JP2009251002A - アクチュエータ、画像形成装置及びアクチュエータの製造方法 - Google Patents

アクチュエータ、画像形成装置及びアクチュエータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡易な工程で製造されるアクチュエータ及びその製造方法を提供することを
目的とする。
【解決手段】本発明のアクチュエータは、平板状の可動板(21)と可動板(21)を基板に対し
て揺動可能に支持する一対のトーションバー(24),(24)とを一体形成し、可動板(21)の
中央部に反射鏡(22)を設け、可動板(21)の周縁部に通電により磁界を発生するコイル部(2
3)と、このコイル部(23)に静磁界を与える磁界発生手段とを備え、可動板(21)とトーショ
ンバー(24)上に反射ミラー(22)と引き出し配線(26)とが導電性膜によって一体的に形成さ
れる構成を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、光スキャナや画像形成装置などに使用される反射ミラーを駆動する
アクチュエータの改良に関するものである。
レーザ光を用いるディスプレイ、プリンタなどに応用される光スキャナは、画像などを
描画するために高速なスキャン動作が要求されている。この高速なスキャン動作を実現す
るために、ポリゴンミラーやガルバノミラーが使用されているが、小型化や高速性化とい
う点で限界がある。そこで、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により
、シリコン(Si)基板を微細加工して製作される揺動(振動)ミラーを用いたガルバノ
ミラーが提案されている。MEMSのガルバノミラーは、静電力や電磁力を用いるアクチ
ュエータによって駆動される。MEMSミラーは高い共振周波数で振動するため、より高
い解像度の描画が可能になる利点がある。
特許文献1には、MEMSによる微小可動ミラーを電磁力で駆動するようにしたアクチ
ュエータの一例が紹介されている。
特開平8−322227号公報
電磁力を用いるMEMSのガルバノミラーのアクチュエータでは、磁場に配置される可
動板の中央部に反射ミラーを形成し、反射ミラーの外周に駆動コイル(可動コイル)を渦
巻き状に形成している。そして、可動板を支持するトーションバー上に設けた配線を介し
て外部から駆動コイルに電流を供給し、磁場と駆動コイル間に電磁力を生じさせる。
しかしながら、このようなアクチュエータの構成では、可動コイルの内周側端部と配線
とを接続するために、配線が可動コイルの線輪を横切る構成となるため、微小な可動板上
に形成される各部のパターンが複雑化し、また、製造プロセスの工数が多くなっている。
製造プロセスの工数が増えると、製造コストがかかり、生産性が下がるだけでなく、可動
部の質量がばらつく原因ともなる。
よって、本発明はより簡易な方法で製造することを可能とするアクチュエータの構造及
びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のアクチュエータは、ミラーとコイルが形成された可動
板と、該可動板を支持部に揺動可能に支持する一対のトーションバーと、上記コイルに磁
場を与える磁界発生手段と、上記トーションバー上に形成されて上記コイルと接続される
引き出し配線と、を備え、上記ミラー及び上記引き出し配線が導電性材料によって一体に
形成される。
このような構成とすることで、反射ミラーとコイルを横切る引き出し配線とを一体形成
するため、製造プロセス工程が省略化でき、生産性が高くなる。
好ましくは、本発明のアクチュエータは上記導電性膜はアルミニウムから形成されてい
る。光反射率及び導電性において良好であり、銀、金などとと比べて安価である。
これにより、反射鏡とコイルの一部である通電接続部とを一体形成するため、製造プロ
セス工程が省略化でき、生産性を高くすることができる。
本発明のアクチュエータでは上記コイルの厚さは上記反射鏡の厚さの5倍以上であるこ
とが望ましい。このように、コイルを厚く形成することにより、コイルに電流が流れやす
くなり、所望の回動動作が可能になる。
本発明の製造方法は、基板をパターニングして、可動板とこの可動板を揺動可能に支持
する一対のトーションバーを形成する第1の工程と、上記可動板と上記トーションバーの
一方にミラーと引き出し配線を導電性材料によって一体形成する第2の工程と、上記可動
板の引き出し配線上の少なくとも一部に絶縁層を形成する第3の工程と、上記可動板のミ
ラーの外周囲及び上前記絶縁層上に、一端が上記ミラーに接続され他端が前記トーション
バーの他方上に延在するコイルを形成する第4の工程と、とを含む。
このように、ミラーとコイルの一方の引き出し配線とを一体形成するため、製造プロセ
ス工程が省略化でき、生産性が高くなる。
さらに、本発明のアクチュエータの製造方法は、導電性膜がアルミニウムから形成され
ることが望ましい。それにより、ミラーの反射膜とコイルへ電圧を与える引き出し配線と
を一体形成することが可能になる。
さらに、本発明のアクチュエータの製造方法は前記コイル部の厚さを前記反射鏡の厚さ
の少なくとも5倍に形成するものである。コイルを厚く形成するため、コイルに電流が流
れやすくなり、所望の回動動作が可能になる。
上記引き出し配線の線幅は、上記コイルの線幅よりも広く設定されることが望ましい、
それにより、薄膜による引き出し配線の抵抗値を下げることが可能となって具合がよい。
また、本発明の画像形成装置は、上述したアクチュエータを使用した光スキャナを含む
ことを特徴とする。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
まず、本願のアクチュエータを使用して走査光を形成する光スキャナを使用する画像形
成装置の例について説明する。
(画像形成装置)
図6は、画像形成装置の一例であるプロジェクタを示している。プロジェクタは、R、
G、Bの画像信号で変調されたR、G、B光ビームを出力する光源装置911〜913と
、光ビーム合成装置92と、光スキャナ93及び94と、固定ミラー95とを備えている
光ビーム合成置92は、光源装置911〜913それぞれから出射された3色の光ビー
ムを1つの光ビームに合成し、合成された光ビームを光スキャナ93に送り出す。合成光
ビームは光スキャナ93によって左右方向に走査する(主走査)の光ビームとなり、更に
、光スキャナ94によって垂直方向にも走査する(副走査)2次元走査の光ビームとなる
。この走査光ビームはさらに固定ミラー95によって反射され、スクリーンS上にカラー
画像を形成する。
副走査を行う光スキャナ94の回動速度は、主走査を行う光スキャナ93の回動速度に
対して低速である。例えば、副走査を行う光スキャナ94の揺動(振動)周波数が60H
z程度で、主走査を行う光スキャナ93の揺動(振動)周波数が10〜256kHz程度
である。
なお、画像形成装置には、上述したレーザプロジェクタの他にレーザプリンタなど種々
のものがある。また、光スキャナはバーコードリーダなどにも使用されている。
(実施例)
次に、光スキャナなどに使用されるアクチュエータについて説明する。図1は本発明が
適用されたアクチュエータの平面図であり、図2は、図1のA−A'方向における断面を
説明する断面図である。
同図に示すように、アクチュエータは、概略、凹部空間が形成された基礎基板10と、
可動板21及びミラー(可動ミラー)22が形成された可動ミラー基板20とによって構
成されている。
基礎基板10は、例えば、ガラス基板やシリコン基板の中央部をエッチングすることに
より、あるいは両端部にスぺーサ部を形成することなどによって可動ミラー22が振動す
る凹部空間を形成している。基礎基板10の左右両側には、図示しない一対の永久磁石が
配置されて静磁場を形成する。
可動ミラー基板20は、例えば、シリコンの単結晶板(薄板)をMEMSの微細加工技
術を用いて構成され、コイル23によって付勢される可動板21、可動板21上に形成さ
れたミラー22、可動板31の両端部に設けられた一対のトーションバー(捻りばね)2
4、24、可動板21を支持する支持枠固定部25などによって構成されている。
上述した可動板21と右側のトーションバー24の表面にはそれぞれ、例えば、アルミ
ニウムを蒸着して一体形成された、ミラー22とコイル23に電流を与えるための幅広に
形成された引き出し配線26とが設けられている。ミラー22に接続された配線26はコ
イル23の下を横切って右方向に延在し、外部との接続端子部に至っている。配線26と
コイル23との間には両者間の短絡を防止する絶縁層28が設けられている。絶縁層28
は、例えば、シリコン窒化膜あるいはシリコン酸化膜などで形成される。
ミラー22の外周囲にはコイル23が螺旋状に設けれている。可動板21の回動軸の左
方の側のトーションバー24上にはコイル23の外周側の一端が延ばされ、そのままコイ
ル23の他方の接続端子部となっている。コイル23の内周側の他端はミラーに22に接
続されている。コイル23の他端はミラー22、引き出し配線26を経て接続端子に至る
なお、ミラー22と一体形成される引き出し配線26は、トーションバー26上で幅広
に形成している。これは、ミラー22と共に形成される引き出し配線26は膜薄(1μm
以下)構造となるため、その抵抗値が大きくなり、コイル23に電流が流れにくくなる。
そのため、幅広な構成とすることで、引き出し配線26の抵抗値を小さくし、コイル23
に電流が流れやすくする。さらに、コイル23の層の厚さを5μm程度とミラーよりも厚
めに形成する。すなわち、コイル7の厚さを反射鏡の厚さの5倍以上となるように厚く形
成し、コイル23の抵抗を低くして電流を流しやすくする。
このように、膜薄のミラーと引き出し配線26とを一体形成しても、回動動作に必要と
なる大きさの電流を流すことが可能になる。
このような構成を有するアクチュエータは、図示しない制御回路によってコイル23に
駆動電流が供給されると、永久磁石が形成する静磁界との電磁力作用(フレミナングの左
手則)によりコイル23に付勢力が発生し、トーションバー24、24を回動軸として可
動板21を電流値に応じたある振れ角まで回動する。また、供給電流をオフにすると、ト
ーションバー24、24のバネ力によって可動板21が元に戻る。このオンオフ動作を高
速で行うとあるスイッチング周波数(駆動周波数)で可動板21が最もよく振れる状態(
共振状態)となる。この振動が安定した共振状態でアクチュエータを使用する。このよう
に可動電極板と共に振動しているミラー22にレーザ光などの光ビームを照射すると、反
射光が走査光ビームとなる。
(製造工程)
次に、図3を参照して本発明によるアクチュエータ(可動ミラー基板)の製造方法につ
いて説明する。
本実施の形態のアクチュエータ1は、シリコン基板をMEMS技術によって微細加工し
て製造される。
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板101の両面に保護膜として酸化シリコ
ン膜またはシリコン窒化膜103が成膜される。
次に、シリコン基板101をパターニングして、上述した可動板21、トーションバー
24、24を形成する。これは、基板に可動板21、トーションバー24、24の形状の
レジストマスク104を形成し、RIE装置を用いてシリコン基板101をエッチング加
工して行う(図3(b))。その後、表面のマスクを除去する(図3(c))。
次に、シリコン基板101上に、高光反射性の導電性物質、例えば、アルミニウム10
5を蒸着し、パターニングを行って、可動板21の中央部付近上に反射ミラー22を、右
トーションバー24上には引き出し配線26を一体形成する(図3(d)参照)。このと
き、上述したように引き出し配線26は、その抵抗値を小さくするために、トーションバ
ー24上で幅広に形成する。
次に、コイル23と交差する領域の引き出し配線26上に、絶縁性を有するシリコン酸
化膜により中間絶縁層28を形成する(図3(e)参照)。
最後に、例えば、公知の電鋳コイル法によって、ミラー23の外周部上には螺旋状のコ
イル23を、左方のトーションバー24上にはもう一方の引き出し配線27をそれぞれ形
成する(図3(f))。電鋳コイル法は、シリコン基板101のコイル形成面(上面)側
にニッケルのスパッタを行ってニッケル層を形成し、銅電解めっきを行って銅層を形成す
る。次に、ポジ型のレジストでコイル及び電極端子に相当する部分をマスクし、銅エッチ
ング、ニッケルエッチングを順次行い、エッチング後、レジストを除去し、更に、銅電解
めっきを行ってニッケル層の全周を銅で覆いコイル23及び左側の引き出し配線27に相
当する銅層を形成する。次に、銅層を除いた部分にネガ型のメッキレジストを塗布した後
、銅電解めっきを行って銅層を厚くして、コイル23及び左方の引き出し配線27を形成
する。このとき、螺旋状のコイル23の内周側他端はミラー22の一部に接続するように
形成する。この導通によりコイル23の他端はミラー22を介して右側トーションバー上
の引き出し配線26と接続される。
さらに、コイル23の導電層の厚さをミラー22の膜厚さの5倍程度の5μm程度と厚
く形成して、抵抗値を小さくしコイル23に電流が流れやすくなるようにする。
このように、本実施例においては、反射ミラー22とコイル23の一方の引き出し配線
26とを一体形成するため、後述の参考例のように一方の引き出し配線26を形成する工
程が不要になり、その作製工程を省略することができ、(1)反射ミラー22と一方の引き
出し配線26の形成、(2)中間絶縁層28の形成、(3)コイル層23の形成と、3工程です
む。反射鏡とコイルの一方の通電接続部とを一体形成するため、製造プロセス工程が省略
化でき、生産性が高くなる。
なお、実施例では、トーションバー24、24にそれぞれ引き出し配線26,27を形
成したが、一方のトーションバー24に引き出し配線26,27を形成しても良い。
(比較例)
図4及び図5は比較例を示している。図4は一対のトーションバー24、24及び可動
板21の部分を示す平面図であり、図5は図4のB−B'方向における断面図である。両
図において図1及び図2と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略す
る。なお、図5においては、可動ミラー基板20のみを示している。
図示のように、可動板5のミラー22の形成部分の外周囲にはコイル23が螺旋状に設
けられており、可動板21の左側のトーションバー24にはコイル23が延在し、延在部
分は一方の電極端子まで接続する引き出し配線27となる。可動板21の右方のコイル2
3の表面には、例えば、シリコン窒化膜あるいは酸化シリコン膜(SiO2)の中間絶縁
層28が設けられている。中間絶縁層28の上には、コイル23の内周側端とコイル23
を横切って他方の電極端子とを接続する引き出し配線26が形成されている。中間絶縁層
201は、コイル23と引き出し配線26との短絡を防止する。
このような比較例では、引き出し配線26が周回しているコイル23と短絡しないよう
にするために、(1)コイル23形成、(2)中間絶縁層28形成、(3)引き出し配線26形成
、(4)反射ミラー形成、の順に4つの工程が必要である。
これに対して、本願の実施例によれば、反射ミラー22とコイル23の一方の引き出し
配線26とを一体形成するため、(3)引き出し配線26を形成する工程が不要になり、そ
の作製工程を省略することができる。
以上説明したように、本願発明のアクチュエータによれば、反射ミラーとコイルの一方
の引き出し配線とを一体で形成する構造としているため、引き出し配線の形成工程が省略
でき、生産性が高くなる。より簡易な方法により製造されるアクチュエータを実現するこ
とが可能である。
図1は本発明の実施の形態に係るアクチュエータを説明する説明図である。 図2は図1のA−A'方向における断面を示す断面図である。 図3は本発明の実施の形態に係るアクチュエータの製造方法を説明する工程図である。 図4は比較例のアクチュエータを説明する説明図である。 図5は図4のB−B'方向における断面を示す断面図である。 図6は画像形成装置の例を説明する説明図である。
符号の説明
1 アクチュエータ、10 基礎基板、20 可動ミラー基板5、21 可動板、22
ミラー、23 コイル、24 トーションバー、25 支持枠固定部、26,27 引き
出し配線、28 中間絶縁層、101 シリコン基板、6 トーションバー、103 酸
化シリコン膜、104 フォトレジスト層

Claims (8)

  1. ミラーとコイルが形成された可動板と、
    該可動板を支持部に揺動可能に支持する一対のトーションバーと、
    前記コイルに磁場を与える磁界発生手段と、
    前記トーションバー上に形成されて前記コイルと接続される引き出し配線と、を備え、
    前記ミラー及び前記引き出し配線が導電性材料によって一体に形成される、アクチュエ
    ータ。
  2. 前記導電性材料はアルミニウムである、請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記コイルの膜厚は前記ミラーの膜厚の少なくとも5倍である、請求項1又は2に記載
    のアクチュエータ。
  4. 基板をパターニングして、可動板とこの可動板を揺動可能に支持する一対のトーション
    バーを形成する第1の工程と、
    前記可動板と前記トーションバーの一方にミラーと引き出し配線を導電性材料によって
    一体形成する第2の工程と、
    前記可動板の引き出し配線上の少なくとも一部に絶縁層を形成する第3の工程と、
    前記可動板のミラーの外周囲及び前記絶縁層上に、一端が前記ミラーに接続され他端が
    前記トーションバーの他方上に延在するコイルを形成する第4の工程と、
    とを含むアクチュエータの製造方法。
  5. 前記導電材料はアルミニウムである請求項4に記載のアクチュエータの製造方法。
  6. 前記コイル部の膜厚は前記ミラーの膜厚の少なくとも5倍であることを特徴とする請求
    項4又は5に記載のアクチュエータの製造方法。
  7. 前記引き出し配線の線幅は、前記コイルの線幅よりも広く設定される請求項4乃至6の
    いずれかに記載のアクチュエータの製造方法。
  8. 請求項1乃至3のいずれかに記載のアクチュエータを使用した光スキャナを含む画像形
    成装置。
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