマーをも含有する為、これらを
重合して得られる液状で粘性のある液体として用いても
よい。。
【0026】また、得られるイソパラフィン系重合体
(B)は、分子内の不飽和結合を水素添加しないもの、
又は水素添加したものでも良い。また、イソオレフィン
の重合体の変性物を得るには、当該イソオレフィンを、
マレイン酸、5硫化燐等の不飽和結合含有単量体と共に
重合させるか、イソオレフィンを重合させた後、ポリマ
ー中に存在する不飽和結合に、前記不飽和結合単量体を
反応させればよい。
【0027】これらのイソパラフィン系重合体(B)
は、特に分子量等については制限されるものではない
が、通常、BM型粘度計による粘度が20〜10,00
0cps(38℃)であることが好ましく、なかでも5
0〜3,000cpsの範囲が樹脂(A)と混合する時
の混合分散性、或いは、(a1)〜(a3)の各成分と
の相溶性に優れ、更に透明性、成形品の表面外観や伸び
の点からも好ましい。また、同様の理由から平均分子量
200〜3,000であることが好ましい。
【0028】このイソパラフィン系重合体(B)を、樹
脂(A)、更にグラフト共重合樹脂粒子(A’)と配合
して本発明の組成物を製造するには、以下に詳述する本
発明の製造方法によって行えばよい。
【0029】即ち、スチレン系モノマー(a1)と(メ
タ)アクリル酸アルキル(a2)とを重合させて共重合
樹脂(A)を得るに際し、(1)該重合途中に、イソパラ
フィン系重合体(B)を混合させるか、(2)(a1)と
(a2)との混合溶液中に、合成イソパラフィン石油炭
化水素類(B)を溶解させた後、前記重合を行うか、又
は、(3)共重合樹脂(A)を得た後、イソパラフィン系
重合体(B)と溶融混練する方法が挙げられる。
【0030】また、更にグラフト共重合粒子(A’)を
含有する場合には、ゴム質重合体(a3)の存在下に、
スチレン系モノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アル
キル(a2)とをグラフト共重合させて、グラフト共重
合粒子(A’)が共重合樹脂(A)をマトリックス樹脂
として分散する組成物を得るに際し、(1)該重合途中
に、イソパラフィン系重合体(B)を混合させるか、
(2)(a1)と(a2)との混合溶液中に、イソパラフ
ィン系重合体(B)を溶解させた後、前記重合を行う
か、又は、(3)グラフト共重合を行って、共重合樹脂
(A)とグラフト共重合粒子(A’)とを得た後、イソ
パラフィン系重合体(B)と溶融混練する方法が好まし
い。
【0031】前述した通り、本発明においては耐衝撃性
付与の点から組成物中にグラフト共重合粒子(A’)を
含有していることが好ましく、即ち、本発明の製造方法
として後者の方法が好ましい。以下後者の方法に基づい
て本発明の方法を詳述する。
【0032】ゴム質重合体(a3)の存在下に、スチレ
ン系モノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキル
(a2)とをグラフト共重合させて、グラフト共重合粒
子(A’)が共重合樹脂(A)をマトリックス樹脂とし
て分散する組成物を得るには、前記(a1)〜(a3)
の各成分、及び、更に必要に応じてその他の共重合可能
なモノマーと共に塊状−懸濁重合、溶液重合又は塊状重
合によりグラフト共重合させればよいが、なかでも塊状
重合が生産性とコスト面から好ましい。
【0033】イソパラフィン系重合体(B)の添加時期
は、前記の通り、該重合途中に(B)成分を混合する方
法(以下、「方法1」と略記)、単量体混合溶液に
(B)成分を溶解させた後、該重合を行う方法(以下、
「方法2」と略記)、(3)重合を行った後に未反応モノ
マーと溶剤を真空下で除去した後に連続的にイソパラフ
ィン系重合体(B)を溶融混合するか、又は重合を行っ
た後に、共重合樹脂(A)とグラフト共重合粒子
(A’)との混合物と(B)成分とを溶融混練する方法
(以下、「方法3」と略記)が挙げられるが、塊状−懸
濁重合の場合は、方法3が好ましく、溶液重合の場合
は、方法2が好ましく、また、塊状重合法の場合は、方
法1又は3が、生産性および作業性が良好となる点から
好ましい。
【0034】ここで、ゴム質重合体(a3)と、スチレ
ン系モノマー(a1)と、(メタ)アクリル酸アルキル
(a2)との使用割合は、特に限定されるものではない
が、通常(a3)/[(a1)+(a2)]の重量比が
1/99〜20/80で、かつ、(a1)と(a2)と
の合計に対する(a1)の含有率が95〜40重量%、
(a2)の含有率が5〜60重量%となる範囲が透明性
と耐衝撃強度に優れたものが得られる点で好ましい。
(a)/[(b)+(c)]の重量比は、更に5/95
〜15/88となることが透明性、耐衝撃強度及び耐油
性が一層向上する点から好ましい。上記(メタ)アクリ
ル酸アルキルが、メタアクリル酸メチルと、その他のア
ルキル基であるアクリル酸アルキルとを併用することが
好ましく、その場合には、後者のその他のアクリル酸ア
ルキルエステルが全(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル中の1〜20重量%となる範囲で用いることが好まし
い。
【0035】特に、塊状重合によって、ゴム質重合体
(a3)の存在下に、スチレン系モノマー(a1)と
(メタ)アクリル酸アルキル(a2)とのグラフト共重
合を行い本発明の組成物を得るには、具体的には、以下
の方法が挙げられる。
【0036】即ち、ゴム質重合体(a3)と、スチレン
系モノマー(a1)と、(メタ)アクリル酸アルキル
(a2)とを含有する混合溶液を、撹拌式反応器とそれ
に続き可動部分のない複数のミキシングエレメントが内
部に固定されている管状反応器を組み込んでなる連続塊
状重合ライン内でグラフト共重合する際に、(1)重合ラ
イン途中で、イソパラフィン系重合体(B)を混合しつ
つ前記重合を行なう方法、(2)前記混合溶液中に、イソ
パラフィン系重合体(B)を溶解させ、次いでグラフト
共重合を行なう方法、或いは、(3)グラフト共重合を行
って共重合樹脂(A)とグラフト共重合粒子(A’)と
の混合物を得た後、イソパラフィン系重合体(B)と溶
融混練する方法、以上の(1)〜(4)の方法によって、樹脂
(A)及びグラフト共重合粒子(A’)の重合並びにイ
ソパラフィン系重合体(B)の混合を行うことにより、
得られるグラフト共重合粒子(A’)のゴム粒子径を小
さく、かつ、ポリマー組成を均一にコントロールでき、
更に、イソパラフィン系重合体(B)をより均一に分散
できることから、透明性と耐衝撃性とに優れる組成物を
効率的に製造できると共に成形品の表面外観を改良でき
好ましい。
【0037】更に、上記の撹拌式反応器とそれに続き可
動部分のない複数のミキシングエレメントが内部に固定
されている管状反応器を組み込んでなる連続塊状重合ラ
インを用いた重合並びに混合を詳述すれば、具体的に
は、ゴム質重合体(a3)と、スチレン系モノマー(a
1)と、(メタ)アクリル酸アルキル(a2)とを含有
する混合溶液を、 a.撹拌式反応器と、 b.撹拌式反応器から続き可動部分の全くない複数のミキ
シングエレメントが内部に固定されている1個以上の管
状反応器からなる初期重合ラインと、 c.初期重合ラインから続き可動部分の全くない複数のミ
キシングエレメントが内部に固定されている1個以上の
管状反応器からなる主重合ラインと、 d.初期重合ラインと主重合ラインとの間で分枝して初期
重合ライン内に戻る還流ラインとによって構成される重
合ラインを用い、初期重合ラインから出る初期重合液流
の一部を還流ラインを経て還流させ、一方、還流されな
かった初期重合液流を主重合ラインにおいて重合するこ
とが、ゴム粒子径の点、ポリマー組成の均一性の点から
好ましい。
【0038】上記a.〜d.によって構成される重合ライン
を用いて樹脂(A)及びグラフト共重合粒子(A’)を
重合する際の、イソパラフィン系重合体(B)の添加方
法としては、上記方法(1)の場合は、a.〜d.における少
なくとも1箇所から、イソパラフィン系重合体(B)を
添加する方法が挙げられる。特に生産効率の点から、
c.の主重合ラインにおいて加えることが好ましい。ま
た、方法(2)によってイソパラフィン系重合体(B)を
添加する場合には、共重合ゴム(a3)とスチレン系モ
ノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキル(a2)
とを必須成分とする混合溶液に、予めイソパラフィン系
重合体(B)を溶解させた後に、撹拌式反応器a.に導入
することが好ましい。方法(3)によって混合する場合に
は、(3-1)当該重合ラインにおいて、樹脂(A)及び
グラフト共重合粒子(A’)を製造し、主重合ラインに
引き続き配設された脱揮槽内で、未反応モノマーと溶剤
を減圧下で除去した後に、該脱揮層に引き続き配設され
た静的ミキシングエレメントを内部に有する管状混合機
からなる溶融混練ラインに、樹脂(A)及びグラフト共
重合粒子(A’)を溶融状態で導入すると共に、該溶融
混練ラインの直前又は該溶融混練ラインの少なくとも1
箇所からイソパラフィン系重合体(B)を添加して、該
ライン内で溶融混練する方法(以下、この方法を「方法
(3-1)」という)、又は、(3-2)当該重合ラインにお
いて、樹脂(A)及びグラフト共重合粒子(A’)を製
造し、ペレット化した後、このペレットとイソパラフィ
ン系重合体(B)とを押出機等で溶融混練する方法(以
下、この方法を「方法(3-2)」という)が挙げられ
る。
【0039】以下に、a.〜d.で構成させる撹拌式反応器
とそれに続き可動部分のない複数のミキシングエレメン
トが内部に固定されている管状反応器(以下、「静的ミ
キシングエレメントを有する管状反応器」と略す)を組
み込んだ連続塊状重合ラインで、樹脂(A)及びグラフ
ト共重合粒子(A’)を重合する方法を第1図により、
更に具体的に説明する。
【0040】第1図は、静的ミキシングエレメントを有
する管状反応器を組み込んだ連続塊状重合ラインの一例
を示す工程図である。プランジャーポンプ(1)によっ
て供給される前記(a1)、(a2)、(a3)を必須
成分として含む混合溶液(方法(2)の場合には、更にポ
リブテン(B)は、まず攪拌式反応器(2)(撹拌式混
合器a.)へ送られ、攪拌下で初期グラフト重合させた
後、ギアポンプ(3)により、静的ミキシングエレメン
トを有する管状反応器(4)、(5)および(6)から
構成される初期重合ライン(初期重合ラインb.)に送ら
れる。ここで、初期重合ラインの出口は二手に分技して
おり、一方はギヤポンプ(7)によって前記初期重合ラ
イン入り口に戻る還流ライン(還流ラインd.)を形成
しており、他方は、連続的に静的ミキシングエレメント
を有する管状反応器(8)、(9)および(10)が直
列に組み込まれた非循環重合ライン(II)(主重合ライ
ンc.)へと続いている。尚、ここで初期重合ラインと
還流ラインとで形成される循環式の重合ラインを「循環
重合ライン(I)」と略記する。初期重合ラインで初期
重合された重合液の大部分は、還流ラインを経由して初
期重合ライン入り口に戻され、再度初期重合に供される
(循環重合ライン(I)内での重合)。一方、初期重合
ラインで初期重合された重合液の一部は、前記非循環重
合ライン(II)に送られ主重合が行われる。
【0041】上記の重合装置においては、攪拌式反応器
(2)と初期重合ライン(I)と組み合わせることで、
ゴム粒子に余分な剪断が加わらずゴム粒子のより効率的
な微細化が可能となり、重合工程でのポリマー組成を均
一化出来る。この撹拌式反応器(2)内での予備グラフ
ト重合は、スチレン系モノマー(a1)と(メタ)アク
リル酸アルキル(a2)の合計の重合転化率が、該反応
器(2)の出口において10〜28重量%、好ましくは
14〜24重量%となる様に実施されることが好まし
い。
【0042】また、攪拌式反応器(2)としては、例え
ば攪拌式槽型反応器、攪拌式塔型反応器等が挙げられ、
攪拌翼としては、例えばアンカー型、タービン型、スク
リュー型、ダブルヘリカル型等の攪拌翼が挙げられる。
本発明では、反応器での上記混合溶液の粘性を低下させ
る為に溶剤を使用してもよく、その使用量は原料モノマ
ーの合計100重量部に対して5〜20重量部である。
溶剤の種類としては、通常、塊状重合法で使用されてい
るトルエン、エチルベンゼン、キシレン等が適してい
る。また、本発明では、上記混合溶液中に、樹脂(A)
及びグラフト共重合粒子(A’)の分子量調節のために
α−メチルスチレンダイマーやアルキルメルカプタン等
の連鎖移動剤を添加すると好ましい。該連鎖移動剤の添
加量は、通常原料モノマーの合計に100重量部に対し
て0.01〜0.5重量部の範囲であることが好まし
い。
【0043】引き続き行われる循環重合ライン(I)で
の初期重合における、該循環重合ライン(I)内での混
合溶液中のゴム粒子は、該循環重合ライン(I)内を循
環しながら静的に混合されて安定化し、粒子径も固定化
してくる。この場合、該循環重合ライン(I)での混合
溶液の還流比(R)と(a1)及び(a2)の合計の重
合転化率が重要な因子となる。還流比Rは、非循環重合
ライン(II)に流出せずに循環重合ライン(I)内を還
流する混合溶液の流量をF1 (リットル /時間)と
し、循環重合ライン(I)から非循環重合ライン(II)
に流出する混合溶液の流量F2 (リットル/時間)とし
た場合、通常R=F1 /F2 が3〜15の範囲であるこ
とが好ましく、なかでも管状反応器での圧力損失が小さ
く、生成するゴム質重合体粒子が安定で、粒径を小さく
することができ、かつゴム変性共重合樹脂中のスチレン
系モノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキル(a
2)の含有比率を一定に保つことができる点でR=5〜
10の範囲が特に好ましい。
【0044】また、循環重合ライン(I)内でのグラフ
ト重合は、該循環重合ライン(I)出口での(a1)と
(a2)の合計の重合転化率が、通常35〜55重量
%、好ましくは40〜50重量%になる様に重合させ
る。重合温度としては120〜135℃が好ましい。
【0045】循環重合ライン(I)でグラフト重合され
た混合溶液は、次いで非循環重合ライン(II)に供給さ
れ、通常140〜160℃の重合温度でスチレン系モノ
マー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキル(a2)の
合計の転化率が60〜80重量%となるまで連続的に主
重合される。
【0046】ここで、方法(2)によってイソパラフィン
系重合体(B)を添加する場合には、この非循環重合ラ
イン(II)の1箇所以上から、イソパラフィン系重合体
(B)を連続的乃至断続的に添加することが好ましい。
【0047】次ぎに、非循環重合ライン(II)で主重合
された重合液はギアポンプ(11)により予熱器、次い
で脱揮発槽に送られ、減圧下にて未反応単量体および溶
剤が除去される。
【0048】ここで、方法(3-1)によってイソパラフ
ィン系重合体(B)を添加する場合には、該脱揮槽に引
き続き配設された静的ミキシングエレメントを内部に有
する管状混合機からなる溶融混練ラインに、樹脂(A)
及びグラフト共重合粒子(A’)を溶融状態で導入する
と共に、該溶融混練ラインの直前又は該溶融混練ライン
の少なくとも1箇所からイソパラフィン系重合体(B)
を連続的乃至断続的に添加して、該ライン内で溶融混練
することができる。
【0049】未反応単量体および溶剤を除去した後(方
法(3-1)では更に溶融混練した後)、ペレット化する
ことにより目的とする組成物が得られる。この際、前記
脱気槽においては、予熱器および脱揮発槽内での転化率
の上昇が7重量%以下になる条件で予熱および脱揮発を
行うと好ましい。
【0050】ここで、方法(3-2)によってイソパラフ
ィン系重合体(B)を添加する場合には、この樹脂
(A)及びグラフト共重合粒子(A’)のペレットをイ
ソパラフィン系重合体(B)と共に押出機等で溶融混練
する事ができる。
【0051】本発明で用いる静的ミキシングエレメント
を有する管状反応器及び管状混合器の内部に固定されて
いる複数のミキシングエレメントとしては、例えば管内
に流入した重合液の流れの分割と流れ方向を変え、分割
と合流を繰り返すことにより重合液を混合するものが挙
げられる。このような管状反応器としては、例えば、S
MX型、SMR型のスルザー式の管状ミキサー、ケニッ
クス式のスタティックミキサー、東レ式の管状ミキサー
等が好ましい。
【0052】循環重合ライン(I)や非循環重合ライン
(II)に組み込まれるこれらの管状反応器の数は、上記
の如き管状反応器の場合、その長さやミキシングエレメ
ントの構造等による異なるので特に限定されないが、ミ
キシングエレメントを4個以上有する該管状反応器を4
〜15個、好ましくは6〜10個組み合せて用いる。こ
のうち循環重合ライン(I)内に組み込む該管状反応器
の数は、通常1〜10個、好ましくは2〜6個である。
【0053】ここで用いるその他の共重合可能なモノマ
ーとしては、例えば(メタ)アクリロニトリル等のビニ
ル・シアン化合物類;イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、桂皮酸等の重合性不飽和脂肪酸;N−
メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチル
マレイミド、N−オクチルマレイミド、N−イソプロピ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−p−ブロ
モフェニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド
類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸等に代表される不飽和カルボン酸無水物類;アリルア
ミン、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アク
リル酸−アミノプロピル等のアミノ基含有不飽和化合物
類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等アク
リルアミド系化合物があげられる。
【0054】本発明で原料として用いる混合溶液には、
必要に応じて重合開始剤として分解した際にフリーラジ
カルを放出する有機過酸化物を添加すると、比較的低い
温度でのグラフト化と反応の促進が行えるので好まし
い。その添加量は原料モノマーの合計100重量部に対
して0.005〜0.04重量部の範囲である。
【0055】ここで用いる有機過酸化物としては、半減
期が10時間になる温度が75〜170℃のものが好ま
しく、その具体例としては 1,1−ジ−t−ブチパーオキ
シシクロヘキサン、1,1-ジ−t−ブチルパーオキシ−3,
3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ−t−ブチルパ
ーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4,4
−ジ゛−t−ブチルパ−オキシシクロヘキシル)プロパ
ン、2,2-ジ−t−ブチルパーオキシオクタン、n−ブチ
ル−4,4-ジ−t−ブチルパーオキシバレレート、2,2-ジ
−t−ブチルパーオキシブタン等のパーオキシケタール
類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシ−3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,
5-ジメチル−2,5-ジベンゾイルパーオキシヘキサン、t
−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、ジークミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロ
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のパ
ーオキシエステル類等が挙げられ、単独あるいは2種以
上組み合せて用いられる。
【0056】さらに、本発明で用いる混合溶液には、必
要に応じて、ミネラルオイル、脂肪族ポリエステル等の
可塑剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、長鎖脂肪酸、そのエ
ステルもしくはその金属塩等の離型剤、シリコンオイル
などの如き公知の添加剤を併用しても良い。ここで、連
鎖移動剤としては、例えば、α−メチルスチレンダイマ
ー、アルキルメルカプタンるい、メルカプトプロピオン
酸エステル類等が好ましく用いられる。
【0057】また、方法(3-1)における管状混合器
は、ミキシングエレメントを5〜15個有していること
が好ましく、また、方法(3-1)の溶融混練時の温度条
件としては、特に制限されないが、200〜260℃で
あることが好ましい。
【0058】この様にして得られる樹脂(A)、グラフ
ト共重合粒子(A’)、イソパラフィン系重合体(B)
及び必要に応じ添加剤の混合物は、25℃でのトルエン
不溶分含有率が4〜25重量%、トルエンによる膨潤指
数が6〜19で、かつトルエン不溶分含有率/膨潤指数
が0.20〜3.0重量%であることが好ましい。この
数値範囲にある場合、該共重合体内において該共重合ゴ
ムのグラフト化率と架橋の程度のバランスが良好とな
り、透明性及び耐衝撃性が著しく向上する。
【0059】また、グラフト共重合粒子(A’)の中の
平均ゴム粒子径は0.05〜1.50μmであることが
好ましく、特に成形品の透明性と耐衝撃性とに優れる点
から0.10〜0.80μmのものが好ましい。また、
グラフト共重合粒子(A’)中のマトリックス相である
樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)が10万〜20万
で、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比Mw/Mnが1.8〜2.5のものが好まし
く、なかでも重量平均分子量(Mw)が12〜18万の
もの耐衝撃性及び樹脂の流動性が向上し透明性に優れる
点から特に好ましい。
【0060】また、前記方法(3-2)として、上記方法に
よって樹脂(A)及びグラフト共重合粒子(A’)との
組成物を製造した後に、イソパラフィン系重合体(B)
を混合する場合、上記のグラフト重合を行った後、重合
溶液から揮発性を取り除いた後に、特に制限されず、撹
拌式混合機、二軸押出機、ニーダー、熱ロール、バンバ
リーミキサー等を用い、通常、180〜260℃、好ま
しくは200〜220℃で溶融混練する方法が挙げられ
る。
【0061】溶融混練方法としては、特に成型品の透明
性が良好となり、組成物の均一分散性が良好となる点か
ら二軸押出機が好ましく、L/Dの20以上のものか、
二軸機押出機の混練効果に優れる点から好ましい。
【0062】イソパラフィン系重合体(B)の配合量
は、特に制限を受けるものではないが、樹脂(A)及び
グラフト共重合粒子(A’)の合計重量、或は、その原
料成分である(a1)〜(a3)成分の合計重量と、イ
ソパラフィン系重合体(B)の重量との比率で、通常、
前者/後者=99.9/0.1〜90/10であること
が好ましいが、なかでも前者/後者=99.9/0.1
〜95/5であることが、透明性および成形品の表面外
観に優れる点から好ましい。
【0063】本発明のスチレン系樹脂組成物は、上記樹
脂(A)、グラフト共重合粒子(A’)及びイソパラフ
ィン系重合体(B)に、更にポリエステル系可塑剤
(C)を含有することが、成形品の透明性、とりわけシ
ートにした場合の伸びが良好となる点から好ましい。本
発明で用いるポリエステル系可塑剤(C)としては、特
にその構造が特定されるものではなく、直鎖状脂肪族ジ
カルボン酸と多価アルコールとのポリエステル、又は、
脂環式ジカルボン酸と多価アルコールとのポリエステル
等が挙げられるが、なかでも鎖状脂肪族ジカルボン酸と
多価アルコールとのポリエステルが好ましい。
【0064】ここで用いられる直鎖状脂肪族ジカルボン
酸としては、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の
二塩基酸が挙げられるが、本発明の効果が顕著である点
からアジピン酸が好ましい。
【0065】また、多価アルコールとしては、特に限定
されるものではないが、エチレングリコール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げ
られ、なかでも本発明の効果が顕著である点から、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオールが好ましい。
【0066】また、脂肪族ジカルボン酸と多価アルコー
ルとの組み合わせとしては、上記例示化合物の何れを組
み合わせてもよいが、具体的には、アジピン酸と1,3
−プロパンジオールとから構成されるポリエステル、ア
ジピン酸と1,4−ブタンジオールとから構成されるポ
リエステル、アジピン酸と1,5−ペンタンジオールと
から構成されるポリエステルが、押出成形品とした場合
の表面外観が特に良好となる点から好ましい。
【0067】この脂肪族ジカルボン酸と多価アルコール
との反応によって得られるポリエステルは、その分子末
端が水酸基である場合には、停止剤として更に該水酸基
に酢酸或いは脂肪酸等の一価有機酸を使用して反応で
き、また、分子末端がカルボキシル基の場合には、一価
アルコールを停止剤として使用して反応させてもよい。
【0068】ここで、停止剤として使用し得る一価有機
酸としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、リノール酸等の炭素原子数10〜20の長鎖
脂肪酸、或いは、酢酸等の重合性有機酸が挙げられる。
一方、一価のアルコールとしては、例えばメタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノー
ル、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、イソヘ
キサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2
−エチルヘキサノール、イソオクタノール、n−ノナノ
ール、イソノナノール、n−デカノール、イソデカノー
ル、イソウンデカノール、ラウリルアルコール、セチル
アルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族アルコー
ルが挙げられる。
【0069】停止剤として使用する、一価有機酸または
一価アルコールの使用量は特に制限されるものではな
く、脂肪族ジカルボン酸、多価アルコールを含む単量体
成分の合計に対して60重量%以下で使用することが好
ましい。
【0070】このポリエステル系可塑剤(C)の具体的
な製造方法としては特に制限されるものではなく、脂肪
族ジカルボン酸と、多価アルコールと、一価有機酸また
は一価アルコールとを触媒の存在下に反応させる所謂一
段法であってもよいし、或いは、脂肪族ジカルボン酸と
多価アルコールとを触媒の存在下に反応させ、次いで、
一価有機酸または一価アルコールを反応させる二段法で
あってもよい。
【0071】触媒として、従来公知のエステル化触媒、
例えば、硫酸、塩酸、トルエンスルホン酸、燐酸等の酸
触媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチ
タネート等のチタネート触媒、モノまたはジメチル錫オ
キサイド、モノまたはジブチル錫オキサイド、モノまた
はジオクチル錫オキサイド、モノまたはジメチル錫クロ
ライド、モノまたはジブチル錫クロライド等の有機錫触
媒等が使用できるが、有機錫触媒を用いることが成形品
の透明性の点から好ましい。
【0072】これらのポリエステル系可塑剤(C)は、
特に分子量等については制限されるものではないが、通
常、BM型粘度計による粘度が10〜10,000cp
s(25℃)であることが好ましく、なかでも10〜
5,000cpsの範囲が本発明のゴム変性共重合樹脂
組成物と混合する時の混合分散性、或いは、各成分
(A)、(A’)、(B)との相溶性に優れ、更に透明
性、成形品の表面外観の点からも好ましい。
【0073】これらのポリエステル系可塑剤(C)は、
それぞれ単独で使用してもよいし、また、複数種併用し
てもよい。
【0074】これらのポリエステル系可塑剤(C)を、
本発明のスチレン系樹脂組成物と混合する方法として
は、特に制限されず、例えば、スチレン系樹脂組成物を
重合する前に、スチレン系樹脂組成物の原料単量体成分
にポリエステル系可塑剤(C)を溶解し、次いで該単量
体成分を重合する方法、スチレン系樹脂組成物の重合途
中に(C)を添加する方法、および、スチレン系樹脂組
成物を重合後、(C)と溶融混練する方法等が挙げられ
る。
【0075】上記の混合方法は、スチレン系樹脂組成物
の重合方法に係わらず、例えば、塊状−懸濁重合、溶液
重合および塊状重合の何れの重合方法においても適用し
得るが、塊状−懸濁重合の場合は、重合後に(C)を溶
融混練する方法が好ましく、溶液重合の場合は、予め、
単量体成分に(C)を添加する方法が好ましく、また、
塊状重合法の場合は、重合途中で添加する方法が、生産
性および作業性が良好である点から好ましい。また、重
合後に(C)を溶融混練する方法においては、前記方法
(3-1)の場合と同様に、管状混合器内で溶融混練させ
てもよいし、前記方法(3-2)の場合と同様に、スチレ
ン系樹脂組成物のペレットを得た後、押出機にて溶融混
練させてもよい。
【0076】本発明のスチレン系樹脂組成物は、上記樹
脂(A)、グラフト共重合粒子(A’)及びイソパラフ
ィン系重合体(B)に、更にスチレン系モノマーとジエ
ン系モノマーとの熱可塑性ブロック共重合体(D)を含
有することが、成形品の耐衝撃性、とりわけシートにし
た場合の伸びが良好となる点から好ましい。
【0077】この熱可塑性ブロック共重合体(D)とし
ては、スチレン系モノマーの重合体ブロックの1個以上
と共役ジエン系モノマーの重合体ブロックの1個以上と
を必須成分としてなる熱可塑性エラストマ−であること
が好ましく、特に、スチレン骨格含有率が20〜50重
量%であることが好ましい。ここで、スチレン骨格含有
率とは、スチレン系モノマーの重合体ブロックの含有率
をいい、20重量%以上においては透明性が良好であ
り、一方、50重量%以下においては、耐衝撃強度の向
上効果が顕著になる。即ち、当該数値範囲においては、
透明性と損なうことなく、耐衝撃強度を著しく向上させ
ることができる。
【0078】熱可塑性ブロック共重合体(D)の分子構
造としては、直線状、分岐状、放射状あるいはこれらの
組み合わせのものでも良く、ブロックの構造としては、
完全ブロック構造でも良いし、あるいは、芳香族ビニル
化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブ
ロックとの遷移部にランダム共重合体部分を含有した所
謂テ−パ−ブロック構造のものでも良い。
【0079】熱可塑性ブロック共重合樹脂(D)の製造
に用いられるスチレン系モノマーとしては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−タ−シャリ−
ブチルスチレン等の中から1種または2種以上が選択で
き、なかでも透明性に優れる点からスチレンが好まし
い。また、共役ジエン化合物としては、例えばブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等の
中から1種または2種以上が選択でき、なかでも耐衝撃
強度向上効果に優れる点からブタジエンが好ましい。ま
た、本発明で用いる熱可塑性ブロック共重合体(D)
は、上記スチレン系モノマー及び共役ジエン化合物を必
須成分とするブロック共重合体に更に、本発明の効果を
妨げない範囲で不飽和カルボン酸を付加させて、酸変性
ブロック共重合体として用いても良い。
【0080】このような不飽和カルボン酸としては、例
えばマレイン酸、ハロゲン化マレイン酸、イタコン酸、
フマル酸、シトラコン酸、シス−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸等を代表とする不飽和ジカルボン
酸およびこれらの無水物;アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸等を代表とす
る不飽和モノカルボン酸等が挙げられ、これらは1種ま
たは2種以上併用して使用することができる。
【0081】これらの熱可塑性ブロック共重合体(D)
を製造する方法としては、例えば炭化水素溶剤中で有機
リチウム化合物等のアニオン重合開始剤を用い、芳香族
ビニル化合物と共役ジエン化合物とをブロック共重合さ
せる方法等が挙げられ、酸変性ブロック共重合樹脂を製
造する方法としては、例えば溶融状態または溶液状態に
おいて、上記ブロック共重合樹脂に不飽和カルボン酸を
グラフト反応させる方法等が挙げられ、いずれも公知の
種々の方法が適用できるが、この種の市販の樹脂をその
まま用いることができるのは無論である。
【0082】本発明の組成物において、樹脂(A)とグ
ラフト共重合粒子(A’)とイソパラフィン系重合体
(B)と熱可塑性ブロック共重合体(D)とを含有する
場合において、その配合比率は得られる組成物の使用目
的に応じて調製することができ、特に限定されるもので
はないが、樹脂(A)とグラフト共重合粒子(A’)と
イソパラフィン石油炭化水素類(B)との合計97〜8
0重量%であり、熱可塑性ブロック共重合体(D)3〜
20重量%であることが好ましい。熱可塑性ブロック共
重合体(D)を3重量%以上用いた場合は、シート成形
品にした場合の耐衝撃強度及び引張破断伸びに著しく優
れ、また、20重量%以下で用いた場合は成形品の表面
光沢に優れる。
【0083】熱可塑性ブロック共重合体(D)を、本発
明の組成物へ添加する時期は、任意であってよいが、樹
脂(A)とイソパラフィン系重合体(B)との混合物、
好ましくは樹脂(A)とグラフト共重合体(A’)とイ
ソパラフィン系重合体(B)との溶融混練物と熱可塑性
ブロック共重合体(C)とを押出機内で溶融混合する方
法が好ましい。
【0084】更に具体的には、前記方法(2)によってイ
ソパラフィン系重合体(B)を、樹脂(A)とグラフト
共重合体(A’)に混合した混合物と、熱可塑性ブロッ
ク共重合体(D)とを押出機内で溶融混合することが組
成物の均一性の点から好ましい。
【0085】本発明の組成物調整時において、押出機を
用いて溶融混練する場合、その方法としては特に制限さ
れず、公知の方法で行なうことができるが、既述の通
り、押出機での混合が好ましく、具体的にはL/D=3
0以上の押出機で、180〜220℃の温度条件にて溶
融混合することが好ましい。
【0086】このようにして得られる本発明のスチレン
系樹脂組成物は、さらに通常用いられる酸化防止剤、可
塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡
剤、補強材等を配合することが出来る。
【0087】これらの中でも好ましいものとしては、有
機ポリシロキサン、高級脂肪酸及びその金属塩、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤、ガラス繊維等が挙げら
れ、それぞれ単独又は併用して用いることが出来る。ま
た、有機ポリシロキサンとしては、特にジメチルシロキ
サンやメチルフェニルシロキサンが好ましく、その場
合、組成物中の添加量は0.05〜0.5重量%の範囲
が、耐衝撃性が飛躍的に向上する点から好ましい。
【0088】また、その用途は、特に限定されるもので
はないが、シート押出成形、未延伸フィルム押出成形、
或いはシュリンクフィルム押出成形において特に有用で
ある。即ち、シート押出成形の場合には、延伸時の透明
性や深絞りした成形品の強度の問題が改善される。ま
た、未延伸フィルム押出成形或いはシュリンクフィルム
押出成形は、強度や透明性が良好なものとなる。
【0089】シート若しくはフィルムの製造法は特に限
定されず、上述した各成分を混合し、ドライブレンド又
はプレミキシング等の方法により予め混合したものを溶
融押出して、Tダイ、サーキュラーダイ等から連続的に
押出し、そのホットパリソンより押出しをそのまま或い
は冷却し延伸に適当な温度に調整して高延伸倍率、例え
ば2〜5倍で1軸若しくは2軸で面積延伸比に延伸する
方法等が挙げられる。また、熱可塑性ブロック共重合体
(D)を併用する場合には、シート若しくはフィルム成
膜時の溶融混練時において、該(D)成分を混合するこ
とが好ましい。また、溶融押出した原反を1度冷却し、
次いで再度再加熱により面積比で3〜15倍に延伸して
もよい。シート若しくはフィルムの厚みは特に限定され
るものではなく、通常、0.01〜10.0mmである
が、衝撃強度向上効果が顕著に発現する好ましい範囲
は、グラフト共重合体(A)中のグラフトされた共重合
ゴム(a)の粒子径により異なが、グラフトされた共重
合ゴム(a)の粒子径が0.05〜0.80μmの場合
にはシート若しくはフィルムの厚みは0.02〜5.0
mmであることが好ましい。
【0090】また、本発明のスチレン系樹脂組成物は、
上記のシ−ト若しくはフィルム成形品や異形押出品に限
定されるものでは無く、さらに、射出成形、単軸押出成
形、二軸延伸押出成形、インフレ−ション押出成形、異
形押出成形、真空成形、圧空成形、吹込成形などの成形
方法により各種成形品にして使用することが出来る。
【0091】その用途は広範なものに及び、例えばCD
ラジオカセット、MDラジオカセット、オーディオプレ
ーヤー、ビデオテープレコーダ、エアコン及び冷蔵庫の
インナーボックスなどの家庭電気、器具類の部品;複写
機、プリンター、ファクシミリ、パソコンなどのOA機
器の各種部品;ICキャリア−マガジン;トレー、カッ
プ、蓋等の食品容器;医療器具類の部品;ブリスターパ
ッケージ;未延伸フィルムやシュリンクフィルムなどの
包装用フィルム等として用いられる。
【0092】更に本発明のスチレン系樹脂組成物には、
必要に応じて石油樹脂、ポリスチレン樹脂、ゴム変性ポ
リスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、
スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂、(メタ)ア
クリル樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、ス
チレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、ポリカ−ボネ
−ト樹脂、塩化ビニル樹脂、並びに、EEA及びEMA
等のエチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合樹脂
等の熱可塑性樹脂を適宜添加することもできる。
【0093】これらのなかでも特に石油樹脂が、耐熱性
向上の点から好ましい。ここで、石油樹脂とは例えば、
ナフサ等の熱分解により副生する多数の不飽和炭化水素
を含む分解油留分を重合させたものが挙げられ、具体的
には、C5留分から得られるC5系石油樹脂、C9留分
から得られるC9系石油樹脂、C5留分とC9留分との
共重合体であるC5C9共重合系石油樹脂等が挙げられ
る。
【0094】C5系石油樹脂は、イソプレン、ペンタジ
エン、ピペリレン、ペンテン、メチルブテン等のC5留
分の重合体が挙げられる。また、通常テルペン樹脂とし
て用いられているものも使用し得る。これらのC5系石
油樹脂は、水添されているものが耐熱性の点から好まし
い。
【0095】C9系石油樹脂は、スチレン、ビニルトル
エン、α,β−メチルスチレン、インデン等の単独重合
体若しくは共重合体が挙げられる。また、C9系石油樹
脂は透明性及び耐熱性の点から水添されているものが好
ましい。
【0096】また、C5C9共重合系石油樹脂として
は、イソプレン、ペンタジエン、ピペリレン、ペンテ
ン、メチルブテン等のC5留分と、スチレン、ビニルト
ルエン、α,β−メチルスチレン、インデン等のC9留
分との共重合体が挙げられる。また、これも耐熱性に優
れる点から水添したものが好ましい。
【0097】また、前記したシート押出成形等の用途に
おいて、特に多層シートに用いる場合は、コア層に、ポ
リブタジエン又はスチレン−ブタジエンブロック共重合
体にスチレングラフト共重合させた所謂ゴム変性ポリス
チレンを、そして、表層に本発明のスチレン系樹脂組成
物を用いることにより、強度、成形加工性、耐油性、及
び二次成形性に優れるシートを経済的に製造することが
できる他、ポリスチレンへのリサイクルも容易となり好
ましい。また、この際、表層には、本発明のスチレン系
樹脂組成物に、更にMBS樹脂を配合してもよい。
【0098】尚、前記樹脂(A)とグラフト共重合体
(A’)とイソパラフィン系重合体(B)との組成物に
おける平均ゴム粒子径、トルエン不溶分含有率とトルエ
ンによる膨潤指数の測定方法を以下に記す。 1.当該組成物中のグラフトされた共重合ゴムの平均粒
子径 樹脂組成物の超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真を
とり、写真中の粒子1000個の粒子径を測定して次式によ
り平均粒子径を求めた。
【0099】
【式1】 (ただし、ni は粒径Di を有するゴム粒子の個数であ
る。) 2.トルエン不溶分含有率およびトルエンによる膨潤指
数 当該組成物1gを精秤し、トルエン100 ml に25℃
で24時間かけて溶解させた後、溶解液を遠心管に移
し、10℃以下、8500rpm で15分間遠心分離を行な
い、上澄液をデカンテーションにより除いた後、トルエ
ンで膨潤した不溶分の重さを測定する。次に60℃の真
空乾燥器で24時間乾燥させ、得られたトルエン不溶分
の重さを測定し、以下の式によりトルエン不溶分含有率
を算出する。
【0100】
【式2】 また、膨潤指数は次式により算出する。
【0101】
【式3】
【0102】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を更に具体的に
説明する。ただし、例中の部はすべて重量部を、また%
は全光線透過率と1,2-ビニル結合の割合を除きすべて重
量%を示す。
【0103】尚、例中の物性値は以下の様に測定した。 1) シートの透明性、曇価 ASTMD-1003に準拠してその値を求めた。 2) シートの伸び 引張破断伸びJIS K-7113 に準拠し、試験速度を毎分50
mmとして値を求めた。但し、試験片はJIS K-6732記載の
引張試験片を用いた。 3) シートの青白さ 10時間連続成形して、シートとロールに油汚れが全く
発生しなかったものを○で表し、成形開始してから10
〜20分後、油汚れが発生して外観不良が認められたも
のを×で表した。 5) 共重合ゴム中の1,2−不飽和結合の割合の測定法 赤外分光分析(モレロ法)によって測定した。 6) 耐油性 JIS 1号ダンベル(厚み3mm、全長175mm)を使
用して歪み率0.5%の治具にダンベル試験片の両端を
固定した。試験片にサラダ油を塗布し一定時間後の試験
片を外観観察し、以下の基準に従って評価した。 ○:試験片に発生したクラックの数 0〜15 △:試験片に発生したクラックの数 16〜40 ×:試験片が破断
【0104】尚、以下に詳述する参考例、実施例及び比
較例においては、第1図に示すように配列された装置を
用いた。スチレン、メタクリル酸メチル、ゴム質重合体
および溶媒を含む混合溶液を、プランジャーポンプ
(1)によって20リットルの攪拌式反応器(2)へ送
り、攪拌翼による動的混合下に初期グラフト重合した。
次いでこの混合溶液をギアポンプ(3)によって循環重
合ライン(I)に送る。循環重合ライン(I)は入口か
ら順に内径2.5インチ管状反応器(スイス国ゲブリュー
ダー・ズルツァー社製SMX型スタティックミキサー・
静的ミキシングエレメント30個内蔵)(4)、(5)
および(6)と混合溶液を循環させるためのギアポンプ
(7)から構成されている。管状反応器(6)とギアポ
ンプ(7)の間には非循環重合ライン(II)に続く出口
が設けられている。非循環重合ライン(II)には入口か
ら順に上記と同様の管状反応器(8)、(9)および
(10)とギアポンプ(11)が直列に連結されてい
る。
【0105】参考例1 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔25℃におけ
る5%スチレン溶液粘度(以下、5%SVと略す):1
0センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:18%、スチ
レン/ブタジエン重量比:35/65 〕10部、スチレン4
6部、メタクリル酸メチル54部およびエチルベンゼン
10部から成る混合溶液を調製し、さらに、連鎖移動剤
として単量体混合物100部に対して0.1部のn−ドデ
シルメルカプタンおよび有機過酸化物として単量体混合
物100部に対して0.02部のt−ブチルパーオキシ
ベンゾエートを加え、上記装置を用いて以下の条件下で
連続的に塊状重合させた。
【0106】 混合溶液の連続的な供給量:10リットル/時間 攪拌式反応器(2)での反応温度:120℃ 循環重合ライン(I)での反応温度:135℃ 非循環重合ライン(II)での反応温度:140〜160
℃ 重合させて得られた混合溶液を熱交換器で225 ℃まで加
熱し、50mmHgの減圧下で揮発性成分を除去した後、ペ
レット化してグラフト共重合体(A−1)を得た。この
グラフト共重合体(A−1)の平均ゴム粒子径は0.5
1μm、膨潤指数は14.2、トルエン不溶分含有率1
3.9%、トルエン不溶分/膨潤指数0.98であっ
た。
【0107】参考例2 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔5%SV:
10センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:22%、ス
チレン/ブタジエン重量比:38/62 〕10部、スチレン
48部、メタクリル酸メチル47部、アクリル酸ブチル
5部およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液を用
いた以外は参考例1と同様にしてグラフト共重合体(A
−2)を参考例2を得た。このグラフト共重合体(A−
2)の平均ゴム粒子径は0.43μm、トルエン不溶分
含有率12.7%、膨潤指数は15.9、トルエン不溶
分/膨潤指数0.79であった。
【0108】実施例1 管状反応器(8)の直前において、イソパラフィン系重
合体(B−1)としてアモコ・ポリブテンL−65(イ
ソブチレンと1−ブテンと2−ブテンとの共重合体、粘
度120cps)を連続的に系内に添加する他は、参考例
2と同様にしてグラフト共重合体(A−2)の重合を行
い、目的とするスチレン系樹脂組成物を得た。このよう
にして得られたスチレン系樹脂組成物を押出成形して厚
さ0.4mmのシートを作成して、シートの性能を評価
した。尚、シート成形条件は次の通りである。 シート成形機 :ユニオンプラスチック(株)製UEV
型30mm押出機 シリンダー温度:210℃ Tダイ設定温度:210℃ タッチロール設定温度:70℃ 引取速度 :1.4m/分 リップ開度 :0.45mm
【0109】実施例2 参考例2で得られたグラフト共重合体(A−2)100
部当たりに、アモコ・ポリブテンL−65(イソブチレ
ンと1−ブテンと2−ブテンとの共重合体、粘度120
cps)を第1表に示す割合で混合し、二軸押出機を用い
てペレット化して本発明のスチレン系樹脂組成物を得
た。このようにして得られたスチレン系樹脂組成物を押
出成形して厚さ0.3mmのシートを作成して、シート
の性能を評価した。
【0110】実施例3 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔25℃におけ
る5%スチレン溶液粘度(以下、5%SVと略す):1
0センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:18%、スチ
レン/ブタジエン重量比:35/65 〕10部、スチレン4
6部、メタクリル酸メチル54部およびエチルベンゼン
10部から成る混合溶液に、イソパラフィン系重合体
(B−2)としてアモコ・ポリブテンL−100(イソ
ブチレンと1−ブテンと2−ブテンとの共重合体、粘度
220cps)を第1表に示す割合になるように原料溶液
に加えて参考例1と同様にグラフト共重合体(A−1)
の重合を行い目的とするスチレン系樹脂組成物を得た。
このようにして得られたスチレン系樹脂組成物を実施例
3と同様にして成形評価した。
【0111】実施例4 管状反応器(8)の直前において、イソパラフィン系重
合体(B−1)としてアモコ・ポリブテンL−65(イ
ソブチレンと1−ブテンと2−ブテンとの共重合体、粘
度120cps)を連続的に系内に添加する他は、参考例
2と同様にしてグラフト共重合体(A−2)の重合を行
い、目的とするスチレン系樹脂組成物を得た。このよう
にして得られたゴム変性共重合樹脂組成物の90%と日
本合成ゴム(株)製のスチレンーブタジエンブロック共
重合樹脂TR−2000(スチレン含有率40%)の1
0部とをタンブラーで混合して、シート押出成形して厚
さ0.35mmのシートを作成して、シートの各種物性
を測定した。測定結果を第1表に示す。尚、シート成形
条件は次の通りである。 シート成形機 :ユニオンプラスチック(株)製UEV
型30mm押出機 シリンダー温度:210℃ Tダイ設定温度:210℃ タッチロール設定温度:60℃ 引取速度 :1.4m/分 リップ開度 :0.45mm
【0112】実施例5 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔5%SV:
10センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:22%、ス
チレン/ブタジエン重量比:38/62 〕10部、スチレン
48部、メタクリル酸メチル47部、アクリル酸ブチル
5部およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液に、
分子末端をオクチルアルコ−ルで封止したアジピン酸と
ブタンジオ−ルとのポリエステル(粘度200CPS)を
第1表に示す割合になるように原料溶液に加えて重合さ
せる以外は参考例2と同様にしてスチレン系樹脂組成物
を得た。得られた組成物100部当たり、出光ポリブテ
ン15R(イソブチレンと1−ブテンと2−ブテンとの
共重合体、粘度720cps、以下これを「ポリブテンB
−3」と略記)を第1表に示す割合で混合し、二軸押出
機を用いてペレット化して本発明のスチレン系樹脂組成
物を得た。この様にして得られたスチレン系樹脂組成物
を押出成形して厚さ0.3mmのシートを作成して、シ
ートの性能を評価した。
【0113】比較例1 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔5%SV:
10センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:22%、ス
チレン/ブタジエン重量比:38/62 〕10部、スチレン
48部、メタクリル酸メチル47部、アクリル酸ブチル
5部およびエチルベンゼン10部から成る混合溶液に、
分子末端をオクチルアルコ−ルで封止したアジピン酸と
ブタンジオ−ルとのポリエステル(粘度200CPS)を
第1表に示す割合になるように原料溶液に加えて重合さ
せる以外は参考例2と同様にしてゴム変性樹脂組成物を
得た。このようにして得られたゴム変性樹脂組成物を実
施例1と同様にして成形評価した。結果を第1表に示
す。
【0114】比較例2 管状反応器の直前において、分子末端をオクチルアルコ
−ルで封止したアジピン酸とブタンジオ−ルとのポリエ
ステル(粘度200CPS)を第1表に示す割合になるよ
うに連続的に系内に添加する他は、参考例2と同様にし
てグラフト共重合を行い、ゴム変性樹脂組成物を得た。
このようにして得られたゴム変性樹脂組成物の90%と
日本合成ゴム(株)製のスチレンーブタジエンブロック
共重合樹脂TR−2000(スチレン含有率40%)の
10部とをタンブラーで混合して、実施例4と同様にシ
ート押出成形して厚さ0.35mmのシートを作成し
て、シートの各種物性を測定した。結果を第2表に示
す。
【0115】
【表1】
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、強度、成形加工性及び
耐油性を兼備したスチレン系樹脂組成物及びその製造方
法を提供できる。また、特にシート成形体等の用途にお
いて二次成形時の成形品外観も良好なものとなる。更
に、本発明の組成物の中でもグラフト共重合粒子を含む
ものは耐衝撃性も飛躍的に改善され、更に特定のゴム質
重合体を使用することにより、透明性も付与され、透明
性、耐衝撃性、耐油性、成形加工性及び強度等に優れた
成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、静的ミキシングエレメントを有する管状反応
器を組み込んだ連続塊状重合ラインの1例を示す工程図
である。
【図1】(1):プラジャーポンプ (2):撹拌式反応器 (3):ギヤポンプ (4):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (5):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (6):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (7):ギヤポンプ (8):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (9):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (10):静的ミキシングエレメントを有する管状反応
器 (I):循環重合ライン (II):非循環重合ライン
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/20 C08L 23/20 33/06 33/06 51/04 51/04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系モノマー(a1)と(メタ)
    アクリル酸アルキル(a2)との共重合樹脂(A)、及
    び、イソパラフィン系重合体(B)とを必須成分とする
    スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 共重合樹脂(A)及びイソパラフィン系
    重合体(B)に加え、ゴム質重合体(a3)とスチレン
    系モノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキル(a
    2)とのグラフト共重合ゴム粒子(A’)を含有する請
    求項1記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 イソパラフィン系重合体( B)が、B
    M型粘度計による粘度が20〜10,000cps(3
    8℃)のものである請求項1又は2記載のスチレン系樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 イソパラフィン系重合体(B)を、共重
    合樹脂(A)及びグラフト共重合粒子(A’)の合計重
    量に対して0.1〜10重量%となる割合で含有する請
    求項1、2又は3記載のスチレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 グラフト共重合粒子(A’)を構成する
    ゴム質重合体(a3)が、ポリブタジエン又はスチレン
    系モノマーとジエン系モノマーとの共重合ゴムである請
    求項2記載のスチレン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 グラフト共重合粒子(A’)を構成する
    ゴム質重合体(a3)が、ジエン系モノマーに基づく不
    飽和結合数に対する1,2−不飽和結合数の割合が7〜
    35%のものである請求項5記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (メタ)アクリル酸アルキル(a2)と
    して、メタアクリル酸メチルと、その他のアクリル酸ア
    ルキルエステルとを併用する請求項1〜6の何れか1つ
    に記載のスチレン系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 共重合樹脂(A)が、スチレン系モノマ
    ー(a1)の95〜40重量%と(メタ)アクリル酸ア
    ルキル(a2)の5〜60重量%とを共重合したもので
    ある請求項1〜7の何れか1つに記載のスチレン系樹脂
    組成物。
  9. 【請求項9】 樹脂組成物の25℃でのトルエン不溶分
    含有率が4〜25重量%、トルエンによる膨潤指数が6
    〜19で、かつトルエン不溶分含有率/膨潤指数が0.
    20〜3.0重量%である請求項1〜8の何れか1つに
    記載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 共重合樹脂(A)及びイソパラフィン
    系重合体(B)成分に加え、更にポリエステル系可塑剤
    (C)を含有する請求項1〜9の何れか1つに記載の樹
    脂組成物。
  11. 【請求項11】 イソパラフィン系重合体(B)が、イ
    ソブチレンと1−ブテンと2−ブテンとの共重合体、又
    は、ポリイソブチレンである請求項1〜10の何れか1
    つに記載の樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 スチレン系モノマー(a1)と(メ
    タ)アクリル酸アルキル(a2)とを重合させて、スチ
    レン系モノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキル
    (a2)との共重合樹脂(A)を得るに際し、 (1)該重合途中に、イソパラフィン系重合体(B)を混
    合させるか、 (2)(a1)と(a2)との混合溶液中に、イソパラフ
    ィン系重合体(B)を溶解させた後、前記重合を行う
    か、又は、 (3)共重合樹脂(A)を得た後、イソパラフィン系重合
    体(B)と溶融混練することを特徴とするスチレン系樹
    脂の製造方法。
  13. 【請求項13】 ゴム質重合体(a3)の存在下に、ス
    チレン系モノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキ
    ル(a2)とをグラフト共重合させて、グラフト共重合
    粒子(A’)が共重合樹脂(A)中に分散した組成物を
    得るに際し、 (1)該重合途中に、イソパラフィン系重合体(B)を混
    合させるか、 (2)(a1)と(a2)との混合溶液中に、イソパラフ
    ィン系重合体(B)を溶解させた後、前記重合を行う
    か、又は、 (3)共重合樹脂(A)とグラフト共重合粒子(A’)と
    を得た後、イソパラフィン系重合体(B)と溶融混練す
    る請求項12記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 ゴム質重合体(a3)と、スチレン系
    モノマー(a1)と、(メタ)アクリル酸アルキル(a
    2)との使用割合が、(a3)/[(a1)+(a
    2)]の重量比が1/99〜20/80で、(a1)/
    (a2)の重量比が95/5〜40/60となる範囲で
    用いる請求項13記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 グラフト共重合を、ゴム質重合体(a
    3)とスチレン系モノマー(a1)と(メタ)アクリル
    酸アルキル(a2)とを含有する混合溶液を、一個以上
    の撹拌式反応器とそれに続き可動部分のない複数のミキ
    シングエレメントが内部に固定されている管状反応器を
    組み込んでなる連続塊状重合ライン内でグラフト共重合
    する請求項13又は14記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 ゴム質重合体(a3)とスチレン系モ
    ノマー(a1)と(メタ)アクリル酸アルキル(a2)
    とを混合溶液を、 a.撹拌式反応器と、 b.撹拌式反応器から続き可動部分の全くない複数のミキ
    シングエレメントが内部に固定されている1個以上の管
    状反応器からなる初期重合ラインと、 c.初期重合ラインから続き可動部分の全くない複数のミ
    キシングエレメントが内部に固定されている1個以上の
    管状反応器からなる主重合ラインと、 d.初期重合ラインと主重合ラインとの間で分枝して初期
    重合ライン内に戻る還流ラインとによって構成される重
    合ラインを用い、初期重合ラインから出る初期重合液流
    の一部を還流ラインを経て還流させ、一方、還流されな
    かった初期重合液流を主重合ラインにおいて重合する際
    に、 (1)イソパラフィン系重合体(B)を重合ライン中で重
    合溶液に混合しながら前記重合を行なうか、 (2)前記混合溶液中に、イソパラフィン系重合体(B)
    を溶解させ、次いで前記グラフト共重合を行なうか、或
    いは、 (3) 共重合樹脂(A)とグラフト共重合粒子(A’)と
    の混合物を得た後、イソパラフィン系重合体(B)と溶
    融混練する請求項13、14又は15記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 (メタ)アクリル酸アルキル(a2)
    として、メタアクリル酸メチルと、その他のアクリル酸
    アルキルエステルとを併用する請求項12〜16の何れ
    か1つに記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 ポリエステル系可塑剤(C)を重合の
    任意の段階で添加するか、或いは、重合終了後に(A)
    及び(B)成分に加え、更にポリエステル系可塑剤
    (C)を溶融混練する請求項12〜17の何れか1つに
    記載の製造方法。
JP17547598A 1997-06-26 1998-06-23 スチレン系樹脂組成物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4051770B2 (ja)

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