JP3876007B2 - 金属ラミネート用ポリエステル系複合フィルム、ラミネート金属板および金属容器 - Google Patents

金属ラミネート用ポリエステル系複合フィルム、ラミネート金属板および金属容器 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、金属容器、とくに清涼飲料、ビール、食料など主として食料品用缶詰として使用される金属材料にラミネートされるポリエステル系複合フィルム、該フィルムがラミネートされたラミネート金属板、および該ラミネート金属板から成形された金属容器に関する。さらに詳しくは、接着剤を用いることなく金属材料に熱接着可能で、加熱処理されてもフィルム上に白点状の模様が発生せずかつオリゴマーの溶出量が極めて少ない、金属にラミネートするのに好適なポリエステル系複合フィルム、該フィルムをラミネートしたラミネート金属板、および該ラミネート金属板を成形してなる金属容器に関する。本発明の複合フィルムは接着剤を用いることなく熱接着できるので、接着剤中の残留溶剤による食料品の味や臭いに対する悪影響が回避できる。また、フィルムから溶出するオリゴマー量が抑制されているので、食品充填後レトルト処理などの加熱処理を行なってもオリゴマーによる食料品の味や臭いに対する悪影響も回避でき、さらに加熱による白点状の模様も発生しない。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属缶の内面および外面の腐食を防止するために、一般に塗料が塗布され、その塗料として熱硬化性樹脂が使用されている。
他の方法として、熱可塑性樹脂フィルムを用いる方法もある。例えばポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系フィルムを、加熱したティンフリースチールにラミネートすることが試みられている。また、耐熱性の良好なポリエステル系フィルムを金属板にラミネートし、該ラミネート金属板を金属缶に利用することも検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、熱硬化性樹脂塗料を塗装する方法は、その多くが溶剤型塗料を用いるため、塗膜の形成に150〜250℃で数分という高温・長時間加熱を必要とし、また焼き付け時に多量の有機溶剤が飛散する。
さらにこのような条件で形成される塗膜中には少量の有機溶剤が残存することが避けられず、たとえば上記塗膜を形成させた金属缶に食料品を充填すると、塗膜中に存在する有機溶剤が食料品に移行し、食料品の味や臭いに悪影響を及ぼす。さらに、塗料中に含まれる添加剤や架橋反応の不完全さに基因する低分子量物質も食料品に移行し、残存有機溶剤と同様の悪影響を食料品に及ぼす。
このように熱硬化性樹脂塗料を塗装する方法は、工程の簡素化や公害防止、食料品への溶剤や低分子量物質による悪影響の防止など種々の改良が要望されている。
【0004】
熱可塑性樹脂フィルムを用いる方法は、熱硬化性樹脂塗料を塗装する方法における問題点のうち、工程の簡素化や公害防止の問題点は解決されている。
しかし、熱可塑性樹脂フィルムのうちたとえばポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系フィルムは耐熱性が低いため、レトルト処理(加熱処理)により白色化し、ラミネート金属板から剥離することもある。また、熱硬化性樹脂塗料を用いる方法でみられた残留溶剤の移行による問題点は解決されるものの、フィルム形成時に発生する低分子量物質やフィルムに加えられる熱安定剤などの添加剤が食料品へ移行して、食料品の味や臭いに悪影響を及ぼす。さらにポリオレフィン系フィルムは、食料品中の香気成分を吸着し、フレーバー性に劣るという問題もある。
【0005】
一方、熱可塑性樹脂フィルムとしてポリエステル系フィルムを用いる方法は上記ポリオレフィン系フィルムが有する問題点が改良され、最も好ましい方法である。確かにポリエステル系フィルムは、ポリオレフィン系フィルムに比べ耐熱性が優れており、たとえばレトルト処理によりラミネート金属板からフィルムが剥離するような問題は発生しない。
しかしレトルト処理によりフィルムが部分的に結晶化し白点状の模様(以下、「ウォータースポット」という)が発生する。また、製缶工程での溶接時にフィルムが高温にさらされると部分的にフィルムが剥離してフィルムの浮きが発生(以下、「部分剥離」という)する。
またポリエステル系フィルムは耐熱性に優れるため、熱安定剤などの添加剤が不要であり、かつ低分子量物質の生成も少なく、上記ポリオレフィン系フィルムに比べて添加剤や低分子量物質の移行による食料品の味や臭いの問題は大幅に改良されている。
しかしポリエステル系フィルムは、重合工程や成膜工程で、いわゆるエチレンテレフタレート環状三量体を主体とするオリゴマー(以下、「オリゴマー」ともいう)が生成し、該オリゴマーがフィルムから溶出して食料品に移行したり、ラミネートフィルム表面に析出して外観を損ねるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、部分剥離やウォータースポットの発生が極めて少ないあるいは全くなく、オリゴマーの溶出が抑制され、かつ金属板に対して熱接着が可能なポリエステル系複合フィルムを提供することである。
本発明の他の目的は、部分剥離やウォータースポットの発生が極めて少ないあるいは全くないフィルムをラミネートした金属板を提供することである。
さらに本発明のその他の目的は、たとえ加熱処理されても、充填されている食料品に有機溶剤、オリゴマーなどが移行せず、またラミネートフィルム表面にオリゴマーが析出することがない金属容器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリエチレンテレフタレート99〜90重量%と、ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体1〜10重量%とを含む組成物よりなる基材層(A層)と、融点が180〜240℃のポリエステルを含む組成物よりなる接着層(B層)よりなることを特徴とする金属ラミネート用ポリエステル系複合フィルムに関する。
本発明のポリエステル系複合フィルムの構成によれば、B層側を金属板に接着剤を用いることなく熱接着することが可能になる。
さらに本発明の好ましい実施態様は、上記ポリエステル系複合フィルムのA層および/またはB層を構成するポリエステル中のエチレンテレフタレート環状三量体含有量を0.7重量%以下に調整することである。このような構成にすることによって、複合フィルムが加熱されても該フィルムからオリゴマーの溶出が大幅に抑制されるようになる。
【0008】
また本発明は、上記複合フィルムのB層側をブリキやアルミニウムなどの金属板にラミネートしてなるラミネート金属板に関する。このようなラミネート金属板の構成にすることによって、たとえ加熱されてもウォータースポットあるいは部分剥離がほとんどあるいは全く発生せず、またラミネートフィルムからのオリゴマーの溶出が抑制され、美麗な外観が保たれたラミネート金属板を提供することができる。
【0009】
さらに本発明は、上記ラミネート金属板を成形されてなる金属容器に関する。このような金属容器の構成にすることによって、加熱されてもウォータースポットや部分剥離がほとんどあるいは全く発生せず、かつ該ラミネートフィルムからのオリゴマー溶出が抑制され、容器内に充填される食料品の味や臭いが変化することが大幅に抑制された金属容器を提供することができる。
【0010】
本発明の複合フィルムの基材層(A層)は、ポリエチレンテレフタレートとポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体を必須成分として含む。配合量はポリエチレンテレフタレートが、ポリエチレンテレフタレートとポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体の合計に対して99〜90重量%、およびポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体が、ポリエチレンテレフタレートとポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体の合計に対して1〜10重量%であることが必要である。上記2成分の好ましい量は、ポリエチレンテレフタレートが98〜92重量%でポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体が2〜8重量%である。
【0011】
ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体が、ポリエチレンテレフタレートとポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体の合計に対して1重量%未満になると、ウォータースポット発生の抑制効果がなくなる。また、上記共重合体が10重量%を越えると、ウォータースポット発生の抑制効果は飽和し、かつポリエステルとポリエーテルブロックの混合物あるいは共重合体の融点やガラス転移点が低下するため、フィルムの耐熱性が低下し、製缶工程の溶接時の加熱やレトルト処理などの加熱処理によりフィルムのしわの発生や剥離などが起こる。
【0012】
A層を形成する1成分であるポリエチレンテレフタレートは、極限粘度が好ましくは0.5〜1.2、さらに好ましくは0.55〜0.8である。
【0013】
A層を形成するもうひとつの成分であるポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体の構造に特別の限定はなく、熱可塑性ポリエステル系エラストマーとして市場に出回っているものも好適に使用することができる。
特に、ポリエステルセグメントとして、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルおよびポリエチレンナフタレート系ポリエステルが、ポリエーテルセグメントとしてポリテトラメチレン系ポリエーテルが好適である。
具体的には、ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリエチレンナフタレート−ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリブチレンナフタレート−ポリテトラメチレングリコール共重合体が好ましい。
該共重合体中のポリエステルセグメントとポリエーテルセグメントの比率(モル比)に特に限定はないが、好ましくはポリエステルセグメント:ポリエーテルセグメントのモル比が9:1〜3:7、さらに好ましくは8:2〜4:6である。
【0014】
本発明の複合フィルムの接着層(B層)を形成するために使用されるポリエステルの融点は、180〜240℃である必要があり、好ましくは190〜235℃である。
該ポリエステルの融点が180℃未満では、B層の耐熱性が劣り、ラミネート加工時にしわが発生したり、またラミネート金属板から成形された金属容器をレトルト処理などの加熱処理すると、ラミネートフィルムにウォータースポットが発生したり、フィルムが剥離したりする。逆に融点が240℃を越えると、熱接着性が低下し、接着剤によるラミネートが必要になり、接着剤に含まれる有機溶剤が残存し食料品の味や臭いに悪影響を及ぼすことになる。
【0015】
B層に用いられるポリエステルは、主としてポリカルボン酸と多価アルコールが重縮合されてなるものである。
上記ポリカルボン酸成分としてはジカルボン酸が挙げられ、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニールジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが例示できる。
多価アルコール成分としてはグリコールが挙げられ、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ドデカンメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、ビスフェノール誘導体のエチレンオキサイド付加体などの芳香族ジオール類などが例示される。
なかでも、テレフタル酸とエチレングリコールまたはテトラメチレングリコールとの組み合わせに、さらにイソフタル酸、セバシン酸、ドデカン酸、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどを共重合させたポリエステルが好ましい。酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸を使用するばあい、テレフタル酸とイソフタル酸のモル比は、69:31〜92:8の範囲が好ましい。
【0016】
B層を構成するポリエステルの融点の制御は、前記ポリエステルの共重合成分の種類や量を選ぶことにより設定することができる。本発明では、経済性の点よりポリエチレンテレフタレートとイソフタレートの共重合体の使用が好ましいが、他の共重合成分を用いることも何ら制限を受けない。
【0017】
B層に用いられるポリエステルは接着強度などの理由から極限粘度で0.5以上が好ましく、さらに好ましくは0.55以上である。
【0018】
上記A層形成用ポリエチレンテレフタレートおよびB層形成用ポリエステルには、必要に応じて、球状シリカなどの無機粒子、球状ポリメチルメタクリレートなどの有機粒子、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、帯電防止剤、潤滑剤、結晶核剤などを配合させることは何ら制限を受けない。
【0019】
本発明で使用されるポリエチレンテレフタレートおよびポリエステルの製造方法には何らの制限もない。たとえば、エステル交換法、直接重合法などが挙げられる。また分子量を高めるために固相重合法で製造してもよい。固相重合法はエチレンテレフタレート環状三量体の含有量を低くする意味で好ましい方法である。
【0020】
本発明においては、重合工程や製膜工程で生成したオリゴマーの複合フィルム中の含有量は、A層では、ポリエチレンテレフタレートとポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体の合計に対し0.7重量%以下、B層では、ポリエステルに対し0.7重量%以下にすることが好ましい。より好ましくは0.6重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。こうすることによって該オリゴマーの溶出をより一層抑制することができる。
上記オリゴマーの含有量が0.7重量%以下に抑えることによって、ポリエステル系複合フィルムをラミネートしたラミネート金属板を成形してなる金属容器に食料品を充填した後、レトルト処理などによる加熱処理を行っても、フィルムからのオリゴマー溶出が抑えられる。したがって該ラミネートフィルムが缶内面ラミネートフィルムのばあいは、食料品にオリゴマーが移行し食品の味や臭いに対して悪影響を及ぼすことを極力回避できる。また、該フィルムが缶外面ラミネートフィルムのばあいは、フィルム表面にオリゴマーが析出し外観の美観が損なわれることを回避できる。
【0021】
ポリエステル系フィルム中のオリゴマーの含有量を0.7重量%以下に調整する方法には特に制限はない。たとえばポリエステル系フィルムを製膜後に、フィルムを水や有機溶剤で処理することによって、オリゴマーを抽出除去することができる。またオリゴマー含量の少ないポリエステルを原料として用いることにより達成できる。後者の方法を採用するのが経済的であり推奨される。
上記オリゴマーの少ないポリエステルを製造する方法も何ら制限はなく、減圧加熱処理法、固相重合法、水や有機溶剤による抽出法およびこれらの方法を組合せた方法などを挙げることができる。特に固相重合法でオリゴマーを低減させた後、更に水で抽出してオリゴマーを低減させる方法は、ポリエステル中のオリゴマー含有量が少なく、かつ製膜工程でのオリゴマーの生成量が押さえられるので最も好ましい方法である。
【0022】
本発明のポリエステル系複合フィルムのA層の厚さは、好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜20μmの範囲である。A層の厚さを3μm以上にすることで、フィルムの取扱い性が容易になり、ラミネート加工性が良好になり、製缶工程などでのピンホールやクラックなどの発生を防止し、良好な耐食性を得ることができる。一方該厚さが50μmを越えても金属板の耐食性などの保護効果は飽和し経済的でなく、フィルム自体の内部応力が大きくなり、接着性に対して悪影響をおよぼす懸念がある。
【0023】
本発明の複合フィルムのB層の厚さは、1〜15μm、好ましくは2〜10μmの範囲である。B層の厚さが1μm以上で金属板との密着性が充分となる。一方該厚さが15μmを越えると、金属板との密着性が飽和するばかりでなく、耐熱性が低下することもある。
【0024】
A層およびB層からなる、本発明のポリエステル系複合フィルムの製造方法としては、上記の要件を満足できるフィルムが形成できれば特に制限はなく、たとえば多層押出し法、押出しラミネート法などが挙げられる。なかでも経済性の理由から多層押出し法が好ましい。
【0025】
本発明のポリエステル系複合フィルムを金属板にラミネートするときは、該複合フィルムのB層表面と金属面とを合わせて行うことが重要である。このように組合せることにより、初めて本発明の効果を発現することができる。
ラミネート法は、従来公知の方法が適用でき特に限定されない。なかでも有機溶剤フリーが達成できため、残留溶剤による食料品の味や臭いに対する悪影響が回避できるサーマルラミネート法が好ましい。とりわけ金属板の通電加熱によるサーマルラミネート法は特に推奨される。
用いられる金属板としては、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウムなどが挙げられる。金属板の厚さは特に制限されない。
なお本発明では、接着剤を用いて複合フィルムを金属板にラミネートできることはいうまでもない。
【0026】
本発明のポリエステル系複合フィルムは、金属板の片面をラミネートしても両面ラミネートであってもどちらでもかまわない。また、両面ラミネートのばあいは、同時にラミネートしても逐次でラミネートしてもよい。
【0027】
本発明の金属容器は、上記ラミネート金属板を用いて成形することによって得られる。金属容器の成形方法は特に限定されるものではない。
さらに金属容器の形状も特に限定されない。たとえばレトルト食品やコーヒー飲料などの食料品を充填するのに好適な天地蓋を巻締めて内容物を充填する、いわゆる3ピース缶が好ましい。
【0028】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前述の趣旨を逸脱しない限度において実施することはいずれも本発明の技術範囲に入る。
【0029】
実施例で行なった各種試験方法は次の通りである。
(1)ウォータースポットの評価
ポリエステルB層面(接着層)を225℃に加熱したチンフリー鋼板に合わせ、水冷ロールで圧着した後、水中で急冷してラミネート鋼板を得る。
該ラミネート鋼板(サンプル、7cm×7cm)のフィルム面と反対面(金属面)に塩化ビニル樹脂製のパイプ(6cmφ)を接合し、このパイプに100mlの水を入れて、120℃で30分間レトルト処理をした後、5分以内に50℃まで冷却し、サンプルを取り出す。該サンプルのフィルム面の外観を目視で観察し、直径約1〜7mmの円形の色調斑の発生の有無で判定した。
(2)加熱処理による収縮量の評価
ウォータースポットの評価に用いたと同じ方法で得たラミネート鋼板より3cm×3cmの切断面を作製し、図1に示すようにフィルム側に切れ目を入れる。このようにして得たサンプルを230℃で10分間加熱した後のフィルムの収縮量(mm)を測定する。
(3)エチレンテレフタレート環状三量体(オリゴマー)の定量
ポリエステル系複合フィルムをヘキサフルオロイソプロピルアルコール/クロロホルム=2/3(V/V)に溶解し、メタノールでポリエステルを沈殿させ、沈殿物を濾別する。濾液を蒸発乾固し、該蒸発乾固物をジメチルホルムアミドに溶解させる。該溶液を液体クロマトグラフィー法で展開し、該複合フィルムのエチレンテレフタレート環状三量体を定量した。
(4)オリゴマー溶出の判定
10cm角のラミネート鋼板を500ccの蒸留水とともに、120℃で30分間レトルト処理をする。処理後のラミネート鋼板を風乾し、そのフィルム表面の状態をルーペで観察し、以下に示す基準に基づきオリゴマー溶出の有無を判定する。
有:フィルム表面にオリゴマーの結晶が観察される。
無:フィルム表面にオリゴマーの結晶が観察されない。
【0030】
実施例1
A層用レジンとして、平均粒径1.5μmの球状シリカ0.05重量%を含み抽出法で低オリゴマー化した極限粘度が0.63でオリゴマー含有量が0.30重量%のポリエチレンテレフタレート96重量部と、ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートを、ソフトセグメントとして分子量1000のポリテトラメチレングリコールを用いたポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体4重量部とのブレンド品を用いた。B層用レジンとして、平均粒径1.5μmの球状シリカ0.05重量%を含む抽出法で低オリゴマー化した、極限粘度が0.70でオリゴマー含量が0.28重量%であるテレフタル酸/イソフタル酸(モル比88/12)とエチレングリコールからの共重合ポリエステル(融点225℃)を用いた。
上記A層用レジンおよびB層用レジンをそれぞれ別々の押出し機で溶融させ、この溶融体をダイ間で合流させた後、冷却ドラム上に押出し無定形シートとした後、100℃で縦方向に3.5倍、横方向に4.0倍延伸し、180℃で熱固定して、A層厚み9μmおよびB層厚み3μm(総厚み12μm)のポリエステル系複合フィルムを得た。
該複合フィルムのB層面を接着層として、225℃に加熱したチンフリー鋼板に水冷ロールで圧着した後、水中に急冷してラミネート鋼板を得た。
得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板の特性を表1に示す。
【0031】
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、ウォータースポットの発生がなく、かつラミネート後の熱履歴によるフィルムの収縮量が小さく、更にオリゴマーの溶出量も少ないので金属ラミネート用フィルムおよびラミネート鋼板として高品質であった。
本実施例で得られたラミネート鋼板を用い、3ピース缶を成形した。得られた成形缶にコーヒーを充填しレトルト処理をしたが、複合フィルムからオリゴマーや有機溶剤などが移行することなく、缶内のコーヒーは味や臭いに変化がなく商品価値の高いものであった。また上記レトルト処理をしても底蓋外面にオリゴマーの析出は認められなかった。さらにウォータースポットの発生による外観不良も観察されなかった。
【0032】
比較例1
A層用レジンとしてポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体の配合を止め、ポリエチレンテレフタレートのみを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本比較例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、ウォータースポットの発生があり、ラミネート後の熱履歴によるフィルムの収縮量が大きく、金属ラミネート用フィルムとしては実用性の低いものであった。
また、実施例1と同様にしてコーヒーを充填しレトルト処理を行なったが、ウォータースポットの発生やフィルムの皺の発生のため、商品価値の低いものしか得られなかった。
【0033】
比較例2
A層用レジンとしてポリエチレンテレフタレートとポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体との配合比を85/15(重量比)とする以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本比較例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、ラミネート後の熱履歴によるフィルムの収縮量が大きく、金属ラミネート用フィルムとして実用性の低いものであった。
【0034】
比較例3
B層用レジンとしてA層用レジンを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムを得た。得られたフィルムを用いて実施例1と同様にして鋼板にラミネートしたが、接着強度が低く、金属ラミネート用フィルムとしては実用性の低いものであった。
【0035】
比較例4
A層用レジンとしてB層用レジンを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本比較例で得られたポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板は、ウォータースポットが発生し、金属ラミネート用フィルムとして実用性の低いものであった。
【0036】
比較例5
B層用レジンとして、A層用レジンとして用いたポリエチレンテレフタレート60重量部と抽出法で低オリゴマー化した極限粘度が0.70でオリゴマー含量が0.29重量%のテレフタル酸/イソフタル酸(モル比90/10)とエチレングリコールからの共重合ポリエステル40重量部との配合物(配合物の溶融押出し後の融点245℃)とする以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムを得た。得られたフィルムを用いて実施例1と同様にして鋼板にラミネートしたが、接着強度は低かった。ラミネート温度を245℃に上げてラミネートすることで接着強度の点は改良されたが、ラミネート後の熱履歴によるフィルムの収縮量が大きく、金属ラミネート用フィルムとしては実用性の低いものであった。
【0037】
比較例6
B層用レジンとして、オリゴマー含量が0.30重量%のテレフタル酸とエチレングリコール/ネオペンチルグリコール(70/30モル比)の共重合レジン(融点160℃)を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムを得た。得られたフィルムを用いて実施例1と同様にして鋼板にラミネートしたが、ラミネート後の熱履歴による収縮量が大きく、しわが発生し、金属ラミネート用フィルムとしては実用性の低いものであった。
【0038】
比較例7
A層用レジンおよびB層用レジン中のオリゴマーの量をそれぞれ1.0重量%および0.72重量%とした以外は、比較例6と同様にしてポリエステル系複合フィルムを得た。得られたフィルムを用いて実施例1と同様にして鋼板にラミネートしたが、ラミネート後の熱履歴による収縮量が大きく、しわの発生があった。また、オリゴマー溶出量が多く、金属ラミネート用フィルム及びラミネート鋼板として低品質であった。
【0039】
実施例2
A層用レジンとして、平均粒径が2.0μmのトリメチロールプロパントリメタクリレートで架橋した球状のポリメチルメタクリレート粒子0.05重量%を含み、抽出法で低オリゴマー化した極限粘度が0.70でオリゴマー含量が0.33重量%のポリエチレンテレフタレート95重量部と、ハードセグメントとしてポリエチレンテレフタレートを、ソフトセグメントとして分子量3000のポリテトラメチレングリコールを用いたポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体5重量部とのブレンド品を用い、B層用レジンとして、平均粒径2.5μmのトリメチロールプロパントリメタクリレートで架橋した球状のポリメチルメタアクリレート粒子0.1重量%を含み、抽出法で低オリゴマー化した極限粘度が0.70で、オリゴマー含量が0.28重量%であるテレフタル酸/イソフタル酸(83/17)とエチレングリコールからの共重合ポリエステル(融点215℃)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルム、ラミネート鋼板および金属缶は、実施例1と同様に高品質であった。
【0040】
実施例3
A層レジン中のポリエチレンテレフタレートとポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体の配合比をそれぞれ93:7(重量比)とし、かつB層レジンとして平均粒径1.5μmの球状シリカ0.05重量%を含む極限粘度が0.70でオリゴマー含量が0.65重量%であるテレフタル酸/イソフタル酸(81.5/18.5)とエチレングリコールからの共重合ポリエステル(融点210℃)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系複合フィルムおよびラミネート鋼板を得た。これらの特性を表1に示す。
本実施例で得られたポリエステル系複合フィルム、ラミネート鋼板および金属缶は、実施例1と同様に高品質であった。
【0041】
【表1】
Figure 0003876007
【0042】
【発明の効果】
本発明のポリエステル系複合フィルムは、金属板に熱接着ができ、ラミネート後の熱履歴によるフィルムの収縮量が低くしわが発生しないので、金属ラミネート用フィルムとして好適である。
これをラミネートして得られる本発明のラミネート金属板は、レトルト処理をしてもウォータースポットや部分剥離をほとんどあるいは全く起こさず、外観不良が起こらない。
また本発明のラミネート金属板は、接着剤を使用することなくフィルムを金属板に接着できるので、接着剤に起因する残留溶剤の溶出がなく、したがって本発明のラミネート金属から製造される金属容器は、食料品を充填しても、食料品の味や臭いに悪影響を及ぼさない。また、充填した食料品をレトルト処理などの加熱処理を行っても、ポリエステル系複合フィルムからのオリゴマーの溶出量が抑制されているので、該オリゴマーが食品へ移行したりフィルム表面に析出して表面外観を損なわない。
このように、本発明のポリエステル系複合フィルムは金属板との熱接着が可能であり、さらにレトルト処理をしてもウォータースポットや部分剥離による外観不良が起こらず、かつ、オリゴマーの溶出が抑制されるので、ラミネート金属板や金属容器、特にレトルト食料品充填用金属容器に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの収縮量を測定するのに用いるサンプルを示す。
【符号の説明】
1:切れ目
2:収縮量(mm)
3:複合フィルム

Claims (3)

  1. ポリエチレンテレフタレート99〜90重量%と、ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体1〜10重量%とを含む組成物よりなる基材層(A層)と、融点が180〜240℃であり、かつ酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸とを69:31〜92:8のモル比で使用することにより得られるポリエステルを含む組成物よりなる厚み1〜15μmの接着層(B層)よりなり、A層およびB層中に含有されるエチレンテレフタレート環状三量体が、いずれも0.7重量%以下であることを特徴とする金属ラミネート用ポリエステル系複合フィルム。
  2. 請求項記載のポリエステル系複合フィルムのB層側が金属板にラミネートされてなるラミネート金属板。
  3. 請求項記載のラミネート金属板を成形してなる金属容器。
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