JP6904563B2 - 複合粒子の製造方法とその製造方法で得られる複合粒子 - Google Patents

複合粒子の製造方法とその製造方法で得られる複合粒子 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースナノファイバーとポリマーを含む複合粒子の製造方法と、該方法によって製造することができる複合粒子に関する。
マイクロ粒子は、ポリマー(樹脂)から構成される微粒子である。このマイクロ粒子には、ポリマー以外の他の物質をその表面に結合することが可能である。このため、他の物質として所定の機能を発揮する物質を使用すれば、マイクロ粒子を機能化することができる。機能化されたマイクロ粒子は、イオン交換樹脂や液晶ディスプレイのスペーサーや抗体の担体などの様々な用途で使用することができる。
セルロース繊維は、パルプなどのセルロース原料に化学的処理や機械的処理を施して解繊(微細化)して得られる繊維であり、ミクロフィブリル化セルロースやセルロースナノファイバーやセルロースナノクリスタルが知られている。これらのセルロース繊維は、鋼鉄の約1/5の軽さであるにも関わらず、鋼鉄の5倍以上の強度を有している。特許文献1では、このようなセルロース繊維の特性を活用し、樹脂にセルロース繊維を含有させて、樹脂成型体の強度を向上している。
特開2010−59304号公報
本発明は、セルロース繊維により構成される被覆層と、該被覆層により覆われるポリマーと、を有する複合粒子の新規な製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、当該方法によって製造することができる複合粒子を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)セルロース繊維により構成される被覆層と、前記被覆層により覆われるポリマーと、を有する複合粒子の製造方法であって、水性溶媒中において、重合性モノマーの集合体の表面に、セルロース繊維により構成される被覆層を形成する第1工程と、前記被覆層が形成される前記集合体において、前記重合性モノマーを重合する第2工程と、を含むことを特徴とする複合粒子の製造方法。
(2)前記重合性モノマーが、2つ以上のビニル基を有していることを特徴とする(1)に記載の複合粒子の製造方法。
(3)前記重合性モノマーが、ジビニルベンゼンであることを特徴とする(2)に記載の複合粒子の製造方法。
(4)前記セルロース繊維は、表面に水酸基とは異なるアニオン性基を有していることを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載の複合粒子の製造方法。
(5)前記セルロース繊維は、表面にカルボキシル基を有しているセルロースナノファイバーであることを特徴とする(4)に記載の複合粒子の製造方法。
(6)セルロース繊維により構成される被覆層と、前記被覆層に覆われるポリマーと、を含むことを特徴とする複合粒子。
(7)前記ポリマーが、2つ以上のビニル基を有している重合性モノマーの重合体であることを特徴とする(6)に記載の複合粒子。
(8)前記重合性モノマーが、ジビニルベンゼンであることを特徴とする(7)に記載の複合粒子。
(9)前記セルロース繊維は、表面に水酸基とは異なるアニオン性基を有していることを特徴とするとする(6)から(8)のいずれか一つに記載の複合粒子。
(10)前記セルロース繊維は、表面にカルボキシル基を有しているセルロースナノファイバーであることを特徴とする(9)に記載の複合粒子。
本発明によれば、セルロース繊維により構成される被覆層と、被覆層により覆われるポリマーと、を含む複合粒子の新規な製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、当該方法によって製造することができる複合粒子を提供することができる。
超音波処理や撹拌処理を施した後の水性溶媒を示す概略図 重合性モノマーを重合した後の水性溶媒を示す概略図 反応液中のジビニルベンゼンの光学顕微鏡写真 反応液中のジビニルベンゼンの重合体の光学顕微鏡写真 実施例1の複合粒子の走査型電子顕微鏡写真 実施例1の複合粒子断面の走査型電子顕微鏡写真
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態の製造方法は、第1工程と第2工程を含む。
第1工程では、水性溶媒中において、重合性モノマーの集合体(以下、単に「集合体」ともいう)の表面に、セルロース繊維により構成される被覆層(以下、単に「被覆層」ともいう)を形成する。
集合体の表面に被覆層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、超音波処理や撹拌処理を用いることができる。なお、超音波処理と撹拌処理を併用して、集合体の表面に被覆層を形成してもよい。
超音波処理を用いる場合、まず、セルロース繊維と重合性モノマーを含む水性溶媒を用意する。そして、セルロース繊維と重合性モノマーを含む水性溶媒に対して、超音波を照射することにより、集合体の表面に被覆層を形成することができる。
超音波を照射する条件は、特に限定されるものではないが、例えば、超音波の周波数は、15kHz以上40kHz以下とすることができ、超音波の出力は、50W/cm以上300W/cm以下とすることができ、超音波の照射時間は、30秒以上300秒以下とすることができる。
撹拌処理を用いる場合、まず、セルロース繊維と重合性モノマーを含む水性溶媒を用意する。そして、セルロース繊維と重合性モノマーを含む水性溶媒を撹拌することにより、集合体の表面に被覆層を形成することができる。
水性溶媒を撹拌する条件は、特に限定されるものではないが、例えば、撹拌速度は、200rpm以上1000rpm以下とすることができ、撹拌時間は、1分以上30分以下とすることができる。
図1は、超音波処理や撹拌処理を施した後の水性溶媒を示す概略図である。図1に示すように、セルロース繊維と重合性モノマーを含む水性溶媒13に対して超音波処理や撹拌処理が施されると、重合性モノマーの集合体11の表面全体に、セルロース繊維で構成される被覆層12が形成され、被覆層12により集合体11と水性溶媒13とが隔てられる。被覆層12が形成される集合体11は、水性溶媒13中に複数形成され、水性溶媒13中に分散する。つまり、セルロース繊維と重合性モノマーを含む水性溶媒13に対して超音波処理や撹拌処理が施されると、被覆層12が形成される集合体11が水性溶媒13に分散したエマルション(O/W型エマルション)が形成される。
集合体の表面に被覆層が形成されていることは、例えば、被覆層が形成された集合体を水性溶媒とともに凍結し、凍結した集合体の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察することにより確認できる。また、集合体の表面とは、水性溶媒と集合体との界面を意味し、必ずしも集合体に被覆層が接触している必要はない。
被覆層の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、3nm以上50nm以下とすることができる。被覆層の厚みは、例えば、被覆層が形成された集合体を水性溶媒とともに凍結し、凍結した集合体断面における被覆層の厚みを、走査型電子顕微鏡を用いて測定することにより取得することができる。
第1工程で用いられる水性溶媒は、水に溶解する溶媒であり、水、水に溶解する有機溶媒又はこれらの混合物である。水に溶解する有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールやアセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの高極性有機溶媒を挙げることができる。水性溶媒は、セルロース繊維の種類に応じて適宜選択することができるが、集合体の表面に被覆層が形成されやすくなるため、水であることが好ましい。
第1工程で用いられる重合性モノマーは、重合することでポリマー(重合体)を形成できるモノマー(重合性単量体)である。重合性モノマーは、水性溶媒に溶解しない物質であればよく、特に限定されないが、例えば、単官能、多官能の重合性モノマーを用いることができる。具体的には、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、ビニル系モノマー、ハロゲン含有ビニル系モノマー等のモノマーを用いることができる。
より具体的には、単官能のアクリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルエキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ミスチリル、アクリル酸パルミチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸3−アミノプロピル、アクリル酸3−N,N−ジエチルアミノプロピル等が挙げられ、メタクリル系モノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3−アミノプロピル、メタクリル酸3−N,N−ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。
単官能の芳香族ビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、ビニルピリジン、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。
単官能のビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
単官能のビニルエーテル系モノマーとしては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルn−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル等が挙げられる。
単官能のビニル系モノマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
多官能の重合性モノマーとしては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1、6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、ペンタエリストールテトラアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリストールトリメタクリレート、ペンタエリストールテトラメタクリレート、ジペンタエリストールヘキサメタクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン、ブタジエン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート等が挙げられる。
集合体は、上述した重合性モノマーが複数集合することにより形成される。上述した重合性モノマーは、単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、重合性モノマーは、上述した物質に限られず、ε-カプロラクタムなどの開環重合性モノマーを使用することもできる。
第1工程で用いられる重合性モノマーは、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼンなどの2つ以上のビニル基を有しているモノマーであることが好ましく、ジビニルベンゼンであることが特に好ましい。重合性モノマーが2つ以上のビニル基を有していることにより、後述する第2工程において、集合体の表面に被覆層が形成された状態で、重合性モノマーが重合しやすい。このため、セルロース繊維により構成される被覆層と、被覆層により覆われるポリマーと、を有する複合粒子(以下、単に「複合粒子」ともいう)が製造されやすくなる。従って、複合粒子の収率を向上することができる。なお、複合粒子の収率は、下記(1)式に基づいて算出することができる。
複合粒子の収率(%)=A/B×100・・・(1)
上記(1)式において、Aは、製造した複合粒子の質量(g)であり、Bは、複合粒子の製造に用いた原料のうち水性溶媒を除く原料の質量の合計(g)を示す。
一方、ビニル基を1つしか有していない重合性モノマーやビニル基を有していない重合性モノマーは、第1工程で集合体の表面に被覆層を形成できたとしても、第2工程で重合されることにより、被覆層の内部から外部に放出されやすい。被覆層の外部に放出されて水性溶媒を分散する重合性モノマー(又はその集合体)は、被覆層に覆われていないため、被覆層で覆われたポリマーを形成することができない。また、被覆層の外部に放出されて被覆層の表面に保持される重合性モノマー(又はその集合体)は、被覆層の内部に残存する重合性モノマーとともに重合し、被覆層をポリマーの内部に取り込んでしまう。このため、被覆層で覆われたポリマーが生成されにくくなる。従って、複合粒子の収率を向上しにくくなる。
水性溶媒に含まれる重合性モノマーの含有量は、集合体の表面に被覆層を形成できれば、特に限定されるものではないが、例えば、水性溶媒100質量部に対し、5質量部以上20質量部以下とすることができる。
第1工程で用いられるセルロース繊維は、ミクロフィブリルから構成される。ミクロフィブリルとは、セルロース原料中のセルロースが構成する繊維の最小構成単位であり、セルロース繊維は、セルロース原料に化学的処理や物理的処理を施して解繊(微細化)することにより得ることができる。セルロース繊維を得るために用いられるセルロース原料としては、例えば、針葉樹または広葉樹のクラフトパルプ、サルファイトパルプ、サーモメカニカルパルプ、再生パルプ等の木材系パルプ、コットンリンターやコットンリントのような綿系パルプ、麦わら、バガス、竹、麻、ジュート、ケナフ等に由来する非木材系パルプを挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、セルロース繊維は、ミクロフィフィブリルを分解して得られる高分子(つまり、ミクロフィブリルから構成されていない高分子)を含まない概念である。
セルロース繊維は、水性溶媒に溶解しない繊維であればよく、例えば、ミクロフィブリル化セルロースやセルロースナノファイバーやセルロースナノクリスタルを用いることができる。
ミクロフィブリル化セルロースは、セルロース原料に対して物理的処理(例えば、叩解処理、ホモジナイズ処理、粉砕処理)のみを施すことで解繊した繊維であり、公知の方法で製造することができる。例えば、セルロース原料の水懸濁液を、高圧ホモジナイザー処理し、微細化することで製造できる。ミクロフィブリル化セルロースは、物理的処理のみを施すことで製造された繊維であるため、その表面には、セルロースに由来する水酸基以外の官能基を有していない。なお、ミクロフィブリル化セルロースは、例えば、直径を10nm以上100nm以下とすることができ、長さを1μm以上とすることができる。
セルロースナノファイバーは、セルロース原料に対して化学的処理(例えば、カルボキシル化(酸化)、カルボキシメチル化、リン酸エステル化)を施してミクロフィブリルの表面に水酸基とは異なる官能基を導入することで解繊した繊維であり、セルロースナノファイバーの表面には、水酸基とは異なる官能基が導入されている。セルロースナノファイバー表面に導入される官能基は、カルボキシル基、カルボキシメチル基、リン酸エステル基などの水酸基とは異なるアニオン性基であることが好ましい。水酸基とは異なるアニオン性基を表面に有しているセルロースナノファイバーは、水酸基以外のアニオン性基を表面に有していないミクロフィブリル化セルロースと比較して、被覆層が形成される集合体の表面や複合粒子の表面に大きな電荷を生じさせることできる。なお、セルロースナノファイバーは、例えば、直径を3nm以上10nm以下とすることができ、長さを0.5μm以上5μm以下とすることができる。セルロースナノファイバーは、公知の方法で製造することができるが、例えば、以下の製造方法を挙げることができる。
表面にカルボキシル基を有するセルロースナノファイバーは、例えば、セルロース原料をN−オキシル化合物の存在下で共酸化剤を用いてカルボキシル化(酸化)し、カルボキシル化したセルロース原料を解繊することにより製造できる。セルロースナノファイバーにおけるカルボキシル基の量は、例えば、0.6mmol/g以上2.0mmol/g以下とすることができ、1.0mmol/g以上2.0mmol/g以下とすることが好ましい。
N−オキシル化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシラジカル(TEMPO)やその誘導体(例えば4−ヒドロキシTEMPO)を挙げることができる。N−オキシル化合物の使用量は、セルロース原料を酸化できる量であればよく、特に制限されないが、例えば、セルロース原料1gに対して、0.01mmol以上10mmol以下が好ましく、0.01mmol以上1mmol以下がより好ましく、0.05mmol以上0.5mmol以下がさらに好ましい。
共酸化剤としては、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などを挙げることができる。共酸化剤の適切な使用量は、例えば、セルロース原料1gに対して、0.5mmol以上500mmol以下が好ましく、0.5mmol以上50mmol以下がより好ましく、1mmol以上25mmol以下がさらに好ましく、3mmol以上10mmol以下が最も好ましい。
セルロース原料のカルボキシル化(酸化)は、N−オキシル化合物と共酸化剤と分散媒を含む水溶液にセルロース原料を混合することによって行うことができる。分散媒としては、例えば、水を用いることができる。水溶液の温度条件は、特に限定されないが、例えば、4℃以上40℃以下とすることができ、15℃以上30℃以下とすることもできる。また、カルボキシル化を行う時間条件は、特に限定されないが、例えば、0.5時間以上6時間以下とすることができ、0.5時間以上4時間以下とすることもできる。なお、N−オキシル化合物と共酸化剤を含む水溶液は、反応とともにpHが低下することがあるため、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加して、水溶液のpHを8以上12以下、好ましくは10以上11以下程度に維持することができる。
カルボキシル化されたセルロース原料の解繊は、分散機を用いて行うことができる。分散機としては、例えば、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、二軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が挙げられる。カルボキシル化されたセルロース原料の解繊は、カルボキシル化されたセルロース原料が分散媒に含有された状態で行うことができる。分散媒としては、例えば、第1工程で用いられる水性溶媒を用いることができる。
なお、カルボキシル化されたセルロース原料は、解繊される前に、未反応の共酸化剤などの不純物を取り除く精製処理が施されてもよい。精製処理としては、例えば、カルボキシル化されたセルロース原料を水洗する方法を挙げることができる。
表面にカルボキシメチル基を有するセルロースナノファイバーは、公知の方法で製造することができるが、例えば、セルロース原料を水及び/又はアルコール溶媒中で、ハロゲン化酢酸を用いてカルボキシメチル化し、カルボキシメチル化したセルロース原料を解繊することにより製造できる。セルロースナノファイバーにおけるカルボキシメチル基の量は、例えば、0.6mmol/g以上2.0mmol/g以下とすることができ、1.0mmol/g以上2.0mmol/g以下とすることが好ましい。
ハロゲン化酢酸としては、例えば、モノクロロ酢酸、モノブロモ酢酸、モノフルオロ酢酸などを挙げることができる。ハロゲン化酢酸の使用量は、セルロース原料をカルボキシメチル化できる量であればよく、特に制限されないが、例えば、セルロース原料1gに対して、1mmol以上10mmol以下が好ましい。
溶媒に用いるアルコールは、炭素数が5つ以下の低級アルコールが好ましく、低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。反応溶媒の温度条件は、特に限定されないが、10℃以上80℃以下が好ましく、20℃以上70℃以下がより好ましい。また、カルボキシメチル化を行う時間条件は、0.5時間以上8時間以下とすることができ、1時間以上5時間以下とすることもできる。
カルボキシメチル化されたセルロース原料の解繊は、カルボキシル化されたセルロース原料の解繊方法と同様の方法を用いて行うことができ、カルボキシメチル化されたセルロース原料が分散媒に含有された状態で行うことができる。分散媒としては、例えば、第1工程で用いられる水性溶媒を用いることができる。
なお、セルロース原料をカルボキシメチル化して得られるセルロースナノファイバーは、ミクロフィフィブリルを分解して得られる(つまり、ミクロフィブリルから構成されていない)カルボキシメチル化セルロースとは異なる物質である。
表面にリン酸基を有するセルロースナノファイバーは、公知の方法で製造することができるが、例えば、セルロース原料をリン酸基を有する化合物の存在下でリン酸エステル化し、リン酸エステル化したセルロース原料を解繊することにより製造できる。
セルロースナノファイバーにおけるリン酸基の量は、例えば、0.6mmol/g以上2.0mmol/g以下とすることができ、1.0mmol/g以上2.0mmol/g以下とすることが好ましい。リン酸基を有する化合物としては、例えば、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどを挙げることができる。リン酸基を有する化合物の使用量は、セルロース原料をリン酸エステル化できる量であればよく、特に制限されない。
セルロース原料のリン酸エステル化は、リン酸基を有する化合物と分散媒を含む水溶液にセルロース原料を混合することによって行うことができる。分散媒としては、例えば、水を用いることができる。リン酸エステル化されたセルロース原料の解繊は、カルボキシル化されたセルロース原料の解繊方法と同様の方法を用いて行うことができ、リン酸エステル化されたセルロース原料が分散媒に含有された状態で行うことができる。分散媒としては、例えば、第1工程で用いられる水性溶媒を用いることができる。
セルロースナノクリスタルは、セルロース原料を酸加水分解することにより解繊した繊維であり、公知の方法で製造することができる。セルロースナノクリスタルは、例えば、直径を5nm以上10nm以下とすることができ、長さを0.1μm以上0.2μm以下とすることができる。
セルロースナノクリスタルは、例えば、セルロース原料を硫酸又は塩酸で処理することにより製造することができる。硫酸や塩酸の使用量は、セルロース原料を酸加水分解できる量であればよく、特に限定されないが、例えば、セルロース原料1gに対して、100mmol以上150mmol以下とすることができる。
セルロース原料の酸加水分解は、硫酸又は塩酸にセルロース原料を懸濁させることによって行うことができる。硫酸や塩酸の温度条件は、特に限定されないが、例えば、25℃以上90℃以下とすることができる。また、硫酸又は塩酸による処理時間は、特に限定されないが、例えば、30分以上240分以下とすることができる。なお、酸加水分解処理されたセルロース原料は、たとえば水酸化ナトリウムなどのアルカリを用いて中和処理されてもよい。
セルロース原料を硫酸で酸加水分解して得られるセルロースナノクリスタルは、その表面に微量のスルホ基(アニオン性基)が導入されるため、水酸基以外のアニオン性基を表面に有していないミクロフィブリル化セルロースと比較して、被覆層が形成される集合体の表面や複合粒子の表面に大きな電荷を生じさせることできる。一方、セルロース原料を塩酸で処理して得られるセルロースナノクリスタルは、その表面にアニオン性基が導入されない。つまり、ミクロフィブリル化セルロースと同様、セルロースに由来する水酸基以外の官能基を有していない。このため、被覆層が形成される集合体の表面や複合粒子の表面に大きな電荷を生じさせにくい。
第1工程で用いられるセルロース繊維の長さは、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて測定することができる。また、セルロース繊維の直径は、原子間力顕微鏡を用いて測定することができる。また、セルロース繊維表面における水酸基以外のアニオン性基の量は、電気伝導度滴定を用いて測定することができる。
水性溶媒に含まれるセルロース繊維の含有量は、集合体の表面全体に被覆層を形成できれば、特に限定されるものではない。例えば、水性溶媒100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下とすることができる。
水性溶媒には、上述したセルロース繊維と重合性モノマーの他に、他の物質が含有されていてもよい。他の物質としては、重合開始剤や可塑剤を挙げることが出来る。重合開始剤や可塑剤などの他の物質が水性溶媒に含有される場合には、重合性モノマーとセルロース繊維と他の物質を含む水性溶媒に、超音波処理や撹拌処理を施すことができる。
重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物やアゾ系開始剤などのラジカル重合開始剤や、有機アルカリ金属などのアニオン重合開始剤を挙げることができる。
有機過酸化物としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド(CHP)、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパーオキサイド(LPO)、ジメチルビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ビス(ターシャリーブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ブチル−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)バレラート、2−エチルヘキサンペルオキシ酸ターシャリーブチル、ジベンゾイルパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾアートを挙げることができる。
アゾ系開始剤としては、例えば、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロパン酸メチル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロパンアミジン)・2塩酸塩を挙げることができる。
有機アルカリ金属としては、例えば、エチルリチウム、n一ブチルリチウム、ターシャリーブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、αーメチルスチレンナトリウムジアニオンを挙げることができる。
水性溶媒に溶解しない重合開始剤を水性溶媒に含有させて超音波処理や撹拌処理を施す場合、重合開始剤は、重合性モノマーの集合体とともに被覆層で覆われる。つまり、被覆層の内部には、重合性モノマーの集合体と重合開始剤が共存することになる。このため、第2工程において、重合性モノマーが重合しやすくなる。従って、第1工程では、水性溶媒に溶解しない重合開始剤と重合性モノマーとセルロース繊維を含む水性溶媒に対し、超音波処理や撹拌処理を施すことが好ましい。
可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル類、アジピンサンエステル類、ポリエステル類、ポリエーテル類、リン酸エステル類、エポキシ化植物油類、マレイン酸エステル類、安息香酸エステル類を挙げることができる。
また、水性溶媒には、乳化剤が含まれていないことが好ましい。乳化剤が含まれる場合には、集合体の表面が乳化剤に覆われやすくなり、被覆層が形成されなくなることがある。また、乳化剤に覆われる集合体同士は、第2工程で重合性モノマーを重合するときに、互いに結合して融合しやすいため、微細な複合粒子が製造されにくくなったり、被覆層がポリマーの内部に取り込まれたりすることがある。従って、第1工程では、水性溶媒に溶解しない重合開始剤と重合性モノマーとセルロース繊維のみを含む水性溶媒に対し、超音波処理や撹拌処理を施すことが特に好ましい。
このような乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸塩類、ジアルキルスルホサクシネートの塩類等のアニオン乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン乳化剤、ビニルスルホン酸塩類、アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸塩類、メタクリル酸ポリオキシエチレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルケニルフェニル硫酸塩類、ナトリウムアリルアルキルスルホサクシネート、メタクリル酸ポリオキシプロピレンスルホン酸塩類等のアニオン系反応性乳化剤、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメタクリロイルエーテル等のノニオン系反応性乳化剤を挙げることができる。
第2工程では、被覆層が形成される集合体において、重合性モノマーを重合する。
重合性モノマーを重合する方法は、重合性モノマーの種類に応じて適宜選択することができるが、例えば、乳化重合法や懸濁重合法を用いることができる。
乳化重合法の条件は、特に限定されるものではなく、公知の条件を用いることができる。例えば、被覆層が形成された集合体を含む水性溶媒に、前述した重合開始剤を添加し、50℃以上95℃以下で4時間以上12時間以下重合する条件を挙げることができる。なお、第1工程において、水性溶媒に重合開始剤を含有した場合には、第2工程において重合開始剤を含有しなくてもよい。
懸濁重合法の条件は、特に限定されるものではなく、公知の条件を用いることができる。例えば、被覆層が形成された集合体を含む水性溶媒に、前述した重合開始剤を添加し、50℃以上95℃以下で4時間以上12時間以下、50rpm以上300rpm以下で撹拌する条件を挙げることができる。なお、第1工程において、水性溶媒に重合開始剤を含有した場合には、第2工程において重合開始剤を含有しなくてもよい。
水性溶媒に含有される重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、水性溶媒100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下とすることができる。
また、重合性モノマーとして、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどの光硬化性モノマーや、ε-カプロラクタムなどの開環重合性モノマーが用いられる場合には、第1工程や第2工程において水性溶媒に重合開始剤を添加しなくてもよい。光硬化性モノマーが用いられる場合には、被覆層が形成された集合体に対し、光(放射線や電子線や紫外線)を照射するだけで、集合体を構成する光硬化性モノマーを重合することができる。また、開環重合性モノマーが用いられる場合には、被覆層が形成された集合体に対し、酸や塩基触媒を添加するだけで、開環重合性モノマーを重合することができる。
図2は、被覆層が形成される集合体において、重合性モノマーを重合した後の水性溶媒を示す概略図である。図2に示すように、被覆層12が形成される集合体11において、重合性モノマーを重合することで、被覆層12の内部においてポリマー14が形成される。ポリマー14は、その表面全体が被覆層12により覆われた状態で、水性溶媒13中に分散する。
なお、ポリマーが被覆層で覆われていることは、走査型電子顕微鏡を用いて確認することができ、被覆層により覆われたポリマーの断面を観察して確認してもよい。
被覆層により覆われたポリマー(複合粒子)の形状や粒子径(直径)は、特に限定されるものではないが、例えば、粒子径が1μm以上100μm以下の球形とすることができる。被覆層により覆われたポリマー(複合粒子)の粒子径は、動的光散乱法や光学顕微鏡を用いて測定することできる。また、被覆層の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、3nm以上50nm以下とすることができる。被覆層の厚みは、ポリマーの断面における被覆層の厚みを、走査型電子顕微鏡を用いて測定することにより取得することができる。
被覆層により覆われたポリマー(複合粒子)におけるセルロース繊維の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.1質量%以上10質量%以下とすることができる。セルロース繊維の含有量は、示差熱・熱重量同時測定(TG−DTA)装置を用いて、被覆層により覆われたポリマー(複合粒子)の100から300℃における質量減少率を測定することにより算出することができる。
なお、集合体を構成する重合性モノマーを重合する過程で、水性溶媒を分散するセルロース繊維が被覆層に取り込まれたり、セルロース繊維の一部が被覆層から放出されたりすることがある。このため、ポリマーを覆う被覆層と重合性モノマーの集合体を覆う被覆層は、厚みが同一であってもよいが異なっていてもよい。
本実施形態の製造方法は、上述した第1工程と第2工程のみにより構成されていてもよいが、第1工程と第2工程の他に、水性溶媒から複合粒子を分離する第3工程や水性溶媒から分離した複合粒子を洗浄する第4工程を含んでいてもよい。
第3工程では、水性溶媒から複合粒子を分離する。水性溶媒から複合粒子を分離する方法は、特に限定されないが、例えば、複合粒子を含む水性溶媒を遠心分離する方法を挙げることができる。遠心分離の条件は、特に限定されないが、例えば、1000rpm以上10000rpm以下で5分以上〜30分以下で遠心分離する条件を挙げることができる。
第4工程では、水性溶媒から分離した複合粒子を洗浄する。複合粒子を洗浄する方法は、特に限定されないが、例えば、水に複合粒子を浸漬する方法を挙げることができる。
第1工程と第2工程を含む本実施形態の製造方法によれば、セルロース繊維により構成される被覆層と、被覆層により覆われるポリマーと、を有する複合粒子の新規な製造方法を提供することができる。
また、セルロース繊維として、表面に水酸基とは異なるアニオン性基を有するセルロース繊維が用いられる場合、水酸基以外のアニオン性基を表面に有していないセルロース繊維が用いられる場合と比較して、被覆層が形成される集合体の表面に大きな電荷を与えることができる。このため、水性溶媒中において、集合体同士は反発しあい、集合体同士が融合しにくくなる。従って、微細な複合粒子を製造できるとともに、製造される複合粒子の粒径分布(粒子径の分布範囲)を狭めることができる。また、製造される複合粒子は、被覆層が形成される集合体と同様に、表面に大きな電荷を有するため、優れた分散性を発揮することができる。
本実施形態の製造方法で製造される複合粒子は、例えば、イオン交換樹脂や液晶ディスプレイのスペーサーや抗体の担体などの様々な用途で使用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(日本製紙社)5g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)78mg(0.5mmol)と臭化ナトリウム514mg(5mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで攪拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素5%)50ml添加した後、0.5N塩酸水溶液でpHを10に調整し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHは低下するが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。2時間反応した後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することで酸化(カルボキシル化)パルプを得た。酸化パルプを水に懸濁させたスラリーをダブルシリンダー型ホモジナイザー(7500rpm)で2分間処理後、超音波ホモジナイザー(20kHz)で3分間処理し、表面にカルボキシル基を有するセルロースナノファイバー(以下、「TEMPO酸化CNF」ともいう)を得た。なお、原子間力顕微鏡を用いて測定したところ、TEMPO酸化CNFは、直径が3nmであり、長さが0.5μm以上1.5μm以下であった。
100質量部の水(水性溶媒)に、TEMPO酸化CNF1質量部と、ジビニルベンゼン(重合性モノマー)10質量部と、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(重合開始剤)0.5質量部を加えて、反応液を得た。得られた反応液に対し、周波数が20kHz、出力が100W/cmの超音波を1分間照射し、ジビニルベンゼン(集合体)の表面にTEMPO酸化CNFから構成される被覆層を形成した。
超音波を照射した反応液を、70℃に昇温して8時間維持し、被覆層で覆われたジビニルベンゼンを重合した。8時間経過後、反応液を冷却し、10000rpmで遠心分離して被覆層で覆われたジビニルベンゼンの重合体(複合粒子)を回収した。
(実施例2)
ミクロフィブリル化セルロース(以下、「MFC」ともいう)は、ダイセル化学工業(株)製のMFC(商品名:セリッシュPC110S)を用いた。なお、原子間力顕微鏡を用いて測定したところ、MFCは、直径が10nm以上100nm以下であり、長さが1μm以上であった。
100質量部の水(水性溶媒)に、MFC1質量部と、ジビニルベンゼン(重合性モノマー)10質量部と、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(重合開始剤)0.5質量部を加えて、反応液を得た。得られた反応液に対し、周波数が20kHz、出力が100W/cmの超音波を1分間照射し、ジビニルベンゼン(集合体)の表面にMFCから構成される被覆層を形成した。
超音波を照射した反応液を、70℃に昇温して8時間維持し、被覆層で覆われたジビニルベンゼンを重合した。8時間経過後、反応液を冷却し、10000rpmで遠心分離して、被覆層で覆われたジビニルベンゼンの重合体(複合粒子)を回収した。
(実施例3)
セルロースナノクリスタル(以下、「MCC」ともいう)は、Fuluka社製のMCC(商品名:Avicel PH101)を用いた。このMCCは、セルロース原料を塩酸で処理して得られたセルロースナノクリスタルであった。なお、原子間力顕微鏡を用いて測定したところ、MCCは、直径が5nm以上10nm以下であり、長さが0.1μm以上0.3μm以下であった。
100質量部の水(水性溶媒)に、MCC1質量部と、ジビニルベンゼン(重合性モノマー)10質量部と、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(重合開始剤)0.5質量部を加えて、反応液を得た。得られた反応液に対し、周波数が20kHz、出力が100W/cmの超音波を1分間照射し、ジビニルベンゼン(集合体)の表面にMCCから構成される被覆層を形成した。
超音波を照射した反応液を、70℃に昇温して8時間維持し、被覆層で覆われたジビニルベンゼンを重合した。8時間経過後、反応液を冷却し、10000rpmで遠心分離して被覆層で覆われたジビニルベンゼンの重合体(複合粒子)を回収した。
(比較例1)
カルボキシメチル化セルロース(以下、「CMC」ともいう)は和光純薬工業株式会社製のCMCを用いた。CMCにおけるカルボキシル基の量は、2.54mmol/gであった。なお、
100質量部の水(水性溶媒)に、CMC1質量部と、ジビニルベンゼン(重合性モノマー)10質量部と、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(重合開始剤)0.5質量部を加えて、反応液を得た。得られた反応液に対し、周波数が20kHz、出力が100W/cmの超音波を1分間照射した。
超音波を照射した反応液を、70℃に昇温して8時間維持し、ジビニルベンゼンを重合した。8時間経過後、反応液を冷却し、10000rpmで遠心分離してジビニルベンゼンの重合体を回収した。
(比較例2)
TEMPO酸化CNFを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で、ジビニルベンゼンの重合体を回収した。
[超音波照射後の反応液におけるジビニルベンゼンの確認]
実施例1〜3及び比較例1〜2について、超音波照射後の反応液におけるジビニルベンゼン(集合体)を、光学顕微鏡を用いて確認した。実施例1〜3及び比較例1のジビニルベンゼンの光学顕微鏡写真を図3に示す。なお、比較例2の反応液では、ジビニルベンゼンが水と分離して、ジビニルベンゼンの層が形成されていることを目視で確認できた。
図3から理解できるように、実施例1〜3及び比較例1では、複数のジビニルベンゼンが、球形の状態で水に分散していた。特に、実施例1及び比較例1では、ジビニルベンゼンの分散性が、実施例2〜3よりも高かった。
[反応液におけるジビニルベンゼンの重合体の確認]
実施例1〜3及び比較例1〜2について、ジビニルベンゼン重合後の反応液におけるジビニルベンゼンの重合体を、光学顕微鏡を用いて確認した。実施例1〜3及び比較例1のジビニルベンゼンの重合体の光学顕微鏡写真を図4に示す。なお、比較例2の反応液では、ジビニルベンゼンの重合体の塊が水と分離していることを目視で確認できた。
図4から理解できるように、実施例1〜3では、重合前のジビニルベンゼンと同様に、複数のジビニルベンゼンの重合体が、球形の形状で水に分散していた。特に、実施例1は、ジビニルベンゼンの重合体の分散性が、実施例2〜3よりも高かった。一方、比較例1では、ジビニルベンゼンの重合体が複数融合して融合体を形成していた。
[被覆層の確認]
実施例1で回収したジビニルベンゼンの重合体(複合粒子)について、走査型電子顕微鏡写真を取得した。ジビニルベンゼンの重合体(複合粒子)の外観を写した走査型電子顕微鏡写真を図5に、ジビニルベンゼンの重合体(複合粒子)断面の走査型電子顕微鏡写真を図6に示す。
図5及び図6から理解できるように、実施例1の複合粒子では、ポリマーの表面全体に、均一の厚さの被覆層が形成されていた。また、ポリマーの内部にセルロース繊維は含まれていなかった。図6に示す走査型電子顕微鏡写真から被覆層の厚さを測定したところ、被覆層の厚さは、一様に8nmであった。
[複合粒子の表面電位の測定]
実施例1〜3の複合粒子表面のゼータ電位を、表面電位測定器(Beckman Coulter社製Delsa Max)を用いて測定した。結果を後述する表1に示す。
[複合粒子の収率の測定]
実施例1〜3の複合粒子の収率を、下記(1)式に基づき算出した。結果を後述する表1に示す。
収率(%)=A/B×100・・・(1)
上記(1)式において、Aは、回収した複合粒子の質量(g)であり、Bは、複合粒子の製造に用いた原料のうち水性溶媒を除く原料の質量の合計(g)を示す。
[複合粒子の粒子径の範囲及び平均粒子径の測定]
動的光散乱法(Beckman Coulter社製Delsa Max)を用いて、実施例1〜3の複合粒子の粒度分布を取得するとともに、複合粒子の平均粒子径を取得した。実施例1〜3の複合粒子の粒子径の分布範囲及び平均粒子径を、後述する表1に示す。
[複合粒子におけるセルロース繊維の含有量の測定]
実施例1の複合粒子の100℃から300℃における質量減少率を、示差熱・熱重量同時測定装置(TG−DTA2000SE,Netzsch社製)を用いて測定した。測定した質量減少率に基づき、複合粒子100質量%に対するセルロース繊維の含有量を算出した。結果を後述する表1に示す。
なお、反応液におけるジビニルベンゼンの重合体の確認結果からも明らかなように、比較例1〜2の製造方法では、セルロース繊維により構成される被覆層と、被覆層により覆われるポリマーと、を有する複合粒子を製造できていなかった。このため、比較例1〜2については、複合粒子に係る上述した測定(表面電位、収率、粒子径の範囲、平均粒子径、及びセルロース繊維の含有量)を行わなかった。
[表1]
Figure 0006904563
以上の結果から、本実施形態の製造方法によれば、セルロース繊維により構成される被覆層と、被覆層により覆われるポリマーと、を有する複合粒子を製造できることが理解できた。
特に、TEMPO酸化CNFが用いられる実施例1の複合粒子は、表1から理解できるように、実施例2〜3の複合粒子と比較して表面電位が低かった。このため、実施例1の複合粒子は、図4から理解できるように、実施例2〜3の複合粒子と比較して分散性が高かった。また、実施例1の複合粒子は、表1から理解できるように、実施例2〜3の複合粒子と比較して粒子径の分布範囲が狭かった。これは、被覆層を構成するTEMPO酸化CNFが、ジビニルベンゼンの重合過程で、ジビニルベンゼンの集合体同士の融合を抑制したことが原因であると考えられる。


Claims (6)

  1. セルロース繊維により構成される被覆層と、前記被覆層により覆われるポリマーと、を含む複合粒子の製造方法であって、
    水性溶媒中において、重合性モノマーの集合体の表面に、セルロース繊維により構成される被覆層を形成する第1工程と、
    前記被覆層が形成される前記集合体において、前記重合性モノマーを重合する第2工程と、を含み、
    前記重合性モノマーが、ジビニルベンゼンであることを特徴とする複合粒子の製造方法。
  2. 前記セルロース繊維は、表面に水酸基とは異なるアニオン性基を有していることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子の製造方法。
  3. 前記セルロース繊維は、表面にカルボキシル基を有しているセルロースナノファイバーであることを特徴とする請求項に記載の複合粒子の製造方法。
  4. セルロース繊維により構成される被覆層と、
    前記被覆層に覆われるポリマーと、を含み、
    前記ポリマーが、ジビニルベンゼンの重合体であることを特徴とする複合粒子。
  5. 前記セルロース繊維は、表面に水酸基とは異なるアニオン性基を有していることを特徴とする請求項に記載の複合粒子。
  6. 前記セルロース繊維は、表面にカルボキシル基を有しているセルロースナノファイバーであることを特徴とする請求項に記載の複合粒子。
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