JP6904682B2 - 半導体装置および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明の一態様は、半導体装置、または該半導体装置を備えた電子機器に関する。
なお本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
なお、本明細書等において、半導体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる素子、回路、又は装置等を指す。一例としては、トランジスタ、ダイオード等の半導体素子は半導体装置である。また別の一例としては、半導体素子を有する回路は、半導体装置である。また別の一例としては、半導体素子を有する回路を備えた装置は、半導体装置である。
神経回路網を模倣したコンピュータ等によって処理されるモデルであるニューラルネットワークを利用することで、従来の所謂ノイマン型コンピュータより高性能のコンピュータを実現できると期待されており、研究開発が活発である(例えば、非特許文献1)。
ニューラルネットワークでは、ニューロンを模したユニットがシナプスを模したユニットを介して互いに結合された構成となる。当該結合の強度を学習により変更することで、様々な入力パターンに対して、パターン認識や連想記憶などを高速に実行できる。
パターン認識には、階層型パーセプトロンアーキテクチャを有するニューラルネットワークを模したユニットを利用し、対象となる移動体のパターンを教師データとして学習した後、画像データを入力データとして与えて一致度を判定することで当該移動体が含まれるか否かを抽出する方法が有効である。当該階層型パーセプトロンアーキテクチャを有するニューラルネットワークは、ニューロンを模したユニットであるニューロン回路と、シナプスを模したユニットであるシナプス回路と、から構成される。
シナプス回路はニューロン回路間の結合強度を記憶する機能と、ニューロン回路の出力と当該結合強度との乗算機能と、各乗算結果の加算機能とを有する必要がある。したがって、シナプス回路は、当該結合強度を保存するメモリ、乗算機能を実現する乗算回路、および加算機能を実現する加算回路、などが必要である。
ところで、テレビジョン(TV)は、大画面化に伴い、高精細度の映像を視聴できることが望まれている。そのため、超高精細度テレビジョン(UHDTV;4K、8K)放送の実用化が推し進められている。UHDTV放送が推進されている日本国では、2015年に通信衛星(CS)及び光回線による4K放送サービスが開始されている。今後、放送衛星(BS)によるUHDTV放送の試験放送の開始が予定されている。そのため、8K放送に対応するための各種の電子機器が開発されている(非特許文献2)。8Kの実用放送では、4K放送、2K放送(フルハイビジョン放送)も併用される予定である。
また、撮像素子は、デジタルカメラや携帯電話などの電子機器に広く搭載されている。前述したとおり、UHDTV放送の実用化が図られており、これに伴い、近年、撮像素子の多画素化が進んでいる。撮像素子の多画素化が進むため、必然的に撮像によって得られる情報量も増大している。そのため、データの読み出しや転送の高速化が求められている。撮像素子の多画素化に伴う画像データの量の増加に対処する技術として、画像データの圧縮が知られている。特許文献1には、動画撮影時や連写時において、前回の撮像画像データと今回の撮像画像データとの差分データを算出してデータ圧縮を行う撮像素子モジュールが開示されている。
特開2009−296353号公報
Yutaka Arima et al,"A Self−Learning Neural Network Chip with 125 Neurons and 10K Self−Organization Synapses", IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS, VOL.26,NO.4, APRIL 1991, pp.607−611 S.Kawashima, et al.,"13.3−In. 8K X 4K 664−ppi OLED Display Using CAAC−OS FETs"、SID 2014 DIGEST,pp.627―630.
しかしながら、上記メモリ、乗算回路、および加算回路をデジタル回路で構成する場合、多ビットを記憶するメモリ、多ビットの乗算回路、多ビットの加算回路が必要となる。すなわち、微細加工に頼った大規模な回路構成となる。
また上記メモリ、乗算回路、加算回路をアナログ回路で構成する場合、回路素子数は減らせるが、上記メモリとして理想的なアナログメモリ、すなわち、アナログ値を保持することのできるアナログメモリを構成することは非常に困難である。DRAM(Dynamic Random Access Memory)タイプのアナログメモリセルを用いる場合、データ保持は極めて短時間となる。対策として、記憶保持のための大規模な容量素子をアナログメモリに搭載する構成や、定期的なリフレッシュ動作によるアナログデータの回復などの構成が提案されている。しかし、これらの構成では、チップ面積の増大、消費電力の増大などをもたらす。
また、入力されるデータに合わせて、ニューロンの層数、同一層内のニューロン数など、階層構造を自由に変更できる構成が望まれる。
そこで本発明の一態様は、既存の半導体装置等とは異なる構成を有する、新規な半導体装置等を提供することを課題の一とする。
または、本発明の一態様は、チップ面積の縮小が図られた、新規な構成の半導体装置等を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、消費電力の低減が図られた、新規な構成の半導体装置等を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、ニューロン回路やシナプス回路といった回路による階層構造を自由に変更できる、新規な構成の半導体装置等を提供することを課題の一とする。
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した記載、及び/又は他の課題のうち、少なくとも一つの課題を解決するものである。
本発明の一態様は、第1の回路と、第2の回路と、第3の回路と、を有する半導体装置であって、第1の回路は、第1の信号を増幅して第2の回路に出力する第1の機能と、第1の信号を電流から電圧に変換して第3の回路に出力する第2の機能と、を有し、第2の回路は、結合強度に相当するデータを変更する第1の乗算回路と、データを記憶するアナログメモリと、第1の信号をデータに応じて重み付けをした第2の信号として出力する第2の乗算回路と、を有し、第3の回路は、第2の信号を電流から電圧に変換して外部へ出力する第1の機能と、電流から電圧に変換した第1の信号と外部から入力される第3の信号との差分から第4の信号を生成する第2の機能と、を有し、アナログメモリは、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを有する半導体装置である。
本発明の一態様において、第1の乗算回路は、電流から電圧に変換した第1の信号と第4の信号とに応じてデータを変更する機能を有する半導体装置が好ましい。
本発明の一態様は、上記半導体装置を利用した、映像データを符号化するためのエンコーダを有する電子機器であって、映像データは、第1映像データと、第2映像データを有し、半導体装置に第1映像データと第2映像データを入力したとき、半導体装置が第1映像データと映像第2データの比較を行い、第1映像データと第2映像データが一致したときに、第1映像データから第2映像データへの移動ベクトルを取得する電子機器である。
本発明の一態様は、ニューロン回路と、シナプス回路と、誤差回路と、を有する半導体装置であって、ニューロン回路は、入力ニューロン回路の機能と隠れニューロン回路の機能とを切り替えることができる機能を有し、シナプス回路は、結合強度に相当するデータを変更する第1の乗算回路と、データを記憶するアナログメモリと、第1の信号をデータに応じて重み付けをした第2の信号として出力する第2の乗算回路と、を有し、誤差回路は、出力ニューロン回路の機能と隠れ誤差回路の機能とを切り替えることができる機能を有し、アナログメモリは、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを有する半導体装置である。
本発明の一態様において、ニューロン回路は、第1の切り替え回路を有し、第1の切り替え回路は、入力ニューロン回路として機能する場合、外部からの入力信号を増幅してシナプス回路に出力する回路と、隠れニューロンとして機能する場合、シナプス回路が出力する電流を電圧に変換して別の半導体装置が有するシナプス回路に出力する回路と、を切り替える機能を有する半導体装置である。
本発明の一態様において、誤差回路は、第2の切り替え回路を有し、第2の切り替え回路は、出力ニューロン回路として機能する場合、シナプス回路が出力する電流を電圧に変換して別の半導体装置の入力信号として出力し、別の半導体装置の入力信号として出力する信号と教師信号との差分信号と、別の半導体装置の入力信号として出力する信号を元に生成した微分係数と差分信号との乗算信号によって得られる誤差信号をシナプス回路に出力する回路と、隠れ誤差回路として機能する場合、シナプス回路が出力する電流を電圧に変換して得られる信号を元に生成した微分係数と、教師信号と参照電圧との差分で得られる信号と、の乗算信号によって得られる誤差信号をシナプス回路に出力する回路と、を切り替える機能を有する半導体装置である。
なおその他の本発明の一態様については、以下で述べる実施の形態における説明、及び図面に記載されている。
本発明の一態様は、新規な半導体装置、新規な表示装置、新規な電子機器等を提供することができる。
または、本発明の一態様は、チップ面積の縮小が図られた、新規な構成の半導体装置等を提供することができる。または、本発明の一態様は、消費電力の低減が図られた、新規な構成の半導体装置等を提供することができる。または、本発明の一態様は、ニューロン回路やシナプス回路といった回路による階層構造を自由に変更できる、新規な構成の半導体装置等を提供することができる。
なお本発明の一態様の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した効果、及び/又は他の効果のうち、少なくとも一つの効果を有するものである。従って本発明の一態様は、場合によっては、上記列挙した効果を有さない場合もある。
ブロック図の一例を説明する図。 回路図の一例を説明する図。 ブロック図の一例を説明する図。 ブロック図の一例を説明する図。 回路図の一例を説明する図。 回路図の一例を説明する図。 回路図の一例を説明する図。 回路図の一例を説明する図。 回路図の一例を説明する図。 フローチャートの一例を説明する図。 フローチャートの一例を説明する図。 動作の一例を説明するための図。 フローチャートの一例を説明する図。 ブロック図の一例を説明する図。 模式図の一例を説明する図。 映像配信システムの一例を説明する図。 受信装置の一例を説明する図。 ブロック図の一例を説明する図。 上面図及び断面図の一例を説明する図。 断面図及びエネルギーバンド図の一例を説明する図。 酸素が拡散する経路を示す断面図。 上面図及び断面図の一例を説明する図。 上面図及び断面図の一例を説明する図。 上面図及び断面図の一例を説明する図。 上面図及び断面図の一例を説明する図。 上面図及び断面図の一例を説明する図。 上面図及び断面図の一例を説明する図。 CAAC−OS及び単結晶酸化物半導体のXRDによる構造解析を説明する図、ならびにCAAC−OSの制限視野電子回折パターンを示す図。 CAAC−OSの断面TEM像、ならびに平面TEM像及びその画像解析像。 nc−OSの電子回折パターンを示す図、及びnc−OSの断面TEM像。 a−like OSの断面TEM像。 In−Ga−Zn酸化物の電子照射による結晶部の変化を示す図。 ブロック図の一例を説明する図。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
なお図面において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
(実施の形態1)
本発明における実施の形態を、図1乃至図9を用いて説明する。
<モジュール構成>
図1は、半導体装置を構成するモジュール100の回路ブロックを示す。モジュール100は、n個(nは自然数)のニューロン回路NU、m×n個(mは自然数)のシナプス回路SU、m個の誤差回路EUから構成される。
以下、図1に示すモジュール100を構成する各回路ブロックについて説明する。
図2(A)は、ニューロン回路NUの構成を示している。ニューロン回路NUは入力ニューロン回路もしくは隠れニューロン回路として機能することができる。ニューロン回路NUは、アンプ101、選択回路102、差動アンプ103、スイッチ104および抵抗105を有する。
ニューロン回路NUを入力ニューロン回路として機能させる際には、選択回路102の切り替え信号(図中、IN?)によって出力する信号を”1”側に切り替える。入力ニューロン回路として機能するニューロン回路NUは、半導体装置外部からの入力信号iから選択回路102及びアンプ101を介して同モジュール内のシナプス回路SUへの出力信号xを生成する回路となる。
選択回路102は、アナログ信号を入力して出力する構成が好ましい。例えば、パストランジスタ、アナログスイッチで構成することができる。
図2(A)に図示するアンプ101は、図2(B)に図示するように、ユニティゲインバッファ106とする構成が可能である。また図2(C)に図示するように、増幅回路107を用いて出力信号xの基準信号レベルを変更する機能を有していてもよい。また図2(D)に図示するように差動信号を生成するバッファ108を用いて、出力信号として差動信号対(xとxb)を生成する機能を有していてもよい。また、十分な駆動能力のある入力信号iが与えられる場合、必ずしもアンプ101を搭載する必要は無い。
一方、ニューロン回路NUを隠れニューロン回路として機能させる際には、選択回路102の切り替え信号(図中、IN?)によって出力する信号を”0”側に切り替える。
隠れニューロン回路として機能するニューロン回路NUは、前段層のモジュールのシナプス回路SUから出力された入力信号iから差動アンプ103、選択回路102及びアンプ101を介して異なるモジュールのシナプス回路SUへの出力信号xを生成する。
入力信号iがシナプス回路SUの出力信号の場合、入力信号iは各シナプス回路SUの電流の和(=Σw[i,j]x[j])に相当する信号となる。この電流の和を抵抗105で電圧に変換し、閾値電圧θとの差分電圧を差動アンプ103において生成する。
スイッチ104のオンまたはオフを制御する信号(図中、Ri?)は、ニューロン回路NUを隠れニューロン回路として機能させる場合に信号Riによってスイッチ104をオンにし、それ以外の期間でスイッチ104をオフとなるように設定すればよい。
差動アンプ103の出力信号は、入力信号Xを変数とすると式(1)のf(X)となる特性、あるいは、当該特性に近似できる特性とする。
Figure 0006904682
式(1)においてαは任意の定数で、X=θにおける出力信号の変化率に相当する。シナプス回路の電流の和であるΣw[i,j]x[j]が閾値電圧θを超えた場合に、出力信号f(X)=1、つまりHレベル(”H”、またはハイレベルと表記)となるが、これを、ニューロン回路NUが発火する、と表現する。すなわち、閾値電圧θはニューロン回路NUが発火する際の閾値に相当する。
なお、モジュールにおいて、n個のニューロン回路NU全てを使う必要がない場合、不要なニューロン回路NUの入力信号iを”0”とすればよい。この場合、ニューロン回路NUの出力信号xも”0”となり、後続のシナプス回路SUは実効的に機能しない。
図3は、シナプス回路SUの構成を示している。シナプス回路SUは、アナログメモリAM、乗算回路MUL1乃至MUL3、から構成される。
アナログメモリAMは、同モジュールのニューロン回路NUと後段層のモジュールのニューロン回路NUとの間の結合強度(重み係数)wに相当するデータを格納し、対応する電圧を出力する機能を有する。
乗算回路MUL1は、同モジュールのニューロン回路NUの出力信号xとアナログメモリAMの重み係数wとの乗算を行い、出力信号wxを生成する。出力信号wxとして、乗算結果に対応した電流が供給される。すなわち、アナログメモリAMのデータにしたがって同モジュールのニューロン回路NUからの出力信号xに重み付けした出力信号wxを、後段層のモジュールのニューロン回路NU及び同モジュールの誤差回路EUに出力する。
乗算回路MUL2は、同モジュールのニューロン回路NUの出力信号xと同モジュールの誤差回路EUの出力信号dとの乗算を行い、出力信号dwを生成する。出力信号dwとして、乗算結果に対応した電流が供給される。出力信号dwは、アナログメモリAMに格納された重み係数wの変更分に相当する電流として供給される。すなわち、同モジュールの誤差回路EUからの誤差信号dに応じてアナログメモリAMのデータを更新する。
乗算回路MUL3は、同モジュールの誤差回路EUの出力信号dとアナログメモリAMの重み係数wとの乗算を行い、出力信号wdを生成する。出力信号wdとして、乗算結果に対応した電流が供給される。すなわち、アナログメモリAMのデータにしたがって同モジュールの誤差回路EUからの誤差信号dに重み付けした誤差信号wdを前段層のモジュールの誤差回路EUに出力する。
図4は、誤差回路EUの構成を示している。誤差回路EUは、出力ニューロン回路もしくは隠れ誤差回路として機能することができる。誤差回路EUは、差動アンプ111、スイッチ112、抵抗113、微分回路DV、乗算回路MUL4、選択回路114、差動アンプ115、スイッチ116および抵抗117を有する。
誤差回路EUを出力ニューロン回路として機能させる際には、選択回路114の切り替え信号(図中、ON?)によって出力する信号を”1”側に切り替える。出力ニューロン回路として機能する誤差回路EUは、同層のシナプス回路SUからの出力信号wxによる電流の和に相当する信号Σwxから半導体装置外部への信号oを差動アンプ111で生成する。また誤差回路EUを出力ニューロン回路として機能させる際、半導体装置外部から与えられる教師信号eと信号oとの差分信号(e−o)を差動アンプ115で生成する。また誤差回路EUを出力ニューロン回路として機能させる際、信号oに対する微分係数f’を微分回路DVで生成する。また、微分係数f’と差分信号(e−o)との乗算により誤差信号dを乗算回路MUL4で生成する。誤差信号dは同モジュールのシナプス回路SUに出力される。なお、教師信号eを電圧で与える場合は、スイッチ116のオンまたはオフを制御する信号(図中、Re?)は、スイッチ116をオフとなるように設定する。
また差動アンプ111では、同層のシナプス回路SUからの電流の総和に相当する出力信号Σwxを抵抗112で電圧に変換し、閾値電圧θとの差分電圧を生成する。
差動アンプ111の信号oは、入力信号Xを変数とすると式(2)のf(X)となる特性、あるいは、当該特性に近似できる特性とする。
Figure 0006904682
式(2)においてαは任意の定数で、X=θでの変化率に相当する。出力信号Σwxが閾値電圧θを超えた場合に、出力信号f(X)=1、つまりHレベルとなるが、これを、出力ニューロン回路EUが発火する、と表現する。すなわち、θは出力ニューロン回路EUが発火する際の閾値に相当する。
一方、誤差回路EUを隠れ誤差回路として機能する際には、選択回路114の切り替え信号(図中、ON?)によって出力する信号を”0”側に切り替える。隠れ誤差回路として機能する誤差回路EUは、出力ニューロン回路として機能する誤差回路EUと同様な方法で信号oを生成する。具体的には、同層のシナプス回路SUからの出力信号wxによる電流の和に相当する信号Σwxから信号oを差動アンプ111で生成する。また誤差回路EUを隠れ誤差回路として機能する際には、後段層のモジュールのシナプス回路SUからの誤差信号wdによる電流の和教師信号eとして与え、差動アンプ115で差分信号を生成する。
ここで、教師信号eは、電流w[i,j]d[i]の総和に相当する信号Σw[i,j]d[i]であり、この信号を抵抗117で電圧に変換し、参照電圧θとの差分電圧として差分信号を生成する。また、信号oに対する微分係数f’を微分回路DVで生成する。また、微分係数f’と差分信号との乗算により誤差信号dを乗算回路MUL4で生成する。誤差信号dは同モジュールのシナプス回路SUに出力される。
なお、一層を複数のモジュールで構成する際、前段層のモジュールにおけるシナプス回路SUの信号Σwxが、複数のモジュールにおける複数の隠れニューロン回路として機能するニューロン回路NUの入力信号、及び、前段層の複数のモジュールにおける複数の誤差回路として機能する誤差回路EUの入力信号となる。この場合、当該複数の隠れニューロン回路の何れか一で、入力信号iを抵抗105で電圧に変換、もしくは、当該複数の誤差回路の何れか一で、入力信号Σwxを抵抗113で電圧に変換すればよい。スイッチ112のオンまたはオフを制御する信号(図中、RΣwx?)は、誤差回路EUを隠れ誤差回路として機能させる場合にスイッチ112をオンにし、それ以外の期間でオフとなるように設定すればよい。
なお、一層を複数のモジュールで構成する際、後段層のモジュールにおけるシナプス回路SUの誤差信号wdが、複数のモジュールにおける複数の隠れ誤差回路として機能する誤差回路EUの教師信号eとなる。この場合、当該複数の誤差回路EUの何れか一で、当該教師信号eを抵抗117で電圧に変換すればよい。すなわち、スイッチ116のオンまたはオフを制御する信号(図中、Re?)は、誤差回路EUを隠れ誤差回路として機能させる場合にスイッチ116をオンにし、それ以外の期間でスイッチ116をオフとなるように設定すればよい。
<モジュールを構成する各回路の構成>
図5は、シナプス回路SU、誤差回路EUにおける乗算回路MUL1乃至MUL4に適用可能な乗算回路MULの構成を示す。乗算回路MULは、第1のトランジスタTr01乃至第14のトランジスタTr14、容量素子C0、容量素子C1から構成される。当該乗算回路は、Chibleの乗算回路を応用した構成で、入力信号Aの電位と入力信号Bの電位との積に比例した電流が出力信号Yとして得られる。なお、第8のトランジスタTr08及び第11のトランジスタTr11のゲート容量に比べて容量素子C0及び容量素子C1が十分大きいとすると、入力信号Bの電位変化は、C1/(C0+C1)倍されて第8のトランジスタTr08及び第11のトランジスタTr11のゲートに入力される。したがって、入力信号Bの入力範囲を大きくすることができ、広い入力範囲で乗算回路MULの線形性が保てることになる。同様に、入力信号Aに容量素子を設けることで、入力信号Aに対しても広い入力範囲で乗算回路MULの線形性が保てることになる。
図6は、誤差回路EUにおける微分回路DVの構成を示す。微分回路DVは、OPアンプ121、OPアンプ122、乗算回路MULから構成される。ここで、OPアンプ121は、非反転入力信号Aと反転入力信号Vrefの差分X=A−Vrefに対して、出力信号Y=f(X)=1/(1+e−αX)となる特性、あるいは、当該特性に近似できる特性を有するものとする。また、OPアンプ122は、非反転入力信号Vrefと反転入力信号Aの差分X=Vref−A=−Xに対して、出力信号Y=f(X)=1/(1+e−αX2)となる特性、あるいは、当該特性に近似できる特性を有するものとする。ここで、Y=f(−X)=1/(1+e+αX)=e−αX/(e−αX+1)=1−1/(1+e−αX)=1−f(X)である。そのため、乗算回路MULの出力Y=Y・Y=f(X)(1−f(X))=f’(X)(=df(X)/dX)である。すなわち、f(X)の微分回路が実現できていることがわかる。
図7は、シナプス回路SUにおけるアナログメモリAMの構成を示す。アナログメモリAMは、トランジスタTr15と容量素子Cから構成される。トランジスタTr15を、極めてオフ電流が低い酸化物半導体を用いたトランジスタとすることで、理想的なアナログメモリが構成できる。したがって、記憶保持のための大規模な容量素子を搭載する必要が無く、また、定期的なリフレッシュ動作によるアナログデータの回復の必要が無いため、チップ面積の縮小、消費電力の低減が可能となる。なお、データ更新の際、変更分に相当する電流が供給される構成のため、信号線WLを”H”とする期間を調整することで、データ変更量を変更することができる。
<3層ニューラルネットワーク>
さて、半導体装置として、図1に示すモジュール100を2つ用いた3層のニューラルネットワーク、すなわち入力層、隠れ層、および出力層を有するニューラルネットワークについて説明し、加えて当該ニューラルネットワークの学習について説明する。第1のモジュール100_1と第1のモジュール100_2を用いた3層のニューラルネットワークを図33に示す。第1のモジュール100_1のニューロン回路NUを入力ニューロン回路、第1のモジュール100_1の誤差回路EUを隠れ誤差回路、第2のモジュール100_2のニューロン回路NUを隠れニューロン回路、第2のモジュール100_2の誤差回路EUを出力ニューロン回路とする。第1のモジュール100_1のシナプス回路SUの出力信号を第2のモジュール100_2のニューロン回路NUの入力信号、第2のモジュール100_2のシナプス回路SUの誤差信号を第1のモジュール100_1の誤差回路EUの入力信号とする。
当該3層のニューラルネットワークにおいて、入力信号I[1]乃至I[n]に対して所望の信号O[1]乃至O[n]が得られるように、第1のモジュール100_1のシナプス回路SUの重み係数w1[j,i](j,iは自然数)、第2のモジュール100_2のシナプス回路SUの重み係数w2[k,j](kは自然数)に相当するデータを各アナログメモリAMに格納することが学習に相当する。より具体的には、重み係数w1[j,i]、w2[k,j]に初期値として任意の値を与え、学習に用いる入力データを入力ニューロン回路の入力信号I[1]乃至I[n]、出力期待値として教師信号を出力ニューロン回路の入力信号E[1]乃至E[n]に与え、出力ニューロン回路の信号O[1]乃至O[n]と入力信号E[1]乃至E[n]との2乗誤差和が最小となるような重み係数w1[j,i]、w2[k,j]に収束させていくことが学習に相当する。
出力ニューロン回路の信号O[1]乃至O[n]と入力信号E[1]乃至E[n]との2乗誤差和は、式(3)で表すことができる。
Figure 0006904682
e2[k]=E[k]−O[k]とすると、式(3)は式(4)のように書き表すことができる。
Figure 0006904682
当該2乗誤差和の最小値を求めることは、勾配法により、重み係数w1[j,i]、w2[k,j]に対する局所最小値、つまり、式(5)、(6)を満たすw1[j,i]、w2[k,j]を求めることに相当する。
Figure 0006904682
Figure 0006904682
つまり、式(5)、(6)の左辺の値に応じて、重み係数w1[j,i]、w2[k,j]を更新していくことに相当する。
ここで、重み係数w2[k,j]については、式(7)の関係となる。
Figure 0006904682
なお、式(7)において、Y=α(Σw2[k,j]x2[j]−θ)である。よって、重み係数w2[k,j]は、ηw2・e2[k]・f’(Y)・x2[j]に相当する分だけ値を変化させればよいことになる。なお、ηw2は定数である。
また、重み係数w1[j,i]については、式(8)の関係となる。
Figure 0006904682
なお、式(8)において、X=α(Σw1[j,i]x1[i]−θ)、Y=α(Σw2[k,j]x2[j]−θ)である。重み係数w1[j,i]は、ηw1・(Σe2[k]・f’(Y)・w2[k,j])・f’(X)・x1[i]に相当する分だけ値を変化させればよいことになる。
第2のモジュール100_2の誤差回路EU(出力ニューロン回路)において、教師信号E[k]と信号o[k]との差分信号e2[k]を差動アンプ115で取得し、信号Yに対する微分信号f’(Y)を微分回路DVで取得し、f’(Y)と差分信号e2[k]との乗算結果d2[k]=e2[k]・f’(Y)を乗算回路MUL4で取得する。ここで、Y=α(Σw2[k,j]x2[j]−θ)である。信号d2[k]は第2のモジュール100_2のシナプス回路SU[k,j]への出力信号である。
第2のモジュール100_2のシナプス回路SU[k,j]において、第2のモジュール100_2の誤差回路EU[k]からの入力信号d2[k]に対して、dw2=d2[k]・x2[j]=e2[k]・f’(Y)・x2[j]に相当する量(ηw2・dw2=ηw2・e2[k]・f’(Y)・x2[j])だけアナログメモリAMのデータ(重み係数w2[k,j])を変化させる。なお、第2のモジュール100_2のシナプス回路SU[k,j]の第1のモジュール100_1の誤差回路EU[j]への出力信号w2[k,j]d2[k]=e2[k]・f’(Y)・w2[k,j]である。なお、以後出力信号w2[k,j]d2[k]は出力信号w2d2と表す場合がある
第1のモジュール100_1の誤差回路EU[j](隠れ誤差回路)は、第1のモジュール100_1のシナプス回路SU[j,i]の出力信号w1[j,i]x1[i](電流)の和である信号Σw1[j,i]x1[i]と、第2のモジュール100_2のシナプス回路SU[k,j]の出力信号であるw2[k,j]d2[k]=e2[k]・f’(Y)・w2[k,j]で表される電流の和に相当する信号Σw2[k,j]d2[k]=Σe2[k]・f’(Y)・w2[k,j]=e1[j]と、を入力信号とし、Σw1[j,i]x1[i]から信号Xを差動アンプで取得し、e1[j]から差分信号EXを差動アンプ103で取得し、信号Xに対して出力信号f’(X)を微分回路DVで取得し、f’(X)と信号EXとの乗算結果d1[j]=e1[j]・f’(X)=Σe2[k]・f’(Y)・w2[k,j]・f’(X)を乗算回路MULで取得する。ここで、X=α(Σw1[j,i]x1[i]−θ)である。信号d1[j]は第1のモジュール100_1のシナプス回路SU[j,i]への出力信号である。
第1のモジュール100_1のシナプス回路SU[j,i]において、第1のモジュール100_1の誤差回路EU[j]からの入力信号d1[k]に対して、dw1=d1[j]・x1[i]=Σe2[k]・f’(Y)・w2[k,j]・f’(X)・x1[i]に相当する量(ηw1・dw1=ηw1・Σe2[k]・f’(Y)・w2[k,j]・f’(X)・x1[i])だけアナログメモリAMのデータ(重み係数w1[j,i])を変化させる。なお、第1のモジュール100_1のシナプス回路SU[j,i]の出力信号w1[j,i]d1[j](=wd1)は、他のモジュールに出力はしない。
以上のように、半導体装置において、重み係数w1[j,i]、w2[k,j]を更新していくことができ、半導体装置において、入力信号に対して所望の出力信号が得られるような、重み係数w1[j,i]、w2[k,j]に相当するデータを各アナログメモリAMに格納することができる。すなわち、半導体装置の学習が可能となる。
<4層ニューラルネットワーク>
さて、半導体装置として、上記モジュール100を組み合わせて、4層のニューラルネットワークとした例を図8に示す。ここで、モジュールU[1,1]、U[1,2]、U[1,3]のニューロン回路NUを入力ニューロン回路、モジュールU[2,1]、U[2,2]、U[3,1]、U[3,2]、U[4,1]、U[4,2]のニューロン回路NUを第1の隠れニューロン回路、モジュールU[2,3]、U[3,3]のニューロン回路NUを第2の隠れニューロン回路、誤差回路EUを出力ニューロン回路とする。モジュールU[1,1]のシナプス回路SUの出力信号wxをモジュールU[2,1]、U[2,2]のニューロン回路NUの入力信号I、モジュールU[1,2]のシナプス回路SUの出力信号wxをモジュールU[3,1]、U[3,2]のニューロン回路NUの入力信号I、モジュールU[1,3]のシナプス回路SUの出力信号wxをモジュールU[4,1]、U[4,2]のニューロン回路NUの入力信号I、モジュールU[2,3]のシナプス回路SUの誤差信号WDをモジュールU[2,1]、U[3,1]、U[4,1]の誤差回路EUの入力信号E、モジュールU[3,3]のシナプス回路SUの誤差信号WDをモジュールU[2,2]、U[3,2]、U[4,2]の誤差回路EUの入力信号E、とする。
モジュール間には、各々複数の信号線から構成される配線群H[1,1]乃至H[4,6]、V[1,1]乃至V[3,6]が配置されており、それらの交点には、プログラマブルスイッチPSが配置されている。ここで、プログラマブルスイッチPSの回路構成を図9に示す。なお図8においてプログラマブルスイッチが配置される交点において、プログラマブルスイッチによって配線群同士が導通している場合には、導通していることを表す黒丸を付している。
図9に示すプログラマブルスイッチPSは、トランジスタTr16とトランジスタTr17から構成され、酸化物半導体で構成されたトランジスタTr16がオン(信号線WW=”H”)の時にトランジスタTr17のゲート電位としてデータを信号線BLから格納し、当該データに応じて、トランジスタTr17の導通を制御する。すなわち、配線Vと配線Hの導通状態をプログラムすることができる。
図8において、半導体装置の入力信号は、配線群H[1,3]を介してモジュールU[1,1]、U[1,2]、U[1,3]の入力ニューロン回路に入力される。モジュールU[3,3]の出力ニューロン回路の出力は、配線群H[3,6]を介して半導体装置の出力信号として出力される。半導体装置の教師信号は、配線群H[4,4]、V[3,3]を介して、モジュールU[2,3]、U[3,3]の出力ニューロン回路に入力される。
モジュールU[1,1]のシナプス回路SUの出力信号は、配線群V[1,4]、H[2,3]を介してモジュールU[2,1]、U[2,2]のニューロン回路NUに入力される。
モジュールU[1,2]のシナプス回路SUの出力信号は、配線群V[2,4]、H[3,3]を介してモジュールU[3,1]、U[3,2]のニューロン回路NUに入力される。
モジュールU[1,3]のシナプス回路SUの出力信号は、配線群V[3,4]、H[4,3]を介してモジュールU[4,1]、U[4,2]のニューロン回路NUに入力される。
モジュールU[2,1]、U[3,1]、U[4,1]のシナプス回路SUの出力信号は、配線群V[1,5]、H[2,2]を介してモジュールU[2,3]のニューロン回路NUに入力される。
モジュールU[2,2]、U[3,2]、U[4,2]のシナプス回路SUの出力信号は、配線群V[2,5]、H[3,2]を介してモジュールU[2,3]のニューロン回路NUに入力される。
モジュールU[2,3]、U[3,3]のシナプス回路SUの出力信号は、配線群V[3,5]で共有される。
モジュールU[2,3]のシナプス回路SUの誤差信号は、配線群H[2,4]、V[1,3]を介してモジュールU[2,1]、U[3,1]、U[4,1]の誤差回路EUに入力される。
モジュールU[3,3]のシナプス回路SUの誤差信号は、配線群H[3,4]、V[2,3]を介してモジュールU[2,2]、U[3,2]、U[4,2]の誤差回路EUに入力される。
モジュールU[2,1]、U[2,2]のシナプス回路SUの誤差信号は、配線群H[2,5]、V[1,2]を介してモジュールU[1,1]の誤差回路EUに入力される。
モジュールU[3,1]、U[3,2]のシナプス回路SUの誤差信号は、配線群H[3,5]、V[2,2]を介してモジュールU[1,2]の誤差回路EUに入力される。
モジュールU[4,1]、U[4,2]のシナプス回路SUの誤差信号は、配線群H[4,5]、V[3,2]を介してモジュールU[1,3]の誤差回路EUに入力される。
上記半導体装置において、入力ニューロン回路の入力信号として学習データを与え、出力ニューロン回路の入力信号として当該学習データに対応する教師信号を与え、誤差信号に応じてアナログメモリのデータを更新することで学習する。学習により、入力ニューロン回路の入力信号として対象データを与えた時に、対象データと学習データとが一致もしくは類似であることを判定することが可能となる。ここで、画像データにおいて対象となる物体(移動体)のデータを学習データとすることで、画像データに当該物体を検出することが可能となる。すなわち、画像データからの移動体の効率的なパターン抽出が可能となり、動き補償予測が効率的に実行できる。
以上のような構成とすることで、アナログ回路で構成し、回路規模を縮小でき、アナログメモリのデータ保持にリフレッシュ動作が不要な、ニューロンの層数、同一層内のニューロン数など、階層構造を自由に変更できる階層型ニューラルネットワークを利用した半導体装置を提供することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、図1の半導体装置の動作例について説明する。ここでは半導体装置の動作として、図33に示すモジュール100_1、100_2を用いた3層のニューラルネットワークでの動作について説明する。つまり、第1のモジュール100_1のニューロン回路NUを入力ニューロン回路、第1のモジュール100_1の誤差回路EUを隠れ誤差回路、第2のモジュール100_2のニューロン回路NUを隠れニューロン回路、第2のモジュール100_2の誤差回路EUを出力ニューロン回路とするよう選択回路を設定しておく。第1のモジュール100_1のシナプス回路SUの出力信号を第2のモジュール100_2のニューロン回路NUの入力信号、第2のモジュール100_2のシナプス回路SUの誤差信号を第1のモジュール100_1の誤差回路EUの入力信号とする。
<動作例>
半導体装置の動作とは、上記実施の形態の図1で説明した半導体装置に学習データを入力し、半導体装置に該学習データを学ばせた後、半導体装置に対象データを入力して、該学習データと該対象データとが一致、類似、又は不一致などの判定をするまでのことをいう。図10及び図11に、半導体装置の動作を示すフローチャートを示す。
<<学習>>
初めに、図1の半導体装置がデータを学習する動作について、図1、図10を用いて説明する。
〔ステップS1−1〕
ステップS1−1では、入力ニューロン回路、つまり第1のモジュール100_1のニューロン回路NUに外部から学習データが入力される。学習データは、図33でいう入力信号I[1]乃至I[n]に相当する。なお、ここでの学習データとは、2進数で表せられるデータであり、その学習データのビット数に応じて、入力されるニューロン回路NUの個数が決まる。当該学習データの入力に必要の無いニューロン回路NUには出力信号xが固定値となるデータを入力する構成が好ましい。また、当該ニューロン回路NUへの電源の供給を遮断するなどの構成を適用するのが好ましい。ここでは、学習データの量はnビットと記載する。学習データI[1]乃至I[n]が、それぞれニューロン回路NU[1]乃至NU[n]に入力されるとする。
〔ステップS1−2〕
ステップS1−2では、入力ニューロン回路、つまり第1のモジュール100_1のニューロン回路NUから、第1のモジュール100_1のシナプス回路SUに出力信号xが入力される。第1のモジュール100_1のシナプス回路SUは、出力信号xに、アナログメモリAMに保持された重み係数w1を乗じた出力信号w1xを、隠れ誤差回路つまり第1のモジュール100_1の誤差回路EU、および隠れニューロン回路つまり第2のモジュール100_2のニューロン回路NUに出力する。
〔ステップS1−3〕
ステップS1−3では、隠れニューロン回路、つまり第2のモジュール100_2のニューロン回路NUに、第1のモジュール100_1のシナプス回路SUの出力信号の和であるΣw1xが入力される。
なお、隠れニューロン回路、つまり第2のモジュール100_2のニューロン回路NUの個数は学習データに応じて変更することも可能である。必要の無いニューロン回路NUには出力信号xが固定値となるデータを入力する構成が好ましい。また、当該ニューロン回路NUへの電源の供給を遮断するなどの構成を適用するのが好ましい。ここでは、第2のモジュール100_2のニューロン回路NUの個数はm個であり、当該ニューロン回路NUの入力値をΣw1x[1]乃至w1x[m]と記載する。
〔ステップS1−4〕
ステップS1−4では、隠れニューロン回路つまり第2のモジュール100_2のニューロン回路NUから、第2のモジュール100_2のシナプス回路SUに出力信号x2が入力される。出力信号x2は、図1でいう出力信号xに相当する。第2のモジュール100_2のシナプス回路SUは、出力信号x2に、アナログメモリAMに保持された重み係数w2を乗じた出力信号w2x2を、出力ニューロン回路つまり第2のモジュール100_2の誤差回路EUに出力する。重み係数w2は、第2のモジュール100_2のシナプス回路SUのアナログメモリAMに保持される重み係数である。
〔ステップS1−5〕
ステップS1−5では、出力ニューロン回路つまり第2のモジュール100_2の誤差回路EUに、Σw2x2が入力される。Σw2x2は、図1でいうΣwxに相当する。
〔ステップS1−6〕
誤差回路EU[1]乃至EU[m]は、Σw2x2および外部からの教師信号eをもとに乗算を行い、第2のモジュール100_2のニューロン回路NUに差分信号d2を出力する。差分信号d2は、図1でいうd[1]乃至d[m]に相当する。教師信号eは、第2のモジュールの誤差回路EU[1]乃至EU[n]に入力される入力信号E[1]乃至[n]に相当する。
〔ステップS1−7〕
ステップS1−7では、差分信号d2をもとに、第2のモジュール100_2のシナプス回路SU内のアナログメモリAMに保持された重み係数w2が更新される。またステップS1−7では、第2のモジュール100_2のシナプス回路SU内で更新された重み係数w2と、差分信号d2との乗算を行い、出力信号w2d2を出力する。出力信号w2d2は、隠れ誤差回路つまり第1のモジュール100_1の誤差回路EUに出力される入力信号E[1]乃至E[n]となる。
〔ステップS1−8〕
ステップS1−8では、出力信号の和であるΣw1xおよび出力信号w2d2をもとに乗算を行い、第1のモジュール100_1のニューロン回路NUに差分信号d1を出力する。差分信号d1は、図1でいうd[1]乃至d[m]に相当する。
〔ステップS1−9〕
ステップS1−9では、差分信号d1をもとに、第1のモジュール100_1のシナプス回路SU内のアナログメモリAMに保持された重み係数wが更新される。以降は、更新された重み係数w1、w2をもとに、ステップS1−2乃至ステップS1−9を所定の回数繰り返す。
〔ステップS1−10〕
ステップS1−10では、ステップS1−2乃至ステップS1−9を所定の回数を繰り返したかどうかの判定が行われる。所定の回数に達したとき当該学習データに対する学習を終了する。
なお、ここでの所定の回数は、第2のモジュールの誤差回路EUにおける出力信号oと教師信号eとの誤差が規定値内に収まるまで繰り返すように設定されることが理想的だが、経験的に決めた任意の回数としてよい。
〔ステップS1−11〕
ステップS1−11では、全ての学習データにおいて学習したか否かを判定する。未終了の学習データがある場合はステップS1−1乃至S1−10を繰り返し、全ての学習データについて学習を終了した場合には終了する。なお、一度学習した学習データについて、一通り全ての学習データに対する学習が終った後に、再度学習する構成としてもよい。
階層型パーセプトロンアーキテクチャを有するニューラルネットワークでは、隠れ層を多層に設けることが好ましい。隠れ層に相当する隠れニューロン回路およびシナプス回路を多層に設ける場合、重み係数の更新を繰り返し行うことができるため、学習効率を高めることができる。
<<比較>>
次に、先にデータを学習させた図33の半導体装置に、対象データを入力して、結果を出力する動作について、図11を用いて説明する。ここで学習した複数のデータのうち、対象データに最も近いと連想されるデータを結果として出力する。
〔ステップS2−1〕
ステップS2−1では、入力ニューロン回路つまり第1のモジュール100_1のニューロン回路NUに外部から対象データが入力される。
〔ステップS2−2〕
ステップS2−2では、第1のモジュール100_1のニューロン回路NUから第1のモジュール100_1のシナプス回路SUに、対象データに相当する出力信号xが入力される。第1のモジュール100_1のシナプス回路SUは、出力信号xに、学習のステップS1−9で保持された重み係数w1を乗じた出力信号w1xを、隠れニューロン回路つまり第2のモジュール100_2のニューロン回路NUに出力する。
〔ステップS2−3〕
ステップS2−3では、隠れニューロン回路つまり第2のモジュール100_2のニューロン回路NUに、第1のモジュール100_1のシナプス回路SUの出力信号の和であるΣw1xが入力される。
〔ステップS2−4〕
ステップS2−4では、隠れニューロン回路つまり第2のモジュール100_2のニューロン回路NUから第2のモジュール100_2のシナプス回路SUに出力信号x2が入力される。第2のモジュール100_2のシナプス回路SUは、出力信号x2に、アナログメモリAMに保持された重み係数w2を乗じた出力信号w2x2を、出力ニューロン回路つまり第2のモジュール100_2の誤差回路EUに出力する。
〔ステップS2−5〕
ステップS2−5では、出力ニューロン回路つまり第2のモジュール100_2の誤差回路EUに、第2のモジュール100_2のシナプス回路SUの出力信号の和であるΣw2x2が入力される。出力ニューロン回路つまり第2のモジュール100_2の誤差回路EUは、出力信号oを出力する。
ここで、学習した複数のデータのうち、出力された出力信号oに含まれるデータに一致するデータもしくは非常に近いデータがある場合には、その出力信号oに含まれるデータは当該学習データを学習した際に教師信号として与えたデータである。すなわち、学習データと対象データが一致(類似を含む)、又は不一致の判定を行うことができる。
上記のステップS1−1乃至ステップS1−10、及びステップS2−1乃至ステップS2−5を行うことによって、図1の半導体装置に学習データを学習させ、その後、学習データと対象データとが一致か不一致か示す信号を出力することができる。これにより、図1の半導体装置は、パターン認識や連想記憶などの処理を行うことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した図1の半導体装置をエンコーダとして利用した場合の動作例について説明する。
<物体の動きの検出例>
初めに、物体の動きの検出する方法の一例について説明する。図12は、画像データに対してエンコーダで実行する物体の動き検出のアルゴリズムを説明するものである。
図12(A)は、画像データ10を示し、画像データ10は、三角形11及び円12を有する。図12(B)は、画像データ20を示し、画像データ20は、画像データ10が有する三角形11及び円12が右上方向に移動した画像データとする。
図12(C)の画像データ30は、画像データ10から三角形11及び円12を含む領域31を抽出する操作を示している。画像データ30は、抽出した領域31の左上のマスを基準(0,0)とし、左右方向及び上下方向の位置を示す数値を添字として、画像データ10に付したものである。ここで、図12(C)で抽出した領域31を、図12(E)に示す。
図12(D)の画像データ40は、画像データ20から一領域を切り出して、領域41を複数抽出する操作を示している。画像データ40は、画像データ30に付した左右方向及び上下方向の位置を示す数値を、画像データ20にも付したものである。つまり、画像データ30、及び画像データ40から、領域31がどの位置に移動したかを変移(移動ベクトル)で表すことができる。図12(F)は、抽出した複数の領域41の一部を示している。
領域41の複数抽出の動作後では、物体の動きを検出するため、領域31を複数の領域41と順次比較する動作が行われる。この動作によって、領域31と移動ベクトル(1,−1)の領域41とが一致していることを検出し、且つ領域31と移動ベクトル(1,−1)以外の領域41とが不一致していることを検出する。これにより、領域31から領域41への移動ベクトル(1,−1)を取得することができる。
なお、本明細書では、上述の領域31のデータを学習データと表記する場合があり、上述の複数の領域41の一のデータを対象データと表記する場合がある。
なお、図12では、4×4からなる領域で、抽出、比較、そして検出の動作を行っているが、本動作例では、領域の大きさはこれに限定されない。抽出する画像データの大きさに合わせて適宜領域を変更する構成にしてもよい。例えば、3×5からなる領域で抽出、比較、そして検出の動作を行ってもよい。また、マスを形成する画素の数についても限定せず、例えば、10ピクセル×10ピクセルを1マスとしてもよいし、1ピクセルを1マスとして定義して領域を構成してもよい。また、例えば、5ピクセル×10ピクセルを1マスとして定義して領域を構成してもよい。
なお、映像の内容によっては、領域31に含まれる画像データが変化する場合がある。例えば、領域31に含まれる三角形11又は円12が、画像データ40では拡大、又は縮小している場合がある。また、例えば、領域31に含まれる三角形11又は円12が、画像データ40では回転している場合がある。この場合、領域31と複数の領域41との比較のために有効な構成においては、それぞれの領域がどの程度一致しているかを検出するために、それぞれの領域を入力した際の外部出力信号を算出し、それらの外部出力信号の差が最少となる場合の変移(移動ベクトル)を検出する。そのためには、領域31と複数の領域41とで特徴抽出などにより物体が同一であることを確認する構成であることが好ましい。なお、領域31の画像データから、領域31が該移動ベクトル方向に移動した画像データを生成し、当該画像データと複数の領域41との差分を取得することで、動き補償予測が可能となる。また、領域31の画像データの移動量が画素ピッチの整数倍に一致しない場合、領域31と複数の領域41との比較でそれぞれの外部出力信号を算出し、それらの外部出力信号の差が最小となる変移を推測し、これを物体の変移(移動ベクトル)として検出する構成が可能である。
<画像データの一致、類似、不一致の判定>
次に、エンコーダを用いた、動き補償予測の方法について、図13を用いて説明する。
〔ステップS3−1〕
ステップS3−1では、領域31のデータを学習データとして、第1のモジュールにおけるニューロン回路NUに入力する。
〔ステップS3−2〕
ステップS3−2では、入力された領域31のデータについて、ステップS1−2乃至ステップS1−10と同様の動作を行う。つまり、全てのシナプス回路SUに対して、それぞれの重み係数の更新を繰り返し行い、領域31のデータに応じたシナプス回路SUの重み係数を更新する。
〔ステップS3−3〕
ステップS3−3では、複数の領域41の一を対象データとして、ステップS3−2で更新した重み係数を有する図1の半導体装置に入力する。
〔ステップS3−4〕
ステップS3−4では、入力された複数の領域41の一のデータについて、ステップS2−2乃至ステップS2−5と同様の動作を行う。つまり、領域31のデータを学習させた半導体装置に対して、複数の領域41の一のデータを入力することで、連想されるデータを出力する。
ここで、領域31のデータと複数の領域41の一と、が一致する、又は一致しない、のいずれかの判定を行う。
〔ステップS3−5〕
ステップS3−5では、上述の判定結果に応じて、どのステップに進むかの判定が行われる。
該判定結果において、領域31のデータと複数の領域41の一とが一致しなかったとき、複数の領域41の一とは別の領域41を対象データとして、ステップS3−3とステップS3−4の動作が再度行われる。
また、該判定結果において、領域31のデータと複数の領域41の一とが一致したとき、領域31を基準とした複数の領域41の一の移動ベクトルを取得して、本動作が終了する。移動ベクトルを取得したことにより、移動ベクトルを差分とした、動き補償予測が可能となる。動き補償予測を行うことで、映像データの圧縮を効率よく行うことができる。
また、領域31のデータと複数の領域41の一とが類似する場合にも、該判定結果は一致となる。なお、複数の領域41の一のデータが複数の領域41のデータと類似する場合は、当該複数の領域41と複数の領域41の一のデータが一致していると判定される。。この場合、当該複数の領域41との一致度を各々判定することで、物体の変位を推測して、これを物体の移動ベクトルとして取得を行う。その後、本動作は終了する。
また、該判定結果で、全ての領域41のデータを対象データとして比較を行い、学習データと全ての対象データとが一致しなかったとき、または、類似しなかったとき、領域31のデータと複数の領域41のデータから動き補償予測を行うための移動ベクトルの取得ができないと判断して、本動作が終了する。
上記の動作を行うことによって、階層型パーセプトロンアーキテクチャを有するニューラルネットワークを映像データの圧縮を行うエンコーダとして利用することができる。これにより、大容量の画像データの圧縮を行うことができる高効率のエンコーダを実現することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、開示する発明に係る放送システムについて説明する。
<放送システム>
図14は、放送システムの構成例を模式的に示すブロック図である。放送システム500は、カメラ510、送信装置511、受信装置512、表示装置513を有する。カメラ510はイメージセンサ520、画像処理装置521を有する。送信装置511は、エンコーダ522及び変調器523を有する。受信装置512は、復調器525及びデコーダ526を有する。表示装置513は画像処理装置527及び表示部528を有する。
カメラ510が8K映像を撮影が可能である場合、イメージセンサ520は、8Kのカラー画像を撮像可能な画素数を有する。例えば、1画素が1の赤用(R)サブ画素、2の緑用(G)サブ画素、及び1の青用(B)サブ画素でなる場合、イメージセンサ520には、少なくとも7680×4320×4[R、G+G、B]の画素が必要となり、また、4K用のカメラであれば、イメージセンサ520の画素数は、少なくとも3840×2160×4であり、2K用のカメラであれば、画素数は、少なくとも1920×1080×4である。
イメージセンサ520は未加工のRawデータ540を生成する。画像処理装置521は、Rawデータ540に画像処理(ノイズ除去、補間処理など)を施し、映像データ541を生成する。映像データ541は送信装置511に出力される。
送信装置511は、映像データ541を処理して、放送帯域に適合する放送信号543を生成する(放送信号を搬送波という場合がある)。エンコーダ522は映像データ541を処理し、符号化データ542を生成する。エンコーダ522は、映像データ541を符号化する処理、映像データ541に放送制御用データ(例えば認証用のデータ)を付加する処理、暗号化処理、スクランブル処理(スペクトラム拡散のためのデータ並び替え処理)等を行う。
変調器523は符号化データ542をIQ変調(直行位相振幅変調)することで、放送信号543を生成し、出力する。放送信号543は、I(同位相)成分とQ(直行成分)成分の情報を持つ複合信号である。TV放送局は、映像データ541の取得、及び放送信号543の供給を担う。
放送信号543は受信装置512で受信される。受信装置512は、放送信号543を表示装置513で表示可能な映像データ544に変換する機能を有する。復調器525は、放送信号543を復調して、I信号、Q信号の2つのアナログ信号に分解する。
デコーダ526は、I信号及びQ信号をデジタル信号に変換する機能を有する。また、デコーダ526は、デジタル信号に対して、各種の処理を実行し、データストリームを生成する。この処理には、フレーム分離、LDPC(Low Density Parity Check)符号の復号、放送制御用データの分離、デスクランブル処理等がある。デコーダ526は、データストリームを復号化し、映像データ544を生成する。復号化のための処理には、直交変換(DCT:離散コサイン変換、DST:離散サイン変換)、フレーム内予測処理、動き補償予測処理等がある。
映像データ544は、表示装置513の画像処理装置527に入力される。画像処理装置527は、映像データ544を処理し、表示部528に入力可能なデータ信号545を生成する。画像処理装置527での処理は、画像処理(ガンマ処理)、デジタル−アナログ変換処理等がある。データ信号545が入力されることで、表示部528は表示を行う。
図15に、放送システムにおけるデータ伝送を模式的に示す。図15には、放送局561から送信された電波(放送信号)が、各家庭のテレビジョン受信装置(TV)560に届けられるまでの経路を示している。TV560は、受信装置512及び表示装置513を備えている。人工衛星562として、例えば、CS衛星、BS衛星などが挙げられる。アンテナ564として、例えば、BS・110°CSアンテナ、CSアンテナなどが挙げられる。アンテナ565として、例えば、UHF(Ultra High Frequency)アンテナなどが挙げられる。
電波566A、566Bは、衛星放送用の放送信号である。人工衛星562は電波566Aを受信すると、地上に向けて電波566Bを伝送する。各家庭において、電波566Bはアンテナ564で受信され、TV560において衛星TV放送を視聴することができる。あるいは、電波566Bは他の放送局のアンテナで受信され、放送局内の受信装置によって光ケーブルに伝送できる信号に加工される。放送局は光ケーブル網を利用して放送信号を各家庭のTV560に送信する。電波567A、567Bは、地上波放送用の放送信号である。電波塔563は、受信した電波567Aを増幅して、電波567Bを送信する。各家庭では、アンテナ565で電波567Bを受信することで、TV560で地上波TV放送を視聴することができる。
また、本実施の形態の映像配信システムは、TV放送用のシステムに限定されるものではない。また配信する映像データは、動画像データでもよいし、静止画像データでもよい。
例えば、高速IPネットワークを通じてカメラ510の映像データ541を配信してもよい。例えば、映像データ541の配信システムは医療現場では、遠隔診断、遠隔診療に用いることができる。正確な画像診断や医療行為には、より高精細な映像が求められており、医療用画像として高解像度(8K、4K、2K)の映像が求められる。図16は、映像データの配信システムを利用した救急医療システムを模式的に示す。
救急車600と医療機関601との間、医療機関601と医療機関602間の通信は、高速ネットワーク605を利用して行われる。救急車600には、カメラ610、エンコーダ611、通信装置612が搭載されている。
カメラ610は、医療機関601へ搬送する患者を撮影する。カメラ610で取得した映像データ615は、通信装置612によって非圧縮で送信することもできる。これにより遅延を少なくして、高解像度の映像データ615を医療機関601に伝送することができる。救急車600と医療機関601と間の通信に、高速ネットワーク605を利用できない場合は、エンコーダ611で映像データを符号化し、符号化した映像データ616を送ることもできる。
医療機関601では、救急車600から送られた映像データが通信装置620で受信される。受信した映像データが非圧縮データであれば、通信装置620を介して、表示装置623に送られ、表示される。映像データが圧縮データであれば、デコーダ621でデータ伸長されたのち、表示装置623に送られ表示される。医師は、表示装置623の画像から、救急車600の救急隊員への指示、あるいは、患者の治療にあたる医療機関601内のスタッフに指示を行う。図16の配信システムは高精細な画像を伝送することができるので、医療機関601内において、医師は救急搬送中の患者の細部を確認することができる。そのため、医師は短時間でより的確な指示を救急隊員やスタッフに与えることができ、患者の救命率の向上につながる。
医療機関601と医療機関602間の映像データの通信も、上記と同様である。医療機関601の画像診断装置(CT、MRI等)で取得した医療画像を医療機関602に伝送することができる。また、ここでは、救急車600を例に挙げたが、患者を搬送する手段は、ヘリコプターなどの航空機や、船舶でもよい。
図15は、TV560が受信装置を内蔵している例を示している。TV560とは独立した受信装置で受信して、TV560に表示させる構成も可能である。そのような例を図17に示す。受信装置571は、TV560の外側に設けられてもよい(図17(A))。アンテナ564、565とTV560は、無線機572及び無線機573を介して、データの授受を行ってもよい(図17(B))。この場合、無線機572又は無線機573は、受信装置の機能も有する。また、TV560は、無線機573を内蔵してもよい(図17(C))。
受信装置は、携帯可能な大きさにすることもできる。図17(D)に示す受信装置574は、コネクタ部575を有する。表示装置、及び情報端末(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、タブレット型端末など)等の電子機器がコネクタ部575と接続可能な端子を備えていれば、これらで衛星放送や地上波放送を視聴することが可能となる。
図14の放送システム500において、エンコーダ522に、実施の形態1で説明した半導体装置を適用することができる。また、エンコーダ522には、半導体装置100と専用ICやプロセッサ(例えば、GPU、CPU)等を組み合わせて構成することができる。また、エンコーダ522を一の専用ICチップに集積化することもできる。
<エンコーダ>
図18は、エンコーダ522の一例を示すブロック図である。エンコーダ522は、回路591乃至回路594を有する。
回路591は、ソース符号化を行う回路であり、フレーム間予測回路591a、動き補償予測回路591b、DCT回路591cを有する。回路592は、ビデオ・マルチプレックス符号化処理回路を有する。回路593は、LDPC符号化回路593a(LDPC;Low Density Parity Check)、認証付与処理回路593b、スクランブラ593cを有する。回路594はDAC(デジタルアナログ変換)部である。
回路591は、送られてきた映像データ541に対してソース符号化を行う回路である。ソース符号化とは、画像情報に含まれる冗長な成分を除く処理のことを指す。なお、この回路591から出力されたデータから、完全な元の映像データに戻すことはできないため、ソース符号化は、非可逆な処理といえる。
フレーム間予測回路591aは、符号化するフレーム(画面)に対して、その前のフレーム、又はその後ろのフレーム、又はその両方のフレームから予測画面を作成して、該予測画面を符号化する回路である。動き補償予測回路591bは、映像データ541に含まれる被写体の動作、変形などを検出し、その変位、その回転量、その伸縮量などを算出し、該被写体の含まれるフレームに対して予測画面を作成して、該予測画面を符号化する回路である。DCT回路591cは、離散コサイン変換を用いて、画素領域から取得した映像データに相当する情報を周波数領域の情報に変換する回路である。
回路591は、フレーム間予測回路591a、動き補償予測回路591b、及びDCT回路591cを通して、ソース符号化された映像データ541を量子化する機能を有する。ここでいう量子化とは、DCT回路591cによって得られた周波数成分を、それぞれ離散的な値に対応付ける動作のことをいう。この動作によって、映像データ541に含まれる大きな情報を削減することができる。そして、回路591は、ソース符号化と量子化が行われた映像データ、及び動き補償予測して得られた情報を含むデータストリーム551を回路592に送信される。
回路592は、データストリーム551に含まれる情報を可変長符号化して圧縮し、それらを多重化する回路である。ここでいう多重化とは、複数の情報を1つのビット列、又はバイト列として送信できるように並べる処理のことである。ビデオ・マルチプレックス符号化された情報は、データストリーム552として、回路593に送信される。
回路593は、回路592から送られてきたデータストリーム552に対して主に誤り訂正符号化、認証付与、暗号化を行う回路である。LDPC符号化回路593aは、誤り訂正符号化を行って、ノイズのある通信チャンネルを通してデータを送信する回路である。認証付与処理回路593bは、送信するデータに対して、IDコード(ID;Identification)やパスワードなどを付与して、意図しない受信機側でのデータの復元を防ぐための回路である。スクランブラ593cは、送信するデータに対して、送信データ列を信号データ列と無関係なランダム列に変換する装置である。変換されたデータは、受信機側のデスクランブルによって、元のデータに復元することができる。回路593は、データストリーム552に対して、誤り訂正符号化、認証付与、暗号化の処理を行い、データストリーム553として、回路594に送信する。
回路594は、データストリーム553を受信装置512に送るために、データストリーム553をデジタルアナログ変換するための回路である。デジタルアナログ変換されたデータストリーム553は符号化データ542として、変調器523に送信される。
(実施の形態4)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係るトランジスタについて説明する。
なお、本発明の一態様に係るトランジスタは、実施の形態5で説明するnc−OS又はCAAC−OSを有することが好ましい。
<トランジスタの構成例1>
図19(A)乃至図19(C)は、トランジスタ1400aの上面図及び断面図である。図19(A)は上面図である。図19(B)は、図19(A)に示す一点鎖線A1−A2に対応する断面図であり、図19(C)は、図19(A)に示す一点鎖線A3−A4に対応する断面図である。なお、図19(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。なお、一点鎖線A1−A2をトランジスタ1400aのチャネル長方向、一点鎖線A3−A4をトランジスタ1400aのチャネル幅方向と呼ぶ場合がある。
トランジスタ1400aは、基板1450と、基板1450上の絶縁膜1401と、絶縁膜1401上の導電膜1414と、導電膜1414を覆うように形成された絶縁膜1402と、絶縁膜1402上の絶縁膜1403と、絶縁膜1403上の絶縁膜1404と、絶縁膜1404上に、金属酸化物1431、金属酸化物1432の順で形成された積層と、金属酸化物1432の上面及び側面と接する導電膜1421と、同じく金属酸化物1432の上面及び側面と接する導電膜1423と、導電膜1421上の導電膜1422と、導電膜1423上の導電膜1424と、導電膜1422、導電膜1424上の絶縁膜1405と、金属酸化物1431、金属酸化物1432、導電膜1421乃至導電膜1424及び絶縁膜1405と接する金属酸化物1433と、金属酸化物1433上の絶縁膜1406と、絶縁膜1406上の導電膜1411と、導電膜1411上の導電膜1412と、導電膜1412上の導電膜1413と、導電膜1413を覆うように形成された絶縁膜1407と、絶縁膜1407上の絶縁膜1408を有する。なお、金属酸化物1431、金属酸化物1432及び金属酸化物1433をまとめて、金属酸化物1430と呼称する。
金属酸化物1432は半導体であり、トランジスタ1400aのチャネルとしての機能を有する。
また、金属酸化物1431及び金属酸化物1432は、領域1441及び領域1442を有する。領域1441は、導電膜1421と、金属酸化物1431、金属酸化物1432が接する領域の近傍に形成され、領域1442は、導電膜1423と、金属酸化物1431、金属酸化物1432が接する領域の近傍に形成される。
領域1441、領域1442は低抵抗領域としての機能を有する。金属酸化物1431、金属酸化物1432は、領域1441を有することで、導電膜1421との間のコンタクト抵抗を低減させることが可能になる。同様に、金属酸化物1431、金属酸化物1432は、領域1442を有することで、導電膜1423との間のコンタクト抵抗を低減させることが可能になる。
導電膜1421、導電膜1422は、トランジスタ1400aのソース電極又はドレイン電極の一方としての機能を有する。導電膜1423、導電膜1424は、トランジスタ1400aのソース電極又はドレイン電極の他方としての機能を有する。
導電膜1422は導電膜1421よりも酸素を透過しにくい機能を有する。これにより、酸化による導電膜1421の導電率の低下を防ぐことが可能になる。
同様に、導電膜1424は導電膜1423よりも酸素を透過しにくい機能を有する。これにより、酸化による導電膜1423の導電率の低下を防ぐことが可能になる。
導電膜1411乃至導電膜1413は、トランジスタ1400aの第1のゲート電極としての機能を有する。
導電膜1411、導電膜1413は、導電膜1412よりも酸素を透過しにくい機能を有する。これにより、酸化による導電膜1412の導電率の低下を防ぐことが可能になる。
絶縁膜1406は、トランジスタ1400aの第1のゲート絶縁膜としての機能を有する。
導電膜1414は、トランジスタ1400aの第2のゲート電極としての機能を有する。
導電膜1411乃至導電膜1413と導電膜1414は同じ電位が与えられてもよいし、異なる電位が与えられてもよい。また導電膜1414は、場合によっては省略してもよい。
絶縁膜1401乃至絶縁膜1404は、トランジスタ1400aの下地絶縁膜としての機能を有する。また、絶縁膜1402乃至絶縁膜1404は、トランジスタ1400aの第2のゲート絶縁膜としての機能も有する。
絶縁膜1405乃至1408は、トランジスタ1400aの保護絶縁膜又は層間絶縁膜としての機能を有する。
図19(C)に示すように、金属酸化物1432の側面は、導電膜1411に囲まれている。上記構成をとることで、導電膜1411の電界によって、金属酸化物1432を電気的に取り囲むことができる。ゲート電極の電界によって、半導体を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。そのため、金属酸化物1432の全体(バルク)にチャネルが形成される。s−channel構造は、トランジスタのソース−ドレイン間に大電流を流すことができ、トランジスタのオン電流を高くすることができる。
s−channel構造は、高いオン電流が得られるため、LSI(Large Scale Integration)など微細化されたトランジスタが要求される半導体装置に適した構造といえる。トランジスタを微細化できるため、該トランジスタを有する半導体装置は、集積度の高い、高密度化された半導体装置とすることが可能となる。
トランジスタ1400aにおいて、ゲート電極として機能する領域は、絶縁膜1405などに形成された開口部を埋めるように自己整合(self align)的に形成される。
図19(B)に示すように、導電膜1411と導電膜1422は、絶縁膜を間に介して、互いに重なる領域を有する。同様に、導電膜1411と導電膜1423は、絶縁膜を間に介して、互いに重なる領域を有する。これらの領域は、ゲート電極と、ソース電極又はドレイン電極との間に生じた寄生容量として機能し、トランジスタ1400aの動作速度を低下させる原因になり得る。トランジスタ1400aは、絶縁膜1405を設けることで、上述の寄生容量を低下させることが可能になる。絶縁膜1405は、比誘電率の低い材料からなることが好ましい。
図20(A)は、トランジスタ1400aの中央部を拡大したものである。図20(A)において、導電膜1411の底面が、絶縁膜1406及び金属酸化物1433を介して、金属酸化物1432の上面と平行に面する領域の長さを、幅Lとして示す。幅Lは、ゲート電極の線幅を表す。また、図20(A)において、導電膜1421と導電膜1423の間の長さを、幅LSDとして示す。幅LSDは、ソース電極とドレイン電極との間の長さを表す。
幅LSDは最小加工寸法で決定されることが多い。図20(A)に示すように、幅Lは、幅LSDよりも小さい。すなわち、トランジスタ1400aは、ゲート電極の線幅を、最小加工寸法より小さくすることが可能になる。具体的には、幅Lは、5nm以上且つ60nm以下、好ましくは5nm以上且つ30nm以下とすることが可能になる。
図20(A)において、導電膜1421及び導電膜1422の厚さの合計、又は、導電膜1423及び導電膜1424の厚さの合計を高さHSDと表す。
絶縁膜1406の厚さを、高さHSD以下とすることで、ゲート電極からの電界がチャネル形成領域全体に印加することが可能になり好ましい。絶縁膜1406の厚さは、30nm以下、好ましくは10nm以下とする。
また、導電膜1422と導電膜1411の間に形成される寄生容量、及び、導電膜1424と導電膜1411の間に形成される寄生容量の値は、絶縁膜1405の厚さに反比例する。例えば、絶縁膜1405の厚さを、絶縁膜1406の厚さの3倍以上、好ましくは5倍以上とすることで、寄生容量は無視できるほど小さくなり、好ましい。その結果、トランジスタ1400aを高周波数で動作させることが可能になる。
以下、トランジスタ1400aの各構成要素について説明を行う。
<<金属酸化物層>>
まず、金属酸化物1431乃至金属酸化物1433に適用可能な金属酸化物について説明を行う。
トランジスタ1400aは、非導通状態においてソースとドレインとの間を流れる電流(オフ電流)が低いことが好適である。オフ電流が低いトランジスタとしては、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタが挙げられる。
金属酸化物1432は、例えば、インジウム(In)を含む酸化物半導体である。金属酸化物1432は、例えば、インジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、金属酸化物1432は、元素Mを含むと好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)又はスズ(Sn)などとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素(B)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)などがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。例えば、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも高い元素である。又は、元素Mは、例えば、金属酸化物のエネルギーギャップを大きくする機能を有する元素である。また、金属酸化物1432は、亜鉛(Zn)を含むと好ましい。金属酸化物は、亜鉛を含むと結晶化しやすくなる場合がある。
ただし、金属酸化物1432は、インジウムを含む酸化物半導体に限定されない。金属酸化物1432は、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物などの、インジウムを含まず、亜鉛を含む酸化物半導体、ガリウムを含む酸化物半導体、スズを含む酸化物半導体などであっても構わない。
金属酸化物1432は、例えば、エネルギーギャップが大きい酸化物半導体を用いる。金属酸化物1432のエネルギーギャップは、例えば、2.5eV以上且つ4.2eV以下、好ましくは2.8eV以上且つ3.8eV以下、さらに好ましくは3eV以上且つ3.5eV以下とする。
金属酸化物1432は、実施の形態6に後述するCAAC−OS膜であることが好ましい。
例えば、金属酸化物1431及び金属酸化物1433は、金属酸化物1432を構成する酸素以外の元素一種以上から構成される金属酸化物である。金属酸化物1432を構成する酸素以外の元素一種以上から金属酸化物1431及び金属酸化物1433が構成されるため、金属酸化物1431と金属酸化物1432との界面、及び金属酸化物1432と金属酸化物1433との界面において、界面準位が形成されにくい。
なお、金属酸化物1431がIn−M−Zn酸化物のとき、In及びMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高いとする。金属酸化物1431をスパッタリング法で成膜する場合、上記の組成を満たすスパッタリングターゲットを用いることが好ましい。例えば、In:M:Zn=1:3:2またはその近傍値、In:M:Zn=1:3:4またはその近傍値などが好ましい。
また、金属酸化物1432がIn−M−Zn酸化物のとき、In及びMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。金属酸化物1432をスパッタリング法で成膜する場合、上記の組成を満たすスパッタリングターゲットを用いることが好ましい。例えば、In:M:Zn=1:1:1またはその近傍値、In:M:Zn=1:1:1.2またはその近傍値、In:M:Zn=2:1:3またはその近傍値、In:M:Zn=3:1:2またはその近傍値、In:M:Zn=4:2:4.1またはその近傍値が好ましい。特に、スパッタリングターゲットとして、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:4.1を用いる場合、成膜される金属酸化物1432の原子数比は、In:Ga:Zn=4:2:3近傍となる場合がある。
また、金属酸化物1433がIn−M−Zn酸化物のとき、In及びMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。例えば、In:M:Zn=1:3:2またはその近傍値、In:M:Zn=1:3:4またはその近傍値などが好ましい。また、金属酸化物1433は、金属酸化物1431と同種の金属酸化物を用いても構わない。
また、金属酸化物1431又は金属酸化物1433がインジウムを含まなくても構わない場合がある。例えば、金属酸化物1431又は金属酸化物1433が酸化ガリウムであっても構わない。
次に、金属酸化物1431乃至金属酸化物1433の積層により構成される金属酸化物1430の機能及びその効果について、図20(B)に示すエネルギーバンド構造図を用いて説明する。図20(B)は、図20(A)にY1−Y2の鎖線で示した部位のエネルギーバンド構造を示している。また、図20(B)は、トランジスタ1400aのチャネル形成領域とその近傍のエネルギーバンド構造を示している。
図20(B)中、Ec1404、Ec1431、Ec1432、Ec1433、Ec1406は、それぞれ、絶縁膜1404、金属酸化物1431、金属酸化物1432、金属酸化物1433、絶縁膜1406の伝導帯下端のエネルギーを示している。
ここで、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差(「電子親和力」ともいう。)は、真空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(イオン化ポテンシャルともいう。)からエネルギーギャップを引いた値となる。なお、エネルギーギャップは、分光エリプソメータを用いて測定できる。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置を用いて測定できる。
絶縁膜1404と絶縁膜1406は絶縁体であるため、Ec1406とEc1404は、Ec1431、Ec1432、及びEc1433よりも真空準位に近い(電子親和力が小さい)。
金属酸化物1432は、金属酸化物1431及び金属酸化物1433よりも電子親和力の大きい金属酸化物を用いる。例えば、金属酸化物1432として、金属酸化物1431及び金属酸化物1433よりも電子親和力の0.07eV以上且つ1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上且つ0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上且つ0.4eV以下大きい金属酸化物を用いる。
なお、インジウムガリウム酸化物は、小さい電子親和力と、高い酸素ブロック性を有する。そのため、金属酸化物1433がインジウムガリウム酸化物を含むと好ましい。ガリウム原子割合[Ga/(In+Ga)]は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とする。
このとき、ゲート電圧を印加すると、金属酸化物1431、金属酸化物1432、金属酸化物1433のうち、電子親和力の大きい金属酸化物1432にチャネルが形成される。
そのため、電子は、金属酸化物1431、金属酸化物1433の中ではなく、金属酸化物1432の中を主として移動する。そのため、金属酸化物1431と絶縁膜1404との界面、あるいは、金属酸化物1433と絶縁膜1406との界面に、電子の流れを阻害する界面準位が多く存在したとしても、トランジスタのオン電流にはほとんど影響を与えない。金属酸化物1431、金属酸化物1433は、絶縁膜のように機能する。
金属酸化物1431と金属酸化物1432との間には、金属酸化物1431と金属酸化物1432との混合領域を有する場合がある。また、金属酸化物1432と金属酸化物1433との間には、金属酸化物1432と金属酸化物1433との混合領域を有する場合がある。混合領域は、界面準位密度が低くなる。そのため、金属酸化物1431、金属酸化物1432及び金属酸化物1433の積層体は、それぞれの界面近傍において、エネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう。)バンド構造となる。
金属酸化物1431と金属酸化物1432の界面、あるいは、金属酸化物1432と金属酸化物1433との界面は、上述したように界面準位密度が小さいため、金属酸化物1432中で電子の移動が阻害されることが少なく、トランジスタのオン電流を高くすることが可能になる。
例えば、トランジスタ中の電子の移動は、チャネル形成領域の物理的な凹凸が大きい場合に阻害される。トランジスタのオン電流を高くするためには、例えば、金属酸化物1432の上面又は下面(被形成面、ここでは金属酸化物1431)の、1μm×1μmの範囲における二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)粗さが1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とすればよい。また、1μm×1μmの範囲における平均面粗さ(Raともいう。)が1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とすればよい。また、1μm×1μmの範囲における最大高低差(P−Vともいう。)が10nm未満、好ましくは9nm未満、さらに好ましくは8nm未満、より好ましくは7nm未満とすればよい。RMS粗さ、Ra及びP−Vは、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製走査型プローブ顕微鏡システムSPA−500などを用いて測定することができる。
チャネルの形成される領域中の欠陥準位密度が高い場合にも、電子の移動は阻害される。例えば、金属酸化物1432が酸素欠損(Vとも表記。)を有する場合、酸素欠損のサイトに水素が入り込むことでドナー準位を形成することがある。以下では酸素欠損のサイトに水素が入り込んだ状態をVHと表記する場合がある。VHは電子を散乱するため、トランジスタのオン電流を低下させる要因となる。なお、酸素欠損のサイトは、水素が入るよりも酸素が入る方が安定する。したがって、金属酸化物1432中の酸素欠損を低減することで、トランジスタのオン電流を高くすることができる場合がある。
例えば、金属酸化物1432のある深さにおいて、又は、金属酸化物1432のある領域において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定される水素濃度は、1×1016atoms/cm以上、2×1020atoms/cm以下、好ましくは1×1016atoms/cm以上、5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1016atoms/cm以上、1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以上、5×1018atoms/cm以下とする。
金属酸化物1432の酸素欠損を低減するために、例えば、絶縁膜1404に含まれる過剰酸素を、金属酸化物1431を介して金属酸化物1432まで移動させる方法などがある。この場合、金属酸化物1431は、酸素透過性を有する層(酸素を通過又は透過させる層)であることが好ましい。
なお、トランジスタがs−channel構造を有する場合、金属酸化物1432の全体にチャネルが形成される。したがって、金属酸化物1432が厚いほどチャネル領域は大きくなる。即ち、金属酸化物1432が厚いほど、トランジスタのオン電流を高くすることができる。
また、トランジスタのオン電流を高くするためには、金属酸化物1433は薄いほど好ましい。金属酸化物1433は、例えば、10nm未満、好ましくは5nm以下、さらに好ましくは3nm以下の領域を有していればよい。一方、金属酸化物1433は、チャネルの形成される金属酸化物1432へ、隣接する絶縁体を構成する酸素以外の元素(水素、シリコンなど)が入り込まないようブロックする機能を有する。そのため、金属酸化物1433は、ある程度の厚さを有することが好ましい。金属酸化物1433は、例えば、0.3nm以上、好ましくは1nm以上、さらに好ましくは2nm以上の厚さの領域を有していればよい。また、金属酸化物1433は、絶縁膜1404などから放出される酸素の外方拡散を抑制するために、酸素をブロックする性質を有すると好ましい。
また、信頼性を高くするためには、金属酸化物1431は厚く、金属酸化物1433は薄いことが好ましい。金属酸化物1431は、例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上の厚さの領域を有していればよい。金属酸化物1431の厚さを、厚くすることで、隣接する絶縁体と金属酸化物1431との界面からチャネルの形成される金属酸化物1432までの距離を離すことができる。ただし、半導体装置の生産性が低下する場合があるため、金属酸化物1431は、例えば、200nm以下、好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下の厚さの領域を有していればよい。
例えば、金属酸化物1432と金属酸化物1431との間に、例えば、SIMS分析において、1×1016atoms/cm以上、1×1019atoms/cm未満、好ましくは1×1016atoms/cm以上、5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以上、2×1018atoms/cm未満のシリコン濃度となる領域を有する。また、金属酸化物1432と金属酸化物1433との間に、SIMSにおいて、1×1016atoms/cm以上、1×1019atoms/cm未満、好ましくは1×1016atoms/cm以上、5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以上、2×1018atoms/cm未満のシリコン濃度となる領域を有する。
また、金属酸化物1432の水素濃度を低減するために、金属酸化物1431及び金属酸化物1433の水素濃度を低減すると好ましい。金属酸化物1431及び金属酸化物1433は、SIMSにおいて、1×1016atoms/cm以上、2×1020atoms/cm以下、好ましくは1×1016atoms/cm以上、5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1016atoms/cm以上、1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以上、5×1018atoms/cm以下の水素濃度となる領域を有する。また、金属酸化物1432の窒素濃度を低減するために、金属酸化物1431及び金属酸化物1433の窒素濃度を低減すると好ましい。金属酸化物1431及び金属酸化物1433は、SIMSにおいて、1×1016atoms/cm以上、5×1019atoms/cm未満、好ましくは1×1016atoms/cm以上、5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1016atoms/cm以上、1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以上、5×1017atoms/cm以下の窒素濃度となる領域を有する。
金属酸化物1431乃至金属酸化物1433の成膜は、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法又はPLD(Pulsed Laser Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法などを用いて行えばよい。
金属酸化物1431、金属酸化物1432を形成した後に、第1の加熱処理を行うと好ましい。第1の加熱処理は、250℃以上且つ650℃以下、好ましくは450℃以上且つ600℃以下、さらに好ましくは520℃以上且つ570℃以下で行えばよい。第1の加熱処理は、不活性ガス雰囲気、又は酸化性ガスを10ppm以上、1%以上もしくは10%以上含む雰囲気で行う。第1の加熱処理は減圧状態で行ってもよい。又は、第1の加熱処理は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上又は10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。第1の加熱処理によって、金属酸化物1431、金属酸化物1432の結晶性を高めることや、水素や水などの不純物を除去することが可能になる。
上述の3層構造は一例である。例えば、金属酸化物1431又は金属酸化物1433のない2層構造としても構わない。又は、金属酸化物1431の上もしくは下、又は金属酸化物1433上もしくは下に、金属酸化物1431、金属酸化物1432及び金属酸化物1433として例示した半導体のいずれか一を有する4層構造としても構わない。又は、金属酸化物1431の上、金属酸化物1431の下、金属酸化物1433の上、金属酸化物1433の下のいずれか二箇所以上に、金属酸化物1431、金属酸化物1432及び金属酸化物1433として例示した半導体のいずれか一を有するn層構造(nは5以上の整数)としても構わない。
<<基板>>
基板1450としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板又は導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、又は炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。又は、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体又は半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体又は絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体又は絶縁体が設けられた基板などがある。又は、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
また、基板1450として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可とう性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可とう性基板である基板1450に転置する方法もある。その場合には、非可とう性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。なお、基板1450として、繊維を編みこんだシート、フィルム又は箔などを用いてもよい。また、基板1450が伸縮性を有してもよい。また、基板1450は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。又は、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板1450の厚さは、例えば、5μm以上且つ700μm以下、好ましくは10μm以上且つ500μm以下、さらに好ましくは15μm以上且つ300μm以下とする。基板1450を薄くすると、半導体装置を軽量化することができる。また、基板1450を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基板1450上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。即ち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可とう性基板である基板1450としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、又はそれらの繊維などを用いることができる。可とう性基板である基板1450は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可とう性基板である基板1450としては、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、又は1×10−5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可とう性基板である基板1450として好適である。
<<下地絶縁膜>>
絶縁膜1401は、基板1450と導電膜1414を電気的に分離させる機能を有する。
絶縁膜1401又は絶縁膜1402は、単層構造又は積層構造の絶縁膜で形成される。絶縁膜を構成する材料には、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどがある。
また、絶縁膜1402として、TEOS(Tetra−Ethyl−Ortho−Silicate)若しくはシラン等と、酸素若しくは亜酸化窒素等とを反応させて形成した段差被覆性の良い酸化シリコンを用いてもよい。
また、絶縁膜1402を成膜した後、その上面の平坦性を高めるためにCMP法等を用いた平坦化処理を行ってもよい。
絶縁膜1404は、酸化物を含むことが好ましい。特に加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を含むことが好ましい。好適には、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物を用いることが好ましい。化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物膜は、加熱により一部の酸素が脱離する。絶縁膜1404から脱離した酸素は金属酸化物1430に供給され、金属酸化物1430の酸素欠損を低減することが可能となる。その結果、トランジスタの電気特性の変動を抑制し、信頼性を高めることができる。
化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物膜は、例えば、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上且つ700℃以下、又は100℃以上且つ500℃以下の範囲が好ましい。
絶縁膜1404は、金属酸化物1430に酸素を供給することができる酸化物を含むことが好ましい。例えば、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンを含む材料を用いることが好ましい。
又は、絶縁膜1404として、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等の金属酸化物を用いてもよい。
絶縁膜1404に酸素を過剰に含有させるためには、例えば酸素雰囲気下にて絶縁膜1404の成膜を行えばよい。又は、成膜後の絶縁膜1404に酸素を導入して酸素を過剰に含有する領域を形成してもよく、双方の手段を組み合わせてもよい。
例えば、成膜後の絶縁膜1404に、酸素(少なくとも酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオンのいずれかを含む)を導入して酸素を過剰に含有する領域を形成する。酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、プラズマ処理などを用いることができる。
酸素導入方法には、酸素を含むガスを用いることができる。酸素を含むガスとしては、例えば酸素、亜酸化窒素、二酸化窒素、二酸化炭素、一酸化炭素などを用いることができる。また、酸素導入処理において、酸素を含むガスに希ガスを含ませてもよい。又は、水素等を含ませてもよい。例えば、二酸化炭素、水素及びアルゴンの混合ガスを用いるとよい。
また、絶縁膜1404を成膜した後、その上面の平坦性を高めるためにCMP法等を用いた平坦化処理を行ってもよい。
絶縁膜1403は、絶縁膜1404に含まれる酸素が、導電膜1414に含まれる金属と結びつき、絶縁膜1404に含まれる酸素が減少することを防ぐパッシベーション機能を有する。
絶縁膜1403は、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキングできる機能を有する。絶縁膜1403を設けることで、金属酸化物1430からの酸素の外部への拡散と、外部から金属酸化物1430への水素、水等の入り込みを防ぐことができる。
絶縁膜1403としては、例えば、窒化物絶縁膜を用いることができる。該窒化物絶縁膜としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム等がある。なお、窒化物絶縁膜の代わりに、酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する酸化物絶縁膜を設けてもよい。酸化物絶縁膜としては、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等がある。
トランジスタ1400aは、電荷捕獲層に電子を注入することで、しきい値電圧を制御することが可能になる。電荷捕獲層は、絶縁膜1402又は絶縁膜1403に設けることが好ましい。例えば、絶縁膜1403を酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケート等で形成することで、電荷捕獲層として機能させることができる。
<<ゲート電極>>
導電膜1411乃至導電膜1414として、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ストロンチウム(Sr)の低抵抗材料からなる単体、合金、又はこれらを主成分とする化合物を含む導電膜の単層又は積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu−Mn合金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがCuの拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
<<ソース電極、ドレイン電極>>
導電膜1421乃至導電膜1424として、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ストロンチウム(Sr)の低抵抗材料からなる単体、合金、又はこれらを主成分とする化合物を含む導電膜の単層又は積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu−Mn合金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがCuの拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
また、導電膜1421乃至導電膜1424には、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、ストロンチウムルテナイトなど、貴金属を含む導電性酸化物を用いることが好ましい。これらの導電性酸化物は、酸化物半導体と接しても酸化物半導体から酸素を奪うことが少なく、酸化物半導体の酸素欠損を作りにくい。
<<低抵抗領域>>
領域1441、領域1442は、例えば、導電膜1421、導電膜1423が、金属酸化物1431、金属酸化物1432の酸素を引き抜くことで形成される。酸素の引き抜きは、高い温度で加熱するほど起こりやすい。トランジスタの作製工程には、いくつかの加熱工程があることから、領域1441、領域1442には酸素欠損が形成される。また、加熱により該酸素欠損のサイトに水素が入りこみ、領域1441、領域1442に含まれるキャリア濃度が増加する。その結果、領域1441、領域1442が低抵抗化する。
<<ゲート絶縁膜>>
絶縁膜1406は、比誘電率の高い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁膜1406は、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを有する酸化物、アルミニウム及びハフニウムを有する酸化窒化物、シリコン及びハフニウムを有する酸化物、又はシリコン及びハフニウムを有する酸化窒化物などを有することが好ましい。
また、絶縁膜1406は、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンと、比誘電率の高い絶縁体と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、比誘電率の高い絶縁体と組み合わせることで、熱的に安定且つ比誘電率の高い積層構造とすることができる。例えば、酸化アルミニウム、酸化ガリウム又は酸化ハフニウムを金属酸化物1433側に有することで、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンに含まれるシリコンが、金属酸化物1432に混入することを抑制することができる。
また、例えば、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンを金属酸化物1433側に有することで、酸化アルミニウム、酸化ガリウム又は酸化ハフニウムと、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンと、の界面にトラップセンターが形成される場合がある。該トラップセンターは、電子を捕獲することでトランジスタのしきい値電圧をプラス方向に変動させることができる場合がある。
<<層間絶縁膜、保護絶縁膜>>
絶縁膜1405は、比誘電率の低い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁膜1405は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン又は樹脂などを有することが好ましい。又は、絶縁膜1405は、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンと、樹脂と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、樹脂と組み合わせることで、熱的に安定且つ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート又はアクリルなどがある。
絶縁膜1407は、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキングできる機能を有する。絶縁膜1407を設けることで、金属酸化物1430からの酸素の外部への拡散と、外部から金属酸化物1430への水素、水等の入り込みを防ぐことができる。
絶縁膜1407としては、例えば、窒化物絶縁膜を用いることができる。該窒化物絶縁膜としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム等がある。なお、窒化物絶縁膜の代わりに、酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する酸化物絶縁膜を設けてもよい。酸化物絶縁膜としては、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等がある。
酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物、及び酸素の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高いので絶縁膜1407に適用するのに好ましい。
絶縁膜1407は、スパッタリング法、CVD法など酸素を含むプラズマを用いて成膜することで、絶縁膜1405、絶縁膜1406の側面及び表面に、酸素を添加することが可能になる。また、絶縁膜1407を成膜した後、何れかのタイミングにおいて、第2の加熱処理を行うことが好ましい。第2の加熱処理によって、絶縁膜1405、絶縁膜1406に添加された酸素が、絶縁膜中を拡散し、金属酸化物1430に到達し、金属酸化物1430の酸素欠損を低減することが可能になる。
図21(A)、(B)は、絶縁膜1407を成膜する際に絶縁膜1405、絶縁膜1406に添加された酸素が、第2の加熱処理によって絶縁膜中を拡散し、金属酸化物1430に到達する様子を描いた模式図である。図21(A)は、図19(B)の断面図において、酸素が拡散する様子を矢印で示している。同様に、図21(B)は、図19(C)の断面図において、酸素が拡散する様子を矢印で示している。
図21(A)、図21(B)に示すように、絶縁膜1406の側面に添加された酸素が、絶縁膜1406の内部を拡散し、金属酸化物1430に到達する。また、絶縁膜1407と絶縁膜1405の界面近傍に、酸素を過剰に含む領域1461、領域1462及び領域1463が形成される場合がある。領域1461乃至1463に含まれる酸素は、絶縁膜1405、絶縁膜1404を経由し、金属酸化物1430に到達する。絶縁膜1405が酸化シリコンを含み、絶縁膜1407が酸化アルミニウムを含む場合、領域1461乃至1463は、シリコンとアルミニウムと酸素の混合層が形成される場合がある。
絶縁膜1407は、酸素をブロックする機能を有し、酸素が絶縁膜1407より上方に拡散することを防ぐ。同様に、絶縁膜1403は、酸素をブロックする機能を有し、酸素が絶縁膜1403より下方に拡散することを防ぐ。
なお、第2の加熱処理は、絶縁膜1405、絶縁膜1406に添加された酸素が金属酸化物1430まで拡散する温度で行えばよい。例えば、第1の加熱処理についての記載を参照しても構わない。又は、第2の加熱処理は、第1の加熱処理よりも低い温度が好ましい。第1の加熱処理と第2の加熱処理の温度差は、20℃以上且つ150℃以下、好ましくは40℃以上且つ100℃以下とする。これにより、絶縁膜1404から余分に酸素が放出することを抑えることができる。なお、第2の加熱処理は、同等の加熱処理を各層の成膜時の加熱によって兼ねることができる場合、行わなくてもよい場合がある。
このように、金属酸化物1430は、絶縁膜1407の成膜及び第2の加熱処理によって、上下方向から酸素が供給されることが可能になる。
また、In−M−Zn酸化物など、酸化インジウムを含む膜を絶縁膜1407として成膜することで、絶縁膜1405、絶縁膜1406に酸素を添加してもよい。
絶縁膜1408には、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどから選ばれた一種以上含む絶縁体を用いることができる。また、絶縁膜1408には、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂を用いることもできる。また、絶縁膜1408は上記材料の積層であってもよい。
<トランジスタの構成例2>
図19に示すトランジスタ1400aは、導電膜1414及び絶縁膜1402、絶縁膜1403を省略してもよい。その場合の例を図22に示す。
図22(A)乃至図22(C)は、トランジスタ1400bの上面図及び断面図である。図22(A)は上面図である。図22(B)は、図22(A)に示す一点鎖線A1−A2に対応する断面図であり、図22(C)は、図22(A)に示す一点鎖線A3−A4に対応する断面図である。なお、図22(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。なお、一点鎖線A1−A2をトランジスタ1400bのチャネル長方向、一点鎖線A3−A4をトランジスタ1400bのチャネル幅方向と呼ぶ場合がある。
図19に示すトランジスタ1400aにおいて、導電膜1421、導電膜1423は、ゲート電極(導電膜1411乃至導電膜1413)と重なる部分の膜厚を薄くしてもよい。その場合の例を図23に示す。
図23(A)乃至図23(C)は、トランジスタ1400cの上面図及び断面図である。図23(A)は上面図である。図23(B)は、図23(A)に示す一点鎖線A1−A2に対応する断面図であり、図23(C)は、図23(A)に示す一点鎖線A3−A4に対応する断面図である。なお、図23(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。なお、一点鎖線A1−A2をトランジスタ1400cのチャネル長方向、一点鎖線A3−A4をトランジスタ1400cのチャネル幅方向と呼ぶ場合がある。
図23(B)のトランジスタ1400cにおいて、ゲート電極と重なる部分の導電膜1421が薄膜化され、その上を導電膜1422が覆っている。同様に、ゲート電極と重なる部分の導電膜1423が薄膜化され、その上を導電膜1424が覆っている。
トランジスタ1400cは、図23(B)に示すような構成にすることで、ゲート電極とソース電極との間の距離、又は、ゲート電極とドレイン電極との間の距離を長くすることが可能になり、ゲート電極とソース電極及びドレイン電極との間に形成される寄生容量を低減することが可能になる。その結果、高速動作が可能なトランジスタを得ることが可能になる。
<トランジスタの構成例3>
図23に示すトランジスタ1400cにおいて、A3−A4方向に、金属酸化物1431、1432の幅を広げてもよい。その場合の例を図24に示す。
図24(A)乃至図24(C)は、トランジスタ1400dの上面図及び断面図である。図24(A)は上面図である。図24(B)は、図24(A)に示す一点鎖線A1−A2に対応する断面図であり、図24(C)は、図24(A)に示す一点鎖線A3−A4に対応する断面図である。なお、図24(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。なお、一点鎖線A1−A2をトランジスタ1400dのチャネル長方向、一点鎖線A3−A4をトランジスタ1400dのチャネル幅方向と呼ぶ場合がある。
トランジスタ1400dは、図24に示す構成にすることで、オン電流を増大させることが可能になる。
<トランジスタの構成例4>
図23に示すトランジスタ1400cにおいて、A3−A4方向に、金属酸化物1431、金属酸化物1432から成る領域(以下、フィンと呼ぶ)を複数設けてもよい。その場合の例を図25に示す。
図25(A)乃至図25(C)は、トランジスタ1400eの上面図及び断面図である。図25(A)は上面図である。図25(B)は、図25(A)に示す一点鎖線A1−A2に対応する断面図であり、図25(C)は、図25(A)に示す一点鎖線A3−A4に対応する断面図である。なお、図25(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。なお、一点鎖線A1−A2をトランジスタ1400eのチャネル長方向、一点鎖線A3−A4をトランジスタ1400eのチャネル幅方向と呼ぶ場合がある。
トランジスタ1400eは、金属酸化物1431a、金属酸化物1432aから成る第1のフィンと、金属酸化物1431b、金属酸化物1432bから成る第2のフィンと、金属酸化物1431c、金属酸化物1432cから成る第3のフィンと、を有している。
トランジスタ1400eは、チャネルが形成される金属酸化物1432a乃至金属酸化物1432cを、ゲート電極が取り囲むことで、チャネル全体にゲート電界を印加することが可能になり、オン電流が高いトランジスタを得ることが可能になる。
<トランジスタの構成例5>
図26(A)乃至図26(D)は、トランジスタ1400fの上面図及び断面図である。図26(A)は、トランジスタ1400fの上面図であり、図26(B)は図26(A)に示す一点鎖線A1−A2に対応する断面図であり、図26(C)は一点鎖線A3−A4に対応する断面図である。なお、一点鎖線A1−A2をチャネル長方向、一点鎖線A3−A4をチャネル幅方向という場合がある。トランジスタ1400fもトランジスタ1400a等と同様に、s−channel構造のトランジスタである。トランジスタ1400fでは、ゲート電極を構成する導電膜1412の側面に接して、絶縁膜1409が設けられている。絶縁膜1409及び導電膜1412が絶縁膜1408に覆われている。絶縁膜1409はトランジスタ1400fのサイドウォール絶縁膜として機能する。トランジスタ1400aと同様に、ゲート電極を導電膜1411乃至導電膜1413の積層としてもよい。
絶縁膜1406及び導電膜1412は、少なくとも一部が導電膜1414及び金属酸化物1432と重なる。導電膜1412のチャネル長方向の側面端部と絶縁膜1406のチャネル長方向の側面端部は概略一致していることが好ましい。ここで、絶縁膜1406はトランジスタ1400fのゲート絶縁膜として機能し、導電膜1412はトランジスタ1400fのゲート電極として機能し、絶縁膜1409はトランジスタ1400fのサイドウォール絶縁膜として機能する。
金属酸化物1432は、金属酸化物1433及び絶縁膜1406を介して導電膜1412と重なる領域を有する。金属酸化物1431の外周が金属酸化物1432の外周と概略一致し、金属酸化物1433の外周が金属酸化物1431及び金属酸化物1432の外周よりも外側に位置することが好ましい。ここでは、金属酸化物1433の外周が金属酸化物1431の外周よりも外側に位置する形状となっているが、本実施の形態に示すトランジスタはこれに限られるものではない。例えば、金属酸化物1431の外周が金属酸化物1433の外周より外側に位置してもよいし、金属酸化物1431の側面端部と、金属酸化物1433の側面端部とが概略一致する形状としてもよい。
図26(D)に図26(B)の部分拡大図を示す。図26(D)に示すように、金属酸化物1430には、領域1461a、1461b、1461c、1461d及び1461eが形成されている。領域1461b乃至領域1461eは、領域1461aと比較してドーパントの濃度が高く、低抵抗化されている。さらに、領域1461b及び領域1461cは、領域1461d及び領域1461eと比較して水素の濃度が高く、より低抵抗化されている。例えば、領域1461aは、領域1461b又は領域1461cのドーパントの最大濃度に対して、5%以下の濃度の領域、2%以下の濃度の領域、又は1%以下の濃度の領域とすればよい。なお、ドーパントを、ドナー、アクセプター、不純物又は元素と言い換えてもよい。
図26(D)に示すように、金属酸化物1430において、領域1461aは導電膜1412と概ね重なる領域であり、領域1461b、領域1461c、領域1461d及び領域1461eは、領域1461aを除いた領域である。領域1461b及び領域1461cにおいては、金属酸化物1433の上面が絶縁膜1407と接する。領域1461d及び領域1461eにおいては、金属酸化物1433の上面が絶縁膜1409又は絶縁膜1406と接する。つまり、図26(D)に示すように、領域1461bと領域1461dの境界は、絶縁膜1407と絶縁膜1409の側面端部の境界と重なる部分である。領域1461cと領域1461eの境界についても同様である。ここで、領域1461d及び領域1461eの一部が、金属酸化物1432の導電膜1412と重なる領域(チャネル形成領域)の一部と重なることが好ましい。例えば、領域1461d及び領域1461eのチャネル長方向の側面端部は、導電膜1412の側面端部より距離dだけ導電膜1412の内側に位置することが好ましい。このとき、絶縁膜1406の膜厚t406及び距離dは、0.25t406<d<t406を満たすことが好ましい。
このように、金属酸化物1430の導電膜1412と重なる領域の一部に領域1461d及び領域1461eが形成される。これにより、トランジスタ1400fのチャネル形成領域と低抵抗化された領域1461d及び領域1461eが接し、領域1461d及び領域1461eと、領域1461aとの間に、高抵抗のオフセット領域が形成されないため、トランジスタ1400fのオン電流を増大させることができる。さらに、領域1461d及び領域1461eのチャネル長方向の側面端部が上記の範囲を満たして形成されることで、領域1461d及び領域1461eがチャネル形成領域に対して深く形成されすぎて常に導通状態になってしまうことも防ぐことができる。
領域1461b、領域1461c、領域1461d及び領域1461eは、イオン注入法などのイオンドーピング処理により形成される。このため、図26(D)に示すように、領域1461d及び領域1461eのチャネル長方向の側面端部の位置が、金属酸化物1433上面から深くなるにしたがって、金属酸化物1430のチャネル長方向の側面端部側にシフトする場合がある。このとき、距離dは、最も導電膜1412の内側の近くに位置する、領域1461d及び領域1461eのチャネル長方向の側面端部と導電膜1412のチャネル長方向の側面端部との距離とする。
この場合、例えば、金属酸化物1431中に形成される領域1461d及び領域1461eが導電膜1412と重なる領域に形成されない場合がある。この場合、金属酸化物1431又は金属酸化物1432に形成される領域1461d及び領域1461eの少なくとも一部が導電膜1412と重なる領域に形成されることが好ましい。
また、金属酸化物1431、金属酸化物1432及び金属酸化物1433の絶縁膜1407との界面近傍に低抵抗領域1451及び低抵抗領域1452が形成されることが好ましい。低抵抗領域1451及び低抵抗領域1452は、絶縁膜1407に含まれる元素の少なくとも一が含まれる。低抵抗領域1451及び低抵抗領域1452の一部が、金属酸化物1432の導電膜1412と重なる領域(チャネル形成領域)と概略接するか、当該領域の一部と重なることが好ましい。
また、金属酸化物1433は絶縁膜1407と接する領域が大きいため、低抵抗領域1451及び低抵抗領域1452は金属酸化物1433に形成されやすい。金属酸化物1433における低抵抗領域1451と低抵抗領域1452は、金属酸化物1433の低抵抗領域1451及び低抵抗領域1452ではない領域(例えば、金属酸化物1433の導電膜1412と重なる領域)より、絶縁膜1407に含まれる元素の濃度が高い。
領域1461b中に低抵抗領域1451が形成され、領域1461c中に低抵抗領域1452が形成される。金属酸化物1430の理想的な構造は、例えば、添加元素の濃度が最も高い領域が低抵抗領域1451、1452であり、次に濃度が高い領域が、領域1461b、領域1461c―1461eの低抵抗領域1451、1452を含まない領域であり、濃度が最も低い領域が領域1461aであることである。添加元素とは、領域1461b、1461cを形成するためのドーパント、及び低抵抗領域1451、1452に絶縁膜1407から添加される元素が該当する。
なおトランジスタ1400fでは低抵抗領域1451、1452が形成される構成としているが、本実施の形態に示す半導体装置は、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、領域1461b及び領域1461cの抵抗が十分低い場合、低抵抗領域1451及び低抵抗領域1452を形成する必要はない。
<トランジスタの構成例6>
図27(A)及び図27(B)は、トランジスタ1680の上面図及び断面図である。図27(A)は上面図であり、図27(A)に示す一点鎖線A−B方向の断面が図27(B)に相当する。なお、図27(A)及び図27(B)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、又は省略して図示している。また、一点鎖線A−B方向をチャネル長方向と呼称する場合がある。
図27(B)に示すトランジスタ1680は、第1のゲートとして機能する導電膜1689と、第2のゲートとして機能する導電膜1688と、半導体1682と、ソース及びドレインとして機能する導電膜1683及び導電膜1684と、絶縁膜1681と、絶縁膜1685と、絶縁膜1686と、絶縁膜1687と、を有する。
導電膜1689は、絶縁表面上に設けられる。導電膜1689と、半導体1682とは、絶縁膜1681を間に挟んで、互いに重なる。また、導電膜1688と、半導体1682とは、絶縁膜1685、絶縁膜1686及び絶縁膜1687を間に挟んで、互いに重なる。また、導電膜1683及び導電膜1684は、半導体1682に、接続されている。
導電膜1689及び導電膜1688の詳細は、図19に示す導電膜1411乃至導電膜1414の記載を参照すればよい。
導電膜1689と導電膜1688は、異なる電位が与えられてもよいし、同時に同じ電位が与えられてもよい。トランジスタ1680は、第2のゲート電極として機能する導電膜1688を設けることで、しきい値を安定化させることが可能になる。なお、導電膜1688は、場合によっては省略してもよい。
半導体1682の詳細は、図19に示す金属酸化物1432の記載を参照すればよい。また、半導体1682は、一層でも良いし、複数の半導体層の積層でも良い。
導電膜1683及び導電膜1684の詳細は、図19に示す導電膜1421乃至1424の記載を参照すればよい。
絶縁膜1681の詳細は、図19に示す絶縁膜1406の記載を参照すればよい。
なお、図27(B)では、半導体1682、導電膜1683及び導電膜1684上に、順に積層された絶縁膜1685乃至絶縁膜1687が設けられている場合を例示しているが、半導体1682、導電膜1683及び導電膜1684上に設けられる絶縁膜は、一層でも良いし、複数の絶縁膜の積層でも良い。
半導体1682に酸化物半導体を用いた場合、絶縁膜1686は、化学量論的組成以上の酸素が含まれており、加熱により上記酸素の一部を半導体1682に供給する機能を有する絶縁膜であることが望ましい。ただし、絶縁膜1686を半導体1682上に直接設けると、絶縁膜1686の形成時に半導体1682にダメージが与えられる場合、図27(B)に示すように、絶縁膜1685を半導体1682と絶縁膜1686の間に設けると良い。絶縁膜1685は、その形成時に半導体1682に与えるダメージが絶縁膜1686の場合よりも小さく、なお且つ、酸素を透過する機能を有する絶縁膜であることが望ましい。ただし、半導体1682に与えられるダメージを小さく抑えつつ、半導体1682上に絶縁膜1686を直接形成することができるのであれば、絶縁膜1685は必ずしも設けなくとも良い。
例えば、絶縁膜1685及び絶縁膜1686として、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンを含む材料を用いることが好ましい。又は、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等の金属酸化物を用いることもできる。
絶縁膜1687は、酸素、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を有することが、望ましい。或いは、絶縁膜1687は、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を有することが、望ましい。
絶縁膜は、密度が高くて緻密である程、また未結合手が少なく化学的に安定である程、より高いブロッキング効果を示す。酸素、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を示す絶縁膜は、例えば、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等を用いて、形成することができる。水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を示す絶縁膜は、例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を用いることができる。
絶縁膜1687が水、水素などの拡散を防ぐブロッキング効果を有する場合、パネル内の樹脂や、パネルの外部に存在する水、水素などの不純物が、半導体1682に侵入するのを防ぐことができる。半導体1682に酸化物半導体を用いる場合、酸化物半導体に侵入した水又は水素の一部は電子供与体(ドナー)となるため、上記ブロッキング効果を有する絶縁膜1687を用いることで、トランジスタ1680の閾値電圧がドナーの生成によりシフトするのを防ぐことができる。
また、半導体1682に酸化物半導体を用いる場合、絶縁膜1687が酸素の拡散を防ぐブロッキング効果を有することで、酸化物半導体からの酸素が外部に拡散するのを防ぐことができる。よって、酸化物半導体中において、ドナーとなる酸素欠損が低減されるので、トランジスタ1680の閾値電圧がドナーの生成によりシフトするのを防ぐことができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明したOSトランジスタに適用可能な酸化物半導体膜の構造について説明する。
<酸化物半導体の構造>
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(c−axis−aligned and a−b−plane anchored crystal oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)及び非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体と、に分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体及びnc−OSなどがある。
非晶質構造は、一般に、等方的であって不均質構造を持たない、準安定状態で原子の配置が固定化していない、結合角度が柔軟である、短距離秩序は有するが長距離秩序を有さない、などといわれている。
即ち、安定な酸化物半導体を完全な非晶質(completely amorphous)酸化物半導体とは呼べない。また、等方的でない(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体とは呼べない。一方、a−like OSは、等方的でないが、鬆(ボイドともいう。)を有する不安定な構造である。不安定であるという点では、a−like OSは、物性的に非晶質酸化物半導体に近い。
<CAAC−OS>
まずは、CAAC−OSについて説明する。
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半導体の一種である。
CAAC−OSをX線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析した場合について説明する。例えば、空間群R−3mに分類されるInGaZnOの結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、図28(A)に示すように回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSでは、結晶がc軸配向性を有し、c軸がCAAC−OSの膜を形成する面(被形成面ともいう。)、又は上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。なお、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、空間群Fd−3mに分類される結晶構造に起因する。そのため、CAAC−OSは、該ピークを示さないことが好ましい。
一方、CAAC−OSに対し、被形成面に平行な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。そして、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、図28(B)に示すように明瞭なピークは現れない。一方、単結晶InGaZnOに対し、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、図28(C)に示すように(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸及びb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OSに対し、CAAC−OSの被形成面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、図28(D)に示すような回折パターン(制限視野電子回折パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnOの結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成面又は上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図28(E)に示す。図28(E)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、プローブ径が300nmの電子線を用いた電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットのa軸及びb軸は配向性を有さないことがわかる。なお、図28(E)における第1リングは、InGaZnOの結晶の(010)面及び(100)面などに起因すると考えられる。また、図28(E)における第2リングは(110)面などに起因すると考えられる。
また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができる。一方、高分解能TEM像であってもペレット同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認することができない場合がある。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
図29(A)に、試料面と略平行な方向から観察したCAAC−OSの断面の高分解能TEM像を示す。高分解能TEM像の観察には、球面収差補正(Spherical Aberration Corrector)機能を用いた。球面収差補正機能を用いた高分解能TEM像を、特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像は、例えば、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fなどによって観察することができる。
図29(A)より、金属原子が層状に配列している領域であるペレットを確認することができる。ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがあることがわかる。したがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる。また、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。ペレットは、CAAC−OSの膜を被形成面又は上面の凹凸を反映しており、CAAC−OSの被形成面又は上面と平行となる。
また、図29(B)及び図29(C)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC−OSの平面のCs補正高分解能TEM像を示す。図29(D)及び図29(E)は、それぞれ図29(B)及び図29(C)を画像処理した像である。以下では、画像処理の方法について説明する。まず、図29(B)を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理することでFFT像を取得する。次に、取得したFFT像において原点を基準に、2.8nm−1から5.0nm−1の間の範囲を残すマスク処理する。次に、マスク処理したFFT像を、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理することで画像処理した像を取得する。こうして取得した像をFFTフィルタリング像と呼ぶ。FFTフィルタリング像は、Cs補正高分解能TEM像から周期成分を抜き出した像であり、格子配列を示している。
図29(D)では、格子配列の乱れた箇所を破線で示している。破線で囲まれた領域が、一つのペレットである。そして、破線で示した箇所がペレットとペレットとの連結部である。破線は、六角形状であるため、ペレットが六角形状であることがわかる。なお、ペレットの形状は、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合が多い。
図29(E)では、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を点線で示し、格子配列の向きの変化を破線で示している。点線近傍においても、明確な結晶粒界を確認することはできない。点線近傍の格子点を中心に周囲の格子点を繋ぐと、歪んだ六角形や、五角形、七角形などが形成できる。即ち、格子配列を歪ませることによって結晶粒界の形成を抑制していることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において原子配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
以上に示すように、CAAC−OSは、c軸配向性を有し、且つa−b面方向において複数のペレット(ナノ結晶)が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。よって、CAAC−OSを、CAA crystal(c−axis−aligned a−b−plane−anchored crystal)と称することもできる。
CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(又は分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合がある。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリア発生源となる場合がある。例えば、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
不純物及び酸素欠損の少ないCAAC−OSは、キャリア密度の低い酸化物半導体である。具体的には、8×1011/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満、さらに好ましくは1×1010/cm未満であり、1×10−9/cm以上のキャリア密度の酸化物半導体とすることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。CAAC−OSは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い。即ち、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
<nc−OS>
次に、nc−OSについて説明する。
nc−OSをXRDによって解析した場合について説明する。例えば、nc−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、配向性を示すピークが現れない。即ち、nc−OSの結晶は配向性を有さない。
また、例えば、InGaZnOの結晶を有するnc−OSを薄片化し、厚さが34nmの領域に対し、被形成面に平行にプローブ径が50nmの電子線を入射させると、図30(A)に示すようなリング状の回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)が観測される。また、同じ試料にプローブ径が1nmの電子線を入射させたときの回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)を図30(B)に示す。図30(B)より、リング状の領域内に複数のスポットが観測される。したがって、nc−OSは、プローブ径が50nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認されないが、プローブ径が1nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認される。
また、厚さが10nm未満の領域に対し、プローブ径が1nmの電子線を入射させると、図30(C)に示すように、スポットが略正六角状に配置された電子回折パターンを観測される場合がある。したがって、厚さが10nm未満の範囲において、nc−OSが秩序性の高い領域、即ち結晶を有することがわかる。なお、結晶が様々な方向を向いているため、規則的な電子回折パターンが観測されない領域もある。
図30(D)に、被形成面と略平行な方向から観察したnc−OSの断面のCs補正高分解能TEM像を示す。nc−OSは、高分解能TEM像において、補助線で示す箇所などのように結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下の大きさであり、特に1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体(micro crystalline oxide semiconductor)と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおけるペレットと起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
このように、nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
なお、ペレット(ナノ結晶)間で結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、又はNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、a−like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
<a−like OS>
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。
図31に、a−like OSの高分解能断面TEM像を示す。ここで、図31(A)は電子照射開始時におけるa−like OSの高分解能断面TEM像である。図31(B)は4.3×10/nmの電子(e)照射後におけるa−like OSの高分解能断面TEM像である。図31(A)及び図31(B)より、a−like OSは電子照射開始時から、縦方向に延伸する縞状の明領域が観察されることがわかる。また、明領域は、電子照射後に形状が変化することがわかる。なお、明領域は、鬆又は低密度領域と推測される。
鬆を有するため、a−like OSは、不安定な構造である。以下では、a−like OSが、CAAC−OS及びnc−OSと比べて不安定な構造であることを示すため、電子照射による構造の変化を示す。
試料として、a−like OS、nc−OS及びCAAC−OSを準備する。いずれの試料もIn−Ga−Zn酸化物である。
まず、各試料の高分解能断面TEM像を取得する。高分解能断面TEM像により、各試料は、いずれも結晶部を有する。
なお、InGaZnOの結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られている。これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、以下では、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZnOの結晶部と見なした。なお、格子縞は、InGaZnOの結晶のa−b面に対応する。
図32は、各試料の結晶部(22箇所から30箇所)の平均の大きさを調査した例である。なお、上述した格子縞の長さを結晶部の大きさとしている。図32より、a−like OSは、TEM像の取得などに係る電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。図32より、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大きさだった結晶部(初期核ともいう。)が、電子(e)の累積照射量が4.2×10/nmにおいては1.9nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、nc−OS及びCAAC−OSは、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×10/nmまでの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。図32より、電子の累積照射量によらず、nc−OS及びCAAC−OSの結晶部の大きさは、それぞれ1.3nm程度及び1.8nm程度であることがわかる。なお、電子線照射及びTEMの観察は、日立透過電子顕微鏡H−9000NARを用いた。電子線照射条件は、加速電圧を300kV、電流密度を6.7×10/(nm・s)、照射領域の直径を230nmとした。
このように、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OS及びCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られない。即ち、a−like OSは、nc−OS及びCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
また、鬆を有するため、a−like OSは、nc−OS及びCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満である。また、nc−OSの密度及びCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満である。単結晶の密度の78%未満である酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnOの密度は6.357g/cmである。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、a−like OSの密度は5.0g/cm以上5.9g/cm未満である。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、nc−OSの密度及びCAAC−OSの密度は5.9g/cm以上6.3g/cm未満である。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
(本明細書等の記載に関する付記)
以上の実施の形態、及び実施の形態における各構成の説明について、以下に付記する。
<実施の形態で述べた本発明の一態様に関する付記>
各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互い構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことが出来る。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
<図面を説明する記載に関する付記>
本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化する。そのため、配置を示す語句は、明細書で説明した記載に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また本明細書等において、ブロック図では、構成要素を機能毎に分類し、互いに独立したブロックとして示している。しかしながら実際の回路等においては、構成要素を機能毎に切り分けることが難しく、一つの回路に複数の機能が係わる場合や、複数の回路にわたって一つの機能が関わる場合があり得る。そのため、ブロック図のブロックは、明細書で説明した構成要素に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、説明の便宜上任意の大きさに示したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期すために模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
<言い換え可能な記載に関する付記>
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、ソースとドレインとの一方を、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)と表記し、ソースとドレインとの他方を「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)と表記している。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電圧(接地電圧)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
<語句の定義に関する付記>
以下では、上記実施の形態中で言及しなかった語句の定義について説明する。
<<スイッチについて>>
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。または、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路などがある。
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に短絡されているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチとして動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
<<チャネル長について>>
本明細書等において、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲートとが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとの間の距離をいう。
なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
<<チャネル幅について>>
本明細書等において、チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。
なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
<<接続について>>
本明細書等において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間で、何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、AとBとの電気信号の授受を可能とするものをいう。
A1−A2 一点鎖線
A3−A4 一点鎖線
C0 容量素子
C1 容量素子
MUL1 乗算回路
MUL2 乗算回路
MUL3 乗算回路
MUL4 乗算回路
Tr01 トランジスタ
Tr08 トランジスタ
Tr11 トランジスタ
Tr14 トランジスタ
Tr15 トランジスタ
Tr16 トランジスタ
Tr17 トランジスタ
10 画像データ
11 三角形
12 円
20 画像データ
30 画像データ
31 領域
40 画像データ
41 領域
100 モジュール
101 アンプ
102 選択回路
103 差動アンプ
104 スイッチ
105 抵抗
106 ユニティゲインバッファ
107 増幅回路
108 バッファ
111 差動アンプ
112 スイッチ
113 抵抗
114 選択回路
115 差動アンプ
116 スイッチ
117 抵抗
121 OPアンプ
122 OPアンプ
500 放送システム
510 カメラ
511 送信装置
512 受信装置
513 表示装置
520 イメージセンサ
521 画像処理装置
522 エンコーダ
523 変調器
525 復調器
526 デコーダ
527 画像処理装置
528 表示部
540 Rawデータ
541 映像データ
542 符号化データ
543 放送信号
544 映像データ
545 データ信号
551 データストリーム
552 データストリーム
553 データストリーム
560 TV
561 放送局
562 人工衛星
563 電波塔
564 アンテナ
565 アンテナ
566A 電波
566B 電波
567A 電波
567B 電波
571 受信装置
572 無線機
573 無線機
574 受信装置
575 コネクタ部
591 回路
591a フレーム間予測回路
591b 動き補償予測回路
591c DCT回路
592 回路
593 回路
593a LDPC符号化回路
593b 認証付与処理回路
593c スクランブラ
594 回路
600 救急車
601 医療機関
602 医療機関
605 高速ネットワーク
610 カメラ
611 エンコーダ
612 通信装置
615 映像データ
616 映像データ
620 通信装置
621 デコーダ
623 表示装置
1400a トランジスタ
1400b トランジスタ
1400c トランジスタ
1400d トランジスタ
1400e トランジスタ
1400f トランジスタ
1401 絶縁膜
1402 絶縁膜
1403 絶縁膜
1404 絶縁膜
1405 絶縁膜
1406 絶縁膜
1407 絶縁膜
1408 絶縁膜
1409 絶縁膜
1411 導電膜
1412 導電膜
1413 導電膜
1414 導電膜
1421 導電膜
1422 導電膜
1423 導電膜
1424 導電膜
1430 金属酸化物
1431 金属酸化物
1431a 金属酸化物
1431b 金属酸化物
1431c 金属酸化物
1432 金属酸化物
1432a 金属酸化物
1432b 金属酸化物
1432c 金属酸化物
1433 金属酸化物
1441 領域
1442 領域
1450 基板
1451 低抵抗領域
1452 低抵抗領域
1461 領域
1461a 領域
1461b 領域
1461c 領域
1461d 領域
1461e 領域
1462 領域
1463 領域
1680 トランジスタ
1681 絶縁膜
1682 半導体
1683 導電膜
1684 導電膜
1685 絶縁膜
1686 絶縁膜
1687 絶縁膜
1688 導電膜
1689 導電膜

Claims (6)

  1. 第1の回路と、第2の回路と、第3の回路と、を有する半導体装置であって、
    前記第1の回路は、第1の信号を増幅して前記第2の回路に出力する第1の機能と、前記第1の信号を電流から電圧に変換して前記第の回路に出力する第2の機能と、を有し、
    前記第2の回路は、結合強度に相当するデータを変更する第1の乗算回路と、前記データを記憶するアナログメモリと、前記第1の信号を前記データに応じて重み付けをした第2の信号として出力する第2の乗算回路と、を有し、
    前記第3の回路は、前記第2の信号を電流から電圧に変換して外部へ出力する第1の機能と、電流から電圧に変換した前記第の信号と外部から入力される第3の信号との差分から第4の信号を生成する第2の機能と、を有し、
    前記アナログメモリは、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを有する半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の乗算回路は、電流から電圧に変換した前記第1の信号と前記第4の信号とに応じて前記データを変更する機能を有する半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の半導体装置を利用した、映像データを符号化するためのエンコーダを有する電子機器であって、
    前記映像データは、第1映像データと、第2映像データを有し、
    前記半導体装置に前記第1映像データと前記第2映像データを入力したとき、前記半導体装置が前記第1映像データと前記第2映像データの比較を行い、前記第1映像データと前記第2映像データが一致したときに、前記第1映像データから前記第2映像データへの移動ベクトルを取得する電子機器。
  4. ニューロン回路と、シナプス回路と、誤差回路と、を有する半導体装置であって、
    前記ニューロン回路は、入力ニューロン回路の機能と隠れニューロン回路の機能とを切り替えることができる機能を有し、
    前記シナプス回路は、結合強度に相当するデータを変更する第1の乗算回路と、前記データを記憶するアナログメモリと、第1の信号を前記データに応じて重み付けをした第2の信号として出力する第2の乗算回路と、を有し、
    前記誤差回路は、出力ニューロン回路の機能と隠れ誤差回路の機能とを切り替えることができる機能を有し、
    前記アナログメモリは、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを有すること、を特徴とする半導体装置。
  5. 請求項4において、
    前記ニューロン回路は、第1の切り替え回路を有し、
    前記第1の切り替え回路は、
    前記入力ニューロン回路として機能する場合、外部からの入力信号を増幅して前記シナプス回路に出力する回路と、
    前記隠れニューロンとして機能する場合、別の半導体装置が有するシナプス回路が出力する電流を電圧に変換して、前記ニューロン回路と同じ半導体装置が有するシナプス回路に出力する回路と、
    を切り替える機能を有する半導体装置。
  6. 請求項4において、
    前記誤差回路は、第2の切り替え回路を有し、
    前記第2の切り替え回路は、
    前記出力ニューロン回路として機能する場合、前記シナプス回路が出力する電流を電圧に変換して別の半導体装置の入力信号として出力し、別の半導体装置の入力信号として出力する信号と教師信号との差分信号と、別の半導体装置の入力信号として出力する信号を元に生成した微分係数と前記差分信号との乗算信号によって得られる誤差信号を前記シナプス回路に出力する回路と、
    前記隠れ誤差回路として機能する場合、前記シナプス回路が出力する電流を電圧に変換して得られる信号を元に生成した微分係数と、教師信号と参照電圧との差分で得られる信号と、の乗算信号によって得られる誤差信号を前記シナプス回路に出力する回路と、
    を切り替える機能を有する半導体装置。
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