JP3447848B2 - 光拡散透過用成形品 - Google Patents

光拡散透過用成形品

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JP3447848B2 JP15197395A JP15197395A JP3447848B2 JP 3447848 B2 JP3447848 B2 JP 3447848B2 JP 15197395 A JP15197395 A JP 15197395A JP 15197395 A JP15197395 A JP 15197395A JP 3447848 B2 JP3447848 B2 JP 3447848B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、光拡散性芳香族ポリカ
ーボネート樹脂組成物およびそれからなる光拡散透過用
成形品に関する。さらに詳しくは、高い光透過性と良好
な光拡散性を有し、成形加工時の着色が少なく且つ高温
乾熱下における変色が少ない光拡散性芳香族ポリカーボ
ネート樹脂組成物およびそれからなる光拡散透過用成形
品に関する。 【0002】 【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は機械的特
性、耐熱性、耐候性に優れている上、高い光線透過率を
備えた樹脂として幅広い用途に使用されている。各種照
明器具カバー、液晶ディスプレイ、各種銘板等の用途に
おいては、光源から発せられる光線を透過、拡散せしめ
る材料が要求される。この種の用途に適する材料とし
て、透明樹脂に光拡散性を有する粒子を分散、配合する
方法が知られている。例えば、特開昭61−36354
号公報には芳香族ポリカーボネート樹脂にガラスビーズ
と有機リン化合物を配合してなる組成物が開示されてい
る。しかしながら、光拡散性が不十分であり、また成形
時の着色は抑えられるものの高温乾熱下での変色を充分
抑制できるものではない。同様に特公平3−62187
号公報には、芳香族ポリカーボネート樹脂にガラス粒子
と有機リン化合物を配合してなる組成物が開示されてい
るが、成形時の着色は抑えられるものの高温乾熱下での
変色を充分抑制できるものではない。また特開平3−1
26766号公報には、透明樹脂に重合体粒子および青
色染料を配合した組成物が開示されているが、成形加工
時の着色は抑えられるものの光透過性が低下する問題が
ある。 【0003】一方、特公昭57−24816号公報に
は、芳香族ポリカーボネート樹脂に炭酸カルシウムと酸
化チタンを配合した組成物が開示されているが、これら
の無機充填剤を配合した場合、成形加工時の着色や芳香
族ポリカーボネート樹脂の分子量低下が著しく、さらに
白熱電球等の光源からの熱によって変色が大きく実用上
使用できるものではない。また、特開昭63−2170
4号公報および特開平1−209402号公報には、ポ
リカーボネート樹脂に炭酸カルシウムとガラス短繊維を
配合した組成物が開示されているが、成形加工時の着色
や高温乾熱下での変色を抑制できるものではない。この
ため、優れた光透過性と光拡散性を有し且つ成形加工時
の着色および光源からの熱による変色の少ない光拡散性
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が求められている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い光透過
性と良好な光拡散性を有し、成形加工時の着色が少なく
且つ高温乾熱下における変色が抑制される光拡散性芳香
族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからの光拡散
透過用成形品を提供することを目的とする。本発明者
は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香
族ポリカーボネート樹脂、炭酸カルシウムおよびガラス
短繊維の特定割合を配合した混合物に特定のリン系化合
物およびフェノール系酸化防止剤を配合した芳香族ポリ
カーボネート樹脂組成物は、成形加工時の着色が少なく
また高温乾熱下における変色が抑制されることを見いだ
し、本発明に到達した。 【0005】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂60〜99.8
重量%、(B)炭酸カルシウム0.1〜20重量%およ
び(C)ガラス短繊維0.1〜20重量%より実質的に
なる混合物、その混合物100重量部に対し、(D)ホ
スファイト化合物および/またはホスフェート化合物
0.001〜1重量部および(E)フェノール系酸化防
止剤0.001〜1重量部を配合した芳香族ポリカーボ
ネート樹脂組成物より形成され、厚み3mmのシートに
成形したときのシートの全光線透過率が35%以上であ
り、分散度が20度以上であり、厚み2mmのシートに
成形したときのシートの初期色相(b値)が2以下であ
り且つ熱変色値(△E)が10以下である光拡散透過用
成形品が提供される。 【0006】本発明において使用される芳香族ポリカー
ボネート樹脂は、通常エンジニアリング樹脂として使用
される樹脂であり、二価フェノールとカーボネート前駆
体を反応させて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂で
ある。ここで使用される二価フェノールの代表的な例と
しては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)サルファイドおよびビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン等が挙げられる。好ましい二価フ
ェノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンで
あり、なかでもビスフェノールAが特に好ましい。 【0007】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。 【0008】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を反応させて芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに
当たり、二価フェノールは単独または2種以上を使用す
ることができ、また芳香族ポリカーボネート樹脂は三官
能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカ
ーボネート樹脂であっても、2種以上の芳香族ポリカー
ボネート樹脂の混合物であってもよい。また、必要に応
じて触媒、分子量調節剤、酸化防止剤等を使用してもよ
い。 【0009】芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量につ
いては任意のものを用いることができ、例えば二価フェ
ノールとしてビスフェノールA、カーボネート前駆体と
してホスゲンを用いて芳香族ポリカーボネート樹脂を得
た場合、濃度0.7g/dl塩化メチレン溶液により温
度20℃で測定した比粘度(ηsp)が0.15〜1.5の
ものが好ましい。 【0010】本発明において使用される炭酸カルシウム
は、特に限定されるものではなく、一般に合成樹脂用強
化材として使用されるものである。かかる炭酸カルシウ
ムは、一般に工業的に用いられている方法によって得ら
れるもので、炭酸ガス化合法、石灰乳ソーダー化合法、
塩化カルシウムソーダー法等の化学合成により製造され
るもの或いは天然の石灰石を微粉砕したもの等があり、
いずれの製法のものでも差し支えない。 【0011】炭酸カルシウムの重量平均粒子径は0.1
〜20μmのものが好ましく、1〜15μmのものが特
に好ましい。重量平均粒子径が0.1μm未満では、全
光線透過率が低下してしまい、20μmを越えると充分
な光拡散性を得るには、添加量が多くなり加工性および
成形品の外観が低下するため好ましくない。かかる炭酸
カルシウムの粒子形状は、特に限定されるものではな
く、立方体状、紡錘状、針状、棒状等のいずれの形状で
も差し支えない。屈折率は、使用する芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の屈折率との差が0.01〜0.15であるこ
とが好ましい。屈折率の差が0.01未満のときは光の
拡散が不十分となり、0.15を超えると光の分散効果
は高いが、全光線透過率が低下するので適当でない。 【0012】炭酸カルシウムの配合割合は、芳香族ポリ
カーボネート樹脂、炭酸カルシウムおよびガラス短繊維
よりなる混合物100重量%に対し、0.1〜20重量
%であり、0.5〜15重量%が好ましい。配合割合が
0.1重量%未満では、充分な光拡散性が得られず、2
0重量%より多くなると加工性および成形品の外観が低
下するため好ましくない。かかる炭酸カルシウムは、シ
ランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカ
ップリング剤、有機脂肪酸および/または有機脂肪酸の
金属塩、界面活性剤、燐酸化合物等で表面処理されてい
るものが好ましく、特に有機脂肪酸および/または有機
脂肪酸の金属塩で表面処理されているものが好ましい。 【0013】本発明において使用されるガラス短繊維
は、ガラス繊維を切断または粉砕したものであり、一般
に合成樹脂用強化材として使用されるものである。該ガ
ラス短繊維はL/D≦10を満足するガラス繊維であ
り、ここでいうLはガラス短繊維の平均長さ、Dは平均
直径である。L/Dの値が10より大きいと成形品の外
観が低下したり、成形品中でのガラス繊維の配向によっ
て、均一な光拡散性が失われるため好ましくない。ま
た、該ガラス短繊維の直径は特に制限する必要はない
が、3〜20μmの範囲が好ましい。 【0014】該ガラス短繊維としては無アルカリガラス
が好ましく、なかでもアルミニウム−ホウケイ酸ガラス
(Eガラス)が好ましい。屈折率は使用する芳香族ポリ
カーボネート樹脂の屈折率との差が0.01〜0.04で
あることが好ましい。屈折率の差が0.01未満のとき
は光の拡散が不十分となり、0.04を超えると光の分
散効果は高いが全光線透過率が低下するので適当でな
い。 【0015】ガラス短繊維の配合割合は、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂、炭酸カルシウムおよびガラス短繊維よ
りなる混合物100重量%に対し、0.1〜20重量%
であり、1〜15重量%が好ましい。ガラス短繊維の配
合割合が0.1重量%未満では、充分な光拡散性が得ら
れず、20重量%より多くなると加工性および成形品の
外観が低下するため好ましくない。かかるガラス短繊維
は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤
等のカップリング剤等で表面処理されているものが好ま
しい。かかるガラス短繊維はミルドファイバー或いはガ
ラス粉末として市場から容易に入手することができる。 【0016】本発明において使用される炭酸カルシウム
とガラス短繊維の配合比は特に限定する必要はなく、要
求される全光線透過率と光拡散性を満足するように任意
に配合比を選ぶことができる。 【0017】本発明においてホスファイト化合物および
/またはホスフェート化合物が該混合物に配合される。
ホスファイト化合物および/またはホスフェート化合物
を配合することにより成形加工時の着色を抑制すること
ができる。 【0018】このホスファイト化合物としては、例えば
トリフェニルホスファイト、トリメチルホスファイト、
トリクレジルホスファイト、ジフェニルノニルフェニル
ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト、トリオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシル
ホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリオレ
イルホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイ
ト、ジイソデシルホスファイト、ジラウリルホスファイ
ト、ジオレイルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタ
エリスリトールジホスファイトおよびビス(2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト等が挙げられ、またホスフェート化
合物としては、例えばトリメチルホスフェート、トリブ
チルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフ
ェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホス
フェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェー
ト、トリブトキシエチルホスフェート、フェニルホスホ
ン酸ジメチルエステル、3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジルホスホン酸ジメチルエステル、ジブ
チルホスフェート、ジオクチルホスフェートおよびジイ
ソプロピルホスフェート等が挙げられ、これらのなかで
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリル
ペンタエリスリトールジホスファイトおよびトリメチル
ホスフェートが特に好ましく用いられる。これらは単独
で用いても2種以上混合して用いてもよい。 【0019】かかるホスファイト化合物および/または
ホスフェート化合物の配合量は、上記芳香族ポリカーボ
ネート樹脂、炭酸カルシウムおよびガラス短繊維よりな
る混合物100重量部に対して0.001〜1重量部で
あり、0.005〜0.8重量部が好ましく、0.01〜
0.5重量部がより好ましい。この配合量が0.001重
量部未満では成形加工時の着色性の改良が不十分であ
り、1重量部を越えると該芳香族ポリカーボネート樹脂
が劣化を起こすようになり好ましくない。 【0020】本発明においてフェノール系酸化防止剤が
該混合物に配合される。フェノール系酸化防止剤を配合
することにより、高温乾熱下における着色を抑制するこ
とができる。 【0021】このフェノール系酸化防止剤としては、例
えばn−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5
−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキ
ス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、ジステアリル(4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン、ジステアリル(4−
ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチル)ベンジルマ
ロネートおよび4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t
−ブチルフェノール等が挙げられる。なかでもn−オク
タデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルフェニル)プロピオネートが特に好ましい。これら
は単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。 【0022】かかるフェノール系酸化防止剤の配合量
は、上記芳香族ポリカーボネート樹脂、炭酸カルシウム
およびガラス短繊維よりなる混合物100重量部に対し
て、0.001〜1重量部であり、0.005〜0.8重
量部が好ましく、0.01〜0.5重量部がより好まし
い。この配合量が0.001重量部未満では、成形加工
時の着色や高温乾熱下での変色が起こり、1重量部を越
えると該芳香族ポリカーボネート樹脂が劣化を起こすよ
うになり好ましくない。 【0023】上述のホスファイト化合物および/または
ホスフェート化合物とフェノール系酸化防止剤を併用す
ることにより、成形加工時の着色が少なく、高温乾熱下
における変色が抑制される光拡散性芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物およびそれからの成形品を得ることがで
き、またその効果はそれぞれ単独での使用に比べて予測
し得ないものである。 【0024】また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物からなる光拡散透過用成形品は、光透過性が高
く、優れた光拡散性を有し、且つ成形加工時の着色およ
び高温乾熱下における変色が少ないため、例えば白熱電
球用照明グローブとして好適に用いられる。 【0025】また、特にこの光拡散透過用成形品は、厚
み3mmのシートの全光透過率が35%以上であり、分
散度が20度以上であり、厚み2mmのシートの初期色
相(b値)が2以下であり、且つ熱変色値(△E)が1
0以下であることが好ましい。ここでいう全光線透過率
はASTM D1003に従い測定されたもので、分散
度は図1において光線を上方から垂直にシートに当てた
ときγ=0度のときの透過光量を100とした場合、そ
の透過光量が50になるときのγの角度であり、初期色
相は該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を溶融混練
し、これより成形したシートをJIS Z8722に従
い反射法で測定したハンター表色系のb値であり、熱変
色値(△E)は、該シートを150℃で240時間処理
した後に、JIS Z8722に従い測定した処理後の
色相と処理前の色相とのハンター表色系の色差(△E)
である。 【0026】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物を製造するには、任意の方法や装置が使用でき、例え
ば押出機、バンバリーミキサー、ロール等で混練する方
法が適宜選択される。また本発明の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物は従来公知の方法、例えば射出成形、押
出し成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、
圧縮成形、粉末成形で成形することができる。特に本発
明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物をブロー成形、
インジェクションブロー成形して得られる成形品は、そ
の延伸工程によって、ガラス短繊維および炭酸カルシウ
ムとポリカーボネート樹脂との密着性が変化し白味の高
い高級感のある光拡散透過用成形品が得られる。 【0027】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、本発明の目的を損なわない範囲で難燃剤、難燃
助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、離型剤、流動改質
剤、着色剤、滑剤および発泡剤等を必要に応じてその発
現量添加しても差し支えない。さらに他の充填剤、例え
ばガラスビーズ、ガラスフレーク、硫酸バリウム、シリ
カ、クレー、タルク、マイカ、酸化チタンおよび硫化亜
鉛等を併用することもできる。上述の難燃剤としては例
えば臭素化ビスフェノールA、臭素化ポリカーボネー
ト、臭素化ポリスチレン、赤リン等が挙げられ、難燃助
剤としては例えば三酸化アンチモン、アンチモン酸ナト
リウム等が挙げられ、紫外線吸収剤としては、例えばベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫
外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤等が挙げ
られる。 【0028】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお評価は下記の(1)〜(4)の方法により行っ
た。 (1)全光線透過率:一辺150mm、厚み3mmの試
験片を用い、村上色彩技術研究所(株)製のヘーズメー
ターHR−100を使用して、その厚み方向の透過率を
ASTM D1003に従い測定した。 (2)分散度:一辺150mm、厚み3mmの試験片を
用い、日本電色工業(株)製の分散度測定計を使用して
測定した。測定方法を図1に示した。尚、分散度とは図
1において光線を上方から垂直に試験片面に当てたとき
γ=0度のときの透過光量を100とした場合、その透
過光量が50になるときのγの角度をいう。 (3)初期色相:一辺150mm、厚み2mmの試験片
を用い、東京電色工業(株)製のカラーアナライザーT
R−1800MK−IIを使用して、JIS Z872
2に従い反射法で測定したハンター表色系b値で評価し
た。 (4)乾熱変色値:一辺150mm、厚み2mmの試験
片を150℃で240時間処理し、東京電色工業(株)
製のカラーアナライザーTR−1800MK−IIを使
用して、JIS Z8722に従い測定した処理後の色
相と初期色相とのハンター表色系色差(ΔE)で示し
た。 【0029】実施例1〜6および比較例1〜9 表1に示す芳香族ポリカーボネート樹脂、炭酸カルシウ
ム、ガラス短繊維、リン系化合物およびフェノール系酸
化防止剤を表1に示す割合でドライブレンドした後、ス
クリュー径30mmのベント付一軸押出機[ナカタニ機
械(株)製:VSK−30]により、シリンダー温度2
90℃で溶融混練し、押出し、ストランドカットしてペ
レットを得、得られたペレットを120℃で5時間熱風
循環式乾燥機により乾燥した。その後、射出成形機[東
芝機械(株)製:IS−150EN]によりシリンダー
温度310℃、金型温度100℃で成形し評価用試験片
を得た。評価結果を表1に示した。 【0030】表1における芳香族ポリカーボネート樹
脂、炭酸カルシウム、ガラス短繊維、リン系化合物およ
びフェノール系酸化防止剤の記号は下記のものを示す。
また、リン系化合物およびフェノール系酸化防止剤の添
加量を示す重量部は芳香族ポリカーボネート樹脂、炭酸
カルシウムおよびガラス繊維よりなる混合物100重量
部に対する割合を示す。 PC:芳香族ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製
パンライトL−1225ηsp=0.41] CA−1:炭酸カルシウム[シプロ化成(株)製シプロ
ンA 重量平均粒子径10μm] G−1:ガラス短繊維[日東紡績(株)製PFE−30
1 平均直径9μm、平均長さ40μm] P−1:トリメチルホスフェート P−2:トリス(ノニルフェニル)ホスファイト P−3:ジステアリルペンタエリスリトールジホスファ
イト F−1:n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート F−2:テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタン 【0031】 【表1】 【0032】 【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物およびそれからの光拡散透過用成形品は、光透過性
が高く優れた光拡散性を有し、成形加工時の着色が少な
く、且つ高温乾熱下での変色が抑制されるため、高温環
境下において光拡散性を必要とされる分野例えば白熱電
球用照明グローブとして好適であり、その奏する工業的
効果は格別のものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、本発明における分散度の測定方法を示
す概略図である。 【符号の説明】 A 試験片(シート) B 光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 7/14 C08K 7/14 G02B 1/04 G02B 1/04 5/02 5/02 A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 69/00 C08K 3/26 C08K 5/13 - 5/138 C08K 5/521 - 5/526 G02B 1/04,5/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂60
    〜99.8重量%、(B)炭酸カルシウム0.1〜20重
    量%および(C)ガラス短繊維0.1〜20重量%より
    実質的になる混合物、その混合物100重量部に対し、
    (D)ホスファイト化合物および/またはホスフェート
    化合物0.001〜1重量部および(E)フェノール系
    酸化防止剤0.001〜1重量部を配合した芳香族ポリ
    カーボネート樹脂組成物より形成され、厚み3mmのシ
    ートに成形したときのシートの全光線透過率が35%以
    上であり、分散度が20度以上であり、厚み2mmのシ
    ートに成形したときのシートの初期色相(b値)が2以
    下であり且つ熱変色値(△E)が10以下である光拡散
    透過用成形品。
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