JP2008058958A - 光拡散フィルムおよびそれを用いた面光源 - Google Patents
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Abstract
本発明は、輝度ムラを効率良く解消し、画面上の均斉度と高輝度特性を両立することができる光拡散フィルムと、それを用いた高輝度かつ高均斉度を兼ね備えた新規な直下型バックライトとなり得る面光源を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の光拡散フィルムは、フィルム内部に光拡散素子あるいは気泡を含有するフィルムであって、入射角度60°での最小変角度(θ60min)が12°以上及び最大変角度(θ60max)が108°以下、並びに、フィルムの総厚みが10μm〜1000μmであることを特徴とするものである。
また、本発明の面光源は、上記光拡散フィルムを用いて構成されていることを特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
また、本発明の面光源は、光拡散フィルムを用いて構成されていることを特徴とするものである。
本発明の光拡散フィルムの原料として用いられる主たる構成成分と光拡散素子は、事前に均一に溶融混練して配合させて作製されたペレット、または直接混練押出機に供給するなどして溶融混練する。ここで成形法について説明すると、例えば、金型に融解射出する射出成形や、押出機からTダイなどを通して溶融押出する押出し成形などの方法が挙げられる。最も好ましい方法は、押出機Aと押出機Bを備えた、複合製膜装置を用い、押出機Aには主たる構成成分の原料を、押出機Bには主たる構成成分と光拡散性素子を含有した原料をそれぞれ供給し、溶融押出しする。これをフィルム状に成形後、必要により延伸工程、熱処理工程を経て、目的の光拡散フィルムを得る。主たる構成成分にポリエステルを用いて作製した光拡散フィルムに関しても同様に、事前に均一に溶融混練して配合させて作製したペレット、または、直接混練し押出機に供給するなどして溶融混練する。成形法について説明すると、例えば、金型に融解射出する射出成形や、押出し機からTダイなどを通して溶融押出しする押出し成形などの方法が挙げられるが、最も好ましい方法は、押出機Aと押出機Bを備えた、複合製膜装置を用い、押出機Aには主たる構成成分と光拡散性素子を含有した原料、押出機Bには主たる構成成分をそれぞれ供給し、溶融押出しする。これをフィルム状に成形後、必要により延伸工程、熱処理工程を経て、目的の光拡散フィルムを得る。
[特性の測定方法及び評価方法]
以下の各測定は室温中(20℃〜30℃)で、高湿条件下(80%以上)を避け、大気圧下、かつ大気圧中で行うものとする。
変角光度計GP−200((株)村上色彩技術研究所)を用いて変角度、最大変角度、最小変角度を測定する。まず、光拡散フィルムに入射光を入射角度0°で入射させ、受光器の角度を0°(出射角度が0°の位置)、すなわち光源と受光器を結ぶ直線を、光拡散フィルムに垂直な直線に平行となるようにして、透過光の強度を測定する。このとき、入射光が光拡散フィルムに入射する点を入射点とする。透過光の強度が85となるように光電子増倍管の感度及び電圧を調整する。
光拡散フィルムの総厚みは、ミツトヨ製ダイヤルゲージを用いて測定する。光拡散フィルムが微細な凹凸を片面に有する場合は、凹凸を有さない面に測定子が接するように光拡散フィルムを設置し測定する。測定は場所を変えて5回行い、その平均値をフィルムの総厚みとする。なお、両面に凹凸を有さない場合や両面に凹凸を有する場合は、どちらの面に測定子を接してもよい。
例えば、特開平5−119311号公報にあるような直下型バックライトから冷陰極線管の上に設置されていた拡散板(厚さ2mmのアクリル製)を取り外し、ここに本発明によるサンプルを設置し、冷陰極線管を60分間点灯して光源を安定させたのちに、測定サンプル側から、EYESCALE−3((株)アイ・システム)を用い、付属のCCDカメラをバックライトの中心から90cmの地点にバックライト面に対して正面となるように設置し、輝度(cd/m2)を測定する。
平均粒子径は、フィルムをミクロトームを用いてフィルム面に対して垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて500から10000倍の範囲で、光拡散フィルムの総厚みが入る倍率で観察を行い、計測位置を5回変更して観察を行い、存在する光拡散素子あるいは気泡の粒子径を測定し、その平均値とする。ここで拡散素子あるいは気泡の粒子径とは、フィルム厚み方向と直交する方向の長さを言う。かくしてフィルム内部に光拡散素子あるいは気泡を含有することが認められたものは○、認められなかったものは×とする。
モアレの評価は、例えば、特開平5−119311号公報にあるような直下型バックライトから冷陰極線管の上に設置されていた拡散板(厚さ2mmのアクリル製)を取り外し、ここに本発明による光拡散フィルムを設置し、かかるフィルムの厚み方向を軸に360°回転した場合に干渉縞が目視されるかどうかにより判断する。干渉縞が目視される場合は×、目視されない場合は○とする。
主押出機Aと副押出機Bを有する複合製膜装置に、下記組成の原料を供給した。
すなわち、主押出機Aには、180℃で4時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を10mol%共重合、シクロヘキサンジメタノール(ガラス転移点163℃、屈折率1.46)を10mol%共重合させたポリエステル樹脂(融点200℃、ガラス転移点70℃、屈折率1.6)91重量%、ポリメチルペンテン(融点230℃、屈折率1.46)9重量%混合したチップを供給した。
また、副押出機Bには、ポリエチレンテレフタレート(融点265℃)を供給した。
かかる押出機A、Bから、それぞれの原料を280℃で溶融押出し、主押出機Aの溶融原料が内層に、副押出し機Bの溶融原料が両表面相となるように溶融3層共押出し、複合フィルムを製作した。複合フィルムの厚み構成比はB/A/B(7/86/7)、複合フィルムの総厚みは100μmであった。このシートを表面温度20℃の鏡面冷却ドラム上でキャストして未延伸シートした。このシートを、85℃で長手方向に3倍延伸した。その後連続的に100℃の雰囲気中で幅方向に3倍延伸し、長手方向と幅方向の延伸倍率比を1とした。更に、主たる構成成分のポリエステル樹脂の融点以上である235℃の雰囲気中で20秒間の熱処理を行い、本発明の基材と光拡散フィルムを得た。かくして得られた光拡散フィルムの数密度及び平均扁平度は表1に示すとおりで、所望の拡散性を得ることができた。
かくして得られたフィルムをバックライトに搭載し、輝度特性を確認したところ、平均輝度が4240cd/m2、輝度ムラが570cd/m2と輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
実施例1と同様の条件で、主押出機Aと副押出機Bの吐出量の比を一定にし、吐出量を調整し、複合フィルムの総厚みを125μmとした。かくして得られた光拡散フィルムの数密度及び平均扁平度は表1に示すとおりで、所望の拡散性を得ることができた。
かくして得られたフィルムは、表1に示すとおり、平均輝度が4100cd/m2、輝度ムラが430cd/m2と輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
実施例1と同様の条件で、主押出機Aと副押出機Bの吐出量を調整し、複合フィルムの厚み構成比B/A/Bを15/70/15とし、複合フィルムの総厚みを100μmとしたフィルムを作製した。かくして得られた光拡散フィルムの数密度及び平均扁平度は表1に示すとおりで、所望の拡散性を得ることができた。
かくして得られたフィルムは、表1に示すとおり、平均輝度が4140cd/m2、輝度ムラが210cd/m2と平均輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
実施例3と同様の条件で、主押出機Aと副押出機Bの吐出量の比を一定にし、吐出量を調整し、複合フィルムの総厚みを125μmとした。かくして得られた光拡散フィルムの数密度及び平均扁平度は表1に示すとおりで、所望の拡散性を得ることができた。
かくして得られた光拡散フィルムは、表1に示すとおり、平均輝度が4090cd/m2、輝度ムラが170cd/m2と輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
実施例4と同様にして作製したフィルムに、光硬化性樹脂を塗布膜厚が30μmとなるように塗布し、X方向の平均周期が10μmで平均高さが8μmで不規則に変動し、Y方向の平均周期が10μmで平均高さが8μmで不規則に変動する不規則な表面形状を有する金型を塗膜に押し込み、フィルム方向から光を照射して、光硬化性樹脂を硬化させ、剥離することにより所望の表面形状を付与した。
ここで、X、Yはフィルムの面方向を示す。
光硬化性樹脂としては、大日本インキ化学工業株式会社製、ユニディック15−829を用いた。光源には水銀灯を用い、強度500mJ/cm2で36秒間照射した。その後、80℃で30分間加熱し、光硬化処理を実施し、その後金型を剥離することで表面に微細な凹凸形状を有する光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示すとおり、平均輝度は4240cd/m2、輝度ムラが140cd/m2と平均輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
実施例4と同様にして作製したフィルムに、光硬化性樹脂を塗布膜厚が30μmとなるように塗布し、X方向の平均周期が10μmで平均高さが8μmで不規則に変動し、Y方向に高さが変動しない不規則な表面形状を有する金型を塗膜に押し込み、所望の表面形状を付与した。
ここで、、X、Yはフィルムの面方向を示す。
表面に微細な凹凸形状を付与するための、光硬化性樹脂及び光硬化処理条件は実施例3と同様にして行い、所望の光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムをY方向と冷陰極管の長手方向とが平行となるように設置し、輝度測定を行ったところ、表1に示すとおり、平均輝度が4180cd/m2、輝度ムラが90cd/m2と平均輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は○であった。
実施例4と同様にして作製したフィルムに、光硬化性樹脂を塗布膜厚が30μmとなるように塗布し、X方向に平均周期と平均高さが次に示す式に従い規則的に変動し、Y方向に高さが変動しない規則的な表面形状を有する金型を塗膜に押し込み、所望の表面形状を付与した。
Z=4sin(2π×100X)
ここで、Zはフィルムの厚み方向、X、Yはフィルムの面方向を示す。単位はμmである。表面に微細な凹凸形状を付与するための、光硬化性樹脂及び光硬化処理条件は実施例3と同様にして行い、所望の光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムをY方向と冷陰極管の長手方向とが平行となるように設置し、輝度測定を行ったところ、表1に示すとおり、平均輝度が4170cd/m2、輝度ムラが100cd/m2と平均輝度と輝度ムラのバランスのとれた光拡散フィルムであった。また、モアレの評価は×であった。
ビスフェノールAとホスゲンから得たポリカーボネート樹脂95重量%、粒子径3μmのメチルシリコーン粒子5重量%を混合したチップをベント付きTダイ押出し機により、280℃にて押出し、ダイス温度270℃でベント部の真空度を26kPaに保持して、厚さ2000μmの光拡散シートを得た。
得られた光拡散シートは表1に示すとおり、輝度ムラが50cd/m2、平均輝度は3900cd/m2と、平均輝度が低く、暗い、見え方の悪い画面となった。
実施例1において、複合フィルムの厚み構成比はB/A/B(7/86/7)、フィルムの総厚みを75μmとし、それ以外は同条件でフィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示すとおり、平均輝度が4200cd/m2、輝度ムラが1100cd/m2と、輝度ムラが大きく、見え方の悪い画面となった。
押出機に、フィルムを構成する主たる樹脂成分として、PETを用い、溶融押出しを行った。厚みが100μmのフィルムを作製し、実施例4と同様の方法で、表面形状を付与した。
その結果得られたフィルムは、表1に示すとおり、平均輝度が4600cd/m2、輝度ムラが1100cd/m2と、輝度ムラが大きく、見え方の悪い画面となった。
2.光拡散フィルム
3.入射角度
4.受光器
5.出射角度が−90°の方向
6.出射角度が0°の方向(0°方向)
7.出射角度が+90°の方向
8.極座標による透過光の拡散挙動
9.透過光の最大となる角度(θp)
10.入射角方向
11.変角度
12.回転最大強度点
13.回転最小強度点
14.極座標による透過光の拡散挙動
15.入射光
16.透過光
17.出射角度
18.入射点
Claims (5)
- フィルム内部に光拡散素子あるいは気泡を含有するフィルムであって、明細書で定義する測定方法で測定したときの、入射角度60°での最小変角度(θ60min)が12°以上及び最大変角度(θ60max)が108°以下、並びに、フィルムの総厚みが10μm〜1000μmである光拡散フィルム。
- 前記光拡散フィルムが、明細書で定義する測定方法で測定したときの、入射角度30°での最小変角度(θ30min)が3°以上及び最大変角度(θ30max)が57°以下である請求項1に記載の光拡散フィルム。
- 前記光拡散フィルムが、そのフィルム表面の少なくとも片面に微細な凹凸形状が付与されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散フィルム。
- 前記光拡散フィルムが、入射角度30°での最大変角度(θ30max)と最小変角度(θ30min)の角度比θ30rate=θ30max/θ30minが1.1以上、及び、入射角度60°での最大変角度(θ60max)と最小変角度(θ60min)の角度比θ60rate=θ60max/θ60minが1.1以上である請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散フィルムを用いて構成されていることを特徴とする面光源。
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JP2007201605A JP2008058958A (ja) | 2006-08-03 | 2007-08-02 | 光拡散フィルムおよびそれを用いた面光源 |
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2007
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