JP6862654B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、偏光板保護フィルムとして好適に用いることができる積層フィルムに関する。また、その積層フィルムを偏光板保護フィルムとして用いてなる偏光板に関する。
熱可塑性樹脂フィルム、中でも二軸延伸ポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材料などの多くの用途において基材フィルムとして広く使用されている。特に近年、フラットパネルディスプレイやタッチパネル分野において、偏光板保護フィルムや透明導電フィルムなど、各種光学用フィルムの需要が高まっており、その中でも、偏光板保護フィルム用途では、低透湿、機械強度、及び熱寸法安定性の優れた物性の適用と低コスト化を目的として、従来のトリアセチルセルロース(TAC)フィルムからポリエステルフィルムへの置き換えが盛んに検討されている。
特開2014−12401号公報 特開2009−42653号公報 特開2013−210598号公報 しかし、従来検討されている二軸延伸ポリエステルフィルムでは、延伸時のポリマーの配向に起因してTACフィルムと比較して位相差(Retardation:レターデーション)が高くなるため、液晶ディスプレイとして組み立てた際にレターデーションに起因した干渉色が生じ、画像を表示した際の品位が低下するという課題があった。本課題を解決するために、レターデーション(リタデーションと表記されることもある)の制御方法が提案されているものの、依然としてレターデーションの程度やバラツキを両立するには十分とは言えないものであった。例えば、積層フィルムで位相差400nm以下が提案されているが、厚み位相差が大きいため液晶ディスプレイの偏光板には用いられない問題がある(特許文献1)。また、偏光子保護用ポリエステルフィルムが提案されているが、位相差が大きく、干渉色や虹ムラの抑制が十分でなかった(特許文献2)。UVカット性能をもち、位相差400nm以下の偏光子保護用ポリエステルフィルムが提案されているが、透過率が低くいことによる視認性、及びボーイングが大きくなる製膜条件を採用しているため、幅方向の位相差のバラツキは大きい問題があった(特許文献3)。つまり、二軸延伸フィルムを製造する際にフィルム幅方向でポリマーの配向状態に差が生じるために、たとえフィルムの一部分で目標とする低レターデーション化を達成できた場合でも、大画面のディスプレイに用いることができる大面積のフィルムにおいて均一に低いリタデーションのフィルムが得られず製品収率が低下し、高コストになるという問題が残されていた。また、レターデーションはフィルム厚みに比例するためにフィルム厚みを数μmレベルで薄くすることによって抑制することもできるものの、極度の薄膜化によりハンドリング性が低下してしまい、偏光板保護フィルムの用途では実用的なものではなかった。更に最外層に用いられる偏光板保護フィルムは高いUVカット性が求められており、紫外線吸収材を多量に添加することによるコストアップや工程汚染、色味変化などが問題となっていた。
本発明の課題は、上記した課題を解決することにある。すなわち、低コスト、且つ薄膜化が可能な二軸延伸ポリエステルフィルムでありながら低位相差性を有し、更に大画面の液晶ディスプレイなどの表示装置に搭載した際に色ムラ・虹ムラ・干渉色を呈することのなく、後加工性に優れた積層フィルムを提供することにある。
上記した課題は、厚み方向に3層以上積層された積層フィルムであって、面内方向位相差(Re)が0〜400nm、厚み方向位相差(Rth)が0〜1500nm、Reのバラツキが幅方向において18%以下、長手方向および幅方向のヤング率が2GPa以上、長手方向および幅方向の破断伸度が50%以上であり、該積層フィルムのフィルム厚みが40μm以下、フィルムの幅が400mm以上である積層フィルム、によって達成することができる。
本発明の積層フィルムは、偏光板保護フィルムとして大画面の液晶ディスプレイの表示装置に搭載した場合、色ムラが少なく見栄えが良好であり高品位で表示することができる効果を奏する。より好ましい態様として、高いUVカットにより偏光子及び液晶のUV劣化を抑制することができる効果を奏する。ITO等の透明導電の基材フィルムとして搭載された場合、色ムラ・虹ムラ・干渉色がなく、同様の効果を奏する。この効果は、さらに観測者が偏光サングラスを透してみた場合、ブラックアウト現象と呼ばれる黒表示となることは無く、明るく鮮明に表示される。
以下、本発明の積層フィルムについて詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、厚み方向に3層以上積層された積層フィルムである。積層フィルムの積層数は、UVカット性、レターデーション、フィルム総厚みの観点から51〜1001層であれば好ましく、101〜501層であればより好ましく、151〜351層であれば更に好ましい。厚みを薄く、かつ干渉反射による紫外線反射を利用する観点からは、101〜301層であれば特に好ましい。積層フィルムの積層数が3層未満の場合、後述するとおり熱可塑性樹脂Bとして非晶樹脂を用いた際に、ロールやクリップなどの製造設備への粘着による製膜不良や、積層フィルム表面の平面性悪化などの問題が生じる場合がある。積層フィルムの積層数が1層、即ち単膜の場合、レターデーションを制御するために厚みを薄くする必要があり、ハンドリング性が悪化する場合がある。また、積層フィルムの積層数が51層未満の場合、UVカット性が不十分である可能性がある。UVカット性と厚み方向の積層数の関係については後述する。一方、積層フィルムの積層数が1001層を越える場合、フィルム総厚みが厚くなりすぎる可能性がある。
本発明の積層フィルムは、結晶性ポリエステルを主成分とするA層と該結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層が交互に積層されてなることが好ましい。なお、「主成分」とは、特定の成分が全成分中に占める割合が50質量%以上であることを意味し、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であることを意味する。A層に用いられる結晶性ポリエステルAとは異なる熱可塑性樹脂Bとは、A層に用いられる結晶性ポリエステルAとは異なる熱特性を示すものをさし、具体的には、示差走査熱量測定(DSC)において異なる融点やガラス転移点温度を示すものをさす。また、ここでいう交互に積層されてなるとは、異なる熱可塑性樹脂からなる層が厚み方向に規則的な配列で積層されていることをいい、たとえば異なる屈折率を有する2つの熱可塑性樹脂A及びBからなる場合、各々の層をA層、B層と表現すれば、A(BA)n(nは自然数)の規則的な配列で積層されたものである。このように熱特性の異なる樹脂が交互に積層されることにより、二軸延伸フィルムを製造する際に各々の層の配向状態を高度に制御する事が可能となり、ひいてはレターデーションやUVカット性を制御できるものである。
本発明の積層フィルムは、結晶性ポリエステルからなるA層が最外層である事が好ましい。この場合、結晶性ポリエステルが最外層となるため、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムのような結晶性ポリエステルフィルムと同様に二軸延伸フィルムを得ることが可能となる。熱可塑性樹脂Aがたとえば非結晶性の樹脂からなる場合、後述の一般的な逐次二軸延伸フィルムと同様に二軸延伸フィルムを得る場合、ロールやクリップなどの製造設備への粘着による製膜不良や、積層フィルム表面の平面性悪化などの問題が生じる場合がある。本発明に用いる結晶性ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールとを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。中でも高い屈折率を発現するテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種のみ用いてもよいが、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドログルシトール、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよいが、2種以上併用してもよい。
本発明に用いる結晶性ポリエステル中に添加することができる樹脂や、熱可塑性樹脂Bとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリアセタールなどの鎖状ポリオレフィン、ノルボルネン類の開環メタセシス重合,付加重合,他のオレフィン類との付加共重合体である脂環族ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボーネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。この中で、強度・耐熱性・透明性および汎用性の観点から、特にまた、結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bとしても、強度・耐熱性・透明性・汎用性に加え、結晶性ポリエステルとの密着性・積層性という観点からポリエステルからなることが好ましい。これらは、共重合体であっても、混合物であってもよい。
本発明に用いる結晶性ポリエステルと前記結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bは、例えば、上記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体などを用いることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Bは、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、スピログリコール、シクロヘキサンジメタノール、およびイソソルビドから選ばれた共重合成分を一つ以上含む非晶性ポリエステルであることが好ましい。これらの成分を含んだポリエステルは、複屈折性を発現し難く、特に延伸されてもその効果を発揮しやすいため、本発明の積層フィルムとして用いた場合、正面からの位相差のみならず、厚み方向の位相差も小さくできるため、色ムラ、虹ムラ、干渉色を抑制することができる。特に、スピログリコールとイソソルビドは、その共重合量を高めることで耐熱性を向上させることも可能であり、偏光板やITO等の透明導電性フィルムの製造工程において優れた加工適性を発現する。なお、色ムラや虹ムラとは、直線偏光の光を出すディスプレイパネルの上に複屈折をもつポリエステルフィルムを置き、背面を白色表示した際に視野角依存性を調べたときに見える光学現象の事である。干渉色とは、吸収軸が直交した2枚の偏光板の間に複屈折体を配置し、下方から白色光で照らしたときに見える位相差に起因した色のことであり、一般にMichel-Levyの干渉図表が位相差と色の関係を表したものとして知られている。
本発明の積層フィルムに用いる結晶性ポリエステルと前記結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bの好ましい組み合わせとしては、各熱可塑性樹脂のSP値の差の絶対値が、1.0以下であることが特に好ましい。SP値の差の絶対値が1.0以下であると層間剥離が生じにくくなる。より好ましくは、結晶性ポリエステルと熱可塑性樹脂Bは同一の基本骨格を供えた組み合わせからなることが好ましい。ここでいう基本骨格とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことであり、たとえば、一方の熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレートを用いる場合は、高精度な積層構造を実現しやすい観点から、ポリエチレンテレフタレートと同一の基本骨格であるエチレンテレフタレートをもう一方の熱可塑性樹脂に含むことが好ましい。結晶性ポリエステルと熱可塑性樹脂Bとが同一の基本骨格を含む樹脂であると、積層精度が高く、さらに積層界面での層間剥離が生じにくい積層構造とすることができる。
また、本発明の積層フィルムに用いる結晶性ポリエステルと該結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bの好ましい組み合わせとしては、結晶性ポリエステルと熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度差が20℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度差が20℃より大きい場合には積層フィルムを製造する際の厚み均一性が不良となり、レターデーションにばらつきが生じる原因となる。また、積層フィルムを成形する際にも、過延伸が発生するなどの問題が生じやすい。
本発明の積層フィルムのB層は、A層に用いられる結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bが非晶性樹脂からなることが好ましい。結晶性樹脂と比較して非晶性樹脂は二軸延伸フィルムを製造する際に配向が生じにくいため、熱可塑性樹脂BからなるB層のレターデーションの増加を抑制でき、ひいては積層フィルムのレターデーションの不均一さを抑制することが容易となる。特に、二軸延伸フィルムを製造する際に熱処理工程を設けた場合にこの効果は顕著となる。具体的には、フィルム長手方向及び幅方向への延伸工程で非晶性樹脂からなる層に生じた配向を熱処理工程で完全に緩和させることができ、実質的に結晶性ポリエステルからなるA層に起因するレターデーションのみが積層フィルムとしてのレターデーションに影響を与えるようになるためである。ここでいう非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定において融点に相当するピークを殆ど示さない樹脂を指す。
上記の条件を満たすための樹脂の組合せの一例として、本発明の積層フィルムでは、結晶性ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、熱可塑性樹脂Bがスピログリコールを含んでなるポリエステルであることが好ましい。スピログリコールを含んでなるポリエステルとは、スピログリコールを共重合したコポリエステル、またはホモポリエステル、またはそれらをブレンドしたポリエステルのことを言う。スピログリコールを含んでなるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になりにくく、且つ層間剥離もし難いために好ましい。より好ましくは、結晶性ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、熱可塑性樹脂Bがスピログリコールおよびシクロヘキサンジカルボン酸を含んでなるポリエステルであることが好ましい。スピログリコールおよびシクロヘキサンジカルボン酸を含んでなるポリエステルであると、結晶性を低下させることができるために容易にレターデーションを抑制することができるようになる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さく、接着性にも優れるため、成形時に過延伸になりにくく、且つ層間剥離もし難い。
また、本発明の積層フィルムは、結晶性ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、該結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bがシクロヘキサンジメタノールを含んでなるポリエステルであることも好ましい。シクロヘキサンジメタノールを含んでなるポリエステルとは、シクロヘキサンジメタノールを共重合したコポリエステル、またはホモポリエステル、またはそれらをブレンドしたポリエステルのことを言う。シクロヘキサンジメタノールを含んでなるポリエステルは、結晶性を低下させることができるために容易にレターデーションを抑制することができ、また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になり難く、かつ層間剥離もし難いために好ましい。より好ましくは、熱可塑性樹脂Bがシクロヘキサンジメタノールの共重合量が15mol%以上60mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体である。このようにすることにより、ほぼ非晶状態とできるためにレターデーションを抑制できることに加えて、特に加熱や経時によるレターデーションの変化が小さく、層間での剥離も生じ難くなる。シクロヘキサンジメタノールの共重合量が15mol%以上60mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体は、ポリエチレンテレフタレートと非常に強く接着する。また、そのシクロヘキサンジメタノール基は幾何異性体としてシス体あるいはトランス体があり、また配座異性体としてイス型あるいはボート型もあるので、ポリエチレンテレフタレートと共延伸しても配向結晶化しにくいために、製造時のやぶれも生じ難い。
更に、本発明の積層フィルムは、結晶性ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、該結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bがイソフタル酸を含んでなるポリエステルであることも好ましい。イソフタル酸を含んでなるポリエステルとは、イソフタル酸を共重合したコポリエステル、またはホモポリエステル、またはそれらをブレンドしたポリエステルのことを言う。イソフタル酸を含んでなるポリエステルは、結晶性を低下させることができるために容易にレターデーションを抑制することができ、また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になり難く、かつ層間剥離もし難いために好ましい。より好ましくは、熱可塑性樹脂Bがイソフタル酸の共重合量が10mol%以上25mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体である。
本発明の積層フィルムは、結晶性ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、該結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bがイソソルビドを含んでなるポリエステルであることも好ましい。イソソルビドを含んでなるポリエステルとは、イソソルビドを共重合したコポリエステル、またはホモポリエステル、またはそれらをブレンドしたポリエステルのことを言う。イソソルビドを含んでなるポリエステルは、結晶性を低下させることができるために容易にレターデーションを抑制することができ、また、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さく、相溶性が良いため、共延伸性と層間密着性に優れている。好ましいイソソルビドの共重合量は、3mol%以上50mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体である。より好ましくは、結晶性ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、熱可塑性樹脂Bがイソソルビドおよびシクロヘキサンジメタノールを含んでなるポリエステルであることが好ましい。イソソルビドおよびシクロヘキサンジメタノールを含んでなるポリエステルであると、重合性と結晶性をさらに低下させることができるために、生産性を高めると伴に容易にレターデーションを抑制することができるようになる。シクロヘキサンジメタノールの共重合量は、5〜60mol%が好ましい。
また、熱可塑性樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
本発明の積層フィルムに添加する紫外線吸収剤(UVA)の濃度は0.5〜2質量%であることが好ましく、0.7〜1.8質量%であればより好ましく、0.8〜1.5質量%であれば更に好ましく、1.0〜1.5質量%であれば特に好ましい。UVAの濃度が0.5質量%未満の場合、UVカット性に劣る可能性がある。一方、UVAの濃度が2質量%を超える場合、工程汚染や色味変化、機械強度の低下などが生じる可能性がある。また、UVAとしては、波長300〜400nmの領域でのUV吸収能の観点で、2,2’−メチレンビス[6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサゾジン−4−オン)、2−(4,6−(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノールや、これらの混合物を好ましく用いることができる。
本発明の積層フィルムは、A層とB層の積層比(A層の総厚み/B層の総厚み)が0.2〜1.5の範囲であることが好ましい。A層とB層の積層比は0.5〜1.4であるとより好ましく、0.7〜1.3であると更に好ましく、0.8〜1.2であると特に好ましい。積層比が0.2未満の場合、特にB層に非晶性樹脂を用いた場合において、耐熱性が悪化する可能性がある。積層比が1.5を超える場合、特にB層に非晶性樹脂を用いた場合において、位相差が増加しすぎる可能性がある。虹ムラや色ムラと関係する厚み方向の位相差を下げる観点から、積層比は小さいほど好ましい。
本発明の積層フィルムは、面内方向位相差(Re)が0〜400nmである。Reは0〜200nmであれば好ましく、0〜150nmであればより好ましく、0〜100nmであれば更に好ましく、0〜50nmであれば特に好ましい。一般的にReは、フィルムの面内における直交する2方向の屈折率差の最大値とフィルム厚みの積から算出されるものであるが、本発明のような積層フィルムにおいては容易にフィルムとしての屈折率を測定できないため、間接的な手法で算出された値をもってレターデーションとする。具体的には、王子計測機器株式会社製の位相差測定装置KOBRAシリーズにて後述する測定方法において計測された値を用いる。Reが400nmを超える場合、偏光板保護フィルムとして液晶ディスプレイに実装した際に干渉色が生じる場合がある。
本発明の積層フィルムは、厚み方向位相差(Rth)が0〜1500nmである。Rthは0〜1200nmであれば好ましく、0〜1000nmであればより好ましく、0〜900nmであれば更に好ましく、0〜700nmであれば特に好ましい。Rthが1500nmを超える場合、偏光板保護フィルムとして液晶ディスプレイに実装した際に角度を付けて観察すると干渉色が見えやすくなる場合がある。
Re、及びRthを上記の通り制御する方法としては、後述する製膜条件により各層の複屈折を制御することによって達成することができる。詳しくは、例えば、熱可塑性樹脂Bをフィルムの製造工程において無配向化することで熱可塑性樹脂BからなるB層での屈折率の異方性(複屈折)をほぼゼロとすることができる。この場合、Reは結晶性ポリエステルからなるA層の屈折率の異方性とA層の総厚みの積となり、同一厚みの結晶性ポリエステルからのみなるフィルムと比較するとReを抑制できるものである。
本発明の積層フィルムは、Reのバラツキが幅方向において18%以下である。Reのバラツキは、15%以下であれば好ましく、12%以下であればより好ましく、10%以下であれば更に好ましく、8%以下であれば特に好ましい。最も好ましくは、6%以下である。この際のReのバラツキとは、積層フィルムのフィルム幅が400mm以上の場合において、フィルムの幅方向全体に50mm間隔にサンプリングした後、それぞれのサンプルの中央のReを測定し、Reの最大値と最小値の差を平均値で割って、%表示した値のことをさす(Reのバラツキ(%)=(Reの最大値−Reの最小値)/(Reの平均値)×100)。より好ましくは、600mm以上のフィルム幅において、さらに好ましくは、1000mm以上のフィルム幅において、Reのバラツキが18%以下であることが好ましい。ロール状の積層フィルムであれば、ロールの巻き方向をフィルム長手方向とし、それに直行する方向が幅方向に相当する。一方、カットされたシート状である場合には、フィルムの長辺方向と長辺方向に直交する方向の両末端(両端部よりそれぞれ25mm離れた箇所)においてReを計測し、フィルム中央との差が大きい方向を本発明でいう積層フィルムの幅方向とする。Reのバラツキが幅方向において18%を超える場合、偏光板保護フィルムとして特に大型の液晶ディスプレイに実装した際に色ムラが生じ、品位が低下する可能性がある。Reの幅方向のバラツキを上記の通り制御する方法としては、樹脂及び後述する製膜条件を取ることにより達成することができる。
本発明の積層フィルムは、長手方向および幅方向のヤング率が2GPa以上である。長手方向および幅方向のヤング率は2.2GPa以上であれば好ましく、2.5GPa以上であればより好ましく、2.8GPa以上であれば更に好ましく、3GPa以上であれば特に好ましい。長手方向および幅方向のいずれかのヤング率が2GPa以下の場合、フィルムにコシがなくハンドリング性に問題がある可能性がある。長手方向および幅方向のヤング率を上記の通り制御する方法としては、上記した結晶性ポリエステルを使用し、後述する製膜条件を取ることにより達成することができる。
本発明の積層フィルムは、長手方向および幅方向の破断伸度が50%以上である。長手方向および幅方向の破断伸度は100%以上であれば好ましく、110%以上であればより好ましく、120%以上であれば更に好ましく、130%以上であれば特に好ましい。長手方向および幅方向のいずれかの破断伸度が50%以下の場合、フィルムが脆くなってしまい加工工程中に張力が掛かった際にフィルムが破断してしまう可能性がある。長手方向および幅方向の破断伸度を上記の通り制御する方法としては、上記した結晶性ポリエステルを使用し、後述する製膜条件を採ることにより達成することができる。
本発明の積層フィルムは、フィルム厚みが40μm以下である。フィルム厚みは5〜35μmであれば好ましく、10〜30μmであればより好ましく、12〜25μmであれば更に好ましく、13〜20μmは、ハンドリングの面で特に好ましい。フィルム厚みが40μmを超える場合、レターデーションが高くなったり、偏光板保護フィルムとして用いた場合、偏光板が厚くなるために液晶ディスプレイに実装する際に重量増加、大型化したりする場合がある。特に、厚みが厚くなると、横延伸時のポアソン比による反走行(縦)方向への引き込み量が大きくなるため、ボーイング現象が強く発生する。つまり、幅方向の位相差分布において、中央部と横延伸機のクリップで把持された端部間のバラツキが大きくなる。ボーイング現象とは、横延伸機の工程前でマジックインキでフィルム幅方向に引いた直線が、横延伸、次いで熱処理を経て横延伸機から出てきたときに弓なり状に変形している現象のことをいう。
本発明の積層フィルムは、フィルムの幅が400mm以上である。フィルムの幅は600mm以上であれば好ましく、1000mm以上であればより好ましく、1300mm以上であれば更に好ましく、1500mm以上であれば特に好ましい。フィルムの幅が400mm未満の場合、大型の液晶ディスプレイとして実装することが出来ない場合がある。
本発明の積層フィルムは、Reのバラツキが長手方向において20%以下であることが好ましい。Reの長手方向のバラツキは15%以下であればより好ましく、12%以下であれば更に好ましく、10%以下であれば特に好ましい。この際のReのバラツキとは、積層フィルムの長手方向が400mm以上の場合において、フィルムの幅方向中央部を50mm間隔にサンプリングした後、それぞれのサンプルの中央のReを測定し、Reの最大値と最小値の差を平均値で割って、%表示した値のことをさす(Reのバラツキ(%)=(Reの最大値−Reの最小値)/(Reの平均値)×100)。積層フィルムがカットされたシート状である場合には、上記した幅方向に直行する方向が長手方向である。Reの長手方向のバラツキを上記の通り制御する方法としては、後述する製膜条件を取ることにより達成することができる。
本発明の積層フィルムは、配向角のバラツキが幅方向において20°以下であることが好ましい。積層フィルムの配向角の幅方向のバラツキは15°以下であればより好ましく、10°以下であれば更に好ましく、7°以下であれば特に好ましい。ここでいう配向角は、フィルム上の屈折率が最も大きくなる方向を差し、実際には、リタデーションと同様に光学的手法にて計測されるものである。一般的に配向角とは、上記した幅方向において、両端部が最も高い値を示し、中央部が最も低い値を示す。したがって、本発明においては、積層フィルムの幅方向において両端部よりそれぞれ25mm離れた箇所、および中央部をサンプリングし、それぞれのサンプルの中央の配向角を測定し、両端部の内、大きい方の配向角の値から中央部の配向角の値を引いた値を該積層フィルムの配向角のバラツキとする(配向角の幅方向バラツキ(°)=両端部の内、大きい方の配向角の値−中央部の配向角の値)。幅方向において、配向角のバラツキが20°を超える場合、観測者が偏光サングラスをかけた際にディスプレイにみられるブラックアウト現象を回避できるため、新たな価値に繋がる。ブラックアウトとは、ディスプレイから放出されている直線偏光の光が偏光サングラスの吸収軸と重なり、光が目に届かないために暗視野となり、画像が見えなく現象をいう。しかしながら、ディスプレイからの直線偏光の方向と配向角の方位で挟まれた角度が10度以上あれば、光は複屈折するため、偏光サングラスでも光が透過し、ブラックアウトを回避できる。近年、車載用途では、重要視されており、特にタッチパネルに用いられるITO用基材フィルムについては、需要がある。すなわち、偏光板保護フィルムとしてIPSやVAモードの液晶ディスプレイ(直線偏光が画角に対して直交関係)に実装した際に、配向角が10°以上であれば、光漏れを起こし、画像の明るさを低下させることを抑制できる。配向角の幅方向のバラツキを上記の通り制御する方法としては、縦延伸倍率3.5以上に大きくしたり、後述する製膜条件を取ることにより達成することができる。また、非晶樹脂を主層側に含んでいると配向角が高くなるため好ましい。ここで、非晶樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)で原料を評価した際に、吸熱ピークとなる融点Tmが殆ど現れず、存在してもその融解エンタルピーΔHmが6J/g以下を示す樹脂のことである。
本発明の積層フィルムにおける結晶部分融解温度(Tmeta)は、190℃以下であることが好ましい。Tmetaが190℃以下であると、フィルム幅方向の位相差の均一性が向上し、かつ低位相差となるため好ましい。余り低すぎると偏光板化する際に、熱収縮が大きく品質問題に繋がるため、150℃以上が好ましい。Tmetaを調整する方法は、フィルムの製造工程における熱処理温度の最高温度を140℃以上210℃以下にすることで達成できる。
本発明の積層フィルムは、長手方向および/または幅方向の動的粘弾性測定(Dynamic Mechanical Analysis測定(DMA測定))においてtanδピークが2つ以上観測されることが好ましい。上記tanδピークの2つ以上のピークうち、最も低温側のピークは積層フィルムのTgに起因するものである。Tgを除くピークは、積層フィルムの製膜時に受けた延伸履歴によるものであり、このピークが存在することは積層フィルムの長手方向、及び幅方向のReのバラツキや機械的特性の観点で好ましいことである。なお、Tg近傍に2つ目以上のピークが存在する場合、小さい方のピークはショルダーとして観測される場合があるが、この場合ショルダーの数もピーク数としてカウントすることができる。
本発明の積層フィルムは、長手方向および/または幅方向のDMA測定において最も高温側に存在するtanδのピーク温度が100〜130℃、あるいは130〜160℃であることが好ましい。長手方向、及び幅方向のReのバラツキや機械的特性の観点でより好ましくは、100〜120℃であり、更に好ましくは、105〜120℃であり、特に好ましくは110〜120℃である。長手方向および/または幅方向のDMA測定において最も高温側に存在するtanδのピーク温度が100℃未満の場合、もしくは130℃を超える場合、長手方向および/または幅方向のReのバラツキが悪化してしまう可能性がある。長手方向および/または幅方向のDMA測定においてtanδピークが2つ以上観測され、最も高温側に存在するtanδのピーク温度を好ましい範囲に制御するためには、上記するような結晶性ポリエステルと非晶樹脂との多層積層構造を取り、後述する製膜条件を取ることにより達成することができる。
本発明の積層フィルムは、動的粘弾性測定における85℃での貯蔵弾性率E’が2.5GPa以上であることが好ましい。偏光板の製造工程において、偏光子となるPVA(ポリビニルアルコール)の乾燥温度が100〜80℃程度であるため、その温度近傍での腰の強さが求められる。2.5GPa以上であると、PVAの収縮に対して偏光板はカールや反りが起きにくく、好ましい。加えて、耐傷性を付与するためにハードコート工程でフィルム状にトタン皺などの変形が起こらないことが重要である。好ましくは2.8GPa以上であり、また好ましくは、3.1GPa以上、さらに好ましくは3.5GPa以上である。達成方法としては、85℃でのE’を高くする観点から、熱可塑性樹脂Bに用いる共重合ポリエステルの成分に、スピログリコールおよび/またはイソソルビドを含めることが挙げられる。延伸性と密着性の観点から、その共重合量は5mol%以上40mol以下が好ましい。その他の達成方法として、UV硬化型のハードコートを片面もしくは両面に形成しても良い。硬化後のハードコート層の厚みは、85℃でのE’の値を上げる観点から、0.5μ以上6μm以下が好ましい。
本発明の積層フィルムの動摩擦係数0.45以下であることが好ましい。動摩擦係数が、0.45を超えるとすべり性が悪く、皺が入りやすく、巻き特性が悪くなるため、偏光板化される際に影響を及ぼす場合がある。そのため、動摩擦係数は0.42以下が好ましく、より好ましくは、0.4以下である。ここでの動摩擦係数は少なくとも一方の面で満足すれば良く、例えば、積層フィルムの表面と裏面の間で発生する動摩擦係数が0.45以下であることが好ましい。ITO基材用途では、クリアハードコート、オリゴマーブロッキング用ハードコート、低屈折率層(LR)及び高屈折率層(HR)の最大4層設ける後加工があるため、積層フィルム自体に高いすべり性が求められる観点から、同様用途では0.35以下が好ましい。その達成方法は、プライマー層に不活性な無機粒子、例えば、50〜300nmの粒径のコロイダルシリカを添加することで動摩擦係数0.4以下を達成することができる。さらに、それ以下は、積層フィルムの最表層においても、不活性粒子を添加することが好ましい。添加量は、透明性と易滑性の両立の観点から0.01重量%〜1重量%以下が好ましい。さらに、平均粒径2.5μm以下1μm以上の炭酸カルシウムや凝集シリカを大粒径粒子として添加し、さらに平均粒径0.5μm以下の珪酸アルミナ、アルミナ、ジビニルベンゼンなどを小粒径粒子として添加する組合せが易滑透明性の点から好ましい。
また、本発明の積層フィルムは少なくとも一方の面にプライマー層および/またはハードコート層が設けられていることが好ましい。プライマー層が少なくとも一方の面に設けられているとPVAとの接着性の面から好ましい。プライマー層は、水系塗剤でフィルム製造工程中に塗布されることが好ましく、主剤はアクリル、ポリエステル、ウレタン、アクリル変性ポリエステル、アクリル変性ウレタンなどから選ばれた汎用性の高いものが好ましい。架橋材は架橋反応をおこす化合物であれば特に限定されないが、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、ウレタン系、アクリルアミド系、ポリアミド系、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを用いることができる。さらに、偏光板の傷対策の観点からハードコート層が少なくとも一方の面に設けられていることが好ましい。ハードコート層の厚みは、カールをできるだけ抑える観点から5μm以下が好ましく、一方、硬度を付与する観点から1μm以上が好ましい。
本発明の積層フィルムは、UVカット性の観点で波長380nmでの透過率が30%以下であることが好ましい。より好ましくは25%以下であり、更に好ましくは20%以下であり、特に好ましくは15%以下である。波長380nmでの透過率が30%を超える場合、偏光板保護フィルムとして液晶ディスプレイに実装した際に紫外線により偏光子や液晶が劣化してしまう可能性がある。波長380nmでの透過率を好ましい範囲に制御するには、UV吸収剤、もしくは多層膜の干渉反射を利用する。干渉反射は、平均層厚みを40〜55nmとし、光学特性の異なる2種以上の樹脂の面内屈折率の差を大きくすることにより実現できるので、二軸延伸フィルムとする場合は結晶性であるポリエステルを主成分とする層と、延伸時に非晶性を保持、もしくは熱処理工程で融解される熱可塑性樹脂を主成分とする層が交互に積層された積層フィルムとすれば干渉反射を達成できる。具体的には、上記したようなポリエステル、および熱可塑性樹脂Bを所定の積層数に積層することで達成し得る。さらに、前記するようにUVAを好ましい範囲で含有させることは、相乗効果により好ましい。
本発明の積層フィルムは、UVカット性の観点で波長240〜360nmでの平均透過率が5%以下であることが好ましい。より好ましくは4%以下であり、更に好ましくは3%以下であり、特に好ましくは2%以下である。波長240〜360nmでの平均透過率が5%を超える場合、偏光板保護フィルムとして液晶ディスプレイに実装した際に紫外線により偏光子や液晶が劣化してしまう可能性がある。波長240〜360nmでの平均透過率を好ましい範囲に制御するには、光学特性の異なる2種以上の樹脂の面内屈折率の差を大きくすることにより実現できるので、二軸延伸フィルムとする場合は結晶性であるポリエステルを主成分とする層と、延伸時に非晶性を保持もしくは熱処理工程で融解される熱可塑性樹脂を主成分とする層が交互に積層された積層フィルムとすればよい。具体的には、上記したようなポリエステル、および熱可塑性樹脂Bを所定の積層数に積層することで達成し得る。
次に、本発明の積層フィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。もちろん本発明は係る例に限定して解釈されるものではない。また、本発明に用いる積層フィルムの積層構造は、特開2007−307893号公報の〔0053〕〜〔0063〕段に記載の内容と同様の方法により簡便に実現できるものである。
熱可塑性樹脂をペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギアポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。これらの樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出された積層シートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させたりする方法も好ましい。
また、A層の主成分となる結晶性ポリエステルとそれとは異なる熱可塑性樹脂Bの複数の樹脂を2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出し、多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を用いることができるが、特に、本発明の構成を効率よく得るためには、3個以上の微細スリットを有するフィードブロックを用いることが好ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物が少なく、積層数が極端に多い場合でも、高精度な積層が可能となる。また、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上する。また、この装置では、各層の厚みをスリットの形状(長さ、幅)で調整できるため、任意の層厚みを達成することが可能となったものである。
このようにして所望の層構成に形成した溶融多層積層体をダイへと導き、上述の通りキャスティングフィルムが得られる。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、二軸延伸することが好ましい。ここで、二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、二軸延伸した後、さらに長手方向および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。特に、二軸延伸した後、長手方向に再延伸した後、熱処理を行うことが最も好ましい。すなわち、本発明の積層フィルムは、主に結晶性ポリエステルAと非晶性ポリエステルBから構成され、層数が3層以上であり、結晶性ポリエステルAからなるA層と非晶性ポリエステルBからなるB層の積層比(A/B)が2〜0.2の未延伸フィルムを、延伸温度70〜145℃の範囲で長手方向および幅方向の二軸延伸を行い、その後に温度120〜235℃の範囲で熱固定を行い、その後に少なくとも長手方向に延伸温度80〜150℃の範囲で1.02〜1.95倍の再延伸を行い、その後に90〜235℃の範囲で再び熱固定し、巻き取る製造方法を採用することが、フィルム幅方向の位相差を限りなく均一化する観点から好ましい。
逐次二軸延伸の場合についてまず説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この走行方向の延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が好ましく用いられ、より好ましくは3〜5倍、更に好ましくは3〜4倍、長手方向、及び幅方向のReのバラツキや配向角のバラツキ抑制の観点で3〜3.5倍が特に好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましく、具体的には70〜120℃がより好ましく、80〜110℃が更に好ましく、長手方向、及び幅方向のReのバラツキや配向角のバラツキ抑制の観点で95〜110℃が特に好ましい。ポリエチレンナフタレート等のナフタレンジカルボン酸を含むポリエステルを用いた場合は、ガラス転移温度が高いため、105℃以上155℃以下が好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
続いて幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンター法を用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜5倍が好ましく用いられ、より好ましくは3〜5倍、更に好ましくは3〜4.5倍、ReやRth、幅方向のReのバラツキや配向角のバラツキ抑制の観点で3.5〜4倍が特に好ましく、縦延伸倍率よりも高い倍率で延伸することは尚好ましいことである。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましく、幅方向のReのバラツキや配向角のバラツキ抑制の観点で温度に傾斜を持たせることが好ましく、上流から下流に行くに従って温度が高くなっていくことが好ましく、具体的には、横延伸区間を2分割した場合、上流の温度と下流の温度の差が20℃以上であることが好ましい。より好ましくは30℃以上、更に好ましくは35℃以上、特に好ましくは40℃以上である。1段目の延伸温度は80〜120℃がより好ましく、90〜110℃が更に好ましく、95〜105℃が特に好ましい。ポリエチレンナフタレート等のナフタレンジカルボン酸を含むポリエステルを用いた場合は、ガラス転移温度が高いため、105℃以上155℃以下が好ましい。
更に、本発明の積層フィルムにおいては、幅方向のReのバラツキや配向角のバラツキ抑制の観点で横延伸速度に差を設ける事が好ましく、具体的には、横延伸区間を2分割した場合、横延伸区間中間点におけるフィルムの延伸量(計測地点でのフィルム幅−延伸前フィルム幅)が、横延伸区間終了時の延伸量の60%以上である事が好ましく、より好ましくは70%以上、更に好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上である。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。具体的には、偏光板製造工程の一般的な乾燥温度の上限は、約120℃程度であるため、120〜235℃の範囲で熱固定を行うことが好ましい。140℃未満であると、熱寸法安定性が得られないため偏光板のカールや反りの原因となる場合がある。235℃以上であると、ボーイングなどが大きくなり、フィルム幅方向の位相差の均一性が悪くなる場合がある。ReやRth、幅方向のReのバラツキや配向角のバラツキ抑制の観点で190〜225℃が特に好ましい。幅方向のReのバラツキを小さくする観点から、熱処理前半で1〜10%の熱処理追延伸を行うことが好ましい。幅方向の熱収縮率を大きくしない観点から2〜8%が好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理や徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。熱処理時の弛緩率は0.5〜5%が好ましく、0.5〜3%がより好ましく、0.8〜2.5%が更に好ましく、幅方向のReのバラツキや配向角のバラツキ抑制の観点で1〜2%が特に好ましい。また、徐冷時の弛緩率は0.5〜3%が好ましく、0.5〜2%がより好ましく、0.5〜1.5%が更に好ましく、幅方向のReのバラツキや配向角のバラツキ抑制の観点で0.5〜1%が特に好ましい。徐冷時の温度は80〜150℃が好ましく、90〜130℃がより好ましく、100〜130℃が更に好ましく、積層フィルムの平面性の観点で100〜120℃が特に好ましい。
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャスティングフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャスティングフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が好ましく用いられ、より好ましくは9〜25倍、更に好ましくは9〜20倍、ReやRth、長手方向、及び幅方向のReのバラツキや配向角のバラツキ抑制の観点で10〜15倍が特に好ましい。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましく、具体的には80〜160℃がより好ましく、90〜150℃が更に好ましく、長手方向、及び幅方向のReのバラツキや配向角のバラツキ抑制の観点で100〜140℃が特に好ましい。
こうして同時二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内の熱固定室で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましく、逐次二軸延伸の条件と同様である。
本発明の積層フィルムは、前記した通りに逐次二軸延伸した後、熱処理したフィルムを、さらに、少なくとも長手方向に、延伸温度80〜150℃の範囲で1.02〜1.95倍の再延伸を行い、その後90〜235℃の範囲で再び熱固定し、巻き取ることが好ましい。
以上のようにして得られた本発明の積層フィルムは、位相差が低く、且つバラツキを小さく制御することにより色ムラの発生を抑制することができ、偏光板保護フィルムとして好適に用いることができる。また、上記偏光板保護フィルムは、市販のPVA中にヨウ素を含有、配向させて作成されたPVAシートと貼り合わされて、偏光板としても好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)積層数
積層フィルムの積層数は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面を観察し、断面写真を撮影、積層数を測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、RuOやOsOなどを使用した染色技術を用いた。また、1枚の画像に取り込められるすべての層の中で最も厚みの薄い層(薄膜層)の厚みにあわせて、薄膜層厚みが50nm未満の場合は10万倍、薄膜層厚みが50nm以上500nm未満である場合は4万倍、500nm以上である場合は1万倍の拡大倍率にて観察を実施した。
(2)面内方向位相差(Re)、厚み方向位相差(Rth)、配向角
王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA−21ADH)を用いた。サンプルをフィルム幅方向中央部から3.5cm×3.5cmで切り出し、フィルム幅方向が本測定装置にて定義されている角度0°となるように装置に設置し、波長590nmにおけるRe、Rth、及びその配向角を測定した。なお、Rthは、遅相軸を傾斜させて入射角0〜50°(10°毎)時の各位相差値の2次近似により算出した。Reは、入射角0°の値である。
(3)Reの幅方向のバラツキ
フィルム幅が400mm以上の積層フィルムにおいて、フィルムの幅方向全体に50mm間隔に上記(2)項に記載の方法にてサンプリングした後、それぞれのサンプルの中央のReを測定し、Reの最大値と最小値の差を平均値で割って、%表示した値を本積層フィルムのReの幅方向のバラツキとした。ロール状の積層フィルムであれば、ロールの巻き方向をフィルム長手方向とし、それに直行する方向が幅方向に相当する。一方、カットされたシート状である場合には、フィルムの長辺方向と長辺方向に直交する方向の両末端(両端部よりそれぞれ25mm離れた箇所)においてReを計測し、フィルム中央との差が大きい方向を本発明でいう積層フィルムの幅方向とする。
(4)Reの長手方向のバラツキ
長手方向が400mmの積層フィルムにおいて、フィルムの幅方向中央部を50mm間隔に上記(2)項に記載の方法にてサンプリングした後、それぞれのサンプルの中央のReを測定し、Reの最大値と最小値の差を平均値で割って、%表示した値を本積層フィルムのReの長手方向のバラツキとした。なお、該積層フィルムの長手方向とは上記(3)項に記載の幅方向に直行する方向とする。
(5)配向角の幅方向のバラツキ
フィルム幅が400mm以上の積層フィルムにおいて、幅方向に中央部、および両端部よりそれぞれ25mm離れた箇所の計3箇所について上記(2)項に記載の方法にてサンプリングし、それぞれのサンプルの中央の配向角を測定し、両端部の値から中央部の値の差を取った場合の大きい方の値を本積層フィルムの配向角の幅方向のバラツキとした。なお、該積層フィルムの幅方向とは上記(3)項に記載した定義のことをさす。
(6)ヤング率、破断伸度
サンプルは、フィルムの幅方向の中央部から、長手方向に15cm、幅方向に1.5cmで切り出し長手方向のヤング率測定用サンプルとした。同様に、幅方向に15cm、長手方向に1.5cmで切り出し幅方向のヤング率測定用サンプルとした。ヤング率、破断伸度は、JIS−K7127−1999に準拠した測定において、ロボットテンシロンRTA(オリエンテック製)を用いて、温度23℃、湿度65%RHにおいて測定した。なお、引っ張り速度は300mm/minとした。
(7)フィルム厚み
接触式の膜厚計ミツトヨ社製ライトマチックVL−50A(10.5mmφ超硬球面測定子、測定荷重0.06N)にて測定した。測定は場所をかえて10回行い、その平均値を積層フィルムの厚みとした。
(8)動的粘弾性(DMA)測定(E’及びtanδ)
サンプルをフィルム幅方向中央部から7cm×1cmで切り出し、測定長2cm×フィルム幅1cmのサンプルとなるようにサンプルホルダーに設置した。セイコーインスルメンツ(株)製 DMS6100を用い、引っ張りモードで室温20℃から240℃の温度範囲、変位 10μm、振動周波数1Hz、昇温速度2℃/minの条件で貯蔵弾性率E’及び損失係数tanδを測定した。tanδは、損失弾性率E’’と貯蔵弾性率E’との比で求められる。なお、フィルムの長手方向を測定長とした。
(9)視認性テスト
PVA中にヨウ素を吸着・配向させて作成した偏光度99.9%の偏光板の一方の面にフィルムの幅方向中央部分から幅方向に420mm、長手方向に310mmのサイズで切り出したサンプルに貼り合わせてテストピースとした。作成したテストピースとフィルムを貼り付けていない偏光板とをクロスニコルの配置にて重ね合わせ白色LED光源(トライテック製A3−101)上においた場合の視認性を確認した。
SS:光漏れが少なく、干渉色が殆どみられない。
S:干渉色はほとんどみられない。
A:干渉色が若干見られるものの実用に問題ない。
B:干渉色がはっきりみられるため、ディスプレイ用途には適さない。
(10)UVカット性
サンプルをフィルム幅方向中央部から5cm×5cmで切り出し、日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)を用いて波長240〜800nmの透過率を測定した。積分球の内壁は、硫酸バリウムであり、標準板は、付属の酸化アルミニウムである。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、示査速度は600nm/分で測定し、入射角0度における波長380nmの透過率、及び波長240〜360nmの平均透過率を得た。UVカット性については、以下の基準で評価した。
S:波長240〜360nmの平均透過率が2%以下
A:波長240〜360nmの平均透過率が3%以上5以下
B:波長240〜360nmの平均透過率が6%以上。
(11)共重合ポリエチレンテレフタレート(Co−PET)の組成分析
本発明の共重合PETの組成は、ポリマー重合時に共重合成分のモノマー量をジオール成分とジカルボン酸成分の配合量で調整しているが、H-NMR及び熱分解GC/MS測定により、モノマー同定と組成比の算出を行うことができる。共重合PETチップを約30mg程度を採取し、重水素化クロロホルム(CDCl)と重水素化ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP-d2)の混液に溶解した後、40℃の温度で1H-NMR 測定を実施した。なお、混液の比率はCDCl3:HFIP-d2=2:1とした。同定に際しては、スピログリコール、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジメタノール、イソソルビドの各種モノマーの単独スペクトルの既存データに基づき、また組成はスペクトルのピーク面積比率から共重合比率を算出した。
(12)動摩擦係数(μd)
ASTM−D−1894にのっとり、スリップテスターで滑り速度150mm/min、荷重200gの条件で滑り始めた後に電気抵抗歪み計で検出された応力(抵抗値)を基に、下記式(1)にて算出した。なお、動摩擦係数は滑り出した後の安定領域での抵抗値である。
摩擦係数=抵抗値(G)/荷重(G) ・・・式(1)
(13)樹脂組成物の結晶性、非晶性、及び結晶部分融解温度(Tmeta)
示差走査熱量計(DSC)を用いて25℃から290℃まで20℃/minで昇温し、用いる樹脂組成物について、JIS K7121、7122に従って、融点Tm、結晶融解エンタルピーΔHを求め、結晶性と非晶性のポリエステル樹脂の判断を行った。Tmが殆ど現れず、ΔHが6j/g未満を非晶とした。また、積層フィルムにおいて、融点Tm以下に現れる熱処理温度近傍の吸熱ピークを結晶部分融解温度Tmetaとして求めた。
装置:セイコーインスルメンツ(株)製:SII ロボットDSC(モデルDSC6220)
データ解析”standard Analysis”
サンプル質量:5mg。
(14)全光線透過率・ヘイズ
ヘイズメーター NDH5000(日本電飾工業製)を用いてJIS K 7361−1、JIS K 7136、ASTM−D1003に従い測定を実施した。
(15)ハードコート付与時の後加工性
積層フィルムに保護膜として、厚み1.5μmのハードコート層を形成した。塗布方法は、以下に示す塗剤を調整し、#10のバーコーターで均一にフィルムに塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去した後、80W/cm、搬送速度5m/分の条件にて紫外線照射を行った。
UA−122P(新中村化学工業) ウレタンアクリレート 40部
タケネートB830(三井化学ポリウレタン) ブロック化イソシアネート 2.5部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ) 光開始剤 1.5部
MEK 110部
端部の未塗工部をスリットし、ロール状に巻き取った。その際に、フィルム状態を観察し、後加工性を評価した。
S:皺がなく、平面性良好。
A:皺が一部みられるが、問題ないレベル
B:トタン皺、カールが顕著にみられる。
以下、実施例1〜1、17、18、21は、参考例1〜1、17、18、21と読み替えるものとする。
(実施例1)
結晶性ポリエステルとして、融点が258℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるスピログリコール15mol%、シクロヘキサンジカルボン酸25mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を用いた。上記PE/SPG・T/CHDC98質量%、UVAとして2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン2質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(B−1)を得た。
準備したPETと熱可塑性樹脂組成物(B−1)を、それぞれ水分を含まないように十分真空高温下で乾燥した後、2台の単軸押出機に投入し280℃で溶融混練した。次いで、それぞれFSSタイプのリーフディスクフィルタを50枚介した後、PETからなる各層と熱可塑性樹脂組成物(B−1)からなる各層の積層比(PETからなる層の総厚み/熱可塑性樹脂組成物(B−1)からなる層の総厚み)が1.0となるようにギアポンプにて計量しながら、スリット数251個の積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に251層積層された積層体としてTダイから押出し、25℃に表面温度を制御したキャストドラム上にキャストしてキャスティングフィルムを得た。積層体とする方法は、特開2007−307893号公報〔0053〕〜〔0056〕段の記載に従って行った。ここでは、スリット長さ、間隔は全て一定とした。得られた積層体は、PETからなる層が126層、熱可塑性樹脂組成物(B−1)からなる層が125層であり、厚み方向に交互に積層された積層構造を有していた。また、口金内部での拡幅比である口金リップのフィルム幅方向長さを口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さで割った値を2.5となるようにした。
得られたキャスティングフィルムを、95℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長400mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、延伸時のフィルム温度を103℃としながら、フィルム長手方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却した。続いて、この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を55mN/mとし、そのフィルム両面の処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布し、透明・易滑・易接着となるプライマー層を形成した。
この一軸延伸フィルムをテンターに導き、95℃の熱風で予熱後、1段目105℃、2段目140℃の温度でフィルム幅方向に4.5倍延伸した。ここで、横延伸区間を2分割した場合、横延伸区間中間点におけるフィルムの延伸量(計測地点でのフィルム幅−延伸前フィルム幅)は、横延伸区間終了時の延伸量の80%となるように2段階で延伸した。横延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で段階的に180℃から熱処理温度225℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度条件で幅方向に1%の弛緩処理を、さらに100℃まで急冷した後に幅方向に1%の弛緩処理を施し、その後、巻き取り積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、フィルム幅方向への延伸時の延伸倍率を3.6倍、熱処理温度を200℃とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2において、熱処理温度を235℃とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、スリット数51個の積層装置を用い、PET26層、熱可塑性樹脂組成物(B−1)25層とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、スリット数3個の積層装置を用い、PET2層、熱可塑性樹脂組成物(B−1)1層とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、スリット数801個の積層装置を用い、PET401層、熱可塑性樹脂組成物(B−1)400層とし、フィルム幅方向への延伸時の延伸倍率を3.6倍、熱処理温度を200℃とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表2に示す。
(実施例7)
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂である1,4−シクロヘキサンジメタノール30mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート(PETG)を用いた。PETG96質量%、UVAとして2,2’−メチレンビス[6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]4質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(B−2)を得た。
実施例1において、熱可塑性樹脂組成物(B−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(B−2)とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表2に示す。
(実施例8)
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるイソフタル酸20mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート(PET/I)を用いた。PET/I 96質量%、UVAとして2,2’−メチレンビス[6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]4質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(B−3)を得た。
実施例1において、熱可塑性樹脂組成物(B−1)の替わりに上記の熱可塑性樹脂組成物(B−3)であるPET/Iとした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例1において、スリット長さ線形に変化させ、隣接するA層とB層の平均層厚みが40〜55nmとなるようにスリット設計し、各層厚みが徐々に変化する積層体とした。次いで、積層フィルムの厚みが13μmとなるように縦延伸温度を105℃に変更し、熱処理温度を215℃とし、熱処理前半部で約3%の熱処理追延伸の条件に変更する以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。全光線透過率91%、ヘイズ0.7%の透明なフィルムであった。得られた積層フィルムの評価結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例9の熱処理温度を190℃に変更する以外は、実施例9と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表2に示す。
(実施例11)
厚み以外は、実施例10と同じ条件で得られた積層フィルムをさらに縦延伸に導き、150℃で1.2倍の再延伸を行い、次いで190℃で弛緩処理を実施した。得られた積層フィルムの評価結果を表3に示す。
(実施例12)
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるスピログリコール21mol%、シクロヘキサンジカルボン酸5mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を用いた。その他は、実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表3に示す。なお、動的粘弾性測定において、低温側にあったtanδピークが高温側に移動してきたため、tanδピークの数は、見かけ上、1つとなった。
(実施例13)
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるイソソルビド5mol%、シクロヘキサンジメタノール24mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PET/ISB・CHDM)を用いた。その他は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表3に示す。
(実施例14)
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるイソソルビド5mol%、シクロヘキサンジメタノール24mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PET/ISB・CHDM)と融点を持たない非晶性樹脂であるスピログリコール20mol%、シクロヘキサンジカルボン酸30mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を1:1でコンパウンドしたものを用いた。その他は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表3に示す。
(実施例15)
熱可塑性樹脂Aとして、融点を持たない非晶性樹脂であるイソソルビド15mol%、シクロヘキサンジメタノール24mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PET/ISB・CHDM)とポリエチレンテレフタレートを1:3の割合でコンパウンドしたアロイ樹脂を用いた。一方、熱可塑性樹脂Bとして、同じく融点を持たない非晶性樹脂であるイソソルビド15mol%、シクロヘキサンジメタノール20mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PET/ISB・CHDM)とイソフタル酸成分20モル%のPET/Iを1:1の割合でコンパウンドしたアロイ樹脂を用いた。また、積層装置を変更し、熱可塑性樹脂Aを401層、熱可塑性樹脂Bを400層を交互に積層し、A層/B層の積層比を0.33と変更し、それ以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表3に示す。得られたフィルムの視認性は非常に良く、最も優れたものであった。また、配向角の変化が大きく、クロスニコル下での光漏れが大きかったため、ブラックアウトし難い特性が備わっているため、ITO基材用フィルムに好適なものであった。
(実施例16)
厚み以外は、実施例14と同じ条件で得られた積層フィルムをさらに縦延伸に導き、150℃で1.2倍の再延伸を行い、次いで190℃で弛緩処理を実施した。得られた積層フィルムの評価結果を表4に示す。
(実施例17)
実施例9のPETにイソフタル酸成分20モル%の共重合PETを20質量%添加し、積層比を0.6、縦延伸倍率3.4倍とする以外は、実施例9と同様にして、厚み13μmの積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表4に示す。得られた積層フィルムの片面にハードコート層を付与したものは、85℃貯蔵弾性率E’は、2.8GPaであった。
(実施例18)
キャスト速度、縦延伸温度105℃、熱処理温度140℃に変更する以外は、実施例1と同じ条件で得られた積層フィルムをさらに縦延伸に導き、160℃で1.3倍の再延伸を行い、次いで130〜190℃で段階的に熱処理を実施し、100℃で長手及び幅方向の弛緩処理を施した。得られた積層フィルムの評価結果を表4に示す。なお、得られる積層フィルムの厚みが13μmとなるようにキャスト速度は調整した。配向角および位相差がフィルム幅方向で均一なサンプルを採取することに成功した。なお、分子の配向方向は、位相差測定装置の結果から長手方向を示していることを確認した。
(実施例19)
結晶性ポリエステルとして、融点が265℃のポリエチレンナフタレート(PEN)を用いた。熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるイソソルビド15mol%、シクロヘキサンジメタノール20mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PET/ISB・CHDM)を用いた。
準備したPENと熱可塑性樹脂Bを、それぞれ水分を含まないように十分真空高温下で乾燥した後、2台の単軸押出機に投入し300℃で溶融混練した。次いで実施例1と同様にして、スリット数131個の積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に131層積層された積層体としてTダイから押出し、25℃に表面温度を制御したキャストドラム上にキャストしてキャスティングフィルムを得た。積層体とする方法は、特開2007−307893号公報〔0053〕〜〔0056〕段の記載に従って行った。ここでは、間隙は一定とてスリット長さを徐々に変化させ、平均層厚みが40〜55nmとなるようにスリット設計した。得られた積層体は、PENからなる層が66層、熱可塑性樹脂Bからなる層が65層であり、厚み方向に交互に積層された積層構造を有していた。また、口金内部での拡幅比である口金リップのフィルム幅方向長さを口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さで割った値を2.5となるようにした。
得られたキャスティングフィルムを、140℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長400mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、延伸時のフィルム温度を143℃としながら、フィルム長手方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却した。続いて、この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、そのフィルム両面の処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布し、透明・易滑・易接着となるプライマー層を形成した。
この一軸延伸フィルムをテンターに導き、150℃の熱風で予熱後、1段目145℃、2段目155℃の温度でフィルム幅方向に4.5倍延伸した。ここで、横延伸区間を2分割した場合、横延伸区間中間点におけるフィルムの延伸量(計測地点でのフィルム幅−延伸前フィルム幅)は、横延伸区間終了時の延伸量の80%となるように2段階で延伸した。横延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で205℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度条件で幅方向に1%の弛緩処理を、さらに100℃まで急冷した後に幅方向に1%の弛緩処理を施し、その後、巻き取り積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表4に示す。
(実施例20)
実施例5において、熱可塑性樹脂Bを実施例14と同じものを用いて、また、積層数以外の製膜条件は実施例14とすることで、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表4に示す。
(実施例21)
PET/ポリエーテルイミド(PEI)5質量%/平均粒径1.1μmの炭酸カルシウム0.025質量%/平均粒径0.3μmの架橋ポリスチレン0.1質量%をを二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(A−1)を得た。
実施例17において、PETの代わりに熱可塑性樹脂組成物(A−1)とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表5に示す。得られたフィルムの全光線透過率は90%、ヘイズ1.5%であり、視認性は非常に良く、後加工性には適用できるものであった。また、配向角の変化が大きく、クロスニコル下での光漏れが大きかったため、ブラックアウトし難い特性が備わっているため、ITO基材用フィルムに好適なものであった。
(比較例1)
実施例1において、PET単膜とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表5に示す。
(比較例2)
実施例1において、延伸区間中間点におけるフィルムの延伸量(計測地点でのフィルム幅−延伸前フィルム幅)は、横延伸区間終了時の延伸量の50%となるように変更し、さらに、段階的な昇温もなく、横延伸終了後に熱処理温度を245℃とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表5に示す。
(比較例3)
実施例1において、縦延伸工程において、フィルム両面からラジエーションヒーターによる急速加熱の出力を下げ、延伸時のフィルム温度を85℃とし、フィル徐冷時の弛緩率を5%とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表5に示す。
(比較例4)
実施例1において、キャスト速度を調整し、フィルム厚みを45μmとした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表6に示す。厚み方向の位相差が大きく、視認性テストでは斜め方向から観察した際に強く干渉色が見られた。
(比較例5)
実施例1において、フィルム幅方向に5.3倍延伸した以外は、実施例と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表6に示す。
(比較例6)
実施例1において、熱可塑性樹脂組成物(B−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(B−2)とし、フィルム幅方向に5.3倍延伸した以外は、実施例と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表6に示す。
Figure 0006862654
Figure 0006862654
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Figure 0006862654
Figure 0006862654
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本発明の積層フィルムは、位相差が低く、且つバラツキを小さく制御することにより色ムラの発生を抑制することができるため、液晶ディスプレイ等の表示装置に内蔵される偏光板の偏光板保護フィルムや車載用ディスプレイ向けITO等の透明導電フィルムの基材フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. 厚み方向に3層以上積層された積層フィルムであって、結晶性ポリエステルを主成分とするA層と該結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層が交互に積層されてなり、前記熱可塑性樹脂Bが、共重合成分としてイソソルビドを含み、かつ共重合量が合計で5mol%以上40mol%以下の非晶性ポリエステルであり、面内方向位相差(Re)が0〜400nm、厚み方向位相差(Rth)が0〜1500nm、Reのバラツキが幅方向において18%以下、長手方向および幅方向のヤング率が2GPa以上、長手方向および幅方向の破断伸度が50%以上であり、該積層フィルムのフィルム厚みが40μm以下、フィルムの幅が400mm以上であり、動的粘弾性測定における85℃での貯蔵弾性率E’が2.8GPa以上である積層フィルム。
  2. Reのバラツキが長手方向において20%以下である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 配向角のバラツキが幅方向において20°以下である請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記熱可塑性樹脂Bがイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、スピログリコール、およびシクロヘキサンジメタノールから選ばれた共重合成分を一つ以上含む非晶性ポリエステルである請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 前記結晶性ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含む請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 結晶部分融解温度Tmetaが190℃以下である請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 長手方向および/または幅方向の動的粘弾性測定においてtanδピークが2つ以上観測されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 前記tanδピークにおいて、最も高温側に存在する観測されるtanδピーク温度が100〜120℃である請求項7に記載の積層フィルム。
  9. 積層数が51〜1001層である請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
  10. 動摩擦係数0.45以下であり、少なくとも一方の面にプライマー層および/またはハードコート層が設けられている請求項1〜9のいずれかに記載の積層フィルム。
  11. 偏光板保護フィルムとして用いられる請求項1〜10のいずれかに記載の積層フィルム。
  12. ITO基材フィルムとして用いられる請求項1〜11のいずれかに記載の積層フィルム。
  13. 積層フィルムの製造方法であって、前記積層フィルムが主に結晶性ポリエステルAと共重合成分としてイソソルビドを含み、かつ共重合量が合計で5mol%以上40mol%以下の非晶性ポリエステルBから構成され、層数が3層以上であって、前記結晶性ポリエステルAからなるA層と前記非晶性ポリエステルBからなるB層の積層比(A/B)が2〜0.2の未延伸フィルムを、延伸温度70〜145℃の範囲で長手方向および幅方向の二軸延伸を行い、その後に温度120〜235℃の範囲で熱固定を行い、その後に少なくとも長手方向に延伸温度80〜150℃の範囲で1.02〜1.95倍の再延伸を行い、その後に90〜235℃の範囲で再び熱固定した後、巻き取ることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
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