JP5653792B2 - 光学フィルム - Google Patents

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本発明は、光拡散性や散乱性などを有する光学フィルムに関する。
光拡散性や散乱性を有する光学フィルムは液晶テレビ、液晶モニター、看板、標識・表示などに使用されるバックライトユニットに用いられ、光源からの光を拡散して均一化するために光学フィルムが設けられている。また蛍光灯や電球、LED照明、有機EL照明などの照明器具の光源を散乱させたり、意匠性をもたせるために光学フィルムが用いられている。また光の反射を防止するために、フラットテレビや携帯電話画面などの表面に光学フィルムを積層して用いられている。
一般に、透明フィルムやガラスに光拡散性や光散乱性などの光学特性を付与させるためには、フィルムやガラスの表面に凹凸や擦り傷のような模様を形成させたり、酸化チタンや炭酸カルシウムなどの微細な粒子をフィルムやガラスの表面に塗布や印刷したり、あるいは内部に混練したりする。しかしこれらの方法は拡散性や散乱性を向上させると光の透過率が低下するといった問題がある。またフィルムやガラス中に微細な粒子を添加すると強度が低下するという問題がある。 またフィルムは耐熱性が弱く、ガラスは割れやすいという問題もある。
特許文献1には、凹凸パターンが形成された光拡散体として、光透過性基材の少なくとも片面に突起体が複数形成され、突起体の高さが2〜20μm、突起体の頂点の間隔が1〜10μm、突起体のアスペクト比が1以上のものが開示されている。また、特許文献1には、突起体を形成する方法として、光透過性基材の表面を、KrFエキシマレーザー等のエネルギービームの照射により加工する方法が開示されている。
特許文献2には、波状の凹凸からなる異方性拡散パターンが片面に形成された光拡散体が開示されている。異方性拡散パターンを形成する方法として、感光性樹脂のフィルムにレーザー光を照射して露光し、現像して、片面に凹凸が形成されたマスターホログラムを形成し、そのマスターホログラムを金型に転写し、その金型を用いて樹脂を成形する方法が開示されている。
また、光拡散性等を有する光学シートとして、表面に形成された凹凸の形状が位置によって異なるシートが知られている。例えば、特許文献3には、透光性樹脂シートの出光面となる表面に、傾斜面もしくはテーパー面を有する凹部又は凸部を配列形成した光拡散シートであって、シート表面上の光源対応位置からの距離が遠い凹部又は凸部ほど、シート表面に対する上記傾斜面の傾斜角もしくは上記テーパー面の稜線の傾斜角を順次大きくしたことを特徴とする光拡散シートが開示されている。
特許文献4には、偏光板を1枚使用した反射TN、STN、OCBにおいて光散乱フィルムと鏡面反射体を用いることにより、明るさと解像度を大幅に向上するため、溶剤可溶型フッ素樹脂中に有機系高分子の真球状微粒子を均一に分散している樹脂組成物の薄膜からなる光散乱フィルムが開示されている。
また、特許文献5には互いに屈折率が異なる複数の樹脂を用い、スピノーダル分解すると、簡便に等方性の共連続相構造(biconbinuous)を形成できること、このような共連続相構造を有するシートを用いると、拡散光に高い指向性を付与できることから、ポリメタクリル酸メチル50重量部とスチレン−アクリロニトリル共重合体50重量部とを塩化メチレン/メタノール混合溶媒(9/1、重量比)に溶解した溶液をガラス板上に流延することにより、厚さ8μmのシート層を形成し、ガラス板を280℃のホットプレート上で、1 分間加熱し、熱処理後、ガラス板とシートとを、冷水浴に浸漬してシートをガラス板から剥離し、枠に張り付け、乾燥して光散乱シートを得る方法が開示されている。
一方、特許文献6には、セルロースのナノファイバーに樹脂を含浸させる方法で、低線膨張率であり、透明性に優れたシートが開示されている。
しかしながらいずれの方法も製造方法が複雑であるという問題がある。そのため光の拡散性や散乱性、透過性を変えたシートやフィルムを製造することが難しいという課題もある。
特許文献7には透明性に優れたセルロースを含有する不織布とセルロース以外の樹脂からなるセルロース含有複合体が開示されている。本技術は透明性に優れるものの、バクテリアセルロースやコットンリンターをセルロース原料としているために、光の拡散性や散乱性、透過性を制御することが困難である。
特開平10−123307号公報 特開2006−261064号公報 特開2007−114587号公報 特開平10−253805号公報 特開2001−124908号公報 特開2009−299043号公報 特開2006−316253号公報
本発明が解決しようとする課題は、バックライトユニット、照明、ディスプレイ等の光源を拡散したり反射を防止することが可能で、光の拡散や散乱性、透過性を容易に制御できる光学フィルム及びそれを用いた照明装置、投影装置、看板および画像表示装置を提供することである。
本発明者らは、いかにして光拡散性や光反射防止、光透過性に優れ、強靭で耐熱性が高い光学フィルムが製造するかを検討し、かかる知見に基づき本発明を完成させた。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1) 少なくとも微細繊維とマトリックス樹脂から構成されたフィルムにおいて、前記微細繊維の主成分は木材系セルロース由来であり、前記フィルムの全光線透過率が70%〜99%、ヘーズが5%〜99%であり、かつ前記微細繊維と前記マトリックス樹脂の屈折率差が0.01〜0.15であることを特徴とする光学フィルム。
(2)木材系セルロース由来の微細繊維は脱リグニン処理して得られることを特徴とする(1)に記載の光学フィルム。
(3)木材系セルロース由来の微細繊維はクラフトパルプとサルファイトパルプの少なくとも1種のパルプから選ばれることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光学フィルム。
(4)木材系セルロース由来の微細繊維は微細化処理前に酵素処理を行うことを特徴とする(2)、(3)のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(5)木材系セルロース由来の微細繊維の平均繊維径が10nm〜100nmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(6)木材系セルロース由来の微細繊維の平均繊維長が0.1μm〜300μmであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(7)木材系セルロース由来の微細繊維の結晶化度が40%〜95%であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(8)(1)〜(7)のいずれか1項に記載の光学フィルムを組み込んだ照明装置、投影装置、看板および画像表示装置。
本発明によって、光拡散性や散乱性に優れ、かつ強度や耐熱性に優れる光学フィルムを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における微細繊維は通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに幅の狭いセルロース繊維あるいは棒状粒子である。微細繊維は結晶状態のセルロース分子の集合体であり、その結晶構造はI型(平行鎖)である。微細繊維の繊維径は電子顕微鏡で観察して20nm〜400nmが好ましく、より好ましくは30nm〜200nm、さらに好ましくは40nm〜100nmである。平均繊維径が20nm未満であると、可視光線の波長よりも充分に小さいため、散乱効率が悪くヘーズが低下し、拡散性や散乱性が弱くなり好ましくない。平均繊維径が400nmを超えると、可視光の波長に近づき、マトリクス材料との界面で可視光の屈折、散乱が生じ易く、光の透過性が低下して好ましくない。
ここで、微細繊維がI型結晶構造をとっていることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=0.15418nm)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。また、微細繊維の電子顕微鏡観察による繊維径の測定は以下のようにして行う。濃度0.05〜0.1質量%の微細繊維の水系懸濁液を調製し、該懸濁液を親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストしてTEM観察用試料とする。幅の広い繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面のSEM像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。この際、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定した場合に少なくとも軸に対し、20本以上の繊維が軸と交差するような試料および観察条件(倍率等)とする。この条件を満足する観察画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維径を目視で読み取っていく。こうして最低3枚の重なっていない表面部分の画像を電子顕微鏡で観察し、各々2つの軸の交錯する繊維の繊維径の値を読み取る(最低20本×2×3=120本の繊維径)。
本発明の微細繊維の平均繊維長は0.1μm〜300μmが好ましく、0.5μm〜200μmがさらに好ましく、1μm〜100μmが特に好ましい。平均繊維長が0.1μm未満になると光学フィルムの強度が低下して好ましくない。300μmを超えるとセルロース繊維が光学フィルム表面から飛出したり、表面の平滑性が悪くなり好ましくない。平均繊維長は繊維径と同様に電子顕微鏡で測定する。
微細繊維の結晶化度は40%〜90%が好ましく、50%〜90%がさらに好ましく、55%〜90%が特に好ましい。結晶化度が40%未満の場合は散乱性が低下したり光学フィルムの強度が低下したりする。結晶化度が90%を超えるような微細繊維を製造することは非常に困難である。
微細繊維の製造方法には特に制限はないが、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、超音波ホモジナイザーなどの機械的作用を利用する湿式粉砕でセルロース系繊維を細くする方法が好ましい。また、後述する様にアセチル化などの化学修飾、TEMPO酸化、オゾン処理、酵素処理などの化学処理を施してから微細化する方法がある。
微細化するセルロース系繊維としては、植物由来のセルロース、動物由来のセルロース、バクテリア由来のセルロースなどが挙げられるが、植物由来のセルロース、特に木材系セルロースが好ましい。木材系セルロースから得られる微細繊維は化学処理や機械的処理の程度により微細繊維の繊維径や繊維長を制御しやすいために好ましい。これは木材系セルロース繊維の直径が2〜4nmのシングルナノファイバーで構成されたミクロフィブリル繊維の集合体である(直径数μm〜数十μm、繊維長0.1mm〜数mm)ため、微細化方法を選択、組合せすることによって、種々の繊維径や繊維長の微細繊維を製造できる。そのため、光の拡散性や散乱性、透過性を容易に制御できるようになる。木材系セルロースは広葉樹や針葉樹から得られる木材チップを化学処理することで得られる。
セルロース系繊維を微細化する前の化学処理としては、脱脂、脱リグニン、脱ヘミセルロース、クラフト処理、スルファイト処理、漂白処理、酵素処理が挙げられる。
これらの処理をするセルロース系繊維は、通常の紙用のパルプ製造に用いられる木材チップ、あるいは木材チップを粉砕した木粉が好適に使用できる。例えば厚み2mm〜8mm、直径数センチメートルの針葉樹チップまたは広葉樹チップが挙げられる。木粉は、該木材チップの含水率が10%以下になるように天日干しあるいは強制的に乾燥機で乾燥させた後、粉砕処理工程でチップを粉砕し、木粉を製造する。ここで、木粉の粒径は0.1mm〜1mmが好ましい。木粉の直径を小さくすると得られる微細繊維の繊維長も短くなる。
本発明において前記脱脂処理では、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、アルコール、アルコール−ベンゼンの1:2混合溶液であるアルベン、ベンゼン、脂肪酸のトリグリセリドを分解する酵素であるリパーゼなどを適宜用いることができ、常温で、攪拌しながら、あるいは高温高圧で処理する方法等が挙げられるが、薬剤としては安価で、かつ有機溶媒ではなく、さらに圧力容器を用いないで簡便に使用でき、しかも脱脂効率が高いという理由で炭酸ナトリウム法が好ましい。
脱リグニン処理の方法として過酢酸、過硫酸、過炭酸、過リン酸、次過塩素酸、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸、過蟻酸、過プロピオン酸等の過酸法や亜塩素酸と酢酸を用いるWise法などが挙げられるが、本発明においては上記過酸法やWise法が好ましい。本発明においては木材パルプの漂白にも使われ、扱い方が比較的容易な過酢酸を用いる過酸法、あるいは亜塩素酸と酢酸を用いるWise法のいずれかを用いる方法が特に好ましい。
過酢酸は過酸化水素のアセチル化またはアセトアルデヒドの自動酸化により製造し得るが、前者の方法が好ましい。その製法には、過酸化水素と氷酢酸を硫酸酸性条件下で反応させて製造する方法あるいは過酸化水素と無水酢酸を反応させて製造する方法があり、前者は平衡過酢酸と呼ばれ、工業用過酢酸として市販されているが、その組成の一例としては過酢酸42%、過酸化水素6%、酢酸37%、水14%、硫酸1%である。また、後者は、in situ法とも呼ばれ、その組成の一例としては過酢酸23%、過酸化水素8%である。さらには、前記過酢酸を共沸混合蒸留により得られる蒸留過酢酸水溶液も好ましく用いられる。
過酢酸単独および亜塩素酸と酢酸を用いるWise法では、pHを4以下が好ましい。脱脂された原料に対する前記脱リグニン剤の配合割合は50%〜500%が好ましく、さらには、90%〜250%が好ましい。脱リグニン処理時の温度は70℃〜99℃が好ましく、80℃〜98℃がさらに好ましい。温度が70℃未満であると脱リグニン反応の効率が低下し、色が着いた状態となり好ましくない。一方、99℃を超えると微細繊維化が困難となり好ましくない。処理時間は、過酢酸では0.5〜2時間が好ましく、Wise法では4〜6時間が好ましい。
本発明において前記脱ヘミセルロース化する方法としては、アルカリ金属の水酸化物の水溶液を用いて、室温で一晩浸漬処理したり、前記水溶液中で攪拌しながら高温で短時間処理したり、前記水溶液中で攪拌しながら高温高圧下で処理する方法などが挙げられる。なかでも用いる薬品としては安価で、常温常圧で使用でき、しかも脱ヘミセルロース反応の効率が高いという理由で水酸化カリウムが最も好ましい。
本発明において市販のクラフトパルプやサルファイトパルプを使用することができる。クラフトパルプは針葉樹や広葉樹などの木材チップを水酸化ナトリウム(NaOH)と硫化ナトリウム(NaS)を含む水溶液を100℃〜180℃の高温、0.1MPa〜0.8MPaの高圧で蒸煮することで、木材チップ中の脂肪分やリグニン、ヘミセルロースを除去する方法である。必要に応じて二酸化塩素やオゾンなどの漂白処理を行う。
またサルファイトパルプは、亜硫酸カルシウムや亜硫酸マグネシウムなどの亜硫酸塩の水溶液で木材チップを120℃〜180℃、0.4MPa〜1.0MPaで蒸煮することで、木材チップ中の脂肪分やリグニン、ヘミセルロースを除去する方法がある。必要に応じて二酸化塩素やオゾンなどの漂白処理を行う。
セルロース系繊維を微細化しやすくするために酵素処理を行う方法がある。酵素としてはセルラーゼ系酵素やヘミセルラーゼ系酵素が好ましい。
本発明で使用できるセルラーゼ系酵素は、セルロースのβ−1,4−グルコシド結合を加水分解によって開裂し、解重合を引き起こす酵素である。β−1,4−グルコシド結合では2つのグルコース残基のC−1位と隣のC−4位をつなぐ酸素原子との間で分極化しているため、プロトンが酸素原子へ求電子攻撃し、加水分解を起こす。セルロースを分解する微生物は、菌体外に加水分解酵素を分泌して加水分解反応を行う。微生物が産生するセルラーゼは単一ではなく、数種類のセルラーゼを産生する。セルラーゼを産生する微生物は、好気性細菌、嫌気性細菌、また、動物や昆虫の消化器官に存在するルーメン細菌、さらに、放線菌、酵母、糸状菌(子嚢菌や担子菌など)などが挙げられ、それぞれ多様なセルラーゼを産生する。シロアリや腸内原生動物もセルラーゼを産生する。
セルラーゼ系酵素としては、トリコデルマ(Trichoderma、糸状菌)属、アクレモニウム(Acremonium、糸状菌)属、アスペルギルス(Aspergillus、糸状菌)属、ファネロケエテ(Phanerochaete、担子菌)属、トラメテス(Trametes、担子菌)属、フーミコラ(Humicola、糸状菌)属、バチルス(Bacillus、細菌)属、スエヒロタケ(Schizophyllum、担子菌)属、ストレプトミセス(Streptomyces、細菌)属、シュードモナス(Pseudomonas、細菌)属などが産生するセルラーゼ系酵素が挙げられる。このようなセルラーゼ系酵素は試薬や市販品として購入可能である。例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)、セルラーゼ系酵素GC220(ジェネンコア社製)等が挙げられる。これらのセルラーゼ系酵素の中でも糸状菌セルラーゼ系酵素が好ましく、糸状菌セルラーゼ系酵素の中でもトリコデルマ菌(Trichoderma reesei、あるいはHyporea jerorina、糸状菌の一種である子嚢菌)が産生するセルラーゼ系酵素はセルラーゼ系酵素の種類が豊富で、産生性も高いため特に好ましい。
セルラーゼ系酵素は加水分解反応機能を有する触媒ドメインの高次構造に基づく糖質加水分解酵素ファミリー(Glycoside Hydorolase Families:GHファミリー)に分類される。一方、セルラーゼ系酵素はセルロース分解特性によってエンド型グルカナーゼ(endo−glucanase:EG)とセロビオヒドラーゼ(cellobiohydrolase:CBH)に分類される。EGはセルロースの非晶部分や可溶性セロオリゴ糖、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体に対する加水分解性が高く、それらの分子鎖を内側からランダムに切断し、重合度を低下させる。しかし、EGは結晶性を有するセルロースミクロフィブリルへの反応性は低い。これに対して、CBHは結晶性セルロースを分解し、セロビオースを与える。また、CBHはセルロース分子の末端から加水分解し、エキソ型あるいはプロセッシブ酵素とも呼ばれる(前記EGは非プロセッシブ酵素とも呼ばれる)。
本発明においてはセルラーゼ系酵素としてEGおよびCBHのいずれも使用できる。それぞれを単体で用いても良いし、EGとCBHを混合して使用してもかまわない。また、ヘミセルラーゼ系酵素と混合して用いてもかまわない。
本発明において使用できるヘミセルラーゼ系酵素とは、ヘミセルロースを加水分解する酵素である。ヘミセルラーゼ系酵素の中でもキシランを分解する酵素であるキシラナーゼ(xylanase)、マンナンを分解する酵素であるマンナーゼ(mannase)、アラバンを分解する酵素であるアラバナーゼ(arabanase)が挙げられる。また、ペクチンを分解する酵素であるペクチナーゼもヘミセルラーゼ系酵素として使用することができる。ヘミセルラーゼ系酵素を産生する微生物はセルラーゼ系酵素も産生する場合が多い。
ヘミセルロースは植物細胞壁のセルロースミクロフィブリル間にあるペクチン類を除いた多糖類である。ヘミセルロースは多種多様で植物の種類や細胞壁の壁層間でも異なる。木材においては針葉樹の2次壁ではグルコマンナンが主成分であり、広葉樹2次壁では4−O−メチルグルクロノキシランが主成分である。そのため、NBKPから微細繊維を得るためにはマンナーゼを使用するほうが好ましく、LBKPの場合はキシラナーゼを使用するほうが好ましい。
セルラーゼ系酵素の化学パルプに対する添加量は0.1質量%〜3質量%が好ましく、0.3質量%〜2.5質量%がより好ましく、0.5質量%〜2質量%が特に好ましい。添加量が0.1質量%未満であると酵素による解繊収率が低下するおそれがある。3質量%を超えて添加するとセルロースが糖化されて、微細繊維の収率が低下するおそれがある。
セルラーゼ系酵素処理時の化学パルプスラリーのpHは弱酸性領域であるpH3.0〜6.9が好ましいが、セルラーゼ系酵素の種類により適宜最適なpH領域を選択する必要がある。また、ヘミセルラーゼ系酵素処理時の化学パルプスラリーのpHは弱アルカリ性領域であるpH7.1〜10.0が好ましいが、ヘミセルラーゼ系酵素の種類により適宜最適なpH領域を選択する必要がある。セルラーゼ系酵素あるいはヘミセルラーゼ系酵素の処理時の化学パルプのスラリー温度は30℃〜70℃が好ましく、35℃〜65℃がさらに好ましく、40℃〜60℃が特に好ましい。温度が30℃未満であると酵素活性が低下して処理時間が長くなるので好ましくない。温度が70℃を超えると酵素が失活するので好ましくない。処理時間は酵素の種類や温度、pHで調整するが、30分〜24時間処理が好ましい。処理時間が30分未満であると酵素処理の効果が得られにくい。24時間を超えると酵素によりセルロース繊維の分解が進みすぎて、加重平均繊維長が短くなりすぎるおそれがある。
酵素を処理した後には酵素を失活させたほうが好ましい。酵素を失活させないと、酵素反応が進み繊維の糖化が進んで収率が低下したり、繊維長が短くなりすぎたりして好ましくない。酵素を失活させる方法としてはpH10以上、好ましくはpH11以上のアルカリ水溶液で失活させたり、80℃〜100℃の熱水で失活させたりする。
酵素処理を効率化するために、酵素処理前のセルロース系繊維をグラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、超音波ホモジナイザーなどの機械的作用を利用する湿式粉砕で処理し、セルロース系繊維を短繊維化して酵素処理を行った後に、再び、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、超音波ホモジナイザーなどの機械的作用を利用する湿式粉砕で処理すると微細化効率が向上し、好ましい。
また、本発明における微細繊維は化学修飾されていても良い。化学修飾とは、セルロース中の水酸基が化学修飾剤と反応して化学修飾されているものである。
化学修飾によって導入させる官能基としては、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオニル基、プロピオロイル基、ブチリル基、2−ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、フロイル基、シンナモイル基等のアシル基、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアノイル基等のイソシアネート基、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等のアルキル基、オキシラン基、オキセタン基、チイラン基、チエタン基等があげられる。これらの中では特にアセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
化学修飾率は全水酸基に対して、8mol%以上であることが好ましく、15mol%以上であることがさらに好ましい。また、化学修飾率は全水酸基に対して65mol%以下であることが好ましく、50mol%以下であることがさらに好ましい。
化学修飾率が低すぎると、複合化の後処理で加熱した際に着色することがある。また、化学修飾率が高すぎると、セルロース構造が破壊され結晶性が低下するため複合材料の線膨張係数が大きくなるという問題点があり好ましくない。また化学修飾率が低すぎると親水性が高くなり、吸水率が高くなり好ましくない。
ここでいう化学修飾率とは、セルロース中の全水酸基のうちの化学修飾されたものの割合を示す。化学修飾率は下記の滴定法によって求めることができる。
セルロース不織布0.5gを精秤しこれにメタノール6ml、蒸留水2mlを添加する。これを60〜70℃で30分攪拌した後、0.05N水酸化ナトリウム水溶液10mlを添加する。これを60〜70℃で15分攪拌しさらに室温で一日攪拌する。ここにフェノールフタレインを用いて0.02N塩酸水溶液で滴定する。
ここで 0.05(N)×10(ml)/1000−0.02(N)×滴定量(ml)/1000=A(mol)とする。Aは置換基のモル数であり、化学修飾率をX(mol%)とすると、サンプル重量/{162.14+置換基の分子量×3(X/100)}=A/3(X/100)となり、これより化学修飾率を求めることができる。
セルロースの化学修飾は、通常の方法をとることができる。すなわち化学修飾剤と反応させることによって化学修飾することができる。必要に応じて溶媒、触媒を用いたり、加熱、減圧等を行ったりしてもよい。
化学修飾剤の種類としては、酸、酸無水物、アルコール、ハロゲン化試薬、アルコール、イソシアナート、アルコキシシラン、オキシラン(エポキシ)等の環状エーテルよりなる群から選ばれる1種または2種以上よりなる化学修飾剤と反応させたものである。酸としては、例えば酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、プロパン酸、ブタン酸、2−ブタン酸、ペンタン酸等があげられる。酸無水物としては、例えば無水酢酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水プロパン酸、無水ブタン酸、無水2−ブタン酸、無水ペンタン酸等があげられる。ハロゲン化試薬としては、例えばアセチルハライド、アクロイルハライド、メタクロイルハライド、プロパノイルハライド、ブタノイルハライド、2−ブタノイルハライド、ペンタノイルハライド、ベンゾイルハライド、ナフトイルハライドがあげられる。アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール等があげられる。イソシアナートとしては例えばメチルイソシアナート、エチルイソシアナート、プロピルイソシアナート等があげられる。アルコキシシランとしては、例えばメトキシシラン、エトキシシラン等があげられる。オキシラン(エポキシ)等の環状エーテルとしては、例えばエチルオキシラン、エチルオキセタンがあげられる。これらの中では特に無水酢酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、ベンゾイルハライド、ナフトイルハライドが好ましい。
触媒としては、ピリジンやトリエチルアミン、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性触媒や酢酸、硫酸、過塩素酸等の酸性触媒を用いることが好ましい。温度条件としては、高すぎるとセルロースの黄変や重合度の低下等が懸念され、低すぎると反応速度が低下することから40〜130℃が好ましい。反応時間は化学修飾剤や化学修飾率にもよるが数分から数十時間である。
このようにして化学修飾を行った後は、反応を終結させるために水で十分に洗浄することが好ましい。未反応の化学修飾剤が残留していると後で着色の原因になったり、樹脂と複合化する際に問題になったりするので好ましくない。水で十分に洗浄したのち、さらにアルコール等の有機溶媒で置換することが好ましい。この場合、セルロースをアルコール等の有機溶媒に浸漬しておくことで置換される。
最後に必要に応じて乾燥する。前述の微細化処理前に化学修飾する場合は乾燥しない方がよい。乾燥によりセルロースの残存水素結合が強固になり、微細化できにくくなる。乾燥する場合には、送風乾燥、減圧乾燥してもよいし、加圧乾燥してもよい。また、加熱しても構わない。加熱する場合温度は50℃から250℃が好ましい。温度が低すぎると乾燥が不十分になる可能性があり、温度が高すぎると着色したり、分解したりする可能性がある。加圧する場合は0.01〜5MPaが好ましい。圧が低すぎると乾燥が不十分になる可能性があり、圧が高すぎるとセルロースが分解する可能性がある。
マトリクス樹脂として用いられる有機高分子としては、天然高分子や合成高分子が挙げられる。天然高分子としては、例えば、セロハン、トリアセチルセルロース等の再生セルロース系高分子が挙げられる。合成高分子としては、例えば、ビニル系樹脂、重縮合系樹脂、重付加系樹脂、付加縮合系樹脂、開環重合系樹脂等が挙げられる。また、アクリル酸エステルのモノマーやエポキシ樹脂などポリマー前駆体を用いることもできる。
上記ビニル系樹脂としては、ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等の汎用樹脂や、ビニル重合によって得られるエンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。これらは、各樹脂内において、構成される各単量体の単独重合体や共重合体であってもよい。
上記ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、ブテン、イソプレン、クロロプレン、イソブチレン、イソプレン等の単独重合体又は共重合体、あるいはノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン等が挙げられる。上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
上記酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの加水分解体であるポリビニルアルコール、酢酸ビニルにホルムアルデヒドやn−ブチルアルデヒドを反応させたポリビニルアセタール、ポリビニルアルコールやブチルアルデヒド等を反応させたポリビニルブチラール等が挙げられる。上記フッ素樹脂としては、テトラクロロエチレン、ヘキフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレン、フッ化ビリニデン、フッ化ビニル、ペルフルオロアルキルビニルエーテル等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド類等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。ここで、(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸又はメタクリル酸が挙げられる。また、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸系単量体、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等が挙げられる。シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル等が挙げられる。(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記重縮合系樹脂としては、アミド系樹脂やポリカーボネート等が挙げられる。上記アミド系樹脂としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、4,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン等の脂肪族アミド系樹脂や、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと塩化テレフタロイルや塩化イソフタロイル等の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体とからなる芳香族ポリアミド等が挙げられる。
上記ポリカーボネートとは、ビスフェノールAやその誘導体であるビスフェノール類と、ホスゲン又はフェニルジカーボネートとの反応物をいう。上記重付加系樹脂としては、エステル系樹脂、Uポリマー、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
上記エステル系樹脂としては、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、不飽和ポリエステル等が挙げられる。上記芳香族ポリエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール類とテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸との共重合体が挙げられる。上記脂肪族ポリエステルとしては、ジオール類とコハク酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン酸との共重合体や、グリコール酸や乳酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体又は共重合体、ジオール類、上記脂肪族ジカルボン酸及び上記ヒドロキシカルボン酸の共重合体等が挙げられる。上記不飽和ポリエステルとしては、後述するジオール類、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸、及び必要に応じてスチレン等のビニル単量体との共重合体が挙げられる。
上記Uポリマーとしては、ビスフェノールAやその誘導体であるビスフェノール類、テレフタル酸及びイソフタル酸等からなる共重合体が挙げられる。上記液晶ポリマーとしては、p−ヒドロキシ安息香酸と、テレフタル酸、p,p’−ジオキシジフェノール、p−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、ポリテレフタル酸エチレン等との共重合体が挙げられる。上記ポリエーテルケトンとしては、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンや4,4’−ジヒドロベンゾフェノン等の単独重合体や共重合体が挙げられる。上記ポリエーテルエーテルケトンとしては、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンとハイドロキノン等との共重合体が挙げられる。
上記アルキド樹脂としては、ステアリン酸、パルチミン酸等の高級脂肪酸と無水フタル酸等の二塩基酸、及びグリセリン等のポリオール等とからなる共重合体が挙げられる。上記ポリスルホンとしては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンやビスフェノールA等の共重合体が挙げられる。上記ポリフェニルレンスルフィドとしては、p−ジクロロベンゼンや硫化ナトリウム等の共重合体が挙げられる。上記ポリエーテルスルホンとしては、4−クロロ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの重合体が挙げられる。
上記ポリイミド系樹脂としては、無水ポリメリト酸や4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の共重合体であるピロメリト酸型ポリイミド、無水塩化トリメリト酸やp−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと後述するジイソシアネート化合物等とからなる共重合体であるトリメリト酸型ポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン等からなるビフェニル型ポリイミド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸や4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等からなるベンゾフェノン型ポリイミド、ビスマレイイミドや4,4’−ジアミノジフェニルメタン等からなるビスマレイイミド型ポリイミド等が挙げられる。
上記重付加系樹脂としては、ウレタン樹脂等が挙げられる。上記ウレタン樹脂は、ジイソシアネート類とジオール類との共重合体である。上記ジイソシアネート類としては、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、上記ジオール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の比較的低分子量のジオールや、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
上記付加縮合系樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。上記フェノール樹脂としては、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。上記尿素樹脂やメラミン樹脂は、ホルムアルデヒドや尿素、メラミン等の共重合体である。
上記開環重合系樹脂としては、ポリアルキレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂等が挙げられる。上記ポリアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。上記ポリアセタールとしては、トリオキサン、ホルムアルデヒド、エチレンオキシド等の共重合体が挙げられる。
本発明におけるポリマー前駆体としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の前駆体が挙げられる。
上記エポキシ樹脂前駆体としては、少なくとも1個のエポキシ基を有する有機化合物をいう。上記エポキシ樹脂前駆体中のエポキシ基の数としては、1分子あたり1個以上7個以下であることが好ましく、1分子あたり2個以上であることがより好ましい。ここで、前駆体1分子あたりのエポキシ基の数は、エポキシ樹脂前駆体中のエポキシ基の総数をエポキシ樹脂中の分子の総数で除算することにより求められる。上記エポキシ樹脂前駆体としては特に限定されず、例えば、以下に示したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独でも2種以上併用されてもよい。これらエポキシ樹脂は硬化剤を用いて熱硬化性樹脂前躯体を硬化することにより得られる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の、ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ樹脂及びこれらの水添化物や臭素化物等の前駆体が挙げられる。また、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチルアジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシシクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等の脂環族エポキシ樹脂が挙げられる。また、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9(好ましくは2〜4)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。また、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂及びこれらの水添化物等が挙げられる。また、トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体のグリシジルアミン型エポキシ樹脂及びこれらの水添化物等が挙げられる。また、グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。また、エポキシ化ポリブタジエン等の共役ジエン化合物を主体とする重合体またはその部分水添物の重合体における不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの等が挙げられる。また、エポキシ化SBS等のような、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその部分水添化物の重合体ブロックとを同一分子内にもつブロック共重合体における共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの等が挙げられる。また1分子あたり1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。また、上記エポキシ樹脂の構造中にウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入した、ウレタン変成エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変成エポキシ樹脂等が挙げられる。上記変成エポキシ樹脂としては、例えば、上記エポキシ樹脂にNBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を含有させたゴム変成エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、エポキシ樹脂以外に、少なくとも1つのオキシラン環を有する樹脂またはオリゴマーが添加されてもよい。また、フルオレン含有エポキシ樹脂、フルオレン基を含有する熱硬化性樹脂および組成物、またはその硬化物も挙げられる。これらフルオレン含有エポキシ樹脂は、高耐熱であるため好適に用いられる。上記エポキシ樹脂前駆体の硬化反応に用いられる硬化剤としては、特に限定されず、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成されるポリアミノアミド化合物等の化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンアミド及びその誘導体等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
オキセタン樹脂前駆体としては、少なくとも1個のオキセタン環を有する化合物である。上記オキセタン樹脂前駆体中のオキセタン環の数は、1分子あたり1個以上、4個以下が好ましい。分子中に1個のオキセタンを有する化合物としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル{[−3−(トリエトキシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタンなどが挙げられる。分子中に2個のオキセタンを有する化合物としては、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、4,4‘−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル等が挙げられる。3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、分枝状のポリアルキレンオキシ基やポリシロキシ基と3−アルキル−3−メチルオキセタンの反応物などが挙げられる。上記オキセタン樹脂前駆体の硬化反応に用いられる硬化剤としては、特に限定されず、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成されるポリアミノアミド化合物等の化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンアミド及びその誘導体等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。特に光硬化剤はエネルギーの有効活用の面から好適に利用される。ここで光硬化剤とは活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる化合物であり、例えば、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。
フェノール樹脂前駆体としては、フェノール、クレゾール等のフェノール類とホルムアルデヒド等を反応させノボラック等を合成し、これをヘキサメチレンテトラミン等で硬化させたもの等が挙げられる。
ユリア樹脂前駆体としては、尿素等とホルムアルデヒド等の重合反応物が挙げられる。
メラミン樹脂前駆体としては、メラミン等とホルムアルデヒド等の重合反応物が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和多塩基酸等と多価アルコール等より得られる不飽和ポリエステルを、これと重合する単量体に溶解し硬化した樹脂等が挙げられる。
珪素樹脂前駆体としては、オルガノポリシロキサン類を主骨格とするものが挙げられる。
ポリウレタン樹脂前駆体としては、グリコール等のジオール類と、ジイソシアネートからなる重合反応物等が挙げられる。
ジアリルフタレート樹脂前駆体としては、ジアリルフタレートモノマー類とジアリルフタレートプレポリマー類からなる反応物が挙げられる。
これら熱硬化性樹脂の硬化剤、硬化触媒としては特に限定はないが、例えば、硬化剤としては多官能アミン、ポリアミド、酸無水物、フェノール樹脂当が挙げられ、硬化触媒としてはイミダゾール等が挙げられる。これらは単独または2種以上の混合物として使用することができる。
また、本発明における光硬化性樹脂としては、(メタ)アクリレート系の重合体が挙げられる。
ラジカル重合可能な化合物としては、例えば、分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物、分子内に2個または3個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、スチレン系化合物、アクリル酸誘導体などが挙げられる。
分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシ化−o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシオネート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸誘導体等が挙げられる。特に、脂肪鎖の骨格を有するモノ(メタ)アクリレートは吸水率が低くなるので好適に利用することができる。また、脂環骨格を有するモノ(メタ)アクリレートは、耐熱性が高くなるので、好適に利用することができる。脂環骨格モノ(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えば(ヒドロキシ−アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシ−メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシ−アクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシ−メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシエチル−アクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシエチル−アクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン等が挙げられる。また、これらの混合物等を挙げることが出来る。
分子中に2個又は3個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール以上のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、 トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=アクリレートメタクリレート、2,2−ビス[4−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,4−ビス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]シクロヘキサン等が挙げられる。
スチレン系化合物としては、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
エステル以外の(メタ)アクリル酸誘導体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪鎖を有するビス(メタ)アクリレートが吸水率が小さく好適に用いられる。例えば、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1、9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1、10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート化合物も耐熱性が高く、好適に用いられる。
例えばビス(アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシ−メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシ−メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(アクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン等、及びこれらの混合物等を挙げることが出来る。
これらのビス(メタ)アクリレートは、いくつか併用することもできる。分子内に4〜8個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ポリオールの(メタ)アクリル酸エステル等が利用できる。具体的には、ペンタエリスリテールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリテールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールセプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
次にエポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ基を有する化合物、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加型の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸との反応物を挙げることができる。具体的にはビスフェノールAジグリシジルエーテル=ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジプロピレンオキサイドジグリシジルエーテル=ジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル=ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテル=ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル=ジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル=ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジグリシジルエーテル=ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル=トリ(メタ)アクリレート、2−ヒドリキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアミノアクリレートが挙げられる。
分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレートとしては、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2〜10個(好ましくは2〜5個)有するウレタンオリゴマー等が挙げられる。例えば、ジイソシアネート類及びグリコール類を反応させて得られるウレタンプレポリマーと、ヒドロキシ基含有の(メタ)アクリレートを反応させて製造される(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーがある。
ここで用いるポリオール化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコールあるいは二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオール等が挙げられる。イオン重合性環状化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。また、上記イオン性重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。上記二種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、テトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテンオキシドとエチレンオキシド等を挙げることができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していてもよいし、ブロック状の結合をしていてもよい。
ここまでに述べたこれらのポリエーテルジオールは、例えばPTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)製)、PPG1000、EXCENOL2020、1020(以上、旭オーリン(株)製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂(株)製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL2000(以上、保土ヶ谷化学(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B(以上、第一工業製薬(株)製)等の市販品としても入手することができる。
ポリオール化合物としては、上記のポリエーテルジオールの他にポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられ、これらのジオールをポリエーテルジオールと併用して用いることもできる。これらの構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。ここで用いるポリエステルジオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の多価アルコールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸とを反応して得られるポリエステルポリオール等を挙げることができる。市販品としてはクラポールP−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上、(株)クラレ製)等が入手できる。
また、ポリカーボネートジオールとしては、例えば1,6−ヘキサンポリカーボネート等が挙げられ、市販品としてはDN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン(株)製)、PC−8000(米国PPG(株)製)等が挙げられる。
さらにポリカプロラクトンジオールとしては、2−オキセパノンと、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等の2価のジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げられる。これらのジオールは、プラクセル205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル(株)製)等が市販品として入手することができる。
上記以外のジオールも数多く使用することができる。このようなジオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール、β−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ヒマシ油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等が挙げられる。
また上記したようなジオールを併用する以外にも、ポリオキシアルキレン構造を有するジオールとともにジアミンを併用することも可能であり、このようなジアミンとしてはエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン等のジアミンやヘテロ原子を含むジアミン、ポリエーテルジアミン等が挙げられる。
好ましいジオールとしては1,4−ブタンジオールの重合体であるポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。このジオールの好ましい分子量は数平均分子量で通常50〜15,000であり、特に500〜3,000である。
一方、ポリイソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシル ジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは一種でも、二種以上を併用して用いてもよい。中でもイソホロンジイソシアネートやノルボルナンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシル ジイソシアネートなどの脂環骨格を有するジイソシアネートが好適に用いられる。
また、反応に用いるヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、さらにアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も挙げることができる。これらのうち、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
市販のウレタンオリゴマーとしては、EB2ECRYL220(ダイセル・サイテック)、アートレジンUN−3320HA(根上工業)、アートレジンUN−3320HB(根上工業)、アートレジンUN−3320HC(根上工業)、アートレジンUN−330(根上工業)及びアートレジンUN−901T(根上工業)、NK−オリゴU−4HA(新中村化学)、NK−オリゴU−6HA(新中村化学)、NK−オリゴU−324A(新中村化学)、NK−オリゴU−15HA(新中村化学)、NK−オリゴU−108A(新中村化学)、NK−オリゴU−200AX(新中村化学)、NK−オリゴU−122P(新中村化学)、NK−オリゴU−5201(新中村化学)、NK−オリゴU−340AX(新中村化学)、NK−オリゴU−511(新中村化学)、NK−オリゴU−512(新中村化学)、NK−オリゴU−311(新中村化学)、NK−オリゴUA−W1(新中村化学)、NK−オリゴUA−W2(新中村化学)、NK−オリゴUA−W3(新中村化学)、NK−オリゴUA−W4(新中村化学)、NK−オリゴUA−4000(新中村化学)、NK−オリゴUA−100(新中村化学)、紫光UV−1400B(日本合成化学工業)、紫光UV−1700B(日本合成化学工業)、紫光UV−6300B(日本合成化学工業)、紫光UV−7550B(日本合成化学工業)、紫光UV−7600B(日本合成化学工業)、紫光UUV−7605B(日本合成化学工業)、紫光UV−7610B(日本合成化学工業)、紫光UV−7620EA(日本合成化学工業)、紫光UV−7630B(日本合成化学工業)、紫光UV−7640B(日本合成化学工業)、紫光UV−6630B(日本合成化学工業)、紫光UV−7000B(日本合成化学工業)、紫光UV−7510B(日本合成化学工業)、紫光UV−7461TE(日本合成化学工業)、紫光UV−3000B(日本合成化学工業)、紫光UV−3200B(日本合成化学工業)、紫光UV−3210EA(日本合成化学工業)、紫光UV−3310B(日本合成化学工業)、紫光UV−3500BA(日本合成化学工業)、紫光UV−3520TL(日本合成化学工業)、紫光UV−3700B(日本合成化学工業)、紫光UV−6100B(日本合成化学工業)、紫光UV−6640B(日本合成化学工業)等が使用できる。ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートの数平均分子量は1,000〜100,000が好ましく、更に好ましくは2,000〜10,000である。中でもメチレンジシクロヘキシル ジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールを有するウレタンアクリレートは透明性、低複屈折性、柔軟性等の点により優れており、好適に利用することができる。
連鎖移動剤として、例えば、分子内に2個以上のチオール基を有する多官能メルカプタン化合物を用いることができ、これにより硬化物に適度な靱性を付与する事が出来る。メルカプタン化合物としては、例えば1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオグリコレート)、ジエチレングリコールビス(β−チオプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(β−チオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(β−チオグリコレート)等の2〜6価のチオグリコール酸エステル又はチオプロピオン酸エステル;トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシ)エチル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオグリコニルオキシ)エチル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシエトキシ)エチル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオグリコニルオキシエトキシ)エチル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシ)プロピル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオグリコニルオキシ)プロピル]トリイソシアヌレート1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等のω−SH基含有トリイソシアヌレート;ベンゼンジメルカプタン、キシリレンジメルカプタン、4、4’−ジメルカプトジフェニルスルフィド等のα,ω−SH基含有化合物等が挙げられる。これらの中でもペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシエトキシ)エチル]トリイソシアヌレートなどの1種又は2種以上を用いるのが好ましい。メルカプタン化合物を入れる場合は、重合成分の合計に対して、通常1%以上、70重量%以下の割合で含有させる。
紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤から選ばれるものであり、その紫外線吸収剤は1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用しても良い。具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2‘−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2‘−ジヒドロキシ−4、4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリーブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、その他マロン酸エステル系のホスタビンPR−25(クラリアント社)、蓚酸アニリド系のサンデュボアVSU(クラリアント社)などの化合物である。紫外線吸収剤を入れる場合は、微細繊維とマトリックス樹脂の合計重量に対して、通常0.01〜1重量%の割合で含有させる。
また、充填剤として、セルロース繊維のほかに、無機粒子や有機高分子などを添加しても良い。例えば、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子などの無機粒子、ゼオネックス(日本ゼオン社)やアートン(JSR社)などの透明シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネートやPMMAなどの汎用熱可塑性ポリマーなどが挙げられる。中でも、ナノサイズのシリカ粒子を用いると透明性を維持することができ好適である。また、紫外線硬化性モノマーと構造の似たポリマーを用いると高濃度までポリマーを溶解させることが可能であり、好適である。
また、シランカップリング剤を添加しても良い。例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でも、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−(アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等は分子中に(メタ)アクリルないしアクリル基を有しており、(メタ)アクリレートを用いる場合には、共重合することができるので好ましい。シランカップリング剤は、マトリクス材料の合計重量に対して通常0.1〜50重量%となるように含有させる。好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは1〜20重量%である。0.1重量%よりも少ない場合には、これを含有させる効果が十分に得られず、また50重量%よりも多い場合には、硬化体の透明性などの光学特性が損なわれる恐れがある。
硬化体は公知の方法で重合硬化して得ることができる。硬化する手法としては、熱硬化、または放射線硬化等が挙げられ、好ましくは放射線硬化である。放射線としては、赤外線、可視光線、紫外線、電子線等が挙げられるが、好ましくは光である。更に好ましくは波長が200nm〜450nm程度の光であり、更に好ましくは波長が300〜400nmの紫外線である。
具体的には、予め硬化性組成物に加熱によりラジカルを発生する熱重合開始剤を添加しておき、加熱して重合させる方法(以下「熱重合」という場合がある)、予め硬化性組成物に紫外線等の放射線によりラジカルを発生する光重合開始剤を添加しておき、放射線を照射して重合させる方法(以下「光重合」という場合がある)等、および熱重合開始剤と光重合開始自在を併用して予め添加しておき、熱と光の組み合わせにより重合させる方法が挙げられ、本発明においては光重合がより好ましい。
光重合開始剤としては、通常、光ラジカル発生剤が用いられる。光ラジカル発生剤としては、この用途に用い得ることが知られている公知の化合物を用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィンオキシド等が挙げられる。これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドが好ましい。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の成分量は、硬化性組成物中のラジカル重合可能な化合物の合計を100重量部としたとき、0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、更に好ましくは0.05重量部以上である。その上限は、通常1重量部以下、好ましくは0.5重量部以下、更に好ましくは0.1重量部以下である。光重合開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し、得られる樹脂成形体の複屈折を大きくするだけでなく色相も悪化する。例えば、開始剤の濃度を5重量部とした場合、開始剤の吸収により、紫外線の照射と反対側に光が到達できずに未硬化の部分が生ずる。また、黄色く着色し色相の劣化が著しい。一方、少なすぎると紫外線照射を行っても重合が十分に進行しないおそれがある。
熱重合開始剤としては、例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド等が上げられる。具体的にはベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)ジクミルパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等を用いることができる。光照射時に熱重合が開始されると、重合を制御することが難しくなるので、これらの熱重合開始剤は好ましくは1分半減期温度が120℃以上であることがよい。これらの重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
照射する放射線の量は、光重合開始剤がラジカルを発生させる範囲であれば任意であるが、極端に少ない場合は重合が不完全となるため硬化物の耐熱性、機械特性が十分に発現されず、逆に極端に過剰な場合は硬化物の黄変等の光による劣化を生じるので、モノマーの組成および光重合開始剤の種類、量に合わせて、300〜450nmの紫外線を好ましくは0.1〜200J/cmの範囲で照射する。更に好ましくは1〜20J/cmの範囲で照射する。放射線を複数回に分割して照射すると、より好ましい。すなわち1回目に全照射量の1/20〜1/3程度を照射し、2回目以降に必要残量を照射すると、複屈折のより小さな硬化物が得られる。使用するランプの具体例としては、メタルハライドランプ、高圧水銀灯ランプ、紫外線LEDランプ等を挙げることができる。
重合をすみやかに完了させる目的で、光重合と熱重合を同時に行ってもよい。この場合には、放射線照射と同時に硬化性組成物を30〜300℃の範囲で加熱して硬化を行う。この場合、硬化性組成物には、重合を完結するために熱重合開始剤を添加してもよいが、大量に添加すると硬化物の複屈折の増大と色相の悪化をもたらすので、熱重合開始剤は、硬化樹脂モノマー成分の合計に対して0.1〜2重量%、より好ましくは0.3〜1重量%となるように用いられる。
本発明において、好ましい透明なマトリクス樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ノボラック樹脂、ユリア樹脂、グアナミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、熱硬化型ポリイミド、スチリルピリジン系樹脂、トリアジン系樹脂等の熱硬化樹脂や(メタ)アクリル酸エステルモノマーが挙げられる。これらの中でも特に透明性の高い(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、が好ましい。これらの透明なマトリックス樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明におけるマトリックス樹脂の屈折率と微細繊維の屈折率の差は0.01〜0.15が好ましく、0.02〜0.12がさらに好ましく、0.03〜0.10が特に好ましい。屈折率差が0.01未満だと拡散性や散乱性が弱くなる。屈折率差が0.15を超えると光の透過性が低下する。
微細繊維とマトリックス樹脂の比率は99/1〜1/99が好ましく97/3〜3/97がより好ましく、95/5〜5/95が特に好ましい。マトリックス樹脂の比率が1未満あるいは微細繊維状セルロースが1未満になると光学フィルムの拡散性や散乱性が低下して好ましくない。
本発明における光学フィルムの厚みは、好ましくは10μm以上1cm以下である。そのような厚みの複合材料にすることで強度保つことができる。好ましくは20μm以上500μm以下であり、さらに好ましくは25μm以上、250μm以下である。
光学フィルムの全光線透過率は70%〜99%が好ましく75%〜97%が好ましく80%〜93%が特に好ましい。全光線透過率が70%未満だと光の透過性が低く好ましくない。99%を超える光学フィルムを製造することは困難である。
光学フィルムのヘーズは5%〜99%が好ましく、10%〜80%がさらに好ましく、20%〜70%が特に好ましい。ヘーズが5%未満になると拡散性や散乱性が低下して好ましくない。99%を超えると光の透過性が低下して好ましくない。
光学フィルムの製造方法は、微細繊維を抄紙法で製造して多孔性シートとし、多孔性シートに樹脂を含浸したり、モノマーを含浸して熱や光で硬化させて光学フィルムを製造する。あるいはマトリックス樹脂をエマルション化して微細繊維のスラリーと混合して抄紙法で製造してもよい。
抄紙によって不織布を得る場合、セルロース分散液の濃度は、0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上であることが好ましい。濃度が低すぎると濾過に時間がかかるため好ましくない。また、1.5重量%以下、好ましくは1.2重量%以下、さらに好ましくは1.0重量%以下であることが好ましい。濃度が高すぎると均一な不織布が得られないため好ましくない。
また濾過時の濾布としては、微細化したセルロースが通過せずかつ濾過速度が遅くなりすぎないことが重要である。このような濾布としては、有機ポリマーからなる不織布、織物、多孔膜であることが好ましい。有機ポリマーとしてはポリエチレンテレフタレートやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等のような非セルロース系の有機ポリマーが好ましい。
具体的には1μm径のポリテトラフルオロエチレンの多孔膜、1μmのポリエチレンテレフタレートやポリエチレンの織物等があげられる。
また、本発明のセルロース不織布はある範囲の空隙率を有することが好ましいが、このような空隙率の不織布を得る方法として、濾過による製膜工程において最後にアルコール等の有機溶媒に置換する方法をあげることができる。これは、濾過により水を除去し、セルロース含量が5〜99重量%になったところでアルコール等の有機溶媒を加えるものである。または、セルロース分散液を濾過装置に投入した後、アルコール等の有機溶媒を分散液の上部に静かに投入することによっても濾過の最後にアルコール等の有機溶媒と置換することができる。
アルコール等の有機溶媒としては、特に限定されるものではないが例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類の他、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール−t−ブチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、トルエン、四塩化炭素、等の有機溶媒があげられる。非水溶性有機溶媒を用いる場合は、水溶性有機溶媒との混合溶媒にするか水溶性有機溶媒で置換したのち非水溶性有機溶媒で置換することが好ましい。
アルコール等の有機溶媒で置換した後、不織布を乾燥しても乾燥せずに化学修飾をしてもよいが、乾燥した方が化学修飾の反応速度が速くなるため好ましい。乾燥する場合は送風乾燥、減圧乾燥してもよいし、加圧乾燥してもよい。また、加熱してもよい。乾燥は温度を変えて複数段階を経て乾燥してもよい。例えば、エタノールを用いて置換した場合は、始め80度でエタノールを乾燥した後、110度で水を乾燥させることもできる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<微細繊維の水系懸濁液Aの製造>
ベイマツのチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し平均粒子径が0.5mmの木粉を得た。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(絶乾重量:BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水し、蒸留水を加えて2%のパルプ懸濁液を作製した。
前記のパルプスラリーを高速回転型解繊機(エムテクニック社製、商品名:「クレアミックス9S」)にて回転数7000rpmで30分処理し、濃度0.2%に希釈して、1000Gの遠心力で遠心分離で粗大な繊維分を除去して微細繊維の水系懸濁液を得た。得られた微細繊維の平均繊維長は35μm、平均繊維径は85nm、結晶化度は65%であった。
<微細繊維の水系懸濁液Bの製造>
ベイマツのチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し平均粒子径が0.3mmの木粉を得た。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水し、蒸留水を加えて2%のパルプ懸濁液を作製した。
前記のパルプスラリーを高速回転型解繊機(エムテクニック社製、商品名:「クレアミックス9S」)にて回転数7000rpmで2時間処理し、濃度0.2%に希釈して、1000Gの遠心力で遠心分離で粗大な繊維分を除去して微細繊維の水系懸濁液を得た。得られた微細繊維の平均繊維長は12μm、平均繊維径は39nm、結晶化度は70%であった。
<微細繊維の水系懸濁液Cの製造>
ベイマツのチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し平均粒子径が0.1mmの木粉を得た。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水し、蒸留水を加えて2%のパルプ懸濁液を作製した。
前記のパルプスラリーを高速回転型解繊機(エムテクニック社製、商品名:「クレアミックス9S」)にて回転数7000rpmで6時間処理し、濃度0.2%に希釈して、1000Gの遠心力で遠心分離で粗大な繊維分を除去して微細繊維の水系懸濁液を得た。得られた微細繊維の平均繊維長は0.9μm、平均繊維径は25nm、結晶化度は81%であった。
<微細繊維の水懸濁液Dの製造>
ベイマツのチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し平均粒子径が0.1mmの木粉を得た。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水し、蒸留水を加えて2%のパルプ懸濁液を作製した。
得られたセルロース繊維原料に水を添加して固形分濃度が0.5重量%になるように、セルロース繊維原料分散液を6リットル調製した。
このセルロース繊維原料分散液に対し、高速回転型解繊機(エム・テクニック社製、製品名「クレアミックス2.2S」)に連続循環装置を設置して、回転数20000rpm、ポンプの流速12.0L/minで18時間解繊処理を行い、微細繊維の分散液を得た。得られた微細繊維の平均繊維長は1.3μm、平均繊維径は20nm、結晶化度は75%であった。
<微細繊維の水系懸濁液Eの製造>
ベイマツのチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し平均粒子径が0.5mmの木粉を得た。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(絶乾重量:BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した。酢酸中に入れて再度ブフナーを用いて吸引脱液を行った。無水酢酸に含浸して、115℃にて7時間加熱した。メタノールと水で充分に洗浄して、アセチル化セルロース繊維原料を得た。化学修飾率は前述の方法で測定したところ、33%であった。このアセチル化セルロース繊維原料に水を入れて、2.0重量%、7リットルに調整した。回転式ホモジナイザー(エム・テクニック社製:CLM9S)を用いて、回転数20000rpmにて2時間解繊処理を行い、アセチル化微細繊維の分散液を得た。得られた微細繊維の平均繊維長は32μm、平均繊維径は75nm、結晶化度68%であった。なお微細繊維の屈折率はいずれも1.55であった。
<実施例1>
微細繊維の水系懸濁液Aを50部と濃度0.2%に希釈したアニオン性ポリプロピレン樹脂エマルション(商品名:「ハイテックP−5800」(ガラス転移温度:0℃未満、平均粒子径:0.15μm、屈折率1.48、東邦化学社製)50部と混合した後、濃度0.2%のカチオン性凝結剤(商品名:「フィクサージュ614」、栗田工業化学社製)を5部加えて1分間攪拌した。得られた混合液を180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水して微細繊維状セルロースとアニオン性ポリプロピレン樹脂エマルションの湿紙を得て、湿紙を120℃のシリンダーロールにて乾燥して、坪量50g/m、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
<実施例2>
微細繊維の水系懸濁液Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、坪量50g/m、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
<実施例3>
微細繊維の水系懸濁液Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、坪量50g/m、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
<実施例4〜7>
微細繊維の水系懸濁液Aとアニオン性ポリプロピレン樹脂エマルションの量を10部/90部、30部/70部、70部/30部、90部/10部としたこと以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。坪量は全て50g/mであるが、厚さはそれぞれ49μm、45μm、38μm、36μmだった。
<実施例8>
アニオン性ポリエチレンエマルション(商品名:「E−2213」(ガラス転移温度:0℃未満、平均粒子径:0.07μm、屈折率1.53、東邦化学工業社製)を用いた以外は実施例1と同様にして坪量50g/m、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
<実施例9>
塩化ビニリデンエマルション(商品名:サランL402、屈折率1.61、旭化成工業製)を用いた以外は実施例1と同様にして坪量50g/m、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
<実施例10>
微細繊維の水系懸濁液Aを、180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水して微細繊維状セルロースの湿紙を作成し、イソプロピルアルコール中に数回浸漬して120℃のシリンダーロールにて乾燥して、坪量25g/m、厚さ30μmの多孔性シートを得た。多孔性シートに紫外線硬化性エポキシアクリレート系樹脂(硬化後の屈折率1.51、商品名AQ−9、荒川化学製)を含浸紙、130℃30分間熱硬化して坪量50g/m2、厚さ40μmの光学フィルムを得た。
<実施例11>
微細繊維の水系懸濁液Dを0.127重量%に水で希釈し、1μmのPTFEを用いた90mm径の濾過器に150g投入し、固形分が約5wt%になったところで2−プロパノールを投入し置換した。120℃にて0.14MPa5分間プレス乾燥してセルロース不織布を得た。
この不織布を、ビスアクリロイルオキシデカン(新中村化学株式会社製 A−DOD−N)100重量部と、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製ルシリンTPO)0.02重量部と、チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア184を0.01重量部とを混合した溶液に含浸させ、減圧下一晩静置した。これを2枚のガラス板にはさみ、無電極水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ社製「Dバルブ」)を用いて、照射光量400mW/cmの下を、ライン速度7m/minで照射した。このときの光量は0.12J/cmであった。この操作をガラス面を反転して2回行った。紫外線照射後のガラス面の温度は25℃であった。次いで、照射光線量1900mW/cmの下をライン速度2m/minで照射した。このときの光量は2.7J/cmであった。この操作をガラス面を反転して8回行った。紫外線照射後のガラス面の温度は44℃であった。全照射光量は21.8J/cmであった。紫外線照射終了後、ガラス板よりはずして、セルロース繊維複合体を得た。
なお、紫外線の照度は、オーク製作所製紫外線照度計「UV−M02」で、アタッチメント「UV−35」を用いて、320〜390nmの紫外線の照度を23℃で測定した。
<実施例12>
微細繊維の水懸濁液Eを実施例11記載と同様の方法で抄紙してセルロース不織布を得た。
得られたアセチル化セルロース不織布を、ビスメタクリロイルオキシデカン(新中村化学株式会社製 DOD−N)80部と、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート(昭和電工株式会社製 カレンズMT PE1)20重量部と、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製ルシリンTPO)0.2重量部と、チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア184を0.1重量部とを混合した溶液に含浸させ、減圧下一晩静置した。これを2枚のガラス板にはさみ、無電極水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ社製「Dバルブ」)を用いて、照射光量 1900mW/cmの下を、ライン速度5m/minで照射した。この操作をガラス面を反転して6回行った。更に、ライン速度2m/minで照射した。この操作をガラス面を反転して10回行った。全照射光量は33.6J/cmであった。紫外線照射終了後、ガラス板よりはずして、セルロース繊維複合体を得た。
<実施例13>
実施例1〜10の光学フィルムをLED照明のカバーとして用いると光が拡散してまぶしくなくなった。また、液晶テレビの画面の表面に実施例1〜12の光学フィルムを貼付するといずれも光の反射を低下させることができた。
<比較例1>
微細繊維の水系懸濁液Aを、180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水して、微細繊維状セルロースの湿紙を得て、湿紙を120℃のシリンダーロールにて乾燥して、坪量50g/m、厚さ35μmの光学フィルムを得た。
<比較例2>
微細繊維の水系懸濁液Bを、180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水して、微細繊維状セルロースの湿紙を得て、湿紙を120℃のシリンダーロールにて乾燥して、坪量50g/m、厚さ35μmの光学フィルムを得た。
<比較例3>
微細繊維の水系懸濁液Cを、180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水して、微細繊維含有湿紙を得て、湿紙を120℃のシリンダーロールにて乾燥して、坪量50g/m、厚さ35μmの光学フィルムを得た。
<比較例4>
実施例1のアニオン性ポリプロピレンエマルションをガラス基板上に塗工して130℃で乾燥して、得られた塗工層をガラス基板からはがして、坪量50g/m、厚さ45μmのフィルムを得た。
<比較例5>
実施例8のアニオン性ポリプロピレンエマルションをガラス基板上に塗工して130℃で乾燥して、得られた塗工層をガラス基板からはがして坪量50g/m、厚さ45μmのフィルムを得た。
<比較例6>
実機例9の塩化ビニリデンエマルションをガラス基板上に塗工して130℃で乾燥して、得られた塗工層をガラス基板からはがして坪量50g/m、厚さ45μmのフィルムを得た。
<比較例7>
実施例10の紫外線硬化性エポキシアクリレート系樹脂をガラス基板上に塗工して130℃で熱硬化して、得られた塗工層をガラス基板からはがして坪量50g/m、厚さ45μmのフィルムを得た。
<比較例8>
微細繊維の水系懸濁液Dを用いて、濃度0.2重量%に希釈し、400mlの解繊微細繊維の分散液を得た。エスエムテー社製超音波ホモジナイザー(UH−600S)を用いて、30分間超音波解繊処理を行った。その後、日立工機株式会社製遠心分離器CR−23を用いて、38900Gにて10分間遠心分離を行い、上澄み液を回収した。実施例1記載の方法で濾過により不織布を作製した。得られた不織布に、実施例1記載の光硬化性樹脂組成物を含浸させて、実施例1記載の方法でUV硬化し、微細繊維含有複合体を得た。
[評価方法]
<光学フィルムのヘーズ値>
ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、型番:HM−150)を用いて、JIS K7136に準じてヘーズ値を測定した。
<光学フィルムの全光線透過率>
得られた複合体について、JIS規格K7105に準拠し、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、型番:HM−150)を用いて、JIS K7136に準じて全光線透過率を測定した。
<光学フィルムの耐水性>
光学フィルムを25℃の水道水に1時間浸漬し、手で軽く引っ張る。
○:破れない。
×:破れる。
<光学フィルムの引張試験>
引張試験はJIS P 8113:1998に準じて行った。スパン長は100mm、引張速度は10mm/minで試験を行い、引張強度(引張破断強度および引張弾性率を求めた。
Figure 0005653792
表1から明らかのように、本発明により微細繊維の繊維径や繊維長を変えたり、微細繊維とマトリックス樹脂の比率を変えたり、マトリックス樹脂の屈折率を変えることで容易にヘーズや全光線透過率を制御することが可能である。

Claims (7)

  1. 少なくとも微細繊維とマトリックス樹脂から構成されたフィルムにおいて、前記微細繊維の主成分は木材系セルロース由来であり、前記微細繊維の平均繊維径が10nm〜100nmであり、前記フィルムの全光線透過率が70%〜99%、ヘーズが5%〜99%であり、かつ前記微細繊維と前記マトリックス樹脂の屈折率差が0.01〜0.15であることを特徴とする光学フィルム。
  2. 木材系セルロース由来の微細繊維は脱リグニン処理して得られることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 木材系セルロース由来の微細繊維はクラフトパルプとサルファイトパルプの少なくとも1種のパルプから選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 木材系セルロース由来の微細繊維は微細化処理前に酵素処理を行うことを特徴とする請求項2、3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 木材系セルロース由来の微細繊維の平均繊維長が0.1μm〜300μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 木材系セルロース由来の微細繊維の結晶化度が40%〜95%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学フィルムを組み込んだ照明装置、投影装置、看板および画像表示装置。
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