JP3236419B2 - ポリエステル変性シリコーン樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリエステル変性シリコーン樹脂の製造方法

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JP3236419B2
JP3236419B2 JP21810093A JP21810093A JP3236419B2 JP 3236419 B2 JP3236419 B2 JP 3236419B2 JP 21810093 A JP21810093 A JP 21810093A JP 21810093 A JP21810093 A JP 21810093A JP 3236419 B2 JP3236419 B2 JP 3236419B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、簡素化された工程でポ
リエステル変性シリコーン樹脂を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】ポリエステル変性シリコーン樹脂は、耐候
性、耐熱性に優れ、しかも変性シリコーンワニスの中で
加熱劣化による変色が少ないという優れた特性を有して
おり、建材用塗料、自動車用塗料、輸送機マフラー用塗
料、調理用具用塗料等、様々な分野で用いられている。
【0003】このポリエステル変性シリコーン樹脂の硬
化塗膜の耐汚染性を向上させるために、硬化前の樹脂に
ジメチルシロキサン成分を混合することが従来から行な
われている。しかし、このような成分を混合しても、ハ
ジキの発生が多く認められたり、また経時にしたがって
耐汚染性が低下し、汚れの発生や汚れのこびりつきが屡
々認められる。
【0004】そこで、ジメチルシロキサン単位を有する
末端反応性のシリコーンオイルを、ポリエステル変性シ
リコーン樹脂中に残存するシラノール基やアルコール性
水酸基に反応させてジメチルシロキサン単位を変性樹脂
中に導入する方法が提案されている(米国特許第4,898,
772 号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記の先
行技術の方法では、ジメチルシロキサン単位を有する末
端反応性のシリコーンオイルの反応性が乏しいために、
得られる変性樹脂中に未反応の末端反応性シリコーンオ
イルが残存し、この結果として、やはりハジキの発生が
認められ、また塗膜の外観不良(不相溶成分による塗膜
白化)等を生じるなどの問題があった。
【0006】また、ポリエステル変性シリコーン樹脂
は、飽和多塩基酸と多価アルコールでポリエステル樹脂
を製造した後、クロロシラン、アルコキシシラン等の加
水分解縮合物(オリゴマーないしポリマー)をまず製造
し、その後チタン触媒等の金属触媒によりポリエステル
樹脂と脱水もしくは脱アルコール縮合反応を行うことに
より製造されている。
【0007】然しながら、上記の製造方法では、ポリエ
ステル樹脂製造工程、シリコーン樹脂製造工程及び変性
工程と、製造工程が大きく3工程に分かれ、複雑である
という問題がある。
【0008】さらに、得られるポリエステル変性シリコ
ーン樹脂は、最適な硬度や耐摩耗性を有する硬化塗膜を
形成するために、高温、長時間の加熱又は鉛触媒等の硬
化触媒を用いて硬化を行なう必要があった。高温、長時
間加熱はコスト高となり、また鉛触媒等の使用は安全性
の点で問題がある。
【0009】従って本発明の課題は、簡素化された工程
で、耐汚染性や硬化性が優れたポリエステル変性シリコ
ーン樹脂を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、 (A)1分子中に少なくとも2個の水酸基を含有するポ
リエステル樹脂、及び、 (B)下記一般式(1):
【化2】 式中、R1及びR2は、それぞれ炭素原子数1〜6のアル
キル基、R3及びR4は、炭素原子数1〜8のアルキル基
もしくはアラルキル基、 Aは、式:−(CH2p − (pは2〜10の整数)
で表されるポリメチレン基、 a及びbは、それぞれ2または3であり、nは、3〜2
00の整数である、で表される末端反応性ジメチルポリ
シロキサン、を混合し、次いで水を加え触媒の存在下で
前記末端反応性ジメチルポリシロキサンの末端アルコキ
シ基の加水分解反応、並びに該加水分解反応で生成した
ジメチルポリシロキサン末端のシラノール基及び前記ポ
リエステル樹脂が有する水酸基とを反応基とする脱水縮
合による縮重合反応を行うことを特徴とするポリエステ
ル変性シリコーン樹脂の製造方法が提供される。
【0011】本発明において、上記の触媒は加水分解を
促進させるために使用されるものであり、脂肪族もしく
は芳香族カルボン酸またはカルボン酸無水物が好適に使
用される。
【0012】また、上記(A)及び(B)成分と同時
に、シリコーン樹脂の物性調整のために(C)アルコキ
シシラン及び/又はその部分加水分解縮合物であるアル
コキシシロキサンを混合して反応に供することもでき
る。
【0013】
【作用】即ち、本発明においては、末端反応性ジメチル
ポリシロキサン(成分(B))及び必要に応じて使用さ
れるアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解生成
物であるアルコキシシロキサン(成分(C))が有する
アルコキシ基の加水分解、該加水分解により生成した
水分解生成物が有するシラノール基同士の脱水縮合をと
もなう縮重合によるシリコーン樹脂の生成、及び該シリ
コーン樹脂が有するシラノール基とポリエステル樹脂
(成分(A))が有する水酸基との脱水縮合を伴う縮重
合による変性とが連続して一段で行なわれるため、製造
工程が著しく簡素化され、工業的に極めて有利となる。
しかも、耐汚染性やすべり性を付与するために使用され
る末端反応性ジメチルポリシロキサンの反応性が極めて
高いため、この成分が未反応成分として残存するおそれ
が殆どなく、該成分の残存に起因するハジキの発生や塗
膜の白化等を有効に回避することができる。
【0014】また触媒は、末端反応性ジメチルポリシロ
キサン及びアルコキシシラン等の加水分解を促進するも
のであるが、この加水分解触媒として、脂肪族もしくは
芳香族カルボン酸またはカルボン酸無水物を使用する
と、これらは、変性樹脂中の水酸基もしくはシラノール
基と縮合して該樹脂中に取り込まれるため、中和を行な
う必要がない。一般に、加水分解触媒を使用した場合に
は、該触媒がフリーの状態で製品樹脂中に存在している
と、該樹脂の保存安定性が損なわれるため、中和等の手
段で該触媒を除去する必要があるが、本発明では、この
ような中和処理工程を全く必要としない点でも極めて有
利である。
【0015】さらに、本発明の方法により製造されたポ
リエステル変性シリコーン樹脂は、ジメチルポリシロキ
サン単位が主鎖中に導入されていることに関連して、耐
汚染性が著しく向上しており、長期間にわたって、その
硬化塗膜の汚れの発生あるいは汚れのこびりつき等が有
効に防止される。また従来の方法で製造したポリエステ
ル変性シリコーン樹脂に比較して硬化性に優れており、
硬度が高く、曲げ強度のある塗膜を形成することができ
るという予想外の利点を有している。
【0016】
【発明の好適態様】(A)ポリエステル樹脂 本発明において、シリコーン樹脂の変性材として使用さ
れるポリエステル樹脂は、従来から使用されている公知
のものであり、1分子中に少なくとも2個の水酸基を含
有するものが使用される。即ち、この水酸基が、シリコ
ーン樹脂中のシラノール基と縮合することにより、シリ
コーン樹脂の変性が行なわれるものである。かかるポリ
エステル樹脂は、通常、飽和多塩基酸と多価アルコール
類とのエステル化によって容易に得られる。
【0017】この飽和多塩基酸としては、例えばイソフ
タル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、アジピン酸等を、単独もしくは2種以上の
組み合わせで使用することができる。また多価アルコー
ル類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン等を、単独もしくは2種以上の組み合わせで使
用することができる。
【0018】エステル化反応に際しての飽和多塩基酸と
多価アルコール類との使用割合は、形成されるポリエス
テル樹脂が1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する
ようにするために、飽和多塩基酸のCOOH基に対して、多
価アルコール類のOH基が過剰となる量、例えば該COOH基
1モルに対してOH基が1.02〜3.00mol となる割合で使
用される。これにより、得られるポリエステル樹脂の酸
価は、通常、10以下、好ましくは5以下となる。
【0019】また用いるポリエステル樹脂の分子量等
は、目的とする変性シリコーン樹脂の特性等に応じて適
宜決定される。さらに、ポリエステル樹脂は、固型のも
のでも良いが、通常、溶剤で50〜95%程度に希釈して、
後述するアルコキシシラン等との反応に供することが好
適である。かかる溶剤としては、例えば酢酸セロソルブ
等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコール等のグリ
コール系溶剤、キシレン等の炭化水素系溶剤、その他、
アルコール系、エステル系、ケトン系溶剤が単独あるい
は2種以上を混合した混合溶剤として使用される。
【0020】(B)末端反応性ジメチルポリシロキサン 末端反応性のジメチルポリシロキサンは、塗膜のすべり
性や剥離性を向上させ、汚れ等の付着防止機能を高める
ために使用されるものである。このポリシロキサンは、
前記一般式(1)で表されるものであり、該式中のa及
びbが2または3であることから理解される様に、分子
鎖の両端に官能基(アルコキシ基)を多く有しているこ
とから、樹脂中に確実に組み込まれ、未反応成分として
残存することがない。このため、ハジキや外観不良等の
問題も有効に解消されることとなる。
【0021】前記一般式(1)において、Aは、下
式: −(CH2p − (pは2〜10の整数) で表されるポリメチレン基であるが、好ましくはポリメ
チレン基、最も好ましくはジメチレン基(上記式におい
てp=2)である。即ち、主鎖中にメチレン鎖を導入す
ることにより、末端官能基の反応性が向上し、ジメチル
ポリシロキサン単位の変性樹脂中への導入が一層確実に
行なわれるようになる。
【0022】またR1 及びR2 は炭素原子数1〜6のア
ルキル基であるが、好ましくはメチル基である。R3
びR4 は、炭素原子数1〜8のアルキル基、ベンジル
基、フェニルエチル基等のアラルキル基であるが、好ま
しくはメチル基である。さらに重合度の目安となるn
は、3〜200の整数である。
【0023】かかる末端反応性のジメチルポリシロキサ
ンとして好適なものは、合成の容易さ等から、以下のも
のを例示することができる。
【0024】
【化3】
【0025】上述した末端反応性のジメチルポリシロキ
サンは、それ自体公知の方法で製造することができ、例
えば、白金触媒の存在下において、下記式:
【0026】
【化4】
【0027】で表されるメチルハイドロジェンポリシロ
キサンに、ビニルトリメトキシシランまたはビニルメチ
ルジメトキシシランを付加反応させることにより、或い
は両末端ビニルのジメチルポリシロキサンとトリメトキ
シシランもしくはジメトキシメチルシランを付加反応す
ることにより得られる。
【0028】本発明において、かかる末端反応性のジメ
チルポリシロキサンは、(A)成分のポリエステル10
0重量部当り、0.1〜10.0重量部、特に0.5〜5重量
部の量で使用されることが好ましい。0.1重量部よりも
少ないと、耐汚染性を向上させることが困難となり、ま
た5重量部よりも多量に使用すると、未反応成分が多く
なり、この未反応成分が硬化塗膜にハジキや白化等を生
じる傾向がある。
【0029】(C)アルコキシシラン及びアルコキシシロキサン 本発明においては、上記(B)成分と同時に、アルコキ
シシラン及び/又はその部分加水分解縮合物であるアル
コキシシロキサンを使用することができる。これらのア
ルコキシシラン等は、(B)成分と同時に加水分解及び
縮合してシリコーン樹脂骨格を形成する。これらは、例
えば下記一般式(2): (R5 c (OR6 d SiO[4-(c+d)]/2 (2) 式中、R5 は、炭素原子数が1〜8のアルキル基、フェ
ニル基及びアラルキル基から成る群より選択された少な
くとも1種の基、R6 は、炭素原子数が1〜6のアルキ
ル基、c及びdは、0≦c≦2、0<d≦4、且つ0<
c+d≦4を満足する数である、で表される。
【0030】かかる一般式(2)において、R5 及びR
6 の各基は、上記の通りであり、各基はそれぞれ同一で
も互いに異なる基の組み合わせであってもよいが、特に
耐熱性が要求されたり、ポリエステル樹脂との相溶性を
必要とする場合には、R5 の中には少なくともフェニル
基が含まれていることが好ましい。この場合、c>0と
なることは当然である。
【0031】本発明において使用されるアルコキシシラ
ンの代表的なものとしては、これに限定されるものでは
ないが、以下のものを例示することができ、これらは1
種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することがで
きる。
【0032】CH3 Si(OCH3 3 ,CH3 Si
(OC2 5 3 ,C6 5 Si(OCH3 3 ,C6
5 Si(OC2 5 3 ,(CH3 2 Si(OCH
3 2 ,(CH3 2 Si(OC2 5 2 ,(C6
5 2 Si(OCH3 2 ,(C6 5 2 Si(OC
2 5 2 ,Si(OCH3 4 ,Si(OC2 5
4 等。
【0033】またアルコキシシロキサンとして代表的な
ものは、上記で例示したアルコキシシランの部分加水分
解縮合物であり、例えば4量体以下、特に平均して2〜
4量体程度のオリゴマーが好適である。
【0034】これらシラン及びシロキサンは、通常、目
的とする変性樹脂の物性に応じて、前記ポリエステル樹
脂固型分100重量部に対して、1,000 重量部以下、好
ましくは20〜1,000 重量部、特に50〜800重量部
の量で使用される。
【0035】(D)触媒 本発明において使用される触媒は、上述した末端反応性
のジメチルポリシロキサン及びアルコキシシラン或いは
アルコキシシロキサンの加水分解を促進するために使用
されるものであり、特に脂肪族ないし芳香族のカルボン
酸及び酸無水物、中でも50℃以下で水、アルコールに
可溶性のものが好適に使用される。その代表的な例とし
ては、シュウ酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、アジピン酸、
マレイン酸、フタール酸、安息香酸、無水マレイン酸、
無水フタール酸、無水安息香酸等を挙げることができ
る。
【0036】即ち、これらの触媒は、前記アルコキシシ
ラン等の加水分解を促進するとともに、得られる変性樹
脂中の水酸基或いはシラノール基と反応して該樹脂中に
組み込まれてしまうため、これらを中和により除去する
必要がないという点で極めて有利である。この場合、モ
ノカルボン酸を用いた場合には、変性樹脂中に取り込ま
れたモノカルボン酸は分子末端に存在することになり、
樹脂の安定性が損なわれる場合があるので、上記の中で
最も好適なものは、多塩基酸及びその酸無水物である。
【0037】本発明においては、上記以外にも、例え
ば、塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒や
アルカリ触媒を使用することも可能ではあるが、この場
合には、得られる変性樹脂の保存安定性を良好なものと
するために、中和により、残存する触媒を除去しなけれ
ばならないという煩わしさがある。
【0038】本発明において、上述した触媒は、(B)
成分のアルコキシシラン或いはアルコキシシロキサンに
対して0.01〜5重量%、特に0.1〜1重量%の量で使用
することが望ましい。
【0039】加水分解及び縮重合反応 本発明によれば、上述した各成分を混合し、加水分解及
び縮重合反応を行なう。即ち、末端反応性のジメチルポ
リシロキサン及び必要により使用されるアルコキシシラ
ン或いはアルコキシシロキサンの加水分解反応が始めに
進行し、引き続いて、生成した加水分解物相互の縮重合
によるシリコーン樹脂の生成、及び生成したシリコーン
樹脂とポリエステル樹脂との縮重合反応が並行して進行
し、一段でポリエステル変性シリコーン樹脂が得られ
る。
【0040】これらの反応の引金となる加水分解反応
は、反応系に水を加えることにより開始する。水の配合
量は、(B)及び(C)成分中の全てのアルコキシ基を
シラノール化するのに必要な理論量の0.8〜2.0モル倍
が好ましい。
【0041】また加水分解反応に先立っての各成分の混
合は、適当な溶剤、例えばセロソルブ系溶剤、プロピレ
ングリコール系溶剤、炭化水素系溶剤、アルコール系溶
剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤等の各種の溶剤を用
いて行なうことが望ましいが、特に水を均一分散させる
ために、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤
を少なくとも一部使用することが好適である。また前述
した各種の溶剤は、反応後における生成樹脂の稀釈剤と
しても用いることができる。
【0042】加水分解反応及びそれに引き続いての反応
は、一般に50〜120℃の温度で行なうことが好まし
く、通常、1〜10時間程度で反応が完結する。反応終
了後は、縮合水を留去した後、必要により前述した各種
の溶剤を稀釈剤として用い、適度な濃度のポリエステル
変性シリコーン樹脂溶液が得られる。
【0043】かかる変性シリコーン樹脂は、加熱により
硬化して耐汚染性やすべり性に優れた塗膜を形成し、例
えば建材や調理用具等に使用される塗料として、あるい
は金属等にすべり性等を付与するためのコーティング剤
として極めて有用である。
【0044】
【実施例】尚、以下の例において、部は、重量部を意味
し、また粘度は25℃での測定値である。
【0045】ポリエステル樹脂の製造 温度計、還流冷却器を備えた撹拌装置に、 トリメチロールエタン 48部、 3−メチル−3−メトキシブチルアセテート 12部、 水 2.4部、 を仕込み、90℃に昇温し、トリメチロールエタンを溶解
した。次いで、 イソフタル酸 49.8部、 キシレン 2.2部、 を投入し、 220℃で24時間保持し、水、アルコールを留
去した後、 3−メチル−3−メトキシブチルアセテート 37.3部、 を投入し、酸価3、不揮発分70%、粘度10,000センチポ
イズのポリエステル樹脂溶液を得た。
【0046】実施例1 温度計、還流冷却器を備えた撹拌装置に、
【0047】
【化5】 で表されるジシロキサン 42.0部
【0048】
【化6】 で表されるジシロキサン 13.6部、
【0049】下記平均式:
【化7】 で表される末端アルコキシポリシロキサン 0.8部、
【0050】前記で製造されたポリエステル樹脂 18.7
部、 水 7.6部、 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
32.3部、 イソプロピルアルコール 2.1部、 無水マレイン酸 0.21部、 を仕込み、1時間還流し、その後、アルコール、水を留
去しながら120℃まで昇温し、 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
18.7部、 を投入し、不揮発分60%、粘度 200cSt のポリエステル
変性シリコーン樹脂を得た。この樹脂をミガキ軟鋼板上
に、バーコータNo.36 を用いて塗布し、30分風乾後150
℃×30分で硬化させて硬化塗膜を形成した。その塗膜物
性を表1に示す。
【0051】実施例2 実施例1で用いた末端アルコキシポリシロキサンの代り
に下記平均式:
【化8】 で表される末端アルコキシポリシロキサンを0.8部使用
した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル変性シ
リコーン樹脂を調製し、その硬化塗膜の形成を行なっ
た。その塗膜物性を表1に示す。
【0052】比較例1 末端アルコキシポリシロキサンを全く使用しない以外
は、実施例1と同様にしてポリエステル変性シリコーン
樹脂を調製し、その硬化塗膜の形成を行なった。その塗
膜物性を表1に示す。
【0053】比較例2 比較例1で得られたポリエステル変性シリコーン樹脂 1
00部に対して、 Pb(OOCC7 152 (Pb分24%)3部、 を混合し、実施例1と同様の条件で硬化させて硬化塗膜
を得た。その塗膜物性を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】尚、各物性の試験方法は、以下の方法で行
なった。 鉛筆硬度:JIS K-5400 第6−14項に準じて測定。 ゴバン目密着性:JIS K-5400 第6−15項に準じて測
定。 マンドレル試験:JIS K-5400 第6−16項に準じて測定
(心棒2mmφを使用) 耐衝撃性試験:JIS K-5400 第6−13項に準じて測定
(1/2 インチの鋼球を用い荷重は100gで測定) 動摩擦係数:KYOWA'S DF-PM APPARATUS(協和科学製)に
て測定 剥離力:塗膜面にセロファンテープ(ニチバン製)を貼
り合せて試料を作成しその直後に引張り試験機を用い
て、 180°の角度,0.3m/ 分の剥離速度で貼り合わせた
テープを引き剥し、剥離するので要する力(g/18mm) を
測定した。 耐汚染性:塗膜に油性マジック(ぺんてる製)でマーキ
ングし、風乾24Hr後、イソプロパノールを含浸した脱脂
綿で軽く拭きとった後の外観を目視にて判断した。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、加水分解、重縮合及び
変性の各工程が連続した一段の反応で行なわれるため、
従来の方法に比して少ない工程数でポリエステル変性シ
リコーン樹脂を得ることができる。特に耐汚染性等を付
与するために使用される末端反応性のポリシロキサン成
分が未反応状態で残存することがないので、形成される
硬化塗膜にハジキが発生することや、白化等を生じるこ
ともない。得られる樹脂は、耐汚染性やすべり性が良好
であり、長期間にわたって汚れの付着やこびりつきが有
効に防止され、さらに硬化性に優れており、鉛触媒等の
安全性に問題のある硬化触媒を使用することなく、マイ
ルドな硬化条件下でも機械的特性に優れた硬化塗膜を形
成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−246484(JP,A) 特開 昭56−118458(JP,A) 特開 昭50−153099(JP,A) 特開 昭58−19369(JP,A) 特開 昭54−96600(JP,A) 特開 平5−9280(JP,A) 特開 平4−175345(JP,A) 特開 平7−53720(JP,A) 特公 昭32−7546(JP,B1) 特公 昭48−4117(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 81/00 - 81/02 C08G 63/00 - 63/91 C08G 77/00 - 77/62 WPI/L(QUESTEL)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)1分子中に少なくとも2個の水酸基
    を含有するポリエステル樹脂、 及び、 (B)下記一般式(1): 【化1】 式中、 R1及びR2は、それぞれ炭素原子数1〜6のアルキル
    基、 R3及びR4は、炭素原子数1〜8のアルキル基もしくは
    アラルキル基、 Aは、式:−(CH2p − (pは2〜10の整数)
    で表されるポリメチレン基、 a及びbは、それぞれ2または3であり、 nは、3〜200の整数である、 で表される末端反応性ジメチルポリシロキサン、 を混合し、次いで水を加え触媒の存在下で前記末端反応
    性ジメチルポリシロキサンの末端アルコキシ基の加水分
    解反応、並びに該加水分解反応で生成したジメチルポリ
    シロキサン末端のシラノール基及び前記ポリエステル樹
    脂が有する水酸基とを反応基とする脱水縮合による縮重
    合反応を行うことを特徴とするポリエステル変性シリコ
    ーン樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記末端反応性ジメチルポリシロキサン
    として、一般式(1)におけるAがジメチレン基である
    ものを使用する請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記(A)及び(B)成分と同時に、
    (C)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮
    合物であるアルコキシシロキサンを混合して反応に供す
    る請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルコキシシラン及び/又はアルコキシ
    シロキサンとして、下記一般式(2): (R5c (OR6d SiO [4-(c+d)]/2 (2) 式中、 R5は、炭素原子数が1〜8のアルキル基、フェニル基
    及びアラルキル基から成る群より選択された少なくとも
    1種の基、 R6 は、炭素原子数が1〜6のアルキル基、 c及びdは、0≦c≦2、0<d≦4、且つ0<c+d
    ≦4を満足する数である、 で表されるものを使用する請求項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記触媒として、脂肪族もしくは芳香族
    カルボン酸またはカルボン酸無水物が使用される請求項
    1に記載の方法。
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