JP2002338817A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JP2002338817A JP2002338817A JP2001145614A JP2001145614A JP2002338817A JP 2002338817 A JP2002338817 A JP 2002338817A JP 2001145614 A JP2001145614 A JP 2001145614A JP 2001145614 A JP2001145614 A JP 2001145614A JP 2002338817 A JP2002338817 A JP 2002338817A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温条件下において、透明性の低下が小さ
く、変色しにくい熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂ならびにエポキシ基を有す
るビニル単量体および他のビニル単量体を180〜35
0℃の温度で重合させて得られるビニル単量体を含有す
ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
く、変色しにくい熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂ならびにエポキシ基を有す
るビニル単量体および他のビニル単量体を180〜35
0℃の温度で重合させて得られるビニル単量体を含有す
ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂及び
エポキシ基を有するビニル重合体を含有する熱可塑性樹
脂組成物に関するものである。
エポキシ基を有するビニル重合体を含有する熱可塑性樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ基を有するビニル重合体が添加
された熱可塑性樹脂組成物は知られている。例えば、エ
ポキシ基を有するビニル重合体は、ポリアミドなどの官
能基を有する熱可塑性樹脂及びポリプロピレン樹脂の相
溶化剤として有用である(特開平1−170657号公
報)。また、可塑剤を含有する軟質塩化ビニル樹脂組成
物に添加されて、可塑剤の移行を抑える効果がある(特
開平2−105843号公報)。
された熱可塑性樹脂組成物は知られている。例えば、エ
ポキシ基を有するビニル重合体は、ポリアミドなどの官
能基を有する熱可塑性樹脂及びポリプロピレン樹脂の相
溶化剤として有用である(特開平1−170657号公
報)。また、可塑剤を含有する軟質塩化ビニル樹脂組成
物に添加されて、可塑剤の移行を抑える効果がある(特
開平2−105843号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のエポキシ基を有
するビニル重合体が添加された熱可塑性樹脂は高温条件
下で、透明性が低下し、変色しやすいという問題点があ
る。本発明は、上記のような従来技術の問題点に着目し
てなされたものである。その目的とするところは、高温
条件下でも透明性の低下が小さく、変色しにくい熱可塑
性樹脂組成物を提供することにある。
するビニル重合体が添加された熱可塑性樹脂は高温条件
下で、透明性が低下し、変色しやすいという問題点があ
る。本発明は、上記のような従来技術の問題点に着目し
てなされたものである。その目的とするところは、高温
条件下でも透明性の低下が小さく、変色しにくい熱可塑
性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【発明を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物は、下記の
A成分及びB成分を含有することを特徴とするものであ
る。 A成分:熱可塑性樹脂 B成分:エポキシ基を有するビニル単量体及び他のビニ
ル単量体を180〜350℃の温度で重合させて得られ
るビニル重合体。 請求項2の記載の熱可塑性樹脂組成物は、請求項1に記
載の熱可塑性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂が塩化
ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカー
ボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種類の熱可塑性
樹脂であることを特徴とするものである。請求項3の記
載の熱可塑性樹脂組成物は、請求項1に記載の熱可塑性
樹脂組成物において、エポキシ基を有するビニル重合体
が、末端に二重結合を有するビニル重合体を含み、ビニ
ル重合体全量を基準として、末端に二重結合を有するビ
ニル重合体の割合が、20質量%以上であることを特徴
とするものである。
めに、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物は、下記の
A成分及びB成分を含有することを特徴とするものであ
る。 A成分:熱可塑性樹脂 B成分:エポキシ基を有するビニル単量体及び他のビニ
ル単量体を180〜350℃の温度で重合させて得られ
るビニル重合体。 請求項2の記載の熱可塑性樹脂組成物は、請求項1に記
載の熱可塑性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂が塩化
ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカー
ボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種類の熱可塑性
樹脂であることを特徴とするものである。請求項3の記
載の熱可塑性樹脂組成物は、請求項1に記載の熱可塑性
樹脂組成物において、エポキシ基を有するビニル重合体
が、末端に二重結合を有するビニル重合体を含み、ビニ
ル重合体全量を基準として、末端に二重結合を有するビ
ニル重合体の割合が、20質量%以上であることを特徴
とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態について説明する。本明細書において、(メタ)アク
リルとはアクリルまたはメタクリルを意味する。本発明
の熱可塑性樹脂組成物は、下記のA成分及びB成分を含有
している。 A成分:熱可塑性樹脂 B成分:エポキシ基を有するビニル単量体及び他のビニ
ル単量体を180〜350℃の温度で重合させて得られ
るビニル重合体。
態について説明する。本明細書において、(メタ)アク
リルとはアクリルまたはメタクリルを意味する。本発明
の熱可塑性樹脂組成物は、下記のA成分及びB成分を含有
している。 A成分:熱可塑性樹脂 B成分:エポキシ基を有するビニル単量体及び他のビニ
ル単量体を180〜350℃の温度で重合させて得られ
るビニル重合体。
【0006】A成分は熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹
脂としては、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が
挙げられ、これらの混合物であってもよい。
脂としては、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が
挙げられ、これらの混合物であってもよい。
【0007】B成分は、エポキシ基を有するビニル単量
体及び他のビニル単量体を180〜350℃の温度で重
合させて得られるビニル重合体である。180〜350
℃の重合温度では、重合開始剤や連鎖移動剤を使用する
ことなく、比較的低分子量のビニル重合体が得られる。
このようにして得られるエポキシ基を有するビニル重合
体が添加された成形物は、高温条件下で、透明性の低下
が小さく、変色しにくい。重合温度が180℃未満の場
合、重合開始剤や連鎖移動剤が必要となる。この場合、
成形物は変色しやすく、また、成形物からは好ましくな
い臭気が発生する。重合温度が350℃を超える場合、
重合反応中に分解反応が起きやすく、成形物が変色しや
すい。
体及び他のビニル単量体を180〜350℃の温度で重
合させて得られるビニル重合体である。180〜350
℃の重合温度では、重合開始剤や連鎖移動剤を使用する
ことなく、比較的低分子量のビニル重合体が得られる。
このようにして得られるエポキシ基を有するビニル重合
体が添加された成形物は、高温条件下で、透明性の低下
が小さく、変色しにくい。重合温度が180℃未満の場
合、重合開始剤や連鎖移動剤が必要となる。この場合、
成形物は変色しやすく、また、成形物からは好ましくな
い臭気が発生する。重合温度が350℃を超える場合、
重合反応中に分解反応が起きやすく、成形物が変色しや
すい。
【0008】上記のように構成されるビニル重合体は、
エポキシ基を有するビニル単量体及び他のビニル単量体
を、公知の方法で重合させることにより製造される。ビ
ニル重合体の好ましい製造方法としては、特表昭57−
502171号公報、特表昭59−6207号公報、及
び特表昭60−215007号公報に開示される撹拌槽
式反応器を使用する高温連続重合による方法がある。す
なわち、所定の温度及び圧力に設定された反応器内に上
記の単量体の混合物を一定の供給速度で連続して供給
し、その供給量に見合う量の反応液を抜き出す方法であ
る。これらの重合は高温で行われるので、分子量分布の
小さいエポキシ基を有するビニル重合体が製造される。
なお、重合開始剤の使用は任意である。重合開始剤を使
用する場合、重合開始剤の構成原料中の好ましい使用濃
度は1質量%以下である。
エポキシ基を有するビニル単量体及び他のビニル単量体
を、公知の方法で重合させることにより製造される。ビ
ニル重合体の好ましい製造方法としては、特表昭57−
502171号公報、特表昭59−6207号公報、及
び特表昭60−215007号公報に開示される撹拌槽
式反応器を使用する高温連続重合による方法がある。す
なわち、所定の温度及び圧力に設定された反応器内に上
記の単量体の混合物を一定の供給速度で連続して供給
し、その供給量に見合う量の反応液を抜き出す方法であ
る。これらの重合は高温で行われるので、分子量分布の
小さいエポキシ基を有するビニル重合体が製造される。
なお、重合開始剤の使用は任意である。重合開始剤を使
用する場合、重合開始剤の構成原料中の好ましい使用濃
度は1質量%以下である。
【0009】エポキシ基を有する単量体の具体例として
は、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル
酸β−メチルグリシジル等が挙げられる。エポキシ基を
有するビニル単量体単位の量は、B成分全構成単位の5
〜90質量%の範囲が好ましい。5質量%を下まわる
と、所望の効果が得られない。90質量%を上まわると
得られた熱可塑性樹脂組成物の成形性が低下する。
は、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル
酸β−メチルグリシジル等が挙げられる。エポキシ基を
有するビニル単量体単位の量は、B成分全構成単位の5
〜90質量%の範囲が好ましい。5質量%を下まわる
と、所望の効果が得られない。90質量%を上まわると
得られた熱可塑性樹脂組成物の成形性が低下する。
【0010】一方、他のビニル単量体の具体例として
は、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル
等が挙げられる。他のビニル単量体単位の量は、B成分
全構成単位の10〜95質量%の範囲が好ましい。
は、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル
等が挙げられる。他のビニル単量体単位の量は、B成分
全構成単位の10〜95質量%の範囲が好ましい。
【0011】熱可塑性樹脂組成物に含まれるB成分の量
は、A成分100質量部に対して好ましくは1〜50質
量部である。1質量部を下まわると、所望の効果が得ら
れない。50質量部を上まわると、得られた熱可塑性樹
脂組成物の成形性が低下する。
は、A成分100質量部に対して好ましくは1〜50質
量部である。1質量部を下まわると、所望の効果が得ら
れない。50質量部を上まわると、得られた熱可塑性樹
脂組成物の成形性が低下する。
【0012】エポキシ基を有するビニル重合体には、そ
の末端に二重結合を有するビニル重合体が含まれる。末
端に二重結合を有するビニル重合体は、表面のべとつき
にくい成形物を得るのに効果的である。その理由は、エ
ポキシ基を有するビニル重合体が有する末端二重結合
が、成形物中の他の成分と何らかの反応をするためと推
測している。全ビニル重合体中における、末端に二重結
合を有するビニル重合体の割合は、20質量%以上が好
ましい。二重結合を有するものの割合は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフにより求められる平均分子量及
び核磁気共鳴スペクトルにより求められる二重結合の濃
度から算出することができる。このようにして算出され
た、重合体1分子あたりが有する末端二重結合の平均個
数(末端二重結合の総数を重合体の分子数で割ったも
の)を末端二重結合指数という。
の末端に二重結合を有するビニル重合体が含まれる。末
端に二重結合を有するビニル重合体は、表面のべとつき
にくい成形物を得るのに効果的である。その理由は、エ
ポキシ基を有するビニル重合体が有する末端二重結合
が、成形物中の他の成分と何らかの反応をするためと推
測している。全ビニル重合体中における、末端に二重結
合を有するビニル重合体の割合は、20質量%以上が好
ましい。二重結合を有するものの割合は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフにより求められる平均分子量及
び核磁気共鳴スペクトルにより求められる二重結合の濃
度から算出することができる。このようにして算出され
た、重合体1分子あたりが有する末端二重結合の平均個
数(末端二重結合の総数を重合体の分子数で割ったも
の)を末端二重結合指数という。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、A成分及
びB成分以外のその他の成分として、体質顔料、着色顔
料、可塑剤、架橋剤、などが添加されたものであっても
よい。
びB成分以外のその他の成分として、体質顔料、着色顔
料、可塑剤、架橋剤、などが添加されたものであっても
よい。
【0014】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形
態をさらに具体的に説明する。なお、以下の各例におけ
る「部」は「質量部」を意味する。 (製造例1)単量体混合液を調製し、原料タンクに貯蔵
した。単量体混合液は、メタクリル酸グリシジル(以
下、GMAという。)50部、スチレン49部(以下、
Stという。)、メタクリル酸メチル(以下、MMAと
いう。)1部、キシレン20部、及びジ−t−ブチルパ
ーオキサイド0.2部を含む。熱媒油を備えた容量50
0mlの加圧式攪拌槽型反応器を、3−エトキシプロピ
オン酸エチルで満たした。反応器内温度を165℃に維
持し、圧力調節器により反応器内の圧力を1.5MPa
に調整した。反応器の圧力を一定に保ちながら、単量体
混合液を原料タンクから反応器に連続的に供給した。こ
のとき、単量体混合液の反応器内での滞留時間が12分
となるように供給速度を設定した。詳しくは、単量体溶
液は一定の供給速度(41g/分)で反応器に供給され
た。また、単量体混合液の供給体積と等しい体積の反応
物を反応器の出口から連続的に抜き出した。単量体混合
液の供給開始直後に反応器内温度が一旦低下した。その
後、重合熱により、反応器内温度が上昇した。ヒータの
制御により、反応温度は190℃に保持された。反応温
度が安定した時点から、反応液の回収を開始した(回収
開始時)。回収開始時から49分間にわたって、反応を
継続した。これにより、2000gの単量体混合液が供
給され、反応器から抜き出された反応液を薄膜蒸発器に
導入した。240℃、30kPaの雰囲気下で、反応液か
ら未反応単量体及び溶剤等の揮発成分を除去した。これ
により、約1700gの固形樹脂(重合体1)が得られ
た。重合体1のガスクロマトグラフ分析の結果によれ
ば、重合体1中の未反応単量体は1.2%以下であるこ
とが分かった。
態をさらに具体的に説明する。なお、以下の各例におけ
る「部」は「質量部」を意味する。 (製造例1)単量体混合液を調製し、原料タンクに貯蔵
した。単量体混合液は、メタクリル酸グリシジル(以
下、GMAという。)50部、スチレン49部(以下、
Stという。)、メタクリル酸メチル(以下、MMAと
いう。)1部、キシレン20部、及びジ−t−ブチルパ
ーオキサイド0.2部を含む。熱媒油を備えた容量50
0mlの加圧式攪拌槽型反応器を、3−エトキシプロピ
オン酸エチルで満たした。反応器内温度を165℃に維
持し、圧力調節器により反応器内の圧力を1.5MPa
に調整した。反応器の圧力を一定に保ちながら、単量体
混合液を原料タンクから反応器に連続的に供給した。こ
のとき、単量体混合液の反応器内での滞留時間が12分
となるように供給速度を設定した。詳しくは、単量体溶
液は一定の供給速度(41g/分)で反応器に供給され
た。また、単量体混合液の供給体積と等しい体積の反応
物を反応器の出口から連続的に抜き出した。単量体混合
液の供給開始直後に反応器内温度が一旦低下した。その
後、重合熱により、反応器内温度が上昇した。ヒータの
制御により、反応温度は190℃に保持された。反応温
度が安定した時点から、反応液の回収を開始した(回収
開始時)。回収開始時から49分間にわたって、反応を
継続した。これにより、2000gの単量体混合液が供
給され、反応器から抜き出された反応液を薄膜蒸発器に
導入した。240℃、30kPaの雰囲気下で、反応液か
ら未反応単量体及び溶剤等の揮発成分を除去した。これ
により、約1700gの固形樹脂(重合体1)が得られ
た。重合体1のガスクロマトグラフ分析の結果によれ
ば、重合体1中の未反応単量体は1.2%以下であるこ
とが分かった。
【0015】重合体1の諸物性について説明する。テト
ラヒドロフラン溶媒を使用したゲルパーミエーションク
ロマトグラフから、まず、重合体1の分子量を求めた。
その分子量をポリスチレン換算して、重合体1の数平均
分子量(以下、Mnという。)を算出した。重合体1の
Mnは10200であり、重量平均分子量(以下、Mw
という。)は20500であった。重合体1の多分散度
は2.01であった。重合体1のエポキシ価を塩酸−ジ
オキサン法により測定した。そのエポキシ価は、3.2
meq/gであった。重合体1の末端二重結合指数は
0.29であった。
ラヒドロフラン溶媒を使用したゲルパーミエーションク
ロマトグラフから、まず、重合体1の分子量を求めた。
その分子量をポリスチレン換算して、重合体1の数平均
分子量(以下、Mnという。)を算出した。重合体1の
Mnは10200であり、重量平均分子量(以下、Mw
という。)は20500であった。重合体1の多分散度
は2.01であった。重合体1のエポキシ価を塩酸−ジ
オキサン法により測定した。そのエポキシ価は、3.2
meq/gであった。重合体1の末端二重結合指数は
0.29であった。
【0016】(製造例2)GMA50部、St49部、
MMA1部およびアゾイソブチロニトリル2部を加えた
単量体混合液を、還流下にあるキシレン67部中に徐々
に添加し、滴下終了後6時間重合した。重合終了後、減
圧下に反応液から未反応単量体及び溶剤等の揮発成分を
除去し、比較重合体2を得た。ガスクロマトグラフ分析
の結果によれば、比較重合体2中の未反応単量体は1.
2%以下であることが分かった。重合体1の場合と同様
の方法を用いて比較重合体2の物性を調べた。比較重合
体2のMnは5500であり、Mwは21000であっ
た。比較重合体2の多分散度は3.82であった。比較
重合体2のエポキシ価は、3.2meq/gであった。
比較重合体2の末端二重結合指数は0であった。
MMA1部およびアゾイソブチロニトリル2部を加えた
単量体混合液を、還流下にあるキシレン67部中に徐々
に添加し、滴下終了後6時間重合した。重合終了後、減
圧下に反応液から未反応単量体及び溶剤等の揮発成分を
除去し、比較重合体2を得た。ガスクロマトグラフ分析
の結果によれば、比較重合体2中の未反応単量体は1.
2%以下であることが分かった。重合体1の場合と同様
の方法を用いて比較重合体2の物性を調べた。比較重合
体2のMnは5500であり、Mwは21000であっ
た。比較重合体2の多分散度は3.82であった。比較
重合体2のエポキシ価は、3.2meq/gであった。
比較重合体2の末端二重結合指数は0であった。
【0017】(実施例及び比較例)熱可塑性樹脂組成物
を高温条件下に保管して、組成物の透明性及び変色の評
価を行った。重合体1または比較重合体2を5部又は1
0部と、塩化ビニル樹脂100部、可塑剤ジオクチルフ
タレート(以下、DOPという。)50部及び熱安定剤
3部とを混合し、混練した。混練物を厚さ1mmのシー
トに成形した。その成形体について以下のように高温条
件下での透明性の変化及び変色を評価した。塩化ビニル
樹脂としてはヴィテック株式会社製の商品名PVC T
S1100を使用し、可塑剤DOPはチッソ株式会社製
のジ−2−エチルヘキシルフタレート(Mw:390.
6、粘度:52cP)を使用し、熱安定剤としては旭電
化工業株式会社製の商品名アデカスタブRup−14を
使用した。
を高温条件下に保管して、組成物の透明性及び変色の評
価を行った。重合体1または比較重合体2を5部又は1
0部と、塩化ビニル樹脂100部、可塑剤ジオクチルフ
タレート(以下、DOPという。)50部及び熱安定剤
3部とを混合し、混練した。混練物を厚さ1mmのシー
トに成形した。その成形体について以下のように高温条
件下での透明性の変化及び変色を評価した。塩化ビニル
樹脂としてはヴィテック株式会社製の商品名PVC T
S1100を使用し、可塑剤DOPはチッソ株式会社製
のジ−2−エチルヘキシルフタレート(Mw:390.
6、粘度:52cP)を使用し、熱安定剤としては旭電
化工業株式会社製の商品名アデカスタブRup−14を
使用した。
【0018】・透明性の評価 3cm平方の試験片を用意した。その試験片をオーブン
180℃で70分間又は160分間加熱処理した。日本
電子工業株式会社製の色差計Σ80を用い加熱処理前後
のHAZEを測定し、透明性の変化を評価した。結果を
表1に示す。表1において、Hの値が小さいほど透明性
が良好であることを示す。
180℃で70分間又は160分間加熱処理した。日本
電子工業株式会社製の色差計Σ80を用い加熱処理前後
のHAZEを測定し、透明性の変化を評価した。結果を
表1に示す。表1において、Hの値が小さいほど透明性
が良好であることを示す。
【0019】
【表1】
【0020】・変色の評価 b値の変化(Δb)によって変色を評価した結果を表2
に示す。Δbの絶対値が小さいほど変色が少ないことを
意味する。
に示す。Δbの絶対値が小さいほど変色が少ないことを
意味する。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、高温条件下で、透明性
の低下が小さく、変色しにくい熱可塑性樹脂組成物を得
ることができる。
の低下が小さく、変色しにくい熱可塑性樹脂組成物を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA01W BB12W BC07X BD04W BG04X BG05X BG07X BN15W CD19X CG00W CL00W 4J100 AB02Q AB03Q AL03Q AL04Q AL09Q AL10P CA04 CA27 FA28
Claims (3)
- 【請求項1】 下記のA成分及びB成分を含有すること
を特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 A成分:熱可塑性樹脂 B成分:エポキシ基を有するビニル単量体及び他のビニ
ル単量体を180〜350℃の温度で重合させて得られ
るビニル重合体 - 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂は、塩化ビニル樹脂、
ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂
から選ばれる少なくとも1種類の熱可塑性樹脂である請
求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記ビニル重合体は、末端に二重結合を
有するビニル重合体を含み、ビニル重合体全量を基準と
して、末端に二重結合を有するビニル重合体の割合が、
20質量%以上である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001145614A JP2002338817A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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JP2005060439A (ja) * | 2003-08-18 | 2005-03-10 | Toagosei Co Ltd | 樹脂組成物 |
JP2005517061A (ja) * | 2002-02-01 | 2005-06-09 | ジョンソン ポリマー エルエルシー | 縮合ポリマーの処理、後処理およびリサイクルのためのオリゴマー型鎖伸長剤、合成、組成および用途 |
US7205362B2 (en) * | 2002-12-13 | 2007-04-17 | bioMérieux | Method for controlled radical polymerization |
WO2011148992A1 (ja) * | 2010-05-26 | 2011-12-01 | 株式会社細川洋行 | ポリエチレンテレフタレートフィルム、その製造方法およびそれに用いられる樹脂組成物 |
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