JP2008058958A - 光拡散フィルムおよびそれを用いた面光源 - Google Patents

光拡散フィルムおよびそれを用いた面光源 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、輝度ムラを効率良く解消し、画面上の均斉度と高輝度特性を両立することができる光拡散フィルムと、それを用いた高輝度かつ高均斉度を兼ね備えた新規な直下型バックライトとなり得る面光源を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の光拡散フィルムは、フィルム内部に光拡散素子あるいは気泡を含有するフィルムであって、入射角度60°での最小変角度(θ60min)が12°以上及び最大変角度(θ60max)が108°以下、並びに、フィルムの総厚みが10μm〜1000μmであることを特徴とするものである。
また、本発明の面光源は、上記光拡散フィルムを用いて構成されていることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、輝度ムラがなく、画面上の均斉度と高輝度特性を両立することができる光拡散フィルムおよびそれからなる面光源に関するものである。
近年、パソコン、テレビあるいは携帯電話などの表示装置として、液晶素子を用いたディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、単に光を照射するだけでなく、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、サイドライト型バックライトもしくは直下型バックライトと呼ばれる面光源の構造のものが採用されている。このとき、バックライトの出射光にムラがあるとディスプレイの画質が低下するため、画面全体を均一に照射することが要求される。
なかでも、テレビなどには、直下型バックライトが好適に用いられる。直下型バックライトとは、中空の筐体に光源を配置し、該光源から出射光を該筐体に主たる一平面から出射させる方式の面光源である(例えば特許文献1)。すなわち、光出射面のすぐ下の位置に多数の冷陰極管等の光源が配置される構造となる。
このため、種々のバックライトの中でも直下型バックライトでは、画面上で光源の真上に当る位置とそうでない位置で大きな輝度差が生じやすく、輝度ムラとして認識されやすいという課題がある。このため、一般に光出射面には非常に強い光拡散性を有する半透明の乳白板(いわゆる光拡散板)を用い可能な限り輝度ムラを低減させている。この光拡散板には、有機・無機の微粒子(好ましくはシリコーンの樹脂)などを混入した厚さ数mmのアクリルやポリカーボネートなどからなる樹脂の板が用いられている。
さらに、それでも均一性が不足する場合、光拡散板に直接遮光パターンを印刷したものを光拡散板に重ねることによって光源の上部から透過する光を部分的に遮り、画面全体の輝度を均一化させたもの等も提案されている(特許文献2)。
一方、液晶ディスプレイ等における画面輝度はより高い輝度が求められており、これに対しては光源の光出射強度をより大とするなどの手法が採られている。この場合、輝度ムラはさらに生じやすくなるため、光拡散板の厚みのさらなる増大、微粒子の添加量をさらに増加することによって、光拡散板の光拡散性を増大させ、輝度ムラの解消が試みられてきた。
特開平5−119311号公報 特開2002−82624号公報
しかしながら、従来の拡散板には必要とする輝度ムラ低減効果を得るためには、数mmの厚さを必要としていたため、バックライトの薄型化、軽量化には限界があった。
同時に拡散板は必要な形状に裁断する必要があり、さらに遮光パターンの印刷などの後加工によりさらに高機能化することが可能であるが、厚い樹脂板の場合、これらの後加工が非常に大掛かりな装置を必要とするとともに、一枚一枚処理する必要があることから、生産性の点で課題があり、結果的に高コストとなっていた。
また、これら樹脂板では高い均一性や無欠点性が必要であるため、バックライト組み立て時において、厚い樹脂板の取り扱いや保管にも大型の専用設備を必要とする場合があり、結果として生産性が低下していた。
さらに、先述したように高い画面輝度を求めて、光源の出射光強度をより大きくした場合、輝度ムラを解消するために光拡散板の光拡散性もより大きくする必要がある。しかしながら光拡散板の光拡散性を単に増大させると、光拡散性は向上するものの、光線透過率が低下してしまい、光源の出射光強度の増大による輝度向上効果がなくなるという課題があった。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、輝度ムラを効率良く解消し、画面上の均斉度と高輝度特性を両立することができる光拡散フィルムと、それを用いた高輝度かつ高均斉度を兼ね備えた新規な直下型バックライトとなり得る面光源を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の光拡散フィルムは、フィルム内部に光拡散素子あるいは気泡を含有するフィルムであって、後述する測定方法により定義される入射角度60°での最小変角度(θ60min)が12°以上及び最大変角度(θ60max)が108°以下、並びに、該フィルムの総厚みが10μm〜1000μmであることを特徴とするものである。
また、本発明の面光源は、光拡散フィルムを用いて構成されていることを特徴とするものである。
本発明の光拡散フィルムは、パソコン、テレビあるいは携帯電話などの表示装置、特に液晶表示装置などの平面表示装置に用いられる面光源用として好適である。さらに詳しくは、いわゆる直下型面光源やサイドライト型面光源の出射面に装着して用いられたり、さらにはそれを用いた直下型面光源、サイドライト型面光源に好適に用いられる面光源を提供することができる。
本発明は、上記課題、つまり輝度ムラを効率良く解消し、画面上の均斉度と高輝度特性を両立することができる光拡散フィルムについて、鋭意検討し、フィルム内部に拡散性を有する光拡散素子あるいは気泡を含有し、その数密度と形状を制御することによって、フィルムに斜めに入射した光の出射角度を入射角度よりも小さい角度とし、斜めに入射した光を0°方向に傾けることができることを究明し、初めて前記課題を一挙に解決することができることを見出し、本発明に達した。
以下本発明において、0°方向とは、フィルム面に垂直で、かつ、フィルム面から光が出ていく側の方向のことである。入射角度とは、入射光の入射方向と0°方向とがなす角度(鋭角)のことである。出射角度とは、出射光の出射方向と0°方向とがなす角度(鋭角)のことである。なお、入射方向と出射方向とは、フィルム面に垂直な1つの平面上にある。また、0°方向軸に対して、入射光と透過光が反対側にある場合の出射角度をプラスとし、同じ側にある場合の出射角度をマイナスとする(図1を参照)。
本発明の光拡散フィルムは、フィルム内部に光拡散素子あるいは気泡を有することが必要である。ここでいう光拡散素子とは、ガラス、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの無機微粒子、またはアクリル樹脂、有機シリコーン樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、尿素樹脂、ホルムアルデヒド縮合物、フッ素樹脂などの有機微粒子あるいは気泡などであるが、特にこれらに限定されるものではない。また、ここでいう気泡とは空気により構成されたものを言う。また、これらは、1種または2種以上混合して使用することが可能である。
光拡散素子あるいは気泡の平均粒子径は、通常1〜50μmであることが好ましい。より好ましくは1〜30μmで、さらに好ましくは1〜20μmである。粒子径を1μmより大きくすることにより、高輝度の画面を得ることができ、また50μmより小さくすることにより、フィルムの強度を低下させることなく、良好な光拡散性を得ることができる。
また、これら光拡散素子の屈折率は、フィルムの主たる構成成分と屈折率が異なることが重要である。光拡散素子とフィルムの主たる構成成分が同一であると、主たる構成成分と光拡散素子の界面における屈折および反射による光拡散現象が起こらず、所望の光拡散効果が得られない。さらに、有効な光拡散性を得るために、フィルムの主たる構成成分と微粒子の屈折率差が0.01以上であることが好ましい。屈折率差が0.01未満では光拡散効果が少なく、良好な拡散効果を得るためには、多量の粒子の添加やフィルム膜厚の増大などが必要となり、機械強度が弱くなったり、所望の膜厚より厚すぎるなどの影響が出ることがある。
また、拡散素子あるいは気泡の断面形状は、円や楕円、三角形、四角形などの多角形、あるいはこれらの一部分の集合体など、特に限定されるものではないが、本発明においては、円に近い形状であることが好ましい。なお、ここでいう拡散素子と気泡の断面形状とは、フィルムをフィルム面に対して垂直に切断した場合に観察される断面形状のことである。
また、光拡散フィルム中に配合される光拡散素子あるいは気泡の割合は、求める光拡散性の程度により適宜選択される。体積分率で好ましくは0.01%から50%、さらに好ましくは、0.1%〜25%である。
本発明の光拡散フィルムは、入射角度60°の時の透過光の相対強度が最大となる出射角度(θ)と入射角度の差(変角度(θ60)=60−θ)がフィルム面内方向全てについて12°以上108°以下であることが必要である。ここで、「フィルムの面内方向全てについて」とは、入射光が、フィルムに対していずれの方向から入射角度60°で入射した場合であっても、θ60が12°以上108°以下となることを意味する。言い換えると、入射角60°での最小変角度(θ60min)が12°以上、及び最大変角度(θ60max)が108°以下であることが必要である。なお、θ60、θ60min、θ60maxの詳細な求め方は、後述の測定方法にて説明する。
光拡散フィルムに入射した光は、拡散素子あるいは気泡に入射する際、入射角度が異なる角度で入射して屈折し、また拡散素子あるいは気泡に入射した界面と出射界面が平行でないため、出射角と入射角を不一致とし、変角作用を発現することができる。拡散素子あるいは気泡のうち、扁平度が1.4未満のものが拡散層あたりの数密度を62個以上に制御し、光の屈折回数を制御することで、θ60minが12°以上及びθ60maxが108°以下を達成することができる。ここで「拡散層」とは、積層フィルムの場合は拡散素子あるいは気泡を含有した層のことをいい、未積層フィルムの場合は拡散素子あるいは気泡を含有したフィルム全体のことをいう。
拡散素子あるいは気泡の扁平度を1.4未満にするためには、フィルムを延伸する際に少なくとも二方向以上に延伸することが重要で、かつ二方向の延伸倍率の比が1〜1.1であることが重要となる。延伸倍率の比を同程度とすることで、拡散素子あるいは気泡は比較的均等に延伸され、扁平度を小さくすることが可能となる。さらに拡散素子を用いた場合は通常延伸後に実施する熱処理の温度をフィルムの主たる構成成分の融点以上に上昇する必要がある。この際、主たる構成成分のみからなるフィルムでは、融点以上の温度にすると融着する恐れがあるため、主たる構成成分からなる層の片面あるいは両面に、主たる構成成分以上の融点を有する層を設けると、熱処理中の融着を防ぎ生産性を向上させることが可能となる。拡散素子が存在する状態でフィルムを延伸するとボイドが発生することがあり、ボイドを消滅させるためには熱処理温度を高温にし、フィルムの主たる構成成分の運動性を増加させることが重要となる。熱処理温度が低いと、拡散素子あるいは気泡の平均粒子径が大きくなり、拡散層あたりに存在できる拡散素子あるいは気泡の数密度が小さくなり、拡散層あたりの数密度を62個以上とすることができなくなる。
通常、光がフィルムに入射すると、入射方向と透過光が最大となる出射方向は一致するが、フィルム面内方向全てについてθ60をかかる範囲(θ60minが12°以上及びθ60maxが108°以下)にすることで、光源からフィルムに60°で入射した光の出射方向を傾け、0°方向へ出射する成分を増加させることができ、正面輝度を上昇させることができる。θ60が12°未満では、光源からフィルムに60°で入射した光の出射方向を十分に傾けることができず、正面輝度を効果的に向上させることが不可能で、暗い画面となる。また、θ60が108°以上では、60°で入射した光を傾けすぎ、正面方向へ出射する成分を効果的に増加させることができずに暗い画面となる。より好ましくは、θ60minが15°以上及びθ60maxが105°以下、さらに好ましくはθ60minが18°以上及びθ60maxが102°以下である。θ60の範囲の下限を大きくすると、光拡散フィルムに斜めに入射した光を傾け、正面方向へ出射する能力をより強くすることができ、正面輝度を上昇させることができる。また、θ60の範囲の上限を小さくすることで、光拡散フィルムに斜めに入射した光を強く傾けすぎることを防ぎ、正面方向に出射する成分の増加を促し、正面輝度の向上に有効である。
また、フィルムの総厚みは10μmから1000μmであることが必要である。より好ましくは20μm〜500μmで、さらに好ましくは50μmから300μmである。ここで「フィルムの総厚み」とは、未積層のフィルムの場合は、フィルム全体の厚みである。また積層フィルムの場合は、拡散層と拡散素子あるいは気泡を有さない層とのすべてを含む厚みのことをいう。さらにフィルムの片面あるいは両面に微細な凹凸形状を有する場合には、フィルムの厚みに微細な凹凸形状の高さを加えた厚みのことをいう。フィルムの総厚みをかかる範囲にすることにより、コスト、ハンドリング性の利点が顕著となる。厚みが1000μm以上の光拡散フィルムでは、原料の使用量が増え、高コストとなり不適である。厚みが10μm以下ではハンドリング性が悪く、バックライト組み立て時において、専用の設備を必要とする場合があり、結果的に高コストとなる。
また、入射角度30°の時の透過光の相対強度が最大となる出射角度(θ)と入射角度の差(変角度θ30=30−θp)が、フィルムの面内方向全てについて3°以上57°以下であることが好ましい。ここで変角度θ60の場合と同様に、「フィルムの面内方向全てについて」とは、入射光が、フィルムに対していずれの方向から入射角度30°で入射した場合であっても、θ30が3°以上57°以下となることを意味する。言い換えると、入射角30°での最小変角度(θ30min)が3°以上、及び最大変角度(θ30max)が57°以下であることが必要である。なお、θ30、θ30min、θ30maxの詳細な求め方は、後述の測定方法にて説明する。
かかる要件を満たすには、拡散素子あるいは気泡のうち、扁平度が1.4未満のものが、拡散層あたりの数密度を増加させ、85個以上とし、屈折回数を増加させることで達成できる。かかる要件を満足することにより、光源からフィルムに30°で入射した光を0°方向へと傾けることが可能で、30°の入射角度の光のうち、0°方向へ出射する光を効果的に増加させ、正面輝度を向上させることができ、より明るい画面とすることができる。フィルム法線に対して30度傾いて入射した光をより効率的に、正面方向へ向けることが可能となり、輝度が上昇した明るい画面とすることができる。より好ましくはθ30minが5°以上及びθ30maxが55°以下で、さらに好ましくはθ30minが7°以上及びθ30maxが53°以下である。かかる範囲にすることで、さらに効果的に30°で入射した光を正面方向へ向けることが可能となり、輝度が上昇した明るい画面とすることができる。θ30の範囲の下限を大きくすると、光拡散フィルムに斜めに入射した光を傾け、正面方向へ出射する能力をより強くすることができ、正面輝度を上昇させることができる。また、θ30の範囲の上限を小さくすることで、光拡散フィルムに斜めに入射した光を強く傾けすぎることを防ぎ、正面方向に出射する成分の増加を促し、正面輝度の向上に有効である。
また、本発明の光拡散フィルムは、フィルム表面の少なくとも片面に微細な凹凸形状を付与することが好ましい。ここでいう微細な凹凸形状は、凹凸形状の接線方向が連続的に変化していることが好ましい。接線方向が不連続に変化する点が存在すると、その場所は光が強く透過するなどの要因により生じる輝点となったり、光を強く反射するなどの要因により生じる暗点となり、画面の見た目を劣化させるため好ましくない。さらに、凹凸形状の接線方向が変化せずに一定であると、ある入射角の入射光は、全反射条件となり、光を効率よく使用することができず、画面が暗くなる。
また微細な凹凸形状の平均周期は1〜1000μmであることが好ましい。微細な凹凸形状の平均周期が1μm以下では、光は波動性を示すようになり、拡散現象を支配する幾何光学に従わなくなり、表面に形状を設けた意味がなくなる。また、微細な凹凸形状の平均周期が1000μmを超えると、形状が目に見えるようになり、画面の見た目が悪くなる。かかる要件を満足することにより、変角度をより大きくすることが可能となる。より好ましくは1〜100μmで、さらに好ましくは1〜50μmで、形状を小さくすることで、凹凸形状の数を増やすことができ、さらに効率的に変角度を所望の範囲にすることができ、正面輝度が向上した画面を得ることができる。
また本発明の光拡散フィルムの微細な凹凸形状はその断面形状が、同じ形で同じ大きさの形状が繰り返される規則的なパターンよりも、形や大きさが不規則に異なる形状が並んだ不規則なパターンのほうが好ましい態様である。不規則なパターンであると、光干渉縞やモアレ模様を防止し、欠陥も目立ちにくくし、バックライトに搭載したときの均斉度が向上する。
ここでいう不規則なパターンの好ましいサイズの一例を挙げると、周期は2〜15μm、高さは0.5〜10μmの範囲である。ここで、周期とは凹凸形状の隣接する頂部間の長さ、高さとは凹凸形状のパターンの隣接する凹部を結ぶ直線から頂部までの厚み方向長さのことをいう。また、この範囲は一例を示しており、この範囲外においても、前述の平均周期の範囲内であれば好ましく用いることができる。
かかる微細な凹凸形状をフィルムに付与する方法は特に限定されるものではないが、熱インプリント法や光インプリント法などが挙げられる。
熱インプリントとは、表面に微細な凹凸形状を有する金型とフィルムを熱し、フィルムにその金型を押し込み、冷却した後に離形し、フィルムに金型の微細な凹凸状を転写する方法である。ここで熱インプリント法に用いられるフィルムはアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエステルなどからなるものが挙げられる。
一方光インプリント法とは、フィルム上に光硬化性樹脂を塗布し、微細な凹凸形状を有する金型を光硬化性樹脂部分に押し付け、金型を押し付けた面と反対方向から紫外光を照射し、光硬化性樹脂を硬化させた後離形し、フィルムに金型の微細な凹凸形状を転写する方法である。ここで光インプリント法に用いられる塗材としてはアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。
また、本発明の光拡散フィルムは、θ30maxとθ30minの角度比θ30rate=θ30max/θ30minが1.1以上であり、かつ、θ60maxとθ60minの角度比θ60rate=θ60max/θ60minが1.1以上であることが好ましい。かかる要件を満たすには、微細な凹凸形状がフィルム面内において凹凸形状が異方性を有し、凹凸形状異方比が2以上であることが重要である。凹凸形状異方比とは、フィルム厚み方向をZ方向、それ以外の面方向をX、Y方向とし、フィルムをXZ断面あるいはYZ断面から観察した場合、YZ断面から求めた凹凸形状の平均周期のほうが大きい場合、YZ断面から求めた凹凸形状の平均周期をXZ断面から求めた凹凸形状の平均周期で除した値を言う。かかる要件を満足すると、光拡散フィルム面内において透過光の強度に異方性を有することができ、光源から出射し、光拡散フィルムに入射する光の強度が不均一な場合、必要な方向に強く光を拡散することを可能とし、輝度ムラの解消とともに、必要方向にのみ強く拡散するため、光の利用効率が良くなり、結果として高輝度化も達成できる。
次に、本発明の光拡散フィルムの製造方法について説明するが、本発明ではこの方法に限定されるものではない。
本発明の光拡散フィルムの原料として用いられる主たる構成成分と光拡散素子は、事前に均一に溶融混練して配合させて作製されたペレット、または直接混練押出機に供給するなどして溶融混練する。ここで成形法について説明すると、例えば、金型に融解射出する射出成形や、押出機からTダイなどを通して溶融押出する押出し成形などの方法が挙げられる。最も好ましい方法は、押出機Aと押出機Bを備えた、複合製膜装置を用い、押出機Aには主たる構成成分の原料を、押出機Bには主たる構成成分と光拡散性素子を含有した原料をそれぞれ供給し、溶融押出しする。これをフィルム状に成形後、必要により延伸工程、熱処理工程を経て、目的の光拡散フィルムを得る。主たる構成成分にポリエステルを用いて作製した光拡散フィルムに関しても同様に、事前に均一に溶融混練して配合させて作製したペレット、または、直接混練し押出機に供給するなどして溶融混練する。成形法について説明すると、例えば、金型に融解射出する射出成形や、押出し機からTダイなどを通して溶融押出しする押出し成形などの方法が挙げられるが、最も好ましい方法は、押出機Aと押出機Bを備えた、複合製膜装置を用い、押出機Aには主たる構成成分と光拡散性素子を含有した原料、押出機Bには主たる構成成分をそれぞれ供給し、溶融押出しする。これをフィルム状に成形後、必要により延伸工程、熱処理工程を経て、目的の光拡散フィルムを得る。
ここで、延伸工程が必要な場合、その延伸方法は長手方向と幅方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸法や、長手方向の延伸と幅方向の延伸を分離して行う逐次二軸延伸法などがあるが、特に限定されるものではない。ここで延伸により光拡散素子あるいは気泡が扁平となることを防ぐため、長手方向と幅方向の延伸倍率の比は1〜1.1以内で行う。
得られた二軸延伸フィルムに平面安定性、寸法安定性を付与し、さらに延伸により発生したボイドを消滅させたり、フィルムの延伸により同時に延伸された光拡散性素子の扁平度を所望の範囲に制御するため、二軸延伸フィルムに熱処理を行う。また熱処理の温度はフィルムの主たる構成成分の融点以上で行う。熱処理後、均一に徐冷を行い、室温付近まで冷却することにより光拡散フィルムが得られる。
本発明の光拡散フィルムは、このフィルムを、光出射面として用いられてなる直下型バックライトとして好適に用いられるものである。このような本発明の光拡散フィルムは、高輝度で薄型、かつ軽量であり、加工性が良く、寸法安定性と強度に優れているので、特に液晶ディスプレイの直下型バックライトに好適に用いられる。また、該光拡散を搭載した直下型バックライトは、光源の数、画面の大きさについても特に制限されることはなく、反射板は反射フィルム単体で用いられたものでも良いし、Al板にラミネートされたもの、光源の配置に合わせて溝加工されたものでも良い。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
[特性の測定方法及び評価方法]
以下の各測定は室温中(20℃〜30℃)で、高湿条件下(80%以上)を避け、大気圧下、かつ大気圧中で行うものとする。
(1)変角度、最大変角度、最小変角度
変角光度計GP−200((株)村上色彩技術研究所)を用いて変角度、最大変角度、最小変角度を測定する。まず、光拡散フィルムに入射光を入射角度0°で入射させ、受光器の角度を0°(出射角度が0°の位置)、すなわち光源と受光器を結ぶ直線を、光拡散フィルムに垂直な直線に平行となるようにして、透過光の強度を測定する。このとき、入射光が光拡散フィルムに入射する点を入射点とする。透過光の強度が85となるように光電子増倍管の感度及び電圧を調整する。
変角度の求め方を説明する。入射光を入射点に向けて入射角度60°で入射する。次に、光拡散フィルムに垂直かつ光源と入射点を含む平面に沿って、入射点を中心に受光器を−90°から90°の範囲で0.1度毎変化させ、透過光の相対強度分布を測定する。装置の概略図及び角度の定義を図1に示す。ここで、入射光15の入射方向と出射角度が0°の方向6に対し、出射光15が図1に示す方向に出射するときの出射角度をプラスとする。
透過光の相対強度が最大となる受光器の角度をθとすると、入射角度からθを引いた値が入射角度60°における変角度θ60である。つまり、θ60=60−θである。同様にして、入射光の入射角度を30°とした場合の変角度θ30は、θ30=30−θで求められる。変角度の定義を図2に示す。
また光拡散フィルムの片面あるいは両面に微細な形状を有し、入射光がどちらの面から入射するかによって変角度が異なる場合は、変角度が大きくなる方の面から入射したときの変角度をその光拡散フィルムの変角度とする。
次に、最大変角度と最小変角度の求め方を説明する。光拡散フィルムに入射光を入射角度0°で入射し、受光器の角度を5°に固定する。入射角度0°での入射光を軸として光拡散フィルムを1°刻みで0から360°まで回転させ、透過光の相対強度を測定する。透過光の相対強度が最大となる位置を回転最大強度位置とし、回転最大強度点から90°回転させた位置を回転最小強度位置とする。透過光の相対強度が変化する様子の模式図を図3に極座標で示す。
回転最大強度位置において、入射光を入射角度30°、60°で入射させたときの変角度を、それぞれ最大変角度θ30max、θ60maxとする。なお、光源、入射点、受光器を含む平面と光拡散フィルムとは垂直である。同様にして、回転最小強度位置において、入射光を入射角度30°、60°で入射させたときの変角度を、それぞれ最小変角度θ30min、θ60minとする。
また、入射角度30°における最大変角度θ30maxと最小変角度θ30minの角度比をθ30rateとし、入射角度60°における最大変角度θ60maxと最小変角度θ60minの角度比をθ60rateとする。
ただし、光拡散フィルムに入射光を入射角度0°で入射し、受光器の角度を5°に固定し、入射角度0°での入射光を軸として光拡散フィルムを1°刻みで360°まで回転させた場合に透過光の相対強度に変化がなく、回転最大強度位置及び回転最小強度位置が規定できない場合、最大変角度と最小変角度は一致する。
(2)フィルムの総厚み
光拡散フィルムの総厚みは、ミツトヨ製ダイヤルゲージを用いて測定する。光拡散フィルムが微細な凹凸を片面に有する場合は、凹凸を有さない面に測定子が接するように光拡散フィルムを設置し測定する。測定は場所を変えて5回行い、その平均値をフィルムの総厚みとする。なお、両面に凹凸を有さない場合や両面に凹凸を有する場合は、どちらの面に測定子を接してもよい。
(3)バックライト輝度及び輝度ムラ
例えば、特開平5−119311号公報にあるような直下型バックライトから冷陰極線管の上に設置されていた拡散板(厚さ2mmのアクリル製)を取り外し、ここに本発明によるサンプルを設置し、冷陰極線管を60分間点灯して光源を安定させたのちに、測定サンプル側から、EYESCALE−3((株)アイ・システム)を用い、付属のCCDカメラをバックライトの中心から90cmの地点にバックライト面に対して正面となるように設置し、輝度(cd/m)を測定する。
なお、前述の回転最大強度位置と回転最小強度位置が規定できる場合には、回転最小強度位置において変角度を測定する際の光源、入射点、受光器を含む平面と、冷陰極線管の長手方向とが平行となるように冷陰極線管を配置する。
冷陰極線管上の輝度と、隣り合う二本の冷陰極線管の中点の輝度を観測する。冷陰極線管上の輝度をLmax、隣り合う二本の冷陰極線管の中点の輝度をLminとした。平均輝度は(Lmax + Lmin)/2とし、高いほうが良い。平均輝度が4000cd/m以上ある場合を○、4000cd/m未満である場合を×とする。
また輝度ムラを示す値として、(Lmax −Lmin )を用いた。輝度ムラは小さいほど良い。輝度ムラが600cd/m以下である場合を○、600cd/mを越える場合を×とする。
輝度特性は、平均輝度と輝度ムラの両方が○のものを良好であるとし、○とした。さらに平均輝度と輝度ムラの両方が○となった場合について、平均輝度から輝度ムラを引いた値が3900cdm未満である場合は○(C)、3900cd/m以上4000cd/m未満である場合は○(B)、4000cd/m以上である場合は○(A)とする。
(4)平均粒子径測定、平均扁平度、表面凹凸形状の周期、平均高さ、及び凹凸形状異方比
平均粒子径は、フィルムをミクロトームを用いてフィルム面に対して垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて500から10000倍の範囲で、光拡散フィルムの総厚みが入る倍率で観察を行い、計測位置を5回変更して観察を行い、存在する光拡散素子あるいは気泡の粒子径を測定し、その平均値とする。ここで拡散素子あるいは気泡の粒子径とは、フィルム厚み方向と直交する方向の長さを言う。かくしてフィルム内部に光拡散素子あるいは気泡を含有することが認められたものは○、認められなかったものは×とする。
また数密度は、フィルムをミクロトームを用いてフィルム面に対して垂直に凍結切断し、イオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて500から10000倍に拡大し、光拡散フィルムの厚みが確認できる倍率で観察を行い、総厚みを1辺の長さとした正方形を描き、その内部に拡散素子あるいは気泡が完全に入っているもののうち、粒子径が1μm以上のものを数える。また、この操作を計測位置を10回変更し、その平均値を数密度とする。
また平均扁平度は、フィルムをミクロトームを用いてフィルム面に対して垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて500から10000倍に拡大し、光拡散フィルムの厚みが確認できる倍率で観察を行い、総厚みを1辺の長さとした正方形を描き、その内部に拡散素子あるいは気泡が完全に入っているもののうち、粒子径が1μm以上のものを数え、拡散素子あるいは気泡のフィルム厚み方向の幅(X)とそれに垂直である面平行の幅(Y)との比(X/Y)とする。また、この操作を計測位置を10回変更し、その平均値を平均扁平度とする。
また微細な凹凸形状の平均周期は、フィルムをミクロトームを用いてフィルム面に対して垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて 500から10000倍の範囲で、凹凸を有する層の厚みが確認できる大きさに拡大し、計測位置を5回変更して観察を行い、凹凸形状の大きさを測定し、その平均値とする。ただし5回の測定の最大値が最小値の2倍以上ある場合は不規則なパターンと判断し、以下の操作により平均周期を求める。
微細な凹凸形状が不規則なパターンである場合、測定位置を50回変更して観察を行い、凹凸形状の大きさを測定して各測定位置における周期を求め、そのうち上位10点、下位10点を除いた、30点の平均値をかかる凹凸形状の平均周期とする。
また凹凸形状異方性は、上記平均周期を得た断面及びフィルム面に垂直な方向に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて500から10000倍の範囲で、凹凸を有する層の厚みが確認できる大きさに拡大し、計測位置を5回変更して観察を行い、凹凸形状の大きさを測定し、これを平均周期で除することにより得る。ただし5回の測定の最大値が最小値の2倍以上ある場合は不規則なパターンと判断し、以下の操作により平均凹凸形状異方性を求める。
微細な凹凸形状が不規則なパターンである場合、測定位置を50回変更して観察を行い、凹凸形状の大きさを測定して各測定位置における周期を求め、そのうち上位10点、下位10点を除いた、30点の平均値をかかる凹凸形状の平均凹凸形状異方性とする。
また、平均高さはフィルムをミクロトームを用いてフィルム面に対して垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて 500から10000倍の範囲で、凹凸を有する層の厚みが確認できる大きさに拡大し、計測位置を5回変更して観察を行い、凹凸形状の大きさを測定し、その平均値とする。ただし5回の測定の最大値が最小値の2倍以上ある場合は不規則なパターンと判断し、以下の操作により平均高さを求める。
微細な凹凸形状が不規則なパターンである場合、測定位置を50回変更して観察を行い、凹凸形状の大きさを測定して各測定位置における高さを求め、そのうち上位10点、下位10点を除いた、30点の平均値をかかる凹凸形状の平均高さとする。
(5)モアレの評価
モアレの評価は、例えば、特開平5−119311号公報にあるような直下型バックライトから冷陰極線管の上に設置されていた拡散板(厚さ2mmのアクリル製)を取り外し、ここに本発明による光拡散フィルムを設置し、かかるフィルムの厚み方向を軸に360°回転した場合に干渉縞が目視されるかどうかにより判断する。干渉縞が目視される場合は×、目視されない場合は○とする。
[実施例1]
主押出機Aと副押出機Bを有する複合製膜装置に、下記組成の原料を供給した。
すなわち、主押出機Aには、180℃で4時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を10mol%共重合、シクロヘキサンジメタノール(ガラス転移点163℃、屈折率1.46)を10mol%共重合させたポリエステル樹脂(融点200℃、ガラス転移点70℃、屈折率1.6)91重量%、ポリメチルペンテン(融点230℃、屈折率1.46)9重量%混合したチップを供給した。
また、副押出機Bには、ポリエチレンテレフタレート(融点265℃)を供給した。
かかる押出機A、Bから、それぞれの原料を280℃で溶融押出し、主押出機Aの溶融原料が内層に、副押出し機Bの溶融原料が両表面相となるように溶融3層共押出し、複合フィルムを製作した。複合フィルムの厚み構成比はB/A/B(7/86/7)、複合フィルムの総厚みは100μmであった。このシートを表面温度20℃の鏡面冷却ドラム上でキャストして未延伸シートした。このシートを、85℃で長手方向に3倍延伸した。その後連続的に100℃の雰囲気中で幅方向に3倍延伸し、長手方向と幅方向の延伸倍率比を1とした。更に、主たる構成成分のポリエステル樹脂の融点以上である235℃の雰囲気中で20秒間の熱処理を行い、本発明の基材と光拡散フィルムを得た。かくして得られた光拡散フィルムの数密度及び平均扁平度は表1に示すとおりで、所望の拡散性を得ることができた。
かくして得られたフィルムをバックライトに搭載し、輝度特性を確認したところ、平均輝度が4240cd/m、輝度ムラが570cd/mと輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
[実施例2]
実施例1と同様の条件で、主押出機Aと副押出機Bの吐出量の比を一定にし、吐出量を調整し、複合フィルムの総厚みを125μmとした。かくして得られた光拡散フィルムの数密度及び平均扁平度は表1に示すとおりで、所望の拡散性を得ることができた。
かくして得られたフィルムは、表1に示すとおり、平均輝度が4100cd/m、輝度ムラが430cd/mと輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
[実施例3]
実施例1と同様の条件で、主押出機Aと副押出機Bの吐出量を調整し、複合フィルムの厚み構成比B/A/Bを15/70/15とし、複合フィルムの総厚みを100μmとしたフィルムを作製した。かくして得られた光拡散フィルムの数密度及び平均扁平度は表1に示すとおりで、所望の拡散性を得ることができた。
かくして得られたフィルムは、表1に示すとおり、平均輝度が4140cd/m、輝度ムラが210cd/mと平均輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
[実施例4]
実施例3と同様の条件で、主押出機Aと副押出機Bの吐出量の比を一定にし、吐出量を調整し、複合フィルムの総厚みを125μmとした。かくして得られた光拡散フィルムの数密度及び平均扁平度は表1に示すとおりで、所望の拡散性を得ることができた。
かくして得られた光拡散フィルムは、表1に示すとおり、平均輝度が4090cd/m2、輝度ムラが170cd/mと輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
[実施例5]
実施例4と同様にして作製したフィルムに、光硬化性樹脂を塗布膜厚が30μmとなるように塗布し、X方向の平均周期が10μmで平均高さが8μmで不規則に変動し、Y方向の平均周期が10μmで平均高さが8μmで不規則に変動する不規則な表面形状を有する金型を塗膜に押し込み、フィルム方向から光を照射して、光硬化性樹脂を硬化させ、剥離することにより所望の表面形状を付与した。
ここで、X、Yはフィルムの面方向を示す。
光硬化性樹脂としては、大日本インキ化学工業株式会社製、ユニディック15−829を用いた。光源には水銀灯を用い、強度500mJ/cmで36秒間照射した。その後、80℃で30分間加熱し、光硬化処理を実施し、その後金型を剥離することで表面に微細な凹凸形状を有する光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示すとおり、平均輝度は4240cd/m2、輝度ムラが140cd/mと平均輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
[実施例6]
実施例4と同様にして作製したフィルムに、光硬化性樹脂を塗布膜厚が30μmとなるように塗布し、X方向の平均周期が10μmで平均高さが8μmで不規則に変動し、Y方向に高さが変動しない不規則な表面形状を有する金型を塗膜に押し込み、所望の表面形状を付与した。
ここで、、X、Yはフィルムの面方向を示す。
表面に微細な凹凸形状を付与するための、光硬化性樹脂及び光硬化処理条件は実施例3と同様にして行い、所望の光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムをY方向と冷陰極管の長手方向とが平行となるように設置し、輝度測定を行ったところ、表1に示すとおり、平均輝度が4180cd/m、輝度ムラが90cd/mと平均輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
[実施例7]
実施例4と同様にして作製したフィルムに、光硬化性樹脂を塗布膜厚が30μmとなるように塗布し、X方向に平均周期と平均高さが次に示す式に従い規則的に変動し、Y方向に高さが変動しない規則的な表面形状を有する金型を塗膜に押し込み、所望の表面形状を付与した。
Z=4sin(2π×100X)
ここで、Zはフィルムの厚み方向、X、Yはフィルムの面方向を示す。単位はμmである。表面に微細な凹凸形状を付与するための、光硬化性樹脂及び光硬化処理条件は実施例3と同様にして行い、所望の光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムをY方向と冷陰極管の長手方向とが平行となるように設置し、輝度測定を行ったところ、表1に示すとおり、平均輝度が4170cd/m、輝度ムラが100cd/mと平均輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は×であった。
[比較例1]
ビスフェノールAとホスゲンから得たポリカーボネート樹脂95重量%、粒子径3μmのメチルシリコーン粒子5重量%を混合したチップをベント付きTダイ押出し機により、280℃にて押出し、ダイス温度270℃でベント部の真空度を26kPaに保持して、厚さ2000μmの光拡散シートを得た。
得られた光拡散シートは表1に示すとおり、輝度ムラが50cd/m、平均輝度は3900cd/mと、平均輝度が低く、暗い、見え方の悪い画面となった。
[比較例2]
実施例1において、複合フィルムの厚み構成比はB/A/B(7/86/7)、フィルムの総厚みを75μmとし、それ以外は同条件でフィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示すとおり、平均輝度が4200cd/m、輝度ムラが1100cd/mと、輝度ムラが大きく、見え方の悪い画面となった。
[比較例3]
押出機に、フィルムを構成する主たる樹脂成分として、PETを用い、溶融押出しを行った。厚みが100μmのフィルムを作製し、実施例4と同様の方法で、表面形状を付与した。
その結果得られたフィルムは、表1に示すとおり、平均輝度が4600cd/m、輝度ムラが1100cd/mと、輝度ムラが大きく、見え方の悪い画面となった。
Figure 2008058958
本発明により定義される変角度を求める際の角度の定義を示す図。 本発明により定義される変角度を示す模式図 入射角0°、受光角5°において、フィルムを入射光束を軸にフィルム面内において回転させた場合の透過光の強度が変化する様子を極座標で示した図。
符号の説明
1.光源
2.光拡散フィルム
3.入射角度
4.受光器
5.出射角度が−90°の方向
6.出射角度が0°の方向(0°方向)
7.出射角度が+90°の方向
8.極座標による透過光の拡散挙動
9.透過光の最大となる角度(θ
10.入射角方向
11.変角度
12.回転最大強度点
13.回転最小強度点
14.極座標による透過光の拡散挙動
15.入射光
16.透過光
17.出射角度
18.入射点
本発明の光拡散フィルムおよびそれを用いた面光源は、パソコン、テレビあるいは携帯電話などの表示装置、特に液晶表示装置などの平面表示装置に用いられる面光源用として好適であり、有用である。

Claims (5)

  1. フィルム内部に光拡散素子あるいは気泡を含有するフィルムであって、明細書で定義する測定方法で測定したときの、入射角度60°での最小変角度(θ60min)が12°以上及び最大変角度(θ60max)が108°以下、並びに、フィルムの総厚みが10μm〜1000μmである光拡散フィルム。
  2. 前記光拡散フィルムが、明細書で定義する測定方法で測定したときの、入射角度30°での最小変角度(θ30min)が3°以上及び最大変角度(θ30max)が57°以下である請求項1に記載の光拡散フィルム。
  3. 前記光拡散フィルムが、そのフィルム表面の少なくとも片面に微細な凹凸形状が付与されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散フィルム。
  4. 前記光拡散フィルムが、入射角度30°での最大変角度(θ30max)と最小変角度(θ30min)の角度比θ30rate=θ30max/θ30minが1.1以上、及び、入射角度60°での最大変角度(θ60max)と最小変角度(θ60min)の角度比θ60rate=θ60max/θ60minが1.1以上である請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散フィルムを用いて構成されていることを特徴とする面光源。
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