JP6509055B2 - 透光性化粧ラミネートシート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
そして、上記のような透光性化粧ラミネートシートを用いた照明器具においては、全体的にボンヤリと柔らかく光って和風の独特な照明雰囲気を演出することができた。
従って、LED光源に対しては透光性及び光拡散性の2つとも優れていることが要求されているが、透光性を上げると光拡散性が下がり、透光性を下げると光拡散性が上がる傾向があって、両者共にあげることは難しいという問題があった。
全光線透過率が80%以上でヘーズ97.5%以上、
又は、全光線透過率が70%以上でヘーズ98.5%以上、
又は、全光線透過率が65%以上でヘーズ99.0%以上を有することを特徴とするものである。
一方の型板として芯材の少なくとも片面に糸の本数が100〜250本/インチで、糸径/糸間距離が1.5〜2.0の範囲にある織物シートを配置したものを用い、他方の型板として芯材の少なくとも片面に離型性を有する離型シートを配置したものを用いて、
これら一対の型板を前記織物シート及び離型シートが前記積層用シート材料の側になるように配置し、これらの型板間に前記積層用シート材料を介挿して加熱加圧することを特徴とするものである。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は、和紙状の風合いを呈する本発明の透光性化粧ラミネートシートの断面を示すものであり、図中1は積層用シート材料である。この積層用シート材料1は、透光性化粧シート2の表裏面に透明樹脂シート3,3を重ね合せたもので、厚さは0.5〜1.0mmである。
前記シート状和紙としては、植物から得た繊維、またはアクリル繊維、レーヨン繊維などの合成樹脂からなる繊維、またはガラス繊維などの無機繊維を混抄し、その繊維により多数の凸形状を有する分散繊維模様を付与した和紙が適用できる。また、前記植物としては草木の葉等から選ばれた1種または2種以上の組み合わせが用いられる。更には、シート状の織布、不織布も利用することができる。
一方、透明樹脂シート3としては、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明または半透明の透光性のある厚みが30〜500μm合成樹脂フィルムが用いられる。
本発明者の実験結果によれば、この数値範囲以下のものでは、透光性及び光拡散性ともに満足する透光性化粧ラミネートシートを得ることができなかった。なお、全光線透過率が65%未満では高透過とは言えないので除外した。
本発明者の実験結果では、全光線透過率が80%以上の場合はヘーズ97.5%以上であれば透光性及び光拡散性ともに満足することが確認できた。また、全光線透過率が70%以上の場合はヘーズ98.5%以上であれば透光性及び光拡散性ともに満足し、あるいは全光線透過率が65%以上の場合はヘーズ99.0%以上であれば透光性及び光拡散性ともに満足することが確認でき、上記3つの条件のいずれかの場合であればよいことを解明した。
次に、透光性化粧ラミネートシートの製造方法について説明する。
透光性化粧シートの表裏面に透明樹脂シートを重ね合せた積層用シート材料を、一対の型板間に挟んで加熱加圧し積層一体化する点は、従来の製造方法と基本的に同じである。しかしながら、従来方法においては一対の型板は同一のものであった。
これに対して本発明では、図2に示すように、積層用シート材料1を挟む上型板4と下型板5の材質が異なるものを使用することにより、透光性及び光拡散性ともに満足する透光性化粧ラミネートシートを製造できることを見出した。
なお、本発明者の実験結果によれば、上下型板として織物シート4bを配置した芯材4aを上下両面に配置した場合は、光拡散性は得られるが透光性が悪くなることが確認されている。また、離型性を有する離型シート5bを配置した芯材5aを上下両面に配置した場合は、透光性は得られるが光拡散性が悪くなることが確認されている。
また前記織物シート4bは、糸の本数が100〜250本/インチで、糸径/糸間距離が1.5〜2.0の範囲にある平織物シートであることが好ましい。糸の本数が100本/インチ未満であると全光線透過率が下がり十分な透光性を得ることができず、一方、250本/インチを超えるとヘーズが下がり十分な光拡散性を得ることができない。
更に、糸径/糸間距離が1.5〜2.0の範囲にあることが好ましい。糸径/糸間距離が1.5未満であると、表面の凹凸形状が浅すぎてヘーズが下がり十分な光拡散性を得ることができず、一方、糸径/糸間距離が2.0を超えると透光性あるいは光拡散性のいずれかが低下してしまう。
また、下型板5は一体化されたものでもよく、金属板や熱硬化性樹脂板なども使用することができる。
上記の積層用シート材料を、表1に示す上型板と下型板の間に挿入して、ホットプレス機により110℃で10分間プレスして透光性化粧ラミネートシートを作成した。
得られた透光性化粧ラミネートシートの全光線透過率(%)とヘーズ(%)を表2に示す。前記全光線透過率(%)は、JIS K 7361-1により測定し、ヘーズ(%)は、JIS K 7136により測定した。
得られた透光性化粧ラミネートシートの外観評価は、500mm離れた位置から確認して、透光性化粧シートの風合いを損ねず、かつ表裏面の違いが視認できないものを「○」とし、そうでないものを「×」とした。
また、透光性化粧ラミネートシートの透過拡散性評価は、LED光源に対して透光性及び光拡散性の2つとも優れていると認識できたものを「○」とし、ある程度効果があると認識したものを「△」とし、従来の物性レベルと認識したものを「×」とした。
2 透光性化粧シート
3 透明樹脂シート
4 上型板
4a 芯材
4b 織物シート
5 下型板
5a 芯材
5b 離型シート
Claims (3)
- 透光性化粧シートの表裏面に透明樹脂シートを重ね合せた積層用シート材料を、一対の型板間に挟んで加熱加圧し積層一体化した透光性化粧ラミネートシートであって、
全光線透過率が80%以上でヘーズ97.5%以上、
又は、全光線透過率が70%以上でヘーズ98.5%以上、
又は、全光線透過率が65%以上でヘーズ99.0%以上を有することを特徴とする透光性化粧ラミネートシート。 - 透光性化粧シートの表裏面に透明樹脂シートを重ね合せた積層用シート材料を、一対の型板間に挟んで加熱加圧し積層一体化する透光性化粧ラミネートシートの製造方法において、
一方の型板として芯材の少なくとも片面に糸の本数が100〜250本/インチで、糸径/糸間距離が1.5〜2.0の範囲にある織物シートを配置したものを用い、他方の型板として芯材の少なくとも片面に離型性を有する離型シートを配置したものを用いて、
これら一対の型板を前記織物シート及び離型シートが前記積層用シート材料の側になるように配置し、これらの型板間に前記積層用シート材料を介挿して加熱加圧することを特徴とする透光性化粧ラミネートシートの製造方法。 - 透光性化粧シートは、和紙、不織布、印刷フィルムから選択されるいずれかであり、坪量が5〜25g/m2の範囲にある請求項2に記載の透光性化粧ラミネートシートの製造方法。
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