JP2001310408A - 装飾板 - Google Patents

装飾板

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JP2001310408A
JP2001310408A JP2000130769A JP2000130769A JP2001310408A JP 2001310408 A JP2001310408 A JP 2001310408A JP 2000130769 A JP2000130769 A JP 2000130769A JP 2000130769 A JP2000130769 A JP 2000130769A JP 2001310408 A JP2001310408 A JP 2001310408A
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resin
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JP2000130769A
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Takahiro Uno
孝博 宇野
Shiro Osumi
史朗 大角
Kazuo Yoneyama
和雄 米山
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光性に優れるとともに、幻想的な雰囲気あ
るいはやすらぎ感のような人間の心理に好ましい影響を
与えるような装飾板を提供しようとするものである。 【解決手段】 装飾板100を前提とするものであっ
て、透光性の基体20と透光性化粧シート10を一体化
せしめたことをその要旨とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ガラス窓、扉又は照明器具のシ
ェード等などの光透過性を有する基体上に透光性化粧シ
ートを接着せしめた装飾板に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、部屋空間の雰囲気作りのため
に、ガラス窓、扉又は照明器具のシェード等などの光透
過性を有する基体上に、布やビニルクロスを接着するこ
とに日常的によく行われている。かかる技術では、布や
ビニルクロスをガラス窓等に接着させることにより光を
減光して部屋内にエキセントリックな雰囲気をかもし出
すことができる。
【0003】しかしながら、意匠的には、単調で面白味
に欠け、透光性にも劣るという問題があった。
【0004】本発明はかかる従来の問題点に鑑み、透光
性に優れるとともに、幻想的な雰囲気あるいはやすらぎ
感のような人間の心理に好ましい影響を与えるような装
飾板を提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】上記の目的を達成するために本発明
の採った手段について以下に説明すると、即ち、請求項
1記載の装飾板は、透光性の基体と透光性化粧シートを
一体化せしめたことをその要旨とした。従って、かかる
装飾板に、基体側から光を照射すると、透光性化粧シー
トによって、幻想的な雰囲気をかもし出す意匠となる。
【0006】次に、請求項2記載の装飾板は、請求項1
記載の装飾板を構成する透光性化粧シートを、紙に、複
数の印刷層を積層してなる重ね印刷層を形成し、合成樹
脂を含浸し硬化させてなり、上記重ね印刷層における各
印刷層はドットの集合群からなり、上層の印刷層のドッ
トが、下層の印刷層のドット上に形成されてなることを
その要旨とした。
【0007】本発明にかかる装飾板を構成する透光性化
粧シートは、重ね印刷層を形成した紙に合成樹脂を含浸
させ硬化させたものである。紙に合成樹脂を含浸させ硬
化させると、紙及び合成樹脂は透明性を帯びて、透光性
が付与される。そのため、重ね印刷層が、透光性化粧シ
ートの表面から透けて見える。
【0008】また、重ね印刷層は、例えばシルクスクリ
ーン印刷を複数回行うことにより形成される。シルクス
クリーン印刷は、スクリーンの網目からインクをしごき
出し、紙にインクを転写する印刷方法である。スクリー
ンを通じて転写されたインクは,スクリーンの網目状に
微小なドットの集合群からなる印刷層を形成する。
【0009】そして,印刷層を複数重ねて重ね印刷層と
した場合,上層の印刷層のドットの隙間から,下層の印
刷層のドットが見える。このため,上層の印刷層の色
と,下層の印刷層の色とが調和して,美しい着色を発現
する。
【0010】従って、かかる透光性化粧シートを透光性
の基体上に接着させて構成された装飾板に、基体を通し
て太陽光や電灯などの光を照射すると,重ね印刷層が明
るく照らされ,幻想的な雰囲気の意匠となる。
【0011】次に、請求項3記載の装飾板は、請求項1
記載の装飾板を構成する透光性化粧シートを、合成樹脂
を含浸させた樹脂含浸紙の間に和紙を介在させて加熱加
圧成形し,上記和紙の内部にも上記合成樹脂が含浸され
てなることをその要旨とした。
【0012】本発明は,樹脂含浸紙間に和紙を介在させ
て加熱加圧成形した透光性化粧シートを透光性ある基体
上に接着した装飾板である。和紙は樹脂を含浸すると半
透明となり透光性が付与される。また,和紙はセルロー
スを主成分とするため,強度があり,また透光性もあ
る。また,樹脂含浸紙の灰分を低下させても透光性化粧
シートの強度は低下せず,また和紙の透光性が低下する
こともない。しかも、和紙に着色や柄を付与することに
よりその意匠がそのまま透光性化粧シートの意匠として
反映させる。そのため,特別な印刷工程が不要となる。
【0013】したがって、本発明の装飾板を構成する透
光性化粧シートは,和紙の風合いを有するとともに、透
光性を発揮する。かかる透光性化粧シートを建物に配設
されたガラス窓の内側に接着して構成された装飾板によ
れば、太陽光が透過することによって,透光性化粧シー
トの意匠が光りで浮き上がって室内にエキセントリック
な雰囲気をかもし出すことができる。
【0014】尚、図12及び図13に示すように、透光
性化粧シートを基体と空間を持たせて一体化させてもよ
い。この場合は、吸板などを用いて取り付けてもよい。
【0015】最後に、請求項4記載の装飾板は、請求項
1記載の装飾板を構成する透光性化粧シートを、印刷部
分と非印刷部分との組み合わせからなる模様を有する紙
と,該紙に含浸させ硬化させてなる合成樹脂と形成し、
該透光性化粧シートにおける上記非印刷部分は,上記印
刷部分よりも透光率が高いことをその要旨とする。
【0016】本発明の装飾板を構成する透光性化粧シー
トは,紙に合成樹脂を含浸させ硬化させたものである。
紙に合成樹脂を含浸させ硬化させると,紙及び合成樹脂
は透明性を帯びて,透光性が付与される。
【0017】また,紙には,印刷部分と非印刷部分とか
らなる模様が形成されている。印刷部分は,透光性化粧
シートの表面から透けて見える。また,透光性化粧シー
トを光に透かすと,印刷部分は光により明るく照らされ
る。また,非印刷部分は,印刷部分よりも更に明るく照
らされる。そのため,印刷部分と非印刷部分とのコント
ラストが強調され,このコントラストによって意匠性の
高い模様を認識することができる。
【0018】よって、かかる透光性化粧シートを建物に
配設されたガラス窓の内側に接着して構成された装飾板
によれば、太陽光によって,透光性化粧シートの意匠が
光りで浮き上がって室内にエキセントリックな雰囲気を
かもし出すことができる。また、意匠によっては、やす
らぎ感のような人間の心理に好ましい影響を与えること
もできる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明にかかる装飾板100の実
施の形態を説明するが、これは代表的な例を示したもの
であり、その要旨を超えない限り、以下の実施例により
本発明が限定されるものではない。
【0020】まず、図1又は図2は、本各発明にかかる
装飾板100の第1実施例を示す図である。この装飾板
100は、建物に配設された透光性の基体としてのガラ
ス窓20の内側に透光性化粧シート10Aを接着して構
成されたものである。本実施例においては、透光性化粧
シート10Aの四隅に両面テープが貼着されてガラス窓
に接着されている。
【0021】前記透光性化粧シート10Aは、図3に示
すごとく,灰分を殆ど含有していない透明紙2に重ね印
刷層1を形成し,合成樹脂3を含浸させ硬化させたもの
である。
【0022】重ね印刷層1は,シルクスクリーン印刷に
より,下方から順に,黄色の印刷層11,赤色の印刷層
12,黒の印刷層13を重ね印刷して形成されたもので
ある。重ね印刷層1における各印刷層11〜13はドッ
トの集合群からなり,上層の印刷層13のドットの隙間
から,それよりも下方の印刷層12,11のドットがみ
える。
【0023】次に,本実施例にかかる装飾板100を構
成する透光性化粧シート10Aの製造方法について説明
する。
【0024】まず,図3(a)に示すごとく,坪量60
g/m2の透明紙2にシルクスクリーン印刷により,黄
色,赤色,黒色の順に濃淡をつけながら重ね印刷を行
い,重ね印刷層1を形成する。
【0025】次に,図3(b)に示すごとく,透明紙2
に,合成樹脂3を含浸させる。合成樹脂3は,ジアリル
フタレート樹脂(DAP)であり,これは熱硬化性樹脂
である。合成樹脂の含浸量(合成樹脂の重量×100/
全樹脂含浸紙全重量)は60%とする。
【0026】次に,透明紙を160℃,20kg/cm
2 の条件で加熱加圧して、透明紙に充填した合成樹脂を
硬化させるとともに、透明紙と合成樹脂とを一体成形す
る。以上により,本例の透光性化粧シート10Aを得
る。
【0027】次に,本例の装飾板100を構成する透光
性化粧シート10Aの透光率を測定した。透光性化粧シ
ート10Aの測定箇所は,最下層の印刷層のみからなる
部分(a),最下層と中問層の2層の印刷層からなる部
分(b),最下層,中間層及び最上層の3層の印刷層か
らなる部分(c)である。
【0028】透光率の測定方法は,JISK−7361
を用いた。その結果,最下層の印刷層のみからなる部分
(a)の透光率は30%であり,最下層と中間層の2層
の印刷層からなる部分(b)の透光率は20%であ,最
下層,中間層及び最上層の3層からなる部分(c)の透
光率は5%であった。
【0029】以上にような透光性化粧シート10Aは,
最上層の黒のドットの間に赤色や黄色が見え,黄色,赤
色,黒色が調和してユニークな配色を呈した。よって、
この透光性化粧シート10Aをガラス窓20に接着して
装飾板100を形成したところ、太陽光によって,黄
色,赤色,黒色の3色が明るく照らし出され,幻想的な
室内雰囲気をかもし出した。また,特に下層の色が強調
されて面白い趣きを発現した。
【0030】ところで、上記装飾板100を構成する透
光性化粧シート10Aは、上記したものに限定されず、
例えば、重ね印刷層1における各印刷層は,互いに異な
る色から構成されてもよい。これにより,下層の印刷層
の色と上層の印刷層の色が調和して,幻想的な色を発現
する。例えば,上層に濃色,下層に淡色を用いれば,裏
面からの光の有無で変化の富む意匠を得ることができ
る。
【0031】また,上記重ね印刷層1における下層印刷
層のドットの密度は,上層印刷層のドットの密度よりも
高いことが好ましい。これにより,上層の印刷層の隙間
から下層の印刷層が明確に見え,美しい色の調和が生ま
れる。
【0032】透明紙2の中の灰分の含有量は,10重量
%以下であることが好ましい。10重量%を超えると,
透光性が低下するからである。更に好ましくは,透明紙
2の中の灰分の含有量は1重量%以下,特には0.5重
量%であることが好ましい。これにより,樹脂を透明紙
2に含浸させやすくなる。透明紙2は,合成樹脂の含浸
硬化により透光性を帯びる紙であれば特に限定されな
い。かかる紙としては,例えば,和紙,オーバーレイ
紙,ダイアフォース(アルジョウイング社製)などがあ
る。
【0033】透明紙2の坪量は5〜200g/m2 であ
ることが好ましい。5g/m2 未満の場合には,抄造が
困難,印刷等の扱いが困難である。200g/m2 を超
える場合には,樹脂含浸紙の樹脂比率が低くなり透明性
及び透光性が低下するおそれがある。 模様を形成した
紙は,1枚のみ用いてもよいし,複数枚を積層してもよ
い。積層枚数が多いと,透明性及び透光性に欠け不経済
であることから,紙の最大積層枚数は8枚であることが
好ましい。
【0034】また、上記合成樹脂3は,熱硬化性樹脂で
あることが好ましい。これにより,加熱加圧によって紙
と合成樹脂とを一体成形することができる。 上記熱硬
化性樹脂としては,例えば,ジアリルフタレート樹脂,
メラミン樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂などを用
いることができる。
【0035】透光性化粧シート10Aの全体量の中の合
成樹脂3の含浸量は,30〜80重量%であることが好
ましい。30重量%未満の場合には,透明性及び透光性
が低下するおそれがある。80重量%を超える場合に
は,製造上困難で,また不経済となるおそれがある。
【0036】本発明の装飾板100を構成する透光性化
粧シート10Aの表面には,オーバーレイ層を設けても
よい。オーバーレイ層は、樹脂含浸紙または樹脂層であ
ることが好ましく、シリカ、アルミナ、タルクなどの耐
摩耗性粒子を含んでいてもよい。
【0037】次に、図4〜図7に基づいて、本発明にか
かる装飾板100の第2実施例を説明する。
【0038】まず、図4及び図5は、本各発明にかかる
装飾板100の第2実施例を示す図である。この装飾板
100は、建物に配設された透明性の基体としてのガラ
ス窓20の内側に透光性化粧シート10Bを接着して構
成されている。
【0039】本実施例としての装飾板100を構成する
透光性化粧シート10Bは、図6(a)、(b)に示す
ごとく、合成樹脂を含浸させた樹脂含浸紙4の間に和紙
5を介在させて加熱加圧成形した透光性化粧シート10
Bである。透光性化粧シート10Bは透光性を有する。
【0040】次に、第2実施例の装飾板100を構成す
る透光性化粧シート10Bの製造方法について説明す
る。
【0041】まず,図6(a)に示すごとく,坪量が6
0g/m2 で,灰分を0.05重量%含有する紙(ダイ
アフォース)に,メラミン樹脂を含浸させて樹脂含浸紙
4とした。樹脂含浸紙4全体の重量に対する含浸樹脂量
の比(樹脂含浸率)は,60%とした。また,坪量30
g/m2 の和紙5を準備した(那須製紙製)。この和紙
5には,樹脂が含浸されておらず,着色繊維で模様を付
してある。
【0042】次いで,樹脂含浸紙4の間に,和紙5を介
在させ,これらを150℃,80kg/cm2 の条件で
10分間加熱加圧成形した。
【0043】以上により,図6(b)に示すごとく,樹
脂含浸紙4の間に和紙5を介在させ和紙5の内部まで樹
脂を含浸させた透光性化粧シート10Bを得た。実施形
態例の透光性化粧シート10Bは,介在させた和紙5の
着色繊維模様がリアルに再現され,和紙の風合を有する
意匠性の高いシートであった。
【0044】また、本例は、図7(a)、図7(b)に
示すごとく、模様30を付した和紙2を用い、これを樹
脂含浸紙4の間に配置し加熱加圧成形した透光性化粧シ
ート10Bでもよい。図7(a)に示すごとく、和紙5
は、樹皮の粉砕物を混抄したものであり,樹皮が散点状
の模様30を形成している。
【0045】模様30を付した和紙5を樹脂含浸紙4の
間に配置しこれらを加熱加圧成形すると、樹脂含浸紙4
の中の樹脂が和紙5に染み込み、一体成形品である透光
性化粧シート10Bが得られる。図7(b)に示すごと
く、透光性化粧シート10Bの表面には、和紙5に付し
た模様30が透けて見える。その他は上記実施形態例と
同様であり、同様の効果を発揮する。
【0046】また、上記樹脂含浸紙4の紙の中の灰分の
含有量は,10重量%以下であることが好ましい。10
重量%を超えると,透光性が低下するからである。更に
好ましくは,樹脂含浸紙4の紙の中の灰分の含有量は1
重量%以下,特には0.5重量%であることが好まし
い。これにより,樹脂を紙に含浸させやすくなり,一体
成形時に未含浸の和紙に樹脂を供給させやすくなる。
【0047】このような樹脂含浸紙4に用いる紙は,具
体的にはオーバーレイ紙,ダイアフォース(アルジョウ
イング社製)が好ましい。これにより,透光性,含浸性
の効果を得ることができる。また,この樹脂含浸紙4に
は,模様等の印刷,模様の混抄をすることもできる。
【0048】樹脂含浸紙4中の樹脂重量比(樹脂の重量
×100/樹脂含浸紙全重量)は,30〜80重量%で
あることが好ましい。30重量%未満の場合には和紙に
充分な樹脂を供給できず,透明性及び透光性が低下する
おそれがある。80重量%を超える場合には,製造上困
難のおそれがある。
【0049】樹脂含浸用の紙の厚みは坪量10g/m2
〜200g/m2 であることが好ましい。10g/m2
未満の場合には樹脂含浸量不足で透光性が充分でなく,
一方200g/m2を超える場合には,樹脂含浸困難
で,また可撓性が低下するおそれある。
【0050】また、上記樹脂含浸紙4に含浸させた合成
樹脂は,熱硬化性樹脂であることが好ましい。これによ
り,樹脂含浸紙間に和紙を介在させた状態で加熱加圧成
形することにより,一体成形品である透光性化粧シート
を得ることができる。また,光源に対して耐熱性があ
り,内装材に適した表面性能を有する。上記熱硬化性樹
脂としては,例えば,ジアリルフタレート樹脂,メラミ
ン樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂などを用いるこ
とができる。
【0051】さらに、上記透光性化粧シート10Bの透
光率は10〜90%であることが好ましい。これによ
り,和紙の風合いを保持したまま半透明の意匠性の高い
透光性化粧シート10Bを得ることができる。一方,透
光率が10%未満の場合には,透光性が低下するおそれ
がある。90%を超える場合には,光源のぎらつきが強
くなり,和紙の風合いが減少し,意匠性が低下するおそ
れがある。
【0052】透光性化粧シート10Bの透光率は,JI
S K−7361の方法で測定することができる。
【0053】また、上記和紙5は,樹皮,花びら,チッ
プまたは/及び着色繊維を混抄してなることが好まし
い。これにより,印刷工程や和紙への含浸工程を行わず
に所望の模様を付与することができる。特に,樹皮や花
びらを混抄した場合には,自然素材の材質感を再現する
ことができる。また,着色繊維を混抄した場合には,抄
造の濃淡により幻想的な意匠を形成することができる。
和紙5は,樹脂含浸紙と同一の形状であってもよいが,
所望のパターン形状を有していてもよい。
【0054】和紙5の坪量は10〜100g/m2であ
ることが好ましい。10g/m2 未満の場合には,抄造
困難,製造上取扱い難いという問題がある。100g/
2を超える場合には,樹脂含浸紙の樹脂比率が低くな
り透明性及び透光性が低下するおそれがある。
【0055】本発明の装飾板100を構成する透光性化
粧シート10Bには,樹脂含浸紙4の表面に更にオーバ
ーレイ層を設けてもよい。オーバーレイ層は,樹脂含浸
紙または樹脂層であることが好ましく,シリカ,アルミ
ナ,タルクなどの耐摩耗性粒子を含んでいてもよい。
【0056】和紙及びその両面側に配置した樹脂含浸紙
の加熱温度は80〜200℃であることが好ましい。8
0℃未満の場合には樹脂が硬化しないおそれがある。2
00℃を超える場合は樹脂が劣化するおそれがある。
【0057】和紙及びその両面側に配置した樹脂含浸紙
に加える加圧力は10〜100kg/cm2 であること
が好ましい。10kg/cm2 未満の場合には,加熱加
圧後の離型性が悪くなり,また和紙に充分樹脂が供給さ
れずまた一体成形品を得ることが困難になるおそれがあ
る。また,100kg/cm2 を超える場合には,樹脂
が流出して一体化しないおそれがある。
【0058】次に、図8〜図11に基づいて、本発明に
かかる装飾板100の第3実施例を説明する。
【0059】まず、図8又は図9は、本各発明にかかる
装飾板100の第3実施例を示す斜視図である。この装
飾板100は、建物に配設されたガラス窓20の内側に
透光性化粧シート10Cを接着して構成されたものであ
る。
【0060】本発明の実施形態にかかる装飾板100を
構成する透光性化粧シート10Cについて図10及び図
11を用いて説明する。
【0061】本例は,図10(a)に示すごとく,印刷
部分14と非印刷部分15との組み合わせからなる模様
16を有する透明紙6と,該透明紙6に含浸させ硬化さ
せてなる合成樹脂7とからなる透光性化粧シート10C
である。透光性化粧シート10Cにおける非印刷部分1
5は,印刷部分14よりも透光率が高い。
【0062】次に,透光性化粧シート10Cの製造方法
について説明する。まず,坪量60g/m2 ,二酸化チ
タンなどの灰分量0%の透明紙6にグラビア印刷を行
い,印刷部分14と非印刷部分15との組み合わせから
なる模様16を形成する。グラビア印刷は,富士機械工
業性,PD−6グラビア印刷機を用いた。グラビア印刷
では,図11(a)に示す原版9を用いる。原版9は,
縦横に無数の凹凸目90を有する。凹凸目90は,印刷
部分14に対応する部分に形成されている。一方,原版
9における非印刷部分15に対応する部分には,平面部
95が形成されている。平面部95は,凹凸目90の凸
部92と同一の高さに位置する。
【0063】次に,図11(b)に示すごとく,原版9
を回転ローラ40の表面に固定する。回転ローラ40の
上部には,インクを原版9に供給するためのインク供給
装置41と,回転ローラ40の下部には,透明紙6を順
送りするためのコンベア42を配置する。インクは,青
色である。
【0064】次に,回転ローラ40を回転させる。原版
9が回転ローラ40の上部に到達したときには,そこに
配置されているインク供給装置41からインクを原版9
に供給して凹凸目90の凹部91をインクで充填する。
続いて,原版9が回転ローラ40の下部に到達したとき
には,順送りされる透明紙6に原版9を押し付けて,原
版9の凹凸目90の凹部91に充填されているインクを
透明紙6に転写する。これにより,透明紙6に,印刷部
分14と非印刷部分15との組み合わせからなる模様1
6が形成される。
【0065】次に,模様を形成した透明紙6に,合成樹
脂を含浸させた。合成樹脂は,ジアリルフタレート樹脂
(DAP)であり,これは熱硬化性樹脂である。合成樹
脂の含浸量は,60%とする。
【0066】次に,樹脂を含浸させた透明紙6を160
℃,20kg/cm2 の条件で加熱加圧して,上記合成
樹脂を熱硬化させるとともに,透明紙6と合成樹脂とを
一体成形する。
【0067】以上により,本例の透光性化粧シート10
Cを得る。得られた透光性化粧シート10Cは,半透明
で透光性を有し,図1(b)に示すごとく,透明紙6に
付した模様16が透けて見えた。
【0068】この透光性化粧シート10Cを建物に配設
されたガラス窓20の内側に接着して構成された装飾板
100によれば、例えば、太陽光が透過すると、非印刷
部分15から太陽光が透過して太陽光の色で明るく光
り,非印刷部分15と印刷部分14とのコントラストが
強調され,意匠性の高い模様16がみえた。
【0069】次に,本例の装飾板を構成する透光性化粧
シート10Cの透光率を測定した。透光性化粧シート1
0Cの測定箇所は,図1((b)に示すごとく,印刷部
分14と非印刷部分15である。測定方法は,JIS
K−7361を用いた。その結果,印刷部分14の透光
率は35%であり,非印刷部分15の透光率は55%で
あった。
【0070】尚、上記透光性化粧シート10Cについて
は、紙に形成された模様の印刷部分は,インクのドット
の集合群から構成されていてもよいし,また印刷部分全
体がベタ塗り状のインクの連続層から構成されていても
よい。
【0071】印刷部分が多数のドットの集合群から構成
されている場合には,ドットの大きさ,厚み,密度など
を変えることにより,印刷部分における透光率を調整で
きる。一方,印刷部分全体がベタ塗り状のインクの連続
層から構成されていている場合には,連続層の厚みを変
えることにより,印刷部分における透光率を調整でき
る。
【0072】印刷部分の最小透光率は10〜50%であ
ることが好ましい。10%未満の場合には,透光性化粧
シート10Cの透光性が低下するおそれがある。50%
を超える場合には,非印刷部分15とのコントラストが
弱くなり,意匠性が低下するおそれがある。
【0073】非印刷部分15の最大透光率は30〜80
%であることが好ましい。30%未満の場合には,透光
性化粧シート10Cの透光性が低下するおそれがある。
80%を超える場合には,光を照射したときに非印刷部
分が眩しく見え,模様全体の意匠性が低下するおそれが
ある。
【0074】印刷部分14の最小透光率と,非印刷部分
15の最大透光率との差異は,5〜40%であることが
好ましい。5%未満の場合には,印刷部分14と非印刷
部分15とのコントラストが強調されないおそれがあ
り,40%を超える場合には非印刷部分15の透光率が
高くなりすぎ意匠性が低下するおそれがある。
【0075】模様を有する透明紙6の中の灰分の含有量
は,10重量%以下であることが好ましい。10重量%
を超えると,透光性が低下するからである。更に好まし
くは,紙の中の灰分の含有量は1重量%以下,特には
0.5重量%であることが好ましい。これにより,樹脂
を紙に含浸させやすくなる。
【0076】模様を有する紙は,合成樹脂の含浸硬化に
より透光性を帯びる紙であれば特に限定されない。かか
る紙としては,例えば,和紙,オーバーレイ紙,ダイア
フォ一ス(アルジョウイング社製)などがある。
【0077】模様を有する紙の坪量は5〜200g/m
2 であることが好ましい。5g/m 2 未満の場合には,
抄造が困難,印刷及び製造上でも取扱い難いという問題
がある。200g/m2 を超える場合には,樹脂含浸紙
の樹脂比率が低くなり透明性及び透光性が低下するおそ
れがある。
【0078】模様を形成した紙は,1枚のみ用いてもよ
いし,複数枚を積層してもよい。積層枚数が多いと,透
明性及び透光性に欠け不経済であることから,紙の最大
積層枚数は8枚であることが好ましい。
【0079】また、上記合成樹脂7は,熱硬化性樹脂で
あることが好ましい。これにより,加熱加圧によって紙
と合成樹脂とを一体成形することができる。 上記熱硬
化性樹脂としては,例えば,ジアリルフタレート樹脂,
メラミン樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂などを用
いることができる。
【0080】透光性化粧シート10Cの全体量の中の合
成樹脂の含浸量(樹脂の重量×100/全樹脂含浸紙全
重量)は,30〜80重量%であることが好ましい。3
0重量%未満の場合には均等に合成樹脂が含浸されず,
透明性及び透光性が低下するおそれがある。80重量%
を超える場合には,製造上困難,不経済となるおそれが
ある。
【0081】本発明にかかる透明性の基体上に接着され
た透光性化粧シート10Cの表面には,オーバーレイ層
を設けてもよい。オーバーレイ層は,樹脂含浸紙または
樹脂層であることが好ましく,シリカ,アルミナ,タル
クなどの耐摩耗性粒子を含んでいてもよい。
【0082】
【発明の効果】本発明にかかる装飾板によれば,透光性
に優れるとともに、幻想的な雰囲気をかもし出すことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる装飾板の第1実施例を示す斜視
図である。
【図2】本発明にかかる装飾板の第1実施例を示す断面
図である。
【図3】本発明にかかる第1実施例の装飾板を構成する
透光性化粧シートにおける重ね印刷層を形成した紙の断
面説明図(a)、及び透光性化粧シートの断面説明図
(b)である。
【図4】本発明にかかる装飾板の第2実施例を示す斜視
図である。
【図5】本発明にかかる装飾板の第2実施例を示す断面
図である。
【図6】本発明にかかる第2実施例の装飾板を構成す
る,透光性化粧板の製造方法を示す説明図(a),及び
透光性化粧板の説明図(b)である。
【図7】本発明にかかる第2実施例の装飾板を構成す
る、透光性化粧板の製造方法を示す説明図(a),及び
透光性化粧板の説明図(b)である。
【図8】本発明にかかる装飾板の第3実施例を示す斜視
図である。
【図9】本発明にかかる装飾板の第3実施例を示す断面
図である。
【図10】本発明にかかる第3実施例を示す装飾板を構
成する透光性化粧シートの断面説明図(a)及びその平
面図(b)である。
【図11】本発明にかかる第3実施例を示す装飾板を構
成する透光性化粧シートの製造方法を示す説明図であ
る。
【図12】本発明にかかる装飾板において、透光性化粧
シートを基体と空間をもたせて一体化した実施例を示す
斜視図である。
【図13】本発明にかかる装飾板において、透光性化粧
シートを基体と空間をもたせて一体化した実施例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 …… 重ね印刷層 2、6 …… 透明紙 3、7 …… 合成樹脂 4 …… 樹脂含浸紙 5 …… 和紙 10A、10B、10C …… 透光性化粧シート 11,12,13 …… 印刷層 14 …… 印刷部分 15 …… 非印刷部分 16 …… 模様 9 …… 原版 90 …… 凹凸目 91 …… 凹部 92 …… 凸部 95 …… 平面部 100 …… 装飾板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B44F 1/06 B44F 1/06 E06B 9/24 E06B 9/24 A (72)発明者 米山 和雄 岐阜県大垣市青柳町300番地 イビデン株 式会社青柳工場内 Fターム(参考) 4F100 AG00 AK01B AK01C AK01D AK43 AT00A BA02 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA13 DG10 DG10B DG10C DG10D EJ08 EJ08B EJ08C EJ08D EJ82 EJ82B EJ82C EJ82D GB07 GB48 HB00 HB00B HB00D HB31B HB31D JB13B JB13C JB13D JN01 JN01A JN01B JN01C JN01D JN08B JN08C JN08D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性の基体と透光性化粧シートを一体
    化せしめたことを特徴とする装飾板。
  2. 【請求項2】 前記透光性化粧シートは、紙に、複数の
    印刷層を積層してなる重ね印刷層を形成し、合成樹脂を
    含浸し硬化してなり、 上記重ね印刷層における各印刷層はドットの集合群から
    なり、上層の印刷層が下層の印刷層のドット上に形成さ
    れてなることを特徴とする請求項1記載の装飾板。
  3. 【請求項3】 前記透光性化粧シートは、合成樹脂を含
    浸させた樹脂含浸紙の間に和紙を介在させて加熱加圧成
    形してなり、上記和紙の内部にも上記合成樹脂が含浸さ
    れてなることを特徴とする請求項1記載の装飾板。
  4. 【請求項4】 前記透光性化粧シートは、印刷部分と非
    印刷部分との組み合わせからなる模様を有する紙と、該
    紙に含浸させ硬化させてなる合成樹脂とからなり、該透
    光性化粧シートにおける上記非印刷部分は、上記印刷部
    分よりも透光率が高いことを特徴とする請求項1記載の
    装飾板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2006008782A1 (ja) * 2004-07-15 2008-05-01 三菱電機株式会社 装飾部材
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