JPH0762116A - 金属ラミネート用ポリエステル系フイルム、ラミネート金属板及び金属容器 - Google Patents

金属ラミネート用ポリエステル系フイルム、ラミネート金属板及び金属容器

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JPH0762116A
JPH0762116A JP20761793A JP20761793A JPH0762116A JP H0762116 A JPH0762116 A JP H0762116A JP 20761793 A JP20761793 A JP 20761793A JP 20761793 A JP20761793 A JP 20761793A JP H0762116 A JPH0762116 A JP H0762116A
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polyester
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JP20761793A
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Katsuro Kuze
勝朗 久世
Hiromu Nagano
煕 永野
Saburo Ota
三郎 太田
Tsutomu Isaka
勤 井坂
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制缶工程でのフイルムの耐スクラッチ性がな
く生産性が良好でかつレトルト処理などの加熱によるオ
リゴマーの溶出の少ない金属ラミネート用フイルムを提
供することにある。 【構成】 平均径が0.5〜5μmの無機微粒子を0.
3〜5wt%を含み、エチレンテレフタレート環状三量
体含有量が0.7wt%以下である金属ラミネート用ポ
リエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、清涼飲料、ビール、缶
詰等の主として食料品用の金属材料に使用されるラミネ
ート用フイルム、及び該フイルムによってラミネートさ
れたラミネート金属板、並びに該ラミネート金属板を缶
状に成形してなる金属容器に関するものである。さらに
詳しくは、製缶工程でのフイルムの耐スクラッチ性が優
れており製缶の生産性が良好で、かつレトルト処理等食
品充填後の加熱処理によるフイルムよりのオリゴマーの
溶出量が抑制されたラミネート用フイルム、及び該フイ
ルムによってラミネートされたラミネート金属板、並び
に該ラミネート金属板を缶状に成形してなる金属容器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属缶の内面および外面の腐食防止には
一般的には塗料が塗布され、その塗料は熱硬化樹脂が使
用されている。また熱可塑性樹脂を用いる方法がある。
たとえばポリオレフィンフィルを加熱したティンフリー
スチールにラミネートしたり、あるいはポリプロピレン
樹脂をラミネートすることが試みられている。また、さ
らに耐熱性の良好なポリエステル系フイルムを金属板に
ラミネートし、該ラミネート金属板を用いた金属缶に利
用することが検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】熱硬化性樹脂塗料を塗
装する方法は、その多くは溶剤型であり塗膜の形成には
150〜250℃の高温と数分という長時間加熱が必要
であり、かつ焼き付け時に多量の有機溶剤が飛散し、工
程の簡素化や公害防止等の改良が嘱望されている。ま
た、上記のような条件で塗布しても少量の有機溶剤が塗
膜中に残存し食料品を充填した場合に該有機溶剤が食料
品に移行し食料品の味や臭いに悪影響をおよぼす。ま
た、塗料中に含まれる添加剤や架橋反応の不完全さに基
因する低分子量物質が食料品に移行し残存有機溶剤と同
様の悪影響をおよぼす。熱可塑性樹脂フイルムを用いる
方法は上記した課題のうち工程の簡素化や公害防止等の
点の課題は解決できるが、たとえば、ポリエチレンやポ
リプロピレン系のオレフィン樹脂フイルムを用いた場合
は、耐熱性が低くレトルト処理で白色化し剥離すること
がある。また、オレフィン樹脂フイルムはやわらかいた
め耐スクラッチ性が劣るという問題を有している。フイ
ルムの耐スクラッチ性が劣ると、たとえば製缶工程でラ
ミネート金属板の毎葉を移送する時や巻締め加工等の加
工工程でフイルム表面にスクラッチ傷が発生し、商品価
値が落ちるという問題がある。さらに、残留溶剤の移行
による食料品の味や臭いに悪影響をおよぼす点は解決さ
れるが、オレフィン樹脂フイルムは成膜時に発生した低
分子量物質や熱安定剤等の添加剤の食料品への移行によ
る食料品の味や臭いに悪影響をおよぼす。また、オレフ
ィン樹脂フイルムは耐フレーバー性に劣り食料品中の香
気成分が吸着するという問題がある。
【0004】一方、熱可塑性樹脂フイルムのうちポリエ
ステル系フイルムを用いる方法は、上記したポリオレフ
ィン樹脂フイルムが有している問題点が改良されており
最も好ましい方法である。ポリエステル系フイルムは、
オレフィン樹脂フイルムの比べ耐スクラッチ性は良好で
あるが通常のポリエステルフイルムではそのレベルが充
分でなくその改良が嘱望されていた。該ポリエステルフ
イルムの耐スクラッチ性を改良する方法としてポリエス
テルフイルムの表面に潤滑性や耐スクラッチ性に優れた
有機被膜をコーティング法で形成するコーティング被膜
法が提案されている。確かに、該コーティング被膜法で
耐スクラッチ性は改良されるが、有機被膜を形成させる
コーティング過程で有機溶剤を使用する必要があり、そ
の溶剤の極く一部が被膜層に残存し食料品を充填した場
合に該有機溶剤が食品の味や臭いに悪影響をおよぼすと
いう問題を有している。また、有機被膜層から低分子量
物質が溶出し残存有機溶剤と同様の悪影響をおよぼすと
いう問題を有している。
【0005】さらに、耐熱性が優れており熱安定剤等の
添加剤の添加が不要であり、かつ、耐熱性が良好であり
低分子量物質の生成も少なくポリオレフィン樹脂フイル
ムに比べ添加剤や低分子量物質の移行による食料品の味
や臭いの問題は大巾に改良される。しかし、ポリエチレ
ンテレフタレートを主成分としたポリエステル系フイル
ムには重合工程や成膜工程で生成したエチレンテレフタ
レート環状三量体が含まれており該エチレンテレフタレ
ート環状三量体が食料品に移行したり、ラミネートフイ
ルムの表面に該エチレンテレフタレート環状三量体が析
出し、美観が損なわれるという課題がありその解決が望
まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した点を解決するた
めに鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、平均粒径が0.5〜5μmの無機
微粒子0.3〜5重量%を含むポリエステルより形成さ
れたことを特徴とする金属ラミネート用ポリエステル系
フイルムである。さらに好ましい実施態様は、上記した
ポリエステル系フイルム中のエチレンテレフタレート環
状三量体含有量が0.7重量%以下であることを特徴と
する金属ラミネート用ポリエステル系フイルムである。
そして、上記したフイルムをブリキやアルミニウム等の
金属板にラミネートすることでラミネートすることでラ
ミネート金属板を得ることができ、更にこのラミネート
金属板を常法により製缶を行なうことで得た金属容器で
ある。本発明に用いられるポリエステルはその構成成分
のうち70モル%以上がエチレンテレフタレート単位よ
りなることが必要である。エチレンテレフタレート単位
よりなることが必要である。エチレンテレフタレート単
位が70モル%未満では、耐熱性が低下したとえば金属
缶材にラミネートする場合の加工時にフイルムが伸びた
り、熱収縮による幅縮少、皺の発生等が起るためラミネ
ート条件のマイルド化が必要となり加工の生産性が低下
するとか、ポリエステルの原料費が高くなり経済的に不
利になる等の問題が起り好ましくない。
【0007】テレフタル酸以外の共重合に用いられるジ
カルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニールジカルボン酸等の芳香
酸ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイ
マー酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸等の脂環族ジカルボン酸等が例示できる。
【0008】エチレングリコール以外の共重合に用いら
れるグリコールとしては、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオール、ドデカンメチレングリコール、
ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、シクロヘ
キサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノー
ル誘導体のエチレンオキサイド付加体等の芳香族ジオー
ル類等が例示できる。上記共重合成分の中で、耐フレー
バー性の低下が少ない点よりイソフタル酸やナフタレン
ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸の使用が好まし
い。該ポリエステルは、極限粘度で0.5以上のもので
あることが好ましい。
【0009】本発明に用いられる無機微粒子は、ポリエ
ステルに不活性で、かつ不活性なものであれば特に制限
はない。具体例として、シリカ、アルミナ、ジルコニ
ア、酸化チタン等の金属酸化物、カオリン、ゼオライ
ト、セリサイト、セピオライト等の複合酸化物、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、リン酸カルシウ
ム、リン酸ジルコニウム等のリン酸塩、炭酸カルシウム
等の炭酸塩等を挙げることができる。これらの無機粒子
は天然品であっても合成品であってもかまわない。粒子
の形状も特に制限はない。また、該無機微粒子は単独で
用いてもよいし2種以上を併用しても良い。凝集タイプ
の不定形シリカと球状のシリカやゼオライトとの併用系
が特に好ましい実施態様である。
【0010】該無機微粒子は平均粒径が0.5〜5μm
である必要がある。0.8〜4μmがより好ましい。
0.5μm未満では高温でのフイルムと金属との滑り性
の向上効果が小さく耐スクラッチ性の改良効果が発現し
なくなるので好ましくない。逆に5μmを越えると高温
でのフイルムトと金属との滑り性の向上効果が飽和し、
かつ、摩耗により微粒子の脱落が起りやすくなったりフ
イルムの製膜時にフイルムの破断を引き起したりするの
で好ましくない。該無機粒子のポリエステルへの添加量
は0.3〜5重量%である必要がある。0.5〜3重量
%がより好ましい。0.3重量%未満では高温でのフイ
ルムと金属との滑り性の向上効果が小さく耐スクラッチ
性の改良効果が発現しなくなるので好ましくない。逆
に、5重量%を越えると高温でのフイルムと金属との滑
り性の向上効果が飽和し、かつ、フイルムの製膜性が低
下するので好ましくない。
【0011】該無機粒子のポリエステルフイルムへの添
加は、ポリエステルの製造工程で添加してもよいし、ポ
リエステル樹脂と無機粒子とを溶融混練法で行なっても
かまわない。また、ポリエステルフイルムの製造時に高
濃度の無機粒子を含むマスターバッチで添加してもかま
わない。本発明に用いられるポリエステルフイルムは、
80℃でのフイルムの金属との動摩擦係数が0.45以
下てあることが好ましい。該動摩擦係数が0.45以下
であれば耐スクラッチ性が実用レベルとなる。該動摩擦
係数を低下させるためには前記した範囲の無機粒子を添
加することにより達成できるが、無機粒子と架橋高分子
粒子やポリエステルに対して非相溶の熱可塑性樹脂を併
用することも好ましい実施態様である。
【0012】これらのポリエステルには、必要に応じ
て、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔
料、帯電防止剤、潤滑剤、結晶核剤等を配合させること
は何ら制限を受けない。また、該ポリエステルの製造方
法も何ら制限はなく、エステル交換法あるいは直接重合
法のどちらの製造法で製造されたものであってもかまわ
ない。また、分子量を高めるために固相重合法で製造し
たものであってもかまわない。固相重合法の採用は、後
述のエチレンテレフタレート環状三量体の含有量を低く
する意味で好ましい方法である。
【0013】本発明のポリエステルフイルムはフイルム
中のエチレンテレフタレート環状三量体の含有量が0.
7重量%以下であることが必要である。0.6重量%以
下が好ましく、0.5重量%以下より好ましい。エチレ
ンテレフタレート環状三量体の含有量が0.7重量%を
越えるとレトルト処理等の食料品充填後の加熱処理によ
りフイルムからオリゴマーの溶出が多くなり、缶内面ラ
ミネートフイルムの場合は、食料品にオリゴマー移行し
食品の味に対して悪影響をおよぼすので好ましくない。
また、缶外面ラミネートフイルムの場合は、フイルム表
面にオリゴマーが析出し外観の美観が損われるので好ま
しくない。
【0014】該エチレンテレフタレート環状三量体の含
有量を0.7重量%以下にする方法は特に制限はなく製
膜後のフイルムから水や有機溶剤でエチレンテレフタレ
ート環状三量体を抽出除去することで達成してもよい
し、エチレンテレフタレート環状三量体含有量の少ない
ポリエステルを原料を用いることにより達成してもよ
い。後者の方法を採用するのが経済的であり推奨され
る。エチレンテレフタレート環状三量体含有量の少ない
ポリエステル原料を製造する方法も何ら制限はなく、減
圧加熱処理法、固相重合法、水や有機溶剤による抽出法
およびこれらの方法を組合せた方法等を挙ることができ
る。特に固相重合法でエチレンテレフタレート環状三量
体量を低減させた後、水で抽出し更にエチレンテレフタ
レート環状三量体を低減させる方法は、原料ポリエステ
ル中のエチレンテレフタレート環状三量体含有量が少な
く、かつ、製膜工程でのエチレンテレフタレート環状三
量体の生成量が押さえられるので最も好ましい方法であ
る。
【0015】本発明のポリエステルフイルムは上記の要
件を満足すれば未延伸フイルムであっても、延伸フイル
ムであってもどちらでもかまわない。延伸フイルムの場
合は1軸延伸および2軸延伸のいずれでもかまわないが
等方性より2軸延伸フイルムが好ましい。該フイルムの
製造法も何ら制限を受けない。たとえば、延伸フイルム
の場合は、Tダイ法、チューブラー法のいずれの方法も
適用できる。2軸延伸フイルムが特に好ましい。また、
該ポリエステルフイルムは単層であっても複層であって
もかまわない。
【0016】上記したポリエステルフイルムの金属板へ
のラミネート法も特に限定はなくドライラミネート法や
サーマルラミネート法等を採用することがでる。接着層
の具体例としてはエポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリエステルポリウレタン系樹
脂、イソシアネート系樹脂等あるいはこれらの各種変性
樹脂を挙げることができる。ポリエステルフイルムの上
層に低融点のポリエステル樹脂層を積層した多層フイル
ムを共押出し法で製造し金属板の通電加熱によりサーマ
ルラミネートする方法が推奨される。また、ポリエステ
ルフイルムに接着層を積層した後、金属板とラミネート
する方法では、部分硬化状態で接着剤層をフイルム上に
形成しておき、金属板にラミネートした状態で完全に硬
化させるようにする方法が推奨される。硬化方法として
は熱、光および電子線等の方法が推奨される。
【0017】フイルムのラミネートは片面であっても両
面であってもどちらでもかまわない。両面ラミネートの
場合は同時にラミネートしても逐次でラミネートしても
よい。該ラミネート金属板を用い金属容器への成形法も
何ら制限を受けないが天地を巻締めて内容物を充填する
いわゆる3ピース缶として用いるのが特に推奨される。
【0018】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前述の趣旨を逸脱しない限度に
おいて実施することはいずれのも本発明の技術的範囲に
入る。実施例で用いた測定方法は次の通りである。 (1) 高温摩擦係数 50mm×70mmの接触面積を有する重量1.5kg
の滑走子にフイルムサンプルをセットし、80℃のティ
ンフリーステル板上を速度250mm/分で滑走した時
の動摩擦係数を測定した。
【0019】(2) 耐スクラッチ性 東洋精機(株)製の染色堅牢度摩擦試験機にて、フイル
ムサンプルをセットした荷重400gの摩擦子を80℃
のティンフリーステル板上を100mmの往復距離で3
0往復/分の条件で1分間摩擦処理した後のフイルム表
面の傷を肉眼観察で評価した。 ○:傷が殆んど認められない。 △:部分的に傷が認められる。 ×:全面に傷が認められる。 △以上は実用性がある。
【0020】(3) ポリエステルフイルム中のエチレ
ンテレフタレート環状三量体の定量法 ポリエステルフイルムをヘキサフルオロアルコール/ク
ロロホルム=2/3(V/V)に溶解し、メタノールで
ポリエステルを沈殿させ、沈殿物を 別する。 液を蒸
発乾固をし、該蒸発乾固物をジメチルホルムアミドに溶
解する。該溶液を液体クロマトグラフィー法で展開しエ
チレンテレフタレート環状三量体量を定量した。
【0021】(4) 金属板ラミネートフイルムのオリ
ゴマー溶出量 10cm角の金属板ラミネートフイルムを500ccの
蒸留水とともに、120℃で30分間レトルト処理をす
る。処理後の金属板ラミネートフイルムを風乾し、フイ
ルム表面の状態をルーペで観察しオリゴマー溶出の有無
を判定した。
【0022】実施例1 平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリカ0.6重量%
を含み抽出法で低オリゴマー化した極限粘度が0.70
でエチレンテレフタレート環状三量体量が0.33重量
%のポリエチレンテレフタレート97重量部とポリエチ
レンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールエ
ーテルブロック共重合体3重量部との混合物をTダイ法
で溶融押出し無定形シートとした後、縦方向に90℃で
3.5倍、横方向に3.5倍延伸し、200℃で熱固定
をし、厚さ12μmのフイルムを得た。該ポリエステル
フイルムの片面に接着剤(東洋インク社製のポリウレタ
ン系接着剤「アドコート」および硬化剤の混合物)を固
形分換算でで4g/m2 コーティングし、乾燥し40℃
で24時間エージングしてラミネート用フイルムを得
た。得られたラミネート用フイルムを脱脂処理した冷延
伸鋼板の両面にサーマルラミネート法によってラミネー
トし、両面ラミネート鋼板を得た。得られたフイルムお
よびラミネート鋼板の特性を表1に示す。
【0023】本実施例で得られたフイルムおよびラミネ
ート鋼板は、高温でのフイルムと金属との滑り性が良好
で耐スクラッチ性が実用レベルにあり、かつ、オリゴマ
ーの溶出量も少なく金属ラミネート用フイルムおよびラ
ミネート鋼板として高品質であった。本実施例で得たフ
イルムを缶胴内面および底蓋の内面および外面用として
用い3ピース缶として製缶したが、製缶過程で該フイル
ムの表面にスクラッチ傷が入ることなく高速度で製缶で
き、かつ、該成形缶にコーヒーを充填しレトルト処理を
したがフイルムからのオリゴマーや有機溶剤の移行がな
く味覚の変化が無く商品価値の高いものであった。ま
た、レトルト処理をしても底蓋外面フイルム表面にオリ
ゴマーの析出は認められなかった。
【0024】比較例1 平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリカ量を0.1重
量%とする以外、実施例1と同じ方法で得たフイルムお
よびラミネート鋼板の特性を表1に示す。本比較例で得
られたフイルムおよびラミネート鋼板は高温でのフイル
ムと金属との滑り性が悪く、耐スクラッチ性に劣るもの
であり金属ラミネート用フイルムおよびラミネート鋼板
として低品質であった。本比較例で得たフイルムを用い
実施例1と同様にして3ピース缶として製缶したが、製
缶過程で該フイルムの表面にスクラッチ傷が入り商品価
値の低いものしか得られなかった。
【0025】比較例2 平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリカ量を10重量
%とする以外、実施例1と同じ方法で製膜をしたが、製
膜時のフイルムの破断が多く実用上問題があった。
【0026】比較例3 平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリカ0.1重量%
を含み溶融重合法で製造した極限粘度が0.65でエチ
レンテレフタレート環状三量体含有量が1.0重量%の
ポリエチレンテレフタレートを用いる以外、実施例1と
同様の方法で得たフイルムおよびラミネート鋼板の特性
を表1に示す。本比較例で得られたフイルムおよびラミ
ネート鋼板は高温でのフイルムと金属との滑り性が悪
く、耐スクラッチ性に劣り、かつ、オリゴマー含有量が
高くオリゴマー溶出量が多く、金属ラミネート用フイル
ムおよびラミネート鋼板として低品質であった。本比較
例で得たフイルムを用い実施例1と同様にして3ピース
缶として製缶しコーヒーを充填したが、製缶過程で該フ
イルの表面にスクラッチ傷が入り、かつ、レトルト処理
により底蓋外面のフイルム表面にオリゴマー析出があり
商品価値の低いものであった。
【0027】実施例2 無機粒子として平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリ
カ0.3重量%と平均粒径3.0μmのほぼ単分散の粒
度分布を有する球状のゼオライト1.0重量%を含むポ
リエチレンテレフタレートを用いる以外、実施例1と同
様の方法で得たフイルムおよびラミネート鋼板の特性を
表1に示す。フイルム表面にオリゴマーが析出してい
た。本実施例で得られたフイルムおよびラミネート鋼板
は高温でのフイルムと金属との滑り性が良好で耐スクラ
ッチ性も優れており、かつ、オリゴマー溶出量も少なく
金属ラミネート用フイルムとして高品質であった。本実
施例で得たフイルムを用い実施例1と同様にして3ピー
ス缶として製缶しコーヒーを充填したが、実施例1と同
様に商品価値の高いものであった。
【0028】比較例4 平均粒径1.5μmの凝集タイプシリカに替え、平均粒
径3.0μmのほぼ単分散の粒度分布を有する球状ゼオ
ライトを用いる以外、比較例3と同様の方法で得たフイ
ルムおよびラミネート鋼板の特性を表1に示す。本比較
例で得られたフイルムおよびラミネート鋼板は比較例3
のフイルムと同様に低品質のものであった。
【0029】実施例3 平均粒径2.4μmの凝集タイプのシリカ0.25重量
%と平均粒径2.0μmの球状でほぼ単分散の粒度分布
を有する球状シリカ1.0重量%を含む固相重合法で製
造した極限粘度が0.75でエチレンテレフタレート環
状三量体含有量が0.4重量%のポリエチレンテレフタ
レートを用いる以外、実施例1と同様の方法で得たフイ
ルムおよびラミネート鋼板の特性を表1に示す。本実施
例で得られたフイルムおよびラミネート鋼板は実施例1
と同様に高品質なものであった。また、3ピース缶とし
て製缶しコーヒーを充填したが、実施例1と同様に商品
価値の高いものであった。
【0030】比較例4 平均粒径0.3μmのコロイダルシリカ0.6重量%を
含み溶融重合法で製造した極限粘度が0.65でエチレ
ンテレフタレート環状三量体含有量が1.0重量%のポ
リエチレンテレフタレートを用いる以外、実施例1と同
様の方法で得たフイルムおよびラミネート鋼板の特性を
表1に示す。本比較例で得られたフイルムおよびラミネ
ート鋼板は高温でのフイルムと金属との滑り性が悪く、
耐スクラッチ性に劣り、かつ、オリゴマー含有量が高く
オリゴマー溶出量が多く、金属ラミネート用フイルムお
よびラミネート鋼板として低品質であった。本比較例で
得たフイルムを用い実施例1と同様にして3ピース缶と
して製缶しコーヒーを充填したが、製缶過程で該フイル
の表面にスクラッチ傷が入り、かつ、レトルト処理によ
り底蓋外面フイルムの表面にオリゴマー析出があり商品
価値の低いものであった。
【0031】比較例5 平均粒径10μmの凝集タイプのシリカ0.6重量%を
含み溶融重合法で製造した極限粘度が0.65でエチレ
ンテレフタレート環状三量体含有量が1.0重量%のポ
リエチレンテレフタレートを用いる以外、実施例1と同
様の方法で製膜したが、製膜時のフイルムの破断が多く
実用上問題があった。
【0032】
【発明の効果】本発明の金属ラミネート用ポリエステル
系フイルムは、高温でのフイルムと金属との滑り性に優
れており製缶工程でのフイルム表面の耐スクラッチ性が
良好で高速で製缶ができ、かつ、レトルト処理等食品充
填後の加熱処理によりラミネート用フイルムからのオリ
ゴマーの溶出量が抑制されているのでこれらの処理によ
りオリゴマーの析出による表面外観の低下や食品へのオ
リゴマーの移行が起らないので金属板や金属容器として
極めて有用である。
【0033】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井坂 勤 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡 績株式会社本社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.5〜5μmの無機微粒子
    0.3〜5重量%を含むポリエステルより形成されたこ
    とを特徴とする金属ラミネート用ポリエステル系フイル
    ム。
  2. 【請求項2】 ポリエステル系フイルム中のエチレンテ
    レフタレート環状三量体含有量が0.7重量%以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の金属ラミネート用
    ポリエステル系フイルム。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれか1つに記載のフ
    イルムを金属板にラミネートしたものであるラミネート
    金属板。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のラミネート金属板を使
    用し成形した金属容器。
JP20761793A 1993-08-23 1993-08-23 金属ラミネート用ポリエステル系フイルム、ラミネート金属板及び金属容器 Pending JPH0762116A (ja)

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