JP2010152189A - 光拡散フィルムの製造方法および光拡散フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性を悪化させる原因となっていた長繊維を織る方法に代え、複数の短繊維を乾式不織布法によってプレフィルムとする方法を採用することによって、光拡散フィルムの生産性を改善する。
【解決手段】複数の短繊維を乾式不織布法によってプレフィルムにする工程Aと、工程Aで得られたプレフィルムの少なくとも片面に、固化または硬化により透明樹脂を形成する塗布液を塗布し、塗布された前記塗布液を固化または硬化させて光拡散フィルムを形成する工程Bとを含む。短繊維の長さが、0.2mm〜15mmであることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の短繊維を透明樹脂で結合した光拡散フィルムの製造方法と、その製造方法により製造された光拡散フィルムに関する。
光拡散フィルムは、光源からの光の強度分布を均一にしたり、画面の明るさの斑をなくしたりする目的で、種々のディスプレイに用いられている。従来、光拡散フィルムとして、ポリエステルの糸を用いた織布にアクリル系樹脂を塗布したものが知られている(例えば特許文献1)。しかしこのような光拡散フィルムの製造方法は、経糸と緯糸を織り込んでいく必要があるため、織布を作製するのに時間がかかり、生産性が低いという課題があった。
特開平9−304602号公報
従来の光拡散フィルムの製造方法は、経糸と緯糸を織り込んで織布を作製するのに時間がかかるため、生産性が悪いという問題があった。
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、従来法において生産性を悪化させる原因となっていた長繊維を織る方法に代え、複数の短繊維を乾式不織布法によってプレフィルムとする方法を採用することによって、光拡散フィルムの生産性を改善できることを見出した。
本明細書では、複数の短繊維を、例えば乾式不織布法によって集合体としたものを、光拡散フィルムの前段階という意味で、プレフィルムという。
従来の製造方法では、仮に緯糸の挿入速度を1000本/分としても、織布の生産速度は0.1m/分程度であるが、本発明の製造方法によれば、生産速度を10m/分以上とすることができるため、従来の100倍以上の生産性が得られる。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明の光拡散フィルムの製造方法は、複数の短繊維と、短繊維同士を結合する透明樹脂とを備えた光拡散フィルムを製造する方法であって、複数の短繊維を乾式不織布法によってプレフィルムにする工程Aと、工程Aで得られたプレフィルムの少なくとも片面に、固化または硬化により透明樹脂を形成する塗布液を塗布し、塗布された塗布液を固化または硬化させて光拡散フィルムを形成する工程Bとを含むことを特徴とする。乾式不織布法は、複数の短繊維を空気中に分散させ、金網上に捕集して乾式ウェブを作製する不織布の製造方法である。固化または硬化後に透明樹脂を形成する塗布液は、固化または硬化させることにより透明樹脂となる。
(2)本発明の光拡散フィルムの製造方法は、短繊維の長さが、0.2mm〜15mmであることを特徴とする。
(3)本発明の光拡散フィルムの製造方法は、工程Aが、複数の短繊維を空気中に分散させ、金網上に捕集して乾式ウェブを作製する工程a1と、乾式ウェブを加熱し、乾式ウェブ中の複数の短繊維同士を融着させる工程a2とを含むことを特徴とする。
(4)本発明の光拡散フィルムの製造方法は、工程a2が乾式ウェブを熱プレスする工程を含むことを特徴とする。
(5)本発明の光拡散フィルムは、上記の製造方法により製造された光拡散フィルムであって、短繊維の平均屈折率nが、透明樹脂の平均屈折率nと異なることを特徴とする。ここで、
短繊維の平均屈折率n=(長軸方向の屈折率+短軸方向の屈折率×2)/3、
透明樹脂の平均屈折率n=(異常光に対する屈折率+常光に対する屈折率×2)/3
とする。短軸とは、短繊維の重心を通り、長軸に直交する軸をいう。
(6)本発明の光拡散フィルムは、短繊維が、第一の屈折率領域と、第一の屈折率領域と異なる屈折率をもつ第二の屈折率領域とを有することを特徴とする。
(7)本発明の光拡散フィルムは、短繊維が、第二の屈折率領域の内部に、単一の第一の屈折率領域を有する芯鞘構造であることを特徴とする。
(8)本発明の光拡散フィルムは、短繊維が、第二の屈折率領域の内部に、複数の第一の屈折率領域を有する海島構造であることを特徴とする。
(9)本発明の光拡散フィルムは、第一の屈折率領域の平均屈折率nと、第二の屈折率領域の平均屈折率nと、透明樹脂の平均屈折率nとの関係が、
<n<n または n<n<n
であることを特徴とする。ここで、
第一の屈折率領域の平均屈折率n=(長軸方向の屈折率+短軸方向の屈折率×2)/3、
第二の屈折率領域の平均屈折率n=(長軸方向の屈折率+短軸方向の屈折率×2)/3
とする。
(10)本発明の光拡散フィルムは、透明樹脂が光学等方性樹脂であることを特徴とする。光学的等方性樹脂は、面内の複屈折率が0.001未満である樹脂をいう。複屈折率は、屈折率が最大方向の屈折率と最小方向の屈折率の差をいう。
(11)本発明の光拡散フィルムは、透明樹脂が紫外線硬化樹脂であることを特徴とする。
(12)本発明の光拡散フィルムは、短繊維がオレフィン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、およびこれらのブレンドポリマーの、少なくとも一つにより形成されたことを特徴とする。
本発明により、生産性の高い光拡散フィルムの製造方法が実現された。
[本発明の製造方法]
本発明の製造方法は、複数の短繊維と、短繊維同士を結合する透明樹脂とを備えた光拡散フィルムを製造する方法である。
本発明の製造方法は、複数の短繊維を乾式不織布法によってプレフィルムとする工程Aと、工程Aで得られたプレフィルムの少なくとも一方の表面に、固化または硬化により透明樹脂を形成する塗布液を塗布し、塗布された塗布液を固化または硬化させて透明樹脂を形成させる工程Bとを含む。
この製造方法は、織布を用いた従来の製造方法と比べて、プレフィルムの生産速度が大幅に速いため、結果として光拡散フィルムの生産性を大幅に高くできる。
本発明の製造方法は、上記の工程Aおよび工程Bを含むものであれば、その他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば、工程Aと工程Bとの間に、工程Aで得られたプレフィルムを熱プレスする工程が挙げられる。
[工程A]
本発明の工程Aは、複数の短繊維を乾式不織布法によってプレフィルムとする工程である。短繊維は、別名、ステープルファイバーまたはチョップトファイバーともいわれる。短繊維の繊維長は、好ましくは0.2mm〜15mmであり、より好ましくは1mm〜8mmであり、さらに好ましくは3mm〜6mmである。
上記の範囲であれば、複数の短繊維を乾式不織布法によって効率よく集積し、絡ませることができ、機械的強度に優れたプレフィルムを得ることができる。短繊維は、例えば、紡糸した長繊維を所定の長さに裁断することにより得ることができる。短繊維の径は、好ましくは1μm〜50μm、さらに好ましくは2μm〜30μmである。
短繊維を形成する材料は、特に制限はなく、透明性に優れた材料が採用できる。短繊維を形成する材料としては、例えばオレフィン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、エステル系ポリマー、スチレン系ポリマー、イミド系ポリマー、アミド系ポリマー、液晶ポリマーおよびそれらのブレンドポリマーなどがある。
この中でも柔軟性が高く加工性に優れたオレフィン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、およびこれらのブレンドポリマーが好ましい。
短繊維の平均屈折率nは、好ましくは1.3〜1.8、より好ましくは1.4〜1.7である。このような短繊維の平均屈折率nは、短繊維材料に導入する有機基の種類、および/または含有量を変えることにより、適宜増加ないし減少させることができる。
例えば、環状芳香族性の基(フェニル基など)を短繊維材料中に導入することにより、短繊維の平均屈折率nを大きくすることができる。他方、脂肪族系の基(メチル基など)を短繊維材料中に導入することにより、短繊維の平均屈折率nを小さくすることができる。
プレフィルム(不織布)の作製方法としては、乾式不織布法、スパンボンド法、メルトブロー法などが挙げられるが、本発明においては乾式不織布法が好ましい。乾式不織布法は、短繊維分散剤として溶媒を使用する必要が無いため、環境に優しく、コスト面で有利である。
乾式不織布法は、乾式ウェブ作製法とボンディング法とで構成される。乾式ウェブは、短繊維だけで構成されているもので、短繊維同士をまだ固定していない状態のものをいう。乾式ウェブ作製法は、複数の短繊維から乾式ウェブを作製するものであれば、特に制限はなく、エアレイド法、カーディング法などが挙げられる。カーディング法は繊維を機械的に傷つけるおそれがあるため、エアレイド法が好ましい。
ボンディング法は、乾式ウェブ中の複数の短繊維同士を接合させるものであれば、特に制限はなく、ケミカルボンド(レジンボンド)法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、ウォーターパンチ(水流交絡)法、ステッチボンド法などが挙げられる。
ボンディング法としては、形態安定性、表面の平滑性、生産性を考慮すると、サーマルボンド法が好ましい。
本発明に用いられる乾式不織布法は、好ましくは、エアレイド法により乾式ウェブを作製し、乾式ウェブ中の複数の短繊維同士をサーマルボンド法により接合するものである。
したがって、本発明の製造方法の工程Aは、好ましくは、複数の短繊維を空気中に分散させ、金網上に捕集して乾式ウェブを作製する工程a1と、乾式ウェブを加熱し、乾式ウェブ中の複数の短繊維同士を融着させる工程a2とを含む。
上記の乾式ウェブは嵩高いため、熱プレスすることが好ましい。したがって、工程a2は、より好ましくは、乾式ウェブを熱プレスする工程である。熱プレス後の乾式ウェブの秤量は、好ましくは、1g/m〜1000g/mである。
上記の乾式ウェブは、複数の短繊維を含むものであれば、特に制限はなく、任意の添加剤を含有しうる。そのような添加剤としては、紫外線吸収剤、界面活性剤、糊剤、バインダー繊維などが挙げられる。
[工程B]
本発明の工程Bは、工程Aで得られたプレフィルムの、少なくとも片面に、固化または硬化により透明樹脂を形成しうる塗布液を塗布し、塗布された塗布液を固化または硬化させて光拡散フィルムを形成する工程である。
上記の塗布液は、透明樹脂を形成するものであれば、特に制限はないが、例えば、透明樹脂を溶媒に溶解させたもの、または分散媒に分散させたものである。
本発明において「透明樹脂」とは、好ましくは、波長546nmにおいて透過率80%以上のものをいう。本発明に用いられる透明樹脂は、複数の短繊維同士を結合し、透明性に優れる任意の材料により形成される。
透明樹脂を形成する材料としては、例えば、紫外線硬化樹脂などのエネルギー線硬化樹脂、セルロース系ポリマー、ノルボルネン系ポリマーなどが挙げられる。透明樹脂としてはエネルギー硬化樹脂が好ましく、紫外線硬化樹脂が特に好ましい。紫外線硬化樹脂は高速でフィルム化できるため生産性に優れる。
透明樹脂の平均屈折率nは、好ましくは1.3〜1.7であり、より好ましくは1.4〜1.6である。透明樹脂の平均屈折率nは、短繊維の場合と同様、樹脂に導入する有機基の種類、および/または含有量を変えることにより、適宜増加ないし減少させることができる。
本発明に用いられる透明樹脂は、好ましくは、屈折率異方性の小さい光学的等方性樹脂である。本発明において「光学的等方性樹脂」とは、面内の複屈折率が0.001未満である樹脂をいう。複屈折率は、屈折率が最大方向の屈折率と、最小方向の屈折率との差である。
透明樹脂の使用量は短繊維の100重量部に対して、好ましくは、10重量部〜500重量部である。
上記の塗布液をプレフィルムの表面に塗布する方法は、特に制限はなく、任意のコータを用いた塗布方法が用いられる。コータとしては、例えばスロットオリフィスコータ、ダイコータ、バーコータ、カーテンコータなどが挙げられる。また、プレフィルムを任意の方法で、塗布液に含浸させてもよい。
塗布液を塗布するプレフィルムの面は、特に制限はなく、片面でも両面でもよい。塗布液は複数の短繊維を包埋するように塗布してもよいし、複数の短繊維の一部同士を結合するように塗布してもよい。後者の場合は、短繊維の一部が露出した状態となるが、塗布液と全く接していない短繊維はない。
工程Bにおいて、塗布された塗布液は任意の方法で固化または硬化される。本発明において「固化」とは、軟化または溶融した樹脂(ポリマー)を冷却して固体にすること、または、溶媒に溶解されて溶液状になった樹脂(ポリマー)の溶媒を除去して固体にすることをいう。「硬化」とは熱、触媒、光、放射線などによりポリマーを架橋させ、難溶・難融にすることをいう。
固化または硬化の条件は、用いる透明樹脂の種類によって適宜決定される。透明樹脂として紫外線硬化樹脂が用いられる場合、その硬化条件は紫外線の照度が、好ましくは5mW/cm〜1000mW/cmであり、積算光量が、好ましくは100mJ/cm〜5000mJ/cmである。
[光拡散フィルム]
図1に、本発明の光拡散フィルム10の模式的な平面図を示す。本発明の光拡散フィルム10は、複数の短繊維11と、短繊維11同士を結合する透明樹脂12とを備える。
本発明の光拡散フィルム10の厚みは、好ましくは5μm〜200μmである。
光拡散フィルム10の中において、複数の短繊維11は特定の方向に偏って配向していてもよいし、特に偏って配向していなくてもよい(無配向)。短繊維11が特定の方向に偏って配向している場合、光拡散フィルム10は一方向の拡散特性を示し、無配向の場合は全方向の拡散特性を示す。
光拡散フィルム10は、短繊維11の平均屈折率が、透明樹脂12の平均屈折率と異なることによって、入射光を広範囲に拡散しながら出射することができる。
短繊維11の平均屈折率nと、透明樹脂12の平均屈折率nとの差の絶対値|n−n|は、好ましくは0.001以上であり、より好ましくは0.01〜0.15である。このようにすることにより、広い拡散特性をもつ出射光を得ることと、後方散乱を抑制することを両立させることができる。
短繊維11は、好ましくは、第一の屈折率領域と第二の屈折率領域とを有する。第一の屈折率領域は第二の屈折率領域の内部にあり、第二の屈折率領域とは異なる屈折率をもつ。この構成の光拡散フィルム10は、各部材間の屈折率差を小さくし、屈折率を段階的に変化させることができるので、各部材の界面で生じる反射が抑制され、後方散乱を小さくすることができる。後方散乱とは、入射方向に対して、90°〜180°の角度をなす方向への散乱をいう。
上記のように2種類の屈折率領域を有する短繊維11としては、例えば、図2(a)に示す、第二の屈折率領域22の内部に、単一の第一の屈折率領域21を有する短繊維20(芯鞘構造といわれる)や、図2(b)に示す、第二の屈折率領域32の内部に、複数の第一の屈折率領域31を有する短繊維30(海島構造といわれる)などが挙げられる。
図2(a)、図2(b)では、短繊維20、30が、第一の屈折率領域21、31と第二の屈折率領域22、32からなるものを示しているが、本発明に用いられる短繊維11は、任意の材料からなる図示しない第三の屈折率領域や、光学的等方性領域を有していてもよい。
また、図2(a)、図2(b)では第一の屈折率領域21、31が円柱状であるが、この形状は三角柱や四角柱のような多角柱でもよく、任意である。さらに第一の屈折率領域21、31は第二の屈折率領域22、32の内部に均等に分布している必要は無く、偏在していてもよい。さらに、図2(a)、図2(b)では第二の屈折率領域22、32の外形が円柱状であるが、この形状は三角柱や四角柱のような多角柱でもよく、任意である。
第一の屈折率領域21、31の平均屈折率nと、第二の屈折率領域22、32の平均屈折率nと、短繊維20、30同士を結合する透明樹脂12の平均屈折率nとの関係は、n<n<n または n<n<nであることが好ましい。
このように屈折率が段階的に変化する光拡散フィルム10は、各部材の界面における屈折率差が小さくなるため、透明樹脂12と短繊維11との界面で発生する界面反射を少なくすることができ、後方散乱をより一層小さくすることができる。
幅広い拡散特性を得ることと、後方散乱を抑制することとを両立させる観点から、第一の屈折率領域21、31の平均屈折率nと、透明樹脂12の平均屈折率nとの差の絶対値|n−n|は0.001以上であることが好ましく、0.01〜0.15であることがより好ましい。
[用途]
本発明の光拡散フィルムは、例えば、コンピュータ、コピー機、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末、携帯ゲーム機、ビデオカメラ、液晶テレビ、電子レンジ、カーナビゲーション、カーオーディオ、店舗用モニター、監視用モニター、医療用モニターなどの液晶パネルに好適に使われる。
また、本発明の光拡散フィルムの好適な用途の一つとして、偏光解消素子が挙げられる。偏光解消素子は、例えば、液晶パネルの最表面に配置され、偏光サングラスをかけた使用者の視認性を改善できる。
偏光解消素子として用いられる場合、光拡散フィルムのヘイズは、好ましくは、10%〜80%である。また、光拡散フィルムに含まれる短繊維の繊維長は、好ましくは、0.2mm〜10mmであり、短繊維の平均屈折率nと、透明樹脂の平均屈折率nとの差の絶対値|n−n|は、好ましくは、0.03以下である。
[実施例1]
エチレン・ビニルアルコール共重合体(日本合成化学社製ソアノールDC321B、融点181℃)を270℃で溶融し、単一構造繊維紡糸用ノズルに注入し、引き取り速度600m/分で紡糸して、直径30μmの紡糸フィラメントを得た。この紡糸フィラメントを100℃で元長の4倍に延伸し、直径15μmの長繊維(1)を得た。
ポリエチレン(日本ポリエチレン社製ノバテックLF128、融点111℃)を160℃で溶融し、単一構造繊維紡糸用ノズルに注入し、引き取り速度600m/分で紡糸して、直径30μmの紡糸フィラメントを得た。この紡糸フィラメントを100℃で元長の4倍に延伸し、直径15μmの長繊維(2)を得た。
上記の長繊維(1)および長繊維(2)を、それぞれ長さ5mmに切断して、二種類の短繊維とした。この二種類の短繊維を重量比率8:2の割合で混合し、空気中に分散させた。次に、空気中に分散させた短繊維を金網上で捕集し、乾式ウェブを得た(工程a1)。次に、乾式ウェブを120℃、1分間、10MPaの条件で熱プレスして、複数の短繊維同士を接合し、厚み50μm、秤量10g/mのプレフィルムを得た(工程a2)。このとき、プレフィルムの生産速度は10m/分であった。
上記のプレフィルムの片面に、光学等方性の透明樹脂として、ポリエステルアクリレート系紫外線硬化樹脂(サートマー社製CN2302)の塗布液を、プレフィルムが包埋されるように塗布した。次に、塗布された塗布液に紫外線を照射して(照度=40mW/cm、積算光量1000mJ/cm)硬化させ、複数の短繊維を結合して、厚み70μmの光拡散フィルムを作製した。紫外線硬化樹脂の使用量は、短繊維100重量部に対して100重量部であった。
この光拡散フィルムの構成部材の平均屈折率と出射光の拡散特性は表1の通りであった。
[実施例2]
エチレン・ビニルアルコール共重合体(日本合成化学社製ソアノールDC321B、融点181℃)と、プロピレン過多のエチレン・プロピレン共重合体(日本ポリプロ社製OX1066A、融点138℃)を、それぞれ270℃および230℃で溶融し、海島複合繊維紡糸用ノズル(繊維断面当たりの島数が37)に注入して引き取り速度600m/分で紡糸し、直径30μmの紡糸フィラメントを得た。
この紡糸フィラメントを100℃で元長の4倍に延伸し、直径15μmの長繊維(3)を得た。この長繊維(3)の断面を電子顕微鏡にて観察したところ、エチレン・プロピレン共重合体からなる第二の屈折率領域(海部)のなかに、エチレン・ビニルアルコール共重合体からなる円柱状(直径1μm)の第一の屈折率領域(島部)が分布して、海島構造を形成していることが確認できた。
上記の長繊維(2)および長繊維(3)をそれぞれ長さ5mmに切断して、二種類の短繊維とした。この二種類の短繊維を重量比率2:8の割合で混合し、後の工程は実施例1と同様にして、光拡散フィルムを作製した。
この光拡散フィルムの構成部材の平均屈折率と出射光の拡散特性は表1の通りであった。
Figure 2010152189
[評価]
経糸と緯糸を織り込んで織布を製造する従来の光拡散フィルムの製造方法においては、仮に緯糸の挿入速度を1000本/分としても、織布の生産速度は0.1m/分程度である。これに対して、本発明の実施例1および2におけるプレフィルムの生産速度は10m/分であったから、本発明の製造方法により、従来の製造方法の100倍の生産速度が得られた。
[測定方法]
[ヘイズ]
村上色彩技術研究所製HM−150を用いて、JIS K7136 :2000に準じて測定した。
[繊維の平均屈折率]
室温(25℃)、波長546nmにおける屈折率をオリンパス社製の偏光顕微鏡を用いて、ベッケ線法により測定した。
[透明樹脂の屈折率]
室温(25℃)、波長546nmにおける屈折率をSairon Technology社製プリズムカプラーにより測定した。
[後方散乱]
光拡散フィルムの裏面に黒アクリル板を貼着し、光拡散フィルムの表面を白色蛍光灯で照らし、反射光の光量を目視観察した。
光拡散フィルムの模式的な平面図 本発明に用いられる短繊維の模式図
符号の説明
10 光拡散フィルム
11 短繊維
12 透明樹脂
20 芯鞘構造の短繊維
21 第一の屈折率領域
22 第二の屈折率領域
30 海島構造の短繊維
31 第一の屈折率領域
32 第二の屈折率領域

Claims (12)

  1. 複数の短繊維と、前記短繊維同士を結合する透明樹脂とを備えた光拡散フィルムを製造する方法であって、
    前記複数の短繊維を乾式不織布法によってプレフィルムにする工程Aと、
    前記工程Aで得られたプレフィルムの少なくとも片面に、固化または硬化により透明樹脂を形成する塗布液を塗布し、塗布された前記塗布液を固化または硬化させて光拡散フィルムを形成する工程Bとを含むことを特徴とする光拡散フィルムの製造方法。
  2. 前記短繊維の長さが、0.2mm〜15mmであることを特徴とする請求項1に記載の光拡散フィルムの製造方法。
  3. 前記工程Aが、
    複数の短繊維を空気中に分散させ、金網上に捕集して乾式ウェブを作製する工程a1と、
    前記乾式ウェブを加熱し、前記乾式ウェブ中の複数の短繊維同士を融着させる工程a2とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散フィルムの製造方法。
  4. 前記工程a2が、前記乾式ウェブを熱プレスする工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の光拡散フィルムの製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載された製造方法により製造された光拡散フィルムであって、前記短繊維の平均屈折率nが、前記透明樹脂の平均屈折率nと異なることを特徴とする光拡散フィルム。
  6. 前記短繊維が、第一の屈折率領域と、前記第一の屈折率領域と異なる屈折率をもつ第二の屈折率領域とを有することを特徴とする請求項5に記載の光拡散フィルム。
  7. 前記短繊維が、前記第二の屈折率領域の内部に、単一の前記第一の屈折率領域を有する芯鞘構造であることを特徴とする請求項6に記載の光拡散フィルム。
  8. 前記短繊維が、前記第二の屈折率領域の内部に、複数の前記第一の屈折率領域を有する海島構造であることを特徴とする請求項6に記載の光拡散フィルム。
  9. 前記第一の屈折率領域の平均屈折率nと、前記第二の屈折率領域の平均屈折率nと、前記透明樹脂の平均屈折率nとの関係が、
    <n<n または n<n<n
    であることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  10. 前記透明樹脂が、光学等方性樹脂であることを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  11. 前記透明樹脂が、紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  12. 前記短繊維が、オレフィン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、およびこれらのブレンドポリマーの、少なくとも一つにより形成されたことを特徴とする請求項5から11のいずれかに記載の光拡散フィルム。
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