JP3712191B2 - 車両用走行支援装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検出した自車の走行状態や周囲の障害物が存在する場合に、ドライバ(乗員)に対する警報出力や危険回避のための運転支援動作を行なう車両用走行支援システムの分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、代表的な車両である自動車の分野においては、自車が危険な走行状態に陥ることを未然に防止すべく、危険回避のための警報出力や回避動作を自動的に行なう運転支援システムが提案されており、このシステムでは、警報出力や回避動作の制御状態を決定するために、道路側に設けられた設備から取得した各種情報や撮影画像に基づいて、自車の走行状態や前方障害物の存在を検出している。
【0003】
また、近年においては、事故発生時または緊急時に、検出した衝撃の大きさやドライバのスイッチ操作に応じて、現在位置情報を含む救難信号を自車から発信することにより、所定の外部機関に対して自動的な緊急通報を行なう車両用自動通報(Mayday)システムが提案されている。
【0004】
上記従来の車両用自動通報システムによれば、ドライバは、非常時に複雑な判断を強いられることなく、緊急時の通報が自動的に行われるので、利便性が高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のMaydayシステムにおいては、例えば、山岳道路等のように、係るシステムのサービス提供エリア外に自車が位置する場合には、所定の外部機関に対する自動通報が必要な状況が発生した場合であっても、通報を行なえないことがある。
【0006】
また、Maydayシステムにおいて、外部機関への通報用の通信機として、携帯電話の通信網を利用する場合には、自車が通信エリアの圏外に位置する場合には、上記の場合と同様に、自動通報が必要な状況が発生した場合であっても、通報を行なえないことがある。
【0007】
更に、携帯電話の通信網を外部機関への通報用の通信機として利用するMaydayシステムにおいては、その携帯電話を乗員が所持しないで出かけた場合、或いは当該携帯電話をMaydayシステム用の車載制御ユニットへの接続を忘れている場合には、自動通報が必要な状況が発生した場合であっても、通報は行なえない。
【0008】
このように、自車にMaydayシステムが搭載されてはいるものの、上記の何れの場合においても、緊急事態の発生に際して、外部機関に対して自動的に支援を要請することはできないため、できる限り事故発生や緊急事態の発生を未然に防ぐ予防保全が重要となるが、従来の運転支援システムでは、このような状況に効果的に対処することはできない。
【0009】
また、自車に搭載されているMaydayシステムは機能している場合であっても、例えば山岳道路を走行している場合のように、緊急事態の発生に際して、外部機関に対して自動的に支援を要請してから実際に救急車等が到着し、乗員が救助を受けられるまでに時間を要することは問題であり、このような状況下においても、やはり、できる限り事故発生や緊急事態の発生を未然に防ぐ予防保全が重要となるが、従来の運転支援システムでは、このような状況に効果的に対処することはできない。
【0010】
そこで、本発明は、自動通報システムによる自動通報が行なえない状況、或いは自動通報後の救援活動の提供までに時間を要する状況下において、緊急事態が発生する可能性を低減すべく、危険回避のための警報出力や運転支援をより積極的に行なう車両用運転支援装置の提供の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る車両用走行支援装置は、以下の構成を特徴とする。
【0012】
即ち、危険回避のための警報出力及び/または運転支援動作を制御する制御手段を備える車両用走行支援装置であって、
前記制御手段は、自動通報システムによる緊急事態発生時の外部機関に対する自動通報が行なえない場合に、前記警報出力及び/または運転支援動作を実行するに際して、その自動通報が可能な場合と比較して、実行タイミングの早期化または制御出力を増大することを特徴とする。
【0013】
好適な実施形態において、前記自動通報が行なえない場合は、前記自動通報システムが故障した場合、前記自動通報システムが利用する通信装置の通信可能エリア外に自車が位置する場合、或いは該通信装置が未接続の場合であると良い。
【0014】
また、同目的を達成するため、本発明に係る車両用走行支援装置は、以下の構成を特徴とする。
【0015】
即ち、危険回避のための警報出力及び/または運転支援動作を制御する制御手段を備える車両用走行支援装置であって、
自動通報システムによる緊急事態発生時の外部機関に対する自動的な通報がなされてから、救援活動が提供されるまでに要する所要時間を推定する推定手段を備え、
前記制御手段は、前記推定手段によって推定された所要時間が所定時間より長い場合に、その推定された所要時間が該所定時間より短い場合と比較して、前記警報出力及び/または運転支援動作を実行するに際して、実行タイミングの早期化または制御出力を増大することを特徴とする。
【0016】
好適な実施形態において、前記推定手段は、自車の現在位置と、その現在位置に従って地図データベースを検索することによって取得した最寄りの医療施設の所在地とに基づいて、前記所要時間を推定すると良い。
【0017】
また、例えば前記推定手段は、自車の現在位置と、その現在位置に従って地図データベースを検索することによって取得したところの、最寄りの救援車両の出動拠点の所在地とに基づいて、前記所要時間を推定すると良い。
【0018】
尚、上記の何れの装置構成においても、好ましくは、前記制御手段によって前記実行タイミングの早期化または制御出力が増大されたことを、乗員に報知する報知手段を更に備えると良い。この場合、前記報知手段は、更に、前記制御手段によって前記実行タイミングの早期化または制御出力が増大された理由を、乗員に報知すると良い。
【0019】
また、更に好ましくは、前記制御手段によって前記実行タイミングの早期化または制御出力が増大された状態において、前記警報出力及び/または運転支援動作が実行されることを、乗員に報知する報知手段を備えると良い。
【0020】
【発明の効果】
上記の本発明によれば、自動通報システムによる自動通報が行なえない状況、或いは自動通報後の救援活動の提供までに時間を要する状況下において、緊急事態が発生する可能性を低減すべく、危険回避のための警報出力や運転支援をより積極的に行なう車両用運転支援装置の提供が実現する。
【0021】
即ち、請求項1の発明によれば、自動通報システムによる自動通報が行なえない状況(例えば、自動通報システムが故障した場合、自動通報システムが利用する通信装置の通信可能エリア外に自車が位置する場合、或いは該通信装置が未接続の場合:請求項3)においては、警報出力及び/または運転支援動作が実行される際に、実行タイミングの早期化または制御出力が増大されるので、より積極的な運転支援が行われることにより、係る状況において緊急事態が発生してしまい、外部機関に対して救援を要請できない状態に陥る可能性を軽減することができる。
【0022】
また、請求項2の発明によれば、自動通報システムによる自動通報から、救援活動が提供されるまでに要する所要時間が長いと予想される状況においては、警報出力及び/または運転支援動作が実行される際に、実行タイミングの早期化または制御出力が増大されるので、より積極的な運転支援が行われることにより、係る状況において緊急事態が発生してしまい、救助を受けるまでに長時間待つ状態に陥る可能性を軽減することができる。
【0023】
また、請求項4の発明によれば、自車の現在位置の最寄りの医療施設の所在地(例えば病院等)までの所要時間が推定されるので、救援活動が提供されるまでの所要時間を合理的に推定することができる。
【0024】
また、請求項5の発明によれば、自車の現在位置の最寄りの救援車両の出動拠点の所在地(例えば消防署等)までの所要時間が推定されるので、救援活動が提供されるまでの所要時間を合理的に推定することができる。
【0025】
また、請求項6の発明によれば、乗員は、実行タイミングの早期化または制御出力が増大されたことを認識することができるので、運転操作に対する精神的な負担を負うことなく、より慎重に、安定した走行を続けることができ、緊急事態の発生する可能性をより軽減することができる。
【0026】
また、請求項7の発明によれば、乗員は、実行タイミングの早期化または制御出力が増大された理由を認識することができるので、現時点で緊急事態が発生した場合の状況を想定することができ、より慎重に、安定した走行を続けることができ、緊急事態の発生する可能性をより軽減することができる。
【0027】
また、請求項8の発明によれば、警報出力及び/または運転支援動作が実行された場合に、通常時とは異なり、実行タイミングが早期化されている場合であっても、或いは、制御出力が増大されたことによってより積極的な運転支援のための介入がなされた場合であっても、乗員がそのことによって違和感を感じることを防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用走行支援装置の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における車両用走行支援装置のシステム構成図である。
【0030】
同図において、AHS制御ユニット11は、検出した自車の走行状態、並びに道路設備(所謂、インフラ)側から受信した各種情報に応じて、ドライバ(乗員)に対する警報出力や危険回避のための運転支援動作の制御を行なうAHS(Advanced Cruise-assist Highway System)用の制御ユニットである。
【0031】
本実施形態において、AHS制御ユニット11には、車速センサ12によって検出された自車速、AHS用車載アンテナ16を介して路車間通信機15が受信した情報、並びにナビゲーションユニット22からの情報が入力される。そして、AHS制御ユニット11は、入力されたこれらの情報に基づいて、ディスプレイ13及び/またはスピーカ19を利用してドライバに対する警告を行なうと共に、危険回避のためにドライバの運転支援を行なうべく、アクチュエータ(例えば自動変速機、ブレーキ等)20の動作を制御する。
【0032】
尚、危険回避のためにAHS制御ユニット11が行なう制御処理自体は、本願の本質ではないので、詳細な説明は省略する。
【0033】
ここで、ナビゲーションユニット22は、不図示の地図データベースを備えており、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)センサ21によって検出された現在位置情報等に基づいて、所望の目的地への経路誘導等を行なう一般的な装置であって、本実施形態では、AHS制御ユニット11に対して、検出した現在位置に関する情報や、その周辺に存在する救急施設(消防署、病院、警察等)の所在位置に関する情報等を提供する。
【0034】
また、AHS用車載アンテナ16を利用して受信すべき信号は、路側アンテナ104を介して、AHS基地局103によって送出される。
【0035】
自動通報(Mayday)制御ユニット17は、加速度(G)センサ14によって検出された衝撃の大きさが所定のしきい値より大きい場合、或いは乗員によって緊急用の操作スイッチが操作された場合に、当該制御ユニットと一体または着脱可能な別体の通信装置(例えば携帯電話)の動作を制御することにより、自動通報用車載アンテナ18から、所定の救援信号を送出する。好適な実施形態において、この救援信号には、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)センサによって検出された現在位置情報が含まれる。
【0036】
自動通報用車載アンテナ18から送信された救援信号は、路側アンテナ102を介して、自動通報基地局101に受信される。
【0037】
そして、AHS制御ユニット11は、車両の走行中に危険回避のための一般的な警報出力及び/または運転支援動作を行うと共に、更に、本実施形態における特徴的な動作として、Mayday制御ユニット17を利用した緊急時の自動通報が不可能である場合には、係る警報出力及び/または運転支援動作の増強化処理を行う。
【0038】
図2は、第1の実施形態においてAHS制御ユニット11が行なう警報出力及び/または運転支援動作の増強化処理を示すフローチャートであり、当該制御ユニット11に備えられた不図示のCPUが実行する処理手順を表わす。
【0039】
同図において、ステップS1:今回の制御周期において緊急自体(事故発生時、緊急用操作スイッチの操作)が発生した場合に、Mayday制御ユニット17を利用した自動通報が不可能であるかを判断し、自動通報が可能である場合にはステップS2に進み、自動通報が不可能である場合にはステップS3に進む。
【0040】
本実施形態において、自動通報が不可能な場合とは、
・ナビゲーションユニット22によって検出された自車の現在位置が、Mayday制御ユニット17に一体または別体の通信装置の通信可能エリアの圏外である場合(Maydayシステムとして専用の通信網を有する場合であって、そのサービス提供エリア外に自車が位置する場合を含む)、
・Mayday制御ユニット17の故障または当該制御ユニットに一体または別体の通信装置の故障が検出されたことを表わす通報不能フラグFLを、AHS制御ユニット11にて受信した場合、
・Mayday制御ユニット17とは別体の通信装置(例えば携帯電話)が、当該制御ユニットに接続されていないことを表わす通報不能フラグFLを、AHS制御ユニット11にて受信した場合、
等が挙げられる。
【0041】
ステップS2:Mayday制御ユニット17を利用した自動通報が可能であるとステップS1にて判断されたため、この場合、今回の制御周期において緊急事態が検出されれば、所定の手順で、外部の機関に対して自動的な救援信号の送信が可能である。そこで、本ステップでは、AHS制御ユニット11の動作モードまたは警報出力及び/または運転支援動作のための各種パラメータを、通常のデフォルト値に設定する。
【0042】
ステップS3:Mayday制御ユニット17を利用した自動通報が不可能であるとステップS1にて判断されたため、この場合、今回の制御周期において緊急自体が検出されても、自動通報による救援の要請を行なうことができない。そこで、本ステップでは、AHS制御ユニット11の動作モードまたは警報出力及び/または運転支援動作のための各種パラメータを、上記のデフォルト値とは異なる値に設定する。
【0043】
ステップS4:ステップS2またはステップS3にて設定された動作モードまたは各種パラメータに基づいて、ディスプレイ13及びスピーカ19を利用したドライバに対する警報出力及び危険回避のためのアクチュエータ20の動作を制御し、ステップS1にリターンする。ここで、ステップS3においてデフォルト値とは異なる動作モードまたはパラメータが設定されている場合、ステップS4における制御出力では、作動タイミングの早期化、制御ゲインの増大補正、或いは警報音量の増大等がなされる。
【0044】
<第1の実施形態の変形例>
本変形例では、上述した第1の実施形態の構成に加えて、上記の如くステップS3(図2)において増強化を行なった場合には、ステップS4における警報出力及び/または運転支援の実行の有無に関らずに、ディスプレイ13による表示及び/またはスピーカ19による音声を利用して、乗員に対して、警報出力及び危険回避動作が増強化されている旨を報知する。このような構成を採用すれば、乗員は、実行タイミングの早期化または制御出力が増大されたことを認識することができるので、運転操作に対する精神的な負担を負うことなく、より慎重に、安定した走行を続けることができ、緊急事態の発生する可能性をより軽減することができる。
【0045】
更に、好適な実施形態においては、ステップS3において増強化を行なった原因、即ちステップS1において自動通報が不可能であると判定された理由(例えば、当該通信装置の通信エリア圏外であること等)も乗員に報知すると良い。このような構成を採用すれば、乗員は、実行タイミングの早期化または制御出力が増大された理由を認識することができるので、現時点で緊急事態が発生した場合の状況を想定することができ、より慎重に、安定した走行を続けることができ、緊急事態の発生する可能性をより軽減することができる。
【0046】
そして、係る増強化がなされている状況において、ステップS4にて実際に警報出力及び/または運転支援を実行することになった場合には、その旨を、ディスプレイ13による表示及び/またはスピーカ19による音声を利用して、乗員に対して報知する。このような構成を採用すれば、警報出力及び/または運転支援動作が実行された場合に、通常時とは異なり、実行タイミングが早期化されている場合であっても、或いは、制御出力が増大されたことによってより積極的な運転支援のための介入がなされた場合であっても、乗員がそのことによって違和感を感じることを防止することができる。
【0047】
このように、第1の実施形態及びその各変形例によれば、Mayday制御ユニット17を利用した自動通報が行なえない状況下においては、作動タイミングの早期化、制御出力(アクチュエータ20の制御量)の増大、或いは警報音量の増大がなされることによって、危険回避のための警報出力や運転支援を、通常時よりも、より積極的に行なうので、係る状況において緊急事態が発生してしまい、外部機関に対して救援を要請できない状態に陥る可能性を軽減することができる。
【0048】
[第2の実施形態]
次に、上述した第1の実施形態に係る車両用走行支援装置を基本とする第2の実施形態を説明する。以下の説明においては、第1の実施形態と同様な構成については重複する説明を省略し、本実施形態における特徴的な部分を中心に説明する。
【0049】
本実施形態では、上述した図1に示すシステム構成を備える車両において、AHS制御ユニット11は、Mayday制御ユニット17を利用した自動通報が行われてから、乗員に対して何等かの救援活動が実際に行われるまでの所要時間(例えば、自動通報後に、現在位置に救急車が到着してから乗員が周辺の病院(医療施設)に運ばれるまでの予想時間)を推定すると共に、その推定所要時間Tが所定時間よりも長い場合には、第1の実施形態と同様な動作モードまたは各種パラメータの変更による警報出力及び/または運転支援の増強化を行う。
【0050】
図3は、第2の実施形態においてAHS制御ユニット11が行なう警報出力及び/または運転支援動作の増強化処理を示すフローチャートであり、当該制御ユニット11に備えられた不図示のCPUが実行する処理手順を表わす。
【0051】
同図において、ステップS11,ステップS12:今回の制御周期においてMayday制御ユニット17を利用した自動通報が行われた場合に、乗員に対して何等かの救援活動が実際に行われるまでの所要時間Tを推定し(ステップS11)、その推定所要時間Tが所定時間より長いかどうかを判断する(ステップS12)。
【0052】
ここで、ステップS11における推定所要時間Tの算出方法について説明する。
【0053】
推定所要時間Tを算出するには、ナビゲーションユニット22の地図データベース(不図示)を検索することにより、自車の現在位置から最も近い場所にある病院の所在地との経路(道のり)を求め、その距離を救急車(救援車両)が移動する時間を推定する。尚、地図データベースから最寄りの病院の所在地を検索するに際しては、病院の代わりに、最寄りの救急車の出動拠点(一般には消防署)の所在地を検索して、或いは両者を検索してもよい。本実施形態では、救援活動が提供されるまでの推定所要時間Tを算出するに際して、自車の現在位置の最寄りの病院等の医療施設、或いは最寄りの消防署等の救援車両の出動拠点を対象として設定しているので、合理的である。
【0054】
このとき、移動に要する推定時間Tは、T=L/Vave なる計算式によってする。但し、Lは自車の現在位置から最寄りの病院までの経路長であり、Vaveは平均巡航速度(例えば30Km/hとする)である。
【0055】
また、自車の現在位置から最寄りの病院までの経路中において、渋滞の有無と渋滞の長さが検出できる場合に、移動に要する推定時間Tは、T=L1/V1+L2/V2 なる計算式によってする。但し、L1は自車の現在位置から最寄りの病院までの経路のうち、渋滞していない経路の長さであり、L2は当該経路のうち、渋滞している経路の長さである。また、V1は渋滞していないときの平均巡航速度(例えば30Km/hとする)であり、V2は渋滞しているときの平均巡航速度(例えば10Km/hとする)である。
【0056】
ステップS13:ステップS12において推定所要時間Tが所定時間より短いと判断されたので、本ステップでは、AHS制御ユニット11の動作モードまたは警報出力及び/または運転支援動作のための各種パラメータを、通常のデフォルト値に設定する。
【0057】
ステップS14:ステップS12において推定所要時間Tが所定時間より長いと判断され、この場合は好ましい状況ではない。そこで、本ステップでは、AHS制御ユニット11の動作モードまたは警報出力及び/または運転支援動作のための各種パラメータを、上記のデフォルト値とは異なる値に設定する。
【0058】
ステップS15:ステップS13またはステップS14にて設定された動作モードまたは各種パラメータに基づいて、ディスプレイ13及びスピーカ19を利用したドライバに対する警報出力及び危険回避のためのアクチュエータ20の動作を制御し、ステップS11にリターンする。
【0059】
ここで、ステップS14においてデフォルト値とは異なる動作モードまたはパラメータが設定されている場合、ステップS15における制御出力では、第1の実施形態と同様(図2のステップS2)に、作動タイミングの早期化、制御ゲインの増大補正、或いは警報音量の増大等がなされるが、本実施形態では、例えば、ステップS11にて算出した推定所要時間Tの長さに応じて、作動タイミングを早期化する、制御ゲインの大きさ、或いは警報音量を増大補正する構成にしても良い。
【0060】
<第2の実施形態の変形例>
本変形例においても、第1の実施形態の変形例と同様に、上記の如くステップS14(図3)において増強化を行なった場合には、ステップS15における警報出力及び/または運転支援の実行の有無に関らずに、ディスプレイ13による表示及び/またはスピーカ19による音声を利用して、乗員に対して、警報出力及び危険回避動作が増強化されている旨を報知する。このような構成を採用すれば、乗員は、実行タイミングの早期化または制御出力が増大されたことを認識することができるので、運転操作に対する精神的な負担を負うことなく、より慎重に、安定した走行を続けることができ、緊急事態の発生する可能性をより軽減することができる。
【0061】
更に、好適な実施形態においては、ステップS14において増強化を行なった原因、即ちステップS11において算出した推定所要時間Tを、ディスプレイ13による表示及び/またはスピーカ19による音声を利用して、乗員に報知すると良い。このような構成を採用すれば、乗員は、実行タイミングの早期化または制御出力が増大された理由を認識することができるので、現時点で緊急事態が発生した場合の状況を想定することができ、より慎重に、安定した走行を続けることができ、緊急事態の発生する可能性をより軽減することができる。
【0062】
そして、係る増強化がなされている状況において、ステップS15にて実際に警報出力及び/または運転支援を実行することになった場合には、その旨を、ディスプレイ13による表示及び/またはスピーカ19による音声を利用して、乗員に対して報知する。このような構成を採用すれば、警報出力及び/または運転支援動作が実行された場合に、通常時とは異なり、実行タイミングが早期化されている場合であっても、或いは、制御出力が増大されたことによってより積極的な運転支援のための介入がなされた場合であっても、乗員がそのことによって違和感を感じることを防止することができる。
【0063】
このように、第2の実施形態及びその各変形例によれば、Mayday制御ユニット17を利用した自動通報によって救援を要請した場合に、乗員が実際に救助されるまでに時間を要する状況下においては、作動タイミングの早期化、制御出力(アクチュエータ20の制御量)の増大、或いは警報音量の増大することによって、危険回避のための警報出力や運転支援を、通常時よりも、より積極的に行なうので、係る状況において緊急事態が発生してしまい、救助を受けるまでに長時間待つ状態に陥る可能性を軽減することができる。
【0064】
尚、上述した各実施形態及びその変形例においては、ドライバの運転支援制御として、道路側に設けられた設備から各種の情報を通信によって取得するAHSを採用した場合を説明したが、このシステム構成に限られるものではなく、車両に搭載したCCD(Charge Coupled Device)等の撮像デバイスによって周囲の画像を撮影すると共に、その撮影画像に画像処理を施すことによって障害物の有無や位置、自車の車線逸脱やその角度等を検出する自律系のASV(Advanced Safety Vehicle)システムを採用することによっても実現することができる。
【0065】
尚、上述した各実施形態及びその変形例においては、AHS制御ユニット11と、Mayday制御ユニット17とが別体の構成としたが、この装置構成に限られるものではなく、単一の電子制御ユニットにおいて、AHS制御処理用のソフトウエア・モジュールと、Mayday制御処理用のソフトウエア・モジュールとが実行されるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における車両用走行支援装置のシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態においてAHS制御ユニット11が行なう警報出力及び/または運転支援動作の増強化処理を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施形態においてAHS制御ユニット11が行なう警報出力及び/または運転支援動作の増強化処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11:AHS制御ユニット,
12:車速センサ,
13:ディスプレイ,
14:加速度(G)センサ,
15:路車間通信機,
16:AHS用車載アンテナ,
17:自動通報(Mayday)制御ユニット,
18:自動通報(Mayday)用車載アンテナ,
19:スピーカ,
20:アクチュエータ,
101:自動通報(Mayday)システム基地局,
102:自動通報(Mayday)システム用路側アンテナ,
103:AHS基地局,
104:AHS用路側アンテナ,

Claims (8)

  1. 危険回避のための警報出力及び/または運転支援動作を制御する制御手段を備える車両用走行支援装置であって、
    前記制御手段は、自動通報システムによる緊急事態発生時の外部機関に対する自動通報が行なえない場合に、前記警報出力及び/または運転支援動作を実行するに際して、その自動通報が可能な場合と比較して、実行タイミングの早期化または制御出力を増大する
    ことを特徴とする車両用走行支援装置。
  2. 危険回避のための警報出力及び/または運転支援動作を制御する制御手段を備える車両用走行支援装置であって、
    自動通報システムによる緊急事態発生時の外部機関に対する自動的な通報がなされてから、救援活動が提供されるまでに要する所要時間を推定する推定手段を備え、
    前記制御手段は、前記推定手段によって推定された所要時間が所定時間より長い場合に、その推定された所要時間が該所定時間より短い場合と比較して、前記警報出力及び/または運転支援動作を実行するに際して、実行タイミングの早期化または制御出力を増大する
    ことを特徴とする車両用走行支援装置。
  3. 前記自動通報が行なえない場合は、前記自動通報システムが故障した場合、前記自動通報システムが利用する通信装置の通信可能エリア外に自車が位置する場合、或いは該通信装置が未接続の場合である
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用走行支援装置。
  4. 前記推定手段は、自車の現在位置と、その現在位置に従って地図データベースを検索することによって取得した最寄りの医療施設の所在地とに基づいて、前記所要時間を推定する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両用走行支援装置。
  5. 前記推定手段は、自車の現在位置と、その現在位置に従って地図データベースを検索することによって取得したところの、最寄りの救援車両の出動拠点の所在地とに基づいて、前記所要時間を推定する
    ことを特徴とする請求項2または請求項4記載の車両用走行支援装置。
  6. 更に、前記制御手段によって前記実行タイミングの早期化または制御出力が増大されたことを、乗員に報知する報知手段を備える
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用走行支援装置。
  7. 前記報知手段は、更に、前記制御手段によって前記実行タイミングの早期化または制御出力が増大された理由を、乗員に報知する
    ことを特徴とする請求項6記載の車両用走行支援装置。
  8. 更に、前記制御手段によって前記実行タイミングの早期化または制御出力が増大された状態において、前記警報出力及び/または運転支援動作が実行されることを、乗員に報知する報知手段を備える
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用走行支援装置。
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