以下、図面を参照し、本発明の車両制御システム、車両制御装置、および車両制御方法の実施形態について説明する。
[全体構成]
図1は、実施形態に係る車両制御システム1の構成図である。車両制御システム1は、一以上のプロセッサ(コンピュータ)により実現される。車両制御システム1は、例えば、一以上の車両制御装置5と、一以上の端末装置300と、サービス管理装置500と、清掃管理サーバ700と、配車管理サーバ900とを備える。車両制御装置5は、自動運転機能を備える自動運転車両に搭載される車載装置である。自動運転車両は、例えば、オーナーXの自家用車である。端末装置300は、オーナーXの所有する端末装置であり、例えば、スマートフォンなどの携帯電話やタブレット端末、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)などの、少なくとも通信機能と情報入出力機能を有する可搬型端末装置である。
サービス管理装置500は、オーナーXが自動運転車両を使用しない状態で提供されるサービス(以下、セカンドサービスと記す)を管理する。セカンドサービスにおいて、自動運転車両は、セカンドサービスに応じた場所へ移動したり、セカンドサービスに応じた経路を走行したりする。セカンドサービスには、例えば、清掃サービス、カーシェアサービス、タクシーサービス、充電サービス、配達サービス、宅配ボックスサービス等が含まれる。例えば清掃サービスは、オーナーXの自動運転車両を清掃施設まで走行させ、清掃施設において清掃作業等(車体の清掃、車両内部の清掃、座席シートの配置の変更、点検、その他メンテナンスなど)が終わった後、指定の場所まで自動運転車両を走行させるサービスである。例えばカーシェアサービスは、オーナーXの自動運転車両をオーナーX以外のユーザが利用する車両(以下、シェアカーと記す)として活用するサービスである。例えばタクシーサービスは、オーナーXの自動運転車両をタクシーとして活用するサービスである。例えば充電サービスは、電気自動車のバッテリーを充電するための充電施設やガソリンスタンドまでオーナーXの自動運転車両を走行させ、充電施設やガソリンスタンドによる充電やガソリンの供給を受けた後、指定の場所まで自動運転車両を走行させるサービスである。配達サービスは、宅配業者と連携して、配達物を自動運転車両に載せて配送先まで搬送するサービスである。宅配ボックスサービスは、自動運転車両を宅配ボックスとして活用するサービスであって、例えば、所定時間以内に受け取りに来られるユーザへの配達物を自動運転車両が宅配業者の集荷センターまで取りに行き、そのまま、自動運転車両に保管し、配達物の配送先であるユーザが自動運転車両に取りに来たら受け渡すサービスである。
サービス管理装置500は、清掃サービスを提供するための処理を行う場合、清掃管理サーバ700と通信して所定の情報を取得する。また、サービス管理装置500は、カーシェアサービスやタクシーサービスを提供するための処理を行う場合、配車管理サーバ900と通信して所定の情報を取得する。サービス管理装置500は、その他外部サーバと通信して、セカンドサービスを提供するために必要な情報(例えば、充電施設の利用状況やガソリンスタンドの設備等に関する情報)を取得してもよい。
清掃管理サーバ700は、例えば清掃会社などの事業者が運営するサーバであって、客からの清掃依頼に関する情報などを受け付け、車両の清掃に関する各種サービスを提供する。清掃管理サーバ700は、サービス管理装置500により清掃施設の紹介を指示された場合、複数の清掃施設の中から、清掃依頼に応じた清掃施設を選択し、選択した清掃施設に関する情報をサービス管理装置500に送信する。各清掃施設で提供できるサービスは、各施設の設備や人員に応じて異なっている場合が多い。
配車管理サーバ900は、例えばタクシー会社やカーシェア会社などの事業者が運営するサーバであって、客からの配車依頼に関する情報などを受け付け、配車に関する各種サービスを提供する。配車管理サーバ900は、客からの配車依頼に応じた自動運転車両の配車を、サービス管理装置500に対して指示する。例えば、配車管理サーバ900は、客からの配車依頼に関する情報(例えば、呼び出し場所、待ち合わせ時刻、予約人数、行き先など)を、サービス管理装置500に送信して、配車を指示する。呼び出し場所とは、シェアカーやタクシーが客を迎えに行く場所である。また、配車管理サーバ900は、流しタクシーで走行した場合に客を拾えそうなエリアや、シェアカーやタクシーが不足しているエリアを示す情報を、サービス管理装置500に送信してもよい。
車両制御装置5と、端末装置300と、サービス管理装置500と、清掃管理サーバ700と、配車管理サーバ900とは、ネットワークNWによって互いに接続されており、このネットワークNWを介して互いに通信する。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット、専用回線、無線基地局、プロバイダなどのうちの一部または全部を含む。
ここで、実施形態に係る車両制御システム1の利用シーンの一例について説明する。例えば、オーナーXが自動運転車両に乗車して自宅を出発し、目的地であるショッピングモールに午前中に到着したとする。オーナーXは、夕方までショッピングモールに滞在する予定である。このようなシーンにおいて、オーナーXは、ショッピングモールに到着してから帰るまでの不使用期間において、セカンドサービスの提供を受けることができる。サービス管理装置500は、この不使用期間を推定し、推定した不使用期間に応じたセカンドサービスを提供するための各種処理を実行する。例えば、サービス管理装置500は、不使用期間を午前10時から午後5時までと推定し、戻り地点をショッピングモールと推定する。車両制御装置5およびサービス管理装置500は、午後5時までにショッピングモールに戻って来られるように、自動運転車両を走行させる。なお、セカンドサービスの利用シーンはこれに限られず、例えば、平日の日中や、土日の夜間など、オーナーXにより自動運転車両が使用されない不使用期間において利用可能である。この場合、戻り地点は、オーナーXの自宅等である。
[サービス管理装置500]
先に、サービス管理装置500について説明する。図2は、サービス管理装置500の構成図である。サービス管理装置500は、通信部510と、サービス管理部520と、記憶部530とを備える。通信部510は、例えば、NICなどの通信インターフェースを含む。記憶部530は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などのフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などである。記憶部530には、例えば、スケジュール情報531、サービス条件情報532、位置情報533、車両ステータス情報534、利用履歴情報535、オーナーステータス情報536、属性情報537などの情報が格納される。記憶部530は、サービス管理装置500がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)などの外部記憶装置であってもよい。サービス管理部520は、記憶部530に記憶されている情報を用いて、以下に説明する各種処理を実行する。
スケジュール情報531は、自動運転車両の使用スケジュールに関する情報である。図3は、スケジュール情報531の内容の一例を示す図である。スケジュール情報531は、各オーナーXのスケジュールだけでなく、オーナーXと関連性のあるユーザのスケジュールに関する情報を含んでいてもよい。
図3に示す通り、スケジュール情報531は、日付に、時間帯と、オーナー予定と、サービス予定と、補充スケジュールと、戻り地点とを対応付けた情報である。図3に示すようなテーブルは、オーナー(関連性のあるユーザを含む)ごとに用意される。日付と時間帯は、各スケジュールが設定されている日時である。オーナー予定は、オーナーXの個人スケジュールであって、オーナーXにより登録される。オーナー予定には、例えば、オーナーXによる自動運転車両の利用予定に関する情報(例えば、行き先や使用目的等)が含まれる。サービス予定には、セカンドサービスの利用予定に関する情報(例えば、セカンドサービスの種類、利用施設名等)が含まれる。なお、サービス予定には、何等かのセカンドサービスの予定が設定されていることを示す「○」や、セカンドサービスの予定が設定されていないことを示す「−」が記述されてもよい。使用スケジュールは、オーナーXにより設定されてもよく、オーナーXにより設定された使用スケジュールやサービス条件情報532等に基づいて、サービス管理装置500により設定されてもよい。補充スケジュールは、後述するスケジュール管理部521により決定された補充スケジュールである。戻り地点は、セカンドサービスを終了した後に自動運転車両が戻ってくる地点であり、例えば、オーナーXが自動運転車両と合流する地点として希望する地点である。
サービス条件情報532は、オーナーXにより設定されるサービス条件を示す情報である。図4は、サービス条件情報532の内容の一例を示す図である。図4に示す通り、サービス条件情報532は、サービスの種類に、サービスの頻度、最小所要時間、優先順位、エリア制限、時間帯制限、利用者制限、サービス期間の厳格性などを対応付けた情報である。サービス条件情報532は、セカンドサービスの提供を受ける場合にオーナーXが希望する条件を示す情報である。サービスの種類は、セカンドサービスの種類を示す情報であって、例えばセカンドサービスの名称である。サービスの頻度は、オーナーXが希望する各セカンドサービスの利用頻度である。最小所要時間は、オーナーXが希望する各セカンドサービスの時間長の下限値である。例えば、30分でも時間があればタクシーとして走行させたいオーナーと、少なくとも2時間程度でなければタクシーとして走行させたくないオーナーとを区別することができる。優先順位は、サービス管理装置500により提供するセカンドサービスを決定するときに優先される順位である。エリア制限は、セカンドサービスの提供中に自動運転車両が走行可能なエリアを示す。時間帯制限は、セカンドサービスの提供中に自動運転車両が走行可能な時間帯を示す。利用者制限は、自動運転車両に乗車させる客の制限を示す。サービス期間の厳格性とは、サービス期間をはみ出してサービスが提供されることをオーナーXが許容するかどうかを示す情報である。サービス期間の厳格性が高い場合、サービス期間内において提供可能なサービスに限定され、サービス期間の厳格性が低い場合、サービス期間をはみ出した期間において提供可能なサービスも許容される。
位置情報533は、自動運転車両の位置を示す情報である。図5は、位置情報533の内容の一例を示す図である。図5に示す通り、位置情報533は、日時に、車両位置情報と、オーナー位置情報とを対応付けた情報である。車両位置情報は、ナビゲーション装置50により取得された自動運転車両の位置を示す情報である。オーナー位置情報は、オーナーXの所持する端末装置300のGNSS(Global Navigation Satellite System)等により取得された端末装置300の位置を示す情報である。
車両ステータス情報534は、各自動運転車両の状態を示す情報である。図6は、車両ステータス情報534の内容の一例を示す図である。図6に示す通り、車両ステータス情報534は、車両IDに、サービス提供の有無、サービスの種類、サービスの進行状況、走行態様、戻り地点、走行態様などを対応付けた情報である。車両IDは、各自動運転車両を識別する識別情報である。サービス提供の有無は、サービスの提供中であるか否かを示す情報である。サービスの進行状況は、提供中であるサービスの進行レベルや提供中であるサービスの内容等を示す情報である。走行態様は、自動運転車両の走行態様であって、例えば、流しタクシー、呼び出しタクシー、自家用車等が含まれる。走行態様の詳細については後述する。
利用履歴情報535は、各オーナーXが提供を受けたセカンドサービスの履歴情報である。図7は、利用履歴情報535の内容の一例を示す図である。図7に示す通り、利用履歴情報535は、サービス期間に、サービスの種類、第1行動計画などを対応付けた情報である。サービス期間と第1行動計画については、それぞれ後述する。
オーナーステータス情報536は、例えば、カード利用情報、投稿情報、店舗利用情報、推定されたオーナーのステータスを示す情報などが含まれる。カード利用情報は、オーナーXによりカード(クレジットカード、キャッシュカード、ポイント)が利用されたことに関する情報であって、例えば、カードが利用された日時、場所、店舗名、対象商品などが含まれる。なお、カード利用情報は、カード自体の利用に限られず、WEB上で擬似的にカードを利用したことに相当する処理がなされたことに関する情報も含まれる。投稿情報は、端末装置300を用いてWEB上に投稿された情報であって、例えば、画像データ、テキストデータ、音声データなどを含む。店舗利用情報は、オーナーXの入店や退店を示す情報等である。推定されたオーナーのステータスを示す情報は、例えば、不使用期間、オーナーXの行動、戻り地点などを含み、後述する推定部524により推定された情報である。
属性情報537は、オーナーXの属性を示す情報であって、例えば、職種、年齢、性別、家族構成などが含まれる。
図2に戻って、サービス管理部520は、例えば、スケジュール管理部521と、オーナー情報管理部522、車両位置管理部523と、推定部524と、決定部525と、修正部526と、清掃管理部527と、配車管理部528と、充電管理部529とを備える。これらの構成要素のうち一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが、記憶部530に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
スケジュール管理部521は、通信部510を用いて車両制御装置5あるいは端末装置300から受信した情報に基づいて、スケジュール情報531を更新する。また、スケジュール管理部521は、スケジュール情報531とサービス条件情報532とを参照して、自動運転車両の使用スケジュールを作成し、スケジュール情報531に追加してもよい。例えば、スケジュール管理部521は、サービス条件情報532の時間帯制限に基づいて、設定されている時間帯(例えば、平日の午前0時から午前5時までの期間)にサービス予定を作成する。
また、スケジュール管理部521は、スケジュール情報531を参照し、補充スケジュールを作成し、補充スケジュールに基づいてスケジュール情報531を更新する。例えば、スケジュール管理部521は、オーナーXのスケジュールに基づいて行動パターンを推定し、推定した行動パターンに基づいて補充スケジュールを作成する。行動パターンとして、毎週月曜日と木曜日の午後8時以降にジムに通っているという行動を推定した場合、スケジュール管理部521は、スケジュール情報531の個人スケジュールにおいて、月曜日と木曜日の8時以降にジムの予定が入っておらず、且つ、何の予定も入っていない場合、補充スケジュールとしてジムに行く予定を作成する。このように、スケジュール管理部521は、オーナーXの入力が漏れている可能性のある予定(以下、登録漏れ予定と記す)を作成し、補充スケジュールとする。これにより、オーナーXのスケジュールを補充し、登録の手間を省くことができる。
なお、これに限られず、スケジュール管理部521は、WEB上に存在するオーナーXの他のスケジュール情報や、他者(例えば、家族)のスケジュール情報を参照し、登録漏れ予定を作成してもよい。例えば、家族の予定の中にオーナーXと一緒に食事をするという予定が登録されていた場合、スケジュール管理部521は、オーナーXの補充スケジュールとして、食事の予定を作成する。
また、スケジュール管理部521は、記憶部530を参照して、オーナーXにおススメの予定(以下、推奨予定と記す)を作成し、補充スケジュールとしてもよい。推奨予定には、例えば、オーナーXの属性に応じた予定、オーナーXに特典が与えられる可能性のある予定(例えば、過去に4ポイントを獲得しており、あと1ポイント獲得すると特典が与えられる場合は、残りの1ポイントを獲得することができる予定)などが含まれる。
オーナー情報管理部522は、通信部510を用いて端末装置300から受信した情報に基づいて、サービス条件情報532を更新する。また、オーナー情報管理部522は、通信部510を用いて外部サーバから受信した情報に基づいて、オーナーステータス情報536を更新する。
車両位置管理部523は、通信部510を用いて車両制御装置5から受信した位置情報に基づいて、位置情報533を更新する。また、車両位置管理部523は、通信部510を用いて端末装置300から受信した位置情報に基づいて、位置情報533を更新してもよい。
推定部524は、所定の参照情報に基づいて、オーナーXが自動運転車両を使用しない不使用期間を推定する。参照情報は、記憶部530に格納されている情報であってもよく、記憶部530に格納されている情報に基づいて推定部524により作成された情報であってもよい。例えば、推定部524は、複数の参照情報のうち、不使用期間を推定する対象期間において参照可能な情報の一部または全部に基づいて不使用期間を推定してもよく、参照可能な全ての情報のうち確度の高い情報に基づいて不使用期間を推定してもよい。また、推定部524は、一の対象期間について複数の不使用期間を推定してもよい。
また、推定部524は、参照情報に基づいて、オーナーXの行動や戻り地点を推定する。オーナーXの行動は、現在の行動であってもよく、将来の行動であってもよい。推定部524は、推定したオーナーXの行動を示す情報や、推定した戻り地点を示す情報を、推定した不使用期間に関連付けて、記憶部530に格納してもよい。
例えば、推定部524は、対象期間におけるオーナーXの行動に基づいて、不使用期間を推定する。対象期間におけるオーナーXの行動は、例えばスケジュール情報531に登録されているスケジュールであってもよく、推定部524により推定された行動であってもよい。後者の場合、推定部524は、例えば対象期間のスケジュールが登録されていない場合、対象期間のオーナーXの行動を推定し、推定したオーナーXの行動に基づいて不使用期間を推定してもよい。
例えば、オーナーXが自動運転車両を降車する際にセカンドサービスの利用指示だけをした場合、推定部524は、降車した場所や時刻等に基づいて、オーナーXが自動運転車両を降車した後の行動を推定する。例えば、降車した場所の周辺においてオーナーXが過去に行ったことのある美容院がある場合、推定部524は、オーナーXがその美容院に行ったと推定し、現時点から平均的な美容院に要する時間を不使用期間と推定してもよい。
また、推定部524は、オーナーXの属性情報537に基づいて、対象期間のオーナーXの行動を推定する。例えば、推定部524は、オーナーXが主婦である場合には行動範囲を狭く、会社員である場合には行動範囲を広く設定し、設定された範囲の中におけるオーナーXの行動を推定してもよい。
また、推定部524は、投稿情報に基づいて、対象期間のオーナーXの行動を推定する。例えば、推定部524は、オーナーXが投稿した画像を解析することにより、ショッピングをしている、レストランにいる、友達といる、コンサートに行っているなどの行動を推定してもよい。また、推定部524は、投稿されたテキストや音声を解析することにより、オーナーXの感情や考えを推定し、推定結果に基づいて、オーナーXの今後の行動を推定してもよい。例えば、一緒にいる友達と盛り上がっていると推定される場合には、オーナーXは引き続き友達と一緒にいるであろうと推定する。
また、推定部524は、スケジュール情報531に基づいてオーナーXの行動パターンを取得し、取得した行動パターンに基づいて、オーナーXの行動を推定する。推定部524は、推定されたオーナーXの行動に基づいて不使用期間を推定してもよく、取得した行動パターンに基づいて不使用期間を推定してもよい。例えば、平日は電車で職場に通勤しており、週末に自動運転車両を利用して外出するという行動パターンが推定された場合、推定部524は、平日を不使用期間と推定する。なお、平日のスケジュールにおいて外出の予定がスケジュールされている場合、推定部524は、外出が予定されている期間は不使用期間でないと推定してもよい。
また、推定部524は、例えば対象期間のスケジュールが登録されていない場合、調整相手に関する情報に基づいて、不使用期間を推定してもよい。調整相手には、例えば、オーナーXの家族、オーナーXと一緒にいる同行者などが含まれる。調整相手に関する情報には、例えば、調整相手のスケジュール、調整相手の行動や行動パターン、調整相手による投稿情報などが含まれる。推定部524は、調整相手に関する情報を、記憶部530から読み出してもよく、他の外部サーバから取得してもよく、オーナーXに関する情報を推定した手法と同様の手法を用いて推定してもよい。
決定部525は、推定部524により推定された不使用期間を、サービス管理装置500によりセカンドサービスを提供可能な期間(以下、サービス期間)に設定する。決定部525は、推定部524により推定された不使用期間にサービスを提供してもよいかどうかを確認するための確認通知を車両制御装置5あるいは端末装置300に送信し、オーナーXの承諾を得たことを条件にサービス期間を決定してもよく、オーナーXの承諾を得ずにサービス期間を決定してもよい。例えば、オーナーXが自動運転車両を使用する頻度が高い時間帯(日中)においてサービス期間を設定する場合には、オーナーXの承諾を必要とし、オーナーXが自動運転車両を使用する頻度が低い時間帯(夜間)においてはオーナーXの承諾を不要としてもよい。なお、決定部525は、サービス条件情報532を参照して、推定部524により推定された不使用期間のうちサービス条件に合致する期間を、サービス期間に設定してもよい。
決定部525は、サービス期間の終了時刻を、自動運転車両の戻り時刻に設定する。
決定部525は、推定部524により推定された不使用期間において提供するセカンドサービス(以下、提供サービスと記す)を決定する。決定部525は、設定されたサービス期間に対する提供サービスを決定してもよく、サービス期間の候補である複数の不使用期間のうち一部または全部について提供サービスを決定してもよい。
例えば、決定部525は、サービス期間の終了時刻までに指定された戻り地点に自動運転車両が戻ってくることができる一以上のセカンドサービス(以下、サービス候補と記す)の中のいずれかを、提供サービスに決定する。決定部525は、各セカンドサービスに応じた利用制限がある場合、利用制限に基づいてサービス候補を決定する。例えば、清掃サービスでは提供される清掃施設の数や各清掃施設において清掃可能な車両の台数等の制限がある。このため、決定部525は、清掃管理サーバ700から清掃施設の利用状況に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、サービス候補を決定する。また、カーシェアサービスではシェアカーを停車あるいは駐車しておくスペースに制限がある場合がある。このため、決定部525は、配車管理サーバ900からシェアカーと停車あるいは駐車しておくスペースの利用状況に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、サービス候補を決定する。
例えば、決定部525は、通信部510を用いて車両制御装置5あるいは端末装置300にサービス候補に関する情報を送信することにより、オーナーXに対してサービス候補を通知する。サービス候補に関する情報は、サービス候補に含まれるセカンドサービスの属性を示す情報であって、例えば、サービス候補に含まれるセカンドサービスの内容、サービス候補に含まれるセカンドサービスの所要時間、サービス候補に含まれるセカンドサービスの変更のし易さを示す変更容易性などが含まれる。セカンドサービスの内容には、例えば、セカンドサービスの種類、利用する施設の地図上の位置、走行ルートのエリア、シェアカーやタクシーとして走行する際に設定される目的地などが含まれる。セカンドサービスの変更容易性は、例えば、セカンドサービスの提供中において開始当初の予定をサービスの提供側が変更する場合の柔軟性を示す情報である。例えば、サービス候補に含まれる清掃施設における利用状況が混雑していない場合では変更容易性は高く、混雑している場合では変更容易性は低い。オーナーXは、これらのセカンドサービスの属性を参考にして、複数のサービス候補の中から希望するセカンドサービスを選択することができる。決定部525は、通信部510を用いて車両制御装置5あるいは端末装置300から受信した情報に基づいて、サービス候補の中からオーナーXによって選択されたセカンドサービスを、提供サービスに決定する。
また、決定部525は、サービス条件情報532を参照して、サービス候補の中からサービス条件に最も合致するセカンドサービスを提供サービスに決定してもよい。サービス条件に最も合致するセカンドサービスには、例えば、「サービスの頻度」に定義されている頻度(オーナーXが希望する利用頻度)に対して実際の利用頻度の割合が最も低いセカンドサービス、「最小所要時間」に定義されている時間の長さと決定部525により決定されたサービス期間の長さの差が最も小さいセカンドサービス、「優先順位」に定義されている順位が最も上位のセカンドサービス、「時間帯制限」に定義されている時間帯に含まれるサービス期間が最も大きいセカンドサービス等が含まれる。また、決定部525は、サービス条件と合致する度合を複数の条件に基づいて複合的に導出し、導出した度合に基づいて提供サービスを決定してもよい。
また、決定部525は、利用履歴情報535を参照して、サービス候補の中からオーナーXの利用傾向に合致したセカンドサービスを提供サービスに決定してもよい。例えば、決定部525は、各セカンドサービスの利用傾向の高い曜日および時間帯を導出し、導出した曜日および時間帯とサービス期間との合致する部分(時間長)が最も大きいセカンドサービスを提供サービスに決定する。
決定部525は、通信部510を用いて車両制御装置5あるいは端末装置300に提供サービスに関する情報を送信し、提供サービスをサービス期間中に提供することの承諾をオーナーXに求め、オーナーXから承諾を得た場合に、提供サービスを提供するための処理を行うようにしてもよい。なお、提供サービスに関係する関係者がある場合(例えば、提供サービスのサービス期間が調整相手に関する情報に基づいて推定されている場合など)、決定部525は、提供サービスをサービス期間中に提供することの承諾を関係者に求め、関係者から承諾を得た場合に、提供サービスを提供するための処理を行うようにしてもよい。
また、決定部525は、スケジュール情報531において、サービス期間が設定されている場合(例えば、ある期間に対応付けてサービス予定に「○」やセカンドサービスの種類、利用施設名等が記述されている場合)、設定されているサービス期間における提供サービスを決定してもよい。また、サービス期間におけるセカンドサービスが事前にオーナーXにより設定されている場合、決定部525は、設定されているセカンドサービスを提供サービスに決定してもよい。
また、決定部525は、サービス期間の厳格性の設定が低い場合、利用時間がサービス期間をはみ出すセカンドサービスであっても、提供サービスに決定してもよい。
決定部525は、提供サービスの提供中において、現在時刻と自動運転車両の現在位置とに基づいて、サービス期間の終了時刻までに戻り地点に戻るために提供中のサービスの利用を終了させる時刻(以下、サービス利用終了時刻と記す)を導出する。例えば提供サービスが清掃サービスである場合、サービス利用終了時刻は、清掃施設を出発する時刻として最も遅い時刻である。提供サービスがカーシェアサービスやタクシーサービスである場合、サービス利用終了時刻は、シェアカーやタクシーとしての走行を終了する時刻である。例えば、決定部525は、自動運転車両の現在位置や目的地(例えば、清掃施設の場所、シェアカーやタクシーの客により設定された目的地)から戻り地点まで走行した場合の時間に所定の余裕時間を加算した合計時間に基づいて、セカンドサービス期間の終了時刻からサービス利用終了時刻を逆算する。なお、決定部525は、戻り地点までのルートにおける渋滞や、目的地までのルートにおける渋滞等に基づいて、サービス利用終了時刻を導出してもよい。そして、決定部525は、導出したサービス利用終了時刻を車両制御装置5に送信する。
決定部525は、サービス期間における第1行動計画を決定する。第1行動計画には、目的地、走行態様、走行スケジュール、走行ルートなどが含まれる。また、第1行動計画には、自動運転車両を走行させるための情報と、待機のために自動運転車両を停車あるいは駐車させるための情報などが含まれる。なお、第1行動計画に含まれる各項目は、セカンドサービスの種類に応じて異なるものでもよい。目的地は、セカンドサービスの提供を受けるための目的地であって、例えば、清掃施設の地図上の位置、シェアカーが停車あるいは駐車するスペースの地図上の位置、充電ステーションの地図上の位置等である。走行態様は、個人車両として走行する態様や、タクシーとして走行する態様等が含まれる。タクシーとして走行する場合、走行している途中に手を挙げるなどの乗車意思を示した客を乗車させるタクシー(以下、流しタクシーと記す)として走行する態様や、客の指定した呼び出し地点に客を拾いにいくタクシー(以下、呼び出しタクシーと記す)として走行する態様等が含まれる。走行スケジュールと走行ルートは、主にタクシーサービスにおいて設定される項目である。走行スケジュールには、各走行態様の優先順位や時間が含まれる。走行ルートには、走行エリア(駅前中心、街中中心)、優先道路(大通りを優先すること)などが含まれる。なお、決定部525は、提供サービスの提供中において(つまり、サービス期間中において)、記憶部530を参照し、第1行動計画を変更してもよい。
修正部526は、推定部524により推定された不使用期間であって、決定部525によりサービス期間に決定された不使用期間を修正する。修正部526は、セカンドサービスの提供を開始する前に不使用期間を修正してもよく、セカンドサービスの提供中において不使用期間を修正してもよい。
修正部526は、所定の修正条件を満たすか否かを判定し、修正条件を満たすと判定した場合、不使用期間を修正する。例えば、修正部526は、提供サービスの決定において参照されたオーナーXの行動(以下、第1の行動と記す)と、提供サービスの決定時の後で取得されたオーナーXの行動(以下、第2の行動と記す)との違いに基づいて、修正条件を満たすか否かを判定する。修正条件を満たすことには、例えば、第1の行動の所要時間と第2の行動の所要時間の差が所定時間以上であること、第1の行動におけるイベント数と第2の行動におけるイベント数との差が所定数以上であることなどが含まれる。イベントとは、オーナーXにより実行される事柄であって、例えば、ショッピング、美容院、食事等である。また、修正条件を満たすことには、第1の行動に対して第2の行動が乖離する要因の発生等が含まれてもよい。乖離する要因には、例えば、オーナーXによる緊急に戻るように依頼する連絡があったことなどが含まれる。
修正部526は、修正条件を満たした場合、第2の行動に基づいて不使用期間を修正する。例えば、第1の行動が「2時間のショッピング」であり、第2の行動が「3時間のショッピング」である場合、修正部526は、不使用期間を1時間延長する。
修正部526は、通信部510を用いて車両制御装置5あるいは端末装置300に修正内容に関する情報を送信し、提供サービスを変更することの承諾をオーナーX(あるいは関係者)に求め、オーナーX(あるいは関係者)から承諾を得た場合に、提供サービスを変更するようにしてもよい。
清掃管理部527は、通信部510を用いて配車管理サーバ900と通信し、オーナーXの依頼に応じた清掃施設の検索の依頼指示を送信し、検索結果を受信する。清掃管理部527は、記憶部530のサービス条件情報532を参照し、検索結果の中からサービス条件に合致する清掃施設を決定する。
配車管理部528は、記憶部530を参照し、配車管理サーバ900(あるいは客)から受け付けた配車依頼に合致する自動運転車両を検索し、検索により得られた自動運転車両に対して呼び出し情報を送信する。配車依頼に合致する自動運転車両とは、記憶部530に事前に登録されている複数の自動運転車両のうち、例えば、配車条件を満たす車両である。配車条件には、例えば、予約人数が定員以下であり、待ち合わせ時刻までに呼び出し場所に到着することが可能であり、且つ、行き先までタクシーとして走行した後にサービス期間の終了時刻までに戻り地点に戻って来られることが含まれる。また、配車条件には、サービス条件を満たすことが含まれてもよい。サービス条件を満たすことには、例えば、タクシーを呼び出した客の属性がサービス条件の利用者制限を満たすこと、行き先がエリア制限の範囲内であること等が含まれる。
呼び出し情報には、呼び出し場所、予約人数、行き先、客の属性情報(喫煙者、ペット同行者など)、客のメールアドレス、客に割り当てられた識別情報、予約番号などが含まれる。配車管理部528は、配車管理サーバ900からの配車依頼に基づいて、呼び出し情報を生成する。
充電管理部529は、通信部510を用いて充電ステーション等を管理する管理サーバ(図示せず)と通信し、オーナーXの依頼に応じた充電ステーション等の検索の依頼指示を送信し、検索結果を受信する。充電管理部529は、記憶部530のサービス条件情報532を参照し、検索結果の中からサービス条件に合致する充電ステーション等を決定する。
[車両制御装置5]
次に、車両制御装置5について説明する。図8は、実施形態に係る車両制御装置5の構成図である。車両制御装置5が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
車両制御装置5は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、ファインダ14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、車両センサ40と、ナビゲーション装置50と、MPU(Map Positioning Unit)60と、車内カメラ70と、運転操作子80と、自動運転制御装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図8に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両制御装置5が搭載される自動運転車両の任意の箇所に取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し自動運転車両の周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
レーダ装置12は、自動運転車両の周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、自動運転車両の任意の箇所に取り付けられる。レーダ装置12は、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
ファインダ14は、LIDAR(Light Detection and Ranging)である。ファインダ14は、自動運転車両の周辺に光を照射し、散乱光を測定する。ファインダ14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。ファインダ14は、自動運転車両の任意の箇所に取り付けられる。
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御装置100に出力する。物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14の検出結果をそのまま自動運転制御装置100に出力してよい。車両制御装置5から物体認識装置16が省略されてもよい。
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、自動運転車両の周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。
HMI30は、自動運転車両の乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。
車両センサ40は、自動運転車両の速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自動運転車両の向きを検出する方位センサ等を含む。
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備える。ナビゲーション装置50は、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機51は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自動運転車両の位置を特定する。自動運転車両の位置は、車両センサ40の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された自動運転車両の位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路(以下、地図上経路)を、第1地図情報54を参照して決定する。第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。地図上経路は、MPU60に出力される。ナビゲーション装置50は、地図上経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。ナビゲーション装置50は、例えば、乗員の保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから地図上経路と同等の経路を取得してもよい。
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61を含み、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された地図上経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、地図上経路に分岐箇所が存在する場合、自動運転車両が、分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように、推奨車線を決定する。
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報62には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。第2地図情報62は、通信装置20が他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。
車内カメラ70は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。車内カメラ70は、自動運転車両の車内を撮像するための任意の箇所に取り付けられる。
運転操作子80は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイール、異形ステア、ジョイスティックその他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、自動運転制御装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一部または全部に出力される。
自動運転制御装置100は、例えば、第1制御部120と、第2制御部160とを備える。第1制御部120と第2制御部160は、それぞれ、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
図9は、第1制御部120および第2制御部160の機能構成図である。第1制御部120は、例えば、認識部130と、行動計画生成部140とを備える。第1制御部120は、例えば、AI(Artificial Intelligence;人工知能)による機能と、予め与えられたモデルによる機能とを並行して実現する。例えば、「交差点を認識する」機能は、ディープラーニング等による交差点の認識と、予め与えられた条件(パターンマッチング可能な信号、道路標示などがある)に基づく認識とが並行して実行され、双方に対してスコア付けして総合的に評価することで実現されてよい。これによって、自動運転の信頼性が担保される。
認識部130は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14から物体認識装置16を介して入力された情報に基づいて、自動運転車両の周辺にある物体の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。物体の位置は、例えば、自動運転車両の代表点(重心や駆動軸中心など)を原点とした絶対座標上の位置として認識され、制御に使用される。物体の位置は、その物体の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、表現された領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。
また、認識部130は、例えば、自動運転車両が走行している車線(走行車線)を認識する。例えば、認識部130は、第2地図情報62から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される自動運転車両の周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。なお、認識部130は、道路区画線に限らず、道路区画線や路肩、縁石、中央分離帯、ガードレールなどを含む走路境界(道路境界)を認識することで、走行車線を認識してもよい。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自動運転車両の位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。また、認識部130は、一時停止線、障害物、赤信号、料金所、その他の道路事象を認識する。
認識部130は、走行車線を認識する際に、走行車線に対する自動運転車両の位置や姿勢を認識する。認識部130は、例えば、自動運転車両の基準点の車線中央からの乖離、および自動運転車両の進行方向の車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する自動運転車両の相対位置および姿勢として認識してもよい。これに代えて、認識部130は、走行車線のいずれかの側端部(道路区画線または道路境界)に対する自動運転車両の基準点の位置などを、走行車線に対する自動運転車両の相対位置として認識してもよい。
行動計画生成部140は、例えば、サービス管理装置500により管理されるサービスに応じて、サービス期間における自動運転車両の第2行動計画を生成する。第2行動計画には、自動運転車両を走行させるための情報と、待機のために自動運転車両を停車あるいは駐車させるための情報などが含まれる。なお、第1行動計画は、サービスを実行するために決定される大まかな行動計画であって、第2行動計画は、自動運転車両を走行あるいは停止させための詳細な行動計画である。第2行動計画には、イベント決定部142により決定される自動運転のイベントや、目標軌道生成部144により生成される目標軌道などが含まれる。
行動計画生成部140は、例えば、イベント決定部142と、目標軌道生成部144と、サービス管理制御部146とを備える。イベント決定部142は、推奨車線が決定された経路において自動運転のイベントを決定する。イベントは、自動運転車両の走行態様を規定した情報である。自動運転のイベントには、定速走行イベント、低速追従走行イベント、車線変更イベント、分岐イベント、合流イベント、テイクオーバーイベントなどがある。また、イベント決定部142は、自動運転車両が走行している際に認識部130により認識された周辺の状況に応じて、既に決定したイベントを他のイベントに変更したり、新たにイベントを決定したりしてよい。
目標軌道生成部144は、原則的には推奨車線決定部61により決定された推奨車線を自動運転車両が走行し、更に、自動運転車両が推奨車線を走行する際に周辺の状況に対応するため、イベントにより規定された走行態様で自動運転車両を自動的に(運転者の操作に依らずに)走行させる将来の目標軌道を生成する。目標軌道には、例えば、将来の自動運転車両の位置を定めた位置要素と、将来の自動運転車両の速度等を定めた速度要素とが含まれる。例えば、目標軌道生成部144は、イベント決定部142により起動されたイベントに応じた目標軌道を生成する。
例えば、目標軌道生成部144は、自動運転車両が順に到達すべき複数の地点(軌道点)を、目標軌道の位置要素として決定する。軌道点は、所定の走行距離(例えば数[m]程度)ごとの自動運転車両の到達すべき地点である。所定の走行距離は、例えば、経路に沿って進んだときの道なり距離によって計算されてよい。
また、目標軌道生成部144は、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度を、目標軌道の速度要素として決定する。また、軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における自動運転車両の到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度は、サンプリング時間および軌道点の間隔によって決定される。目標軌道生成部144は、生成した目標軌道を示す情報を、第2制御部160に出力する。
サービス管理制御部146は、サービス管理装置500により決定されたサービス期間において自動運転車両を走行させ、サービス期間の終了時刻までに戻り地点に戻るように自動運転車両を走行させる。例えば、サービス管理制御部146は、サービス管理装置500による指示に従って(あるいは、サービス管理装置500により作成された第1行動計画に従って)、自動運転車両を、清掃施設、タクシーの呼び出し場所、充電ステーション等に向けて走行させる。ここで、サービス管理制御部146は、ナビゲーション装置50に指示して、例えばサービス管理装置500から受信した第1行動計画に基づいて目的地までの経路を決定させる。これにより、MPU60は推奨車線を決定したり、イベント決定部142がイベントを決定したり、目標軌道生成部144が目標軌道を生成したりする。このような処理により第1制御部120から出力される情報に基づいて第2制御部160が各装置を制御することにより、自動運転車両は、第1行動計画に従って走行することができる。
また、サービス管理制御部146は、サービス管理装置500から受信したサービス利用終了時刻に基づいて、サービス利用終了時刻になったか否かを監視する。サービス利用終了時刻となった場合(ちょうどその時刻、またはその時刻を経過した場合、以下同じ)、サービス管理制御部146は、サービスを終了あるいは中断させ、自動運転車両を戻り地点に向けて走行させる。
このように、行動計画生成部140は、サービス管理装置500により指示された第1行動計画に従って自動運転車両を走行あるいは停止等させるための第2行動計画を生成することができる。例えば、サービス管理制御部146は、清掃施設までの最適な経路に沿って自動運転車両を走行させ、清掃施設での清掃が終了した場合、戻り地点までの最適な経路に沿って自動運転車両を走行させる。また、サービス管理制御部146は、客からの呼び出しがあるまで流しタクシーとして自動運転車両を走行させ、客からの呼び出しがあった場合に呼び出しタクシーとして自動運転車両を走行させてもよい。また、サービス管理制御部146は、流しタクシーとして走行している状況において客が捕まらない期間が所定期間以上となった場合、タクシーとしての走行を一端終了させ、戻り時間まで駐車場に自動運転車両を駐車させてもよい。
第2制御部160は、行動計画生成部140によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに自動運転車両が通過するように、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220を制御する。
図9に戻り、第2制御部160は、例えば、取得部162と、速度制御部164と、操舵制御部166とを備える。取得部162は、行動計画生成部140により生成された目標軌道(軌道点)の情報を取得し、メモリ(不図示)に記憶させる。速度制御部164は、メモリに記憶された目標軌道に付随する速度要素に基づいて、走行駆動力出力装置200またはブレーキ装置210を制御する。操舵制御部166は、メモリに記憶された目標軌道の曲がり具合に応じて、ステアリング装置220を制御する。速度制御部164および操舵制御部166の処理は、例えば、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせにより実現される。一例として、操舵制御部166は、自動運転車両の前方の道路の曲率に応じたフィードフォワード制御と、目標軌道からの乖離に基づくフィードバック制御とを組み合わせて実行する。
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECUとを備える。ECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、第2制御部160から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
[シーケンス図]
以下、実施形態の車両制御システム1による一連の処理の流れを、シーケンス図を用いて説明する。図10は、実施形態の車両制御システム1による一連の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。例えば、本シーケンス図の処理は、所定の周期で繰り返し行われてよい。
まず、オーナーXが端末装置300を用いて、自動運転車両の使用スケジュールを入力する(ステップS1)。端末装置300は、オーナーXによる操作に基づいて、自動運転車両の使用スケジュールを示す情報を、ネットワークNWを介してサービス管理装置500に送信する(ステップS2)。また、オーナーXは、車両制御装置5のHMI30を用いて自動運転車両の使用スケジュールを入力してもよい(ステップS3)。車両制御装置5は、オーナーXによる操作に基づいて、自動運転車両の使用スケジュールを示す情報を、ネットワークNWを介してサービス管理装置500に送信する(ステップS4)。サービス管理装置500は、端末装置300あるいは車両制御装置5から受信した情報に基づいて、記憶部530のスケジュール情報531を更新する(ステップS5)。
次いで、オーナーXは、端末装置300を用いて、自動運転車両についてのサービス条件を入力する(ステップS6)。端末装置300は、オーナーXによる操作に基づいて、サービス条件を示す情報を、ネットワークNWを介してサービス管理装置500に送信する(ステップS7)。また、オーナーXは、車両制御装置5のHMI30を用いて自動運転車両についてのサービス条件を入力してもよい(ステップS8)。車両制御装置5は、オーナーXによる操作に基づいて、サービス条件を示す情報を、ネットワークNWを介してサービス管理装置500に送信する(ステップS9)。サービス管理装置500は、受信した情報に基づいて、記憶部530のサービス条件情報532を更新する(ステップS10)。
次いで、サービス管理装置500は、スケジュール補充処理を実行し、作成された補充スケジュールに基づいてスケジュール情報531を更新する(ステップS21)このスケジュール補充処理の詳細については後述する。サービス管理装置500は、不使用期間を推定する不使用期間推定処理を実行する(ステップS22)。この不使用期間推定処理の詳細については後述する。そして、サービス管理装置500は、サービス決定処理を実行する(ステップS23)。このサービス決定処理の詳細については後述する。
次いで、サービス決定処理により決定された提供サービスの開始時刻の所定時間前になったか否かを判定する(ステップS31)。提供サービスの開始時刻の所定時間前になった場合、サービス管理装置500は、提供サービスを提供するための処理を開始し、車両制御装置5に対して各種指示を送信する(ステップS32)。車両制御装置5は、サービス管理装置500から受信した指示に基づいて、自動運転車両を制御する(ステップS33)。
提供サービスの提供中において、サービス管理装置500は、見直し処理を実行する(ステップS34)。この見直し処理において修正条件を満たす場合、サービス管理装置500は、提供サービスの内容を修正し、修正内容を車両制御装置5に送信する(ステップS35)。車両制御装置5は、サービス管理装置500から受信した修正内容に基づいて、自動運転車両を制御する(ステップS36)。
[処理フロー]
以下、実施形態のサービス管理装置500による各処理の流れを、フローチャートを用いて説明する。図11は、サービス管理装置500によるスケジュール補充処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、各自動運転車両について行われる。
スケジュール管理部521は、スケジュール情報531を参照し、オーナーXの過去のスケジュールに基づいてオーナーXの行動パターンを推定する(ステップS101)。スケジュール管理部521は、スケジュール情報531が示すスケジュールにおいて予定の入っていない期間に対して、推定した行動パターンに基づく登録漏れ予定を作成する(ステップS103)。ステップS103において、予定の入っていない期間において補充する予定がない場合、スケジュール管理部521は、登録漏れ予定を作成しなくてもよい。ステップS103において、登録漏れ予定が作成された場合(ステップS105)、スケジュール管理部521は、作成された登録漏れ予定を補充スケジュールとして、スケジュール情報531に登録する(ステップS107)。
次いで、スケジュール管理部521は、スケジュール情報531を参照し、オーナーXと関連性のあるユーザの過去のスケジュールに基づいて、登録漏れ予定を作成する(ステップS109)。ステップS109において、予定の入っていない期間において補充する予定がない場合、スケジュール管理部521は、登録漏れ予定を作成しなくてもよい。ステップS109において、登録漏れ予定が作成された場合(ステップS111)、スケジュール管理部521は、作成された登録漏れ予定を補充スケジュールとして、スケジュール情報531に登録する(ステップS113)。
次いで、スケジュール管理部521は、スケジュール情報531、オーナーステータス情報536、属性情報537等を参照し、推奨予定を作成する(ステップS115)。ステップS115において、予定の入っていない期間におけるおススメの予定がない場合、スケジュール管理部521は、推奨予定を作成しなくてもよい。ステップS115において、推奨予定が作成された場合(ステップS117)、スケジュール管理部521は、作成された推奨予定を補充スケジュールとして、スケジュール情報531に登録する(ステップS119)。
次に、実施形態のサービス管理装置500による不使用期間推定処理の流れを、フローチャートを用いて説明する。図12は、サービス管理装置500による不使用期間推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、各自動運転車両の各対象期間について行われる。
まず、推定部524は、対象期間の推定タイミングであるか否かを判定する(ステップS201)。推定タイミングには、例えば、所定の時刻、オーナーXが自動運転車両から降車したタイミング、オーナーXにより指定された降車時刻の所定時間前になったタイミング、セカンドサービスの提供がオーナーXにより希望されたタイミングなどが含まれる。対象期間には、例えば、翌日の午前中、降車した後の12時間、セカンドサービスの提供が希望された時から12時間などが含まれる。
推定タイミングになった場合、推定部524は、スケジュール情報531を参照し、対象期間に関連する登録スケジュール(オーナー予定とサービス予定とを含む)があるか否かを判定する(ステップS203)。「対象期間に関連する登録スケジュール」は、対象期間内であってもよく、対象期間の前後の所定期間を含む期間に予定されているスケジュールであってもよい。対象期間に関連する登録スケジュールがある場合、推定部524は、その登録スケジュールを参照情報に含める(ステップS205)。
次いで、推定部524は、スケジュール情報531を参照し、対象期間に関連する補充スケジュールがあるか否かを判定する(ステップS207)。対象期間に関連する補充スケジュールがある場合、推定部524は、その補充スケジュールを参照情報に含める(ステップS209)。
次いで、推定部524は、対象期間におけるオーナーXの行動を推定できるか否かを判定する(ステップS211)。オーナーXの行動を推定できる場合、推定部524は、推定されたオーナーXの行動を参照情報に含める(ステップS213)。
次いで、推定部524は、オーナーXの行動パターンを取得し、対象期間に関連する行動パターンがあるか否かを判定する(ステップS215)。対象期間に関連する行動パターンがある場合、推定部524は、その行動パターンを参照情報に含める(ステップS217)。
次いで、推定部524は、スケジュール情報531を参照し、対象期間における予定を調整する必要のある調整相手がいるか否かを判定する(ステップS219)。調整相手がいる場合、推定部524は、調整相手に関する情報を参照情報に含める(ステップS221)。そして、推定部524は、参照情報に基づいて、不使用期間を推定する(ステップS223)。
次に、実施形態のサービス管理装置500によるサービス決定処理の流れを、フローチャートを用いて説明する。図13は、サービス管理装置500によるサービス決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、各自動運転車両について行われる。
決定部525は、所定のタイミングになった場合、サービス期間を決定する(ステップS301)。所定のタイミングは、例えば、スケジュール情報531が更新されたタイミングや、予め設定された指定時刻(毎日午前2時)になったタイミング等である。サービス期間が決定された場合、決定部525は、決定したサービス期間におけるセカンドサービスの種類がオーナーXにより設定されているか否かを判定する(ステップS303)。サービス期間におけるセカンドサービスの種類が例えば自動運転車両の使用スケジュールにおいて指定されている場合、決定部525は、指定されている種類のセカンドサービスを提供サービスに決定し(ステップS305)、決定した提供サービスに応じた第1行動計画を決定する(ステップS307)。決定部525は、決定した提供サービスや第1行動計画に関する情報を、記憶部530の利用履歴情報535に登録する。
ステップS303において、サービス期間におけるセカンドサービスの種類が設定されていない場合、決定部525は、サービス期間における一以上のサービス候補を決定する(ステップS309)。そして、決定部525は、サービス候補を示す情報を端末装置300あるいは車両制御装置5に送信し、オーナーXに通知する(ステップS311)。次いで、決定部525は、サービス候補の中のいずれかがオーナーXにより選択されたか否かを判定する(ステップS313)。サービス候補の中のいずれかを示す情報を端末装置300あるいは車両制御装置5から受信した場合、決定部525は、オーナーXにより選択されたサービス候補を提供サービスに決定し(ステップS315)、決定した提供サービスに応じた第1行動計画を決定する(ステップS307)。
ステップS313において、サービス候補をオーナーXに通知してから所定時間内に、サービス候補の中のいずれかがオーナーXにより選択されなかった場合、サービス管理装置500は、自動設定が有効であるか否かを判定する(ステップS317)。自動設定が有効であるとは、決定部525が最適なセカンドサービスを提供サービスに決定することをオーナーXが承諾していることを示す。自動設定が有効である場合、決定部525は、例えばサービス候補の中からサービス条件に最も合致するセカンドサービスを提供サービスに決定し(ステップS319)、決定した提供サービスに応じた第1行動計画を決定する(ステップS307)。
次に、実施形態のサービス管理装置500によるサービス決定処理の他の例について説明する。図14は、サービス管理装置500によるサービス決定処理の他の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、各自動運転車両について行われる。
まず、推定部524は、それぞれ長さが異なる複数の不使用期間候補を推定する(ステップS401)。例えば、推定部524は、オーナーXが自動運転車両を降車する時刻から2時間のコース、4時間のコース、6時間のコースなどの不使用期間候補を推定する。次いで、決定部525は、ステップS401において推定された不使用期間候補ごとに、サービス候補を決定し(ステップS403)、サービス候補を示す情報を端末装置300あるいは車両制御装置5に送信し、オーナーXに通知する(ステップS405)。
次いで、決定部525は、サービス候補の中のいずれかがオーナーXにより選択されたか否かを判定する(ステップS407)。サービス候補の中のいずれかを示す情報を端末装置300あるいは車両制御装置5から受信した場合、決定部525は、オーナーXにより選択されたサービス候補を提供サービスに決定し(ステップS409)、決定した提供サービスに応じた第1行動計画を決定する(ステップS411)。
なお、詳細な説明は省略するが、決定部525は、ステップS403において決定されたサービス候補の中からサービス条件に最も合致するセカンドサービスを、提供サービスに決定してもよい。
次に、実施形態のサービス管理装置500による見直し処理の流れを、フローチャートを用いて説明する。図15は、サービス管理装置500による見直し処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、各自動運転車両について行われる。
まず、修正部526は、提供中の提供サービスについて見直しタイミングになったか否かを判定する(ステップS501)。見直しタイミングには、例えば、所定の時刻、オーナーステータス情報536が更新されたタイミングなどが含まれる。見直しタイミングになった場合、修正部526は、スケジュール情報531やオーナーステータス情報536などを参照して、提供中の提供サービスを決定した際に参照された第1の行動を取得する(ステップS503)。次いで、修正部526は、スケジュール情報531やオーナーステータス情報536などを参照して、現時点におけるオーナーXの行動を取得(あるいは推定)し、第1の行動とする(ステップS505)。
次いで、修正部526は、第1の行動と第2の行動とに基づいて、修正条件を満たすか否かを判定する(ステップS507)。修正条件を満たすと判定した場合、修正部526は、第2の行動に基づいて不使用期間を修正する(ステップS509)。そして、決定部525は、修正部526により修正された不使用期間に基づいて第1行動計画を変更する(ステップS511)。
以上説明した実施形態によれば、ユーザによる自動運転車両の使用スケジュールを含む参照情報に基づいて、前記ユーザが前記自動運転車両を使用しない不使用期間を推定し、推定した前記不使用期間において、前記ユーザが前記自動運転車両を使用しない状態で提供される所定のサービスを管理するサービス管理部520と、前記サービス管理部により管理される前記所定のサービスに応じて、前記自動運転車両を自動的に走行させるサービス管理制御部146と、を備えることにより、自動運転車両をオーナー以外の利用者に幅広く利用させることができる。
[ハードウェア構成]
図16は、実施形態の自動運転制御装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図示するように、自動運転制御装置100は、通信コントローラ100−1、CPU100−2、ワーキングメモリとして使用されるRAM100−3、ブートプログラムなどを格納するROM100−4、フラッシュメモリやHDDなどの記憶装置100−5、ドライブ装置100−6などが、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。通信コントローラ100−1は、自動運転制御装置100以外の構成要素との通信を行う。記憶装置100−5には、CPU100−2が実行するプログラム100−5aが格納されている。このプログラムは、DMA(Direct Memory Access)コントローラ(不図示)などによってRAM100−3に展開されて、CPU100−2によって実行される。これによって、第1制御部120および第2制御部160のうち一部または全部が実現される。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、サービス管理装置500または車両制御装置5の少なくとも一方は、位置情報533に基づいて、自動運転車両の戻り地点を決定してもよい。例えば、オーナー位置情報に基づいて、オーナーXがショッピングモールから移動した場合、決定部525は、オーナーXの移動後の位置を戻り地点に決定してもよい。
サービス管理装置500のサービス管理部520の一部または全部や、記憶部530が格納する各情報の一部または全部を車両制御装置5に搭載してもよく、車両制御装置5が備えるサービス管理制御部146の一部または全部をサービス管理装置500が備えていてもよい。つまり、サービス管理制御部146により管理される所定のサービスに応じて、自動運転車両を自動的に走行させる「制御部」には、サービス管理部520またはサービス管理制御部146の少なくとも一方が含まれる。
また、セカンドサービスは、上述したサービスに限られず、例えば、より安い駐車場を検索して駐車させるサービスや、自宅に一度帰ってから迎えに来るサービスや、大人たちを会社に下した後に、子供たちを塾に送るサービスなどであってもよい。