JP2012177771A - 光学フィルム - Google Patents
光学フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012177771A JP2012177771A JP2011040147A JP2011040147A JP2012177771A JP 2012177771 A JP2012177771 A JP 2012177771A JP 2011040147 A JP2011040147 A JP 2011040147A JP 2011040147 A JP2011040147 A JP 2011040147A JP 2012177771 A JP2012177771 A JP 2012177771A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- examples
- acrylate
- optical film
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Paper (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
【解決手段】 微細繊維とマトリックス樹脂からなるフィルムにおいて、前記微細繊維の主成分は木材系セルロース由来であり、前記フィルムの全光線透過率が70%〜99%、ヘーズが5%〜99%であり、かつ微細繊維とマトリックス樹脂の屈折率差が0.01〜0.15であることを特徴とする光学フィルム
【選択図】なし
Description
一般に、透明フィルムやガラスに光拡散性や光散乱性などの光学特性を付与させるためには、フィルムやガラスの表面に凹凸や擦り傷のような模様を形成させたり、酸化チタンや炭酸カルシウムなどの微細な粒子をフィルムやガラスの表面に塗布や印刷したり、あるいは内部に混練したりする。しかしこれらの方法は拡散性や散乱性を向上させると光の透過率が低下するといった問題がある。またフィルムやガラス中に微細な粒子を添加すると強度が低下するという問題がある。 またフィルムは耐熱性が弱く、ガラスは割れやすいという問題もある。
しかしながらいずれの方法も製造方法が複雑であるという問題がある。そのため光の拡散性や散乱性、透過性を変えたシートやフィルムを製造することが難しいという課題もある。
(1) 少なくとも微細繊維とマトリックス樹脂から構成されたフィルムにおいて、前記微細繊維の主成分は木材系セルロース由来であり、前記フィルムの全光線透過率が70%〜99%、ヘーズが5%〜99%であり、かつ前記微細繊維と前記マトリックス樹脂の屈折率差が0.01〜0.15であることを特徴とする光学フィルム。
(3)木材系セルロース由来の微細繊維はクラフトパルプとサルファイトパルプの少なくとも1種のパルプから選ばれることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光学フィルム。
(4)木材系セルロース由来の微細繊維は微細化処理前に酵素処理を行うことを特徴とする(2)、(3)のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(5)木材系セルロース由来の微細繊維の平均繊維径が10nm〜100nmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(6)木材系セルロース由来の微細繊維の平均繊維長が0.1μm〜300μmであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(7)木材系セルロース由来の微細繊維の結晶化度が40%〜95%であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(8)(1)〜(7)のいずれか1項に記載の光学フィルムを組み込んだ照明装置、投影装置、看板および画像表示装置。
本発明における微細繊維は通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに幅の狭いセルロース繊維あるいは棒状粒子である。微細繊維は結晶状態のセルロース分子の集合体であり、その結晶構造はI型(平行鎖)である。微細繊維の繊維径は電子顕微鏡で観察して20nm〜400nmが好ましく、より好ましくは30nm〜200nm、さらに好ましくは40nm〜100nmである。平均繊維径が20nm未満であると、可視光線の波長よりも充分に小さいため、散乱効率が悪くヘーズが低下し、拡散性や散乱性が弱くなり好ましくない。平均繊維径が400nmを超えると、可視光の波長に近づき、マトリクス材料との界面で可視光の屈折、散乱が生じ易く、光の透過性が低下して好ましくない。
微細繊維の結晶化度は40%〜90%が好ましく、50%〜90%がさらに好ましく、55%〜90%が特に好ましい。結晶化度が40%未満の場合は散乱性が低下したり光学フィルムの強度が低下したりする。結晶化度が90%を超えるような微細繊維を製造することは非常に困難である。
これらの処理をするセルロース系繊維は、通常の紙用のパルプ製造に用いられる木材チップ、あるいは木材チップを粉砕した木粉が好適に使用できる。例えば厚み2mm〜8mm、直径数センチメートルの針葉樹チップまたは広葉樹チップが挙げられる。木粉は、該木材チップの含水率が10%以下になるように天日干しあるいは強制的に乾燥機で乾燥させた後、粉砕処理工程でチップを粉砕し、木粉を製造する。ここで、木粉の粒径は0.1mm〜1mmが好ましい。木粉の直径を小さくすると得られる微細繊維の繊維長も短くなる。
またサルファイトパルプは、亜硫酸カルシウムや亜硫酸マグネシウムなどの亜硫酸塩の水溶液で木材チップを120℃〜180℃、0.4MPa〜1.0MPaで蒸煮することで、木材チップ中の脂肪分やリグニン、ヘミセルロースを除去する方法がある。必要に応じて二酸化塩素やオゾンなどの漂白処理を行う。
本発明で使用できるセルラーゼ系酵素は、セルロースのβ−1,4−グルコシド結合を加水分解によって開裂し、解重合を引き起こす酵素である。β−1,4−グルコシド結合では2つのグルコース残基のC−1位と隣のC−4位をつなぐ酸素原子との間で分極化しているため、プロトンが酸素原子へ求電子攻撃し、加水分解を起こす。セルロースを分解する微生物は、菌体外に加水分解酵素を分泌して加水分解反応を行う。微生物が産生するセルラーゼは単一ではなく、数種類のセルラーゼを産生する。セルラーゼを産生する微生物は、好気性細菌、嫌気性細菌、また、動物や昆虫の消化器官に存在するルーメン細菌、さらに、放線菌、酵母、糸状菌(子嚢菌や担子菌など)などが挙げられ、それぞれ多様なセルラーゼを産生する。シロアリや腸内原生動物もセルラーゼを産生する。
酵素を処理した後には酵素を失活させたほうが好ましい。酵素を失活させないと、酵素反応が進み繊維の糖化が進んで収率が低下したり、繊維長が短くなりすぎたりして好ましくない。酵素を失活させる方法としてはpH10以上、好ましくはpH11以上のアルカリ水溶液で失活させたり、80℃〜100℃の熱水で失活させたりする。
化学修飾によって導入させる官能基としては、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオニル基、プロピオロイル基、ブチリル基、2−ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、フロイル基、シンナモイル基等のアシル基、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアノイル基等のイソシアネート基、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等のアルキル基、オキシラン基、オキセタン基、チイラン基、チエタン基等があげられる。これらの中では特にアセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
化学修飾率が低すぎると、複合化の後処理で加熱した際に着色することがある。また、化学修飾率が高すぎると、セルロース構造が破壊され結晶性が低下するため複合材料の線膨張係数が大きくなるという問題点があり好ましくない。また化学修飾率が低すぎると親水性が高くなり、吸水率が高くなり好ましくない。
セルロース不織布0.5gを精秤しこれにメタノール6ml、蒸留水2mlを添加する。これを60〜70℃で30分攪拌した後、0.05N水酸化ナトリウム水溶液10mlを添加する。これを60〜70℃で15分攪拌しさらに室温で一日攪拌する。ここにフェノールフタレインを用いて0.02N塩酸水溶液で滴定する。
ここで 0.05(N)×10(ml)/1000−0.02(N)×滴定量(ml)/1000=A(mol)とする。Aは置換基のモル数であり、化学修飾率をX(mol%)とすると、サンプル重量/{162.14+置換基の分子量×3(X/100)}=A/3(X/100)となり、これより化学修飾率を求めることができる。
化学修飾剤の種類としては、酸、酸無水物、アルコール、ハロゲン化試薬、アルコール、イソシアナート、アルコキシシラン、オキシラン(エポキシ)等の環状エーテルよりなる群から選ばれる1種または2種以上よりなる化学修飾剤と反応させたものである。酸としては、例えば酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、プロパン酸、ブタン酸、2−ブタン酸、ペンタン酸等があげられる。酸無水物としては、例えば無水酢酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水プロパン酸、無水ブタン酸、無水2−ブタン酸、無水ペンタン酸等があげられる。ハロゲン化試薬としては、例えばアセチルハライド、アクロイルハライド、メタクロイルハライド、プロパノイルハライド、ブタノイルハライド、2−ブタノイルハライド、ペンタノイルハライド、ベンゾイルハライド、ナフトイルハライドがあげられる。アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール等があげられる。イソシアナートとしては例えばメチルイソシアナート、エチルイソシアナート、プロピルイソシアナート等があげられる。アルコキシシランとしては、例えばメトキシシラン、エトキシシラン等があげられる。オキシラン(エポキシ)等の環状エーテルとしては、例えばエチルオキシラン、エチルオキセタンがあげられる。これらの中では特に無水酢酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、ベンゾイルハライド、ナフトイルハライドが好ましい。
このようにして化学修飾を行った後は、反応を終結させるために水で十分に洗浄することが好ましい。未反応の化学修飾剤が残留していると後で着色の原因になったり、樹脂と複合化する際に問題になったりするので好ましくない。水で十分に洗浄したのち、さらにアルコール等の有機溶媒で置換することが好ましい。この場合、セルロースをアルコール等の有機溶媒に浸漬しておくことで置換される。
上記ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、ブテン、イソプレン、クロロプレン、イソブチレン、イソプレン等の単独重合体又は共重合体、あるいはノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン等が挙げられる。上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
ユリア樹脂前駆体としては、尿素等とホルムアルデヒド等の重合反応物が挙げられる。
メラミン樹脂前駆体としては、メラミン等とホルムアルデヒド等の重合反応物が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和多塩基酸等と多価アルコール等より得られる不飽和ポリエステルを、これと重合する単量体に溶解し硬化した樹脂等が挙げられる。
珪素樹脂前駆体としては、オルガノポリシロキサン類を主骨格とするものが挙げられる。
ポリウレタン樹脂前駆体としては、グリコール等のジオール類と、ジイソシアネートからなる重合反応物等が挙げられる。
ジアリルフタレート樹脂前駆体としては、ジアリルフタレートモノマー類とジアリルフタレートプレポリマー類からなる反応物が挙げられる。
これら熱硬化性樹脂の硬化剤、硬化触媒としては特に限定はないが、例えば、硬化剤としては多官能アミン、ポリアミド、酸無水物、フェノール樹脂当が挙げられ、硬化触媒としてはイミダゾール等が挙げられる。これらは単独または2種以上の混合物として使用することができる。
ラジカル重合可能な化合物としては、例えば、分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物、分子内に2個または3個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、スチレン系化合物、アクリル酸誘導体などが挙げられる。
分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシ化−o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシオネート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸誘導体等が挙げられる。特に、脂肪鎖の骨格を有するモノ(メタ)アクリレートは吸水率が低くなるので好適に利用することができる。また、脂環骨格を有するモノ(メタ)アクリレートは、耐熱性が高くなるので、好適に利用することができる。脂環骨格モノ(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えば(ヒドロキシ−アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシ−メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシ−アクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシ−メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシエチル−アクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシエチル−アクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン等が挙げられる。また、これらの混合物等を挙げることが出来る。
エステル以外の(メタ)アクリル酸誘導体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪鎖を有するビス(メタ)アクリレートが吸水率が小さく好適に用いられる。例えば、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1、9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1、10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート化合物も耐熱性が高く、好適に用いられる。
例えばビス(アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシ−メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシ−メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(アクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン等、及びこれらの混合物等を挙げることが出来る。
分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレートとしては、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2〜10個(好ましくは2〜5個)有するウレタンオリゴマー等が挙げられる。例えば、ジイソシアネート類及びグリコール類を反応させて得られるウレタンプレポリマーと、ヒドロキシ基含有の(メタ)アクリレートを反応させて製造される(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーがある。
さらにポリカプロラクトンジオールとしては、2−オキセパノンと、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等の2価のジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げられる。これらのジオールは、プラクセル205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル(株)製)等が市販品として入手することができる。
好ましいジオールとしては1,4−ブタンジオールの重合体であるポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。このジオールの好ましい分子量は数平均分子量で通常50〜15,000であり、特に500〜3,000である。
具体的には、予め硬化性組成物に加熱によりラジカルを発生する熱重合開始剤を添加しておき、加熱して重合させる方法(以下「熱重合」という場合がある)、予め硬化性組成物に紫外線等の放射線によりラジカルを発生する光重合開始剤を添加しておき、放射線を照射して重合させる方法(以下「光重合」という場合がある)等、および熱重合開始剤と光重合開始自在を併用して予め添加しておき、熱と光の組み合わせにより重合させる方法が挙げられ、本発明においては光重合がより好ましい。
熱重合開始剤としては、例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド等が上げられる。具体的にはベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)ジクミルパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等を用いることができる。光照射時に熱重合が開始されると、重合を制御することが難しくなるので、これらの熱重合開始剤は好ましくは1分半減期温度が120℃以上であることがよい。これらの重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
重合をすみやかに完了させる目的で、光重合と熱重合を同時に行ってもよい。この場合には、放射線照射と同時に硬化性組成物を30〜300℃の範囲で加熱して硬化を行う。この場合、硬化性組成物には、重合を完結するために熱重合開始剤を添加してもよいが、大量に添加すると硬化物の複屈折の増大と色相の悪化をもたらすので、熱重合開始剤は、硬化樹脂モノマー成分の合計に対して0.1〜2重量%、より好ましくは0.3〜1重量%となるように用いられる。
本発明における光学フィルムの厚みは、好ましくは10μm以上1cm以下である。そのような厚みの複合材料にすることで強度保つことができる。好ましくは20μm以上500μm以下であり、さらに好ましくは25μm以上、250μm以下である。
光学フィルムの全光線透過率は70%〜99%が好ましく75%〜97%が好ましく80%〜93%が特に好ましい。全光線透過率が70%未満だと光の透過性が低く好ましくない。99%を超える光学フィルムを製造することは困難である。
光学フィルムのヘーズは5%〜99%が好ましく、10%〜80%がさらに好ましく、20%〜70%が特に好ましい。ヘーズが5%未満になると拡散性や散乱性が低下して好ましくない。99%を超えると光の透過性が低下して好ましくない。
具体的には1μm径のポリテトラフルオロエチレンの多孔膜、1μmのポリエチレンテレフタレートやポリエチレンの織物等があげられる。
アルコール等の有機溶媒としては、特に限定されるものではないが例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類の他、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール−t−ブチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、トルエン、四塩化炭素、等の有機溶媒があげられる。非水溶性有機溶媒を用いる場合は、水溶性有機溶媒との混合溶媒にするか水溶性有機溶媒で置換したのち非水溶性有機溶媒で置換することが好ましい。
アルコール等の有機溶媒で置換した後、不織布を乾燥しても乾燥せずに化学修飾をしてもよいが、乾燥した方が化学修飾の反応速度が速くなるため好ましい。乾燥する場合は送風乾燥、減圧乾燥してもよいし、加圧乾燥してもよい。また、加熱してもよい。乾燥は温度を変えて複数段階を経て乾燥してもよい。例えば、エタノールを用いて置換した場合は、始め80度でエタノールを乾燥した後、110度で水を乾燥させることもできる。
ベイマツのチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し平均粒子径が0.5mmの木粉を得た。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(絶乾重量:BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水し、蒸留水を加えて2%のパルプ懸濁液を作製した。
前記のパルプスラリーを高速回転型解繊機(エムテクニック社製、商品名:「クレアミックス9S」)にて回転数7000rpmで30分処理し、濃度0.2%に希釈して、1000Gの遠心力で遠心分離で粗大な繊維分を除去して微細繊維の水系懸濁液を得た。得られた微細繊維の平均繊維長は35μm、平均繊維径は85nm、結晶化度は65%であった。
ベイマツのチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し平均粒子径が0.3mmの木粉を得た。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水し、蒸留水を加えて2%のパルプ懸濁液を作製した。
前記のパルプスラリーを高速回転型解繊機(エムテクニック社製、商品名:「クレアミックス9S」)にて回転数7000rpmで2時間処理し、濃度0.2%に希釈して、1000Gの遠心力で遠心分離で粗大な繊維分を除去して微細繊維の水系懸濁液を得た。得られた微細繊維の平均繊維長は12μm、平均繊維径は39nm、結晶化度は70%であった。
ベイマツのチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し平均粒子径が0.1mmの木粉を得た。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水し、蒸留水を加えて2%のパルプ懸濁液を作製した。
前記のパルプスラリーを高速回転型解繊機(エムテクニック社製、商品名:「クレアミックス9S」)にて回転数7000rpmで6時間処理し、濃度0.2%に希釈して、1000Gの遠心力で遠心分離で粗大な繊維分を除去して微細繊維の水系懸濁液を得た。得られた微細繊維の平均繊維長は0.9μm、平均繊維径は25nm、結晶化度は81%であった。
ベイマツのチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し平均粒子径が0.1mmの木粉を得た。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水し、蒸留水を加えて2%のパルプ懸濁液を作製した。
得られたセルロース繊維原料に水を添加して固形分濃度が0.5重量%になるように、セルロース繊維原料分散液を6リットル調製した。
このセルロース繊維原料分散液に対し、高速回転型解繊機(エム・テクニック社製、製品名「クレアミックス2.2S」)に連続循環装置を設置して、回転数20000rpm、ポンプの流速12.0L/minで18時間解繊処理を行い、微細繊維の分散液を得た。得られた微細繊維の平均繊維長は1.3μm、平均繊維径は20nm、結晶化度は75%であった。
ベイマツのチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し平均粒子径が0.5mmの木粉を得た。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(絶乾重量:BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した。酢酸中に入れて再度ブフナーを用いて吸引脱液を行った。無水酢酸に含浸して、115℃にて7時間加熱した。メタノールと水で充分に洗浄して、アセチル化セルロース繊維原料を得た。化学修飾率は前述の方法で測定したところ、33%であった。このアセチル化セルロース繊維原料に水を入れて、2.0重量%、7リットルに調整した。回転式ホモジナイザー(エム・テクニック社製:CLM9S)を用いて、回転数20000rpmにて2時間解繊処理を行い、アセチル化微細繊維の分散液を得た。得られた微細繊維の平均繊維長は32μm、平均繊維径は75nm、結晶化度68%であった。なお微細繊維の屈折率はいずれも1.55であった。
微細繊維の水系懸濁液Aを50部と濃度0.2%に希釈したアニオン性ポリプロピレン樹脂エマルション(商品名:「ハイテックP−5800」(ガラス転移温度:0℃未満、平均粒子径:0.15μm、屈折率1.48、東邦化学社製)50部と混合した後、濃度0.2%のカチオン性凝結剤(商品名:「フィクサージュ614」、栗田工業化学社製)を5部加えて1分間攪拌した。得られた混合液を180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水して微細繊維状セルロースとアニオン性ポリプロピレン樹脂エマルションの湿紙を得て、湿紙を120℃のシリンダーロールにて乾燥して、坪量50g/m2、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
微細繊維の水系懸濁液Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、坪量50g/m2、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
微細繊維の水系懸濁液Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、坪量50g/m2、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
微細繊維の水系懸濁液Aとアニオン性ポリプロピレン樹脂エマルションの量を10部/90部、30部/70部、70部/30部、90部/10部としたこと以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。坪量は全て50g/m2であるが、厚さはそれぞれ49μm、45μm、38μm、36μmだった。
アニオン性ポリエチレンエマルション(商品名:「E−2213」(ガラス転移温度:0℃未満、平均粒子径:0.07μm、屈折率1.53、東邦化学工業社製)を用いた以外は実施例1と同様にして坪量50g/m2、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
塩化ビニリデンエマルション(商品名:サランL402、屈折率1.61、旭化成工業製)を用いた以外は実施例1と同様にして坪量50g/m2、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
微細繊維の水系懸濁液Aを、180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水して微細繊維状セルロースの湿紙を作成し、イソプロピルアルコール中に数回浸漬して120℃のシリンダーロールにて乾燥して、坪量25g/m2、厚さ30μmの多孔性シートを得た。多孔性シートに紫外線硬化性エポキシアクリレート系樹脂(硬化後の屈折率1.51、商品名AQ−9、荒川化学製)を含浸紙、130℃30分間熱硬化して坪量50g/m2、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
微細繊維の水系懸濁液Dを0.127重量%に水で希釈し、1μmのPTFEを用いた90mm径の濾過器に150g投入し、固形分が約5wt%になったところで2−プロパノールを投入し置換した。120℃にて0.14MPa5分間プレス乾燥してセルロース不織布を得た。
この不織布を、ビスアクリロイルオキシデカン(新中村化学株式会社製 A−DOD−N)100重量部と、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製ルシリンTPO)0.02重量部と、チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア184を0.01重量部とを混合した溶液に含浸させ、減圧下一晩静置した。これを2枚のガラス板にはさみ、無電極水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ社製「Dバルブ」)を用いて、照射光量400mW/cm2の下を、ライン速度7m/minで照射した。このときの光量は0.12J/cm2であった。この操作をガラス面を反転して2回行った。紫外線照射後のガラス面の温度は25℃であった。次いで、照射光線量1900mW/cm2の下をライン速度2m/minで照射した。このときの光量は2.7J/cm2であった。この操作をガラス面を反転して8回行った。紫外線照射後のガラス面の温度は44℃であった。全照射光量は21.8J/cm2であった。紫外線照射終了後、ガラス板よりはずして、セルロース繊維複合体を得た。
なお、紫外線の照度は、オーク製作所製紫外線照度計「UV−M02」で、アタッチメント「UV−35」を用いて、320〜390nmの紫外線の照度を23℃で測定した。
微細繊維の水懸濁液Eを実施例11記載と同様の方法で抄紙してセルロース不織布を得た。
得られたアセチル化セルロース不織布を、ビスメタクリロイルオキシデカン(新中村化学株式会社製 DOD−N)80部と、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート(昭和電工株式会社製 カレンズMT PE1)20重量部と、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製ルシリンTPO)0.2重量部と、チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア184を0.1重量部とを混合した溶液に含浸させ、減圧下一晩静置した。これを2枚のガラス板にはさみ、無電極水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ社製「Dバルブ」)を用いて、照射光量 1900mW/cm2の下を、ライン速度5m/minで照射した。この操作をガラス面を反転して6回行った。更に、ライン速度2m/minで照射した。この操作をガラス面を反転して10回行った。全照射光量は33.6J/cm2であった。紫外線照射終了後、ガラス板よりはずして、セルロース繊維複合体を得た。
実施例1〜10の光学フィルムをLED照明のカバーとして用いると光が拡散してまぶしくなくなった。また、液晶テレビの画面の表面に実施例1〜12の光学フィルムを貼付するといずれも光の反射を低下させることができた。
微細繊維の水系懸濁液Aを、180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水して、微細繊維状セルロースの湿紙を得て、湿紙を120℃のシリンダーロールにて乾燥して、坪量50g/m2、厚さ35μmの光学フィルムを得た。
微細繊維の水系懸濁液Bを、180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水して、微細繊維状セルロースの湿紙を得て、湿紙を120℃のシリンダーロールにて乾燥して、坪量50g/m2、厚さ35μmの光学フィルムを得た。
微細繊維の水系懸濁液Cを、180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水して、微細繊維含有湿紙を得て、湿紙を120℃のシリンダーロールにて乾燥して、坪量50g/m2、厚さ35μmの光学フィルムを得た。
実施例1のアニオン性ポリプロピレンエマルションをガラス基板上に塗工して130℃で乾燥して、得られた塗工層をガラス基板からはがして、坪量50g/m2、厚さ45μmのフィルムを得た。
実施例8のアニオン性ポリプロピレンエマルションをガラス基板上に塗工して130℃で乾燥して、得られた塗工層をガラス基板からはがして坪量50g/m2、厚さ45μmのフィルムを得た。
実機例9の塩化ビニリデンエマルションをガラス基板上に塗工して130℃で乾燥して、得られた塗工層をガラス基板からはがして坪量50g/m2、厚さ45μmのフィルムを得た。
実施例10の紫外線硬化性エポキシアクリレート系樹脂をガラス基板上に塗工して130℃で熱硬化して、得られた塗工層をガラス基板からはがして坪量50g/m2、厚さ45μmのフィルムを得た。
微細繊維の水系懸濁液Dを用いて、濃度0.2重量%に希釈し、400mlの解繊微細繊維の分散液を得た。エスエムテー社製超音波ホモジナイザー(UH−600S)を用いて、30分間超音波解繊処理を行った。その後、日立工機株式会社製遠心分離器CR−23を用いて、38900Gにて10分間遠心分離を行い、上澄み液を回収した。実施例1記載の方法で濾過により不織布を作製した。得られた不織布に、実施例1記載の光硬化性樹脂組成物を含浸させて、実施例1記載の方法でUV硬化し、微細繊維含有複合体を得た。
<光学フィルムのヘーズ値>
ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、型番:HM−150)を用いて、JIS K7136に準じてヘーズ値を測定した。
得られた複合体について、JIS規格K7105に準拠し、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、型番:HM−150)を用いて、JIS K7136に準じて全光線透過率を測定した。
光学フィルムを25℃の水道水に1時間浸漬し、手で軽く引っ張る。
○:破れない。
×:破れる。
引張試験はJIS P 8113:1998に準じて行った。スパン長は100mm、引張速度は10mm/minで試験を行い、引張強度(引張破断強度および引張弾性率を求めた。
Claims (8)
- 少なくとも微細繊維とマトリックス樹脂から構成されたフィルムにおいて、前記微細繊維の主成分は木材系セルロース由来であり、前記フィルムの全光線透過率が70%〜99%、ヘーズが5%〜99%であり、かつ前記微細繊維と前記マトリックス樹脂の屈折率差が0.01〜0.15であることを特徴とする光学フィルム。
- 木材系セルロース由来の微細繊維は脱リグニン処理して得られることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
- 木材系セルロース由来の微細繊維はクラフトパルプとサルファイトパルプの少なくとも1種のパルプから選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルム。
- 木材系セルロース由来の微細繊維は微細化処理前に酵素処理を行うことを特徴とする請求項2、3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 木材系セルロース由来の微細繊維の平均繊維径が10nm〜100nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 木材系セルロース由来の微細繊維の平均繊維長が0.1μm〜300μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 木材系セルロース由来の微細繊維の結晶化度が40%〜95%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムを組み込んだ照明装置、投影装置、看板および画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011040147A JP5653792B2 (ja) | 2011-02-25 | 2011-02-25 | 光学フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011040147A JP5653792B2 (ja) | 2011-02-25 | 2011-02-25 | 光学フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012177771A true JP2012177771A (ja) | 2012-09-13 |
JP5653792B2 JP5653792B2 (ja) | 2015-01-14 |
Family
ID=46979661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011040147A Active JP5653792B2 (ja) | 2011-02-25 | 2011-02-25 | 光学フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5653792B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014125691A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Oji Holdings Corp | 微細セルロース繊維の製造方法 |
JP2017013256A (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-19 | 株式会社ワーロン | 透光性化粧ラミネートシート及びその製造方法 |
JP2017039792A (ja) * | 2015-08-17 | 2017-02-23 | Dic株式会社 | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、これを含有する下塗り用コーティング剤及び成形体 |
JP2018009116A (ja) * | 2016-07-14 | 2018-01-18 | 王子ホールディングス株式会社 | シート |
US10266688B2 (en) | 2013-09-06 | 2019-04-23 | Teknologian Tutkimuskeskus Vtt Oy | Surface-modified cellulose nanofibres, bio composite resin composition and method for producing the same |
US10480126B2 (en) * | 2013-12-06 | 2019-11-19 | University Of Maryland At College Park | Super clear cellulose paper |
JP2020515733A (ja) * | 2017-04-06 | 2020-05-28 | カール・フロイデンベルク・カー・ゲー | 光操作のための要素 |
WO2020241588A1 (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 王子ホールディングス株式会社 | シート |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008169497A (ja) * | 2007-01-10 | 2008-07-24 | Kimura Chem Plants Co Ltd | ナノファイバーの製造方法およびナノファイバー |
JP2009217156A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Nitto Denko Corp | 光拡散フィルムおよびその製造方法 |
JP2010216021A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Kyoto Univ | セルロースナノファイバーの製造方法 |
-
2011
- 2011-02-25 JP JP2011040147A patent/JP5653792B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008169497A (ja) * | 2007-01-10 | 2008-07-24 | Kimura Chem Plants Co Ltd | ナノファイバーの製造方法およびナノファイバー |
JP2009217156A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Nitto Denko Corp | 光拡散フィルムおよびその製造方法 |
JP2010216021A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Kyoto Univ | セルロースナノファイバーの製造方法 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014125691A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Oji Holdings Corp | 微細セルロース繊維の製造方法 |
US10266688B2 (en) | 2013-09-06 | 2019-04-23 | Teknologian Tutkimuskeskus Vtt Oy | Surface-modified cellulose nanofibres, bio composite resin composition and method for producing the same |
US10480126B2 (en) * | 2013-12-06 | 2019-11-19 | University Of Maryland At College Park | Super clear cellulose paper |
JP2017013256A (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-19 | 株式会社ワーロン | 透光性化粧ラミネートシート及びその製造方法 |
JP2017039792A (ja) * | 2015-08-17 | 2017-02-23 | Dic株式会社 | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、これを含有する下塗り用コーティング剤及び成形体 |
JP2018009116A (ja) * | 2016-07-14 | 2018-01-18 | 王子ホールディングス株式会社 | シート |
JP2020515733A (ja) * | 2017-04-06 | 2020-05-28 | カール・フロイデンベルク・カー・ゲー | 光操作のための要素 |
WO2020241588A1 (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 王子ホールディングス株式会社 | シート |
JP2020193258A (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 王子ホールディングス株式会社 | シート |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5653792B2 (ja) | 2015-01-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5653792B2 (ja) | 光学フィルム | |
JP6206529B2 (ja) | セルロース繊維集合体およびセルロース繊維複合体 | |
CN101932416B (zh) | 纤维复合体 | |
JP5577622B2 (ja) | 微細セルロース繊維分散液、高分子セルロース複合体及びセルロース繊維の解繊方法 | |
JP5614402B2 (ja) | 修飾セルロース繊維及びそのセルロース複合体 | |
JP5708835B2 (ja) | 繊維複合体 | |
JP6003080B2 (ja) | セルロース繊維およびセルロース繊維の製造方法 | |
JP4958097B2 (ja) | ナノファイバーシート及びその製造方法並びに繊維強化複合材料 | |
JPWO2015182438A1 (ja) | 微細繊維および微細繊維含有シートの製造方法、それにより得られるシート、および樹脂が積層された樹脂複合体 | |
JP5510092B2 (ja) | 修飾セルロース繊維分散液の製造方法及びセルロース複合材料の製造方法 | |
JP2012111849A (ja) | 微細繊維状セルロースの製造方法、微細繊維状セルロースシートの製造方法及び微細繊維状セルロース複合体 | |
JP6107297B2 (ja) | 繊維樹脂複合材料 | |
JP2009155772A (ja) | 微細セルロース繊維の製造方法 | |
JP2015089914A (ja) | 繊維樹脂複合材料及び繊維樹脂複合材料の製造方法 | |
JP5412912B2 (ja) | セルロース及び高分子セルロース複合体の製造方法 | |
JP2012180602A (ja) | セルロース繊維分散液、セルロース繊維分散液の製造方法および微細セルロース繊維の製造方法 | |
JP5359819B2 (ja) | セルロース繊維複合材料、およびその製造方法 | |
JP5141516B2 (ja) | セルロース不織布およびその製造方法と複合材料 | |
JP2014181255A (ja) | セルロース繊維分散体 | |
JP2008007646A (ja) | 繊維樹脂複合材料 | |
JP2010024376A (ja) | セルロース繊維複合材料 | |
WO2013058244A1 (ja) | 化学修飾セルロース不織布の製造方法および化学修飾セルロース不織布、並びに、これを用いたセルロース繊維樹脂複合材料およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20130903 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131212 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140813 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140826 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141021 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141111 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141119 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5653792 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |