以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、アクチュエータ装置1は、支持部2と、第1可動部3と、第2可動部4と、一対の第1トーションバー5,6と、一対の第2トーションバー7,8と、磁界発生部9と、を備えている。支持部2、第1可動部3、第2可動部4、一対の第1トーションバー(第1連結部)5,6及び一対の第2トーションバー(第2連結部)7,8は、例えばSOI(Silicon on Insulator)基板によって一体的に形成されている。つまり、アクチュエータ装置1は、MEMSデバイスとして構成されている。アクチュエータ装置1では、互いに直交するX軸(第1軸線)及びY軸(第1軸線に直交する第2軸線)のそれぞれの周りに、ミラー面10が設けられた第1可動部3が揺動させられる。アクチュエータ装置1は、例えば光通信用光スイッチ、光スキャナ等に用いられる。アクチュエータ装置1は、MEMS技術(パターニング、エッチング等)を用いて製造される。
磁界発生部9は、例えばハルバッハ配列がとられた永久磁石等によって構成されている。磁界発生部9は、例えば、平面視において(X軸及びY軸に直交する方向から見た場合に)X軸及びY軸のそれぞれに対して45度傾斜した向きDの磁界を発生させ、後述するコイル14に作用させる。なお、磁界発生部9が発生させる磁界の向きDは、平面視においてX軸及びY軸に対して45度以外の角度で傾斜していてもよい。
支持部2は、例えば、平面視において四角形状の外形を有し、枠状に形成されている。支持部2は、磁界発生部9に対してX軸及びY軸に直交する方向における一方側に配置されている。第1可動部3は、磁界発生部9から離間した状態で、支持部2の内側に配置されている。第1可動部3は、本体部3aと、環状部3bと、一対の連結部3cと、を有している。
本体部3aは、平面視において円形状を呈しているが、楕円形状、四角形状、菱形状等の任意の形状に形成されてもよい。平面視における本体部3aの中心Pは、X軸とY軸との交点と一致している。本体部3aにおける磁界発生部とは反対側の表面には、例えばアルミニウムからなる金属膜によってミラー面10が設けられている。ミラー面10は、当該表面における全面に設けられているが、当該表面の一部のみに設けられてもよい。環状部3bは、平面視において本体部3aを囲むように環状に形成されている。環状部3bは、平面視において八角形状の外形を有しているが、円形状、楕円形状、四角形状、菱形状等の任意の外形を有していてもよい。一対の連結部3cは、Y軸上における本体部3aの両側に配置され、本体部3aと環状部3bとを互いに連結している。
第2可動部4は、枠状に形成されており、磁界発生部9から離間した状態で、第1可動部3を囲むように支持部2の内側に配置されている。第2可動部4は、一対の第1接続部41A,41Bと、一対の第2接続部42A,42Bと、一対の第1直線状部43A,43Bと、一対の第2直線状部44A,44Bと、一対の第3直線状部45A,45Bと、一対の第4直線状部46A,46Bと、を有している。第2可動部4は、平面視においてX軸及びY軸のそれぞれに関して対称な形状を有している。以下の説明において、X軸又はY軸に関して対称とは、平面視における対称をいう。
第1接続部41A,41Bは、X軸に平行なX軸方向(第1軸方向)における第1可動部3の両側に位置している。すなわち、各第1接続部41A,41Bは、平面視において第1可動部3とX軸方向に対向する部分を有している。各第1接続部41A,41Bは、Y軸方向に沿って延在している。
第2接続部42A,42Bは、Y軸に平行なY軸方向(第2軸方向)における第1可動部3の両側に位置している。すなわち、各第2接続部42A,42Bは、平面視において第1可動部3とY軸方向に対向する部分を有している。各第2接続部42A,42Bは、X軸方向に沿って延在している。平面視における各第2接続部42A,42Bの内縁51は、Y軸方向に窪む凹部52を有しており、平面視における各第2接続部42A,42Bの外縁53は、Y軸方向に突出する凸部54を有している。凹部52及び凸部54は、平面視においてY軸上に位置している。
平面視において、各第2接続部42A,42Bの幅は、第2可動部4における第1接続部41A,41B及び第2接続部42A,42B以外の部分の幅(最大幅)W1よりも広い。すなわち、各第2接続部42A,42Bの幅は、Y軸上において最小幅W2となるが、最小幅W2は、幅W1よりも広い。また、各第2接続部42A,42Bの最小幅W2は、各第1接続部41A,41Bの幅(最大幅)W3よりも広い。各第1接続部41A,41Bの幅W3は幅W1よりも広いが、幅W1と同一であってもよいし、幅W1よりも狭くてもよい。図1では、第1接続部41Aと第1トーションバー5との間の境界が一点鎖線Bで示されている。なお、第2可動部4における或る部分の幅とは、平面視における当該部分の内縁と外縁との間の距離であり、換言すれば、X軸及びY軸に直交する方向、並びに当該部分の延在方向に直交する方向(幅方向)における当該部分の幅である。
第1直線状部43A,43Bは、X軸方向における第2接続部42Aの両側に位置し、第2接続部42Aに接続されている。各第1直線状部43A,43Bは、X軸方向に沿って延在している。第1直線状部43A,43Bは、Y軸に関して互いに対称に配置されている。第2直線状部44A,44Bは、X軸方向における第2接続部42Bの両側に位置し、第2接続部42Bに接続されている。各第2直線状部44A,44Bは、X軸方向に沿って延在している。第2直線状部44A,44Bは、Y軸に関して互いに対称に配置されている。
第3直線状部45A,45Bは、各第1直線状部43A,43Bに対して第2接続部42Aとは反対側に位置し、第1直線状部43A,43Bと第1接続部41A,41Bとに接続されている。第3直線状部45Aは、平面視において、X軸及びY軸のそれぞれに対して45度傾斜した方向に沿って延在している。第3直線状部45Bは、第3直線状部45Aに対してY軸に関して対称に延在している。
第4直線状部46A,46Bは、各第2直線状部44A,44Bに対して第2接続部42Bとは反対側に位置し、第2直線状部44A,44Bと第1接続部41A,41Bとに接続されている。第4直線状部46Aは、第3直線状部45Aに対してX軸に関して対称に延在している。第4直線状部46Bは、第4直線状部46Aに対してY軸に関して対称に延在すると共に、第3直線状部45Bに対してX軸に関して対称に延在している。
第1トーションバー5,6は、X軸上における第1可動部3の両側に配置されている。第1トーションバー5,6は、第1可動部3がX軸周りに(X軸を中心線として)揺動可能となるように、X軸上において第1可動部3(環状部3b)と第2可動部4とを互いに連結している。第1トーションバー5,6は、第1接続部41A,41Bにおいて第2可動部4に接続されている。各第1トーションバー5,6は、X軸に沿って直線状に延在している。本実施形態では、第1トーションバー5,6に作用する応力の緩和のために、各第1トーションバー5,6における第1可動部3側の端部の幅(Y軸方向における幅)は第1可動部3に近づくほど広がっており、第2可動部4側の端部の幅(Y軸方向における幅)は第2可動部4に近づくほど広がっている。
第2トーションバー7,8は、Y軸上における第2可動部4の両側に配置されている。第2トーションバー7,8は、第2可動部4がY軸周りに(Y軸を中心線として)揺動可能となるように、Y軸上において第2可動部4と支持部2とを互いに連結している。第2トーションバー7,8は、第2接続部42A,42Bにおいて第2可動部4に接続されている。各第2トーションバー7,8は、平面視において蛇行して延在している。各第2トーションバー7,8は、複数の直線状部11と、複数の折り返し部12と、を有している。直線状部11は、Y軸方向に延在し、X軸方向に並んで配置されている。折り返し部12は、隣り合う直線状部11の両端を交互に連結している。
アクチュエータ装置1は、一対のコイル14,15と、第1配線21と、第2配線22と、第3配線23と、第4配線24と、第1外部端子25と、第2外部端子26と、第3外部端子27と、第4外部端子28と、四対のワイヤ29と、を更に備えている。各コイル14,15は、第1可動部3を囲むように第2可動部4に設けられ、平面視において(各コイル14,15が配置された平面に直交する方向から見た場合に)渦巻き状を呈している。各コイル14,15は、X軸及びY軸を含む平面に沿って配置されている。各コイル14,15は、第1可動部3の周りに複数回巻回されている。一対のコイル14,15は、平面視において第2可動部4の幅方向に互い違いに並ぶように、配置されている。
図1では、コイル14,15が配置されている配置領域Rがハッチングで示されている。各コイル14,15は、第1接続部41A,41B及び各直線状部43A~46Bにおいて、第1接続部41A,41B及び各直線状部43A~46Bの延在方向に沿って延在している。第1接続部41A,41B及び各直線状部43A~46Bにおいて、配置領域Rの外縁は、第1接続部41A,41B及び各直線状部43A~46Bの外縁に沿っており、配置領域Rの内縁は、第1接続部41A,41B及び各直線状部43A~46Bの内縁に沿っている。
各第2接続部42A,42Bにおける配置領域Rは、第1部分55と、一対の第2部分56と、一対の第3部分57と、を含んでいる(図2参照)。第1部分55は、X軸方向に沿って延在し、平面視においてY軸と交差している。一対の第2部分56は、X軸方向における第1部分55の両側に位置し、第1部分55に接続されている。一方の第2部分56は、X軸及びY軸のそれぞれに対して45度傾斜した方向に沿って延在している。他方の第2部分56は、一方の第2部分56に対してY軸に関して対称に延在している。第1部分55は、第2接続部42Aの内縁51よりも外縁53に近い位置に配置されている。一対の第3部分57は、各第2部分56に対して第1部分55とは反対側に位置し、一対の第2部分56と、第1直線状部43A,43Bにおける配置領域Rとに接続されている。各第3部分57は、X軸方向に沿って延在している。第1可動部3にはコイルが設けられていない。なお、一方の第2部分56が延在する方向は、X軸及びY軸に対して45度以外の角度で傾斜していてもよい。
各外部端子25~28は、例えば支持部2に設けられた電極パッドであり、絶縁層35から外部に露出している。絶縁層35は、支持部2、第1可動部3、第2可動部4、第1トーションバー5,6及び第2トーションバー7,8の表面(磁界発生部9とは反対側の表面)を覆うように一体的に形成されている。外部端子25~28には、それぞれ、一対のワイヤ29が電気的に接続されている。各ワイヤ29は、アクチュエータ装置1から外部に引き出されている。外部端子25~28は、それぞれ、アクチュエータ装置1の外部に配置された駆動源等とワイヤ29を介して電気的に接続されている。
第1配線21は、コイル14の内側端部と第1外部端子25とに電気的に接続されている。第1配線21は、コイル14の内側端部から第2トーションバー7を介して第1外部端子25まで延在している。第2配線22は、コイル14の外側端部と第2外部端子26とに電気的に接続されている。第2配線22は、例えばY軸上においてコイル14の外側端部に接続されている。第2配線22は、コイル14の外側端部から第2トーションバー8を介して第2外部端子26まで延在している。
第3配線23は、コイル15の内側端部と第3外部端子27とに電気的に接続されている。第3配線23は、コイル15の内側端部から第2トーションバー7を介して第3外部端子27まで延在している。第4配線24は、コイル15の外側端部と第4外部端子28とに電気的に接続されている。第4配線24は、例えばY軸上においてコイル15の外側端部に接続されている。第4配線24は、コイル15の外側端部から第2トーションバー8を介して第4外部端子28まで延在している。
以上のように構成されたアクチュエータ装置1では、各外部端子25,26及び各配線21,22を介してコイル14にリニア動作用の駆動信号が入力されると、磁界発生部9が発生する磁界との相互作用によってコイル14にローレンツ力が作用する。当該ローレンツ力と第2トーションバー7,8の弾性力とのつり合いを利用することで、Y軸周りにミラー面10(第1可動部3)を第2可動部4と共にリニア動作させることができる。
一方、各外部端子27,28及び各配線23,24を介してコイル15に共振動作用の駆動信号が入力されると、磁界発生部9が発生する磁界との相互作用によってコイル15にローレンツ力が作用する。当該ローレンツ力に加え、共振周波数での第1可動部3の共振を利用することで、X軸周りにミラー面10(第1可動部3)を共振動作させることができる。具体的には、X軸周りにおける第1可動部3の共振周波数に等しい周波数の駆動信号がコイル15に入力されると、第2可動部4がX軸周りに当該周波数で僅かに振動する。この振動が第1トーションバー5,6を介して第1可動部3に伝わることにより、第1可動部3をX軸周りに当該周波数で揺動させることができる。
続いて、図1~図3を参照しつつ、コイル14と第1配線21との接続態様、及びコイル15と第3配線23の接続態様について詳細に説明する。図2に示されるように、コイル14の内側端部14aは、第2接続部42AにおけるY軸上まで延在している。第1配線21は、引き出し配線61と、跨ぎ配線62と、を有している。引き出し配線61は、第2可動部4、第2トーションバー7及び支持部2にわたって設けられ、第1外部端子25に電気的に接続されている。第2可動部4における引き出し配線61は、平面視においてコイル14,15よりも外側に配置され、第2接続部42Aにおける第1直線状部43A側の端部まで延在している。引き出し配線61における第1外部端子25とは反対側の端部61aは、第2可動部4の幅方向においてコイル14の内側端部14aと向かい合っている。
跨ぎ配線62は、第2可動部4に設けられ、コイル14の内側端部14aと引き出し配線61の端部61aとに電気的に接続されている。跨ぎ配線62は、平坦な層状に形成され、コイル14,15の上側(X軸及びY軸に直交する方向におけるコイル14,15の一方側)を跨ぐように延在している。すなわち、跨ぎ配線62は、コイル14,15と立体的に交差している。跨ぎ配線62は、平面視において引き出し配線61の端部61a及びコイル14の内側端部14aに重なるように、第2接続部42Aにおける第1直線状部43A側の端部に配置され、コイル14,15の延在方向における配置領域Rの一部を覆っている。なお、跨ぎ配線62は、図1及び図2では実線で描かれているが、実際には絶縁層35によって覆われている。
跨ぎ配線62は、第1部分62aと、第1部分62aに接続された第2部分62bと、を有している。第1部分62aは、配置領域Rの一方の第2部分56上に位置し、X軸及びY軸のそれぞれに対して45度傾斜した方向に沿って延在している。第2部分62bは、配置領域Rの一方の第3部分57上に位置し、X軸方向に沿って延在している。なお、第1部分62aが延在する方向は、X軸及びY軸に対して45度以外の角度で傾斜していてもよい。
図3は、図2に示されるIII-III線に沿っての断面図である。図3に示されるように、第2可動部4には、コイル14,15に対応する形状を有する溝部31が設けられている。溝部31の内面上には絶縁層32が設けられ、絶縁層32上には絶縁層33が設けられている。各コイル14,15は、絶縁層32,33を介して溝部31内に配置されている。すなわち、各コイル14,15は、第2可動部4に埋め込まれている。各コイル14,15は、例えばダマシン法によって溝部31内に銅等の金属材料が埋め込まれることにより形成されたダマシン配線である。絶縁層34は、コイル14,15及び絶縁層33を覆うように設けられている。絶縁層34上には絶縁層35が設けられている。各絶縁層32~35は、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等によって構成されている。各絶縁層32~35は、支持部2、第1可動部3、第2可動部4、一対の第1トーションバー5,6及び一対の第2トーションバー7,8の表面(磁界発生部9とは反対側の表面)を覆うように一体的に形成されている。
引き出し配線61は、例えば、コイル14,15と同様に構成されたダマシン配線である。すなわち、第2可動部4には、溝部36が設けられており、引き出し配線61は、絶縁層32,33を介して溝部36内に配置されている。引き出し配線61は、第2可動部4に埋め込まれており、絶縁層34,35によって覆われている。引き出し配線61は、各コイル14,15と同一の断面形状を有しているが、各コイル14,15とは異なる断面形状を有していてもよい。引き出し配線61は、コイル14,15を構成する金属材料と同一の金属材料によって構成されているが、コイル14,15を構成する金属材料とは異なる金属材料によって構成されてもよい。
跨ぎ配線62は、絶縁層34上に設けられ、絶縁層35によって覆われている。絶縁層34には、平面視においてコイル14の内側端部14aに対応する位置に開口34aが設けられると共に、平面視において引き出し配線61の端部61aに対応する位置に開口34bが設けられている。跨ぎ配線62は、各開口34a,34bに入り込んでおり、開口34a,34bを介して内側端部14aと端部61aとに接続されている。跨ぎ配線62は、引き出し配線61を構成する金属材料とは異なる金属材料(例えばアルミニウム又はアルミニウム系合金)によって構成されているが、引き出し配線61を構成する金属材料と同一の金属材料によって構成されてもよい。
跨ぎ配線62の幅W4は、各コイル14,15の幅W5よりも広い。また、跨ぎ配線62の幅W4は、コイル14,15の配置領域Rの幅(コイル14,15全体の幅)W6よりも広い。跨ぎ配線62の幅W4は、例えば、各コイル14,15の幅W5の5倍以上100倍以下である。なお、跨ぎ配線62の幅W4とは、コイル14の内側端部14aとの接続端から引き出し配線61の端部61aとの接続端に向かう方向に直交する方向における跨ぎ配線62の幅であり、換言すれば、コイル14,15の延在方向における跨ぎ配線62の幅である。本実施形態のように、互いに異なる方向に沿って延在する第1部分62a及び第2部分62bを跨ぎ配線62が有する場合、跨ぎ配線62の幅W4とは、第1部分62aの幅と第2部分62bの幅との和である。これらの点は、後述する跨ぎ配線64についても同様である。各コイル14,15の幅とは、コイル14,15の延在方向に直交する方向における各コイル14,15を構成する1本の導体の幅である。本実施形態では、コイル14,15の幅は互いに同一であるが、コイル14,15の幅は互いに異なっていてもよい。
跨ぎ配線62の厚さT1は、各コイル14,15の厚さT2よりも薄い。跨ぎ配線62の断面積は、各コイル14,15の断面積よりも大きい。なお、跨ぎ配線62又はコイル14,15の厚さとは、コイル14,15が配置された平面に直交する方向における跨ぎ配線62又はコイル14,15の厚さである。本実施形態では、コイル14,15の厚さは互いに同一であるが、コイル14,15の厚さは互いに異なっていてもよい。跨ぎ配線62の断面積とは、コイル14の内側端部14aとの接続端から引き出し配線61の端部61aとの接続端に向かう方向に直交する断面における跨ぎ配線62の断面積であり、換言すれば、第2可動部4の幅方向に直交する断面における跨ぎ配線62の断面積である。本実施形態では、跨ぎ配線62の断面積とは、第1部分62aの断面積と第2部分62bの断面積との和である。これらの点は、後述する跨ぎ配線64についても同様である。各コイル14,15の断面積とは、コイル14,15の延在方向に直交する断面における各コイル14,15の断面積である。
跨ぎ配線62とコイル14との接触領域の長さL1は、コイル14,15の幅W5よりも大きい。すなわち、絶縁層34には、図2に符号L1で示される範囲にわたって開口34aが設けられており、跨ぎ配線62とコイル14とは、当該範囲において互いに接触している。跨ぎ配線62とコイル14との接触領域は、コイル14,15の延在方向に沿って延在している。跨ぎ配線62と引き出し配線61との接触領域の長さL2は、コイル14,15の幅W5よりも大きい。すなわち、絶縁層34には、図2に符号L2で示される範囲にわたって開口34bが設けられており、跨ぎ配線62と引き出し配線61とは、当該範囲において互いに接触している。跨ぎ配線62と引き出し配線61との接触領域は、コイル14,15の延在方向に沿って延在している。
第3配線23とコイル15との接続態様は、第1配線21とコイル14との接続態様と同様である。図2に示されるように、コイル15の内側端部15aは、第1直線状部43Bと第3直線状部45Bとの境界の近傍まで延在している。第3配線23は、引き出し配線63と、跨ぎ配線64と、を有している。引き出し配線63は、第2可動部4、第2トーションバー7及び支持部2にわたって設けられ、第3外部端子27に電気的に接続されている。第2可動部4における引き出し配線63は、平面視においてコイル14,15よりも外側に配置されており、第2接続部42Aにおける第1直線状部43B側の端部まで延在している。引き出し配線63における第3外部端子27とは反対側の端部63aは、第2可動部4の幅方向においてコイル15の内側端部15aと向かい合っている。引き出し配線63は、引き出し配線61と同様にダマシン配線として構成されている。
跨ぎ配線64は、第2可動部4に設けられ、コイル15の内側端部15aと引き出し配線63の端部63aとに電気的に接続されている。跨ぎ配線64は、平坦な層状に形成され、コイル14,15の上側を跨ぐように延在している。跨ぎ配線64は、平面視において引き出し配線63の端部63a及びコイル15の内側端部15aに重なるように、第2接続部42Aにおける第1直線状部43B側の端部に配置され、コイル14,15の延在方向における配置領域Rの一部を覆っている。跨ぎ配線64は、跨ぎ配線62に対してY軸に関して対称に配置されている。跨ぎ配線64は、跨ぎ配線62と同様に、絶縁層35に設けられた開口を介して内側端部15aと端部63aとに接続されている。なお、跨ぎ配線64は、図1及び図2では実線で描かれているが、実際には絶縁層35によって覆われている。
跨ぎ配線64の幅W7は、各コイル14,15の幅W5よりも広い。また、跨ぎ配線64の幅W7は、コイル14,15の配置領域Rの幅W6よりも広い。跨ぎ配線64の厚さは、跨ぎ配線62の厚さT1と同一であり、各コイル14,15の厚さT2よりも薄い。跨ぎ配線64の断面積は、各コイル14,15の断面積よりも大きい。
跨ぎ配線64とコイル15との接触領域の長さL3は、コイル14,15の幅W5よりも大きい。跨ぎ配線64と引き出し配線61の接触領域の長さL4は、コイル14,15の幅W5よりも大きい。なお、第2配線22及び第4配線24は、例えば、引き出し配線61,63と同様にダマシン配線として構成されている。
図1に示されるように、第2可動部4には、一対のダミー跨ぎ配線65,66が設けられている。ダミー跨ぎ配線65は、平面視において、跨ぎ配線64に対して第2可動部4の中心に関して点対称に配置されている。ダミー跨ぎ配線65は、跨ぎ配線64との質量バランス及び剛性バランスを調整するために設けられている。ダミー跨ぎ配線66は、平面視において、跨ぎ配線62に対して第2可動部4の中心に関して点対称に配置されている。ダミー跨ぎ配線66は、跨ぎ配線62との質量バランス及び剛性バランスを調整するために設けられている。本実施形態では、平面視における第2可動部4の中心は、本体部3aの中心P(X軸とY軸との交点)と一致している。
ダミー跨ぎ配線65,66は、跨ぎ配線62,64に対応した構成を有している。すなわち、各ダミー跨ぎ配線65,66は、平坦な層状に形成され、コイル14,15の上側を跨ぐように、絶縁層34と絶縁層35との間に配置されている。ただし、各ダミー跨ぎ配線65,66は、コイル14,15に電気的に接続されていない。すなわち、ダミー跨ぎ配線65,66の形成箇所における絶縁層34には開口34a,34bが設けられていない。
図4~図6に示されるように、第2可動部4には、一対のダミーコイル67,68及び一対のダミーコイル71,72が設けられている。なお、図4及び図6では、コイル14,15にハッチングが付されているが、図4及び図6は断面を示すものではない。
ダミーコイル67は、コイル14が内側端部14aから渦巻き状に仮想的に延長された位置に配置されている。ダミーコイル67は、コイル14との質量バランス及び剛性バランスを調整するために設けられている。ダミーコイル67は、コイル14に対応した構成を有しており、第2可動部4に埋め込まれている。ダミーコイル67は、コイル14に電気的に接続されていないが、電気的に接続されていてもよい。図5に示されるように、ダミーコイル67は、第2接続部42AにおけるY軸上から、第1直線状部43B、第3直線状部45B、第1接続部41B、第4直線状部46B、第2直線状部44B、第2接続部42B及び第2直線状部44Aを介して、第2直線状部44Aと第4直線状部46Aとの境界の近傍まで延在している。
ダミーコイル68は、コイル15が内側端部15aから渦巻き状に仮想的に延長された位置に配置されている。ダミーコイル68は、コイル15との質量バランス及び剛性バランスを調整するために設けられている。ダミーコイル68は、コイル15に対応した構成を有しており、第2可動部4に埋め込まれている。ダミーコイル68は、コイル15に電気的に接続されていないが、電気的に接続されていてもよい。図5に示されるように、ダミーコイル68は、第3直線状部45Bにおける第1直線状部43B側の端部の近傍から、第1接続部41B及び第4直線状部46Bを介して、第4直線状部46Bと第2直線状部44Bとの境界の近傍まで延在している。
図5に示されるように、ダミーコイル71は、平面視において、コイル14の外側端部に対してY軸に関して対称に配置されている。ダミーコイル71は、コイル14との質量バランス及び剛性バランスを調整するために設けられている。ダミーコイル71は、コイル14に対応した構成を有しており、第2可動部4に埋め込まれている。ダミーコイル71は、コイル14に電気的に接続されていないが、電気的に接続されていてもよい。ダミーコイル72は、平面視において、コイル15の外側端部に対してY軸に関して対称に配置されている。ダミーコイル72は、コイル15との質量バランス及び剛性バランスを調整するために設けられている。ダミーコイル72は、コイル15に対応した構成を有しており、第2可動部4に埋め込まれている。ダミーコイル72は、コイル15に電気的に接続されていないが、電気的に接続されていてもよい。
図6に示されるように、コイル14は、コイル15の内側端部15aよりも内側の位置において、第1可動部3の周りに複数回巻回されている。これは、コイル14に入力される電流量とコイル15に入力される電流量が異なり、コイル14の巻き数がコイル15の巻き数よりも多いためである。コイル15の内側端部15aよりも内側の位置において、コイル14は、コイル14が本来配置されるべき位置だけでなく、コイル15が内側端部15aから渦巻き状に仮想的に延長された位置にも配置されている。換言すれば、コイル14は、コイル15が延長されていないことによって空いたスペースにも配置されている。各ダミーコイル67,68は、平面視においてコイル14,15よりも内側に配置されている。
図7に示されるように、支持部2における第1配線21(引き出し配線61)は、互いに並列に接続された複数(この例では3本)の配線部21aを有している。配線部21aは、例えば直線状に形成され、互いに幅方向に隣り合うように並んで配置されている。各配線部21aは、ダマシン配線として構成されているが、支持部2の表面上に配置された配線であってもよい。図示は省略されているが、支持部2における各配線22~24は、第1配線21と同様に、互いに並列に接続された複数(例えば、3本)の配線部を有している。
以上説明したように、アクチュエータ装置1では、コイル14の内側端部14aと引き出し配線61とが、コイル14,15を跨ぐように第2可動部4に設けられた跨ぎ配線62によって互いに接続されている。跨ぎ配線62の幅W4は、各コイル14,15の幅W5よりも広く、跨ぎ配線62の厚さT1は、各コイル14,15の厚さT2よりも薄い。同様に、コイル15の内側端部15aと引き出し配線63とが、コイル14,15を跨ぐように第2可動部4に設けられた跨ぎ配線64によって互いに接続されている。跨ぎ配線64の幅W7は、各コイル14,15の幅W5よりも広く、跨ぎ配線64の厚さは、各コイル14,15の厚さT2よりも薄い。これにより、跨ぎ配線62,64の配線抵抗を低減することができ、コイル14,15に入力される電流量が増加した場合でも発熱量の増加を抑制することができる。更に、跨ぎ配線62,64の幅W4,W7がコイル14,15の幅W5よりも広く、跨ぎ配線62,64の接地面積が広いため、跨ぎ配線62,64が剥がれるのを抑制することができる。その結果、跨ぎ配線62,64を安定的に配置することができ、信頼性を向上することができる。更に、各跨ぎ配線62,64の厚さT1が各コイル14,15の厚さT2よりも薄いため、跨ぎ配線62,64によって第2可動部4の表面に凹凸が形成されてしまうのを抑制することができ、信頼性の向上及び製造の容易化を図ることができる。よって、アクチュエータ装置1によれば、コイル14,15に入力される電流量が増加した場合でも発熱量の増加を抑制することができると共に、製造を容易化することができる。なお、跨ぎ配線62,64の幅W4,W7が広く、平面視における跨ぎ配線62,64の面積が大きい場合、寄生容量が増加するため、駆動時にスパイクノイズが発生する可能性があるが、アクチュエータ装置1では、跨ぎ配線62,64の幅W4,W7を敢えて増加させることにより、良好な特性が得られている。
アクチュエータ装置1では、コイル14と跨ぎ配線62との接触領域の長さL1が、各コイル14,15の幅W5よりも大きい。同様に、コイル15と跨ぎ配線64との接触領域の長さL3が、コイル14,15の幅W5よりも大きい。これにより、コイル14,15と跨ぎ配線62,64との間の接触抵抗を低減することができ、発熱量の増加を効果的に抑制することができる。
アクチュエータ装置1では、引き出し配線61と跨ぎ配線62との接触領域の長さL3が、コイル14,15の幅W5よりも大きい。同様に、引き出し配線63と跨ぎ配線64との接触領域の長さL4が、コイル14,15の幅W5よりも大きい。これにより、引き出し配線61,63と跨ぎ配線62,64との間の接触抵抗を低減することができ、発熱量の増加をより効果的に抑制することができる。
アクチュエータ装置1では、跨ぎ配線62,64の断面積が、コイル14,15の断面積よりも大きい。これにより、発熱量の増加をより一層効果的に抑制することができる。
アクチュエータ装置1では、跨ぎ配線62の幅W4及び跨ぎ配線64の幅W7が、コイル14,15の配置領域Rの幅W6よりも広い。これにより、発熱量の増加をより一層効果的に抑制することができる。
アクチュエータ装置1では、コイル14,15が第2可動部4に埋め込まれており、各跨ぎ配線62,64が、平坦な層状に形成され、コイル14,15の上側を跨ぐように延在している。これにより、コイル14,15を安定的に配置することができ、信頼性を一層向上することができる。更に、跨ぎ配線62によって第2可動部4の表面に凹凸が形成されてしまうのを効果的に抑制することができ、製造を一層容易化することができる。更に、コイル14,15が第2可動部4に埋め込まれた後に、第2可動部4及びコイル14,15の表面を平坦化する工程を行なうことができるため、跨ぎ配線62,64を平坦な表面上に形成することができ、製造を一層容易化することができる。第2可動部4及びコイル14,15の表面を平坦化したとしても、当該表面に僅かに凹凸が残存する場合がある。アクチュエータ装置1では、跨ぎ配線62,64がそのような凹凸上に形成されたとしても、跨ぎ配線62,64の幅W4,W7がコイル14,15の幅W5よりも広く、跨ぎ配線62,64の接地面積が広いため、跨ぎ配線62,64が剥がれるのを抑制することができ、跨ぎ配線62,64を安定的に配置することができる。
アクチュエータ装置1では、第1配線21が、コイル14の内側端部14aから第2トーションバー7を介して第1外部端子25まで延在しており、第2配線22が、コイル14の外側端部から第2トーションバー8を介して第2外部端子26まで延在している。これにより、第1配線21が第2トーションバー7を通ると共に第2配線22が第2トーションバー8を通るため、例えば第1配線21及び第2配線22の双方が第2トーションバー7を通る場合と比べて、第2トーションバー7,8間において発熱量を均一化させることができる。その結果、熱分布の偏りに起因して第2可動部4の固有振動数や剛性が変化してしまうのを抑制することができる。
アクチュエータ装置1では、第2可動部4には、コイル14が内側端部14aから渦巻き状に仮想的に延長された位置に、コイル14との質量バランスを調整するためのダミーコイル67が設けられると共に、コイル15が内側端部15aから渦巻き状に仮想的に延長された位置に、コイル15との質量バランスを調整するためのダミーコイル68が設けられている。これにより、第2可動部4の質量バランス及び剛性バランスを向上することができる。
アクチュエータ装置1では、第2可動部4には、跨ぎ配線62との質量バランスを調整するためのダミー跨ぎ配線65と、跨ぎ配線64との質量バランスを調整するためのダミー跨ぎ配線66とが設けられている。これにより、第2可動部4の質量バランス及び剛性バランスを向上することができる。
アクチュエータ装置1では、ダミー跨ぎ配線65が、平面視において、跨ぎ配線62に対して第2可動部4の中心に関して点対称となる位置に配置されている。同様に、ダミー跨ぎ配線66が、平面視において、跨ぎ配線64に対して第2可動部4の中心に関して点対称となる位置に配置されている。これにより、第2可動部4の質量バランス及び剛性バランスを効果的に向上することができる。
アクチュエータ装置1では、一対のコイル14,15が、平面視において第2可動部4の幅方向に互い違いに並ぶように、配置されている。これにより、第1可動部3を好適に駆動することができる。
アクチュエータ装置1では、コイル14は、コイル15が内側端部15aから渦巻き状に仮想的に延長された位置に配置されている。これにより、コイル14をより外側に配置することができ、駆動力を増加させることができる。
アクチュエータ装置1では、第2トーションバー7,8が、Y軸周りに第2可動部4が揺動可能となるように、第2可動部4と支持部2とを互いに連結している。これにより、第2可動部4を第1可動部3と共にY軸周りに揺動させることができる。
アクチュエータ装置1では、支持部2における第1配線21が、互いに並列に接続された複数の配線部21aを有している。これにより、支持部2における第1配線21の配線抵抗を低減することができ、発熱量の増加をより一層効果的に抑制することができる。
アクチュエータ装置1は、各外部端子25~28にそれぞれ接続され、外部に引き出された四対のワイヤ29を備えている。これにより、各外部端子25~28から引き出される配線の配線抵抗を低減することができ、発熱量の増加をより一層効果的に抑制することができる。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限られない。例えば、図8に示される変形例のように、コイル14,15及び引き出し配線61は、第2可動部4上に配置されてもよい。この変形例では、第2可動部4の表面上に絶縁層34が設けられ、絶縁層34上に跨ぎ配線62が設けられている。絶縁層34上には、跨ぎ配線62を覆うように絶縁層35が設けられている。コイル14,15及び引き出し配線61は、絶縁層35上に設けられている。すなわち、コイル14,15は、絶縁層34,35を介して第2可動部4上に配置されており、跨ぎ配線62は、コイル14,15の下側を跨ぐように、コイル14,15と第2可動部4との間に延在している。
絶縁層35には、平面視においてコイル14の内側端部14aに対応する位置に開口35aが設けられると共に、平面視において引き出し配線61の端部61aに対応する位置に開口35bが設けられている。跨ぎ配線62は、各開口35a,35bに入り込んでおり、開口35a,35bを介して内側端部14aと端部61aとに接続されている。絶縁層35上には、各コイル14,15及び引き出し配線61を覆うように絶縁層37が設けられている。絶縁層37は、各コイル14,15及び引き出し配線61の保護のために設けられている。各コイル14,15及び引き出し配線61が例えば金等の腐食耐性を有する金属材料によって構成されている場合には、絶縁層35は設けられなくてもよい。跨ぎ配線64についても跨ぎ配線62と同様に、コイル14,15の下側を跨ぐように、コイル14,15と第2可動部4との間に配置される。
このような変形例によっても、上記実施形態と同様に、コイル14,15に入力される電流量が増加した場合でも発熱量の増加を抑制することができると共に、信頼性の向上及び製造の容易化を図ることができる。更に、コイル14,15が第2可動部4上に配置されており、跨ぎ配線62,64が、コイル14,15の下側を跨ぐように、コイル14,15と第2可動部4との間に延在しているため、跨ぎ配線62,64の保護を図ることができる。更に、跨ぎ配線62,64の厚さT1が各コイル14,15の厚さT2よりも薄いため、跨ぎ配線62,64の上側を跨ぐようにコイル14,15を容易に形成することができる。その結果、コイル14,15に破損等(例えば亀裂)が生じるのを抑制することができ、コイル14,15の信頼性を向上することができる。
上記実施形態では、Y軸周りに第1可動部3及び第2可動部4をリニア動作させたが、Y軸周りに第1可動部3及び第2可動部4を共振動作させてもよい。上記実施形態では、第2可動部4に一対のコイル14,15が設けられていたが、第2可動部4に1本のコイルのみが設けられてもよい。この場合でも、当該コイルへの駆動信号の入力により、第1可動部3をX軸周りに揺動させると共に第2可動部4をY軸周りに揺動させることができる。第2可動部4にコイル14のみが設けられる場合、各配線23,24及び各外部端子27,28は省略されるが、上記実施形態において跨ぎ配線64が配置されていた位置に、跨ぎ配線62との質量バランスを調整するためのダミー跨ぎ配線が設けられてもよい。すなわち、第2可動部4には、平面視において跨ぎ配線62に対してY軸に関して対称な位置に、ダミー跨ぎ配線が設けられてもよい。上記実施形態において、起電力を測定するための起電力モニタコイルが第2可動部4に設けられてもよいし、温度を測定するための温度センサコイルが支持部2に設けられてもよい。
上記実施形態では、X軸及びY軸のそれぞれの周りに第1可動部3が揺動させられたが、X軸周りのみに第1可動部3が揺動させられるようにアクチュエータ装置1が構成されてもよい。この場合、第2連結部は、第2トーションバー7,8のように捩れ変形可能なものでなくてもよく、第2可動部4を振動させることによってX軸周りに第1可動部3が揺動可能となるように(第2可動部4が少なくともX軸周りに振動可能となるように)、第2可動部4と支持部2とを互いに連結するものであればよい。このような第2連結部の設計自由度は比較的高い。例えば、第2連結部は、Y軸上における第2可動部4の両側に配置され、Y軸上において第2可動部4と支持部2とに接続された一対の部材であってもよいし、Y軸上及び/又はY軸上以外の位置において第2可動部4と支持部2とに接続された複数対の部材であってもよい。或いは、第2連結部は、X軸上における第2可動部4の両側に配置され、X軸上において第2可動部4と支持部2とに接続された一対の部材であってもよい。これらの場合、第2可動部4には、1本のコイルが設けられる。当該コイルへの駆動信号の入力により、第1可動部3をX軸周りに揺動させることができる。
第2可動部4にコイル14のみが設けられる場合、第1配線21が第2トーションバー7を通ると共に第2配線22が第2トーションバー8を通ってもよいが、第1配線21及び第2配線22の双方が第2トーションバー7を通ってもよい。この場合、ダミーコイル67を省略することができる。跨ぎ配線62の幅W4及び跨ぎ配線64の幅W7の少なくとも一方は、コイル14,15の配置領域Rの幅W6よりも狭くてもよい。コイル14と跨ぎ配線62との接触領域の長さL1、引き出し配線61と跨ぎ配線62との接触領域の長さL2、コイル15と跨ぎ配線64との接触領域の長さL3、及び引き出し配線63と跨ぎ配線64との接触領域の長さL4の少なくとも1つは、コイル14,15の幅W5よりも小さくてもよい。
各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。例えば、跨ぎ配線62,64は、一方向に沿って延在する部分のみを有していてもよく、跨ぎ配線62,64の形状及び配置は上述した例に限られない。第2可動部4は、平面視において略円形状、略楕円形状、略四角形状又は略菱形状等を呈していてもよい。環状部3bが設けられず、第1トーションバー5,6が本体部3aに直接に接続されてもよい。第2トーションバー7,8は、平面視において直線状に延在していてもよい。第2トーションバー7,8は、第2可動部4がY軸周りに揺動可能となるように、Y軸上以外の位置において第2可動部4と支持部2とを互いに連結していてもよい。ダミー跨ぎ配線65,66及びダミーコイル67,68の少なくとも一方は設けられなくてもよい。アクチュエータ装置1は、ミラー面10以外を駆動するものであってもよい。上記実施形態では、一対のコイル14,15が互い違いに並ぶように配置されていたが、平面視においてコイル14,15の一方が他方の内側に配置されてもよい。3本以上のワイヤ29が第1外部端子25に接続されてもよい。上記変形例において、第2可動部上に設けられたコイル14,15の上側を跨ぐように、跨ぎ配線62が設けられてもよい。上記実施形態では、第2可動部4を振動させることによって第1可動部3が揺動させられたが、第1可動部3にコイルが設けられ、当該コイルに作用するローレンツ力によって第1可動部3が直接に揺動させられてもよい。この場合でも、上記実施形態と同様に、発熱量の増加を抑制することができる。