JP2005247970A - ポリエステル系ポリマーアロイおよびそれから得られる異形押出し成形体 - Google Patents

ポリエステル系ポリマーアロイおよびそれから得られる異形押出し成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】機械特性と成形加工性の改良されたポリエステル系ポリマーアロイおよびそれから得られる異形押出し成形体を提供すること。
【解決手段】ポリエステル系ポリマーアロイは、極限粘度が0.60〜1.0dl/gの範囲にあるポリエステル樹脂(A);20〜50重量%と、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B);1〜20重量%と、密度が0.93g/cm3未満かつα−オレフィン単位含量が1〜10mol%のエ
チレン・α−オレフィン共重合体(C);49〜79重量%とからなり(A+B+C=100重量%)、溶融粘度が1,000Pa・s以上であるか、(A);50〜94重量%
と、(B);1〜20重量%と、(C)またはプロピレン系重合体(D);5〜49重量%とからなり(A+B+C+D=100重量%)、溶融粘度が1,000Pa・s以上で
ある。
【選択図】 なし

Description

本発明は、成形加工性に優れ、かつ衝撃性能に優れたポリエステル系ポリマーアロイおよびそれから得られる異形押出し成形体に関する。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下「PET樹脂」と言う。)は、その延伸強度が高いことから、フィラメント、フィルム、テープ、ボトル等の延伸加工特性を活かした分野で広く使われている。
しかしながらPET樹脂は、未延伸状態で使用するとそのガラス転移温度が約81℃と高いことから、衝撃性能を必要とする成形体には採用が難しく、押出し成形の場合には、その溶融粘度が低すぎる為採用できなかった。また、射出成形の場合には小型成形体への利用に限られていた。
これらPET樹脂の欠点を補う為に他の樹脂を配合することが行われており、PET樹脂に他の樹脂を配合してポリマーアロイにすることで、衝撃性能は改善できるが、異形押出し成形等の押出し成形に採用するには、依然溶融粘度が低すぎて成形は困難であった。
そこで、溶融粘度が高く成形性に優れ、耐衝撃性に優れた成形体が得られるようなポリエステル系ポリマーアロイの出現が望まれていた。
なお機械的性質、特に低温時の耐衝撃性に優れた成形品を与えうるポリエステル組成物としては、例えば芳香族ポリエステル100重量部に対して、(A)α−オレフィン α,β−不飽和酸のグリシジルエステルからなるグリシジル基含有共重合体1〜50重量部および(B)エチレン40〜99モル%と炭素数3以上のα−オレフィン60〜1モル%からなるエチレン系共重合体1〜50重量部を含有せしめてなるポリエステル組成物がある(特許文献1参照)。しかし、同文献の第3欄39〜第4欄1行に「・・・芳香族ポリエステルは・・・相対粘度が1.2〜1.8の範囲にあることが好ましい。芳香族ポリエステルの相対粘度が1.2未満の場合は十分な機械的強度が得られず・・・」と記載されていることから、機械的特性に優れた成形体を得るためにポリエステル樹脂として相対粘度が1.2未満のものを用いることについては否定的である。
特開昭63−4566号公報
本発明の課題は機械特性と成形加工性の改良されたポリエステル系ポリマーアロイおよびそれから得られる異形押出し成形体を提供することにある。すなわち本発明は、ポリエステルの耐衝撃性能を向上すること、および溶融粘度を増大しブロッキングを防止することで押出し成形、特に異形押出し成形を容易にすることを課題とする。
本発明のポリエステル系ポリマーアロイは、成形時の樹脂の溶融粘度を高く保っているので、従来困難であった押出し成形加工が可能となり、さらに高い溶融粘度が必要される異形押出し成形への展開も可能となる。
本発明によれば下記ポリエステル系ポリマーアロイおよびそれから得られる異形押出し成形体が提供されて、本発明の上記課題が解決される。
(1) 極限粘度(IV)が0.60〜1.0dl/gの範囲にあるポリエステル樹脂
(A);20〜50重量%と、
エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B);1〜20重量%と、
密度が0.93g/cm3未満かつ共重合成分単位含量が1〜10mol%のエチレン
共重合体(C);49〜79重量%と
とからなり(ここで、(A)、(B)、(C)の合計量が100重量%である。)、溶融粘度が1,000Pa・s以上であることを特徴とするポリエステル系ポリマーアロイ。
(2) 極限粘度(IV)が0.60〜1.0dl/gの範囲にあるポリエステル樹脂(A);50〜94重量%と、
エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B);1〜20重量%と、
密度が0.93g/cm3未満であり、かつ共重合成分位含量が1〜10mol%のエ
チレン共重合体(C)および/またはプロピレン系重合体(D);1〜49重量%と
からなり(ここで、(A)、(B)、(C)、(D)の合計量が100重量%である。)、溶融粘度が1,000Pa・s以上であることを特徴とするポリエステル系ポリマーア
ロイ。
(3) さらにカルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(E)を0.5〜10重量部含むことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のポリエステル系ポリマーアロイ。
(4) 前記ポリエステル樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエステル系ポリマーアロイ。
(5) 前記エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジルの共重合体(B)が、エチレン単位を45〜84重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を15〜40重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル単位を1〜15重量%含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリエステル系ポリマーアロイ。
(6) 前記エチレン共重合体(C)が、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であって、結晶性ないし非晶性であり、かつASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフローレートの値が0.1〜20g/10分の範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリエステル系ポリマーアロイ。
(7) 前記のプロピレン系重合体(D)が、プロピレン・エチレンブロック共重合体であることを特徴とする上記(2)〜(6)のいずれかに記載の異型押出し成形体。
(8) 上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリエステル系ポリマーアロイを、異型押出し成形して得られることを特徴とする異型押出し成形体。
なお、本発明に係るポリマーアロイおよび樹脂の物性値は次の条件で測定する。
極限粘度(IV):フェノール/テトラクロルエタン=50/50(重量比)混合溶媒中、25℃で測定する
密度:JIS K 7112−D法に準じ、密度勾配管を用いて測定する
溶融粘度:JIS K 7199 法に準じ、270℃でポリマーアロイを溶融し、内径1
mm、長さ30mmのキャピラリーを用いて測定する
ここで、異形押出し成形とは、一般に可塑化した成形材料を製品形状に応じたダイを通して押出し、一定の断面を持った製品を連続的に成形する方法であって、製品の断面形状が円、楕円、長方形ないし正方形等の単純な形状であるものを除いたものをいう。異形押
出し成形により得られる異型押出し成形体の例としては、窓枠、中空板材、雨どい等がある。
本発明のポリエステル系ポリマーアロイは、成形加工時の溶融粘度を大幅に向上させているので、従来成形が困難であった押出し成形、特に異形押出し成形分野での使用が可能となる。
また、本発明の異形押出し成形体は、優れた衝撃性能を有しているので、幅広い用途展開が可能である。
以下、本発明に係るポリエステル系ポリマーアロイおよびそれから得られる異形押出し成形体について具体的に説明する。
本発明に係るポリエステル系ポリマーアロイは、ポリエステル樹脂(A)と、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B)と、エチレン共重合体(C)および/またはプロピレン系重合体(D)と、必要に応じてカルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(E)とを含有している。
まず、本発明に係るポリエステル系ポリマーアロイを形成する各成分について説明する。
[ポリエステル樹脂(A)]
本発明に使用可能なポリエステル樹脂(A)は、芳香族または脂肪族のジカルボン酸とジオールとの重縮合体である。カルボン酸およびジオールは、各々1種類を選んで通常の重縮合条件下で製造してもよく、あるいは2種類以上適宜組み合わせて製造しても良い。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、ナフタレン−1,
4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸等を例示することができる。
ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4―
ヒドロキシフェニル)プロパン等を例示することができる。
また重縮合に際して、p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸を共存させても良い。
前記のジカルボン酸およびジオールとから製造したポリエステル樹脂として、PET樹脂、ポリブチレンテレフタレート等を代表例に挙げることができ、PET樹脂を用いることが好ましい。また、ポリエステル樹脂は、それらの成形体を一旦使用した後の再生品であってもよく、さらに未使用品と再生品の混合物であっても良い。
ポリエステル樹脂(A)は、フェノール/テトラクロルエタン=50/50(重量比)混合溶媒中、25℃で測定した極限粘度(IV)が0.60〜1.0dl/gの範囲にある樹脂が使用に適している。極限粘度(IV)が上記範囲内にあるポリエステル樹脂を用いて得られるポリエステル系ポリマーアロイは、特に成形加工時の溶融粘度が高く、異形押出し成形用に適している。
[エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B)]
本発明に使用可能なエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位含量が15
〜40重量%、好ましくは20〜35重量%、一層好ましくは25〜35重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル単位含量が、1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%(残分はエチレン単位含量)の3元共重合体である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位含量が上記範囲より少ないものや、あるいはこのようなエステル成分を含まないものを用いても、成形性に優れ、かつ耐衝撃性に優れたポリマーアロイを得ることはできない。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位含量を上記範囲より大きいものを用いても、これ以上の物性改良効果は期待できず、却って曲げ弾性率の低下や耐熱性の低下等の悪影響がでてくるので好ましくない。
(メタ)アクリル酸グリシジル単位含量が上記範囲より少ないか、あるいはこれを含まないような共重合体を使用した場合には衝撃強度の充分大きい組成物を得ることはできない。また、(メタ)アクリル酸グリシジル単位含量が上記範囲より大きい共重合体を使用した場合には、ポリエステル樹脂との過剰な反応によるブツやゲルの発生や溶融粘度の上昇により流動性が低下し、外観及び成形性に優れた組成物を得ることができない。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチルなどを例示することができる。これらの中では、アルキル基の炭素原子数が1〜10程度、特に2〜8程度のアルキルエステルを使用するのが好ましい。上記共重合体(B)としては、改質効果を最大限に発揮するためには、JIS K7210−1999(190℃、2160g荷重)におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、特に1〜50g/10分程度のものを使用するのが好ましい。
[エチレン共重合体(C)]
本発明に使用できるエチレン共重合体(C)は、一般のエチレン系重合体の中でも低密度の重合体に属する。具体的には、その密度が0.93g/cm3未満、好ましくは0.
85〜0.92g/cm3の範囲内にある共重合体で、エチレン・α−オレフィン共重合
体、エチレンとビニルモノマーとの共重合体等、エチレン繰り返し単位を主体に有する共重合体であればいずれをも使用することができる。その密度が0.93g/cm3未満の
重合体をポリマーアロイの一成分として使用すると、十分な耐衝撃性の改良効果が得られる。このエチレン共重合体は、未使用の重合体であっても、再生重合体であってもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体としては、低結晶性ないし非晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体が使用できる他に、結晶性を有しかつポリエチレンに近い物性を有するエチレン・α−オレフィン共重体も包含する。このエチレン・α−オレフィン共重合体を構成するモノマー組成は、エチレン単位が90〜99モル%、好ましくは92〜98モル%、α−オレフィン単位が1〜10、好ましくは2〜8モル%モル%の範囲である。
ここで、α−オレフィンは、炭素原子数3〜20のオレフィンの中から適宜選択使用することができ、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体は、ASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下に測定したメルトフローレート(MFR)の値が、好ましくは0.1〜20g/10分、より好ましくは0.5〜5g/10分である。エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRがこの範囲内にあると、ポリマーアロイの成形安定性を高め、機械的強度を高めることができる。
本発明で使用可能なエチレンとビニルモノマーとの共重合体としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合
体等を挙げることができる。
エチレン共重合体(C)としては、上述エチレン・α−オレフィン共重合体が好ましく、特にエチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体が好適である。なお、エチレン共重合体をポリマーアロイの一成分として添加すると、樹脂は白色不透明化することもあるが、外観良好な成形体を製造することができる。
このエチレン共重合体(C)に属する結晶性から非晶性の範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体は、バナジウム化合物やチタン化合物と有機アルミニウム化合物との組み合わせを一例としたチーグラー系触媒、シクロペンタジエニル環を有するジルコニウム化合物とオキシアルミニウム化合物との組み合わせを一例としたメタロセン系触媒のようなオレフィン立体規則性重合触媒を用いることによって製造することができる。
[プロピレン系重合体(D)]
本発明に使用できるプロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレンとα−オレフィンとのブロック共重合体、あるいはプロピレンとα−オレフィンとのゴム状重合体の何れであってもよい。
プロピレンと共重合させるα−オレフィンとしては、プロピレン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンが使用でき、ランダム共重合体の場合には、α−オレフィン単位の含量が0.5〜5モル%、ブロック共重合体の場合には、α−オレフィン単位の含量が、0.5〜20モルの範囲であることが望ましい。
これらの中で好ましいプロピレン系重合体は、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、またはプロピレン・エチレンブロック共重合体であって、特にブロック共重合体を用いるとポリマーアロイの耐衝撃性能改良効果が高い。
プロピレン系重合体(D)は、ASTM D−1238に準拠し、230℃、2.16Kg荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)の値が、好ましくは0.1〜50g/10分、より好ましくは0.5〜20g/10分である。この範囲内にあるプロピレン系重合体を用いると、ポリマーアロイの成形性が良好であり、その機械的強度を高めることができる。
このようなプロピレン系重合体(D)は、チーグラー・ナッタ系触媒、あるいはメタロセン系触媒のようなオレフィン立体規則性重合触媒を使用することによってプロピレンを、必要に応じて、α−オレフィンを共存させて重合する事によって製造できる。
[カルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(E)]
本発明で必要に応じて使用できるカルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(E)は、具体的にはエチレン・α−オレフィン共重合体にα,β−不飽和カルボン酸をグ
ラフト共重合して得た重合体である。
ここで、幹ポリマーとなるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレン含量が好ましくは60〜95モル%、α−オレフィン含量が好ましくは5〜40モル%である。
α−オレフィンとしては、直鎖または分岐鎖状の炭素原子数3〜20のα−オレフィンが好ましい。例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等が挙げられる。共重合体のなかでも、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体が好ましい。
グラフトモノマーになるα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、ソルビン酸、メサコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸を挙げることができ、特にアクリル酸、マレイン酸,無水マレイン酸が好ましい。
カルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(E)は、ASTM D−1238に準拠し、180℃、2.16Kg荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)の値が、好ましくは0.1〜50g/10分、より好ましくは0.5〜20g/10分である。
グラフトモノマーの含有割合は好ましくは0.5〜5.0重量%であり、グラフト共重合は、従来公知の方法により行うことができる。
[ポリマーアロイ]
本発明に係るポリエステル系ポリマーアロイは、
ポリエステル樹脂(A);20〜50重量%、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%、
エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B);1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜8重量%、
エチレン共重合体(C);49〜79重量%、好ましくは60〜79重量%、より好ましくは65〜79重量%、
からなる(ここで、(A)、(B)、(C)の合計量が100重量%である。)。
各成分が、この組成範囲内にあると、耐衝撃性に優れた成形体を得ることが出来る。
ポリエステル樹脂(A)の含有割合が、25〜50重量%の範囲であると、柔軟性に富み、低温衝撃性能が極めて高い樹脂組成物が得られる。
また、本発明の他の態様に係るポリエステル系ポリマーアロイは、
ポリエステル樹脂(A);50〜94重量%、好ましくは60〜94重量%、より好ましくは70〜94重量%、
エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジルの共重合体(B);1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜8重量%、
エチレン共重合体(C)および/またはプロピレン系重合体(D);1〜49重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%からなる(ここで、(A)、
(B)、(C)、(D)の合計量が100重量%である。)。
各成分が、この組成範囲内にあると、耐衝撃性に優れた成形体を得ることが出来る。
ポリエステル樹脂(A)の含有割合が、50〜94重量%の範囲にあると、低温衝撃性能に優れ、かつエチレン共重合体よりも高剛性の樹脂組成物が得られる。
本発明に係るポリエステル系ポリマーアロイに用いられるポリエステル樹脂(A)、エチレン共重合体(B)は、未使用の樹脂だけではなく、工程内成形屑、使用ずみペットボトルに代表される市場回収品も再利用可能であり、循環型社会に対応した商品展開に適用することができる。
本発明に係るポリエステル系ポリマーアロイは、溶融粘度が1,000Pa・s以上、
好ましくは1,000〜5,000Pa・s、より好ましくは1,100〜4,500Pa・sの範囲にある。溶融粘度が上記範囲内にあるポリマーアロイは、特に異形押出し成形に好適である。
本発明に係るポリエステル系ポリマーアロイには、本発明の目的から逸脱しない範囲内で、各種の添加剤を適宜加えることが出来る。添加剤の例としては、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、顔料、核剤、難燃剤、充填剤等が挙げられる。
本発明では、ポリエステル系ポリマーアロイに、ポリエステル末端の水酸基またはカルボキシル基等に対し反応性を有する酸無水物を添加することが好ましい。このような酸無水物を添加すると、ポリマーアロイの溶融粘度をさらに高めることができ成形性を向上させることができる。
前記酸無水物としては二無水ピロメリット酸が好ましく、ポリエステル樹脂(A)に対し0.1〜1.0重量%の添加で、衝撃強度、引張り強度等の機械物性は損なわずに成形性を向上することが可能となる。また、ポリエステル系ポリマーアロイに、ポリエステル樹脂(A)の加水分解を抑える効果を持つカルボジイミド化合物を0.5〜2.0重量%程度の添加した場合でも上記と同等の効果を得ることができる。
本発明に係るポリエステル系ポリマーアロイを用いて得られる成形体の代表例としては、異形押出し成形体が挙げられる。異形押出し成形の際には、一般的なポリオレフィン用に使用されている成形機を使用し、かつ通常の押出し条件下で行うことにより、外観良好な製品を得ることが可能である。
本発明に係るポリエステル系ポリマーアロイは、異形押出し成形のほか、インフレーションフィルム・射出成形等の成形にも採用が可能である。
[ポリマーアロイの物性]
本発明に係るポリエステル系ポリマーアロイは、ポリエステル樹脂(A)、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジルの共重合体(B)、エチレン共重合体(C)、プロピレン系重合体(D)の配合量を変えることにより、剛性、衝撃強度等の物性の調整が可能である。
各成分の中で最も高剛性のポリエステル樹脂(A)の配合量を増加する事により、ポリマーアロイの剛性を高くすることができ、曲げ弾性率で約300MPaから約2200MPaまでの広い範囲で剛性の調整が可能である。
ポリエステル樹脂(A)、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジルの共重合体(B)、エチレン共重合体(C)から構成されるポリマーアロイの耐衝撃性能は、−20℃の低温領域において、ノッチ付きIZOD衝撃強度が50J/m以上であることが好ましい。
また、このポリマーアロイは、板状の試験片を貫通させて測定する高速衝撃試験(HighRate Impact Test)においても高い耐衝撃性能を有している。このように、耐衝撃性能に優れ、高剛性の特長を持ったポリマーアロイは、パレットやコンテナ等の物流資材や、自動車内外装用品、建築用内外装用品に好適である。
本発明のポリエステル系ポリマーアロイは溶融粘度が高い。本特性は、押出し成形時に有利な特性であり、成形体の立上げが順調になり安定成形が可能となる。またインフレフィルムの成形よりも高い溶融粘度が要求される異形押出し成形においても、安定成形が可能である。
[ポリマーアロイの製造]
一般的にポリエステル系ポリマーアロイを製造する場合は、まずヘンシェルミキサー、
Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等を用いて、前記の各成分を所定割合でブレンドするか、あるいは定量混合が可能な例えば3種混合機でポリマーアロイの各成分を定量後、所定の比率で定量混合して押出し機等に供給する。
ポリマーアロイを製造する際には、一旦押出し機でペレット状の形状として使用する場合が多いが、本発明ではペレット化の工程を経ないで、直接、例えば定量混合機から直接異形押出し成形機等へ供給し、成形機のスクリューで混練りし、アロイ化することもできる。このように、ドライブレンド方式での製造が可能となると、樹脂の熱履歴の削減、及び大幅な工程の省略により、製品品質の維持、省エネルギーを図る事が可能となる。
またポリエステル樹脂は、未乾燥の状態で、押出し機等で加熱溶融すると、含有水分の影響により加水分解を受け、分子量が低下し、狙った物性を得ることが出来なくなることがある。その為、押出成形するに際して事前に十分に乾燥しておくことが望ましいが、押出機内を真空とし、ベント口から脱気することにより、物性低下を招かない範囲にまで水分を除去することも可能である。
[異形押出し製品の製造]
異形押出し成形に先立ち、まず前記各成分を所定の割合で計量した樹脂組成物をヘンシェルミキサー、Vブレンダー、タンブラー、ブレンダー等のブレンダーで混合し、成形原料とする。また、前記の各成分を計量混合機用いて所定の割合に混合したドライブレンド状態の樹脂組成物とし、成形原料としてもよく、この場合は、さらに一軸押出し機、二軸押出し機、バンバリーミキサー等を用いて溶融混練する事によってメルトブレンドし、ペレット状の成形原料としても良い。
ペレット状等の成形原料を製造する場合、ポリエステル樹脂が加水分解される事を避けるために、溶融混練する前にポリエステル樹脂に含まれる水分を100ppm以下、特に50ppm以下に乾燥しておくことが好ましい。または、それに代えて、押出し機等のベント口から減圧操作を加え、物性低下を招かない範囲まで水分を除去する方法をとる事もできる。
この様にして水分が除去された成形原料は、異形押出し成形機へと供給される。この場合にも、ペレット状成形原料を製造する場合と同様にして、成形機の押出し機部分に設けられたベント口から減圧操作を加える事によって、更に残存する水分、および低沸点の揮発成分を除去する事もできる。
本成形方法の場合、異形押出し成形を開始する際、成形原料の溶融粘度が低すぎる場合には、溶融したポリマーアロイを引き取ることが出来ず、成形不能となる。あるいは、成形は可能であるが、成形時に製品の寸法安定性が悪く、製品形状を一定に保つ事ができなくなる等の問題が発生する。このように、異形押出し成形においてはポリマーアロイの溶融粘度は最も重要な物性の一つである。
このようにして得られた成形体は、ポリエステルの特徴である、高剛性、高引張り強度を有している。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例]
樹脂組成物に使用した材料は次の通りである。
(1)ポリエステル樹脂(A):
PET樹脂;極限粘度(IV)=0.74dl/g
(2)エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル
共重合体(B)
エチレン単位を67重量%、ノルマルブチルアクリレート単位を28重量%、グリシジルメタクリレート単位を5重量%含有する共重合体;MFR=12g/10分
(3)エチレン共重合体(C)
エチレン・1−ヘキセン共重合体(直鎖低密度ポリエチレン);密度=0.905g/cm3、MFR=1g/10分、1−ヘキセン含量6重量%
(4)プロピレン系重合体
プロピレン・エチレンブロック共重合体;密度=0.91g/cm3、MFR=1.7
g/10分、エチレン含量7重量%
(5)カルボン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(E)
MFR=0.2g/10分、エチレン含量=80モル%のエチレン・プロピレン共重合体に無水マレイン酸を1重量%グラフト共重合した共重合体
(6)二無水ピロメリット酸(F)
関東化学(株)の試薬を使用した。
樹脂組成物の各試験片物性は次の方法で行った。
(1)引張り試験:
ASTM D−638に準拠し、23℃で測定した。
(2)曲げ試験:
ASTM D−790に準拠し、23℃で測定した。
(3)IZOD衝撃強度:
ASTM D−638に準拠し、−20℃でノッチ付きで測定した。
(4)溶融粘度:
JIS K 7199 法に準じ、270℃でポリマーアロイを溶融し、直径1mm、長
さ30mmのキャピラリー内を押出し測定した。
(製造例1〜8)
ポリエステル樹脂(A)、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B)、エチレン共重合体(C)、プロピレン系重合体(D)を表1に記載の割合で、直径50mm、L/D=28の一軸押出し機で、265℃でメルトブレンドし、ペレット状とした。なお、この押出し前に、ポリエステル樹脂に含まれている水分は予め乾燥し、その割合を100ppm以下とした。
このペレットを80トン射出成形機(東洋機械金属株式会社製 Ti−80G2)に供給し、シリンダー温度280℃、金型温度30℃の条件にて、非晶状態にて試験片を作成した。
成形した試験片で、引っ張り試験、曲げ試験、IZOD衝撃強度を測定し、その結果を表1に記載した。なお、溶融粘度はペレットを用いて測定した。
(比較製造例1〜3)
各成分の混合割合を表1に記載したように変更したこと以外は、製造例1〜8と同様な条件で、試験片を作成し、試験片物性を同じ表1に記した。比較製造例1は、PET樹脂(A)とエチレン共重合体(C)との組み合わせ、比較製造例3はPET樹脂(A)とプロピレン系重合体(D)の二成分系の組み合わせであり、何れもエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジルの共重合体(B)を含まない配合系での試験片物性を示した。
Figure 2005247970
上記表1にPET樹脂含量が25〜94重量%の広範囲の樹脂組成物を評価したが、何れの配合系においても、引張り破断伸びから判断し、良好なブレンド性能を示している。一方、エチレン共樹脂(C)を採用したアロイの曲げ弾性率を見ると、柔軟な特性から高剛性の特性まで広範囲な物性の調製が可能となる。プロピレン系重合体(D)を使用した場合には、エチレン共重合体(C)を用いた場合よりも更に高剛性の材料となる。
本発明のポリマーアロイの大きな特長の一つは、−20℃の温度におけるノッチつきIZOD衝撃強度が40J/m以上である点であり、耐衝撃性能は極めて良好である事がわかる。更に、押出し成形加工性の指標となる溶融粘度は、成形温度270℃、ずり速度12.1sec-1において、1000Pa・s以上であり、この溶融粘度であると容易に成形する事が可能となる。製造例6に於いては、PET樹脂(A)の含量が94重量%の場合に、無水二ピロメリット酸を0.2重量%添加した例を示しており、溶融粘度は2000Pa・s以上への向上しており、PET樹脂含量が高い場合に本材料の添加は有効である。
一方、比較製造例1〜3の物性をみると、衝撃強度、溶融粘度の何れも低く、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B)が必須である事が分かる。また、比較製造例2では、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B)の一部をカルボン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(E)に替えた例を示した。本例では、機械物性は良好な状態であるが、押出し成形の場合には、溶融粘度低く成形安定性に欠ける。
表1に示した結果を総合的に判断すると、このポリマーアロイの構成にとって、ポリエステル樹脂(A)、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B)、エチレン共重合体(C)の3成分系の組み合わせ、または、ポリエステル樹脂(A)、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B)、プロピレン系重合体(D)の組み合わせは有効である。更に、ポリエステル樹脂(A)、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B)、カルボン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(E)、エチレン共重合体(C)を組み合わせた4成分系の組み合わせも有効である。もちろんエチレン共重合体(C)に変えて,プロピレン系重合体(D)を使用する事も可能である。
次に、具体的な成形加工品として、異形押出し成形の実施例を示す。
上記製造例1に示す樹脂を用い、PET樹脂/エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体/エチレン共重合体=25/5/70重量%の割合で、前述の一軸押出機でペレット化し異形押出し原料とした。本アロイの溶融粘度は3544Pa・s(270℃ at12.1sec-1)を示し、成形可能な溶融粘度を持って
いる。なお、異形押出し成形前に加水分解を抑える為に110℃にて4時間乾燥した。
異形押出しは、先端に厚さ2mmt、一片の長さ30mmのL型ダイを持つ異形押出し機で成形した。
成形条件は、成形機の先端温度を210℃及び240℃の2水準で樹脂を溶融し、スクリュー回転数30min-1、引き取り速度3.5m/minの条件にて、成形体を引き取り、水槽にて冷却後L型の成形体を得た。
溶融粘度が十分に高い為、引き取り時に樹脂が垂れることは無く、安定した運転が可能
であった。
なお、本成形温度は、PET樹脂の融点(約255℃)よりも低温度としたが、これはPET含量が概ね20〜50重量%の場合の、ポリマーアロイのモルホロジーは、海相がポリエチレン、島相がポリエステルの構造をとるため、ポリエステルはフィラーとしてポリエチレン相に分散した状態となる。その結果、ポリエステルの融点以下での成形が可能となり、ポリエステルの加水分解の影響を抑えられるばかりでなく、押出し成形時の溶融粘度を高く保つことが出来るので一段と成形が容易となる。
本成形体は、PET樹脂含量25重量%と少ない為、柔軟な特性を持っている。表面は平滑で、成形方向のどの部分も、厚み・巾が揃った均一な成形体が得られた。
上記製造例5に示すPET樹脂/エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体/エチレン共重合体=85/12/3重量%で評価した。この場合も、一軸押出し機で予めペレット化し異形押出し原料とした。ペレットは前の実施例1と同様に成形前に,110℃にて4時間乾燥した。この場合の成形温度は成形機先端部の温度を270℃に設定した。本アロイの溶融粘度は2550Pa・s(270
℃ at12.1sec-1)であった。この場合も、安定した運転が可能であった。
本配合では、PET樹脂含量が85重量%と高いので、成形体は高剛性の特性の特性を持ち、表面が平滑かつ光沢を持った成形体が得られた。この場合も、成形方向のどの部分も、厚み・巾が揃っていた。
更にPET含量の高い、製造例6に示すPET樹脂/エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体/エチレン共重合体=94/5/1重量%の系での成形を試みた。この場合、成形性を更に安定させる為に無水二ピロメリット酸を上記配合系に0.2重量%重量%追添加した。
溶融粘度は2190Pa・sと高い為、成形は容易であった。この場合も成形機の先端部分の温度は270℃に設定した。
成形体は更に剛性を持ち、表面が平滑で光沢があった。
(比較例1)
比較製造例1に示した樹脂組成で同様に異形押出し成形を行った。溶融粘度が660Pa・sと低いため、金型から樹脂を引き取る際に樹脂が垂れるドローダウン現象が目立つようになり、製品の形状が保てず、安定した成形は出来なかった。

Claims (8)

  1. 極限粘度(IV)が0.60〜1.0dl/gの範囲にあるポリエステル樹脂(A);20〜50重量%と、
    エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B);1〜20重量%と、
    密度が0.93g/cm3未満であり、かつ共重合成分単位含量が1〜10mol%の
    エチレン共重合体(C);49〜79重量%と
    からなり(ここで、(A)、(B)、(C)の合計量が100重量%である。)、溶融粘度が1,000Pa・s以上であることを特徴とするポリエステル系ポリマーアロイ。
  2. 極限粘度(IV)が0.60〜1.0dl/gの範囲にあるポリエステル樹脂(A);50〜94重量%と、
    エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B);1〜20重量%と、
    密度が0.93g/cm3未満であり、かつ共重合成分単位含量が1〜10mol%の
    エチレン共重合体(C)および/またはプロピレン系重合体(D);1〜49重量%と
    からなり(ここで、(A)、(B)、(C)、(D)の合計量が100重量%である。)、溶融粘度が1,000Pa・s以上であることを特徴とするポリエステル系ポリマーア
    ロイ。
  3. さらにカルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(E)を0.5〜10重量部含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル系ポリマーアロイ。
  4. 前記ポリエステル樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のポリエステル系ポリマーアロイ。
  5. 前記エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体(B)が、エチレン単位を45〜84重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を15〜40重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル単位を1〜15重量%含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のポリエステル系ポリマーアロイ。
  6. 前記エチレン共重合体(C)が、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であって、結晶性ないし非晶性であり、かつASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフローレートの値が0.1〜20g/10分の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のポリエステル系ポリマーアロイ。
  7. 前記プロピレン系重合体(D)が、プロピレン・エチレンブロック共重合体であることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載のポリエステル系ポリマーアロイ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のポリエステル系ポリマーアロイを、異型押出し成形して得られることを特徴とする異型押出し成形体。
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