シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、式X
g[Z
jY
o]
cを有し、各Xは、独立して、式(I)または(II)のうちの1つを有するシリコーン部分であり、
各Yは、独立して選択されたポリカーボネート部分であり、各Zは、式[R
1
hSiO
(4-h)/2]
dを有する独立して選択されたシロキサン部分であり、式中、各R
1は、1~18個の炭素原子を有する独立して選択された置換または非置換ヒドロカルビル基であり、各R
2は、1~18個の炭素原子を有する独立して選択された置換または非置換ヒドロカルビル基であり、各D
1は、2~18個の炭素原子を有する独立して選択された二価の炭化水素基であり、各下付き文字aは、独立して0~2であり、各下付き文字bは、独立して0または1であり、下付き文字cは、1~150であり、各下付き文字dは、1~1000であり、各下付き文字eは、独立して1または2であり、各下付き文字fは、独立して0または1であり、ただし、各X内において、fが1のとき、bは1であり、下付き文字hは、下付き文字dによって示される各部分において0~2から独立して選択され、各下付き文字jは、独立して≧0かつ<2であり、各下付き文字oは、独立して>0かつ<2であり、ただし、下付き文字cによって示される各部分においてj+o=2であり、下付き文字tは、≧0であり、下付き文字uは、>0である。
各R1および各R2は、独立して選択され、直鎖状、分枝状、環状、またはそれらの組み合わせであり得る。環状ヒドロカルビル基は、アリール基、ならびに飽和または非共役環状基を包含する。環状ヒドロカルビル基は、単環式または多環式であり得る。直鎖状および分岐状ヒドロカルビル基は独立して、飽和または不飽和であり得る。線状と環状ヒドロカルビル基との組み合わせの一例は、アラルキル基である。「置換された」とは、1つ以上の水素原子が、水素以外の原子(例えば、塩素、フッ素、臭素などのハロゲン原子)で置き換えられ得ること、または、R1および/またはR2の鎖内の炭素原子が、炭素以外の原子で置き換えられ得ること、すなわち、R1および/またはR2は、鎖内に1つ以上のヘテロ原子、例えば、酸素、硫黄、窒素などを含み得ること、を意味している。好適なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソプロピルおよび/またはn-プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、および/またはsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル、および/またはtert-ペンチル)、ヘキシル、ならびに6個の炭素原子の分岐状飽和炭化水素基が例示されるが、それらに限定されない。好適なアリール基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、およびジメチルフェニル基によって例示されるが、これらに限定されない。好適なアルケニル基としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘプテニル、ヘキセニル、およびシクロヘキセニル基が含まれる。好適な一価のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数が1~6のハロゲン化アルキル基、または炭素数が6~10のハロゲン化アリール基が含まれるが、これらに限定されない。好適なハロゲン化アルキル基は、1つ以上の水素原子がFまたはClなどのハロゲン原子で置き換えられている上記のアルキル基によって例示されるが、これらに限定されない。例えば、フルオロメチル基、2-フルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブチル基、5,5,5,4,4,3,3-ヘプタフルオロペンチル基、6,6,6,5,5,4,4,3,3-ノナフルオロヘキシル基、ならびに8,8,8,7,7-ペンタフルオロオクチル基、2,2-ジフルオロシクロプロピル基、2,3-ジフルオロシクロブチル基、3、4-ジフルオロシクロヘキシル基、ならびに3,4-ジフルオロ-5-メチルシクロヘプチル基、クロロメチル基、クロロプロピル基、2-ジクロロシクロプロピル基、および2,3-ジクロロシクロペンチル基は、好適なハロゲン化アルキル基の例である。好適なハロゲン化アリール基は、1つ以上の水素原子がFまたはClなどのハロゲン原子で置き換えられている上記のアリール基によって例示されるが、これらに限定されない。例えば、クロロベンジルおよびフルオロベンジルは好適なハロゲン化アリール基である。
特定の実施形態において、R1およびR2の各々は、独立して選択されるアルキル基である。特定の実施形態において、R1およびR2は、互いに異なる。例えば、これらの実施形態において、R2は、R1よりも多くの炭素原子を含み得る。特定の実施形態において、各R1は、メチルであり、各R2は、プロピルである。
シリコーン-ポリカーボネートコポリマーに関して、部分式[ZjYo]cは、ZYによって示されるコポリマー部分の直鎖状構造を意味することを意図していないことを理解されたい。むしろ、当技術分野で理解されているように、ZYによって示されるコポリマー部分は、下付き文字cによって示される各部分が独立して選択される直鎖状または分岐状であり得る。したがって、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、c個のコポリマー部分ZYを含み、それら各々は、o個のポリカーボネート部分Yおよびj個のシロキサン部分Zを含む。加えて、以下の説明を考慮して理解されるように、各ポリカーボネート部分Yおよびシロキサン部分Zは、下付き文字cによって示される各部分内およびそのような部分の間の両方で独立して選択され、また、各々が、直鎖状または分岐状でもあり得る。さらに、なお、下付き文字jが0であり得るため、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、シロキサン部分Zを含まない場合があり、すなわち、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーの主鎖は、ポリカーボネート部分Y、を含み得るか、代替的にから本質的になり得るか、代替的にからなり得る。かかる実施形態では、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、式Xg[Y]cを有し、式中、X、Y、ならびに下付き文字gおよびcは、上記で定義される。
各下付き文字cは、1~100、代替的に1~50、代替的に1~25、代替的に1~10、代替的に1~5などの、1~150である。下付き文字gは、1.1~10、代替的に1.1~8、代替的に1.1~6、代替的に1.1~4、代替的に1.1~3、代替的に1.1~2、代替的に1.1~1.9、代替的に1.2~1.8、代替的に1.2~1.7、代替的に1.3~1.7、代替的に1.4~1.7、代替的に約1.4、1.5、1.6、または1.7など、1を超える。
下付き文字cによって示される各部分においてj+o=2であるという条件で、各下付き文字jは、≧0かつ<2であり、各下付き文字oは、>0かつ<2である。したがって、下付き文字jおよびoは、モル分率とみなすことができ、例えば、j=1およびo=1は、下付き文字cによって示される部分において、シロキサン部分Z対ポリカーボネート部分Yのモル比0.5:0.5に等しい。例えば、下付き文字jが、>0であるとき、Z:Yのモル比は、下付き文字cによって示される各部分において、独立して、約1000:1~約1:1000、代替的に約100:1~約1:100、代替的に約10:1~約1:10、代替的に約5:1~約1:5、代替的に約2:1~約1:2であり得る。jが0であるとき、cが2であるにもかかわらず、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、下付き文字oによって示される2つの異なるポリカーボネート部分を必要としない。下付き文字jおよびoの指定は、ZYによって示されるコポリマー部分の単にモル分率を目的としたものにすぎない。
上記のように、部分式[ZjYo]cは、ZYによって示されるコポリマー部分の直鎖状構造を意味するように意図されない。同様に、部分式は、コポリマー部分ZYのうちのいずれかの特定の構造を必要としない。むしろ、下付き文字jおよびoに対して選択される値に応じて、部分式[ZjYo]cによって示されるコポリマー部分は、ブロック形態(例えば、Z-Y、Y-Z、Y-Z-Y、Z-Y-Z-Y、YY-ZZなど)またはランダム形態でシロキサン部分Zおよびポリカーボネート部分Yを含むことができ、下付き文字jは0超である。特定の実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、2:1の比率でポリカーボネート部分Yおよびシロキサン部分Zを含む。いくつかのかかる実施形態において、ポリカーボネート部分Yおよびシロキサン部分Zは、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーが式XgY[ZY]cを有するように、ブロック形態でシリコーン-ポリカーボネートコポリマー中に存在し、下付き文字cおよびgは上記で定義される。これらの実施形態のいくつかにおいて、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、直鎖状ポリカーボネート部分Yおよび直鎖状シロキサン部分Zを含み、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーが式Xg’Y[ZY]cXg”を有するように、シリコーン部分Xによって末端保護されており、式中、cは、上記で定義されており、g’+g”が>1であるという条件で、g’およびg”の各々は、≧0である。
一般に、各Xに関して、各下付き文字aは、独立して、0~2、あるいは0~1である。典型的には、下付き文字aは、0である。いくつかの実施形態において、各下付き文字aは、0である。ある特定の実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、下付き文字aが1である少なくとも1つのXを含む。
式(I)の各Xに関して、各下付き文字bは、独立して0または1である。いくつかの実施形態において、各下付き文字bは、0である。他の実施形態において、各下付き文字bは、1である。さらなる実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、下付き文字bが0である式(I)の少なくとも1つのXと、下付き文字bが1である式(I)の少なくとも1つのXと、を含む。各下付き文字eは、独立して1または2である。いくつかの実施形態において、各下付き文字eは、1である。他の実施形態において、各下付き文字eは、2である。さらなる実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、下付き文字eが1である式(I)の少なくとも1つのXと、下付き文字eが2である式(I)の少なくとも1つのXと、を含む。各X内でfが1の場合に、bが1であるという条件で、各下付き文字fは、独立して0または1である。いくつかの実施形態では、各下付き文字fは0である。他の実施形態において、各下付き文字fは、1であり、したがって各bは、1である。さらなる実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、下付き文字fが0である式(I)の少なくとも1つのXと、下付き文字fが1でありbが1である式(I)の少なくとも1つのXと、を含む。
式(II)の各Xに関して、下付き文字tは、≧0である。特定の実施形態において、下付き文字tは、0~80、代替的に0~60、代替的に0~30、代替的に0~10、代替的に0~5などの、1~100である。下付き文字uは、>0である。特定の実施形態において、下付き文字uは、1~15、代替的に1~10、代替的に1~7、代替的に1~5、代替的に1~3などの、1~20である。
各D1は、2~18個の炭素原子、代替的に2~16個の炭素原子、代替的に2~14個の炭素原子、代替的に2~12個の炭素原子、代替的に2~10個の炭素原子、代替的に2~8個の炭素原子、代替的に2~6個の炭素原子、代替的に2~4個の炭素原子、代替的に2または3個の炭素原子、代替的に2個の炭素原子を有する独立して選択される二価の炭化水素基である。各D1は、独立して直鎖状または分枝鎖状であり得る。例えば、D1が2個の炭素原子を有する場合に、D1は、式C2H4を有し、直鎖状(CH2CH2)、または分枝鎖状(CHCH3)であり得る。特定の実施形態において、D1は、直鎖状である。シリコーン-ポリカーボネートコポリマーがバルクで調製される場合に、ある特定の実施形態において、D1の少なくとも90モル%は、直鎖状である。特定の実施形態において、各D1は、C2H4である。
各Yはポリカーボネート部分である。各Yは、独立して選択され、少なくとも1個、代替的に少なくとも2個のカーボネート部分を含む任意のポリカーボネートは部分であり得る。各Yは、いずれかまたは各他のYと同じであり得る。あるいは、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、互いに異なる少なくとも2つのYを含み得る。Yは、直鎖状または分枝鎖状であり得る。Yは、二価、三価、四価、または4を超える原子価を有し得る。原子価は、ポリカーボネート部分Yの状況下において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーに存在するY-X結合の数を指す。ある特定の実施形態において、ポリカーボネート部分Yは、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーが式X-Y-Xを有するような、二価である。他の実施形態において、ポリカーボネート部分の原子価は、2超であってもよく、その場合、ポリカーボネート部分Yは、典型的には、分岐状である。
各Yは、ポリカーボネート部分を含む。ポリカーボネート部分は、限定するものではないが、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを調製する方法に関して以下に記載したように、任意のポリカーボネート化合物から形成され得る。本明細書で使用される「ポリカーボネート部分」という用語は、少なくとも1つのカーボネート結合を含む部分を意味する。例えば、ポリカーボネート部分は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、脂肪族、芳香族、芳香脂肪族などであり得る。さらに、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、独立して選択される異なるポリカーボネート部分を含み得る。
ポリカーボネート(およびポリカーボネート部分)を調製する方法は当技術分野で知られている。例えば、ポリカーボネートは、従来のプロセスによって、例えば、ホスゲン(すなわち、COCl2)のアルコキシル化においてヒドロキシル化合物(例えば、芳香族および/または脂肪族アルコールまたはグリコール)を利用するプロセスによって、ヒドロキシル化合物のアルカリ金属アルコキシドまたはアリールオキシドへの変換、およびホスゲンとの反応、カーボネートモノマーのトランスアルコキシル化、クロロギ酸アルキル(例えば、クロロギ酸メチル)のアルコキシル化および/またはトランスアルコキシル化、環状カーボネートの開環重合、またはそれらの組み合わせによって、調製され得る。ヒドロキシル化合物は、典型的には、多価アルコールである。
ポリカーボネート(およびポリカーボネート部分)を調製するのに好適なヒドロキシル化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、グリセロール、1,1,1-トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、デカンジオール、ドデカンジオールα-メチルグルコシド、ペンタエリスリトール、およびソルビトールが挙げられる。「多価アルコール」という用語には、一般的にビスフェノールAとして知られている2,2-ビス(4-ヒドロキシルフェニル)プロパンなどのフェノールから誘導された化合物も含まれる。
ポリカーボネート(およびポリカーボネート部分)を調製するのに好適なカーボネートモノマーの例としては、非環式カーボネートエステル、例えば、ジアルキルカーボネート(例えば、ジメチルカーボネート)、ジアリールカーボネート(例えば、ジフェニルカーボネート)、および環状カーボネートエステル、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネートなどが挙げられる。他のカーボネートモノマー、例えば、ホスゲンのビスアルコキシル化または酸化的カルボニル化(例えば、一酸化炭素および酸化剤との反応)においてヒドロキシル化合物(例えば、本明細書に記載のヒドロキシル化合物)を利用するプロセスを含む従来のプロセスによって調製されるカーボネートモノマーも利用され得る。そのようなプロセスにおいて、ヒドロキシル化合物は、アルキルアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなど)、フェノールなどの一価アルコールであり得る。
ポリカーボネート(およびポリカーボネート部分)を調製する他の方法も知られている。例えば、ポリカーボネート(およびポリカーボネート部分)は、オキシラン(例えば、プロピレンオキシドなどのエポキシド化合物)とCO2との開環ポリマーを含み得る。
上記のように調製されたポリカーボネート(およびポリカーボネート部分)は、その中に(例えば、末端位置(複数可)に)存在する官能基に関して単官能性または多官能性であることができ、それは、典型的には、例えば、利用される特定の調製方法、ポリカーボネート(およびポリカーボネート部分)を形成するために使用される化合物の添加の順序および/または相対量などにより、当業者によって選択されることが理解されよう。例えば、そのような方法を利用して、例えば、上記の1つ以上の多価アルコールを用いる、酸化的オキシランカルボニル化の方法を利用することによって、および/または、カーボネートモノマーおよび/もしくは塩化カルボニルモノマーのアルコキシル化および/またはトランスアルコキシル化の方法を利用することによって、ポリカーボネートジオールおよび/またはポリカーボネートポリオールを調製することができる。ヒドロキシル化合物の組み合わせもまた、任意の1つの特定の調製方法において利用することもでき、その結果、ポリカーボネート(およびポリカーボネート部分)は、その中の任意の繰り返しセグメントに関してホモポリマーまたはコポリマーであり得ることも理解されるべきである。
シリコーン-ポリカーボネートコポリマーに存在する特定のポリカーボネート部分Yは、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーの最終用途の関数である。例えば、脂肪族ポリカーボネート部分は、一般に、芳香族ポリカーボネート部分よりも高い柔軟性および低いガラス転移温度(Tg)を提供し、芳香族ポリカーボネート部分は、典型的には、ガラス転移温度(Tg)が高いほど剛性が高くなる。単一タイプのジオールに由来するより典型的な鎖構造は、半結晶性になりやすい可能性があるが、異なるタイプおよび長さのジオールの混合物を有する鎖は、結晶化を妨げ、ポリカーボネート部分Yをより流動的に保ち得る。同様に、分子量および粘度は、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーの所望の特性に基づいて選択的に制御され得る。なおさらに、ポリカーボネート部分Yの選択は、シロキサン部分Zがシリコーン-ポリカーボネートコポリマー中に存在するか否か、またはYがエステル部分またはエーテル部分などのポリカーボネート部分以外の他の部分を含むか否かの関数であり得る。
各Yは通常、少なくとも約100の数平均分子量(Mn)を有する。ある特定の実施形態において、少なくとも1つのYは、少なくとも100、代替的に少なくとも125、代替的に少なくとも150、代替的に少なくとも200、代替的に少なくとも250、代替的に少なくとも300、代替的に少なくとも500、代替的に少なくとも1,000のMnを有する。これらまたは他の実施形態において、各Yは、少なくとも200のMn、代替的に、少なくとも300、代替的に少なくとも400、代替的に少なくとも500、代替的に少なくとも600、代替的に少なくとも700、代替的に少なくとも1,000、代替的に少なくとも2,000、代替的に少なくとも4,000、代替的に少なくとも8,000のMnを有する。ある特定の実施形態において、各Yは、100,000の最大Mn、代替的に80,000未満、代替的に50,000未満、代替的に35,000未満、代替的に20,000未満、代替的に19,000未満、代替的に18,000未満、代替的に17,000未満、代替的に16,000未満、代替的に15,000未満の最大Mnを有する。数平均分子量は、ポリスチレン標準に基づくゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)技術を使用して、容易に決定でき得る。
ある特定の実施形態において、各Yは、独立して、固体または流体の形態であることができる。Yが流体の形態であるとき、Yの粘度は、典型的には、室温で100センチポアズを超える。ある特定の実施形態において、Yは、25℃で1,000~100,000センチポアズの範囲の粘度を有する。Yが固体の形態であるとき、Yは20~250℃の融点を有することができる。融点の選択は、一般的に、具体的な用途のニーズに適合させるために重要である。ヒドロキシル価は、各分子に関する平均のヒドロキシル基の数および平均分子量によって決定され、1~1,200mg KOH/g、あるいは5~600、あるいは10~400、あるいは15~300、あるいは30~300mg KOH/gであることができる。
各Zは、式[R1
hSiO(4-h)/2]dを有する独立して選択されるシロキサン部分である。各シロキサン部分Zにおいて、R1は、上記で定義されたとおりである。各下付き文字dは、1~500、代替的に1~300、代替的に1~100、代替的に1~50、代替的に1~10などの、1~1000である。各下付き文字hは、0、1、または2などの、下付き文字dによって示される各部分において0~2から独立して選択される。各シロキサン部分Zは、独立して、直鎖状シロキサン、分枝状シロキサン、またはその両方を含み得る。同様に、任意の特定のシロキサン部分Zは、それ自体が直鎖状または分枝状区分を含み得るか、または直鎖状および分枝状区分の両方を含み得る。したがって、Zは、直鎖状シロキサン部分、分枝状シロキサン部分、または少なくとも1個の直鎖状およびさらに少なくとも1個の分枝状区分を含むシロキサン部分であり得る。特定の実施形態において、Zは、分枝状(すなわち、少なくとも1個の分枝状区分を含む)である。
特定の実施形態において、各ポリカーボネート部分Yは、直鎖状であり、Zが存在し、その結果として、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造のうちの1つを有し得る:
各X、Y、Z、および下付き文字cは、上記で定義されている。代替的に、各ポリカーボネート部分Yは、分岐状であり得る。例えば、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造のうちの1つを有し得る:
各X、Y、Z、および下付き文字cは、上記で定義されている。これらの構造に示されるように、各シロキサン部分Zは、直鎖状か、または分枝状であり得る。特定の実施形態において、ポリカーボネート部分Yおよびシロキサン部分Zの両方が、分岐状であることができるため、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造のうちの1つを有し得る:
各X、Y、Z、および下付き文字cは、上記で定義されている。
ある特定の実施形態において、Yは、ポリカーボネート部分に加えて、かつそれとは異なる、少なくとも1つの部分をさらに含む。少なくとも1つの部分は、分子量、粘度、構造などの任意の態様においてポリカーボネート部分Yとは異なる別のポリカーボネート部分であり得る。あるいは、またはさらに、少なくとも1つの部分は、完全にポリカーボネート部分以外のものであり得る。
少なくとも1つの部分の具体的な例としては、アルキルアルミノキサン部分、アルキルゲルモキサン部分、ポリチオエステル部分、ポリエーテル部分、ポリチオエーテル部分、ポリアクリレート部分、ポリアクリロニトリル部分、ポリアクリルアミド部分、ポリエステル部分、エポキシ部分、ポリウレタン部分、ポリ尿素部分、ポリアセタール部分、ポリオレフィン部分、ポリビニルアルコール部分、ポリビニルエステル部分、ポリビニルエーテル部分、ポリビニルケトン部分、ポリイソブチレン部分、ポリクロロプレン部分、ポリイソプレン部分、ポリブタジエン部分、ポリビニリジエン部分、ポリフルオロカーボン部分、ポリ塩素化炭化水素部分、ポリアルキン部分、ポリアミド部分、ポリイミド部分、ポリイミダゾール部分、ポリオキサゾール部分、ポリオキサジン部分、ポリオキシジアゾール部分、ポリチアゾール部分、ポリスルホン部分、ポリスルフィド部分、ポリケトン部分、ポリエーテルケトン部分、ポリ無水物部分、ポリアミン部分、ポリイミン部分、ポリホスファゼン部分、多糖部分、ポリペプチド部分、ポリイソシアンテ部分、セルロース部分、およびそれらの組み合わせが挙げられる。各Yは、独立して、ポリカーボネート部分Y以外の少なくとも1つの部分を含み得る。ポリカーボネート部分Y以外の部分が複数存在する場合、部分は独立して選択され得る。
他の実施形態において、Yはポリカーボネート部分から本質的になり、代替的にはYはポリカーボネート部分からなる。
ある特定の実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、式:[XA]g[ZjYo]cを有し、式中、各シリコーン部分Xは、存在する場合、Aを介して、1つのポリカーボネート部分Yまたは1つのシロキサン部分Z(存在する場合)に結合され、各Aは、独立して、共有結合-D2-O-C(=O)-NH-、および-D2-NH-C(=O)-NH-から選択され、式中、D2は、二価の基である。Aは、典型的には、Xがヒドロシリル化によってYに結合されるとき、共有結合であるが、他の反応機構がシリコーン-ポリカーボネートコポリマーを形成するために利用されるとき、共有結合以外であり得る。シリコーン-ポリカーボネートコポリマーが直ぐ上の式を有するとき、各シリコーン部分Xは、1つのポリカーボネート部分Yまたは1つのシロキサン部分Z(存在する場合)に、Aを介して結合される。各シリコーン部分Xは、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーにおいてペンダント、末端、または両方の位置に存在し得る。Aに関連する特定の構造は、以下に記載したように、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを調製する方法の関数である。ある特定の実施形態では、各シリコーン部分Xは、1つのポリカーボネート部分Yに結合される。
各シリコーン部分Xが末端であり、シロキサン部分Zが存在し、シリコーン-ポリカーボネートポリマーが直鎖状であるとき、シリコーン-ポリカーボネートは以下の構造を有し得る:
、
式中、各X、Y、A、R
1、下付き文字c、および下付き文字dは、上記で定義される。
例えば、各Xが式(I)を有し、各シリコーン部分Xが末端であり、シロキサン部分Zが存在し、シリコーン-ポリカーボネートポリマーが直鎖状であるとき、シリコーン-ポリカーボネートは、以下の構造を有し得る:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字b、下付き文字c、下付き文字d、下付き文字e、および下付き文字fは、上記で定義されたとおりである。
ある特定の実施形態において、Xは式(I)を有し、eは1であり、各シリコーン部分Xは末端であり、シロキサン部分Zは存在し、シリコーン-ポリカーボネートポリマーは直鎖状である。これらの実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字b、下付き文字c、下付き文字d、および下付き文字fは、上記で定義されたとおりである。いくつかのかかる実施形態において、fは、0であり、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字b、下付き文字c、および下付き文字dは、上記で定義されたとおりである。これらの実施形態のいくつかにおいて、bは、0であり、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字c、および下付き文字dは、上記で定義されたとおりである。他の実施形態において、bは、1であり、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字c、および下付き文字dは、上記で定義されたとおりである。他の実施形態において、fは、1であり、bは、1であり、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字b、下付き文字c、および下付き文字dは、上記で定義されたとおりである。
いくつかの実施形態において、Xは式(I)を有し、eは2であり、各シリコーン部分Xは末端であり、シロキサン部分Zは存在し、シリコーン-ポリカーボネートポリマーは直鎖状である。これらの実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字b、下付き文字c、下付き文字d、および下付き文字fは、上記で定義されたとおりである。いくつかのかかる実施形態において、fは、0であり、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字b、下付き文字c、および下付き文字dは、上記で定義されたとおりである。これらの実施形態のいくつかにおいて、bは、1であり、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字c、および下付き文字dは、上記で定義されたとおりである。他の実施形態において、bは、0であり、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字c、および下付き文字dは、上記で定義されたとおりである。他の実施形態において、fは、1であり、bは、1であり、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字c、および下付き文字dは、上記で定義されたとおりである。
各Xが式(II)を有するとき、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、以下の構造を有する:
式中、各Y、R
1、D
1、下付き文字a、下付き文字t、および下付き文字uは、上記で定義されたとおりである。かかる実施形態において、Xは、環状部分を含む。特定の実施形態において、(t+u)は2~14、代替的に2~9、代替的に2~6、代替的に2~5、代替的に2~4である。
上記の例示的な構造は、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーにおける各X、各Y、および/または各Zが同じであることに基づく。しかしながら、上述されるように、各X、各Y、および各Zは、独立して選択される。したがって、当業者は、各X、各Y、および/または各Zの選択に基づいて、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーに関連する構造を容易に理解する。
上記した具体的な構造では、Zが存在する。しかしながら、Zは任意であるため、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、Zが存在していなくても、上記の構造のいずれかを有し得る。当業者は、上記の例示的な構造を考慮して、そのようなシリコーン-ポリカーボネートコポリマーを、容易に理解し、構想する。例えば、Zが存在しないとき、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、次式:X-A-Y1-A-Xを有することができ、式中、XおよびAは、上記で独立して選択および定義され、Y1は、ポリカーボネート部分を含む。Y1は、Yと同じであることができるか、またはY1は、異なるポリカーボネート部分の任意の組み合わせ、を含むか、もしくは、からなることができる。
シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを調製する方法も開示する。その方法は、ヒドロシリル化触媒の存在下で、平均して1超の不飽和基を有するポリカーボネート化合物とエンドキャッピング有機ケイ素化合物とを反応させて、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを得ることを含む。
本明細書の説明を考慮すれば当業者に理解されるように、本方法で利用されるポリカーボネート化合物は、ポリカーボネート部分Yに対応してシリコーン-ポリカーボネートコポリマーの一部を形成し、また、本方法で利用されるエンドキャッピング有機ケイ素化合物は、シリコーン部分Xに対応してシリコーン-ポリカーボネートコポリマーの一部を形成する。ある特定の実施形態において、本方法は、ポリカーボネート化合物およびエンドキャッピング有機ケイ素化合物とともに、(i)鎖延長化有機ケイ素化合物および(ii)平均して1超の不飽和基を有するハイブリダイズ化合物のうちの少なくとも1つを反応させることをさらに含む。利用される場合、本方法で利用される鎖延長化有機ケイ素化合物は、シロキサン部分Zに対応するシリコーン-ポリカーボネートコポリマーの一部を形成する。ハイブリダイズ化合物は、利用される場合、ポリカーボネート部分とともにYの一部となる。ある特定の実施形態において、本方法は、鎖延長化有機ケイ素化合物およびハイブリダイズ化合物を含まない。他の実施形態において、本方法は、鎖延長化有機ケイ素化合物またはハイブリダイズ化合物を利用するが、他のものは利用しない。さらに別の実施形態において、本方法は、鎖延長化有機ケイ素化合物およびハイブリダイズ化合物の両方を利用する。
典型的には、ポリカーボネート化合物は、式Y[R4]iを有し、式中、各R4は、2~14個の炭素原子を有する独立して選択された不飽和基であり、下付き文字iは、>1であり、Yは、少なくとも1つのポリカーボネート基を含むポリカーボネート部分である。
各R4は、2~14個の炭素原子を有する独立して選択される不飽和基である。典型的には、R4は、アルケニル基またはアルキニル基を含むか、代替的にアルケニル基またはアルキニル基である。その具体的な例としてはH2C=CH-、H2C=CHCH2-、H2C=CHCH2CH2-、H2C=CH(CH2)3-、H2C=CH(CH2)4-、H2C=C(CH3)-、H2C=C(CH3)CH2-、H2C=C(CH3)CH2CH2-、H2C=C(CH3)CH2CH(CH3)-、H2C=C(CH3)CH(CH3)CH2-、H2C=C(CH3)C(CH3)2-、HC≡C-、HC≡CCH2-、HC≡CCH(CH3)-、HC≡CC(CH3)2-、およびHC≡CC(CH3)2CH2-が含まれる。
特定の実施形態において、各R4は、式CH2C(R3)-[D2]m-を有し、式中、各R3は、1~6個の炭素原子を有する独立したヒドロカルビル基、アルコキシ基、シリル基、またはHであり、各D2は、1~6個の炭素原子を有する独立して選択される二価の基であり、下付き文字mは、0または1である。特定の実施形態において、R3は、-CH3である。これらまたは他の実施形態において、D2は、-CH2-である。特定の実施形態において、各R4は、H2C=C(CH3)CH2-である。
下付き文字iは、>1であり、例えば、2、3、4、5、6である。一般に、ポリカーボネート化合物は、Yの各末端にR4を含み、下付き文字iは、Yの価数に対応し、それは少なくとも2であるが、その分岐に応じて3、4、5、またはそれ以上であり得る。
各Yは、少なくとも1つのポリカーボネート基、例えば、上記のポリカーボネート基のいずれか、またはその誘導体を含むポリカーボネート部分である。例えば、既知の方法によって生成されたポリカーボネートは、不飽和基官能性(unsaturated group functionality)で容易に官能化されて、ポリカーボネート化合物を与えることができる。かかるポリカーボネートは市販されている。
上記で導入したように、この方法で利用されるエンドキャッピング有機ケイ素化合物は、上記の式(I)および(II)のシリコーン部分Xを形成する。したがって、エンドキャッピング有機ケイ素化合物は、当技術分野で理解されているように、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを形成するのに好適な任意の有機ケイ素化合物であり得る。典型的には、エンドキャッピング有機ケイ素化合物は、少なくとも1個のケイ素結合水素原子を含むオルガノハイドロジェンシロキサン化合物である。オルガノハイドロジェンシロキサン化合物のケイ素結合水素原子は、本方法で利用されるヒドロシリル化触媒の存在下で、ヒドロシリル化反応によって、ポリカーボネート化合物の不飽和基R4と反応する。
特定の実施形態において、エンドキャッピング有機ケイ素化合物は、式(III)および(IV)のうちの1つを有するオルガノハイドロジェンシロキサン化合物である:
式中、各R
1、R
2、D
1、下付き文字a、下付き文字b、下付き文字e、下付き文字f、下付き文字t、および下付き文字uが、上記で定義されたとおりである。
当技術分野で容易に理解されるように、式(III)のオルガノハイドロジェンシロキサンは、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーにおいて式(I)のシロキサン部分をもたらし、式(IV)のオルガノハイドロジェンシロキサンは、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーにおいて式(II)のシロキサン部分をもたらす。
式(III)および(IV)のオルガノハイドロジェンシロキサン化合物は、任意の好適な技術を介して作製することができる。オルガノハイドロジェンシロキサンは、米国仮特許出願第62/524637号、同第62/524636号、および同第62/524639号に開示されている方法に従って調製することができ、前述の米国仮特許出願の主題は参照により本明細書に組み込まれる。
鎖延長化有機ケイ素化合物はオプションである。鎖延長化有機ケイ素化合物は、典型的には、少なくとも2個の末端ケイ素結合H原子を有するオルガノハイドロジェンシロキサンである。しかしながら、鎖延長化有機ケイ素化合物は、分岐状であることができ、3、4、またはそれ以上の末端ケイ素結合H原子を有することができる。例えば、鎖延長化有機ケイ素化合物は、以下の式のうちの1つを有し得る:
式中、Z’は、シロキサン部分であり、各R
1は、上記で定義されたとおりである。したがって、鎖延長化有機ケイ素化合物は、典型的には、直鎖状水素化ケイ素官能性有機ケイ素化合物か、分枝状水素化ケイ素官能性有機ケイ素化合物か、または両方を含む。
いくつかの実施形態において、鎖延長化有機ケイ素化合物は、式[R1
h’SiO(4-h’)/2]d’のシロキサン部分Z’を含み、下付き文字d’は、1~1000であり、下付き文字h’は、下付き文字d’によって示される各部分において0~2から独立して選択され、R1は、上記で定義されたとおりである。かかる実施形態において、鎖延長化有機ケイ素化合物は、典型的には、シロキサン部分Z’の末端ケイ素原子と結合した水素化物、ケイ素結合H原子を有する末端シリル基、またはそれらの組み合わせを含む。
ある特定の実施形態において、シロキサン部分Z’は直鎖状であり、鎖延長化有機ケイ素化合物は、以下の式を有するオルガノハイドロジェンシロキサンである:
、
式中、各R
1は、上記で定義されたとおりであり、下付き文字d’は、1~999である。
Yが、ポリカーボネート部分に加えて、かつポリカーボネート部分とは異なる少なくとも1つの部分をさらに含むとき、本方法は、ハイブリダイズ化合物を、ポリカーボネート化合物、エンドキャッピング有機ケイ素化合物、および任意選択で鎖延長化有機ケイ素化合物とともに反応させることをさらに含む。好適な部分の具体的な例は、上記してある。当業者は、上記した任意選択の部分を提供するハイブリダイズ化合物を理解するのは容易である。ある特定の実施形態において、本方法は、ハイブリダイズ化合物を、ポリカーボネート化合物、エンドキャッピング有機ケイ素化合物、および任意選択で鎖延長化有機ケイ素化合物と反応させない。ある特定の実施形態において、ポリカーボネート部分Yは、例えば、ポリカーボネート鎖形成モノマーの共重合によって、およびエステル基などの異なる連鎖を形成するモノマーの共重合によって、または、エーテルおよびエステルなどのカーボネート以外の他の部分を含有するポリカーボネート鎖形成モノマー、オリゴマーおよびマクロモノマーの共重合によって、ポリカーボネート部分を含み、またポリカーボネート部分以外の追加の部分をさらに含む。
当技術分野で理解されているように、ポリカーボネート化合物、エンドキャッピング有機ケイ素化合物、および任意選択で鎖延長化有機ケイ素化合物および/またはハイブリダイズ化合物を、任意の順序または組み合わせで反応させて、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを得ることができる。Zを含むある特定の実施形態において、本方法は、ヒドロシリル化触媒の存在下で、ポリカーボネート化合物と鎖延長化有機ケイ素化合物とを反応させて、シロキサン-ポリカーボネート化合物(すなわち、鎖が延長されたシリコーン-ポリカーボネート化合物)を得ることと、ヒドロシリル化触媒の存在下で、シロキサン-ポリカーボネート化合物とエンドキャッピング有機ケイ素化合物とを反応させて、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを得ることと、を含む。シロキサン-ポリカーボネート化合物は、任意の好適な技術により調製され得る。代替的に、ある特定の実施形態において、シロキサン-ポリカーボネートコポリマーは、ヒドロシリル化触媒の存在下で、2つの末端不飽和基を有するポリカーボネート化合物と鎖延長化有機ケイ素化合物とを反応させて、シロキサン-ポリカーボネートコポリマーを得ることによって、調製される。
かかる実施形態で利用されるシロキサン-ポリカーボネート化合物は、式[Z
jY
o]
cを有するシリコーン-ポリカーボネートコポリマーの一部を形成し、Z、Y、下付き文字c、下付き文字j、下付き文字oは、上記で定義してある。例えば、ポリカーボネート部分Yおよびシロキサン部分Zが、直鎖状であるとき、シロキサン-ポリカーボネート化合物は、以下の式を有し得る:
、
式中、各Y、R
1、下付き文字c、および下付き文字dは、上記で定義されたとおりである。したがって、利用されるシロキサン-ポリカーボネート化合物は、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーの所望の構造に基づいて、例えば、分子量、各Yの特定の構造(すなわち、各Y内の単位)、下付き文字dによって表されるシロキシ単位の重合度などに基づいて選択され得る。
ある特定の実施形態において、シロキサン-ポリカーボネート化合物は、以下の式を有する:
。
かかる実施形態において、各Y1およびR1は、上記で定義されたとおりであり、典型的には、下付き文字cは、1~100、代替的に1~50、代替的に1~25、代替的に1~10、代替的に1~5などの、1~150である。典型的には、各下付き文字dは、下付き文字cによって示される各部分において、1~500、代替的に1~300、代替的に1~100、代替的に1~50、代替的に1~10などの、1~1000である。
ポリカーボネート化合物および鎖延長化有機ケイ素化合物は、利用する場合、典型的には、1.001:1~2:1、代替的に1.4:1~1.7:1、代替的に1.05:1~1.5:1、代替的に1.1:1~1.2:1、代替的に1.2:1~1.5:1のモル比で反応させる。シロキサン-ポリカーボネート化合物は、典型的には、下付き文字cが所望の値に達するように、ポリカーボネート化合物対鎖延長化有機ケイ素化合物のモル比によって形成される。
シリコーン-ポリカーボネート化合物およびエンドキャッピング有機ケイ素化合物は、典型的には、シリコーン-ポリカーボネートの不飽和基と、エンドキャッピング有機ケイ素化合物の水素化ケイ素基との間のモル比1.5:1~1:2.5、代替的に1.4:1~1:2、代替的に1.3:1~1:1.5、代替的に1.2:1~1:1.2、代替的に1.1:1~1:1.1、代替的に1.1:1~1:1で反応させる。シリコーン-ポリカーボネートが二官能性である場合に、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、典型的には、シリコーンポリカーボネート化合物およびエンドキャッピング有機ケイ素化合物の1:2のモル比によって形成されるが、他方に対して一方のモル過剰を利用してもよい。
ある特定の実施形態において、本方法は、ヒドロシリル化触媒の存在下で、ポリカーボネート化合物と、エンドキャッピング有機ケイ素化合物とを反応させて、エンドキャップされたシリコーン-ポリカーボネート化合物を得ることと、ヒドロシリル化触媒の存在下で、エンドキャップされたシリコーン-ポリカーボネート化合物と鎖延長化有機ケイ素化合物とを反応させて、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを得ることと、を含む。これらまたは他の実施形態において、本方法は、ポリカーボネート化合物の少なくともいくらかと、エンドキャッピング有機ケイ素化合物のいくらかとを反応させて、エンドキャッピされたシリコーン-ポリカーボネート化合物を得ることとを含み、また、上記した各々のように、ポリカーボネート化合物の少なくともいくらかと、鎖延長化有機ケイ素化合物のいくらかとを反応させて、シロキサン-ポリカーボネート化合物を得ることも含む。
ヒドロシリル化反応触媒は限定されないが、ヒドロシリル化反応を触媒するための任意の既知のヒドロシリル化反応触媒であり得る。異なるヒドロシリル化反応触媒の組み合わせが利用され得る。
ある特定の実施形態において、ヒドロシリル化反応触媒は、第VIII族から第XI族の遷移金属を含む。第VIII族から第XI族の遷移金属は、現代式のIUPAC命名法を指す。第VIII属の遷移金属は、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、およびハッシウム(Hs)であり、第IX属の遷移金属は、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、およびイリジウム(Ir)であり、第X属の遷移金属は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、および白金(Pt)であり、第XI属の遷移金属は、銅(Cu)、銀(Ag)、および金(Au)である。それらの組み合わせ、それらの錯体(例えば、有機金属錯体)、およびかかる金属の他の形態は、ヒドロシリル化反応触媒として利用され得る。
ヒドロシリル化反応触媒に好適な触媒の追加例には、レニウム(Re)、モリブデン(Mo)、第IV属の遷移金属(すなわち、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、および/またはハフニウム(Hf))、ランタニド、アクチニド、ならびに第I属および第II属の金属錯体(例えば、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ストロンチウム(Sr)などを含むもの)が含まれる。それらの組み合わせ、それらの錯体(例えば、有機金属錯体)、およびかかる金属の他の形態は、ヒドロシリル化反応触媒として利用され得る。
ヒドロシリル化反応触媒は、任意の好適な形態であり得る。例えば、ヒドロシリル化反応触媒は固体であり得、その例には、白金系触媒、パラジウム系触媒、および同様の貴金属系触媒、ならびにニッケル系触媒も含まれる。それらの具体例としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、コバルト、および同様の元素、ならびに白金-パラジウム、ニッケル-銅-クロム、ニッケル-銅-亜鉛、ニッケル-タングステン、ニッケル-モリブデン、および複数の金属の組み合わせを含む類似の触媒が挙げられる。固体触媒の追加例には、Cu-Cr、Cu-Zn、Cu-Si、Cu-Fe-AI、Cu-Zn-Ti、および同様の銅含有触媒などが含まれる。
ヒドロシリル化反応触媒は、固体担体の中または上にあり得る。担体の例には、活性炭、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、ゼオライト、および他の無機粉末/粒子(例えば、硫酸ナトリウムなど)などが含まれる。ヒドロシリル化反応触媒はまた、ビヒクル、例えば、ヒドロシリル化反応触媒を可溶化する溶剤、代替的にヒドロシリル化反応触媒を単に担持するが、可溶化しないビヒクルに配置され得る。そのようなビヒクルは、当技術分野で知られている。
特定の実施形態において、ヒドロシリル化反応触媒は白金を含む。これらの実施形態では、ヒドロシリル化反応触媒は、例えば、白金黒、化合物、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、白金ビス(エチルアセトアセテート)、白金ビス(アセチルアセトネート)、塩化白金、およびそのような化合物とオレフィンまたはオルガノポリシロキサンとの錯体、ならびにマトリックスまたはコアシェル型化合物にマイクロカプセル化された白金化合物により例示される。マイクロカプセル化ヒドロシリル化触媒およびそれらの調製方法もまた、米国特許第4,766,176号および第5,017,654号に例示されているように、当技術分野で知られており、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ヒドロシリル化反応触媒としての使用に好適な白金とオルガノポリシロキサンとの錯体には、白金との1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体が含まれる。これらの錯体は、樹脂マトリックス中にマイクロカプセル化することができる。代替的に、ヒドロシリル化反応触媒は、白金との1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体を含み得る。ヒドロシリル化反応触媒は、塩化白金酸を、ジビニルテトラメチルジシロキサンまたはアルケン-白金-シリル錯体などの脂肪族性不飽和有機ケイ素化合物と反応させることを含む方法により調製され得る。アルケン-白金-シリル錯体は、例えば、0.015モルの(COD)PtCl2を0.045モルのCODおよび0.0612モルのHMeSiCl2と混合することにより調製され得、CODはシクロオクタジエンを表す。
構成成分に好適なヒドロシリル化触媒の追加の例は、例えば、米国特許第3,159,601号、同第3,220,972号、同第3,296,291号、同第3,419,593号、同第3,516,946号、同第3,814,730号、同第3,989,668号、同第4,784,879号、同第5,036,117号、および同第5,175,325号に記載されており、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ヒドロシリル化反応触媒は、さらに、または代替的に、光活性化可能なヒドロシリル化触媒でもあり得、これは照射および/または熱により硬化を開始してもよい。光活性化可能なヒドロシリル化触媒は、特に150~800ナノメートル(nm)の波長を有する放射線への曝露時にヒドロシリル化反応を触媒することができる任意のヒドロシリル化触媒であり得る。
シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを調製するための第2の方法。この第2の方法は、ヒドロシリル化触媒の存在下で、1つの末端不飽和基および1つの末端ヒドロキシル基を有する有機化合物を、エンドキャッピング有機ケイ素化合物と反応させて、ヒドロキシル官能性中間体を得ることを含む。この第2の方法は、ヒドロキシル官能性中間体をポリイソシアネートと反応させてイソシアネート官能性中間体を得ることと、イソシアネート官能性中間体と、平均して1超のヒドロキシル基を有するポリカーボネート化合物とを反応させてシリコーン-ポリカーボネートコポリマーを得ることと、をさらに含む。
有機化合物は、限定されるものではなく、1つの末端不飽和基および1つの末端ヒドロキシル基を含む任意の有機化合物であり得る。例えば、有機化合物は、アリルアルコールなどの不飽和アルコール、またはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートなどのポリマーであり得る。有機化合物は、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーにさらなるポリカーボネート部分を導入することができるか、または有機化合物がポリカーボネート以外のものであるとき、追加のハイブリダイズセグメントを導入することができる。特定の実施形態において、有機化合物はポリエーテル化合物である。
特定の実施形態において、ポリエーテル化合物は、平均式R4O(CnH2nO)w’Hを有し、式中、R4は、上記で定義されており、各下付き文字nは、下付き文字w’によって示される各部分において2~4から独立して選択され、下付き文字w’は、1~200である。当業者は、ポリエーテル化合物中に不純物または代替基が存在し得、それにより形成されるもたらされるシリコーン-ポリカーボネートコポリマーの有用性または特性を実質的に低下させないことを容易に理解する。かかる不純物または代替基の例には、2個の末端不飽和基を有するポリエーテル化合物の特定の分子が含まれる。
ある特定の実施形態において、ポリエーテル化合物は、式-R3O(C2H4O)x’(C3H6O)y’(C4H8O)z’Hを有し、式中、R3は上記で定義されており、下付き文字x’は、0~200であり、下付き文字y’は、1~200であり、下付き文字z’は、0~200であり、式中、下付き文字x’、y’、およびz’によって示される単位は、ポリエーテル化合物においてランダム化されたまたはブロック形態であり得る。一般に、下付き文字x’、y’、およびz’によって示されるポリオキシアルキレン部分は、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを形成する場合に非反応性である。したがって、ポリエーテル化合物のx’はYのxになり、ポリエーテル化合物のy’はYのyになり、ポリエーテル化合物のz’はYのzになる。上記のYと同様に、下付き文字x’、y’、およびz’によって示されるオキシアルキレン単位の各々は、独立して、分岐状または直鎖状であり得る。
特定の実施形態において、ポリエーテル化合物は、オキシプロピレン単位(C3H6O)のみを含む。かかるポリエーテル化合物の代表的な非限定例としては、H2C=CHCH2O[C3H6O]y’H、H2C=CHO[C3H6O]y’H、H2C=C(CH3)CH2O[C3H6O]y’H、HC≡CCH2O[C3H6O]y’H、およびHC≡CC(CH3)2O[C3H6O]y’Hが含まれ、式中、y’は上記で定義されたとおりである。各オキシプロピレン単位は独立して、式-CH2CH2CH2O-、-CH2CHCH3O-、または-CHCH3CH2O-であり得る。
ポリエーテル化合物は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、1,2-エポキシヘキサン、1,2-エポキシオクタン、および/またはシクロヘキセンオキシドもしくはエクソ-2,3-エポキシノルボランなどの環状エポキシドの重合により調製され得る。
ポリエーテル化合物は、典型的には、少なくとも約100の数平均分子量(Mn)を有する。ある特定の実施形態において、ポリエーテル化合物は、少なくとも200、代替的に少なくとも300、代替的に少なくとも400、代替的に少なくとも500、代替的に少なくとも600、代替的に少なくとも700、代替的に少なくとも1,000、代替的に少なくとも2,000、代替的に少なくとも3,000、代替的に少なくとも5,000、代替的に少なくとも10,000、代替的に少なくとも20,000、代替的に最大30,000までのMnを有する。特定の実施形態において、ポリエーテル化合物は、700~900のMnを有する。数平均分子量は、ポリスチレン標準に基づくゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)技術を使用して、または核磁気共鳴分光法による末端基分析を使用して、容易に決定され得る。
本方法で利用されるエンドキャッピング有機ケイ素化合物は、上記の式(I)または(II)のシリコーン部分を形成する。エンドキャッピング有機ケイ素化合物は、当技術分野で理解されているように、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを形成するのに好適な任意の有機ケイ素化合物であり得る。典型的には、エンドキャッピング有機ケイ素化合物は、少なくとも1個のケイ素結合水素原子を含むオルガノハイドロジェンシロキサン化合物である。オルガノハイドロジェンシロキサン化合物のケイ素結合水素原子は、ヒドロシリル化反応によって有機化合物のR4と反応して、ヒドロキシ官能性中間体を与える。
ある特定の実施形態において、エンドキャッピング有機ケイ素化合物は、上記の式(III)および(IV)のうちの1つを有するオルガノハイドロジェンシロキサン化合物である。好適なヒドロシリル化触媒の具体的な例も上に記載してある。
有機化合物および有機ケイ素化合物は、典型的には、5:1~1:5、代替的に4:1~1:4、代替的に3:1~1:3、代替的に2:1~1:2、代替的に1.1:1~1:1.1のモル比で反応させる。ヒドロキシ官能性中間体は、典型的には、1.2:1のモル比の有機化合物およびエンドキャッピング有機ケイ素化合物によって形成されるが、一方が他方に対して異なるモル過剰を利用してもよい。
この第2の方法は、ヒドロキシル官能性中間体をポリイソシアネートと反応させて、イソシアネート官能性中間体を得ることをさらに含む。
ポリイソシアネートは限定されないが、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、および/または芳香族ポリイソシアネートであり得る。ポリイソシアネートは、有利には、分子当たり少なくとも2.0のイソシアネート基を含む。ポリイソシアネートの典型的なイソシアネート官能基は、分子当たり約2.0~約3.0、または約2.0~約2.5のイソシアネート基である。しかしながら、ポリイソシアネートはブレンドとして利用されてもよい。ポリイソシアネートがブレンドとして利用される場合に、ポリイソシアネートは通常、少なくとも1.6、代替的に少なくとも1.7、代替的に少なくとも1.8の公称官能価を有する。
ある特定の実施形態において、ポリイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ブタンジイソシアネート、高分子ジフェニルメタンジイソシアネート(pMDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、およびそれらの組み合わせの群から選択される。
例示的なポリイソシアネートには、例えば、m-フェニレンジイソシアネート、2,4-および/または2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の様々な異性体、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、水素化MDI(H12 MDI)、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、メトキシフェニル-2,4-ジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3′-ジメチルオキシ-4,4′-ビフェニルジイソシアネート、3,3′-ジメチルジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネート、4,4′,4″-トリフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素化ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルエン-2,4,6-トリイソシアネート、および4,4′-ジメチルジフェニルメタン-2,2′,5,5′-テトライソシアネートが含まれる。ポリイソシアネートは、尿素、イソシアヌレート、ウレチジンジオン、アロフォネート、ビウレット、カルボジイミド、ウレタン、または他の連結を含むように修飾され得る。
ある特定の実施形態において、ポリイソシアネートはジイソシアネートを含む。例えば、ジイソシアネートは、式OCN-D’-CNOを有することができ、D’は、二価の連結基である。ジイソシアネートがMDIを含む場合、D’は、メチレンジフェニル部分である。しかしながら、ジイソシアネートは対称である必要はなく、イソシアネート官能基は末端である必要はない。例えば、ジイソシアネートは、式(OCN)2-D’を有することができ、D’は、上記で定義される。イソシアネート官能基は、D’内の同じ原子または異なる原子と結合し得る。
ある特定の実施形態において、ポリイソシアネートは、イソシアネート末端プレポリマーである。イソシアネート末端プレポリマーは、ポリウレタン技術で理解されているように、イソシアネート、およびポリオールおよび/またはポリアミンの反応生成物である。ポリイソシアネートは、上記のポリイソシアネートの1つなど、ポリウレタン技術の当業者に知られている任意の種類のポリイソシアネートであり得る。イソシアネート末端プレポリマーの製造に利用される場合に、ポリオールは、典型的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、およびそれらの組み合わせの群から選択される。イソシアネート末端プレポリマーの製造に使用する場合に、ポリアミンは、典型的には、エチレンジアミン、トルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、およびポリメチレンポリフェニレンポリアミン、アミノアルコール、およびそれらの組み合わせの群から選択される。好適なアミノアルコールの例には、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、およびそれらの組み合わせが含まれる。イソシアネート末端プレポリマーは、前述のポリオールおよび/またはポリアミンの2つ以上の組み合わせから形成され得ることを理解されたい。
ヒドロキシル官能性中間体およびポリイソシアネートは、典型的には、5:1~1:5、代替的に4:1~1:4、代替的に3:1~1:3、代替的に2:1~1:2、代替的に1.1:1~1:1.1のモル比で反応させる。イソシアネート官能性中間体は、典型的には、1:1のモル比のヒドロキシル官能性中間体およびポリイソシアネートによって形成されるが、一方が他方に対してモル過剰を利用してもよい。
ある特定の実施形態において、触媒の存在下で、ヒドロキシル官能性中間体とポリイソシアネートとを反応させて、イソシアネート官能性中間体を形成する。触媒の例には、第三級アミン;カルボン酸スズ;有機スズ化合物;三級ホスフィン;様々な属キレート;塩化第二鉄、塩化第二錫、塩化第一錫、三塩化アンチモン、硝酸ビスマス、および塩化ビスマスなどの強酸の金属塩などが含まれる。三級アミンおよびスズ触媒が一般的である。
第三級アミン触媒の例示的な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N、N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N,N′,N′-テトラメチル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジメチルピペラジン、1,4-ジアゾビシクロ-2,2,2-オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、モルホリン、4,4′-(オキシジ-2,1-エタンジイル)ビス、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-セチルN,N-ジメチルアミン、N-ココ-モルホリン、N,N-ジメチルアミノメチルN-メチルエタノールアミン、N,N,N′-トリメチル-N′-ヒドロキシエチルビス(アミノエチル)エーテル、N,N-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)N-イソプロパノールアミン、(N,N-ジメチル)アミノ-エトキシエタノール、N,N,N′,N′-テトラメチルヘキサンジアミン、1,8-ジアザビシクロ-5,4,0-ウンデセン-7、N,N-ジモルホリノジエチルエーテル、N-メチルイミダゾール、ジメチルアミノプロピルジプロパノールアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミノ-2-プロパノール、テトラメチルアミノビス(プロピルアミン)、(ジメチル(アミノエトキシエチル))((ジメチルアミン)エチル)エーテル、トリス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ビス(N,N-ジメチル-3-アミノプロピル)アミン、1,2-エチレンピペリジン、およびメチルヒドロキシエチルピペラジンが挙げられる。
スズ含有触媒の例示的な例としては、オクタン酸第一錫、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジメルカプチド、ジアルキルスズジアルキルメルカプト酸、ジブチルスズオキシド、ジメチルスズジメルカプチド、ジメチルスズジイソオクチルメルカプトアセテート、ジメチルスズジネオデカノエートなどが含まれる。
第2の方法は、イソシアネート官能性中間体と、平均して1超のヒドロキシル基を有するポリカーボネート化合物とを反応させて、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを得ることをさらに含む。シリコーン-ポリカーボネートコポリマーが第2の方法で形成されるとき、Aは、典型的には、-D2-O-C(=O)-NH-、および-D2-NH-C(=O)-NH-から選択され、式中、D2は、二価の基である。
本明細書の説明を考慮すれば当業者に理解されるように、本方法で利用されるポリカーボネート化合物は、ポリカーボネート部分Yに対応してシリコーン-ポリカーボネートコポリマーの一部を形成し、また、本方法で利用されるエンドキャッピング有機ケイ素化合物は、シリコーン部分Xに対応してシリコーン-ポリカーボネートコポリマーの一部を形成する。ある特定の実施形態において、本方法は、ポリカーボネート化合物およびエンドキャッピング有機ケイ素化合物とともに、(i)鎖延長有機ケイ素化合物および(ii)平均して1超のヒドロキシル基またはアミノ基を有するハイブリダイズ化合物のうちの少なくとも1つを反応させることをさらに含む。利用される場合、本方法で利用される鎖延長化有機ケイ素化合物は、シロキサン部分Zに対応するシリコーン-ポリカーボネートコポリマーの一部を形成する。ハイブリダイズ化合物は、利用される場合、ポリカーボネート部分とともにYの一部となる。ある特定の実施形態において、本方法は、鎖延長化有機ケイ素化合物およびハイブリダイズ化合物を含まない。他の実施形態において、本方法は、鎖延長化有機ケイ素化合物またはハイブリダイズ化合物を利用するが、他のものは利用しない。さらに別の実施形態において、本方法は、鎖延長化有機ケイ素化合物およびハイブリダイズ化合物の両方を利用する。本方法が、鎖延長化有機ケイ素化合物を利用するとき、その鎖延長化有機ケイ素化合物は、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを調製する第1の方法に関して上記したもののいずれかであってよく、第1の方法からの任意のケイ素結合水素原子との間の唯一の違いは、第2の方法では、代わりに、ケイ素結合ヒドロキシル基、アルコール基、またはアミノアルキル基である。
典型的には、ポリカーボネート化合物は、Y[OH]iを有し、式中、下付き文字iは、>1であり、Yは、少なくとも1つのポリカーボネート基を含むポリカーボネート部分である。
下付き文字iは、>1であり、例えば、2、3、4、5、6である。一般に、ポリカーボネート化合物は、Yの各末端にヒドロキシル基を含み、下付き文字iは、Yの価数に対応し、それは少なくとも2であるが、その分岐に応じて3、4、5、またはそれ以上であり得る。
各Yは、少なくとも1つのポリカーボネート基、例えば、上記のポリカーボネート基のいずれか、またはその誘導体を含むポリカーボネート部分である。例えば、既知の方法によって生成されたポリカーボネートは、ヒドロキシル官能性で容易に官能化されて、ポリカーボネート化合物を与えることができる。かかるポリカーボネートは市販されている。
シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを調製する他の方法は、官能基および反応スキームの変更または置換に基づいて、当業者は容易に構想することができる。
例えば、一実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、1超のヒドロキシル基を有するポリシロキサンおよびポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート官能性ポリシロキサンを得ることによって調製することができる。イソシアネート官能性ポリシロキサンは、上記のヒドロキシル官能性中間体と反応させることができ、その反応生成物は、反応させることができ、任意選択で、さらなる量のポリイソシアネート、ヒドロキシル官能性ポリシロキサン、またはイソシアネート官能性ポリシロキサンの存在下で、1超のヒドロキシル基を有するポリカーボネート化合物と反応させることができる。
第2の実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、1超のヒドロキシル基を有するポリシロキサンおよびポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート官能性ポリシロキサンを得ることによって調製することができる。イソシアネート官能性ポリシロキサンは、任意選択で、任意のさらなる量のポリイソシアネートまたは有機ポリヒドロキシル化合物の存在下で、1超のヒドロキシル基を有するポリカーボネート化合物および上記のイソシアネート官能性中間体と反応させることができる。
第3の実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、1超のヒドロキシル基を有するポリシロキサン、ヒドロキシル官能性ポリカーボネート化合物、およびポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート官能性プレポリマーを得ることによって、調製することができる。イソシアネート官能性プレポリマーは、上記のヒドロキシル官能性中間体と反応させることができる。
第4の実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、1超のアミノ基を有するポリシロキサンおよびポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート官能性ポリシロキサンを得ることによって、調製することができる。イソシアネート官能性ポリシロキサンを、上記のヒドロキシル官能性中間体と反応させて、さらなる中間体を得ることができる。さらなる中間体は、任意選択で、任意のさらなる量のポリイソシアネート、アミノ官能性ポリシロキサン、またはイソシアネート官能性ポリシロキサンの存在下で、1超のイソシアネート反応性基を有するポリカーボネート化合物と反応させることができる。
第5の実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、1超のアミノ基を有するポリシロキサンおよびポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート官能性ポリシロキサンを得ることによって、調製することができる。イソシアネート官能性ポリシロキサンは、任意選択で、任意のさらなる量のポリイソシアネートまたは有機ポリヒドロキシル化合物の存在下で、1超のイソシアネート反応性基を有するポリカーボネート化合物および上記のイソシアネート官能性中間体と反応させることができる。
第6の実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、アミノ官能性ポリシロキサンとアミノ官能性ポリカーボネート化合物とを混合して、混合物を得ることによって、調製することができる。その混合物をポリイソシアネートと反応させて、イソシアネート官能性プレポリマーを得ることができる。イソシアネート官能性プレポリマーは、上記のヒドロキシル官能性中間体と反応させることができる。
第7の実施形態において、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーは、ポリヒドロキシル化合物および任意選択で1超のヒドロキシル基を含有するポリシロキサンと、カーボネートとの重合を開始させて、ヒドロキシル官能性コポリマーを得ることによって、調製することができる。ヒドロキシル官能性コポリマーは、上記のイソシアネート官能性中間体と反応させることができる。
シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを含むシーラントもまた、提供する。より具体的には、シーラントは、(I)シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを含むコポリマー、および(II)縮合反応触媒を含む。
(II)縮合反応触媒は限定されないが、いくつかの実施形態において、スズ触媒、チタン触媒、ジルコン酸触媒、およびジルコニウム触媒によって例示される。好適なスズ触媒の一般的な例には、スズの原子価が+4または+2のいずれかである有機スズ化合物(例えば、スズ(IV)化合物および/またはスズ(II)化合物)が含まれる。スズ(IV)化合物の具体例には、ジブチルスズジラウレート、ジラウリン酸ジメチルスズ、ジ-(n-ブチル)スズビスケトネート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジメトキシド、カルボメトキシフェニルスズトリスウベレート、ジブチルスズジオクタノエート、ジブチルスズジホルメート、イソブチルスズトリコレート、ジメチルスズジブチレート、ジメチルスズジネオデコノエート、ジブチルスズジネオデコノエート、トリエチルスズ酒石酸、ジブチルスズジベンゾエート、ブチルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、ジオクチルスズジアセテート、スズオクチル酸、スズオレイン酸、スズブチレート、スズナフテン酸、ジメチルスズジクロリドなどのカルボン酸の第二錫塩、それらの組み合わせ、および/またはそれらの部分加水分解生成物が含まれる。スズ(IV)化合物の追加の例は、当技術分野で知られており、Dow Chemical CompanyのビジネスユニットであるヨーロッパのスイスのAcima Specialty ChemicalsからのMetatin(登録商標)740およびFascat(登録商標)4202、ならびにLA、HahnvilleのGalata ChemicalsからのFormrez(登録商標)UL-28などが市販されている。スズ(II)化合物の具体例としては、スズ(II)ジアセテート、スズ(II)ジオクタノエート、スズ(II)ジエチルヘキサノエート、スズ(II)ジラウレートなどの有機カルボン酸のスズ(II)塩、オクタン酸第一錫、オレイン酸第一錫、酢酸第一錫、ラウリン酸第一錫、ステアリン酸第一錫、ナフテン酸第一錫、ヘキサン酸第一錫、コハク酸第一錫、カプリル酸第一錫などのカルボン酸の第一錫塩、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適なチタン触媒の例には、テトラ-n-ブチルチタネートテトライソプロピルチタネート、テトラ-2-エチルヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、有機シロキシチタン化合物などのチタンエステル、ならびにチタンエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシジ(エトキシアセトアセチル)チタン、およびビス(アセトアセトニル)-ジイソプロポキシチタン(IV)などのジカルボニルチタン化合物が含まれる。これらのチタン触媒の多くはTX,ヒューストンのDoft Ketal Specialty Catalysts LLCからのTyzor(商標)DC、Tyzor(商標)TnBT、およびTyzor(商標)9000などのように市販されている。ある特定の実施形態において、(II)縮合反応触媒は、上記に例示したものの1つのようなチタン触媒であり、例えば、シーラントが室温加硫化シーラント組成物であるか、または室温加硫シーラント組成物として配合され得る。シーラント中に存在する(II)縮合反応触媒の量は、様々な要因(例えば、シーラント中に存在する(I)コポリマーの量および/または種類、任意の追加材料の種類および/または量など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。典型的には、シーラントは、シーラント中に存在する(I)コポリマーの総重量に基づいて、0.2~6、代替的に0.5~3重量部の量における(II)縮合反応触媒を含む。
いくつかの実施形態において、シーラントは、1つ以上の添加剤をさらに含む。シーラント中に存在し得る好適な添加剤の例としては、充填剤、処理剤(例えば、充填処理剤)、架橋剤、接着促進剤、表面改質剤、乾燥剤、増量剤、殺生物剤、難燃剤、可塑剤、末端遮断剤、接合剤、老化防止添加剤、水放出剤、顔料、レオロジー調整剤、担体、粘着付与剤、腐食阻害剤、触媒抑制剤、粘度調整剤、UV吸収剤、抗酸化剤、光安定剤など、およびそれらの組み合わせが含まれる。
ある特定の実施形態において、シーラントは充填剤を含む。充填剤は、補強充填剤、増量充填剤、導電性充填剤(例えば、導電性、熱伝導性、または両方)など、またはそれらの組み合わせであり得、またはそれらを含む。好適な補強充填剤の例としては、沈降炭酸カルシウム、およびヒュームシリカ、シリカエアロゲル、シリカキセロゲル、および沈降シリカなどの補強シリカ充填剤が含まれる。特定の好適な沈降炭酸カルシウムには、SolvayからのWinnofil(登録商標)SPM、ならびにSpecialty Minerals,Inc.からのUltrapflex(登録商標)およびUltrapflex(登録商標)100が含まれる。ヒュームドシリカの例は当技術分野で知られており、米国、MassachusettsのCabot CorporationによってCAB-O-SILの名称のもとで販売されているものなどのように市販されている。好適な増量充填剤の例としては、粉砕石英、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、粉砕炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、酸化亜鉛、タルク、珪藻土、酸化鉄、粘土、雲母、白亜、二酸化チタン、ジルコニア、砂、カーボンブラック、グラファイト、またはそれらの組み合わせが含まれる。増量充填剤の例としては、当技術分野で知られており、WV、Berkeley SpringsのU.S.SilicaによってMIN-U-SILという名称のもとで販売されている粉砕石英を含め、市販されている。市販の増量充填剤の他の例としては、ImerysからのCS-11、HuberからのG3T、Specialty Minerals,Inc.からのPfinyl 402、およびOmyaからのOmyacarb 2Tの名称のもとで販売されている炭酸カルシウムが含まれる。シーラント中に存在する充填剤の量は、様々な要因(例えば、シーラント中に存在する(I)コポリマーの量および/または種類、任意の追加材料の種類および/または量など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。シーラントの特定の実施において利用される充填剤の正確な量は、2つ以上の種類の充填剤が利用されるかにも依存する。典型的には、存在する場合、シーラントは、シーラントの重量に基づいて、0.1~95、代替的に1~60、代替的に1~20重量%の量の充填剤を含む。
特定の実施形態において、シーラントは処理剤を含む。処理剤は限定されないが、シーラント中に存在し得る充填剤および他の添加剤(例えば、物理的乾燥剤、難燃剤、顔料、および/または水放出剤)など、シーラントの添加剤の処理(例えば、表面処理)に使用するのに好適な任意の処理剤であり得る。より具体的には、固体および/または粒子状添加剤は、シーラントに添加される前に処理剤で処理され得る。代替的に、またはさらには、固体および/または粒子状添加剤は、処理剤でその場で処理され得る。好適な処理剤の一般的な例としては、アルコキシシラン、アルコキシ官能性オリゴシロキサン、環状ポリオルガノシロキサン、ヒドロキシル官能性オリゴシロキサン(例えば、ジメチルシロキサンまたはメチルフェニルシロキサン)、脂肪酸(例えば、ステアリン酸カルシウムなどのステアリン酸)など、およびそれらの組み合わせが含まれる。処理剤の具体例としては、アルキルチオール、脂肪酸、チタネート、チタネートカップリング剤、ジルコネートカップリング剤など、およびそれらの組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態において、処理剤は、有機ケイ素充填剤の処理剤であるか、または有機ケイ素充填剤の処理剤を含む。かかる有機ケイ素充填剤の処理剤の例としては、有機クロロシラン、有機シロキサン、有機ジシラザン(例えば、ヘキサアルキルジシラザン)、および有機アルコキシシラン(例えば、CH3Si(OCH3)3、C6H13Si(OCH3)3、 C8H17Si(OC2H5)3、C10H21Si(OCH3)3、C12H25Si(OCH3)3、C14H29Si(OC2H5)3、C6H5CH2CH2Si(OCH3)3など)などのシリカ充填剤の処理に好適な組成物が挙げられる。これらまたは他の実施形態において、処理剤は、式(X):R10
ASi(OR11)4-Aを有するアルコキシシランであるか、またはそれを含む。式(X)において、下付き文字Aは、1、2、または3などの1~3の整数であり、各R10は、1~50個の炭素原子、代替的に、8~30個の炭素原子、代替的に8~18個の炭素原子、代替的に1~5個の炭素原子を有する一価の炭化水素基などの、独立して選択される一価の有機基である。R10は、飽和または不飽和、および分岐または非分岐であり得る。代替的に、R10は、飽和および非分岐であり得る。R10は、メチル、エチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、およびオクタデシルなどのアルキル基;ビニルなどのアルケニル基;ならびにベンジルおよびフェニルエチルなどの芳香族基によって例示される。各R11は、独立して選択される1~4個の炭素原子、代替的に1~2個の炭素原子を有する飽和炭化水素基である。有機シリコーン充填剤の処理剤の具体例には、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、およびそれらの組み合わせもまた、含まれる。
いくつかの実施形態において、処理剤は、アルコキシ官能性オリゴシロキサンであるか、またはアルコキシ官能性オリゴシロキサンを含む。好適なアルコキシ官能性オリゴシロキサンの例には、一般式(XI):(R12O)BSi(OSiR13
2R14)(4-B)を有するものが含まれる。式(XI)において、下付き文字Bは、1、2、または3である。特定の実施形態において、下付き文字Bは、3である。各R12は、独立して選択されるアルキル基である。各R13は、1~10個の炭素原子を有する独立して選択される不飽和の一価の炭化水素基である。各R14は、少なくとも10個の炭素原子を有する独立して選択される不飽和の一価の炭化水素基である。
ある特定の実施形態において、処理剤は、水素結合が可能なポリオルガノシロキサンであるか、水素結合が可能なポリオルガノシロキサンを含む。かかる処理剤は、処理されるシーラント成分(例えば、充填剤)の表面に相溶化部分をつなぐ手段として、クラスター化および/または分散される複数の水素結合を利用する。水素結合が可能な好適なポリオルガノシロキサンは、平均で分子ごとに水素結合が可能な少なくとも1個のケイ素結合基を有し、典型的には、複数のヒドロキシル官能基を有する有機基、少なくとも1個のアミノ官能基を有する有機基、およびそれらの組み合わせから選択される。言い換えれば、水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、典型的には、充填剤への付着の一次形態として水素結合を利用する。したがって、いくつかの実施形態において、ポリオルガノシロキサンは、充填剤と共有結合を形成することができない。ポリオルガノシロキサンは、縮合性シリル基(例えば、ケイ素結合アルコキシ基、シラザン、およびシラノール)を含まない場合がある。シーラント中またはシーラントとして使用するのに好適なポリオルガノシロキサンの例には、サッカライドシロキサンポリマー、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン、およびそれらの組み合わせが含まれる。特定の実施形態において、シーラントは、糖類シロキサンポリマーを含むポリオルガノシロキサンを含む。
シーラント中に存在する処理剤の量は、様々な要因(例えば、シーラント中に存在する(I)コポリマーの量および/または種類、任意の追加材料(処理剤で処理されたものなど)の種類および/または量など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。典型的には、処理剤の量は、選択される処理剤の種類、処理される微粒子の種類および/または量、微粒子がシーラントに添加される前に処理されるか、またはその場で処理されるかに応じて異なる。典型的には、存在する場合、シーラントは、シーラントの重量に基づいて、0.01~20、代替的に0.1~15、代替的に0.5~5重量%の量の処理剤を含む。
いくつかの実施形態において、シーラントは、架橋剤、連鎖延長剤、可塑剤、末端遮断剤など、またはそれらの組み合わせなどのポリマー添加剤を含む。一般に、好適なポリマー添加剤としては、シーラントの(I)コポリマーに存在する官能基、またはそれと反応している別のポリマー添加剤に存在する官能基と反応する官能基を有する化合物が含まれる。ある特定のポリマー添加剤は、意図された機能(例えば、架橋、鎖延長、最終の遮断など)に基づいて命名され得る。しかしながら、本明細書に記載されるある特定のポリマー添加剤は、当業者によって容易に理解されるように2つ以上の機能を有し得るため、ポリマー添加剤の種類間において機能が重複し得ることを理解されたい。例えば、好適な架橋剤としては、平均で分子ごとに(I)コポリマー内に存在するアルコキシ基と反応する2個以上の置換基を有する化合物を含むものが含まれ、および好適な連鎖延長剤としては、平均で分子ごとに(I)コポリマー内に存在するアルコキシ基または(I)コポリマーと反応した他のポリマー添加剤内に存在する基と反応する2個の置換基を有する化合物を含むものが含まれる。したがって、当業者によって理解されるように、様々な化合物を架橋剤および/または連鎖延長剤として使用でき得る。同様に、以下に記載される特定の可塑剤によって例示される様々な可塑剤も、シーラントの架橋剤および/または連鎖延長剤において、またはそれらとして互換的に利用でき得る。
いくつかの実施形態において、シーラントは架橋剤を含む。好適な架橋剤のいくつかの例には、加水分解性基を有するシラン架橋剤、またはその部分的もしくは完全な加水分解生成物が含まれる。かかるシラン架橋剤の例としては、一般式(XII):R15
CSi(R16)(4-C)を有するケイ素化合物を含むものが挙げられ、式中、各R15は、アルキル基などの、独立して選択された一価の炭化水素基であり、各R16は、加水分解性置換基、例えば、ハロゲン原子、アセトアミド基、アセトキシなどのアシルオキシ基、アルコキシ基、アミド基、アミノ基、アミノオキシ基、ヒドロキシル基、オキシモ基、ケトキシモ基、またはメチルアセトアミド基であり、下付き文字Cは、0~3であり、例えば、0、1、2、または3である。典型的には、下付き文字Cは、2を超える平均値を有する。代替的に、下付き文字Cは、3~4の範囲の平均値を有する。典型的に、各R16は、ヒドロキシル、アルコキシ、アセトキシ、アミド、またはオキシムから独立して選択される。好適なシラン架橋剤の特定の例としては、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、ビニルジアセトキシメトキシシラン、ビニルアセトキシジメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、およびそれらの組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態において、架橋剤は、アシルオキシシラン、アルコキシシラン、ケトキシモシラン、オキシモシランなど、またはそれらの組み合わせを含む。
好適なアセトキシシラン架橋剤の例としては、テトラアセトキシシラン、有機トリアセトキシシラン、ジオルガノジアセトキシシラン、およびそれらの組み合わせが含まれる。アセトキシシランは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第三級ブチルなどのアルキル基;ビニル、アリル、またはヘキセニルなどのアルケニル基;フェニル、トリル、またはキシリルなどのアリール基;ベンジルまたは2-フェニルエチルなどのアラルキル基;および3,3,3-トリフルオロプロピルなどのフッ素化アルキル基を含み得る。例示的なアセトキシシランとしては、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、プロピルトリアセトキシシラン、ブチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、オクチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、フェニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、およびそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態において、架橋剤は、有機トリアセトキシシラン、例えば、メチルトリアセトキシシラン、およびエチルトリアセトキシシランを含む混合物を含む。
架橋剤における使用または架橋剤としての使用に適した好適なアミノ官能性アルコキシシランの例は、H2N(CH2)2Si(OCH3)3、H2N(CH2)2Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、およびそれらの組み合わせによって例示される。
好適なオキシモシラン架橋剤の例としては、メチルトリオキシモシラン、エチルトリオキシモシラン、プロピルトリオキシモシラン、およびブチルトリオキシモシランなどのアルキルトリオキシモシラン;メトキシトリオキシモシラン、エトキシトリオキシモシラン、プロポキシトリオキシモシランなどのアルコキシトリオキシモシラン;またはプロペニルトリオキシモシラン、もしくはブテニルトリオキシモシランなどのアルケニルトリオキシモシラン;ビニルオキシモシランなどのアルケニルオキシモシラン;ビニルメチルジオキシモシラン、ビニルエチルジオキシモシラン、ビニルメチルジオキシモシラン、もしくはビニルエチルジオキシモシランなどのアルケニルアルキルジオキシシラン;またはその組み合わせが含まれる。
好適なケトキシモシラン架橋剤の例としては、メチルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、エチルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、エチルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン、エチルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、テトラキス(ジメチルケトキシモ)シラン、テトラキス(メチルエチルケトキシモ)シラン、テトラキス(メチルプロピルケトキシモ)シラン、テトラキス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、メチルビス(ジメチルケトキシモ)シラン、メチルビス(シクロヘキシルケトキシモ)シラン、トリエトキシ(エチルメチルケトオキシム)シラン、ジエトキシジ(エチルメチルケトオキシム)シラン、エトキシトリ(エチルメチルケトオキシム)シラン、メチルビニルビス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、またはそれらの組み合わせが含まれる。
ある特定の実施形態において、架橋剤は、ジアルキルジアルコキシシランなどのジアルコキシシラン;アルキルトリアルコキシシランなどのトリアルコキシシラン;テトラアルコキシシラン;その部分的または完全な加水分解生成物;またはその組み合わせを含む。好適なトリアルコキシシランの例としては、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適なテトラアルコキシシランの例としては、テトラエトキシシランが含まれる。特定の実施形態において、架橋剤は、メチルトリメトキシシランを含むか、代替的にメチルトリメトキシシランである。
ある特定の実施形態において、架橋剤はポリマーである。例えば、架橋剤は、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,4-ビス[トリメトキシシリル(エチル)]ベンゼン、ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン)、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)エタンなどのジシラン、およびそれらの組み合わせを含み得る。これらまたは他の実施形態において、架橋剤は、1つの単一の架橋剤であることができるか、または、例えば、加水分解性置換基およびケイ素に結合した他の有機基に基づいて、また、高分子架橋剤を使用するときは、シロキサン単位、構造、分子量、配列などに基づいて、互いに異なる2つ以上の架橋剤を含む組み合わせであることができる。
シーラント中に存在する架橋剤の量は、様々な要因(例えば、シーラント中に存在する(I)コポリマーの量および/または種類、任意の追加材料(他のポリマー添加剤など)の種類および/または量、使用する架橋剤の種類など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、(I)コポリマーの重量に基づいて、0.5~15、代替的に1~10、代替的に3~10重量%の量の架橋剤を含む。
いくつかの実施形態において、シーラントは可塑剤を含む。好適な可塑剤の例としては、カルボン酸エステル(例えば、エステル)、フタラート(例えば、フタラート(複数可))、カルボキシレート(例えば、カルボキシレート(複数可))、アジパート(例えば、アジパート(複数可))、またはそれらの組み合わせを含むものなどの有機可塑剤が含まれる。好適な有機可塑剤の具体例としては、ビス(2-エチルヘキシル)テレフタレート、ビス(2-エチルヘキシル)-1,4-ベンゼンジカルボキシレート、2-エチルヘキシルメチル-1,4-ベンゼンジカルボキシレート、1,2シクロヘキサンジカルボン酸、ジノニルエステル(分岐状および直線状)、ビス(2-プロピルヘプチル)フタラート、ジイソノニルアジパート、およびそれらの組み合わせが含まれる。
ある特定の実施形態において、可塑剤は、平均して分子ごとに少なくとも1つの式の基を有するエステルであり、
、
式中、R
17は、水素原子または一価の有機基(例えば、4~15個の炭素原子、代替的に9~12個の炭素原子のアルキル基などの分岐状または直鎖状の一価の炭化水素基)を表す。これらまたは他の実施形態において、可塑剤は、平均して分子ごとに環状炭化水素における炭素原子に各々結合した上記の式の少なくとも2個の基を有する。かかる例において、可塑剤は以下の一般式を有し得る。
。
この式において、Dは、3個以上の炭素原子、代替的に3~15個の炭素原子を有する炭素環式基であり、不飽和、飽和、または芳香族であり得る。下付き文字Eは、1~12である。各R
18は、4~15個の炭素原子のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチルなどのアルキル基)などの分岐状または直鎖状の独立した一価の炭化水素基である。各R
19は、独立した水素原子、または分岐状もしくは直鎖状、置換または非置換の一価の有機基である。例えば、いくつかの実施形態において、少なくとも1個のR
19は、エステル官能基を含む部分である。
特定の実施形態において、シーラントは、ポリマー可塑剤を含む。高分子可塑剤の例としては、アルケニルポリマー(例えば、様々な方法を介してビニルまたはアリルモノマーを重合することにより得られるもの);ポリアルキレングリコールエステル(例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコール、ジベンゾエートペンタエリスリトールエステルなど);ポリエステル可塑剤(例えば、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などの二塩基酸、およびエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの二価のアルコールから得られるもの);各々が500以上の分子量を有するポリエステルポリオールを含むポリエステル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど);ポリスチレン(例えば、ポリスチレン、ポリ-アルファ-メチルスチレンなど);ポリブテンおよびポリブタジエン(例えば、ポリイソブチレン、ブタジエンアクリロニトリルなど);ならびにポリクロロプレンが挙げられる。様々な実施形態において、低分子量の可塑剤および高分子量の高分子可塑剤は、組み合わせてシーラント中に存在してもよい。
好適な可塑剤は、当技術分野で知られており、市販されている。かかる可塑剤は、単独でまたは組み合わせてシーラント中に存在し得る。例えば、可塑剤は、ジブチルフタラート(Eastman(商標)DBP可塑剤)などのジアルキルフタラート、ジヘプチルフタラート、ジイソノニルフタラート、ジ(2-エチルヘキシル)フタラート、またはジイソデシルフタラート(DIDP)、ビス(2-プロピルヘプチル)フタラート(BASF Palatinol(登録商標)DPHP)、ジ(2-エチルヘキシル)フタラート(Eastman(商標)DOP可塑剤)、ジメチルフタラート(Eastman(商標)DMP可塑剤);ジエチルフタラート(Eastman(商標)DMP可塑剤);ブチルベンジルフタラート、およびビス(2-エチルヘキシル)テレフタラート(Eastman(商標)425可塑剤);ベンジル、C7-C9直鎖状および分岐状アルキルエステル、1、2、ベンゼンジカルボン酸(Ferro SANTICIZER(登録商標)261A)、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(BASF Palatinol(登録商標)TOTM-I)、ビス(2-エチルヘキシル)-1,4-ベンゼンジカルボキシレート(Eastman(商標)168可塑剤);2-エチルヘキシルメチル1,4-ベンゼンジカルボキシレート;1,2シクロヘキサンジカルボン酸、ジノニルエステル、分岐状および直鎖状(BASF Hexamoll(登録商標)DINCH);ジイソノニルアジパート;トリオクチルトリメリテート(Eastman(商標)TOTM可塑剤)などのトリメリテート;トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)(Eastman(商標)TEG-EH可塑剤);トリアセチン(Eastman(商標)Triacetin);ジオクチルアジパート、ビス(2-エチルヘキシル)アジパート(Eastman(商標)DOA可塑剤およびEastman(商標)DOA可塑剤、Kosher)などの非芳香族二塩基酸エステル、ジ-2-エチルヘキシルアジパート(BASF Plastomoll(登録商標)DOA)、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、ジイソデシルスクシナート;ブチルオレアートおよびメチルアセチルレシノレートなどの脂肪族エステル;リン酸トリクレシルおよびリン酸トリブチルなどのリン酸;塩素化パラフィン;アルキルジフェニルおよび部分水素化テルフェニルなどの炭化水素オイル;プロセスオイル;エポキシ化大豆オイルおよびエポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤;トリス(2-エチルヘキシル)エステル;脂肪酸エステル;ならびにその組み合わせ。などのフタラートを含み得る。他の好適な可塑剤およびそれらの商業的供給源の例には、BASF Palamoll(登録商標)652およびEastman 168 Xtreme(商標)可塑剤が含まれる。
シーラント中に存在する可塑剤の量は、様々な要因(例えば、シーラント中に存在する(I)コポリマーの量および/または種類、任意の追加材料(他のポリマー添加剤など)の種類および/または量、使用する架橋剤の種類など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラント中の全ての構成成分の合計重量に基づいて、5~150重量部の量の可塑剤を含む。特定の実施形態において、シーラントは、シーラントの総重量に基づいて、0.1~10重量%の量の可塑剤を含む。
いくつかの実施形態において、シーラントは増量剤を含む。好適な増量剤の例としては、式R20
2SiO2/2の二官能性単位、および式R21
3SiD′-の末端単位を含むものなどの非官能性ポリオルガノシロキサンが含まれ、式中、各R20および各R21は、メチル、エチル、プロピル、およびブチルなどのアルキル;ビニル、アリル、ヘキセニルなどのアルケニル;フェニル、トリル、キシリル、ナフチルなどのアリール;フェニルエチルなどのアラルキル基によって例示される一価の炭化水素基などの独立した一価の有機基であり、D’は酸素原子または二価の基である。非官能性ポリオルガノシロキサンは、当技術分野で知られており、市販されている。好適な非官能性ポリオルガノシロキサンは、ポリジメチルシロキサンによって例示されるが、それに限定されない。かかるポリジメチルシロキサンには、DOWSIL(登録商標)200 Fluidsが含まれ、米国、Mich、MidlandのDow Silicones Corporationから市販されており、5x10-5~0.1、代替的に5x10-5~0.05、代替的に0.0125~0.06m2/秒の範囲の粘度を有し得る。シーラント中に存在する増量剤の量は、様々な要因(例えば、シーラント中に存在する(I)コポリマーの量および/または種類、任意の追加材料(他のポリマー添加剤など)の種類および/または量、使用する架橋剤の種類など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラントの総重量に基づいて、0.1~10重量%の量の増量剤を含む。
いくつかの実施形態において、シーラントは、末端遮断剤を含む。好適な末端遮断剤は、M単位、すなわち、式R22
3SiO1/2のシロキサン単位を含み、各R22は、一価の炭化水素基などの独立した一価の有機基を表す。かかる末端遮断剤の一般的な例としては、トリオルガノシリル基、例えば(CH3)3SiO-により一方の末端で、およびヒドロキシル基により別の末端で末端遮断されたポリオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサンなどのポリジオルガノシロキサン)を含むものが含まれる。好適な末端遮断剤の他の例としては、ヒドロキシル末端基およびトリオルガノシリル末端基の両方を有するポリジオルガノシロキサン、例えばヒドロキシル基として全末端基の50%超、代替的に75%超を有するものが含まれる。かかる末端遮断剤中に存在するトリオルガノシリル基の量は変化する可能性があり、通常、シーラントの縮合反応により調製される反応生成物の弾性率を調節するために使用される。理論に拘束されることを望まないが、トリオルガノシリル末端基の濃度が高くなると、ある特定の硬化物における弾性率がより低下し得ると考えられる。いくつかの実施形態において、シーラントの末端遮断剤は、単一の末端遮断化合物を含む。しかしながら、他の実施形態において、シーラントの末端遮断剤は、例えば構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、配列など、またはそれらの組み合わせを含む特性により、互いに異なる2つ以上の異なる末端遮断化合物を含む。シーラント中に存在する末端遮断剤の量は、様々な要因(例えば、シーラント中に存在する(I)コポリマーの量および/または種類、任意の追加材料の種類(他のポリマー添加剤など)および/または量、使用する末端遮断剤の種類など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、(I)コポリマーの総重量に基づいて、0~50、代替的に0~30、代替的に0~15重量%の量の末端遮断剤を含む。
ある特定の実施形態において、シーラントは表面改質剤を含む。好適な表面改質剤としては、接着促進剤、剥離剤など、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。典型的には、表面改質剤は、シーラントの反応生成物の表面の外観を変更するために利用される。例えば、表面改質剤は、かかる反応生成物の表面の光沢を増強するために使用され得る。好適な表面改質剤の特定の例としては、アルキルおよびアリール基を有するポリジオルガノシロキサンが含まれる。例えば、DOWSIL(登録商標)550 Fluidは、Dow Silicones Corporationから市販されている、0.000125m2/秒の粘度を有するトリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルフェニル)シロキサンである。好適な表面改質剤のこれらおよび他の例としては、亜麻仁オイル、桐オイル、大豆オイル、ヒマシオイル、魚オイル、大麻オイル、綿実オイル、オイチカオイル、菜種オイルなどの天然オイル(植物または動物源から得られるもの)、およびそれらの組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態において、表面改質剤は、接着促進剤である。好適な接着促進剤は、アルコキシシランなどの炭化水素オキシシラン、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンとの組み合わせ、アミノ官能性シラン、エポキシ官能性シラン、メルカプト官能性シラン、またはそれらの組み合わせを含み得る。接着促進剤は当技術分野で知られており、式R23
FR24
GSi(OR25)4-(F+G)を有するシランを含み得、各R23は、少なくとも3個の炭素原子を有する独立した一価の有機基であり;R24は、アミノ、エポキシ、メルカプト、またはアクリレート基などの接着を促進する基を有する少なくとも1つのSiC結合置換基を含み;各R25は独立した一価の有機基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)であり;下付き文字Fは0~2の範囲の値を有し;下付き文字Gは1または2のいずれかであり;(F+G)の合計は3を超えない。ある特定の実施形態において、接着促進剤は、上記シランの部分縮合物を含む。これらまたは他の実施形態において、接着促進剤は、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンとの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、接着促進剤は、不飽和またはエポキシ官能性化合物を含む。かかる実施形態において、接着促進剤は、式(XIII):R26
HSi(OR27)(4-H)を有するものなどの不飽和またはエポキシ官能性アルコキシシランであり得るか、またはそれを含み、下付き文字Hは、1、2、または3であり、下付き文字Hは、1である。各R26は、少なくとも1つのR26が不飽和有機基またはエポキシ官能性有機基であるという条件で、独立した一価の有機基である。R26のエポキシ官能性有機基は、3-グリシドキシプロピル、および(エポキシシクロヘキシル)エチルにより例示される。R26の不飽和有機基は、3-メタクリロイルオキシプロピル、3-アクリロイルオキシプロピル、およびビニル、アリル、ヘキセニル、ウンデシレニルなどの不飽和の一価の炭化水素基によって例示される。各R27は、1~4個の炭素原子、代替的に1~2個の炭素原子の独立した飽和炭化水素基である。R27は、メチル、エチル、プロピル、およびブチルによって例示される。
好適なエポキシ官能性アルコキシシランの具体例には、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適な不飽和アルコキシシランの例には、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ウンデシレニルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、およびそれらの組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態において、接着促進剤は、ヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシラン(例えば、上述されるもののうちの1つ)との反応生成物などのエポキシ官能性シロキサン、またはヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランとの物理的ブレンドを含む。接着促進剤は、エポキシ官能性アルコキシシランとエポキシ官能性シロキサンとの組み合わせを含み得る。例えば、接着促進剤は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、およびヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンと3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの反応生成物の混合物、または3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンとの混合物、または3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニル/ジメチルシロキサンコポリマーの混合物によって例示される。
ある特定の実施形態において、接着促進剤は、H2N(CH2)2Si(OCH3)3、H2N(CH2)2Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、N-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、など、およびそれらの組み合わせによって例示されるアミノ官能性アルコキシシランなどのアミノ官能性シランを含む。これらまたは他の実施形態において、接着促進剤は、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、または3-メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト官能性アルコキシシランを含む。
表面改質剤の追加の例としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシアルキルアルコキシシランと、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ置換アルコキシシランと、任意でメチルトリメトキシシランなどのアルキルアルコキシシランとの反応生成物である接着促進剤が含まれる。
いくつかの実施形態において、表面改質剤は、水放出剤を含むか、代替的に水放出剤である。好適な水放出剤は、フッ素官能性シリコーン、またはフッ素官能性有機化合物などのフッ素化化合物によって例示される。特定の実施形態において、シーラントは、1つ以上の接着促進剤、1つ以上の放出剤、1つ以上の天然オイル、またはそれらの組み合わせなどの複数の表面改質剤を含む。
シーラント中に存在する表面改質剤の量は、様々な要因(例えば、シーラント中に存在する(I)コポリマーの量および/または種類、任意の追加材料の種類および/または量、シーラントが曝露されることを意図した硬化条件など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラント中の全ての構成成分の合計重量に基づいて、0.01~50、代替的に0.01~10、代替的に0.01~5重量部の量の表面改質剤を含む。
ある特定の実施形態において、シーラントは、物理的乾燥剤(例えば、吸着剤)、化学的乾燥剤などの乾燥剤を含む。一般に、乾燥剤は、水および様々な源からの低分子量アルコールを結合する。例えば、乾燥剤は、水およびアルコールなどの(I)コポリマーが関与する縮合反応の副産物を結合し得る。物理的乾燥剤は通常、かかる水および/または副産物を捕捉および/または吸着し、化学的乾燥剤は通常、化学的手段により(例えば、共有結合を介して)水および/または他の副産物を結合する。シーラントに使用するのに好適な乾燥剤の例には、無機微粒子を含むものなどの吸着剤が含まれる。かかる吸着剤は、典型的には、10マイクロメートル以下、代替的に5マイクロメートル以下の粒子サイズ、ならびに水および低分子量アルコールのアルコールを吸着するのに十分な平均細孔サイズ(例えば、10Å(オングストローム)以下、代替的に5Å以下、代替的に3Å以下の平均孔径)を有する。かかる吸着剤の具体的な例としては、ゼオライト(例えば、チャバサイト、モルデナイト、およびアナサイト)、ならびにアルカリ金属アルミノシリケート、シリカゲル、シリカマグネシアゲル、活性炭、活性アルミナ、酸化カルシウム、およびそれらの組み合わせを含むモレキュラーシーブが挙げられる。商業的に入手可能な乾燥剤の例には、Grace DavidsonよりSYLOSIV(登録商標)の商標で、および米国、Ky、LouisvilleのZeochemより商品名PURMOLで販売されている3Å(オングストローム)のモレキュラーシーブ、および、英国、WarringtonのIneos Silicasより商品名Doucil zeolite 4Aで販売されている4Åのモレキュラーシーブなどの乾燥モレキュラーシーブが含まれる。好適な乾燥剤の他の例としては、MOLSIV ADSORBENT TYPE 13X、3A、4A、および5Aのモレキュラーシーブが含まれ、これらの全ては、米国、IllinoisのUOPから市販されているもの;米国、Pa、PhiladelphiaのAtofinaからのSILIPORITE NK 30APおよび65xPのモレキュラーシーブ;および、米国、Maryland、W.R.グレースからの様々な名前で入手可能なモレキュラーシーブである。化学的乾燥剤の例としては、架橋剤に関して上述したようなシランが含まれる。例えば、乾燥剤として好適なアルコキシシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、およびそれらの組み合わせが含まれる。当業者によって理解されるように、化学乾燥剤は、シーラントまたはシーラントの一部(例えば、シーラントが複数の部分からなる組成物である場合)に添加して、シーラントまたはその一部を水が入らないように保つことができ得る。したがって、乾燥剤は、シーラントが形成される前にシーラントの一部(例えば、乾燥した部分)に添加され、それにより、部分シェルフを安定し得る。代替的または追加的に、乾燥剤は、配合後(例えば、シーラントの部分が一緒に/混合された後)に、シーラントに水を含まないように保つことができる。シーラント中に存在する乾燥剤の量は、様々な要因(例えば、シーラント中に存在する(I)コポリマーの量および/または種類、任意の追加材料の種類および/または量、シーラントが曝露されることを意図した硬化条件など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラント中の全ての構成成分の合計重量に基づいて、0.1~5重量部の量の乾燥剤を含む。
いくつかの実施形態において、シーラントは、殺生物剤を含む。好適な殺生物剤の一般的な例としては、殺菌剤、除草剤、殺虫剤、抗菌剤など、およびそれらの組み合わせが含まれる。例えば、ある特定の実施形態において、殺生物剤は、殺菌剤を含むか、または殺菌剤である。殺菌剤の特定の例としては、N置換ベンズイミダゾールカルバメート、およびベンズイミダゾリルカルバメート、例えば、メチル2-ベンズイミダゾリルカルバメート、エチル2-ベンズイミダゾリルカルバメート、イソプロピル2-ベンズイミダゾリルカルバメート、メチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-6-メチルベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-5-メチルベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)-6-メチルベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)-5-メチルベンズイミダゾリル]}カルバメート、エチルN-{2-[1-(N、N-ジメチルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、エチルN-{2-[2-(N-メチルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、エチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-6-メチルベンズイミダゾリル]}カルバメート、エチルN-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)-6-メチルベンズイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN-{2-[1-(N、N-ジメチルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-プロピルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN-{2-[1-(N-プロピルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN-{2-[1-(N-ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN-{2-[1-(N-プロピルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN-{2-[1-(N-ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{1-(N,N-ジメチルカルバモイルオキシ)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[N-メチルカルバモイルオキシ)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN-{2-[1-(N-プロピルカルバモイル)ベンズイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN-{2-[1-(N-ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-6-クロロベンズイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-6-ニトロベンズイミダゾリル]}カルバメート;10,10’-オキシビスフェノキサルシン(商品名:Vinyzene、OBPA);ジヨードメチルパラトリルスルホン;ベンゾチオフェン-2-シクロヘキシルカルボキサミド-S,S-ジオキシド;N-(フルオルジクロライドメチルチオ)フタルイミド(商品名:Fluor-Folper、Preventol A3);メチルベンズイミドアゾール-2-イルカルバメート(商品名:Carbendazim、Preventol BCM);亜鉛-ビス(2-ピリジルチオ-1-オキシド);亜鉛ピリチオン;2-(4-チアゾリル)-ベンズイミダゾール;N-フェニルヨードプロパルギルカルバメート;N-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン;4,5-ジクロリド-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン;N-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン;トリアゾリル化合物、例えば、テブコナゾール;など、およびそれらの組み合わせが含まれる。特定の実施形態において、かかる殺菌剤は、鉱物(例えば、ゼオライト)、金属(例えば、銅、銀、白金など)、およびそれらの組み合わせなどの1つ以上の無機材料と組み合わせて利用される。
特定の実施形態において、殺生物剤は、除草剤を含むか、代替的に除草剤である。除草剤の具体例としては、アリドクロルN,N-ジアリル-2-クロロアセトアミドなどのアミド除草剤;CDEA 2-クロロ-N,N-ジエチルアセトアミド;エトニプロミド(RS)-2-[5-(2,4-ジクロロフェノキシ)-2-ニトロフェノキシ]-N-エチルプロピオンアミド;シスアニリドシス-2,5-ジメチルピロリジン-1-カルボキサニリドなどのアニリド除草剤;フルフェナセット4’-フルオロ-N-イソプロピル-2-[5-(トリフルオロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルオキシ]アセトアニリド;ナプロアニリド(RS)-α-2-ナフトキシプロピオンアニリド;ベンゾイルプロップN-ベンゾイル-N-(3,4-ジクロロフェニル)-DL-アラニンなどのアリールアラニン除草剤;flamprop-M N-ベンゾイル-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-D-アラニン;ブタクロルN-ブトキシメチル-2-クロロ-2′,6′-ジエチルアセトアニリドなどのクロロアセトアニリド除草剤;メタザクロル2-クロロ-N-(ピラゾール-1-イルメチル)アセト-2′,6′-キシリジド;プリナクロル(RS)-2-クロロ-N-(1-メチルプロプ-2-イニル)アセトアニリド;クロランスラム3-クロロ-2-(5-エトキシ-7-フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン-2-イルスルホンアミド)安息香酸などのスルホンアニリド除草剤;メトスラム2′,6′-ジクロロ-5,7-ジメトキシ-3’-メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-スルホンアニリド;ビラナホス4-[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]-L-ホモアラニル-L-アラニル-L-アラニンなどの抗生物質除草剤;クロラムベン3-アミノ-2,5-ジクロロ安息香酸などの安息香酸系除草剤;2,3,6-TBA 2,3,6-トリクロロ安息香酸;ビスピリバク2,6-ビス(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルオキシ)安息香酸などのピリミジニルオキシ安息香酸除草剤;ピリチオバック2-クロロ-6-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルチオ)安息香酸などのピリミジニルチオ安息香酸除草剤;クロルタールテトラクロロテレフタル酸などのフタル酸系除草剤;アミノピラリド4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボン酸などのピコリン酸除草剤;キンクロラック3,7-ジクロロキノリン-8-カルボン酸などのキノリンカルボン酸除草剤;CMAカルシウムビス(水素化メチルアルソネート)などのヒ素系除草剤;MAMAアンモニウム水素メチルアルソネート;亜ヒ酸ナトリウム;メソトリオン2-(4-メシル-2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサン-1,3-ジオンなどのベンゾイルシクロヘキサンジオン除草剤;ベンフレセート2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチルベンゾフラン-5-イルエタンスルホナートなどのベンゾフラニルアルキルスルホナート除草剤;カルボキサゾールメチル5-tert-ブチル-1,2-オキサゾール-3-イルカルバメートなどのカルバメート系除草剤;フェナスラムメチル4-[2-(4-クロロ-o-トリルオキシ)アセトアミド]フェニルスルホニルカルバメート;BCPC(RS)-sec-ブチル3-クロロカルバニレートなどのカルバニレート除草剤;デスメディファムエチル3-フェニルカルバモイルオキシフェニルカルバメート;スウェップメチル3,4-ジクロロカルバニル酸;ブトロキシジム(RS)-(EZ)-5-(3-ブチリル-2,4,6-トリメチルフェニル)-2-(1-エトキシイミノプロピル)-3-ヒドロキシシクロヘキサ-2-エン-1-オンなどのシクロヘキセンオキシム除草剤;テプラロキシジム(RS)-(EZ)-2-{1-[(2E)-3-クロロアリルオキシイミノ]プロピル}-3-ヒドロキシ-5-ペルヒドロピラン-4-イルシクロヘキサ-2-エン-1-オン;イソキサクロルトール4-クロロ-2-メシルフェニル5-シクロプロピル-1,2-オキサゾール-4-イルケトンなどのシクロプロピルイソオキサゾール除草剤;フルメジン2-メチル-4-(α,α,α-トリフルオロ-m-トリル)-1,2,4-オキサジアジナン-3,5-ジオンなどのジカルボキシイミド除草剤;エタンフルラリンN-エチル-α,α,α-トリフルオロ-N-(2-メチルアリル)-2,6-ジニトロ-p-トルイジンなどのジニトロアニリン除草剤;プロジアミン5-ジプロピルアミノ-α,α,α-トリフルオロ-4,6-ジニトロ-o-トルイジン;ジノプロップ4,6-ジニトロ-o-シメン-3-オールなどのジニトロフェノール除草剤;エチノフェンα-エトキシ-4,6-ジニトロ-o-クレゾール;エトキシフェンO-[2-クロロ-5-(2-クロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリルオキシ)ベンゾイル]-L-乳酸などのジフェニルエーテル除草剤;アクロニフェン2-クロロ-6-ニトロ-3-フェノキシアニリンなどのニトロフェニルエーテル除草剤;ニトロフェン2,4-ジクロロフェニル4-ニトロフェニルエーテル;ダゾメット3,5-ジメチル-1,3,5-チアジアジナン-2-チオンなどのジチオカルバメート系除草剤;ダラポン2,2-ジクロロプロピオン酸などのハロゲン化脂肪族除草剤;クロロ酢酸;イマザピル(RS)-2-(4-イソプロピル-4-メチル-5-オキソ-2-イミダゾリン-2-イル)ニコチン酸などのイミダゾリノン除草剤;四ホウ酸二ナトリウム十水和物などの無機除草剤;アジ化ナトリウム;クロロキシニル3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシベンゾニトリルなどのニトリル除草剤;イオキシニル4-ヒドロキシ-3,5-ジヨードベンゾニトリル;アニロフォスS-4-クロロ-N-イソプロピルカルバニロイルメチルO,O-ジメチルホスホロジチオエートなどの有機リン系除草剤;グルホシネート4-[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]-DL-ホモアラニン;クロメプロップ(RS)-2-(2,4-ジクロロ-m-トリルオキシ)プロピオンアニリドなどのフェノキシ除草剤;フェンテラコール2-(2,4,5-トリクロロフェノキシ)エタノール;MCPA(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)酢酸などのフェノキシ酢酸系除草剤;MCPB 4-(4-クロロ-o-トリルオキシ)酪酸などのフェノキシ酪酸系除草剤;フェノプロプ(RS)-2-(2,4,5-トリクロロフェノキシ)プロピオン酸などのフェノキシプロピオン系除草剤;イソオキサピリフォップ(RS)-2-[2-[4-(3,5-ジクロロ-2-ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオニル]イソオキサゾリジンなどのアリールオキシフェノキシプロピオン系除草剤;ジニトラミンN1,N1-ジエチル-2,6-ジニトロ-4-トリフルオロメチル-m-フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン除草剤、ピラゾキシフェン2-[4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1,3-ジメチルピラゾール-5-イルオキシ]アセトフェノンなどのピラゾリルオキシアセトフェノン除草剤;ピラフルフェン2-クロロ-5-(4-クロロ-5-ジフルオロメトキシ-1-メチルピラゾール-3-イル)-4-フルオロフェノキシ酢酸などのピラゾリルフェニル除草剤;ピリダフォール6-クロロ-3-フェニルピリダジン-4-オールなどのピリダジン除草剤;クロリダゾン5-アミノ-4-クロロ-2-フェニルピリダジン-3(2H)-オンなどのピリダジノン除草剤;オキサピラゾン5-ブロモ-1,6-ジヒドロ-6-オキソ-1-フェニルピリダジン-4-イルオキサミン酸;フルオロキシピル4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジルオキシ酢酸などのピリジン除草剤;チアゾピルメチル2-ジフルオロメチル-5-(4,5-ジヒドロ-1,3-チアゾール-2-イル)-4-イソブチル-6-トリフルオロメチルニコチネート;イプリミダム6-クロロ-N4-イソプロピルピリミジン-2,4-ジアミンなどのピリミジンジアミン除草剤;ジエタムクアット1,1’-ビス(ジエチルカルバモイルメチル)-4,4’-ビピリジニウムなどの四級アンモニウム除草剤;パラコート1,1’-ジメチル-4,4’-ビピリジニウム;シクロエートS-エチルシクロヘキシル(エチル)チオカルバメートなどのチオカルバメート除草剤;チオカルバジルS-ベンジルジ-sec-ブチルチオカルバメート;EXD O,O-ジエチルジチオビス(チオホルメート)などのチオカーボネート除草剤;メチウロン1,1-ジメチル-3-m-トリル-2-チオ尿素などのチオ尿素除草剤;トリアジン系(RS)-N-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)-1-メチルエチル]-6-(1-フルオロ-1-メチルエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4などのトリアジン除草剤-ジアミン;シプラジン6-クロロ-N2-シクロプロピル-N4-イソプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンなどのクロロトリアジン除草剤;プロパジン6-クロロ-A2,N4-ジ-イソプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン;プロメトンN2,N4-ジ-イソプロピル-6-メトキシ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンなどのメトキシトリアジン除草剤;シアナトリン2-(4-エチルアミノ-6-メチルチオ-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)-2-メチルプロピオニトリルなどのメチルチオトリアジン除草剤;ヘキサジノン3-シクロヘキシル-6-ジメチルアミノ-1-メチル-1,3,5-トリアジン-2,4(1H,3H)-ジオンなどのトリアジノン除草剤;エプロナズN-エチル-N-プロピル-3-プロピルスルホニル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-カルボキサミドなどのトリアゾール除草剤;カルフェントラゾン(RS)-2-クロロ-3-{2-クロロ-5-[4-(ジフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-3-メチル-5-オキソ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-4-フルオロフェニル}プロピオン酸などのトリアゾロン除草剤;フロラスラム2′,6′,8-トリフルオロ-5-メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン-2-スルホンアニリドなどのトリアゾロピリミジン除草剤;フルプロパシルイソプロピル2-クロロ-5-(1,2,3,6-テトラヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチルピリミジン-1-イル)ベンゾエートなどのウラシル除草剤;サイクロン3-シクロオクチル-1,1-ジメチル尿素などの尿素除草剤;モニソウロン1-(5-tert-ブチル-1,2-オキサゾール-3-イル)-3-メチル尿素;クロロクスロン3-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素などのフェニル尿素除草剤;シズロン1-(2-メチルシクロヘキシル)-3-フェニル尿素;フラザスルフロン1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)尿素などのピリミジニルスルホニル尿素除草剤;ピラゾスルフロン5-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)スルファモイル]-1-メチルピラゾール-4-カルボン酸;チフェンスルフロン3-(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イルカルバモイルスルファモイル)チオフェン-2-カルボン酸などのトリアジニルスルホニル尿素除草剤;テブチウロン1-(5-tert-ブチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,3-ジメチル尿素などのチアジアゾリル尿素除草剤;および/またはクロルフェナク(2,3,6-トリクロロフェニル)酢酸などの未分類の除草剤;メタゾール2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-メチル-1,2,4-オキサジアゾリジン-3,5-ジオン;トリタック(RS)-1-(2,3,6-トリクロロベンジルオキシ)プロパン-2-オール;2,4-D,クロリムロン、およびフェノキサプロップ;ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態において、殺生物剤は、殺虫剤を含むか、代替的に殺虫剤である。殺虫剤の一般的な例としては、N,N-ジエチル-メタ-トルアミドなどの防虫剤、およびピレトリンなどのピレスロイドが含まれる。殺虫剤の具体例としては、アトラジン、ダイアジノン、クロルピリホスが含まれる。これらまたは他の実施形態において、殺生物剤は、抗菌剤を含むか、または抗菌剤である。抗菌剤の種類および性質は、多用であり得、当業者により容易に決定され得る。特定の実施形態において、殺生物剤は、ホウ酸無水物、ホウ砂、もしくは八ホウ酸二ナトリウム四水和物などのホウ素含有材料を含むか、またはホウ素含有材料である。様々な実施形態において、シーラントは、本明細書に例示される殺菌剤、除草剤、殺虫剤、抗菌剤、および他の殺生物成分から各々独立して選択される2つ以上の殺生物剤を含む。
シーラント中に存在する殺生物剤の量は、様々な要因(例えば、利用される殺生物剤の種類、(I)コポリマーの量および/または種類、シーラントの使用目的、シーラントが曝露されることを意図した硬化条件など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラントの総重量に基づいて、0.01~10、代替的に0.1~5重量%の量の殺生物剤または殺生物剤の組み合わせを含む。
特定の実施形態において、シーラントは、難燃剤を含む。好適な難燃剤の例としては、有機/炭素質難燃剤(例えば、カーボンブラックなど)、無機/鉱物系難燃剤(例えば、水和水酸化アルミニウム、珪灰石などのシリケート、白金の金属錯体および/または白金など)など、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適な難燃剤の追加の例としては、ハロゲン系難燃剤、例えば、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモビフェニルオキシド、ジフェノキシベンゼン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ペンタブロモエチルベンゼン、ペンタブロモベンジルアクリレート、トリブロモフェニルマレイン酸イミド、テトラブロモビスフェニルA、ビス-(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス-(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ポリジボブロモフェニレンオキシド、トリブロモフェニルアリルエーテルジブロモプロピルエーテル、テトラブロモフタル酸無水物、ジブロモネオペンチルグリコール、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ペンタブロモジフェニルオキシド、トリブロモスチレン、ペンタブロモクロロシクロヘキサン、テトラブロモキシレン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリスチレン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、トリフルオロプロペン、およびPVC;リン系難燃剤、例えば、(2,3-ジブロモプロピル)-ホスフェート、リン、環状ホスフェート、トリアリールホスフェート、ビス-メラミニウムペンタート、ペンタエリスリトール二環式ホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、ホスフィンオキシドジオール、トリフェニルホスフェート、トリス-(2-クロロエチル)ホスフェート、ホスフェートエステル、例えば、トリクレイル、トリキシレニル、イソデシルジフェニル、エチルヘキシルジフェニル、トリオクチル、トリブチル、およびトリスブトキシエチルホスフェートエステル、ならびに様々なアミンのホスフェート(例えば、アンモニウムホスフェート);テトラアルキル鉛化合物、例えば、テトラエチル鉛;ペンタカルボニル鉄;マンガンメチルシクロペンタジエニルトリカルボニル;メラミンおよびその誘導体、例えば、メラミン塩;グアニジン;ジシアンジアミド;スルファミン酸アンモニウム;アルミナ三水和物;水酸化マグネシウムアルミナ三水和物;など、ならびにそれらの誘導体、改変物、および組み合わせが含まれる。シーラント中に存在する難燃剤の量は、様々な要因(例えば、(I)コポリマーの量および/または種類、シーラントの使用目的、シーラントが曝露されることを意図した硬化条件、ビヒクル/溶媒のあり/なしなど)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラントの総重量に基づいて、0.01~15、代替的に0.1~10重量%の量の難燃剤を含む。
ある特定の実施形態において、シーラントは、接合剤を含む。典型的に、接合剤は、非反応性であり、エラストマー性である、有機ポリマーであり、すなわち、(I)コポリマーと反応しないエラストマー有機ポリマーである。加えて、接合剤は、典型的には、(I)コポリマーと相溶性であり、すなわち、接合剤は、(I)コポリマーとともにシーラントに配合された際に二相系を形成しない。一般に、好適な接合剤は、気体および水分の低い透過性を有し、通常、30,000~75,000の数平均分子量(Mn)を含む。しかしながら、接合剤は、様々な非反応性であり、エラストマー性である、有機ポリマー(例えば、高分子量を有するポリマーと低分子量を有するそれらのポリマー)のブレンドを含んでもよい。かかる例において、高分子量ポリマー(複数可)は、通常、100,000~600,000のMnを含み、低分子量ポリマー(複数可)は、通常900~10,000、代替的に900~3,000のMnを含む。Mn範囲の下限値は、典型的には、当業者に理解されるように、接合剤が、(I)コポリマーおよびシーラントの他の配合成分と適合するように選択される。接合剤は、例えば、構造、粘度、平均分子量(MnまたはMw)、ポリマー単位、配列など、またはそれらの組み合わせに基づいて、非反応性であり、エラストマー性である、1つの有機ポリマーを含むか、またはそれであり得、代替的に、非反応性であり、エラストマー性である、互いに異なる2つ以上の有機ポリマーを含み得る。
好適な接合剤の例としては、ポリイソブチレンが含まれ、これは当技術分野で知られており、市販されている。ポリイソブチレンの具体例としては、ドイツのBASF CorporationよりOPPANOL(登録商標)の商標で販売しているもの、および日本のNOF Corp.よりPARLEAM(登録商標)の商標で販売している各種品等の水素化ポリイソブテンが含まれる。好適なポリイソブチレンの追加の例としては、米国、Tex、BaytownのExxonMobil Chemical Co.からVISTANEX(登録商標)の商標で市販されている。これらには、VISTANEX(登録商標)MML-80、MML-100、MML-120、およびMML-140が含まれ、これらは鎖末端オレフィン結合のみを含む長い直鎖状の高分子で構成されるパラフィン系炭化水素ポリマーである。VISTANEX(登録商標)MMポリイソブチレンは、70,000~90,000の粘度平均分子量を有し、VISTANEX(登録商標)LMポリイソブチレン(例えば、LM-MS)は、8,700~10の粘度平均分子量を有する低分子量ポリイソブチレンである。ポリイソブチレンの追加の例としては、VISTANEX LM-MH(10,000~11,700の粘度平均分子量);米国、Illinois、ChicagoのAmoco Corp.からのSoltex PB-24(Mn 950)、Indopol(登録商標)H-100(Mn 910)、Indopol(登録商標)H-1200(Mn 2100);英国、LondonのBP ChemicalsからのNAPVIS(登録商標)およびHYVIS(登録商標)(例えば、NAPVIS(登録商標)200、D10、およびDE3;ならびにHYVIS(登録商標)200);が含まれる。NAPVIS(登録商標)ポリイソブチレンは、通常、900~1300のMnを有する。ポリイソブチレンの追加または代替として、接合剤は、ブチルゴム、スチレンエチレン/ブチレンスチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、ポリオレフィンプラストマー、またはそれらの組み合わせを含むか、またはそれらであり得る。SEBSおよびSEPSブロックコポリマーは、当技術分野で知られており、米国、Tex、HoustonのKraton Polymers U.S.LLCからKraton(登録商標)Gポリマーとして、および、米国、N.Y、New YorkのKuraray AmericaからのSepton ポリマーとして市販されている。ポリオレフィンプラストマーも当技術分野で知られており、米国、Mich、MidlandのDow Chemical Company、Elastomers&Specialty Products DivisionからAFFINITY(登録商標)GA 1900およびAFFINITY(登録商標)GA 1950組成物として市販されている。
シーラント中に存在する接合剤の量は、様々な要因(例えば、(I)コポリマーの量および/または種類、シーラントの使用目的、シーラントが曝露されることを意図した硬化条件、ビヒクル/溶媒のあり/なしなど)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラント中の全ての構成成分の合計重量に基づいて、1~50、代替的に5~40、代替的に5~35重量部の量の接合剤を含む。
いくつかの実施形態において、シーラントは、老化防止添加剤を含む。老化防止添加剤の例としては、酸化防止剤、UV吸収剤、UVおよび/または光安定剤、熱安定剤、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。老化防止添加剤は、1つの老化防止添加剤であるか、またはそれを含み得、代替的に、2つ以上の異なる老化防止添加剤を含み得る。さらに、ある特定の老化防止添加剤は、複数の機能を果たし得る(例えば、UV吸収剤およびUV安定剤の両方として、酸化防止剤およびUV吸収剤の両方としてなど)。多くの好適な老化防止添加剤は、当技術分野で知られており、市販されている。例えば、好適な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤(例えば、完全な立体障害フェノール、および部分的な障害フェノール)、およびフェノール系酸化防止剤と安定剤(例えば、「ヒンダードアミン光安定剤」としても知られるテトラメチルピペリジン誘導体などの立体障害アミン(HALS))との組み合わせが含まれる。好適なフェノール系酸化防止剤としては、ビタミンE、およびBASFからのIRGANOX(登録商標)1010が含まれる。IRGANOX(登録商標)1010は、ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含む。UV吸収剤の例としては、分岐状および直鎖状のフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-(TINUVIN(登録商標)571)が含まれる。UV安定剤の例としては、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート;メチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル/セバケート;およびその組み合わせ(TINUVIN(登録商標)272)が含まれる。これらおよびTINUVIN(登録商標)765などの他のTINUVIN(登録商標)添加剤は、BASFから市販されている。他のUVおよび光安定剤は、市販されており、ChemturaからのLowLite、PolyOneからのOnCap、およびE.I.du Pont de Nemours and Company(Delaware,U.S.A)からのLight Stabilizer 210が例示される。例えば、シーラントまたはその硬化物からの老化防止添加剤の移行の可能性を最小限に抑えるために、オリゴマー(高分子量)安定剤がさらに、老化防止添加剤内に、または老化防止添加剤として利用できる。かかるオリゴマー抗酸化安定剤の例としては、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールと共重合したブタン二酸のジメチルエステルであるTINUVIN(登録商標)622が含まれる。熱安定剤の例としては、酸化鉄、カーボンブラック、カルボン酸鉄塩、セリウム水和物、ジルコン酸バリウム、オクタン酸セリウムおよびジルコニウム、ポルフィリンなど、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
シーラント中に存在する老化防止添加剤の量は、様々な要因(例えば、(I)コポリマーの量および/または種類、シーラントの使用目的、シーラントが曝露されることを意図した硬化条件など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラントの総重量に基づいて、0~5、代替的に0.1~4、代替的に0.5~3重量%の量の老化防止添加剤を含む。
ある特定の実施形態において、シーラントは、水放出剤、すなわち、経時的に(例えば、温度および/または圧力などの適用条件に応じて)水を放出する構成成分を含む。典型的には、水放出剤は、シーラントを部分的に、代替的に完全に反応させるのに十分な量の水を含み、したがって、十分な時間にわたって適用された条件(例えば、シーラントの使用温度)に曝露された場合に、水の量を放出するように選択される。しかしながら、一般に、水放出剤は、水と十分に結合するように選択され、それにより、シーラントの製造および/または保管中に放出される水が多すぎることを防ぐ。例えば、水放出剤は、通常、シーラントの調合中/配合中に水と十分に結合し、シーラントが使用される適用プロセス中またはその後に、(I)コポリマーの縮合反応に十分な水が利用できるようにする。この「制御された放出」の特性は、適用プロセス中に放出される水が多すぎること、および/または水があまりにも急速に放出されることを防ぐ利点を提供することができ、これは、シーラントの(I)コポリマーの縮合反応により形成される反応生成物において発泡または排出を引き起こし得るためである。選択される特定の水放出剤は、様々な要因(例えば、シーラントの他の構成成分、(I)コポリマーの量/種類、(II)縮合反応触媒の種類、シーラントが配合されるであろうプロセス条件など)に依存し得、当業者によって容易に決定されるであろう。好適な水放出剤の例としては、金属塩水和物、水和モレキュラーシーブ、および沈降炭酸塩によって例示される。特定の例としては、SolvayからWINNOFIL(登録商標)SPMの商標で入手可能な沈降炭酸カルシウムが含まれる。ある特定の実施形態において、水放出剤は、沈降炭酸カルシウムを含むように、代替的に沈降炭酸カルシウムであるように選択される。水分放出剤は、調合中に全ての水分が放出されないことを確実に選択できるのと同時に、十分な期間、適用温度範囲に曝露されると、(I)コポリマーの縮合反応に十分な量の水が放出される。シーラント中に存在する水放出剤の量は、様々な要因(例えば、(I)コポリマーの透水性、ビヒクル/溶媒のあり/なし、乾燥剤のあり/なし、シーラントを配合/調製する方法など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラント中の全ての構成成分の合計重量に基づいて、1~50、代替的に5~40、代替的に5~30重量部の量の水放出剤を含む。
いくつかの実施形態において、シーラントは顔料(すなわち、シーラントおよび/またはその反応生成物に色を供給する構成成分)を含む。かかる顔料は、任意の無機化合物、例えば、酸化クロム、酸化チタン、コバルト顔料などの金属のそれら、ならびにかかる金属に基づかないそれら、例えば、非金属無機化合物を含むことができる。好適な顔料の例としては、インディゴ、二酸化チタン、カーボンブラック、およびそれらの組み合わせ、ならびにPolyOneから入手可能なStan-Tone 505P01 Greenなどの他の市販の顔料が含まれる。ある特定の実施形態において、顔料は、カーボンブラックを含む。カーボンブラックの具体例としては、Shawinigan Acetylene blackが含まれ、これはChevron Phillips Chemical Company LPから市販されており;SUPERJET(登録商標)Carbon Black(例えば、LB-1011)が、米国、Ill、Fairview HeightsのElementis Pigments Inc.より供給されており;SR 511が、米国、Ohio、AkronのSid Richardson Carbon Coから供給されており;およびN330、N550、N762、N990(米国、N.J、ParsippanyのDegussa Engineered Carbonsから)である。シーラント中に存在する顔料の量は、様々な要因(例えば、(I)コポリマーの量および/または種類、シーラントの使用目的、ビヒクル/溶媒のあり/なしなど)に依存し、当業者により容易に決定される。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラントの総重量に基づいて、0超~20、代替的に0.001~10、代替的に0.001~5重量%の量の顔料を含む。
ある特定の実施形態において、シーラントは、レオロジー調整剤および/または粘度調整剤などのレオロジー添加剤を含む。好適なレオロジー添加剤の例としては、ワックス;ポリアミド;ポリアミドワックス;硬化ヒマシオイル誘導体;ステアリン酸カルシウム、アルミニウム、および/またはバリウムなどの金属石鹸;など、ならびにそれらの誘導体、改変物、および組み合わせが含まれる。特定の実施形態において、レオロジー調整剤は、当業者によく理解されているように、充填剤の取り込み、シーラントの調合、脱気、および/または混合(例えば、その調製中)を促進するように選択される。レオロジー添加剤の具体例としては、市販されている当技術分野で知られているものが含まれる。かかるレオロジー添加剤の例としては、Evonikから市販されているPolyvest;King Industriesから市販されているDisparlon;Du Pontから市販されているKevlar Fibre Pulp;Nanocorから市販されているRheospan;Lubrizolから市販されているIrcogel;Palmer Hollandから市販されているCrayvallac(登録商標)SLXなど、およびそれらの組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態において、レオロジー調整剤は、ワックス(例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、またはそれらの組み合わせ)を含むか、代替的に、ワックスである。ワックスは、典型的には、分岐構造、環状構造、またはそれらの組み合わせを含み得る、非極性炭化水素を含む。好適なワックスの例としては、SP 96(62~69℃の融点)、SP 18(73~80℃の融点)、SP 19(76~83℃の融点)、SP 26(76~83℃の範囲の融点)、SP 60(79~85℃の融点)、SP 617(88~93℃の融点)、SP 89(90~95℃の融点)、およびSP 624(90~95℃の融点)の名称で米国、N.Y、West BabylonのStrahl&Pitsch,Inc.から入手可能な石油微結晶ワックスが含まれる。好適なワックスのさらなる例としては、米国、Pa、PetroliaのCrompton Corporationより商標Multiwax(登録商標)で販売されているものが含まれる。かかるワックスとしては、飽和分岐状および環状非極性炭化水素を含み、79~87℃の融点有するMultiwax(登録商標)180-W;飽和分岐状および環状非極性炭化水素を含み、76~83℃の融点を有するMultiwax(登録商標)W-445;飽和分岐状および環状非極性炭化水素を含み、73~80℃の融点を有するMultiwax(登録商標)W-835;が含まれる。ある特定の実施形態において、ワックスは、室温(25℃)で固体である微結晶ワックスを含むか、代替的に、室温(25℃)で固体である微結晶ワックスである。いくつかの実施形態において、ワックスは、所望される適用温度範囲(すなわち、シーラントが使用/適用されることが意図される温度範囲)内の融点を有するように選択される。ワックスは、溶融すると加工助剤として機能し、調合中の組成物における充填剤の取り込み、調合プロセス自体、および使用される場合は脱気ステップ中において実質的に緩和をすると考えられる。例えば、ある特定の実施形態において、ワックスは、100℃を下回る溶融温度を有し、単純な静的ミキサーであっても、適用前に部分的な(例えば、シーラントが複数の部分の組成物である場合)混合を促進し得る。かかる例において、ワックスはまた、80~110℃、代替的に90~100℃の温度で、良好なレオロジーでシーラントの適用を促進し得る。
シーラント中に存在するレオロジー添加剤の量は、様々な要因(例えば、(I)コポリマーの量および/または種類、シーラントの使用目的、シーラントが曝露されることを意図した硬化条件、ビヒクル/溶媒のあり/なしなど)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラント中の全ての構成成分の合計重量に基づいて、0超~20、代替的に1~15、代替的に1~5重量部の量のレオロジー添加剤を含む。
ある特定の実施形態において、シーラントは、ビヒクル(例えば、溶媒および/または希釈剤などの担体ビヒクル)を含む。シーラントの様々な構成成分の選択に応じて、担体ビヒクルは、例えば、油(例えば、有機油および/またはシリコーン油)、溶媒、水などであり得る。当業者によって理解されるように、利用される特定のビヒクルは、存在する場合、シーラントまたはその一部(例えば、シーラントが複数の部分の組成物であるとき、シーラントの1つ以上の部分)の流動を促進する(例えば、増加させる)ように、ならびに、ある特定の構成成分(例えば、(I)コポリマー、鎖延長剤、末端遮断剤など)の導入を促進する(例えば、増加させる)ように選択される。したがって、好適なビヒクルは様々であり、一般に、シーラントの1つ以上の構成成分の流動化を助けるが、本質的にかかる成分のうちのいずれとも反応しないものを含む。したがって、ビヒクルは、シーラントの1つ以上の構成成分の溶解度、揮発性、またはその両方に基づいて選択され得る。この意味における、溶解度とは、シーラントの1つ以上の構成成分を溶解および/または分散させるのに十分なビヒクルを指し、揮発性とは、ビヒクルの蒸気圧を指す。ビヒクルの揮発性が高すぎる場合(つまり、使用目的に対して高すぎる蒸気圧を有する場合)、適用温度でシーラント内に気泡が形成され得、ひび割れにつながり得、および/または他の方法でシーラントから形成される硬化物の特性を弱めるか、または有害な影響を与え得る。しかしながら、ビヒクルが十分に揮発性でない場合(すなわち、使用目的に対して低すぎる蒸気圧を有する場合)、ビヒクルは、シーラントの硬化物中に残存し得、および/またはそれの可塑剤として機能し得る。好適なビヒクルの例としては、一般に、シリコーン流体、有機流体、およびそれらの組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態において、シーラントのビヒクルは、シリコーン流体を含むか、代替的にシリコーン流体である。シリコーン流体は、通常、低粘度および/または揮発性シロキサンである。いくつかの実施形態において、シリコーン流体は、低粘度オルガノポリシロキサン、揮発性メチルシロキサン、揮発性エチルシロキサン、揮発性メチルエチルシロキサンなど、またはそれらの組み合わせである。通常、シリコーン流体は、25℃で1~1,000mm2/秒の範囲の粘度を有する。一部の実施形態において、シリコーン流体は、一般式(R28R29SiO)Iを有するシリコーンを含み、各R28およびR29は、H、および置換または非置換ヒドロカルビル基から独立して選択され、下付き文字Iは、3~8である。好適なシリコーン流体の具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル-3-{(トリメチルシリル)オキシ)}トリシロキサン、ヘキサメチル-3,3、ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサンペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン、ならびにポリジメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、カプリリルメチコン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキシルトリメチコンなど、ならびにそれらの誘導体、改変物、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適なシリコーン流体の追加の例としては、5x10-7~1.5x10-6m2/秒などの好適な蒸気圧のポリオルガノシロキサンが含まれ、DOWSIL;(登録商標)200 FluidsおよびDOWSIL(登録商標)OS FLUIDSが含まれ、米国、Mich、MidlandのDow Silicones Corporationから市販されている。
ある特定の実施形態において、シーラントのビヒクルは、有機流体を含むか、代替的に有機流体であり、典型的には、揮発性および/または半揮発性炭化水素、エステル、および/またはエーテルを含む有機オイルを含む。かかる有機流体の一般的な例としては、C6-C16アルカン、C8-C16イソアルカン(例えば、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカンなど)、C8-C16分岐状エステル(例えば、ネオペンタン酸イソヘキシル、ネオペンタン酸イソデシルなど)などの揮発性炭化水素油、ならびにそれらの誘導体、改変物、および組み合わせが含まれる。好適な有機流体の追加の例としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、4個以上の炭素原子を有するアルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化アルキル、芳香族ハロゲン化物、およびそれらの組み合わせが含まれる。炭化水素としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、Isopar L(C11-C13)、Isopar H(C11-C12)、水素化ポリデセンが含まれる。エーテルおよびエステルとしては、ネオペンタン酸イソデシル、ヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジステアリン酸グリコール、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルカーボネート、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチル-3エトキシプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、トリペンタシルネオペンタノエート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、ネオペンタン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジカプリル酸/ジカプリル酸プロピレングリコール、オクチルエーテル、パルミチン酸オクチル、およびそれらの組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態において、ビヒクルは、有機溶媒を含むか、代替的に有機溶媒である。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、およびn-プロパノールなどのアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、およびメチルイソブチルケトンなどのケトン;ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどの芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン、およびオクタンなどの脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、およびエチレングリコールn-ブチルエーテルなどのグリコールエーテル;ジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン、および塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル;テトラヒドロフラン;ホワイトスピリット;ミネラルスピリット;ナフサ;n-メチルピロリドン;など、ならびにそれらの誘導体、改変物、およびそれらの組み合わせを含むものが含まれる。
他のビヒクルが、シーラントにおいてさらに利用できる。例えば、いくつかの実施形態において、ビヒクルは、イオン性液体を含むか、代替的にイオン性液体である。イオン性液体の例としては、アニオン-カチオンの組み合わせが含まれる。一般的に、アニオンは、アルキルスルフェート系アニオン、トシレートアニオン、スルホネート系アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、テトラフルオロホウ酸アニオンなどから選択され、カチオンは、イミダゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン、リチウムカチオンなどから選択される。しかしながら、複数のカチオンおよびアニオンの組み合わせも利用でき得る。イオン性液体の具体例としては、通常、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス-(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、3-メチル-1-プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ビニルイミダゾリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アリル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなど、ならびにそれらの誘導体、改変物、および組み合わせが含まれる。
シーラント中に存在するビヒクルの量は、様々な要因(例えば、(I)コポリマーの量および/または種類、シーラントが配合される様式、シーラントが曝露されることを意図した硬化条件など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラントの総重量に基づいて、1~99、代替的に1~75、代替的に2~60、代替的に2~50重量%の量のビヒクルを含む。
特定の実施形態において、シーラントは、粘着付与剤を含む。好適な粘着付与剤の一般的な例としては、典型的には、脂肪族炭化水素樹脂(例えば、6~20個の炭素原子を有する水素化ポリオレフィン)、水素化テルペン樹脂、ロジンエステル、水素化ロジングリセロールエステル、またはそれらの組み合わせを含むものが含まれる。好適な粘着付与剤の具体例としては、ガムロジン、ウッドロジン、トールオイルロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量化ロジン、および重合ロジンなどの天然または変性ロジン;淡色木材ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、およびロジンのフェノール変性ペンタエリスリトールエステルなどの天然または変性ロジンのグリセロールおよびペンタエリスリトールエステル;スチレン/テルペンおよび/またはアルファメチルスチレン/テルペンポリマーなどの天然テルペンのコポリマーおよび/またはターポリマー;Friedel-Crafts触媒の存在下でテルペン炭化水素(例えば、ピネン)の重合により生成されたもの、およびその水素化生成物(例えば、水素化ポリテルペン)などのASTM方式E28により測定した60~150℃の軟化点を有するポリテルペン樹脂;二環式テルペンとフェノールの酸媒介縮合により生成されるものなどのフェノール変性テルペン樹脂およびその水素化誘導体;主にオレフィンおよびジオレフィンからなるモノマーの重合を介して生成されたもの、60~135℃の環球式軟化点を有するもの、およびさらに水素化脂肪族石油炭化水素樹脂などの脂肪族石油炭化水素樹脂;脂環式石油炭化水素樹脂およびその水素化誘導体;脂肪族/芳香族または脂環式/芳香族コポリマーおよびそれらの水素化誘導体;およびそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、シーラントは、固体粘着付与剤(すなわち、25℃を上回る環球式軟化点を有する粘着付与剤)を含む。好適な粘着付与剤の他の例としては、Exxon ChemicalからのESCOREZ 1102、1304、1310、1315、および5600、ならびにEastmanからのEastotac H-100、H-115E、およびH-130Lによって例示される脂肪族炭化水素樹脂;Arakawa ChemicalsからのArkon P 100およびGoodyearからのWingtack 95によって例示される水素化テルペン樹脂;HerculesからのStaybelite Ester 10およびForalによって例示される水素化ロジングリセロールエステル;HerculesからのPiccolyte A125によって例示されるポリテルペン;Exxon ChemicalからのECR 149BおよびECR 179Aによって例示される脂肪族/芳香族および/または脂環式/芳香族樹脂;およびそれらの組み合わせなどの市販の様々なものが含まれる。シーラント中に存在する粘着付与剤の量は、様々な要因(例えば、(I)コポリマーの量および/または種類、シーラントの他の構成成分の種類および/または量、シーラントの使用目的など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラント中の全ての構成成分の合計重量に基づいて、1~20重量部の量の粘着付与剤を含む。
ある特定の実施形態において、シーラントは、腐食阻害剤を含む。好適な腐食阻害剤の例としては、ベンゾトリアゾール、メルカプタベンゾトリアゾールなど、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適な腐食防止剤の具体例は、当技術分野で知られており、CUVAN(登録商標)826(例えば、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール誘導体)、およびCUVAN(登録商標)484(アルキルチアジアゾール)などが市販されており、米国、Conn、NorwalkのR.T.Vanderbiltから入手できる。
シーラント中に存在する腐食防止剤の量は、様々な要因(例えば、(I)コポリマーの量および/または種類、シーラントの使用目的、シーラントが曝露されることを意図した硬化条件など)に依存し、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、シーラントは、シーラントの総重量に基づいて、0.05~0.5重量%の量の腐食阻害剤を含む。
上記の様々な段落で導入されたように、シーラントの様々な構成成分は、複数の目的に利用でき得、したがって、ある特定の添加剤は、本明細書に記載される成分に関して重複する場合がある。例えば、ある特定のアルコキシシランは、充填処理剤、接着促進剤、および架橋剤として有用であり得る。加えて、シーラントは、触媒阻害剤、硬化促進剤、変色添加剤などの、上述されていない追加の添加剤をさらに含んでもよい。かかる追加の添加剤は、独立して選択され、当業者に容易に決定されるように、各々がその使用目的に基づいて選択された量でシーラントに利用される。典型的には、存在する場合、シーラントは、シーラントの総重量に基づいて、0.001~10、代替的に0.01~5、代替的に0.1~1重量%の量でかかる追加の添加剤の各々を含む。
上述されるように、シーラントは、一部分型組成物として、または複数部分型組成物(例えば、2、3、4、またはそれ以上の部分を含む)として調整され得る。例えば、いくつかの実施形態において、シーラントは、一部分型組成物として調製され、混合するなどの任意の都合の良い手段で全ての構成成分を一緒に組み合わせることによって調製され得る。かかる一部分型組成物は、(I)コポリマーを様々な添加剤(例えば、充填剤)と任意に組み合わせて(例えば、予備混合して)、中間混合物を形成することにより作製でき、続いて、中間混合物を、(II)縮合反応触媒および他の様々な添加剤を含むプレミックスと組み合わせて(例えば、混合を介して)、シーラント混合物またはシーラントを形成する。他の添加剤(例えば、老化防止添加剤、顔料など)は、中間混合物、プレミックス、またはシーラント混合物との組み合わせなどを介して、任意の所望される段階でシーラントに添加され得る。したがって、最終混合ステップを実行して(例えば、実質的に無水の条件下で)シーラントを形成することができ、これは通常、使用準備が整うまで、例えば、密封された容器内に実質的に無水の条件下で保存される。
いくつかの実施形態において、シーラントは、複数部分型組成物として調製される(例えば、架橋剤が利用される場合)。かかる実施形態において、(II)縮合反応触媒と架橋剤は通常、別々の部分に保管され、シーラントの使用の直前に組合される。例えば、シーラントは、(I)コポリマーおよび架橋剤を組み合わせて、任意の都合の良い手段(例えば、混合する)により第1(すなわち、硬化剤)の部分を形成することにより調製される2部分硬化性組成物を含み得る。第2の(すなわち、基部)部分は、(II)縮合反応触媒および(I)コポリマーを任意の都合の良い手段(例えば、混合する)により組み合わせることにより調製され得る。構成成分は、様々な要因に応じて、例えば、一部分型か、または複数部分型組成物が選択されるかに応じて、周囲温度または高温で、周囲条件または無水条件下で組み合わせることができる。次いで、基部および硬化剤部分は、使用の直前に、混合するなどの任意の都合の良い手段によって組み合わせることができる。基部および硬化剤部分は、1:1の比率で、または基部:硬化剤の相対量が1:1~10:1の範囲で組み合わされてもよい。
シーラントの構成成分を混合するために使用される装置は特に制限されず、通常、シーラントまたはその一部(まとめて「シーラント組成物」)で使用するために選択される各構成成分の種類および量に応じて選択される。例えば、撹拌バッチケトルは、反応してゴムまたはゲルを形成する組成物などの比較的低粘度のシーラント組成物に使用することができる。代替的に、連続的調合装置(例えば、二軸スクリュー押出機などの押出機)は、より粘性の高いシーラント組成物、および比較的多量の粒子を含むシーラント組成物に使用され得る。本明細書に記載されるシーラント組成物を調製するために使用できる例示的な方法としては、例えば、米国特許公開第2009/0291238号および同第2008/0300358号に開示される方法が含まれ、その一部が参照により本明細書に組み込まれる。
上述されるように製造されたシーラント組成物は、シーラント組成物の水分への曝露を低減または防止する容器に保管された場合に安定であり得る。しかしながら、シーラント組成物は、大気中の水分に曝露されると凝縮反応を介して反応し得る。加えて、水放出剤が利用される際に、シーラント組成物は、大気中の水分に曝露されることなく、凝縮反応を介して反応し得る。
硬化物もまた提供される。硬化物は、シーラントから形成される。より具体的には、硬化物は、例えば上記した縮合反応を介して、シーラントを硬化させることにより形成される。
硬化物を含む複合物品もまた提供される。より具体的には、複合物品は、基材と、その基材上に配置される硬化物とを含む。複合物品は、シーラントを基材上に配置し、基材上に硬化物を供給するためにシーラントを硬化させ、それにより複合物品を調製することにより形成される。基材は、例えば、外部の建物用ファサードによって例示される。
2つの要素間に画定された空間を封止する方法も開示される。この方法は、シーラントを空間に適用し、空間内のシーラントを硬化させ、それにより空間を封止することを含む。
本明細書では、「含む(comprising)」または「含む(comprise)」という用語は、「含む(including)」、「含む(include)」、「本質的に~からなる」、および「~からなる」の概念を意味し包含するために最も広い意味で使用される。例示的な例を列挙するための「例えば(for example)」、「例えば(e.g.)」、「など」、および「含む」の使用は、列挙される例のみに限定されない。したがって、「例えば」または「など」は、「例えば、しかし限定されない」または「など、しかし限定されない」を意味し、他の類似または同等の例を包含する。本明細書で使用される「約」という用語は、機器分析によって、またはサンプル取り扱いの結果として測定される数値のわずかな変動を合理的に包含または説明するのに役立つ。かかる軽微な変動は、数値の±0~25、±0~10、±0~5、または±0~2.5%ほどであり得る。さらに、「約」という用語は、値の範囲に関連付けられている場合に、両方の数値に適用される。さらに、「約」という用語は、明確に述べられていない場合であっても、数値に適用される場合がある。
一般に、本明細書で使用する場合、値の範囲のハイフン「-」またはダッシュ「-」は、「~(to)」または「から(through)」であり、「>」は、「上回る」または「より大きい」であり、「≧」は、「少なくとも」または「以上」であり、「<」は、「下回る」または「未満」であり、「≦」は、「最大で」または「以下」である。個別的に、前述の特許出願、特許、および/または特許出願公開の各々は、1つ以上の非限定的な実施形態において参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
添付の特許請求の範囲は、「発明を実施するための形態」に記載される表現および特定の化合物、組成物、または方法に限定されないことが理解されるべきであり、添付の特許請求の範囲の範疇にある特定の実施形態間で異なる場合がある。様々な実施形態の特定の特徴または態様を説明するための本明細書に依拠する任意のマーカッシュグループに関して、他の全てのマーカッシュメンバーから独立した各々のマーカッシュグループの各メンバーから異なる、特別な、かつ/または予期しない結果が得られる可能性がある。マーカッシュグループの各メンバーは、個別に、およびまたは組み合わせて依拠され得、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。
さらに、本発明の様々な実施形態の説明に依拠する任意の範囲および部分範囲は、添付の特許請求の範囲の範疇に独立してかつ集合的に含まれ、かかる値が本明細書に明示的に書かれていない場合であっても、それらの全体および/または小数値を含む全ての範囲を説明および企図すると理解される。当業者は、列挙された範囲および部分範囲が本発明の様々な実施形態を十分に説明し、有効にし、かつかかる範囲および部分範囲が関連する半分、3分の1、4分の1、5分の1などにさらに詳しく説明され得ることを容易に認識する。単なる一例として、「0.1~0.9の」範囲は、下3分の1、すなわち0.1~0.3、中3分の1、すなわち0.4~0.6、および上3分の1、すなわち0.7~0.9にさらに詳しく説明され、これは、個別および集合的に添付の特許請求の範囲の範疇にあり、個別および/または集合的に依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。さらに、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、「以下」などの範囲を定義または修飾する文言に関して、かかる文言は部分範囲、および/または上限もしくは下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも10」という範囲には、少なくとも10~35の部分範囲、少なくとも10~25の部分範囲、25~35の部分範囲などが本質的に含まれ、各部分範囲は、個別および/または集合的に依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。最後に、開示された範囲内の個別の数字は、依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。例えば、「1~9」という範囲には、3などの様々な個別の整数、ならびに4.1などの小数点(または小数)を含む個別の数値が含まれ、これは、依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、決して本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。以下の表1は、実施例で利用される略称を示している。
実施例1:シリコーン-ポリカーボネートコポリマーの調製
ヒドロキシル官能性中間体
乾燥した4つ口フラスコを温度制御された発熱ブロック内に配置し、機械式撹拌機、温度計、滴下漏斗、および還流冷却器を取り付ける。フラスコをN2でパージし、1つの末端不飽和基および1つの末端ヒドロキシル基を有する有機化合物(ポリエステル化合物、750.0g、0.94モル)をその中に入れる。フラスコを加熱し、断続的なN2パージとともに真空下で2~3時間105℃に保持する。次いで、フラスコを85℃に冷却する。ヒドロシリル化触媒を追加した(5ppm、MMに溶解した0-0719の1重量%溶液)。エンドキャッピング有機ケイ素化合物(ETM、200.0g、0.71モル)を滴加する。温度が5~10℃上昇する断熱発熱が観察され、それに応じてエンドキャッピング有機ケイ素化合物の添加を調整することにより、反応温度を85℃に維持する。反応が完了したと見なされるまで(約5時間)、すなわち、検出可能なSiH濃度(FTIRまたは1H NMRによる)が2.5ppmを下回るまで、フラスコを85℃に加熱して保持する。次いで、フラスコの内容物を室温まで冷却し、N2流下でナルゲン容器に封入する。完成した材料は、ヒドロキシル官能性中間体と称する。
イソシアネート官能性中間体
乾燥した4つ口フラスコを温度制御された発熱ブロック内に配置し、機械式撹拌機、温度計、滴下漏斗、および還流冷却器を取り付ける。次いで、フラスコに、ヒドロキシル官能性中間体(369.2g)、反応完了時に約2.5~3.00重量%の残留NCOを目標とする量で使用されるポリイソシアネート(IPDI、75.6g)、T-9(0.02g)を充填して、ブレンドを生成し、次いで、それを均一な混合物が得られるまで撹拌した。反応が完了したと見なされるまで(約2時間)、すなわち、目標の%NCOに到達するまで(IRで測定した場合)、混合物を80℃に加熱し保持する。次いで、その混合物を室温に冷却して、イソシアネート官能性中間体を得る。
シリコーン-ポリカーボネートコポリマー
イソシアネート官能性中間体(118.1g)を含有する4つ口フラスコにポリカーボネート化合物(80.7g、EtAcに溶解させた)を充填し、40℃に加熱する。次いで、フラスコにT-12(0.04g)を充填し、反応が完了したと見なされるまで(約10時間)、すなわち、FTIRでNCOが検出されなくなるまで、70℃に加熱して保持する。完了したら、その反応混合物を冷却し、一口丸底フラスコに移し、真空下で揮発性物質をストリップする(回転蒸発器、80℃)。次いで、フラスコの内容物を室温まで冷却し、N2流下でナルゲン容器に封入する。完成した材料は、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーと称する。
シリコーン-ポリカーボネートコポリマーの粘度、Mn(GPC)、Mw(GPC)、および多分散度(PD)が決定され、以下の表2に示してある。
実施例2:シリコーン-ポリカーボネートコポリマーから形成された硬化生成物
硬化物
実施例1の調製されたシリコーン-ポリカーボネートコポリマー30gを歯科用混合カップに入れる。次いで、0.03gのDBTDLおよび0.15gのZ-6020を添加する。その混合物を、FlackTek Speed Mixer DAC 150.1 FVZを用いて、3500rpmで1分間混合する。次いで、その混合物を、サイズが15cm×15cm、深さが2mmのテフロン型にキャストする。次いで、キャストプレートを、環境管理された部屋(相対湿度50%、25℃)に保管し、7日間硬化させる。
引張解析
ドッグボーン試験片(全長5cm、ネック長2cm)は、引張試験用に炭素鋼ダイを使用して硬化物から切り出される(打ち抜かれる)。次いで、そのドッグボーン試験片の引張特性が分析する。試験には、全容量100Nのロードセルを備えたMTS試験フレームを使用する。試験速度は、50.8cm/分である。歪みは、狭いネック部の長さにわたる変位として計算した。破断での応力は、ピーク応力を狭いネック部領域の初期断面積で割ることにより計算する。その硬化物を、60℃または80℃の加熱空気循環オーブンで一定時間エージングし、引張試験を行って安定性を測定する。
示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量測定(DSC)のために、硬化物から小片を切り出す。DSCは、TA Instrument Discovery Series DSC2500を使用して実施する。サンプルをTzeroアルミニウムパンに量り入れ(約10mgのサンプル)、機器で分析する。温度は、最初に-180℃まで下げ(10℃/分で)、次いで200℃まで上げる(10℃/分で)。ランピングプロセスに追随していくために必要な熱を記録し、Tgは、熱容量の急激な変化として検出される。
タックフリータイム
タックフリータイムは、ASTM D5895に準拠したコーティング用のGardco BK 6トラック乾燥タイムレコーダーを使用し、厚さ150マイクロメートル、幅12mmのコーティング層をアルミニウムストリップ上にコーティングし、針の頂部に5gの重りを付けてコーティング層に針を置き、その針をコーティング中を通過させながらドラッグする。そのトラックを一定時間放置した後に観察し、タックフリータイムを決める。
硬度
硬度は、Zwick Roell硬度テスターによって12.5Nの力を加えて測定する。OOスケールを利用する。
実施例3:シリコーン-ポリカーボネートコポリマーを含むシーラントの調製
実施例3は、実施例1のシリコーン-ポリカーボネートコポリマーを利用する。配合する前に、Z-6020とDBTDLとのプレミックス溶液を、1オンスのガラスバイアルにおいて組み合わせる。この溶液を、明澄なストロー溶液(straw solution)が得られるまで、手動で振盪し、後に使用するために取っておく。シリコーン-ポリカーボネートポリマーを、流動性が得られるまで70℃のオーブンで温める。混合プロセス中の任意の時点で、シリコーン-ポリカーボネートコポリマーが冷却されるにつれて材料が増粘し始めた場合、2000rpmで30秒の追加の混合ステップを実施する。DAC 600.2 VAC SpeedMixerで使用するために設計された最大300の長い混合ジャーを天秤に配置し、風袋引きし、次いでシリコーン-ポリカーボネートコポリマー、DINP、およびVTMを添加する。これを800rpmで30秒間混合し、次いで1500rpmで30秒間混合する。次いで、CCを、混合ジャーに追加し、800rpmで30秒間混合し、ミキサーから取り出し、ジャーを手でこそぎ落とし、再度挿入して、1500rpmでさらに30秒間混合する。この混合ステップの後、CS-11を混合ジャーに量り入れ、ジャーをミキサーに戻し、1300rpmで30秒間混合する。次いで、ジャーを取り外し、手でこそぎ落して充填剤の粒子を再び取り込み、次いでミキサーに戻し、2000rpmで30秒間混合する。充填剤を組み込んだ後、予め調製しておいたプレミックス溶液を混合ジャーに添加し、次いで1300rpmで30秒間混合した後、ジャーを取り外し、手でこそぎ落とす。最後に、ジャーの蓋を中央に穴を有するものに交換して、閉じ込められた空気または揮発性物質を真空ステップのために混合ジャーから逃がす。最終の混合ステップを、次のプログラムに従って真空で実施する:すなわち、3.5psiの真空まで800rpmで37秒間の混合、3.5psiの真空を保持しながら1300rpmで40秒間の混合、および800rpmで35秒間混合して周囲の実験室条件まで真空を破壊する。次いで、シーラント混合物を、SEMCOカートリッジにパッケージし、試験のために取っておく。
そのシーラント混合物を以下の表4に示す。VTM、Z-6020、およびDBTDLの量は、予め合成しておいたポリマーにおける流入量を考慮して、シーラント混合物の合計目標重量パーセント値を満たすように配合中に調整する。
実施例4:シーラントの特性
実施例3の物性および硬化特性を、以下のそれぞれの手順に従って評価する。
タックフリータイム:特定のシーラントの厚さ100ミルのスラブを、ポリエチレンテレフタレート(PET)の部分上に引き降ろす。次に、PETの小さなストリップを、特定のシーラントの表面に軽く押し付けて、硬化をチェックする。シーラントがPETのストリップに移行しない場合、シーラントは不粘着性であると見なす。
押出速度:SEMCO Nozzle Type 440を、6オンスのSEMCOチューブに取り付ける。簡潔な押出を実行して、押出ノズルを充填する。次いで、材料を90psiの加圧力で3秒間押出し、材料を風袋を計った容器に集めて、押出された質量を測定する。次いで、押出速度を、1分あたりのグラム数で計算する。次に、3つのデータポイントの平均として、押出速度を1分あたりのグラム数で計算する。
特定のシーラントを、相対湿度50%、23℃で7日間硬化する。デュロメータを、ASTM Method D2240、タイプAにより測定する。引張り、伸び、および弾性率を、ASTM Method D412により測定する。実施例3のシーラントの物性を、以下の表5に示す。
本発明を例示的に説明してきたが、使用されている用語は、限定ではなく説明の言葉の性質であることを意図していることを理解されたい。明らかに、上記の教示に照らして、本発明の多くの修正および変形が可能である。本発明は、具体的に記載された以外の方法で実施され得る。