JP2004219438A - 光拡散性フィルム - Google Patents

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Kozo Takahashi
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Abstract

【課題】コーティング工程が不要で、光拡散性、光透過性に優れ、かつ透過光を一定角度内に集中させることができ、また、液晶ディスプレイに搭載した際には高輝度で、輝度均一性に優れた光拡散性フィルムを提供する。
【解決手段】フィルムの内部が、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の溶融混合物からなる、海島構造を持った光拡散性フィルムであって、全光線透過率が70%以上、ヘイズ80%以上、フィルム表面に対する法線方向における出射光強度I0と法線方向からフィルムの長手方向に30°傾いた位置における出射光強度Imの比Im/I0が0.15以上、I0と法線方向からフィルムの長手方向と垂直方向に30°傾いた位置における出射光強度Itの比It/I0が0.15以上であることを特徴とする光拡散性フィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明に属する技術分野】
本発明は、光拡散性フィルムに関し、特に液晶ディスプレイのバックライトや照明装置などに好適に用いられる光拡散性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などの表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、裏側からバックライトを使用して光を照射することにより表示が可能になっている。また、単に光を照射するだけでなく、バックライトは画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、サイドライト型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が望まれるノート型パソコン等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、サイドライト型、つまり画面に対し側面から照射するタイプが適用されている。一般的に、このサイドライト型バックライトには、光を均一に電播・拡散する導光板を利用し、液晶ディスプレイ全体を均一に照射する導光板方式が採用されている。この導光板には、側面から入射した光を垂直方向に出射するようパターンが刻まれており、そのパターンによる不均一な光の分布を有する。よって、この液晶ディスプレイにおいて、面内均一性を高めて高品質の画像を得るため、導光板上に光拡散性フィルムを設置して光を均一にすることが必要となる。
【0003】
光拡散性フィルムとして要求される性能には、光拡散性が大きいことはもとより、光透過性が極めて高いことが挙げられる。光透過性を高くすることにより、バックライトからの光を効率よく利用できるため、高輝度化・低消費電力化を達成することができる。また、特に液晶ディスプレイ分野においては、より高い機能性、光透過性、軽量化、生産性の良さなどが要求されている。特に、サイドライト型バックライトに用いられる光拡散性フィルムおいては、導光板に刻まれたパターンによって生じる光分布の不均一性を解消させるだけの光拡散性と、光源から発する光を効率良く利用できる高輝度性、用途展開ができるような高機能性が強く求められている。
【0004】
従来から使用されている光拡散性フィルムとしては、(1)透明熱可塑性樹脂をシート状に成形後、表面に物理的に凹凸を付ける加工を施して得られた拡散シート(以下、光拡散性フィルムと表現する、特許文献1参照)、または(2)ポリエステル樹脂等透明基材フィルム上に微粒子を含有した透明樹脂からなる光拡散層をコーティングして得られた光拡散性フィルム(特許文献2参照)等が挙げられる。これらの拡散性フィルムは、フィルム表面に成形した凹凸または、コーティングした光拡散層により効果を得る、いわゆる表面光拡散フィルムである。最近では、液晶ディスプレイ部材の分野において、更なる高性能化、高効率化、薄型化、軽量化などが要求されている。これらの実現に向け、例えば表面加工による多機能化やフィルムの重ね合わせ、接着などが考えられ、表面が平滑で内部に拡散成分を含有した内部拡散型の光拡散性フィルム(内部光拡散性フィルムということがある)が考案されている。
【0005】
内部に拡散成分を含有した内部拡散型の光拡散性フィルムとしては、(3)透明樹脂中にビーズを溶融混合し、これを押出成形して得られた光拡散板(光拡散性フィルム、特許文献3参照)、または(4)少なくとも2種類の透明可塑性樹脂を溶融混練してできた海島構造を有する光拡散性シート(光拡散性フィルム、特許文献4参照)、または(5)内部に微細な気泡を含有する光拡散性シート(光拡散性フィルム、特許文献5および6参照)などが挙げられる。
【0006】
【特許文献1】特開平4−275501号公報
【0007】
【特許文献2】特開平6−59108号公報
【0008】
【特許文献3】特開平6−12380号公報
【0009】
【特許文献4】特開平9−311205号公報
【0010】
【特許文献5】特開平5−281403号公報
【0011】
【特許文献6】特開平11−268211号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)に記載の光拡散性フィルムにおいては、光拡散性、高輝度性に優れるが、コーティングによる塗布ムラや微粒子の不均一性など、一定品質の光拡散性フィルムが得難く、また、生産ロスによるコストの増大や、エンボス加工や張り合わせ等の表面加工ができない等の問題点もある。一方、上記(4)に記載の内部光拡散性フィルムにおいては、フィルム内部の拡散成分の形状が異方性であるため、一方向にのみ光拡散性が優れるが、全方向への光拡散性は不十分であり、光の出射方向を制御することは困難である。また、熱可塑性樹脂の非相溶性によって得られる内部光拡散性フィルムは、海島構造を持つ非相溶性の透明熱可塑性樹脂の屈折率差、拡散層の厚みなどによって、得られる光拡散性、光透過性に限界がある。
【0013】
【発明が解決するための手段】
そこで本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の知見を得た。すなわち、それらの課題を解決するためには光拡散性をコントロールすることが重要であり、その手段として、以下の構成を有することが有用であることを見出した。
【0014】
すなわち、本発明は、フィルムの内部に少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の溶融混合物からなる海島構造を有する光拡散性フィルムであって、全光線透過率が70%以上、ヘイズが80%以上であり、かつ、フィルム表面に対する法線方向における出射光強度I0と法線方向からフィルムの長手方向に30°傾いた位置における出射光強度Imの比Im/I0が0.15以上、I0と法線方向からフィルムの長手方向と垂直方向に30°傾いた位置における出射光強度Itの比It/I0が0.15以上である光拡散性フィルムである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の光拡散性フィルムは、全光線透過率が好ましくは70%以上で、かつヘイズが好ましくは80%以上である。なお、これら全光線透過率とヘイズは、フィルムの厚み方向に関する値である。
【0016】
ここで、全光線透過率に関しては、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。本発明では、全光線透過率の上限は特に規定されないが、100%以下が好ましい。全光線透過率が下限値未満では、該光拡散性フィルムをディスプレイに組み込んだ際、輝度が不十分であり、高輝度を得るためには低消費電力化が望めない。
【0017】
また、ヘイズは、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。ヘイズの上限についても特に規定されないが、100%以下が好ましい。ヘイズが上記下限値未満の場合には、平行光の透過率が高くなり、この場合も輝度に斑が生じやすくなる。
【0018】
また、光を該フィルムの厚み方向から照射した場合の法線方向(0°)における出射光強度I0と、法線方向からフィルムの長手方向(以下、MD方向という)に30°傾いた位置における出射光強度Imとの比、および法線方向からフィルムの長手方向と垂直方向(以下、TD方向という)に30°傾いた位置における出射光強度Itとの比は、それぞれ0.15以上である。好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.25以上である。上限は特に規定されないが、1.0以下であることが好ましい。これは具体的には、以下に述べるとおりの、海成分の熱可塑性樹脂Aと、島成分の熱可塑性樹脂Bの屈折率差を規定すること、島成分の形状を定めること、フィルム表面にエンボス加工を行うこと等によって達成される。
【0019】
MD方向、TD方向いずれもの出射光強度比が0.15以上の場合、フィルムの全方向に対して光拡散性に優れ、輝度が均一となり、また、バックライトに搭載した際には広視野角となる。しかし、いずれか一方向でも0.15未満となった場合、全方向への光拡散性が弱いために輝度ムラを生じ、十分な明るさを得ることができない。
【0020】
本発明においては、基材となる光拡散性フィルムの内部が、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の溶融混合物からなるものであり、かつ互いに非相溶性の熱可塑性樹脂であることで、海島構造を形成する必要がある。ここで、例えば海島構造が熱可塑性樹脂Aの海部分と、熱可塑性樹脂Bの島部分からなるとすると、海部分を構成する熱可塑性樹脂Aは、単体の樹脂、または2種類以上の樹脂の混合物であっても良いが、どちらの場合も実質的に非光拡散性であることが好ましい。一方、島成分を構成する熱可塑性樹脂Bは、全ての島部分が同一の単体であっても良いし、単なる単体樹脂からなる島成分がいくつか存在しても良く、また、混合物であっても良い。島部分が混合物の場合、内部が均一に相溶し、実質的に非光拡散性であることが好ましい。
【0021】
また、本発明において、フィルム内部に存在する島部分の形状は、実質的に球状であることが好ましい。ここでいう実質的に球状とは、表面において少なくとも球面となる部分を有する形状であれば良いが、形状は真球に近づくほど好ましく、方向性のない均一な拡散効果が得られる。
【0022】
本発明における島成分の形状は、短径/長径の比が0.5以上であることが好ましく、さらには0.8〜1.0であることが最も好ましい。また、この条件を満たす島成分の平均粒径は、0.1〜50μmが好ましく、0.1〜30μmが更に好ましく、0.1〜20μmが最も好ましい。島部分の粒径を0.1μmより大きくすることにより、フィルムの全光線透過率を高くすることができ、また、50μmより小さくすることにより、フィルムの強度を低下させることなく、また良好な光拡散効果を得ることができる。
【0023】
上記で述べたような、フィルム内部の海島構造や島部分の形状の確認は、フィルム作製後にフィルムの断面を切りだし、走査型電子顕微鏡(SEM)にて断面を観察することによって確認できる。
【0024】
島部分の大きさをコントロールするにあたっては、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの溶解度パラメータ(SP値)の差は2(MPa)0.5以上とすることが好ましい。SP値は、高分子化合物の混合時の混ざり易さを表す指標となり、混ぜ合わせると高分子化合物の組み合わせにおいて、SP値が0に近いほど相溶することを示す。よって、発明においては、SP値を0より大きくすることが重要であり、海島構造を生成する際、分散径の制御にも関わってくる。先に述べたような島部分の大きさに制御するために、SP値を2(MPa)0.5以上とすることが求められる。SP値が2(MPa)0.5より小さい場合は、島部分が小さくなりすぎて好ましくない。
【0025】
光拡散性フィルムの拡散性を向上させるために、海部分と島部分の樹脂の屈折率は異なることが好ましい。異屈折とすることにより、界面での光屈折が起こり入射光線が散乱される。熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの屈折率差の絶対値は0.05以上であることが好ましく、さらに0.07以上であることが好ましい。また、特に限定はないが、0.4以下であることが更に好ましい。また、熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bの屈折率は、共に1.3〜1.7の範囲で、上記条件を満たすものの中から選択することができる。
【0026】
また拡散性は、他にも、島部分の体積分率や膜厚にも依存するが、これを向上させるためには、これら体積分率や膜厚の値を増加させることで実現できる。つまり、これらの条件の選択により任意に拡散性をコントロールできることを表している。これについて以下に説明する。
【0027】
島部分の光拡散層全体に占める体積分率は、50%以下であることが好ましく、10〜40%が更に好ましい。50%を越えると、光拡散性フィルムの透過率が低下したり、また、樹脂の流動性が悪くなるなどの影響が出ることがある。
【0028】
また、この海島構造からなる光拡散性の膜厚は、薄膜用途や作業性を考慮すると、10〜500μmが好ましく、さらには20〜300μmがより好ましく、30〜200μmが最も好ましい。
【0029】
本発明の光拡散性フィルムは、実質的にボイドを含有しないことが好ましい。ここで言うボイドとは、フィルム中に存在する微細な気泡のことを指す。多量のボイドが生成した場合、全光線透過率低下させることがあるため好ましくない。
【0030】
本発明の光拡散性フィルムで好ましく用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、及びこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれらの樹脂の混合物等のポリエステル系樹脂が挙げられるが、上記の条件を満たすものであれば、特に制限なく用いることができる。本発明では、ポリエステルを海部分とする場合、島成分にはポリメチルペンテンが好ましく、更にはポリメチルペンテンとシクロポリオレフィンとの混合物、最も好ましくはシクロポリオレフィン単体で用いることである。
【0031】
本発明の光拡散性フィルムは、内部光拡散性フィルム表面に非光拡散性の熱可塑性樹脂が積層された二軸延伸フィルムであることが好ましい。該積層フィルムは、内部拡散性フィルムだけの単膜からなるフィルムよりも、曲げ剛性などのフィルムの機械的強度を向上させることができる。また、該光拡散性フィルムの全膜厚のうち、積層される熱可塑性樹脂の厚みは特に限定されず、適宜選択される。
【0032】
積層される非光拡散性の熱可塑性樹脂として特に限定はしないが、好ましい例として、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィドなどを挙げることができる。特に本発明においては、寸法安定性や機械的特性が良好で、可視光線域における吸収がほとんどないなどの点からポリエステルが好ましい。ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートまたはそれらの共重合体等が挙げられる。
【0033】
また、本発明の基材となる光拡散性フィルムには、本発明の効果が失われない範囲内で各種の添加剤を加えることができる。例えば、顔料、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐熱剤、耐光剤、耐候剤、耐電防止剤、離型剤などを添加配合することができる。
【0034】
次に、本発明の基材となる光拡散性フィルムの製造方法について説明するが、本発明ではこの方法に限定されない。
【0035】
本発明の内部拡散性フィルムの原料として用いられる熱可塑性樹脂は、事前に均一に融解混練して配合させて作製されたペレット、または、直接混練し押出機に供給するなどして溶融混練する。ここで成形法について説明すると、例えば、金型に融解射出する射出成形や、押出機からTダイ等を通して溶融押出する押出成形等の方法が挙げられる。最も好ましい方法は、押出機Aと押出機Bを備えた複合製膜装置を用い、押出機Aには内部光拡散性フィルムの原料を、押出機Bには積層フィルムの原料をそれぞれ供給し、溶融押出しする。この時に押出機Aの原料が内層、押出機Bの原料が両表面に積層されるように複合化する。これをフィルム状に成形後、必要により延伸工程、熱処理工程を経て目的の内部拡散性フィルムを得る。ここで、延伸工程が必要な場合、延伸後にフィルム中にボイドが生成することがある。フィルム中に多量のボイドが発生した場合、全光線透過率が低下することがあるため、熱処理をするなどの工程を経て、ボイドを消滅させることが必要な場合がある。
【0036】
本発明では、光拡散性および光透過性の更なる向上として、基材となる光拡散性フィルムをエンボス加工し、フィルムの表面に微細な凹凸を設けることが、好ましい。全光線透過率およびヘイズに優れた基材の光拡散性フィルムを表面処理することで、さらに透過率が増し、また、透過光の出射方向を制御することが可能となる。このエンボス加工は、昇温可能のフィルムエンボス加工ロールを用い、さらに加圧しながらフィルムに微細な凹凸を設ける。この微細な凹凸の形状は特に限定されず、規則性があってもなくても良い。また、エンボス加工によって凹凸形成された光拡散性フィルムは、サイドライト型バックライトに搭載する際には、凸面を上にしておくのが好ましい。
【0037】
このような本発明の光拡散性フィルムは、高透過で、かつ全方向へ均一に透過光を拡散させることができるので、特に液晶ディスプレイのバックライトや照明装置等に好適に用いられる。
【0038】
【実施例】
[特性の測定方法および評価方法]
(1)全光線透過率、ヘイズ
全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて、凹面側から光を入射させた時の、フィルム厚み方向の全光線透過率を測定した。
(2)出射光強度比
ゴニオフォトメーターGP−10M((株)オプテック製)を用いて、凹面側から光を入射させた時の、出射光強度を測定した。図1に示すとおり、測定方向は、測定サンプル1の厚み方向に対して平行に光源2をおき、まず、その法線方向(G0)の出射光強度を、次に、法線方向から任意で縦横2方向を決定し、それぞれの方向において法線方向から30°傾斜させた位置(G30)での出射光強度を測定した。これによって得られた値から、下記の計算式によって出射光強度比を求めた。
出射光強度比(%)=(G30/G0)×100
(3)バックライト輝度および輝度均一性
導光板の片面にドット印刷を施してあるサイドライト型バックライト(1灯型)を用いて、輝度測定を行った。図2に示すとおり、導光板6上に測定サンプル4をおき、冷陰極線管5を30分間点灯して光源を安定させた後に、測定サンプル4側から、色彩輝度計BM−7fast((株)TOPCON製)を用いて輝度(cd/m)を測定した。輝度はバックライト表面を9分割した9点について測定し、そのばらつきの大きさを判定した。○以上が合格である。
ばらつきの大きさ(%)=(最大値−最小値)/(平均値)×100
◎:ばらつきが2.5%未満
○:ばらつきが2.5%以上5%未満
×:ばらつきが5%以上
(4)拡散性能
(3)と同一のバックライトを用いて、測定サンプルの拡散性能を評価した。冷陰極線管5点灯時に、測定サンプル4を介して導光板6のドット印刷7が見えるかどうかを、測定サンプル4上部から目視によって判定した。○以上が合格である。
○:導光板のドット印刷が見えない
×:導光板のドット印刷が見える
以下、本発明において実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
主押出機Aと副押出機Bを有する複合製膜装置に、下記組成の原料を供給した。
主押出機A:180℃で4時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を25mol%共重合させたポリエステル樹脂(融点200℃、ガラス転移点70℃、屈折率1.6)90重量%、ポリメチルペンテン(融点235℃、屈折率1.46)8重量%、シクロポリオレフィン(ガラス転移点163℃、屈折率1.53)を2重量部、ポリエチレングリコールを0.5重量%混合したチップ。
副押出機B:PET(融点265℃)。
【0039】
押出機A、Bからそれぞれの原料を280℃で溶融押出し、主押出機Aの溶融原料が内層に、副押出機Bの溶融原料が両表面層となるように溶融3層共押出し、複合フィルムを製作した。複合フィルムの厚み構成比はB/A/B(7/84/7)であった。このシートを表面温度20℃の鏡面冷却ドラム上でキャストして未延伸シートとした。このシートを、85℃で長手方向に3倍延伸した。その後、シート端部をクリップで把持して90℃に加熱されたテンター内に導き予熱し、その後連続的に100℃の雰囲気中で幅方向に3.5倍延伸した。更に連続的に90℃で20秒、230℃の雰囲気中で10秒間の熱処理を行い、本発明の基材となる全膜厚125μmの光拡散性フィルムを得た。かくして得られたフィルムは、表1に示すとおり良好なものであった。
[実施例2]
主押出機Aのポリメチルペンテンを10重量部、シクロポリオレフィンを0重量部とした以外は、実施例1と同様にして得た光拡散性フィルムに、規則布目調格子状エンボス加工ロールを用いて、ロール温度100℃、ロール圧40kg/cmの条件下で、突起高さ14μmのエンボス加工を施した。かくして得られたフィルムは、表1に示す通り良好なものであった。
[実施例3]
実施例1で得た光拡散性フィルムに、ランダム格子状エンボス加工ロールを用いた以外は、実施例2と同様にして、突起高さ10μmの光拡散性フィルムを得た。かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、極めて良好なものであった。
[比較例1]
主押出機Aと副押出機Bを有する複合製膜装置に、下記組成の原料を供給した。
主押出機A:180℃で4時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を25mol%共重合させたポリエステル樹脂(融点200℃、ガラス転移点70℃、屈折率1.6)90重量%、ナイロン6(融点220℃、屈折率1.53)10重量%を混合したチップ。
副押出機B:PET(融点265℃)。
【0040】
押出機A、Bからそれぞれの原料を280℃で溶融押出し、主押出機Aの溶融原料が内層に、副押出機Bの溶融原料が両表面層となるように溶融3層共押出し、複合フィルムを製作した。複合フィルムの厚み構成比はB/A/B(7/84/7)であった。このシートを表面温度20℃の鏡面冷却ドラム上でキャストして未延伸シートとした。このシートを、85℃で長手方向に3倍延伸した。その後、シート端部をクリップで把持して90℃に加熱されたテンター内に導き予熱し、その後連続的に100℃の雰囲気中で幅方向に3.5倍延伸した。更に連続的に90℃で20秒、225℃の雰囲気中で10秒間の熱処理を行い、本発明の基材となる全膜厚125μmの光拡散性フィルムを得た。
【0041】
かくして得られたフィルムは表1の通り、十分な特性を示すものではなかった。
【0042】
【表1】
Figure 2004219438
【0043】
【発明の効果】本発明の光拡散性フィルムは、フィルムの内部に少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の溶融混合物からなる海島構造を有する光拡散性フィルムであって、全光線透過率が70%以上、ヘイズが80%以上であり、かつ、フィルム表面に対する法線方向における出射光強度I0と法線方向からフィルムの長手方向に30°傾いた位置における出射光強度Imの比Im/I0が0.15以上、I0と法線方向からフィルムの長手方向と垂直方向に30°傾いた位置における出射光強度Itの比It/I0が0.15以上であるので、表面が平滑でありながら、光透過性、光拡散性、生産性および輝度均一性に優れた光拡散性フィルムが得られる。また、該光拡散フィルムを用いた液晶ディスプレイは、高輝度、輝度均一性に優れ、明るく見やすいものである。
【0044】
さらに、フィルム内部に拡散成分を有する基材フィルムにエンボス加工を施すことにより、光透過に優れ、透過光の出射方向が制御できる光拡散性フィルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光拡散性フィルムの出射光強度を測定するための、装置構造の概略を示す装置概略図である。
【図2】面光源の輝度を測定するための、装置構造の概略を示す装置縦断面概略図である。
【符号の説明】
1 測定サンプル
2 光源
3 受光器
4 測定サンプル
5 冷陰極線管
6 導光板
7 ドット印刷
8 反射フィルム

Claims (5)

  1. フィルムの内部に少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の溶融混合物からなる海島構造を有する光拡散性フィルムであって、全光線透過率が70%以上、ヘイズが80%以上であり、かつ、フィルム表面に対する法線方向における出射光強度I0と法線方向からフィルムの長手方向に30°傾いた位置における出射光強度Imの比Im/I0が0.15以上、I0と法線方向からフィルムの長手方向と垂直方向に30°傾いた位置における出射光強度Itの比It/I0が0.15以上である光拡散性フィルム。
  2. 表面に、非光拡散性の熱可塑性樹脂が積層された二軸延伸フィルムである請求項1に記載の光拡散性フィルム。
  3. 海島構造の海部分の熱可塑性樹脂と、島部分の熱可塑性樹脂の屈折率差が0.05以上である請求項1または2に記載の光拡散性フィルム。
  4. 海島構造の島部分が球状である請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散性フィルム。
  5. 少なくとも片面にエンボス加工が施されている請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性フィルム。
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