JP2009217156A - 光拡散フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料が大量生産しやすく低コストの、生産性に優れた光拡散フィルム、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】複数の極短繊維11,22を分散状態で含む、透光性樹脂12,23からなるフィルム10,20で、前記透光性樹脂の平均屈折率nを(異常光に対する屈折率+2×常光に対する屈折率)/3とし、前記極短繊維の平均屈折率nを(長軸方向の屈折率+2×短軸方向の屈折率)/3とするとき、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の平均屈折率nが異なることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は複数の極短繊維を透光性樹脂からなるフィルムに分散させた光拡散フィルムの製造方法に関する。
光拡散フィルムは光源からの光の強度分布を均一にしたり、画面の明るさのむらをなくしたりする目的で、種々のディスプレイに用いられている。従来、光拡散フィルムとしては、大小異なる径の球状微粒子を光拡散材として透光性樹脂からなるフィルムに分散させたものが知られている(特許文献1)。このような光拡散フィルムは球状微粒子の屈折率や大きさを調整して所望の光拡散特性を得ることができる。
しかし従来のこのような光拡散フィルムは、例えば用いる球状微粒子の粒子径が小さくなるほど大量生産が難しく高価であるため、高コストで生産性が悪いという問題があった。そのためこのような問題を解決した新規な光拡散フィルムが求められていた。
特開2003−43218号公報
本発明が解決しようとする課題は、材料が大量生産しやすく低コストの、生産性に優れた光拡散フィルム、およびその製造方法を提供することである。
本願発明者の研究により、極短繊維を用いることによって、生産性に優れた光拡散フィルムとその製造方法が実現された。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明の光拡散フィルムは、複数の極短繊維を分散状態で含む、透光性樹脂からなるフィルムで、前記透光性樹脂の平均屈折率nを(異常光に対する屈折率+2×常光に対する屈折率)/3とし、前記極短繊維の平均屈折率nを(長軸方向の屈折率+2×短軸方向の屈折率)/3とするとき、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の平均屈折率nが異なることを特徴とする。極短繊維の長軸方向は繊維軸方向であり、短軸方向は繊維軸方向に直交する方向である。
(2)本発明の光拡散フィルムは、前記透光性樹脂の平均屈折率nが1.3〜1.7、前記極短繊維の平均屈折率nが1.4〜1.6、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の平均屈折率nの差の絶対値|n−n|が0.005〜0.15であることを特徴とする。
(3)本発明の光拡散フィルムは、第一の屈折率領域の内部に第二の屈折率領域を有する複数の極短繊維を分散状態で含む、透光性樹脂からなるフィルムで、前記極短繊維の第二の屈折率領域の平均屈折率nB2を(長軸方向の屈折率+2×短軸方向の屈折率)/3とするとき、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の第二の屈折率領域の平均屈折率nB2が異なることを特徴とする。極短繊維の第二の屈折率領域の長軸方向は、同領域の繊維軸方向であり、短軸方向は繊維軸方向に直交する方向である。
(4)本発明の光拡散フィルムは、前記透光性樹脂の平均屈折率nが1.3〜1.7、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の第二の屈折率領域の平均屈折率nB2との差の絶対値|n−nB2|が0.01〜0.15であることを特徴とする。
(5)本発明の光拡散フィルムは、前記極短繊維の第一の屈折率領域の平均屈折率nB1を(長軸方向の屈折率+2×短軸方向の屈折率)/3とするとき、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の第一の屈折率領域の平均屈折率nB1と前記第二の屈折率領域の平均屈折率nB2との関係が、n<nB1<nB2またはnB2<nB1<nを満足することを特徴とする。極短繊維の第一の屈折率領域の長軸方向は、同領域の繊維軸方向であり、短軸方向は繊維軸方向に直交する方向である。
(6)本発明の光拡散フィルムは、複数の極短繊維および複数の球状微粒子を分散状態で含む、透光性樹脂からなるフィルムで、前記透光性樹脂の平均屈折率と、前記極短繊維の平均屈折率および前記球状微粒子の屈折率とが異なることを特徴とする。極短繊維の平均屈折率と球状微粒子の屈折率は同一でもよく、異なっていてもよい。
(7)本発明の光拡散フィルムの製造方法は、上記に記載の光拡散フィルムを製造する方法であって、繊維を裁断して得られる複数の極短繊維を、透光性樹脂からなるフィルムを形成し得る液状物質に分散して分散液を得る工程Aと、前記工程Aで得られた分散液をフィルム状に流延し、その流延層を固化または硬化させて光拡散フィルムを得る工程Bとを含むことを特徴とする。
本発明により生産性に優れた光拡散フィルムとその製造方法が実現された。
本願発明者が上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、光拡散材として従来の光拡散フィルムに用いられてきた球状微粒子に代えて極短繊維を用いることにより、生産性に優れた光拡散フィルムが得られるようになった。
本発明の光拡散フィルムに用いられる極短繊維は、例えば繊維を裁断して得ることによって、安価に大量生産が可能である。従来は粒子径分布の狭い球状微粒子を入手することが困難であったが、本発明に用いられる極短繊維は、例えば繊維の裁断幅を適宜調整することによって、繊維長分布の狭い極短繊維が比較的容易に得られる。これを用いて光拡散フィルムのより高度な光学設計を行なうことが可能になる。
[光拡散フィルム]
本発明の光拡散フィルムは、複数の極短繊維を分散状態で含む、透光性樹脂からなるフィルムであって、透光性樹脂の平均屈折率と極短繊維の平均屈折率が異なるものである。極短繊維を用いる理由は、(1)薄い光拡散フィルムの内部で繊維方向を三次元的にランダム分布させるのに都合が良く、(2)繊維の端面が多いため光の拡散の効率が良いためである。この光拡散フィルムにおいては、極短繊維が低コストで大量生産できるので光拡散フィルムが効率的に製造でき、また極短繊維の繊維長分布を狭く制御することが可能であるため、高度な光学設計が可能になる。
本発明の光拡散フィルムは極短繊維と透光性樹脂の境界面で入射光を屈折させることにより、拡散光を出射させることができる。光拡散フィルムは拡散光を出射するため、通常、目視では白濁して見える。
極短繊維の分散状態は、極短繊維の方向(極短繊維の繊維軸の方向)が三次元的にランダムに分布していることが望ましい。しかし極短繊維の方向がフィルム面内でランダムであれば、フィルム面に垂直な方向を向いた極短繊維は少なくてもよい。極短繊維の方向が三次元的にランダムに近いほど、入射光を偏り無く全方位に拡散することができる。
本発明の光拡散フィルムの光拡散の程度は、主に透光性樹脂の平均屈折率nと極短繊維の平均屈折率nとの差の絶対値|n−n|により決定される。|n−n|は、好ましくは0.005〜0.15、さらに好ましくは0.01〜0.10である。
本発明の光拡散フィルムのヘイズ値は極短繊維の混合量を調整することによって適宜調整され、例えば10%〜90%である。極短繊維の混合量は、光拡散フィルムの総重量の、好ましくは10重量%〜50重量%、さらに好ましくは15重量%〜40重量%である。
本発明の光拡散フィルムの厚みは、好ましくは5μm〜300μm、さらに好ましくは10μm〜200μmである。
図1(a)に示すように、一つの実施形態において、本発明の光拡散フィルム10は複数の極短繊維11を光拡散材として分散させた、透光性樹脂12からなるフィルムである。この構成の光拡散フィルム10は安価で生産性に優れる。
図1(b)に示すように、他の実施形態において、本発明の光拡散フィルム20は複数の球状微粒子21と極短繊維22を光拡散材として分散させた、透光性樹脂23からなるフィルムである。透光性樹脂23(極短繊維を含まない部分)の平均屈折率と、極短繊維22の平均屈折率および球状微粒子21の屈折率とは異なる。この場合極短繊維22の平均屈折率と球状微粒子21の屈折率は同一でもよいし、異なっていてもよい。この構成の光拡散フィルム20は、例えば従来は高価なため使用の難しかった粒子径の小さい球状微粒子に代えて極短繊維22を用いたものである。この場合、極短繊維22の直径が粒子径の小さい球状微粒子の直径に相当する。この構成により粒径分布が実質的に二つの山(極短繊維22の直径と球状微粒子21の直径)をもつため、より高度な光学設計を行なうことが可能である。しかも粒子径の小さい球状微粒子を使用したものより安価で生産性に優れる。
[極短繊維]
本発明に用いられる極短繊維は、代表的には、繊維を裁断して得ることができる。本発明において「極短繊維」とは繊維長が1mm以下のものをいい、「繊維」とは繊維長が1mmを超えるものをいう。本発明に用いられる極短繊維の繊維長は、好ましくは2μm〜500μmであり、さらに好ましくは10μm〜100μmである。
本発明に用いられる極短繊維の、繊維軸に対して垂直な断面の形状は、特に制限はなく、円形であってもよいし、三角形や四角形などの多角形、およびそれらの角が滑らかになったような形状であってもよい。極短繊維の直径は、好ましくは2μm〜50μm、さらに好ましくは2μm〜30μmである。なお極短繊維の断面形状が円形でないときは断面形状の差し渡しの最大径を直径と考える。
本発明に用いられる極短繊維を形成する材料としては特に制限はないが、加工性に優れる点でポリマー材料が適しており、中でも透光性に優れ無着色のものが好ましく用いられる。ポリマー材料として、例えばオレフィン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、エステル系ポリマー、スチレン系ポリマー、イミド系ポリマー、アミド系ポリマー、液晶ポリマーおよびそれらのブレンドポリマーなどが用いられる。この中でも柔軟性が高く加工性に優れたオレフィン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、およびこれらのブレンドポリマーが好ましく用いられる。
本発明に用いられる極短繊維は一種類の屈折率領域からなるものであってもよいし、二種類以上の屈折率領域からなるものであってもよい。
一種類の屈折率領域からなる極短繊維が用いられる場合、その平均屈折率nは、好ましくは1.4〜1.6である。極短繊維の平均屈折率nは、極短繊維中に導入する有機基の種類、および/または含有量を変えることにより、適宜増加ないし減少させることが可能である。例えば環状芳香族性の基(フェニル基など)を極短繊維中に導入することにより、極短繊維の屈折率を増大させることができる。他方、脂肪族系の基(メチル基など)を極短繊維中に導入することにより、極短繊維の屈折率を減少させることができる。
上記の様に二種類の屈折率領域を有する極短繊維として、例えば図2(a)に示すように、第一の屈折率領域31の内部に単一の第二の屈折率領域32を有する、いわゆる芯鞘構造の極短繊維30や、図2(b)に示すように、第一の屈折率領域41の内部に2個以上の第二の屈折率領域42を有する、いわゆる海島構造の極短繊維40などがある。
図2では極短繊維30、40が第一および第二の屈折率領域だけからなるものを示しているが、本発明に用いられる極短繊維は任意の材料からなる図示しない第三の屈折率領域や光学的等方性領域を有していてもよい。また図2では第二の屈折率領域が円柱で示されているが、第二の屈折率領域の形状は三角柱や四角柱のような多角柱、あるいは多角柱の角が滑らかになったような形状でも良く、任意である。さらに第二の屈折率領域は第一の屈折率領域の内部に均等に分布している必要は無く、偏在していてもよい。
第一の屈折率領域と、その内部に含まれた第二の屈折率領域とを有する極短繊維を用いた光拡散フィルムにおいては、透光性樹脂の平均屈折率nと第一の屈折率領域の平均屈折率nB1と第二の屈折率領域の平均屈折率nB2との関係が、n<nB1<nB2またはnB2<nB1<nを満足することが好ましい。このように平均屈折率が段階的に変化する光拡散フィルムは、各部材の界面における屈折率差が小さくなるため、透光性樹脂と極短繊維の界面で発生する界面反射を少なくすることができ、後方散乱を小さくすることができる。
透光性樹脂の平均屈折率nと極短繊維の第二の屈折率領域の平均屈折率nB2の差の絶対値|n−nB2|は、好ましくは0.01〜0.15、さらに好ましくは0.02〜0.10である。このようにすることにより、広い拡散特性をもつ出射光を得ることと後方散乱を抑制することを両立させることができる。
[透光性樹脂からなるフィルム]
本発明に用いられる透光性樹脂からなるフィルムは透光性樹脂をフィルム状に成形したものをいう。透光性樹脂からなるフィルムは複数の極短繊維を分散状態で含む。透光性樹脂の波長546nmにおける透過率は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
本発明に用いられる透光性樹脂は、複数の極短繊維を分散状態で固定でき透明性に優れる任意の材料により形成される。透光性樹脂を形成する材料として、例えば紫外線硬化樹脂、セルロース系ポリマー、ノルボルネン系ポリマーなどがある。透光性樹脂は、好ましくはエネルギー線硬化樹脂であり、さらに好ましくは紫外線硬化樹脂である。エネルギー線硬化樹脂、特に紫外線硬化樹脂は高速でフィルム化できるため生産性に優れる。
透光性樹脂の平均屈折率nは、好ましくは1.3〜1.7、さらに好ましくは1.4〜1.6である。透光性樹脂の平均屈折率nは上述した極短繊維の屈折率の調整方法と同様にして適宜調整することができる。
本発明に用いられる透光性樹脂は、屈折率異方性の小さい光学的に等方性の樹脂が好ましい。本発明において「光学的に等方性の樹脂」とは、複屈折率(異常光に対する屈折率と常光に対する屈折率の差)が0.001未満の樹脂をいう。
透光性樹脂は、極短繊維などの光拡散材を完全に埋包しているのが望ましいが、光拡散材を固定していればよく、埋包が不完全で光拡散材の一部が露出していても差し支えない。
透光性樹脂からなるフィルムは任意の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば界面活性剤、架橋剤、酸化防止剤、帯電防止剤などがある。添加剤の混合量は、特に制限はないが、通常、光拡散フィルムの総重量の5重量%以下である。
[本発明の製造方法]
本発明の光拡散フィルムの製造方法は、繊維を裁断して得られる複数の極短繊維を、透光性樹脂からなるフィルムを形成し得る液状物質に分散して分散液を得る工程Aと、工程Aで得られた分散液をフィルム状に流延し、その流延層を固化または硬化させて光拡散フィルムを得る工程Bとを含む。本発明の光拡散フィルムの製造方法は、上記の工程Aおよび工程Bを含むものであれば、他に任意の工程を含んでいてもよい。
[工程A]
工程Aは、繊維を裁断して得られる複数の極短繊維を、透光性樹脂からなるフィルムを形成し得る液状物質に分散して分散液を得る工程である。
上記の繊維は、ポリマーを溶融し紡糸ノズルから吐出させて作製することができる。二種類以上の屈折率領域を有する繊維は、例えば異なる二種類のポリマー材料をそれぞれ溶融し、海島複合繊維紡糸用の紡糸ノズルから吐出させて作製することができる。あるいは単一構造の繊維の表面に、他の材料をコーティングして作製することもできる。
繊維を裁断して極短繊維を得る方法としては、特に制限はないが、例えば複数の繊維を引き揃えた繊維束を切削刃により裁断する方法が用いられる。
その他にも、特開2005−113291号公報に記載されたように、繊維の束を液体または気体の埋包材に浸潤させてから温度を下げて固化一体化させ、低温で端面を切削加工し、温度を上げて埋包材を除去して、0.005mm〜1mm程度の極短繊維を製造する方法を用いてもよい。
また特開2005−126854号公報に記載されたように、繊維の束を液体または気体の埋包材に浸潤させてから温度を下げて固化一体化させ、低温で複数の一体化品の端面を平削り加工し、温度を上げて埋包材を除去して、0.005mm〜1mm程度の極短繊維を製造する方法を用いてもよい。
また特開2005−139573号公報に記載されたように、各々接触していない複数の繊維の束を、液体または気体の埋包材に浸潤させてから温度を下げて固化一体化させ、低温で一体化品の端面を切削加工し、温度を上げて埋包材を除去して、0.005mm〜1mm程度の極短繊維を製造する方法を用いてもよい。
透光性樹脂からなるフィルムを形成するための液状物質としては特に制限はないが、例えば透光性樹脂を溶媒に溶解させた溶液や、無溶剤ないしは溶剤を含むエネルギー線硬化樹脂液などがある。
分散液の調整方法に特に制限はなく、容器に複数の極短繊維を入れて攪拌しながら上記の液状物質を徐々に加えてもよいし、容器に液状物質を入れて攪拌しながら極短繊維を徐々に加えてもよい。
[工程B]
工程Bは分散液をフィルム状に流延し、その流延層を固化または硬化させて光拡散フィルムを得る工程である。
分散液をフィルム状に流延する方法としては特に制限はなく、任意のコータを用いた塗布法が用いられる。用いられるコータとしては、例えばスロットオリフィスコータ、ダイコータ、バーコータ、カーテンコータなどがある。
工程Bにおいて、流延層は任意の方法により固化または硬化される。本発明において「固化」とは、軟化もしくは溶融した樹脂(ポリマー)が冷却されて固まること、または溶媒に溶解されて溶液状態であった樹脂(ポリマー)が溶媒を除去されて固まることをいい、「硬化」とは熱、触媒、光、放射線などにより架橋し、難溶・難融になることをいう。固化または硬化の条件は用いる透光性樹脂の種類によって適宜決定される。透光性樹脂として紫外線硬化樹脂が用いられる場合、その硬化条件は紫外線の照度が、好ましくは5mW/cm〜1000mW/cmであり、積算光量が、好ましくは100mJ/cm〜5000mJ/cmである。
[光拡散フィルムの用途]
本発明の光拡散フィルムは例えばコンピュータ、コピー機、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末、携帯ゲーム機、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ、カーナビゲーション、カーオーディオ、店舗用モニター、監視用モニター、医療用モニターなどの液晶パネルに好適に使われる。
[実施例1]
エチレン・ビニルアルコール共重合体(日本合成化学社製 商品名「ソアノール DC321B」、融点181℃)を270℃で溶融し、単一構造繊維紡糸用ノズルに注入し、引き取り速度600m/分で紡糸して直径30μmの紡糸フィラメントを得た。この紡糸フィラメントを60℃の温水中で元長の4倍に延伸し直径15μmの長繊維を得た。
上記の長繊維を引き揃えて繊維束とし、その繊維束をポリビニルアルコール樹脂に埋包固定して切削刃により裁断し、ポリビニルアルコール樹脂を温水で溶解させて除去し、繊維長が30μmの極短繊維を得た。
上記の極短繊維を複数準備し、ポリエステルアクリレート系紫外線硬化樹脂液(サートマー社製 商品名「CN2273」)に分散させて分散液を調整した。この分散液をポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に流延し、流延層を形成した。その後、流延層に紫外線を照射して(照度=40mW/cm、積算光量1000mJ/cm)硬化させ、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して厚み150μmの光拡散フィルムを作製した。極短繊維の混合量は光拡散フィルムの総重量の30重量%であった。このようにして作製した光拡散フィルムの各構成部材の平均屈折率と拡散特性は表1のようであった。
[実施例2]
エチレン・ビニルアルコール共重合体(日本合成化学社製 商品名「ソアノール DC321B」、融点181℃)と、プロピレン過多のエチレン・プロピレン共重合体(日本ポリプロ社製 商品名「OX1066A」、融点138℃)を、それぞれ270℃および230℃で溶融し、海島複合繊維紡糸用ノズル(繊維断面当たりの島数が37)に注入して引き取り速度600m/分で紡糸し、直径30μmの紡糸フィラメントを得た。
この紡糸フィラメントを60℃の温水中で元長の4倍に延伸し、直径15μmの長繊維を得た。この長繊維の断面を電子顕微鏡にて観察したところ、エチレン・プロピレン共重合体からなる円柱状(直径15μm)の第一の屈折率領域(海部)の内部に、エチレン・ビニルアルコール共重合体からなる円柱状(直径1μm)の第二の屈折率領域(島部)が分布し、海島構造を形成していることが確認できた。
この長繊維を用いて、後の工程は実施例1と同様にして、厚み150μmの光拡散フィルムを作製した。このようにして作製した光拡散フィルムの各構成部材の平均屈折率と拡散特性は表1のようであった。
Figure 2009217156
[評価]
極短繊維が単一構造の光拡散フィルム(実施例1)と、海島構造の光拡散フィルム(実施例2)を比較すると、ヘイズは同等であるが、後方散乱は海島構造の方が少なく、実施例2の方が光拡散フィルムとして優れている。実施例2では、極短繊維の海部の平均屈折率(1.50)が、島部の平均屈折率(1.54)と透光性樹脂の平均屈折率(1.48)の間の値であるため後方散乱が小さくなる。
[測定方法]
[ヘイズ]
村上色彩技術研究所製 ヘーズメーター 製品名「HM−150」を用い、JIS K 7136:2000に準じて測定した。
[繊維の平均屈折率]
室温(25℃)、波長546nmにおける屈折率をオリンパス社製の偏光顕微鏡を用いて、ベッケ線法により測定した。
[透光性樹脂の屈折率]
室温(25℃)、波長546nmにおける屈折率をSairon Technology社製のプリズムカプラーにより測定した。
[後方散乱]
光拡散フィルムの裏面に黒アクリル板を貼り着け、光拡散フィルムの表面を白色蛍光灯で照らし、反射光の強さを目視観察した。
本発明の光拡散フィルムの模式図 本発明に用いられる極短繊維の模式図
符号の説明
10 光拡散フィルム
11 極短繊維
12 透光性樹脂
20 光拡散フィルム
21 球状微粒子
22 極短繊維
23 透光性樹脂
30 芯鞘構造の極短繊維
31 第一の屈折率領域
32 第二の屈折率領域
40 海島構造の極短繊維
41 第一の屈折率領域
42 第二の屈折率領域

Claims (7)

  1. 複数の極短繊維を分散状態で含む、透光性樹脂からなるフィルムで、前記透光性樹脂の平均屈折率nを(異常光に対する屈折率+2×常光に対する屈折率)/3とし、前記極短繊維の平均屈折率nを(長軸方向の屈折率+2×短軸方向の屈折率)/3とするとき、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の平均屈折率nが異なることを特徴とする光拡散フィルム。
  2. 前記透光性樹脂の平均屈折率nが1.3〜1.7、前記極短繊維の平均屈折率nが1.4〜1.6、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の平均屈折率nの差の絶対値|n−n|が0.005〜0.15であることを特徴とする請求項1に記載の光拡散フィルム。
  3. 第一の屈折率領域の内部に第二の屈折率領域を有する複数の極短繊維を分散状態で含む、透光性樹脂からなるフィルムで、前記極短繊維の第二の屈折率領域の平均屈折率nB2を(長軸方向の屈折率+2×短軸方向の屈折率)/3とするとき、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の第二の屈折率領域の平均屈折率nB2が異なることを特徴とする光拡散フィルム。
  4. 前記透光性樹脂の平均屈折率nが1.3〜1.7、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の第二の屈折率領域の平均屈折率nB2との差の絶対値|n−nB2|が0.01〜0.15であることを特徴とする請求項3に記載の光拡散フィルム。
  5. 前記極短繊維の第一の屈折率領域の平均屈折率nB1を(長軸方向の屈折率+2×短軸方向の屈折率)/3とするとき、前記透光性樹脂の平均屈折率nと前記極短繊維の第一の屈折率領域の平均屈折率nB1と前記第二の屈折率領域の平均屈折率nB2との関係が、n<nB1<nB2またはnB2<nB1<nを満足することを特徴とする請求項3または4に記載の光拡散フィルム。
  6. 複数の極短繊維および複数の球状微粒子を分散状態で含む、透光性樹脂からなるフィルムで、前記透光性樹脂の平均屈折率と、前記極短繊維の平均屈折率および前記球状微粒子の屈折率とが異なることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の光拡散フィルムを製造する方法であって、
    繊維を裁断して得られる複数の極短繊維を、透光性樹脂からなるフィルムを形成し得る液状物質に分散して分散液を得る工程Aと、
    前記工程Aで得られた分散液をフィルム状に流延し、その流延層を固化または硬化させて光拡散フィルムを得る工程Bとを含むことを特徴とする光拡散フィルムの製造方法。
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