JP2008176305A - 光拡散基材およびそれを用いた面光源 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、輝度ムラを効率良く解消し、画面上の均斉度と高輝度特性を両立することができる光拡散基材と、それを用いた高輝度かつ高均斉度の直下型バックライトとなり得る面光源を提供する。
【解決手段】
頂部および底部の繰り返しからなる凹凸形状を少なくとも片面に有する光拡散基材であって、凹凸形状は、頂部および底部の繰り返し方向をx、基材厚み方向をzとした場合、x−z平面において、頂部が微分不可能な点であり、かつ、隣接する底部間における接線の傾きがx増加方向に減少することを特徴とする光拡散基材とする。
【選択図】図1
本発明は、輝度ムラを効率良く解消し、画面上の均斉度と高輝度特性を両立することができる光拡散基材と、それを用いた高輝度かつ高均斉度の直下型バックライトとなり得る面光源を提供する。
【解決手段】
頂部および底部の繰り返しからなる凹凸形状を少なくとも片面に有する光拡散基材であって、凹凸形状は、頂部および底部の繰り返し方向をx、基材厚み方向をzとした場合、x−z平面において、頂部が微分不可能な点であり、かつ、隣接する底部間における接線の傾きがx増加方向に減少することを特徴とする光拡散基材とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、輝度ムラが少なく、画面上の均斉度と高輝度特性を両立することができる光拡散基材およびそれを用いた面光源に関するものである。
近年、パソコン、テレビあるいは携帯電話などの表示装置として、液晶素子を用いたディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、単に光を照射するだけでなく、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、サイドライト型バックライトもしくは直下型バックライトと呼ばれる面光源の構造のものが採用されている。このとき、バックライトの出射光にムラがあるとディスプレイの画質が低下するため、画面全体を均一に照射することが要求される。
なかでも、テレビなどには、直下型バックライトが好適に用いられる。直下型バックライトとは、中空の筐体に光源を配置し、該光源からの出射光を該筐体の主たる一平面から出射させる方式の面光源である(例えば特許文献1)。すなわち、光出射面のすぐ下の位置に多数の冷陰極線管等の光源が配置される構造となる。
このため、種々のバックライトの中でも直下型バックライトでは、画面上で光源の真上に当る位置とそうでない位置で大きな輝度差が生じやすく、輝度ムラとして認識されやすいという問題がある。このため、一般に光出射面には非常に強い光拡散性を有する、アクリル樹脂などに光拡散性の粒子を分散させた、半透明の乳白板(いわゆる光拡散板)が設置されており、さらに拡散シートやプリズムシートなどが適宜配置されている。
一方、面光源をより高輝度化させる要求は高まるばかりであり、その手段として、例えば、ランプの本数を増加させたり、出力をアップさせるなどの方法もあるが、これらの方法は大きなコストアップの要因となり、非効率でもある。
また、上記の高輝度化の要求に対して、表面に凹凸形状を有するフィルムに関する提案がなされている。具体的には、シリンドリカルレンズ部をストライプ状に備えたもの(特許文献2参照)や、ラグビーボール状の形状を備えたもの(特許文献3参照)などが提案されている。
特開平5−119311号公報
特開2002−62528号公報
特開2002−107510号公報
しかしながら、従来の乳白板を備えたバックライトでは、光の拡散性が強すぎるために輝度を十分に高くすることが困難であり、また、半円柱状のシリンドリカルレンズ部を備えた、いわゆるレンチキュラーシートを搭載した直下型バックライトでは、蛍光管直上の輝度が高く、輝度ムラが発生し易いという問題があった。すなわち、いずれの形態の直下型バックライトも、充分に高い輝度と均斉度を兼ね備えていないのが実情である。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、輝度ムラを効率良く解消し、画面上の均斉度と高輝度特性を両立することができる光拡散基材と、それを用いた高輝度かつ高均斉度を兼ね備えた新規な直下型バックライトとなり得る面光源を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のいずれかの手段を採用するものである。
(1)頂部および底部の繰り返しからなる凹凸形状を少なくとも片面に有する光拡散基材であって、凹凸形状は、頂部および底部の繰り返し方向をx、基材厚み方向をzとした場合、x-z平面において、頂部が微分不可能な点であり、かつ、隣接する底部間における接線の傾きがx増加方向に減少することを特徴とする光拡散基材。
(2)前記凹凸形状は、頂部と、該頂部から隣接する底部間距離の1/1000の距離x方向に離れた点とを結んだ直線の角度(θ)が±(2〜10)°の範囲内であることを特徴とする前記(1)に記載の光拡散基材。
(3)前記凹凸形状のアスペクト比が1.5〜3の範囲内であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の光拡散基材。
(4)前記凹凸形状のくり返し周期(p)が1〜1000μmであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光拡散基材。
(5)総厚み(t)が10μm〜1000μmの範囲内であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の光拡散基材。
(6)内部に光拡散素子を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の光拡散基材
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の光拡散基材と、発光手段とを備えた面光源。
(1)頂部および底部の繰り返しからなる凹凸形状を少なくとも片面に有する光拡散基材であって、凹凸形状は、頂部および底部の繰り返し方向をx、基材厚み方向をzとした場合、x-z平面において、頂部が微分不可能な点であり、かつ、隣接する底部間における接線の傾きがx増加方向に減少することを特徴とする光拡散基材。
(2)前記凹凸形状は、頂部と、該頂部から隣接する底部間距離の1/1000の距離x方向に離れた点とを結んだ直線の角度(θ)が±(2〜10)°の範囲内であることを特徴とする前記(1)に記載の光拡散基材。
(3)前記凹凸形状のアスペクト比が1.5〜3の範囲内であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の光拡散基材。
(4)前記凹凸形状のくり返し周期(p)が1〜1000μmであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光拡散基材。
(5)総厚み(t)が10μm〜1000μmの範囲内であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の光拡散基材。
(6)内部に光拡散素子を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の光拡散基材
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の光拡散基材と、発光手段とを備えた面光源。
本発明の光拡散基材は、表面に付与する凹凸形状を単なる半円柱状形状から変更することで、高い輝度と均斉度とを兼ね備えることが可能となる。すなわち、光拡散基材の少なくとも片面に設ける凹凸形状を、頂部および底部の繰り返し方向をx、基材厚み方向をzとした場合、x-z平面において、頂部が微分不可能な点であり、かつ、隣接する底部間における接線の傾きがx増加方向に減少するようなものとすることで、蛍光管直上の部分においても入射光を屈折させることができ、高輝度としつつも輝度ムラを低減することができる。そのため、パソコン、テレビあるいは携帯電話などの表示装置、特に液晶表示装置などの平面表示装置に用いられる面光源用として好適である。面光源としては、直下型面光源やサイドライト型面光源があるが、本発明の光拡散基材はそのいずれの面光源においても出射面に装着して用いることができる。
本発明は、上記課題、つまり輝度ムラを効率良く解消し、画面上の均斉度と高輝度特性とを両立することができる光拡散基材について鋭意検討した結果、頂部および底部の繰り返しからなる凹凸形状を少なくとも片面に有する光拡散基材であって、凹凸形状が、頂部および底部の繰り返し方向をx、基材厚み方向をzとした場合、x−z平面において、頂部が微分不可能な点であり、かつ、隣接する底部間における接線の傾きがx増加方向に減少するものであれば、蛍光管直上から入射する強い透過光を屈折させることができ、かつ蛍光管から斜め方向に入射する弱い透過光を正面方向へと屈折させることができ、初めて前記課題を一挙に解決することができることを見出し、達したものである。すなわち、かかる形状は、隣接する底部間の凹凸形状が、頂部から底部まで、接線の傾きの絶対値が単調増加するので、隣接する底部間の凹凸形状が、頂部を除いて曲線となり、様々な角度で入射してくる光を正面方向へ屈折するための接線角度を有することができるようになる。なお、本発明の光拡散基材は、凹凸形状の接線の傾きの値が頂部の前後において不連続な値となるため、頂部において微分が不可能になっている。
かかる凹凸形状は、隣接する底部間において頂部を除く部分が曲線形状であることを必要とするが、曲線形状としては、半円、半楕円、放物線、双曲線、三角関数あるいはかかる曲線を構成する所定部位などが挙げられるが必ずしもこれらに限定されるものではない。
しかしながら、上記作用効果は、特に、前記凹凸形状を、図1に示すように、頂部と、該頂部から隣接する底部間距離の1/1000の距離x方向に離れた点とを結んだ直線の角度(θ)が±(2〜10)°の範囲内となるようなものとする場合により確実に奏される。すなわち、|θ|≧2°とすることで輝度ムラをより確実に低減することができ、一方、|θ|≦10°とすることで、より多くの透過光を正面方向へと屈折させることができる。より好ましくは、θが±(2〜6)°の範囲である。
さらに、かかる形状は頂部を軸として、線対称であることが好ましい。本発明の光拡散基材はたとえば液晶ディスプレイに好適に使用されるが、その場合、かかる要件を満たすことで左右から見た場合の見え方が変わらないため好ましい。
そして、凹凸形状は、そのアスペクト比が1.5〜3の範囲内であることが好ましい。ここでいうアスペクト比とは、図1に示すように、x方向における頂部から底部までの距離wと、z方向における頂部から底部までの距離hとの比であり、h/wである。アスペクト比を1.5以上にすることで、蛍光管から斜め方向に入射する光をより確実に正面方向へ向けることができ、輝度ムラをより確実に防ぐことができる。一方、アスペクト比を3以下とすることで、画面を斜めから見た場合の輝度も確保することができる。アスペクト比のより好ましい範囲は2〜2.8の範囲である。
また、凹凸形状の繰り返し周期(p)は1μm〜1000μmであることが好ましい。繰り返し周期pを1μm以上とすることで、光の回折を無視することができ、光の回折による色づき、バックライト搭載時の画面の画質悪化を防ぐことができる。一方、1000μm以下とすることで、表面形状が目に見えることを防ぎ、バックライト搭載時に画面の画質が悪化することを防ぐことができる。繰り返し周期(p)は、より好ましくは10μm〜200μmである。凹凸形状の繰り返し周期をかかる範囲にすることで、凹凸形状を付与するのが容易となり、生産性の向上が図れる。
なお、繰り返し周期(p)は、図2に示すように、ある凹凸形状の裾部から頂部を経て次の裾部に至るまでのx方向の長さである。
本発明において、光拡散基材の総厚み(t)は10μm〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは20〜500μmで、さらに好ましくは50〜250μmである。かかる範囲にすることで、コスト、ハンドリング性の利点が顕著となる。厚みが1000μm以上の光拡散基材は、原料の使用量が増え、高コストとなり不適である。また厚みが10μm以下ではハンドリング性が悪く、バックライト組み立て時において、専用の設備を必要とする場合があり、結果的に高コストとなる。
なお、本発明における光拡散基材の総厚み(t)とは、凹凸形状を片面のみに有する場合、図2に示すように、一方の面に設けられた凸部の頂部から、凹凸形状を有さない他方の面までの距離をいい、両面に凹凸形状を有する場合、一方の面に設けられた凸部の頂部から、それと反対の面の凸部の頂部までの距離をいう。
また、本発明の光拡散基材は、内部に光拡散素子を有することが好ましい。ここでいう光拡散素子とは、ガラス、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの無機微粒子、またはアクリル樹脂、有機シリコーン樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、尿素樹脂、ホルムアルデヒド縮合物、フッ素樹脂などの有機微粒子などであるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらは、1種または2種以上混合して使用することが可能である。
光拡散素子の平均粒子径は、通常1〜50μmであることが好ましい。より好ましくは1〜30μmで、さらに好ましくは1〜20μmである。粒子径を1μmより大きくすることにより、より高輝度の画面を得ることができ、また50μmより小さくすることにより、基材の強度を低下させることなく、良好な光拡散性を得ることができる。なお、ここでいう平均粒子径とは、一次粒子の平均粒子径であって、各々の粒子について、最長となる粒子径とそれと直交する方向の粒子径との平均値を求め、かかる操作を粒子50個について行い、それらの算術平均した値とする。
また、これら光拡散素子の屈折率は、光拡散基材の主たる構成成分と屈折率が異なることが重要である。光拡散素子と光拡散基材の主たる構成成分が同一であると、主たる構成成分と光拡散素子との界面における屈折および反射による光拡散現象が起こらず、所望の光拡散効果が得られない。さらに、有効な光拡散性を得るために、光拡散基材の主たる構成成分と光拡散素子との屈折率差とが0.01以上であることが好ましい。屈折率差が0.01未満では光拡散効果が少なく、良好な拡散効果を得るためには、多量の粒子の添加やフィルム膜厚の増大などが必要となり、機械強度が弱くなったり、所望の膜厚より厚くしなければならないといった影響が出ることがある。
さらに、光拡散素子の断面形状は、円や楕円、三角形、四角形などの多角形、あるいはこれらの一部分の集合体など、特に限定されるものではないが、本発明においては、円に近い形状であることが好ましい。なお、ここでいう拡散素子の断面形状とは、フィルムをフィルム面に対して垂直に切断した場合に観察される断面形状のことである。
また、光拡散基材中に配合される光拡散素子の割合は、求める光拡散性の程度により適宜選択されるが、一般的に、体積分率で好ましくは0.01%〜50%、さらに好ましくは0.1%〜35%、最も好ましくは1〜25%である。
次に本発明の光拡散基材を製造する方法を説明する。本発明の光拡散基材は、たとえば、公知の熱可塑性樹脂のフィルム、シート状物、板状物(以下、ベース基材という)などの表面に上記のような凹凸形状を付与することで得られる。
ここで、上記のような凹凸形状を付与する方法としては、特に限定されるものではないが、たとえば熱インプリント法や光インプリント法などが挙げられる。
熱インプリントとは、微細な表面形状を有する金型と樹脂を熱し、樹脂に金型を押付け、冷却後、離形することで、金型表面に施された形状を樹脂へ転写させる手法である。ここで、熱インプリントに用いられる樹脂は熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であっても良いが、透明性の高い樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2.6−ナフタレート、ポリプロピレンフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル樹脂、イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂、スピログリコール共重合ポリエステル樹脂、フルオレン共重合ポリエステル樹脂などを挙げることができる。またオレフィン系樹脂として脂環式オレフィン共重合樹脂を、アクリル系樹脂としてポリメチルメタクリレートを挙げることができる。さらに、その他の樹脂として、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニルなども挙げることができる。さらに、これらを成分とする共重合体であったり、これら樹脂の混合物も用いることができる。
中でも、機械強度、耐熱性、寸法安定性の点において、二軸延伸されてポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2.6−ナフタレート、またはこれらをベースとしたその他の成分との共重合体や、混合物などのポリエステル樹脂がより好ましく用いられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられ、これらより選択される1種類もしくは2種類以上の混合物を用いることができる。
一方、光インプリント法とは、フィルムやシート状物、板状物の上に、光硬化性樹脂を塗布し、微細な凹凸形状を有する金型を光硬化性樹脂部分に押し付けるとともに、金型を押し付けた面と反対方向から紫外光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、該金型を離形することで、フィルムなどに金型の微細な凹凸形状を転写する方法である。
光硬化性樹脂の例としては、分子内に少なくとも一つのラジカル重合性を有する化合物、またはカチオン重合性を有する化合物などが挙げられる。ラジカル重合性を有する化合物とは、活性エネルギー線によりラジカルを発生する重合開始剤の存在下で、活性エネルギー線照射により高分子または架橋反応する化合物である。例えば、構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なくとも1個以上含むものであり、1官能であるビニルモノマーの他に他官能ビニルモノマーを含むものが挙げられる。またこれらのオリゴマー、ポリマー、混合物であってもよい。また分子内に少なくとも1つのカチオン重合性を有する化合物としては、オキシラン環を有する化合物、オセキタン環を有する化合物、ビニルエーテル化合物から選ばれる1種類あるいは2種以上の化合物が挙げられる。
また、かかる基材の屈折率は1.45〜1.65であることが好ましい。より好ましくは1.5〜1.6である。ここでいう基材の屈折率とは、単層からなる光拡散基材である場合、基材の屈折率をいい、複数の層からなる光拡散基材の場合、凹凸形状が付与された層の屈折率のことを言う。かかる基材の屈折率をこれらの範囲にし、かつ裾の角度を上記範囲内とすることで、蛍光管から斜め方向に入射する光のうち、入射方向と反対方向の斜め方向に強く出射する光の割合を減少させ、かつ蛍光管から斜め方向に入射する光を正面方向へと曲げることを可能とし、輝度ムラを増大させることなく輝度を向上することができるようになる。
かかる要件を満たす基材としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンなどが挙げられる。ここでいうポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合成分としたポリエステルおよびこれらの共重合体などである。共重合される酸成分、ジオール成分としては芳香族ジカルボン酸、スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸、炭素数3〜25のアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールなどを用いる事が出来るが、特にこれらに限定されるものではない。
ベース基材としては、フィルムの場合、たとえば主押出機からなる製膜装置に、180℃で4時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレートを供給して溶融押出し、このシートを表面温度20℃の鏡面冷却ドラム上でキャストして未延伸シートを得る。その後、このシートを、85℃で長手方向に3倍延伸し、連続的に100℃の雰囲気中で幅方向に3倍延伸することで得ることができる。また、ベース基材がシート状物もしくは板状物の場合は、フィルムとは厚みが異なるため同様の製法では得られない場合があるが、公知の方法で製造すればよい。
以上のような本発明の光拡散基材は、バックライト(面光源)の光出射面に好適に用いられ、特に直下型バックライトにおいて良好な性能を発現することができるので有用である。
直下型バックライトは、たとえば、中空の筐体に冷陰極線管などの発光手段を有し、その上方に光拡散基材を配置してなるものであり、該発光手段からの出射光を該筐体の主たる一平面、すなわち、光拡散基材が配置された面から出射させる方式の面光源である。また、直下型バックライトは中空の筐体の底部、及び側部に優れた反射特性を示す、いわゆる反射板を搭載されることもある。反射板は、反射フィルム単体であってもよいし、筐体や筐体とは別のアルミニウム板に反射フィルムをラミネートしたものであってもよい。また、光源の配置に合わせて溝加工されたものでも良い。そして、冷陰極線管などの発光手段の数、画面の大きさについても特に制限されない。
このような面光源に本発明の光拡散基材を適用すると、該面光源は、輝度ムラをおさえつつ高輝度になり、さらには薄型かつ軽量にすることも可能で、また、加工性良く、寸法安定性や強度にも優れたものとすることが可能になる。よって、特に液晶ディスプレイの直下型バックライトに好適に用いられる。なお、本発明の光拡散基材を面光源に適用する場合、上記のような特徴的な形状の凹凸を有する側の面が光源とは反対側になるように配置する。
また、面光源においては、発光手段の上に本発明の光拡散基材を単体で配置しても良いが、発光手段の上にビーズ層含有基材や表面に半球状のドーム形状を付与した基材、あるいは乳白板などの光拡散材を含有せしめた拡散板を配置し、その上に本発明の光拡散基材を設置することで、正面のみならず、ディスプレイを斜めから見た場合にも良好な輝度特性を得ることができるようになる。なお、ビーズ層含有基材とは、透明基材あるいは拡散材を内部に含有せしめた拡散基材の上に、透明のビーズを塗布し、バインダー樹脂で固定した層をいう。また表面に半球状のドーム形状を付与した基材とは、透明基材あるいは拡散材を内部に含有せしめた拡散基材の表面に、プレス加工などで半球状のドーム形状を付与したものをいう。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
[特性の測定方法及び評価方法]
以下の各測定は、高湿条件下(80%以上)を避け、室温(20℃〜30℃)、かつ大気圧中で行うものとする。
以下の各測定は、高湿条件下(80%以上)を避け、室温(20℃〜30℃)、かつ大気圧中で行うものとする。
(1)バックライトの輝度及び輝度ムラ
例えば特開平5−119311号公報にあるような、10インチのバックライトに蛍光管が8本搭載された直下型バックライト(蛍光管直径4.1mm、蛍光管ピッチ14mm)から蛍光管の上に設定されていた拡散板(厚さ2mmのアクリル製)を取り外し、ここに本発明の光拡散基材を、凹凸を有する面がCCDカメラ側となるように、かつ、その基材のxz平面と直交する方向と蛍光管の長手方向とを一致させるように設置し、蛍光管を60分間点灯して光源を安定させたのちに、EYESCALE−3((株)アイ・システム)を用い、付属のCCDカメラをバックライト表面から90cmの地点にバックライト面に対して正面となるように設置し、輝度(cd/m2)を測定した。また、直下型バックライトにライティングカーテンが備えられている場合、ライティングカーテンを取り外し測定に用いた。
例えば特開平5−119311号公報にあるような、10インチのバックライトに蛍光管が8本搭載された直下型バックライト(蛍光管直径4.1mm、蛍光管ピッチ14mm)から蛍光管の上に設定されていた拡散板(厚さ2mmのアクリル製)を取り外し、ここに本発明の光拡散基材を、凹凸を有する面がCCDカメラ側となるように、かつ、その基材のxz平面と直交する方向と蛍光管の長手方向とを一致させるように設置し、蛍光管を60分間点灯して光源を安定させたのちに、EYESCALE−3((株)アイ・システム)を用い、付属のCCDカメラをバックライト表面から90cmの地点にバックライト面に対して正面となるように設置し、輝度(cd/m2)を測定した。また、直下型バックライトにライティングカーテンが備えられている場合、ライティングカーテンを取り外し測定に用いた。
なお、輝度は、バックライト中央部の二本の蛍光管の位置(図3の4の位置、計2点)、ならびに、それら二本の蛍光管およびそれらに隣接するさらに二本の蛍光管の中点の位置(図3の5の位置、計3点)で観測し、蛍光管の位置での輝度の平均をLmax、計四本の蛍光管の中点の位置での輝度の平均をLminとした。このとき二本の蛍光管及びそれらに隣接するさらに二本の蛍光管の位置は、光拡散基材を設置せずにバックライトのみで輝度を測定することで決定した。
そして、(Lmax + Lmin)/2を本発明における平均輝度とした。かかる平均輝度は、高いほうが良く、3000cd/m2以上ある場合を○、3000cd/m2未満である場合を×とした。
また輝度ムラを示す値として、(Lmax −Lmin )を用いた。輝度ムラは小さいほど良い。輝度ムラが600cd/m2以下である場合を○、600cd/m2を越える場合を×とした。
輝度特性は、平均輝度と輝度ムラの両方が○のものについて、平均輝度から輝度ムラを引いた値が3000cdm2以下である場合はB、3000cd/m2超である場合はAとした。
また、バックライトを斜めから見た場合の輝度特性も、EYESCALE−3((株)アイ・システム)を用い測定した。まず、付属のCCDカメラを角度可変の台に、バックライト真上でかつバックライト表面からの距離が90cmとなるように設置し輝度を測定した。続いてこのときの測定角度φを0度とし、測定角度φ=0°のときの焦点を回転中心として、CCDカメラとバックライト中心との距離が90cmに保たれるようにCCDカメラを回転し、φ=0〜60°までの範囲において15°毎に輝度を測定した。いずれの測定角度においても輝度ムラが600cd/m2以下である場合をAとした。φ=0°〜30°までの輝度ムラが600cd/m2以下であったもののφ=30°〜60°の範囲で輝度ムラが600cd/m2を超えてしまった場合をBとした。φ=0°〜30°までの輝度ムラが600cd/m2を越えてしまった場合をCとした。
(2)凹凸形状の頂部と、該頂部から、隣接する底部間距離の1/1000の距離x方向に離れた点とを結んだ直線の角度(θ)、アスペクト比および凹凸形状の繰り返し周期(p)の測定ならびに光拡散素子含有の確認方法
凹凸形状の頂部と、該頂部から、隣接する底部間距離の1/1000の距離x方向に離れた点とを結んだ直線の角度(θ)は、光拡散基材を、ミクロトームを用いて当該光拡散基材面に対して垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて 500から10000倍の範囲で、凹凸を有する層の厚みが確認できる大きさに拡大し、一つの凹凸形状を画像処理ソフトにより各座標点を数値化し、それを表計算上で微分することでθの値を求めた。かかる操作を5回行い、その平均値をθとした。ただし、5回の操作の結果、その最大値と最小値の差が、5回の平均値の50%以上である場合は、かかる操作を50回行い、その平均値をθとした。θの値は小数点第二位を四捨五入し、小数点第一位まで求めた。かくして評価した結果を表1に示す。
凹凸形状の頂部と、該頂部から、隣接する底部間距離の1/1000の距離x方向に離れた点とを結んだ直線の角度(θ)は、光拡散基材を、ミクロトームを用いて当該光拡散基材面に対して垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて 500から10000倍の範囲で、凹凸を有する層の厚みが確認できる大きさに拡大し、一つの凹凸形状を画像処理ソフトにより各座標点を数値化し、それを表計算上で微分することでθの値を求めた。かかる操作を5回行い、その平均値をθとした。ただし、5回の操作の結果、その最大値と最小値の差が、5回の平均値の50%以上である場合は、かかる操作を50回行い、その平均値をθとした。θの値は小数点第二位を四捨五入し、小数点第一位まで求めた。かくして評価した結果を表1に示す。
またアスペクト比 は、光拡散基材を、ミクロトームを用いて当該光拡散基材面に対して垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて 500から10000倍の範囲で、凹凸を有する層の厚みが確認できる大きさに拡大し、一つの凹凸形状を画像処理ソフトにより各座標点を数値化することで求めた。かかる操作を5回行い、その平均値をアスペクト比とした。ただし、5回の操作の結果、その最大値と最小値の差が、5回の平均値の20%以上である場合は、かかる操作を50回行い、その平均値をアスペクト比とした。アスペクト比の値は小数点第三位を四捨五入し、小数点第二位まで求めた。かくして評価した結果を表1に示す。
凹凸形状の繰り返し周期(p)は、一つの凹凸形状において、底部から頂部を経由し、次の底部までの距離を意味し、光拡散基材を、ミクロトームを用いて当該光拡散基材面に対して垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて500から10000倍の範囲で、凹凸を有する層の厚みが確認できる大きさに拡大し、一つの凹凸形状を画像処理ソフトにより各座標点を数値化することで求めた。かかる操作を5回行い、その平均値をpとした。ただし、5回の操作の結果、その最大値と最小値の差が、5回の平均値の20%以上である場合は、かかる操作を50回行い、その平均値をpとした。pの値は小数点第二位を四捨五入し、小数点第一位まで求めた。かくして評価した結果を表1に示す。
光拡散素子含有の確認は、光拡散基材を、ミクロトームを用いて当該光拡散基材面に対して垂直に凍結切断し、その断面をイオンコーターで白金/パラジウムを蒸着して、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡JSM-6700Fを用いて500から10000倍の範囲で、光拡散基材の総厚みが入る倍率で観察を行い、計測位置を5回変更して観察を行った。かくしてフィルム内部に光拡散素子を含有することが認められたもの(透明でないもの)は○、認められなかったもの(透明なもの)は×とし、表1に示す。
(3)総厚み(t)の測定
光拡散基材の総厚み(t)は、ミツトヨ製ダイヤルゲージを用い、測定子が凹凸を有さない面に接するように光拡散基材を設置し、測定した。測定は場所を変えて5回行い、その平均値を総厚み(t)とした。なお、両面に凹凸を有する場合は、どちらの面に測定子が接してもよい。
光拡散基材の総厚み(t)は、ミツトヨ製ダイヤルゲージを用い、測定子が凹凸を有さない面に接するように光拡散基材を設置し、測定した。測定は場所を変えて5回行い、その平均値を総厚み(t)とした。なお、両面に凹凸を有する場合は、どちらの面に測定子が接してもよい。
[実施例1]
厚さ100μmの透明ポリエステルフィルムに、光硬化性樹脂を塗布膜厚が50μmとなるように塗布し、次のような表面形状を有する金型を塗膜に押し込み、フィルム方向から光を照射して、光硬化性樹脂を硬化させ、剥離することにより所望の表面形状を付与した。ここで、a=b=50μm、c=0.15である。
厚さ100μmの透明ポリエステルフィルムに、光硬化性樹脂を塗布膜厚が50μmとなるように塗布し、次のような表面形状を有する金型を塗膜に押し込み、フィルム方向から光を照射して、光硬化性樹脂を硬化させ、剥離することにより所望の表面形状を付与した。ここで、a=b=50μm、c=0.15である。
<金型形状>
(式1)及び(式2)の曲線において、(式1)及び(式2)が値を有し、(z1 - z2) ≧0のxの範囲においては(式2)に従い、かつ、(z1 - z2) <0のxの範囲においては(式1)に従い、かつ、それをx軸に関してz=0となる部分で反転した形状。
(式1)及び(式2)の曲線において、(式1)及び(式2)が値を有し、(z1 - z2) ≧0のxの範囲においては(式2)に従い、かつ、(z1 - z2) <0のxの範囲においては(式1)に従い、かつ、それをx軸に関してz=0となる部分で反転した形状。
光硬化性樹脂としては、大日本インキ化学工業株式会社製、ユニディック15−829を用いた。光源には水銀灯を用い、強度500mJ/cm2で36秒間照射した。その後、80℃で30分間加熱し、光硬化処理を実施し、その後金型を剥離することで表面に微細な凹凸形状を有する光拡散フィルム(光拡散基材)を得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3300cd/m2、輝度ムラ600cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが700cd/m2でありCであった。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが700cd/m2でありCであった。
[実施例2]
(式2)においてc=0.1である金型を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3200cd/m2、輝度ムラ500cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが550cd/m2であったが、測定角60°において輝度ムラが1000cd/m2でありBであった。
(式2)においてc=0.1である金型を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3200cd/m2、輝度ムラ500cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが550cd/m2であったが、測定角60°において輝度ムラが1000cd/m2でありBであった。
[実施例3]
(式2)においてc=0.05である金型を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3000cd/m2、輝度ムラ300cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが350cd/m2であったが、測定角60°において輝度ムラが900cd/m2でありBであった。
(式2)においてc=0.05である金型を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3000cd/m2、輝度ムラ300cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが350cd/m2であったが、測定角60°において輝度ムラが900cd/m2でありBであった。
[実施例4]
(式1)、(式2)においてa=50μm、b=100μmかつc=0.025である金型を用い、光硬化性樹脂を塗布膜厚が100μmとなるように塗布すること以外は実施例1と同様の方法にて光拡散フィルムを得た。かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3400cd/m2、輝度ムラ200cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが300cd/m2であったが、測定角60°において輝度ムラが800cd/m2でありBであった。
(式1)、(式2)においてa=50μm、b=100μmかつc=0.025である金型を用い、光硬化性樹脂を塗布膜厚が100μmとなるように塗布すること以外は実施例1と同様の方法にて光拡散フィルムを得た。かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3400cd/m2、輝度ムラ200cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが300cd/m2であったが、測定角60°において輝度ムラが800cd/m2でありBであった。
[実施例5]
(式1)、(式2)においてa=50μm、b=125μmかつc=0.01である金型を用い、光硬化性樹脂を塗布膜厚が125μmとなるように塗布すること以外は実施例1と同様の方法にて光拡散フィルムを得た。かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3600cd/m2、輝度ムラ250cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが300cd/m2であったが、測定角60°において輝度ムラが800cd/m2でありBであった。
(式1)、(式2)においてa=50μm、b=125μmかつc=0.01である金型を用い、光硬化性樹脂を塗布膜厚が125μmとなるように塗布すること以外は実施例1と同様の方法にて光拡散フィルムを得た。かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3600cd/m2、輝度ムラ250cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが300cd/m2であったが、測定角60°において輝度ムラが800cd/m2でありBであった。
[実施例6]
厚さ100μmの透明ポリエステルフィルムの代わりに、以下に示す方法にて作成した厚さ125μmのフィルムを用いたこと以外は実施例4と同様の方法にて、光拡散フィルムを得た。
厚さ100μmの透明ポリエステルフィルムの代わりに、以下に示す方法にて作成した厚さ125μmのフィルムを用いたこと以外は実施例4と同様の方法にて、光拡散フィルムを得た。
以下に厚さ125μmのフィルムの作成方法を示す。
主押出機Aと副押出機Bを有する複合製膜装置に、下記組成の原料を供給した。すなわち、主押出機Aには、180℃で4時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を10mol%共重合、シクロヘキサンジメタノール(ガラス転移点163℃、屈折率1.46)を10mol%共重合させたポリエステル樹脂(融点200℃、ガラス転移点70℃、屈折率1.6)96重量%、ポリメチルペンテン(融点230℃、屈折率1.46)4重量%を混合したチップを供給した。
また、副押出機Bには、ポリエチレンテレフタレート(融点265℃)を供給した。
かかる押出機A、Bから、それぞれの原料を280℃で溶融押出し、主押出機Aの溶融原料が内層に、副押出し機Bの溶融原料が両表面相となるように溶融3層共押出し、複合フィルムを製作した。複合フィルムの厚み構成比はB/A/B(10/80/10)であった。このシートを表面温度20℃の鏡面冷却ドラム上でキャストして未延伸シートした。このシートを、85℃で長手方向に3倍延伸した。その後連続的に100℃の雰囲気中で幅方向に3倍延伸し、長手方向と幅方向の延伸倍率比を1とした。更に、主たる構成成分のポリエステル樹脂の融点以上である235℃の雰囲気中で20秒間の熱処理を行い、厚さ125μmのポリエステルフィルムを得た。
主押出機Aと副押出機Bを有する複合製膜装置に、下記組成の原料を供給した。すなわち、主押出機Aには、180℃で4時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を10mol%共重合、シクロヘキサンジメタノール(ガラス転移点163℃、屈折率1.46)を10mol%共重合させたポリエステル樹脂(融点200℃、ガラス転移点70℃、屈折率1.6)96重量%、ポリメチルペンテン(融点230℃、屈折率1.46)4重量%を混合したチップを供給した。
また、副押出機Bには、ポリエチレンテレフタレート(融点265℃)を供給した。
かかる押出機A、Bから、それぞれの原料を280℃で溶融押出し、主押出機Aの溶融原料が内層に、副押出し機Bの溶融原料が両表面相となるように溶融3層共押出し、複合フィルムを製作した。複合フィルムの厚み構成比はB/A/B(10/80/10)であった。このシートを表面温度20℃の鏡面冷却ドラム上でキャストして未延伸シートした。このシートを、85℃で長手方向に3倍延伸した。その後連続的に100℃の雰囲気中で幅方向に3倍延伸し、長手方向と幅方向の延伸倍率比を1とした。更に、主たる構成成分のポリエステル樹脂の融点以上である235℃の雰囲気中で20秒間の熱処理を行い、厚さ125μmのポリエステルフィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3100cd/m2、輝度ムラ100cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが150cd/m2であったが、測定角60°において輝度ムラが700cd/m2でありBであった。
また、斜め輝度特性は測定角30°において輝度ムラが150cd/m2であったが、測定角60°において輝度ムラが700cd/m2でありBであった。
[実施例7]
実施例5の光拡散基材の下にビーズ層含有基材として、(株)きもと製188GM3を配置した。
かくして得られた面光源は、表1に示す通り、平均輝度4000cd/m2、輝度ムラ150cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。また、斜め輝度特性は測定角60°においても輝度ムラが500cd/m2でありAであった。
実施例5の光拡散基材の下にビーズ層含有基材として、(株)きもと製188GM3を配置した。
かくして得られた面光源は、表1に示す通り、平均輝度4000cd/m2、輝度ムラ150cd/m2で、高い平均輝度と低い輝度ムラを両立し、優れた輝度特性を示した。また、斜め輝度特性は測定角60°においても輝度ムラが500cd/m2でありAであった。
[比較例1]
(式1)に従う表面形状を有する金型を使用すること以外は実施例1と同様の方法にて、光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3100cd/m2、輝度ムラ1500cd/m2で、輝度ムラが大きく、見え方が悪い画面となった。
(式1)に従う表面形状を有する金型を使用すること以外は実施例1と同様の方法にて、光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3100cd/m2、輝度ムラ1500cd/m2で、輝度ムラが大きく、見え方が悪い画面となった。
[比較例2]
(式1)において、a=50μm、b=62.5μmである表面形状を有する金型を使用すること以外は実施例1と同様の方法にて、光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3200cd/m2、輝度ムラ800cd/m2で、輝度ムラが大きく、見え方が悪い画面となった。
(式1)において、a=50μm、b=62.5μmである表面形状を有する金型を使用すること以外は実施例1と同様の方法にて、光拡散フィルムを得た。
かくして得られたフィルムは、表1に示す通り、平均輝度3200cd/m2、輝度ムラ800cd/m2で、輝度ムラが大きく、見え方が悪い画面となった。
本発明の光拡散フィルムおよびそれを用いた面光源は、パソコン、テレビあるいは携帯電話などの表示装置、特に液晶表示装置などの平面表示装置に用いられる面光源用として好適であり、有用である。
1:本発明における光拡散基材の表面形状の一例である。
θ:凹凸形状のうち、頂部と、該頂部から隣接する底部間距離の1/1000の距離x方向に離れた点とを結んだ直線の角度
w:x方向における頂部から底部までの距離
h:z方向における頂部から底部までの距離
p:繰り返し周期(ある凹凸形状の裾部から頂部を経て次の裾部に至るまでのx方向の長さ)
t:本発明書中で定義される総厚み
2:輝度測定に用いた直下型バックライト
3:直下型バックライトに搭載された蛍光管
4、5:輝度測定における輝度測定位置
6:直下型バックライトに搭載した光拡散基材
7:輝度測定に用いたCCDカメラ
φ:輝度測定における測定角度
θ:凹凸形状のうち、頂部と、該頂部から隣接する底部間距離の1/1000の距離x方向に離れた点とを結んだ直線の角度
w:x方向における頂部から底部までの距離
h:z方向における頂部から底部までの距離
p:繰り返し周期(ある凹凸形状の裾部から頂部を経て次の裾部に至るまでのx方向の長さ)
t:本発明書中で定義される総厚み
2:輝度測定に用いた直下型バックライト
3:直下型バックライトに搭載された蛍光管
4、5:輝度測定における輝度測定位置
6:直下型バックライトに搭載した光拡散基材
7:輝度測定に用いたCCDカメラ
φ:輝度測定における測定角度
Claims (7)
- 頂部および底部の繰り返しからなる凹凸形状を少なくとも片面に有する光拡散基材であって、凹凸形状は、頂部および底部の繰り返し方向をx、基材厚み方向をzとした場合、x−z平面において、頂部が微分不可能な点であり、かつ、隣接する底部間における接線の傾きがx増加方向に減少することを特徴とする光拡散基材。
- 前記凹凸形状は、頂部と、該頂部から隣接する底部間距離の1/1000の距離x方向に離れた点とを結んだ直線の角度(θ)が±(2〜10)°の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の光拡散基材。
- 前記凹凸形状のアスペクト比が1.5〜3の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散基材。
- 前記凹凸形状のくり返し周期(p)が1〜1000μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散基材。
- 総厚み(t)が10μm〜1000μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散基材。
- 内部に光拡散素子を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散基材。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の光拡散基材と、発光手段とを備えた面光源。
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JP2007324307A JP2008176305A (ja) | 2006-12-18 | 2007-12-17 | 光拡散基材およびそれを用いた面光源 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022021300A (ja) * | 2020-07-21 | 2022-02-02 | 日亜化学工業株式会社 | 発光モジュールおよび面状光源 |
US11674666B2 (en) | 2020-07-21 | 2023-06-13 | Nichia Corporation | Light-emitting module and planar light source |
-
2007
- 2007-12-17 JP JP2007324307A patent/JP2008176305A/ja active Pending
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