JP3801219B2 - ポリエステル系複合フィルム、ラミネート金属板および金属容器 - Google Patents

ポリエステル系複合フィルム、ラミネート金属板および金属容器 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、清涼飲料、ビール、缶詰等の主として食料品用の金属材料にラミネートされるポリエステル系複合フィルム、および該フィルムがラミネートされたラミネート金属板、並びに該ラミネート金属板を例えば缶状に成形してなる金属容器に関するものである。さらに詳しくは、製缶工程でのフィルムの耐スクラッチ性が優れており、製缶の生産性が良好であるうえに、接着剤を用いることなく熱接着ができるので、接着剤に起因する残留溶剤による食料品の味や臭いに対する悪影響が回避でき、かつ、レトルト処理等食品充填後の加熱処理によりラミネートされたフィルムから溶出するオリゴマー量が抑制された金属とのラミネート用に好適なポリエステル系複合フィルム、および該フィルムがラミネートされたラミネート金属板、並びに該ラミネート金属板を缶状に成形してなる金属容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属缶の内面および外面の腐食防止には一般的には塗料が塗布され、その塗料としては熱硬化性樹脂が使用されている。
また、他の方法として、熱可塑性樹脂フィルムを用いる方法がある。例えば、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルムを、加熱したティンフリースチールにラミネートすることが試みられている。さらに、耐熱性の良好なポリエステル系フィルムを金属板にラミネートし、該ラミネート金属板を金属缶に利用することが検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
熱硬化性樹脂塗料を塗装する方法では、その多くは溶剤型塗料が用いられる。その塗膜の形成には150〜250℃で数分という高温・長時間加熱が必要であり、かつ焼き付け時に多量の有機溶剤が飛散するため、工程の簡素化や公害防止等の改良が要望されている。
また、上記のような条件で形成される塗膜中には、少量の有機溶剤が残存することが避けられず、例えば上記塗膜を形成させた金属缶に食料品を充填した場合、有機溶剤が食料品に移行し、食料品の味や臭いに悪影響を及ぼす。さらに、塗料中に含まれる添加剤や架橋反応の不完全さに基因する低分子量物質が食料品に移行し、上記残存有機溶剤と同様の悪影響を及ぼす。
【0004】
熱可塑性樹脂フィルムを用いる方法により、上記課題のうち、工程の簡素化や公害防止等の課題は解決できる。
しかし、熱可塑性樹脂フィルムのうち、例えばポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系フィルムを用いた場合は、耐熱性が低くレトルト処理(加熱処理)により白色化し、ラミネート金属板から剥離することがある。
また、ポリオレフィン系フィルムは柔らかいため、耐スクラッチ性が劣るという問題がある。フィルムの耐スクラッチ性が劣ると、例えば製缶工程でラミネート金属板の毎葉を移送する時や巻締め加工等の加工工程で、フィルム表面にスクラッチ傷が発生し、商品価値が低下するという問題がある。
さらに、ポリオレフィン系フィルムを用いる方法では、熱硬化性樹脂塗料を用いる方法でみられた残留溶剤の移行による問題点は解決されるけれども、成膜時に発生した低分子量物質や熱安定剤等の添加剤の食料品への移行によって、食料品の味や臭いに悪影響を及ぼす。
また、ポリオレフィン系フィルムは、食料品中の香気成分を吸着し、耐フレーバー性に劣る問題がある。
【0005】
一方、熱可塑性樹脂フィルムとして、ポリエステル系フィルムを用いる方法は、上記ポリオレフィン系フィルムが有する問題点が改良され、最も好ましい方法である。
ポリエステル系フィルムは、ポリオレフィン系フィルムに比べて耐スクラッチ性は良好であるが、通常のポリエステル系フィルムでは、そのレベルが充分ではなく、その改良が要望されていた。この耐スクラッチ性の改良方法として、ポリエステル系フィルムの表面に、潤滑性や耐スクラッチ性に優れた有機被膜をコーティング法により形成させるコーティング被膜法が提案されている。確かに、この方法によって耐スクラッチ性は改良されるが、有機被膜形成過程で有機溶剤を使用する必要があり、その溶剤の極く一部が該有機被膜層に残存するため、このフィルムを用いて製造された金属容器に食料品を充填した場合、当該有機溶剤が食料品の味や臭いに悪影響を及ぼすという問題を有する。また、有機被膜層から添加剤や低分子量物質が溶出し、残存有機溶剤と同様の悪影響を及ぼすという問題を有する。
【0006】
また、ポリエステル系フィルムは、耐熱性が優れており熱安定剤等の添加剤が不要であり、かつ低分子量物質の生成も少なく、上記ポリオレフィン系フィルムに比べて該低分子量物質の移行による食料品の味や臭いの問題は大幅に改良される。
しかし、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル系フィルムには、重合工程や成膜工程で生成する低分子量化合物、いわゆるエチレンテレフタレート環状三量体を主体とするオリゴマー(以下、オリゴマーということもある)が含まれており、該オリゴマーがフィルムから溶出して食料品に移行したり、ラミネートフィルム表面に析出して外観を損ねるという問題があり、その解決が望まれていた。
【0007】
本発明の目的は、上記問題が解決された耐スクラッチ性に優れ、オリゴマーの溶出が抑制され、かつ、金属板に対して熱接着が可能なポリエステル系複合フィルムを提供することである。
また、本発明の他の目的は、耐スクラッチ性に優れ、製缶が容易になされるラミネート金属板を提供することである。
さらに、本発明のその他の目的は、加熱処理されても充填された食料品にオリゴマーが移行したり、ラミネートフィルム表面にオリゴマーが析出することがない金属容器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、80℃でのフィルムと金属との動摩擦係数が0.45以下であるポリエステル層(A層)と、融点が180〜240℃であるポリエステル層(B層)とよりなることを特徴とするポリエステル系複合フィルムである。このポリエステル系複合フィルム構成によれば、A層側表面の耐スクラッチ性を向上させることができ、また、B層側を金属板に熱接着することが可能になる。さらに好ましい実施態様は、上記ポリエステル系複合フィルムのA層を構成するポリエステル中のエチレンテレフタレート環状三量体含有量を、0.7重量%以下に調整することである。この構成によれば、複合フィルムが加熱されても該フィルムからオリゴマーの溶出が大幅に抑制されるようになる。
【0009】
また、本発明は、上記複合フィルムのB層側を、ブリキやアルミニウム等の金属板にラミネートしてなるラミネート金属板である。このラミネート金属板の構成によれば、ラミネート表面の耐スクラッチ性が向上し、また、加熱されても該ラミネートフィルムからオリゴマーが溶出することが抑制され、美麗な外観が保たれる。
【0010】
また、本発明は、上記ラミネート金属板を使用して成形されてなる金属容器である。この金属容器の構成によれば、ラミネート金属板のラミネート表面の耐スクラッチ性が向上しているので、製缶におけるスクラッチ傷の発生が抑制され、金属容器の生産性が向上するようになる。また、加熱されても該ラミネートフィルムからオリゴマーが溶出することが抑制され、容器内に充填される食料品の味や臭いが変化することが大幅に抑制されるようになる。
【0011】
本発明に用いられるポリエステルは、主としてポリカルボン酸と多価アルコールが重縮合されてなるものである。
上記ポリカルボン酸成分としてはジカルボン酸が挙げられ、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニールジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等が例示できる。
上記のうち、耐フレーバー性の低下が少ない点から、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸の使用が好ましい。
【0012】
多価アルコール成分としてはグリコールが挙げられ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ドデカンメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノール誘導体のエチレンオキサイド付加体等の芳香族ジオール類等が例示される。好ましくは、エチレングリコールである。
【0013】
また、当該ポリエステルにおいては、構成成分のうち70モル%以上がエチレンテレフタレート単位よりなることが好ましく、80モル%以上がより好ましい。
上記エチレンテレフタレート単位が70モル%未満では、耐熱性が低下しやすく、例えば金属缶材にラミネートする場合の加工時にフィルムが伸びたり、熱収縮による幅縮少や皺の発生等が起こりやすくなる傾向があるため、ラミネート条件のマイルド化が必要となったり、加工の生産性が低下することがあり、また、ポリエステルの原料費が高くなり経済的に不利になることがある。
【0014】
当該ポリエステルは、力学特性の点から、極限粘度が0.5以上のものであることが好ましく、0.55〜0.85程度がより好ましい。
【0015】
本発明のポリエステル系複合フィルムは、80℃におけるフィルムと金属との動摩擦係数が0.45以下であるポリエステル層(A層)と、融点が180〜240℃であるポリエステル層(B層)とからなる複合フィルムとしたことを特徴とする。本発明では、ポリエステル層(A層)の動摩擦係数は、好ましくは0.40〜0.20、より好ましくは0.35〜0.20である。また、ポリエステル層(B層)の融点は、好ましくは200〜230℃である。
【0016】
上記ポリエステル層(A層)の動摩擦係数が0.45以下であれば、耐スクラッチ性が実用レベルとなり、製缶速度を早めても外観の良好な金属容器が得られ、製缶の生産性を向上させることができる。
また、上記B層を構成するポリエステルの融点が180℃未満では、耐熱性が低く、ラミネート加工時にしわが発生したり、また、ラミネート金属板をレトルト処理等の加熱処理をすると、ラミネートフィルムが白色化したり剥離したりするので好ましくない。逆に240℃を越えると、熱接着性が低下し接着剤によるラミネートが必要になり、接着剤に含まれる有機溶剤が残存し食料品の味や臭いに悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0017】
上記A層の動摩擦係数は、ポリエステル樹脂に無機微粒子または架橋高分子粒子あるいはポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂から選ばれた少なくとも1種の成分を配合することで調整できる。本発明では、A層のポリエステル樹脂の動摩擦係数を0.45以下にするために、上記成分をポリエステル全量に対する割合が0.3〜5重量%となるように含有させればよい。
上記成分は単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良いが、例えば無機微粒子と架橋高分子粒子やポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂とを併用することが好ましい。
【0018】
無機微粒子としては、ポリエステルに不溶性で、かつ不活性なものであれば特に制限はない。具体例として、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン等の金属酸化物、カオリン、ゼオライト、セリサイト、セピオライト等の複合酸化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム等のリン酸塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩等を挙げることができる。これらの無機粒子は天然品であっても合成品であってもかまわない。粒子の形状も特に制限はない。また、該無機微粒子は単独で用いてもよいし2種以上を併用しても良い。無機微粒子のみで対応する時は凝集タイプの不定形シリカと球状のシリカやゼオライトとの併用系が特に好ましい。
【0019】
架橋高分子粒子の材料としては、ポリエステルの溶融成形時の温度に耐えうる耐熱性を有するものであれば特に制限はない。たとえば、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のアクリル系単量体、スチレンやアルキル置換スチレン等のスチレン系単量体等とジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメチルアクリレート等の架橋性単量体との共重合体や、メラミン樹脂系、ベンゾグアナミン樹脂系、フェノール樹脂系、シリコーン樹脂系等が挙げられる。
上記材料のうち、アクリル系単量体および/またはスチレン系単量体と架橋性単量体との共重合体が特に好ましい。
該架橋高分子粒子は単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
【0020】
上記架橋高分子粒子は、従来公知の乳化重合法や懸濁重合法等により製造することができる。また、該架橋高分子の粒子径や粒径分布を調整するために、粉砕とか分級等の手段を取り入れるのも何ら制限を受けない。
【0021】
ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスルホン酸系樹脂、全芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
当該熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
また、当該樹脂は粒子状である必要はない。
【0022】
無機微粒子および架橋高分子粒子を用いる場合は、平均粒径が0.5〜5μmを有するものが使用され、好ましくは0.8〜4μmのものが使用される。
上記平均粒径が0.5μm未満では、高温でのフィルムと金属との滑り性の向上効果が小さく耐スクラッチ性の改良効果が発現されにくくなる傾向がある。
逆に5μmを越えると、高温でのフィルムと金属との滑り性の向上効果が飽和したり、摩擦により微粒子の脱落が起こりやすくなる。また、フィルムの製膜時にフィルムの破断を引き起こしやすくなる傾向がある。
【0023】
A層のポリエステル樹脂の動摩擦係数を0.45以下にするためには、上記無機微粒子または架橋高分子粒子あるいはポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂を、ポリエステル全量に対して、当該成分の合計量で0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%含有させればよい。
上記含有量が0.3重量%未満では、高温でのフィルムと金属との滑り性の向上効果が小さくなり、耐スクラッチ性の改良効果が発現されにくくなる傾向がある。逆に5重量%を越えると、高温でのフィルムと金属との滑り性の向上効果が飽和したり、フィルムの製膜性が低下する傾向がある。
【0024】
上記無機微粒子、架橋高分子粒子、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂の配合は、ポリエステルの製造工程で行ってもよいし、ポリエステルに上記成分とを加えて溶融混練してもよい。また、上記成分を高濃度に含むマスターバッチとして添加することもできる。
【0025】
上記A層においては、重合工程や製造工程で生成したエチレンテレフタレート環状三量体(オリゴマー)の含有量は、ポリエステル全量に対する割合で0.7重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.6重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。このことによって該オリゴマーの溶出をより一層抑制することができる。
上記オリゴマーの含有量が0.7重量%を越えると、上記ポリエステル系複合フィルムをラミネートしたラミネート金属板を成形してなる金属容器に食料品を充填した後、レトルト処理等による加熱処理を行うと、フィルムからのオリゴマー溶出が多くなり、該ラミネートフィルムが缶内面ラミネートフィルムの場合は、食料品にオリゴマーが移行し食品の味や臭いに対して悪影響をおよぼすので好ましくない。また、缶外面ラミネートフィルムの場合は、フィルム表面にオリゴマーが析出し外観の美観が損なわれるので好ましくない。
【0026】
ポリエステル系フィルム中のオリゴマーの含有量を0.7重量%以下に調整する方法には特に制限はなく、例えばポリエステル系フィルムを製膜後に、フィルムから水や有機溶剤でエチレンテレフタレート環状三量体を抽出除去することで達成できる。また、エチレンテレフタレート環状三量体含有量の少ないポリエステルを原料として用いることにより達成できる。後者の方法を採用するのが経済的であり推奨される。
上記エチレンテレフタレート環状三量体含有量の少ないポリエステル原料を製造する方法も何ら制限はなく、減圧加熱処理法、固相重合法、水や有機溶剤による抽出法およびこれらの方法を組合せた方法等を挙げることができる。特に固相重合法でエチレンテレフタレート環状三量体量を低減させた後、更に水で抽出しエチレンテレフタレート環状三量体を低減させる方法は、原料ポリエステル中のエチレンテレフタレート環状三量体含有量が少なく、かつ、製膜工程でのエチレンテレフタレート環状三量体の生成量が押さえられるので最も好ましい方法である。
【0027】
なお、上記A層を構成するポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンテレフタレートにポリエーテル成分換算で0.6〜6重量%のポリエステル−ポリオールブロック共重合体を配合した系が特に推奨される。
この構成とすることによって、レトルト処理等の熱水処理により発生するフィルムの白化現象が抑制されるので好ましい。
【0028】
一方、B層を構成するポリエステルの融点の制御は、前記ポリエステルの共重合成分の種類や量を選ぶことにより設定することができる。
本発明では、経済性の点よりポリエチレンテレフタレートとイソフタレートの共重合体の使用が好ましい。
なお、該ポリエステルは、接着強度等の理由から、極限粘度で0.5以上のものであることが好ましい。
【0029】
上記A層形成用およびB層形成用のポリエステルには、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、帯電防止剤、潤滑剤、結晶核剤等を配合させることは何ら制限を受けない。
また、該ポリエステルの製造方法も何ら制限はなく、エステル交換法あるいは直接重合法のどちらの製造法で製造されたものであってもかまわない。また、分子量を高めるために固相重合法で製造したものであってもかまわない。固相重合法の採用は、前記したようにエチレンテレフタレート環状三量体の含有量を低くする意味で好ましい方法である。
【0030】
本発明のポリエステル系複合フィルムのA層厚みは、3〜50μm、好ましくは5〜20μmの範囲が好ましい。3μm未満では、フィルムの取扱い性が難しくラミネート加工性が悪化したり、製缶工程等でピンホールやクラック等の欠陥の発生により耐食性が悪くなる危険があるので好ましくない。逆に、50μmを越えると金属板の耐食性等の保護効果が飽和し経済的でなく、フィルム自体の内部応力が大きくなり、接着性に対して悪影響をおよぼす懸念があるので好ましくない。
【0031】
一方、本発明の複合フィルムのB層厚みは、1〜15μm、好ましくは2〜10μmの範囲が好ましい。1μm未満では、金属板との密着性が不充分となるので好ましくない。逆に、15μmを越える場合は、金属板との密着性が飽和し、かつ、耐熱性が低下するので好ましくない。
【0032】
上記A層およびB層からなるポリエステル系複合フィルムの製造方法としては、上記の要件を満足できるフィルムが形成できれば特に制限はなく、例えば多層押出し法、押出しラミネート法等で製造される。本発明では、経済性の理由から多層押出し法で製造するのが好ましい。
【0033】
本発明のラミネート金属板は、上記ポリエステル系複合フィルムを金属板にラミネートして得られるものである。
用いられる金属板としては、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等が挙げられる。
【0034】
上記したポリエステル系複合フィルムを金属板にラミネートするときは、該複合フィルムのB層表面と金属面とを合わせて行うことが重要である。該組合せとすることにより、初めて本発明の効果を発現することができる。
ラミネート法としては、従来公知の方法が適用でき特に限定されないが、本発明では、有機溶剤フリーが達成でき、残留溶剤による食料品の味や臭いに対する悪影響が回避できるサーマルラミネート法で行うことが好ましい。なかでも、金属板の通電加熱によるサーマルラミネート法が特に推奨される。
なお、本発明では、接着剤を用いて複合フィルムを金属板にラミネートできることはいうまでもない。
【0035】
上記ポリエステル系複合フィルムのラミネートは、金属板の片面であっても両面でもどちらでもかまわない。また、両面ラミネートの場合は、同時にラミネートしても逐次でラミネートしてもよい。
【0036】
また、本発明の金属容器は、上記ラミネート金属板を用いて成形することによって得られる。上記金属容器の成形方法は特に限定されるものではない。
また、その金属容器の形状も特に限定されるものではないが、例えばレトルト食品やコーヒー飲料等の食料品を充填するのに好適な天地蓋を巻締めて内容物を充填する、いわゆる3ピース缶が好ましい。
【0037】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前述の趣旨を逸脱しない限度において実施することはいずれも本発明の技術的範囲に入る。
【0038】
実施例で用いた各種方法は次の通りである。
(1)動摩擦係数の測定
50mm×70mmの接触面積を有する重量1.5kgの滑走子に複合フィルムサンプルを、A層面が表面になるようにセットし、80℃のティンフリースチール板上を速度250mm/分で滑走した時の動摩擦係数を測定した。
(2)耐スクラッチ性試験
東洋精機(株)製の染色堅牢度摩擦試験機にて、複合フィルムサンプルを、A層面が表面になるようにセットし、荷重400gの摩擦子を80℃のティンフリースチル板上を100mmの往復距離で30往復/分の条件で1分間摩擦処理した後のフィルム表面の傷を肉眼観察で評価した。なお、△以上は実用性がある。
○:傷が殆ど認められない。
△:部分的に傷が認められる。
×:全面に傷が認められる。
【0039】
(3)エチレンテレフタレート環状三量体の定量
ポリエステル系複合フィルムのA層ポリエステルをヘキサフルオロイソプロピルアルコール/クロロホルム=2/3(V/V)に溶解し、メタノールでポリエステルを沈殿させ、沈殿物を濾別する。濾液を蒸発乾固し、該蒸発乾固物をジメチルホルムアミドに溶解させる。該溶液を液体クロマトグラフィー法で展開し、該複合フィルムのA層中のエチレンテレフタレート環状三量体量を定量した。
(4)オリゴマー溶出の判定
10cm角のラミネート鋼板を500ccの蒸留水とともに、120℃で30分間レトルト処理をする。処理後のラミネート鋼板を風乾し、そのフィルム表面の状態をルーペで観察し、以下に示す基準に基づきオリゴマー溶出の有無を判定した。
有:フィルム表面にオリゴマーの結晶が観察される。
無:フィルム表面にオリゴマーの結晶が観察されない。
(5)融点の測定
ポリエステル系複合フィルムを300℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷しその10mgを試料とし、10℃/分の速度で昇温していった際に現れる結晶融解に基づく吸熱ピーク温度を、示差走査型熱量計で測定した。
【0040】
実施例1
(複合フィルムの製造)
A層用レジンとして、平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリカ0.1重量%および平均粒径3.0μmのトリメチロールプロパントリメタアクリレートで架橋した球状のポリメチルメタアクリレート粒子1.0重量%を含み抽出法で低オリゴマー化した極限粘度が0.70でエチレンテレフタレート環状三量体量が0.33重量%のポリエチレンテレフタレート(融点254℃)97重量部とポリエチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールエーテルブロック共重合体3重量部との混合物を用いた。一方、B層用レジンとして、平均粒径1μmの球状シリカ0.1重量%を含むテレフタル酸/イソフタル酸(モル比83/17)とエチレングリコールからの共重合ポリエステル(融点215℃)を用いた。上記A層用レジンおよびB層用レジンをそれぞれ別々の押出し機で溶融させ、この溶融体をダイ間で合流させた後、冷却ドラム上に押出し無定形シートとした後、90℃で縦方向に3.5倍、横方向に3.5倍延伸し、200℃で熱固定して、A層厚み9μmおよびB層厚み3μm(総厚み12μm)のポリエステル系複合フィルムを得た。
(ラミネート金属板の製造)
該複合フィルムのB層面を脱脂処理した冷延伸鋼板面に合わせ、230℃に加熱した金属ロールとゴムロールとの間を圧力20Kg/cm2 で通過させてラミネート鋼板を得た。
得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板の特性を表1に示す。
【0041】
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、高温でのフィルムと金属との滑り性が良好で耐スクラッチ性が優れており、かつ、オリゴマーの溶出量も少なく金属ラミネート用フィルムおよびラミネート鋼板として高品質であった。
(金属容器の製造)
本実施例で得たポリエステル系複合フィルムを、缶胴内面および底蓋の内外面にラミネートしたラミネート鋼板を用い、3ピース缶として製缶したところ、製缶過程で該複合フィルムの表面にスクラッチ傷が入ることなく高速度で製缶できた。また、該成形缶にコーヒーを充填しレトルト処理をしたが、上記複合フィルムからオリゴマーや有機溶剤等が移行することなく、味や臭いに変化が無い商品価値の高いものであった。さらに、上記レトルト処理をしても底蓋外面にオリゴマーの析出は認められなかった。
【0042】
実施例2
A層用レジンとして、平均粒径1.5μmの凝集タイプシリカ0.3重量%と平均粒径3.0μmのほぼ単分散の粒径分布を有する球状のゼオライト1.0重量%とを含むポリエチレンテレフタレート97重量部を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、実施例1と同様に高品質のものであった。また、実施例1と同様にして3ピース缶を製造してコーヒーを充填しレトルト処理をしたが、味や臭いに変化が無い商品価値の高いものであった。
【0043】
実施例3
A層用レジンとして、架橋ポリメチルメタアクリレート粒子に替えてポリスチレン樹脂を1重量%用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、実施例1と同様に高品質のものであった。また、実施例1と同様にして3ピース缶として製缶しコーヒーを充填しレトルト処理をしたが、味や臭いに変化が無い商品価値の高いものであった。
【0044】
比較例1
A層用レジンとして、架橋ポリメチルメタアクリレート粒子を用いない以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本比較例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、高温でのフィルムと金属との滑り性が悪く、耐スクラッチ性に劣るものであり金属ラミネート用フィルムおよびラミネート鋼板として低品質であった。
また、実施例1と同様にして3ピース缶として製缶したが、製缶過程で該フィルムの表面にスクラッチ傷が入り商品価値の低いものしか得られなかった。
【0045】
比較例2
実施例1で用いたポリエチレンテレフタレート97重量部に替えて、平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリカ0.1重量%を含み溶融重合法で製造され、極限粘度が0.65、エチレンテレフタレート環状三量体含有量が1.0重量%であるポリエチレンテレフタレート97重量部を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本比較例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、高温でのフィルムと金属との滑り性が悪く、耐スクラッチ性に劣り、かつ、オリゴマー含有量が高く、またオリゴマー溶出量が多く、金属ラミネート用フィルムおよびラミネート鋼板として低品質であった。
また、実施例1と同様にして3ピース缶として製缶したところ、製缶過程で該フィルムの表面にスクラッチ傷が入り、また、缶にコーヒーを充填しレトルト処理したところ、底蓋外面にオリゴマー析出があり商品価値の低いものであった。
【0046】
比較例3
実施例1において、B層用レジンに替えてA層用レジンを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムをえた。得られたフィルムを用いて実施例1と同様にして鋼板にラミネートしたが、接着強度が低く金属ラミネート用フィルムとしては実用性の低いものであった。
【0047】
比較例4
実施例1において、A層用レジンに替えてB層用レジンを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板をえた。これらの特性を表1に示す。
本比較例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、高温でのフィルムと金属との滑り性が悪く、耐スクラッチ性に劣り、かつ、オリゴマー含有量が高く、またオリゴマー溶出量が多く、金属ラミネート用フィルムおよびラミネート鋼板として低品質であった。
また、実施例1と同様にして3ピース缶として製缶したところ、製缶過程で該フィルムの表面にスクラッチ傷が入り、また、缶にコーヒーを充填しレトルト処理したところ、底蓋外面にオリゴマー析出があり商品価値の低いものであった。
【0048】
比較例5
実施例1において、B層用レジンとして、平均粒径1μmの球状シリカ0.1重量%を含むテレフタル酸/イソフタル酸(モル比67/33)とエチレングリコールからの共重合ポリエステル(融点170℃;メトラー社の融点測定装置で測定)を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムを得た。得られたフィルムを用いて実施例1と同様にして鋼板にラミネートしたが、しわの発生があり金属ラミネート用フィルムとしては実用性の低いものであった。
【0049】
実施例4
実施例1の方法において、A層用レジンとして平均粒径2.5μmのほぼ単分散の粒度分布を有する球状のジビニルベンゼンで架橋したポリスチレン粒子1.0重量%を含むポリエチレンテレフタレートを用い、B層用レジンとして平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリカ0.1重量%を含むテレフタル酸/イソフタル酸(モル比88/12)と、エチレングリコールからの共重合ポリエステル(融点225℃)を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルム、ラミネート鋼板および金属缶は、実施例1と同様に高品質であった。
【0050】
比較例6
比較例2において、A層用レジンとして、平均粒径1.5μmの凝集タイプシリカに替えて実施例4で用いた架橋ポリスチレン粒子0.1重量%を用いる以外は、比較例2と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本比較例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、比較例2のものと同様に低品質のものであった。また、3ピース缶として製缶しコーヒーを充填したところ、比較例3のものと同様に商品価値の低いものであった。
【0051】
実施例5
実施例1において、A層用レジンとして、平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリカ0.6重量%を含むポリエチレンテレフタレートを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、高温でのフィルムと金属との滑り性が良好で耐スクラッチ性が実用レベルにあり、かつ、オリゴマーの溶出量も少なく金属ラミネート用フィルムおよびラミネート鋼板として高品質であった。
【0052】
実施例6
実施例1において、A層レジンとして、平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリカ0.3重量%と低密度ポリエチレン1.0重量%を含むポリエチレンテレフタレートを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、高温でのフィルムと金属との滑り性が良好で耐スクラッチ性も優れており、かつ、オリゴマーの溶出量も少なく金属ラミネート用フィルムとして高品質であった。
また、本実施例で得たポリエステル系複合フィルムを用いて実施例1と同様にして3ピース缶として製缶しコーヒーを充填したところ、実施例1と同様に商品価値の高いものであった。
【0053】
実施例7
実施例4において、A層用レジンとして、平均粒径2.4μmの凝集タイプのシリカ0.25重量%と平均粒径2.0μmの球状でほぼ単分散の粒度分布を有するジビニルベンゼンで架橋したブチルアクリレート/メチルメタクリレート/スチレンよりなる粒子1.0重量%を含む固相重合法で製造した極限粘度が0.75でエチレンテレフタレート環状三量体含有量が0.4重量%のポリエチレンテレフタレートを用いる以外は、実施例4と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、実施例1と同様に高品質なものであった。また、3ピース缶として製缶しコーヒーを充填したところ、実施例1と同様に商品価値の高いものであった。
【0054】
実施例8および9
実施例7において、ジビニルベンゼンで架橋したブチルアクリレート/メチルメタクリレート/スチレンよりなる粒子に替え、平均粒径2.0μmの球状でほぼ単分散の粒度分布を有する、球状シリカ1.0重量%を用いた(実施例8)、6ナイロン1.5重量%を用いた(実施例9)以外は、実施例7と同様にしてそれぞれポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルム、ラミネート鋼板および金属缶は実施例7と同様に高品質であった。
【0055】
【表1】
Figure 0003801219
【0056】
【発明の効果】
上記表1からも明らかなように、本発明のポリエステル系複合フィルムは、高温でのフィルムと金属との滑り性に優れており、また、熱接着ができるので、耐スクラッチ性に優れるラミネート金属板を容易に製造でき、金属ラミネート用フィルムとして好適である。
また、ラミネート金属板は、耐スクラッチ性に優れるので、これを用いることによって、高速で製缶がでるようになり、缶の生産性が向上する。
また、ラミネート金属板は、接着剤を使用しないので、接着剤に起因する残留溶剤の溶出がなく、このラミネート金属から製造される金属容器は、食料品を充填しても、食料品の味や臭いに対する悪影響が回避できる。また、充填した食料品をレトルト処理等の加熱処理を行っても、ポリエステル系複合フィルムからのエチレンテレフタレート環状三量体(オリゴマー)の溶出量が抑制されるので、該オリゴマーが食品へ移行したりフィルム表面に析出して表面外観の低下が起こらない。
このように、本発明のポリエステル系複合フィルムは、耐スクラッチ性に優れ、金属板との熱接着が可能であり、かつ、加熱されてもオリゴマーの溶出が抑制されるので、ラミネート金属板や金属容器、特にレトルト食料品充填用金属容器に極めて有用である。

Claims (3)

  1. 80℃でのフィルムと金属との動摩擦係数が0.45以下であるポリエステル層(A層)と、融点が180〜240℃であるポリエステル層(B層)とよりなり、該A層を構成するポリエステル中のエチレンテレフタレート環状三量体含有量が、0.5重量%以下であることを特徴とするラミネート金属板用ポリエステル系複合フィルム。
  2. 請求項に記載のラミネート金属板用ポリエステル系複合フィルムのB層側が、金属板にラミネートされてなるものであるラミネート金属板。
  3. 請求項記載のラミネート金属板を使用して成形されてなる金属容器。
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