JP2011141408A - 偏光反射体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温下で使用しても寸法変化が小さい偏光反射体を提供すること。
【解決手段】結晶性の熱可塑性樹脂からなる層(A層)とA層を構成する樹脂とは異なる光学的性質を有する非晶性の熱可塑性樹脂からなる層(B層)とが交互にそれぞれ50層以上積層されてなり、示差走査熱量測定(DSC)による結晶化エンタルピー(ΔHc)が1J/g以下、かつ、下記(1)式および(2)式を満たす偏光反射体とする。Rmin≦40%・・・(1)式Rmax≧70%・・・(2)式(ここで、Rmin、Rmaxは、波長550nmの偏光を該偏光反射体の表面に対して入射角0°で照射し、該偏光反射体を入射光軸を中心に半回転させたときの反射率(%)の最小値(Rmin)と最大値(Rmax)である。)
【選択図】図3

Description

本発明は、偏光反射体及びその用途に関する。
液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)は、薄型軽量、低消費電力、高画質の利点を有しており、テレビ、パソコン、携帯電話などで多数用いられている。近年、環境負荷の低減の観点から、低消費電力かつ明るい表示画面のLCDが求められている。LCDはその構成上、光源が必要であり、一般にはLEDや蛍光ランプなどから光を得ている。そのため、低消費電力化のためにはLEDや蛍光ランプの数を減らすことが重要となってくる。しかしながら、従来のLCDに用いられる偏光板の偏光機能を担う偏光子は、透過光軸と光吸収軸を有するため、蛍光ランプからの光の半分近くが無駄に吸収されていた。そのため、表示画面を明るくするためには一定数以上のLEDや蛍光ランプなどが必要であり、その数を減らすことは困難であった。
この問題に対し、近年ポリマー多層膜を利用した偏光反射体が登場しこれを蛍光ランプと偏光板の間に配置することで、偏光板での光吸収を激減させ、高い輝度をもたらすものが提案されている。(特許文献1)しかし、LCDにおいては光源などから熱が発生して偏光反射体は収縮してしまうという問題を有しており、そのために耐熱性の高い150μm程度の厚さのフィルム1枚〜2枚を貼り合せて補強する必要があり(2枚の場合は、挟み込む)、厚くなってしまうと共に、工程数の増加、すなわち高コスト化に繋がっていた。
また、ポリマー多層膜に偏光反射性を付与する方法として、異なる結晶化樹脂層を交互に積層し熱処理によって片方の結晶化樹脂層を溶融させるものが提案されている。(特許文献2)しかし、該偏光反射フィルムは溶融させた結晶化樹脂層にて熱結晶化が発生するため、結晶化に伴う収縮を起こすという問題があった。
特表2003−511729号公報 特開2006−215175号公報
本発明の課題は、かかる問題を解決するべく、高温下で使用しても寸法変化が小さい偏光反射体を提供することを課題とする。また、より好ましい態様では、幅方向の広範囲にわたって反射率ムラの少ない、生産収率の高い偏光反射体を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために本発明は次のような構成を有する。
すなわち、結晶性の熱可塑性樹脂からなる層(A層)とA層を構成する樹脂とは異なる光学的性質を有する非晶性の熱可塑性樹脂からなる層(B層)とが交互にそれぞれ50層以上積層されてなり、示差走査熱量測定(DSC)による結晶化エンタルピー(ΔHc)が1J/g以下、かつ、下記(1)式および(2)式を満たす偏光反射体、である。
Rmin≦40% ・・・(1)式
Rmax≧70% ・・・(2)式
(ここで、Rmin、Rmaxは、波長550nmの偏光を該偏光反射体の表面に対して入射角0°で照射し、該偏光反射体を入射光軸を中心に半回転させたときの反射率(%)の最小値(Rmin)と最大値(Rmax)である。)
本発明によって、高温下で使用しても寸法変化が小さい偏光反射体を得ることができる。
方位角についての説明図 合流装置の概略図 層厚み分布の例 層厚み分布の別な例 層厚み分布の別な例 サンプルの切り出しの例
以下に本発明について図面を参照しつつ詳細に述べるが、本発明は以下の実施例を含む実施の形態に限定して解釈されるものではなく、発明の目的を達成できて、かつ、発明の要旨を逸脱しない範囲内においての種々の態様は当然本発明の範囲に含まれる。
本発明の偏光反射体においては、結晶性の熱可塑性樹脂からなる層(A層)とA層を構成する樹脂とは異なる光学的性質を有する熱可塑性樹脂からなる層(B層)とが交互にそれぞれ50層以上積層されてなり、示差走査熱量測定(DSC)による結晶化エンタルピー(ΔHc)が1J/g以下、かつ、下記(1)式および(2)式を満たす必要がある。
Rmin≦40% ・・・(1)式
Rmax≧70% ・・・(2)式
ここで、Rmin、Rmaxは、波長550nmの偏光を該偏光反射体の表面に対して入射角0°で照射し、該偏光反射体を入射光軸を中心に半回転させたときの反射率(%)の最小値(Rmin)と最大値(Rmax)である。ΔHcは、DSCにて25℃から300℃まで20℃/minで昇温し、得られたDSC曲線について結晶化ピーク(発熱ピーク)に該当するピークにベースラインを引き、該ベースラインとピーク曲線とで囲まれた領域の面積から求める。
本発明に用いる熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)などのポリオレフィン、シクロオレフィンとしては、ノルボルネン類の開環メタセシス重合,付加重合,他のオレフィン類との付加共重合体である脂環族ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。これらの中で、強度・耐熱性・透明性の観点から、特にポリエステルを用いることが好ましく、ポリエステルとしては芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジフェニルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。中でも好ましくはテレフタル酸と2,6ナフタレンジカルボン酸を挙げることができる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体などを用いることが好ましい。
本発明の偏光反射体には、少なくとも2種の熱可塑性樹脂が用いられ、該2種の熱可塑性樹脂は異なる光学的性質を有する。光学的性質が異なるとは、屈折率が異なることをいい、厚み方向の屈折率において異なることが望ましく、その結果該2種の樹脂層の界面において光が反射されるようになり、多層化することで干渉反射作用が表れる。本発明において異なる光学的性質を有する熱可塑性樹脂としては、1種は結晶性樹脂を用い、もう1種は非晶性樹脂を用いることが好ましい。結晶性樹脂と非晶性樹脂を用いて作製されたシート状物を、面内方向の一軸延伸または二軸延伸(この場合、一方向の延伸倍率は他方向の延伸倍率よりも大きい)を行い、熱処理器内で結晶性樹脂の融点以下、非晶性樹脂のガラス転移点以上の温度にて熱処理を行うことで、結晶性樹脂の層は非晶領域の配向が緩和し結晶領域の結晶化が促進し、非晶性樹脂の層は配向が緩和し無配向状態とできる。その結果、結晶性樹脂の層は複屈折性を持ち、非晶性樹脂の層は複屈折性を持たないため、偏光反射性が獲得される。また、熱を加えても配向緩和および熱結晶化が抑制されるため、熱収縮率を抑制できる。また、層間密着性や、高精度で積層構造が実現しやすい観点から、前記2種類の熱可塑性樹脂は同一の基本骨格を含むことが好ましい。ここでいう基本骨格とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことであり、例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合は、エチレンテレフタレートが基本骨格である。また別の例としては、一方の樹脂がポリエチレンの場合、エチレンが基本骨格である。
基本骨格を同じとして、異なる光学的性質を具備させるには、共重合体を利用することが望ましい。すなわち、例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、他方の樹脂は、テレフタル酸残基および/またはエチレングリコール残基の一部を他の二価の有機基に置き換えた樹脂をもう一方の樹脂として用いるような態様である。他の成分を用いる割合(共重合量ということがある)としては、屈折率差を獲得する必要性から10%以上が好ましく、一方、層間の密着性や、熱流動特性の差が小さいため各層の厚みの精度や厚みの均一性に優れることから90%以下が好ましい。さらに好ましくは15%以上、80%以下である。前記のとおり、他の成分に置き換えることで一方の熱可塑性樹脂は結晶性、他方の熱可塑性樹脂が非晶性を示すことが望ましいことはいうまでもない。
本発明の偏光反射体は、結晶性の熱可塑性樹脂からなる層(A層)とA層を構成する熱可塑性樹脂とは異なる光学的性質を有する熱可塑性樹脂からなる層(B層)が、厚み方向に交互にそれぞれ50層以上積層した構造を含んでいることが必要である。
本発明の偏光反射体において、積層数を増やすことは、高い光反射性能を達成できるので、100層以上とすることが望ましく、より好ましくは400層以上、さらに好ましくは800層以上である。またさらに好ましくは、1600層以上である。積層数は多いほど高い反射率を実現でき、また、後述する層厚みの調整と加えて反射帯域幅を拡げることができるが、積層装置の大型化の観点から上限としては3000層程度である。
本発明の偏光反射体は、下記(1)、(2)式を満たすことが必要である。
Rmin≦40% ・・・(1)式
Rmax≧70% ・・・(2)式
ここで、Rmin、Rmaxは、波長550nmの偏光を該偏光反射体の表面に対して入射角0°で照射し、該偏光反射体を入射光軸を中心に半回転させたときの反射率(%)の最小値(Rmin)と最大値(Rmax)である。半回転とは、フィルム面内方向にて180°の回転のことである。
偏光反射性とは、ある方位に振動面を持つ光を選択的に反射する性質であり、その結果、反射する光も透過する光にも偏光性を持たせることができる。本発明の偏光反射体のRminを示す方位角における透過光(Tmax)の強度が(100−Rmin)から−5%以内、望ましく−2%以内、の範囲であれば、透過光の利用に極めて有利である。また、Rminとしては30%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下であることが透過光の利用効率を高めることになる。また、透過光において高い偏光性を得ることができるため、Rmaxは80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。また、反射光を利用する場合では、Rmax−Rminは好ましく50%以上、より好ましく70%以上、さらにこのましく90%以上である。以下、Rminとなる方位角を透過軸、Rmaxとなる方位角を反射軸と定義する。
本偏光反射体において前記の偏光反射性の実現のためには、交互に積層された熱可塑性樹脂からなる層の透過軸方向の屈折率の差が0.04以下であることが好ましく、より好ましくは0.02以下、さらに好ましくは0.01以下である。また、交互に積層された熱可塑性樹脂からなる層の反射軸方向における屈折率の差は0.08以上であることが好ましい、より好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.12以上である。屈折率の差が大きいほど偏光反射率が高くなり、より少ない層数で高い偏光反射性を実現することができ、また、実際に液晶ディスプレイに実装した際の輝度の向上の効果も大きくなる。
ここで、方位角について図を用いて説明する。図1は偏光反射体を上から見た図である。ここで図1中の1はフィルム幅方向、2はフィルム長手方向を示し、それぞれ直角の関係を持つ。偏光反射体に0°の入射角度で入射する偏光の振動方向を4とすると、方位角とは、偏光の振動面4とフィルム長手方向2とで挟まれた角度5のことである。
本発明の偏光反射体は、フィルム幅方向の少なくとも1箇所にて、(1)、(2)式を満足していなければならない。より好ましくは、フィルム幅方向の全体においても、(1)、(2)式を満足していることが好ましい。多層積層フィルムの場合、製膜時に積層ムラや厚みムラ、ボーイングなどが原因でフィルム幅方向物性が異なることで、ディスプレイなどに実装した場合に偏光性能にムラが生じる場合があるが、フィルム幅方向の全体においても、(1)、(2)式を満足していることで均一な偏光性能を保持した偏光反射体を提供できる。このような偏光反射体を製造するための一つの方法として、光学特性の異なる複数の層が交互積層された多層積層フィルムの干渉反射機能を利用する方法がある。ここで、干渉反射は各層間の屈折率差に由来して生じるものであるが、ある方位角では各層間の屈折率差を付与し、前記の方位角と異なる方位角においては各層間の屈折率差を等しくすることにより、偏光反射特性が付与できるものである。
偏光反射体は光源や内部回路からの熱にさらされる。このため長時間使用していると熱で結晶化が進み変形してしまうことがある。しかし、本発明の偏光反射体は、示差走査熱量測定(DSC)による結晶化エンタルピー(ΔHc)を1J/g以下としたことによって結晶化による収縮を低減できる。△Hcは、より好ましくは0.7J/g以下、さらに好ましくは0.5J/g以下である。結晶化エンタルピーが1J/g以下とすることで、熱にさらされた場合でも熱結晶化はほとんど進行しないため収縮はごく僅かとなり、特に高温雰囲気下での寸法安定性が良くなる。その達成方法は、A層に結晶性の熱可塑性樹脂を、B層に非晶性の熱可塑性樹脂を用いて多層積層体を製造し、一方方向に延伸した後、A層の融点以下かつ、B層のガラス転移点以上の温度にて熱処理を行うことである。熱処理によって、A層は結晶化が生じ、B層は分子配向が緩和する。結晶性樹脂と非晶性樹脂の組み合わせと熱処理によって、偏光反射性を持ちつつ、加熱された際の結晶化による収縮を抑制できる。また、熱処理以外の方法としては、A層にポリブチレンテレフタレートのような結晶化速度の速い樹脂を用いることである。ΔHcは、DSCにて25℃から300℃まで20℃/min.で昇温し、得られたDSC曲線から結晶化ピーク(発熱ピーク)に該当するピークにベースラインを引き、該ベースラインとピーク曲線とで囲まれた領域の面積である。
本発明の偏光反射体は、熱寸法安定性の観点から、150℃雰囲気下で30分間処理した際の長手方向および幅方向において熱収縮率が−0.3%以上1%以下であることが好ましい。熱収縮率が小さいことで、耐熱性の高い150μm程度の厚さのフィルム1枚〜2枚を貼り合せる必要がなくなる。より好ましくは−0.1%以上0.7%以下である。その達成方法は、本発明の偏光反射体を190℃以上235℃以下の温度にて、弛緩熱処理を行うことである。弛緩熱処理を行なうことで、結晶性樹脂の層は非晶領域の配向が緩和し結晶領域の結晶化が促進し、非晶性樹脂の層は配向が緩和し無配向状態となる。その結果、熱を加えても配向緩和および熱結晶化が抑制されるため、熱収縮率を低くできる。より好ましくは200℃以上235℃以下、さらに好ましくは230℃以上235℃以下である。
本発明の偏光反射体は、十分な偏光特性を持つ観点からマイクロ波複屈折率が0.05以上0.15以下であることが好ましい。マイクロ波複屈折率が高くなるほど、RmaxとRminの差が大きくなり、偏光特性が増す。より好ましくは0.07以上0.15以下であり。さらに好ましくは0.1以上0.15以下である。その達成方法としては、一軸延伸にて複屈折性の付与を行うことである。延伸倍率を大きくするほど、複屈折性が高くなり、マイクロ波複屈折率が高くなる。また、熱処理を行い、結晶性樹脂の層を結晶化させ、非晶性樹脂の層を配向緩和させることで、さらにマイクロ波複屈折率を高くすることができる。ここでマイクロ波屈折率とは、約4GHzのマイクロ波を用いて空胴共振法にて測定した本発明の偏光反射体の誘電率から求められた屈折率のことである。マイクロ波屈折率は、公知の分子配向計を用いて測定することができる。本発明の偏光反射体はA層とB層が交互に50層以上積層されているため、測定されるマイクロ波複屈折率は、A層とB層の体積分率で平均化されたものであるが、マイクロ波複屈折率の異方性(マイクロ波複屈折率)は、A層とB層が同じ体積分率である場合、偏光反射体の複屈折性の指標として用いることができる。
本発明の偏光反射体は、DSC測定において3J/g以下の微小吸熱ピークが190℃〜230℃の間に存在することが好ましい。3J/g以下の微小吸熱ピークとは、DSCにて25℃から300℃まで20℃/min.で昇温し、得られたDSC曲線の吸熱ピークに該当するピークにベースラインを引き、該ベースラインとピーク曲線とで囲まれた領域の面積のうち、3J/g以下のもののことである。この微小吸熱ピークはフィルムの微結晶の融解によって現れ、ピーク位置の温度は熱処理工程の温度と±5℃の範囲で一致する。熱寸法安定性の観点から、微小吸熱ピークが190〜230℃の間に存在するように熱処理を行うことが好ましい。微小吸熱ピークが190℃より低くなると熱結晶化が不足し、高温雰囲気下での寸法安定性が悪化する傾向があるが、微小吸熱ピークが190〜230℃の間に存在することにより十分に熱結晶化を促進することが可能であり、ディスプレイを連続使用した場合に生じる高温雰囲気下でも高い寸法・位置精度を保持できるようになる。また、230℃以上であるとフィルムの平面性が低下し、実装性が損なわれる場合もある。
本発明の偏光反射体は、ディスプレイ用バックライトユニットに用いることで正面輝度を向上させることができるようになる。バックライトユニットに用いる場合に好ましい構成の一例を以下に記載するが、構成が各部材の光学設計に依存するものであり、ここで示す例に限られるものではなく、必要に応じてその他の光学フィルムなどを含めてもよい。
本発明の偏光反射体を含んだバックライトユニットの好ましい構成は、底面から、反射体、ランプ、拡散体、偏光反射体、偏光体の順番で配置されてなるものである。ランプから照射された光は、直接に、もしくは、底面に配置された反射体にて反射されて、バックライト上面へと指向される。指向された光は、拡散板にて輝度が均一化された後、液晶ユニットでの表示のために偏光体にて光の偏光方向が一律化される。ここで、偏光反射体を用いない場合には、偏光体にて光の約半量が偏光体にて吸収されるために、ライトから照射された光量に対して実際に表示に用いられる光量が大幅に低下するが、偏光反射体が用いられることで偏光体の透過振動面に垂直な方向の成分を持つ光を反射し、再帰利用することで偏光体において光の吸収を大きく抑制でき、ランプからの光をより有効に利用でき、輝度を向上させることができるようになる。また、底面に配置される反射体を拡散反射体とすることにより、偏光反射体から反射された光の振動面を変えることができ、偏光反射体にて反射された光は再び利用可能な光へ変換されて、より輝度向上を達成できる。また偏光反射体を拡散体の下面に配置することにより、微小なフィルム厚みの差で生じる色ムラを抑制でき、高品位のディスプレイとなる。
本発明の成形体とは、本発明の偏光反射体と樹脂成形体を一体成形したフィルムインサート成形品であることが好ましい。本発明の偏光反射体と一体成型する樹脂成型体の好ましい例として、光拡散機能を持った樹脂成型体が挙げられる。偏光反射性と光拡散性の両方の機能を一つの成型品にまとめることで、液晶ディスプレイ用バックライトユニットを組み立てる際に、偏光反射体と拡散板それぞれを設置する手間が省け、組み立て効率が高まる。また、液晶ディスプレイ用バックライトユニットを組み立てる際、バックライトユニットの構成上、偏光反射体は一番最後に設置されるが、偏光反射体を剛性の高い樹脂成型体とフィルムインサート成型することによって、フィルムインサート成型品は設置された各部材を抑える役割を担うことができ、組み立て効率が高まる。フィルムインサート成形品とは、一般にフィルムをプラスチック成形の金型(mold)に挿入し、次いで加熱流動化した成形材料(射出樹脂)を、その金型に流し込むことによって製造されるタイプの射出成形品のことである。フィルムインサート成形の条件としては、成形樹脂の射出温度は、樹脂の溶融温度であり、一般的にアクリル系では240℃前後、ポリエステル系では280℃前後、ポリアミド系では200℃前後であることが知られている。その他、ポリスチレン、ポリカーボネートなどは270℃前後であり、用いる樹脂に合わせて決定すれば良い。また、金型温度は、本発明の偏光反射体の成形性と接着性の観点から、80℃以上150℃以下であることが好ましい。なお、本発明の偏光反射体の成形体へ意匠性を付与するために、インサートする樹脂、あるいは印刷層は、黒、灰色、青などの着色したものが好ましい。但し、ディスプレイ部材に用いられる場合は、インサート樹脂は、無色透明のポリカーボネート、アクリルが好ましく、印刷層はなくても良い。
また、成形体の製造方法は、本発明の偏光反射体を金型プレス成形、真空成形、真空圧空成形、超高圧成形であることが好ましい。これらの成形方法は、熱可塑性樹脂フィルムをクランプ金枠にはさんでヒータで加熱軟化させた後、それぞれの成形方法を適用するものである。金型プレス成形では、雄雌の金型でフィルムをプレスして成形する方法であり、真空成形では、あらかじめ型のコーナーに真空孔を設けた雄型、または雌型を突き上げて真空吸引して成形する方法であり、真空圧空成形は、前記工程にプラスして、型突き上げと同時に圧空箱を降下させ、この中に圧空を加えることにより、大気圧にかわって大きな成形圧力でシートを型に密着成形する方法である。超高圧成形は、吸引がなく、非常に高い圧力のみで型にフィルムを押しつけて成形する方法である。本発明の偏光反射体の加熱温度は、成形方法にもよるが、フィルム敗れ、変色を少なくする観点から90℃以上250℃以下であることが好ましい。一方、金型温度についても同様であり、70℃以上150℃以下であることが好ましい。空気圧についても、成形方法によるが、真空圧空の場合、0.5MPa〜5MPa程度が好ましく、超高圧成形の場合は、5MPa〜20MPa以下であることが好ましい。真空度も同様な理由から、差圧表示で100mmHg以下であることが好ましい。
本発明の偏光反射体を製造する具体的な態様の例を以下に記す。
A層とB層を積層する方法は、特開2007−307893号公報に記載されているように、スリットタイプのフィードブロックやスクエアミキサーを用いて積層される。ただし、本発明における合流装置は、幅方向の積層ムラを抑える目的から、合流装置出口のアスペクト比が大きなものを用いている。以下、合流装置について説明を行なう。合流装置とは図2に示すように、2つ以上のスリット板にて独立に積層された多層積層流れを合流し、一つの多層積層流れにする装置である。一般的なフィルム製膜において、フィルムは口金内にて急激に幅方向に拡幅される。多層積層フィルムの場合、この急な拡幅は積層ムラを引き起こす原因となる。そこで、口金内での急激な拡幅を押させるために、口金流入時に既にある程度拡幅させておく。具体的には、多層積層流れの合流後、図2(a)中、M−M’からN−N’にかけて徐々に拡幅を行なう。口金内での拡幅量を少なくし幅方向の積層精度を高くする観点から、図2(a)中、N−N‘におけるアスペクト比は3以上であることが好ましい。ここでのアスペクト比とは、フィルム積層方向(図2中でX軸方向)の長さに対するフィルム幅方向(図2中でY軸方向)の長さの比のことである。正し、アスペクト比が大きくなるにつれて、M−M’からN−N’にかけて行なう拡幅が、急なものとなるため、アスペクト比の増大に応じてM−M’とN−N’間の距離を長くすることが好ましい。このように口金前にて幅方向に拡幅することで、積層精度が高くなり、反射率ムラが低減される。
前記合流装置にて積層された多層積層流れは、Tダイ内部のマニホールド部に充填、さらに拡幅され、次いでダイスリットからシート状に押し出され、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下の冷却ロール上で固化されることにより未延伸状態の積層フィルムが得られる。このようにして得られた未延伸フィルムである積層フィルムは、高い積層精度を有する。
さらに、この未延伸状態の積層フィルムに偏光反射性を付与させるために、一方向に延伸を行う。2方向の延伸倍率に差をつけて二軸延伸しても良い。延伸温度、延伸倍率及び延伸速度は偏光反射性が付与されるのであれば、特に限定はされないが、延伸温度はA層およびB層のガラス転移点温度以上、ガラス転移点温度+50℃以下が好ましい。延伸倍率はA層に複屈折性を持たせることと、熱処理による白化防止の観点から、3倍以上が好ましい。延伸倍率の上限は本発明の目的を損なわない限り何倍であっても良いが、装置の大きさの制約から、30倍程度である。長手方向の延伸方法は、ロール間の速度変化を利用して行う。また、幅方向の延伸は、公知のテンター法を利用することができる。すなわち、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。無延伸フィルムを、一般的な逐次二軸延伸と同じテンター条件にて一軸延伸すると、フィルムエッジに熱結晶化が発生し、熱処理工程における熱収縮応力や、熱処理工程後にフィルムが冷却される際の冷却応力によってフィルムエッジが破断するため、フィルムを製造することができない。特に本発明の偏光反射体においては、高温熱処理を行うため、従来の製造方法ではフィルムエッジが著しく結晶化する。そこで、本発明の偏光反射体の製造においては、テンター内にてフィルムエッジの熱結晶化の抑制を行う。具体的には、クリップがテンター出口から入り口へ戻る間にクリップに冷風を吹きつけることで冷却を行う。クリップ温度が低いことによって、フィルムエッジが昇温しにくくなり、熱結晶化が抑制され、熱収縮応力や冷却応力によるフィルムエッジの破断を防止できる。冷却効率の観点から冷風の温度は0℃以上40℃以下が好ましく、冷風の吹きつけ速度は5m/s以上1000m/s以下、冷風の吹き出し口はフィルムの両端側に位置する2つのクリップレール部それぞれに3箇所以上あることが好ましい。
次いでこの延伸されたフィルムを、オーブン内で熱処理する。この熱処理は、延伸温度より高く、融点より低い温度で行うのが一般的である。熱処理の温度は偏光反射性と熱寸法安定性の付与の観点から、190℃以上235℃以下であることが好ましい。さらに偏光反射性と熱寸法安定性を向上させる観点から200℃以上235℃以下がより好ましく、さらに好ましくは210℃以上235℃以下である。このとき十分に熱をかけることは△Hcを本願所定の範囲とするために有効である。また、熱寸法安定性を向上させるため、幅方向に5%以下の弛緩熱処理を施すことが好ましい。熱処理工程によって、結晶性樹脂の層は熱結晶化と非晶部の配向緩和が、非晶性樹脂の層は配向緩和が起こる。その結果、偏光反射性が付与され、配向緩和や熱結晶化が起こりにくい熱寸法安定性の高い偏光反射体が得られる。
本発明の偏光反射体の厚みは、各層厚みと総積層数の兼ね合いから決定されるが、易滑性と自己支持性の観点から、通常50μm〜500μmである。より好ましくは、70〜200μmである。
偏光反射体の層厚み分布の例を図3〜5に示す。図3に例示した層厚み分布を以下に説明する。該層厚み分布は、最表層に位置する2つの厚膜層14とフィードブロック11の3枚のスリット板15から形成されるA層からなる傾斜構造16とB層からなる傾斜構造17から構成されている。A層、B層ともスリット板の数に対応した3つの傾斜から構成されており、スリット板間の境界近傍の層厚み分布は、該境界近傍の層厚みに相当する波長において干渉反射が確実に生じるように重複した層厚みとしている。ここで、傾斜構造16と17を構成する各層厚みは、500nm以下の薄膜層に相当する。スリット板間にわたって、同じ層厚みが存在する重複部の層厚み数は、50層以上であることが好ましい。より好ましくは、100層以上である。この重複部である層厚み分布17は、スリット板間でスリットの櫛歯30個以上について、長さと間隙を合わせることで容易に達成できる。このような層厚み分布を達成することによって、反射率のムラを小さくすることができ、生産性に優れた偏光反射体を提供できる。
本発明の偏光反射体の層厚み分布は、A層またはB層の層厚み分布は3つ以上の傾斜構造を有するものであって、かつ、全ての傾斜構造は同一の方向に傾斜していないことが好ましい。傾斜構造とは、A層またはB層の薄膜層の層厚みの分布において、隣り合う同一樹脂の層厚み間での厚み差が50nm以下の範囲で連続性を有し、最小二乗近似によるRの二乗が0.5以上となる正もしくは負の傾きをもつ層厚み分布を有するA層またはB層の層厚み群のことである。
その例を図4と図5を用いて以下に説明する。図4に示すA層の3つの傾斜構造19,20,21において、傾斜構造21の傾きは、他の傾斜構造19と20の傾きと反対の傾きであることが分かる。このように傾斜構造の傾きを反対かつ層厚みの重複部を多くとることによって、長い波長区間にわたって、反射率ムラを小さくすることができる。
よって、図4は、図3の層厚み分布に比べて反射率ムラの小さな、無彩色の偏光反射体を得ることができる。重複部の層厚み数は、200層以上であることが好ましい。よりの好ましくは、300層以上。さらに好ましくは、400層以上である。また、図5には、反対の傾きを有する傾斜構造が2つある層厚み分布の例を示す。
以下、本発明の偏光反射体の実施例を用いて説明する。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
物性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
(1)層厚み、積層数、積層構造
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面を10000〜40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いた。
(2)層厚みの算出方法
(1)項で得た約4万倍のTEM写真画像を、CanonScanD123Uを用いて画像サイズ720dpiで取り込んだ。画像をビットマップファイル(BMP)もしくは、圧縮画像ファイル(JPEG)でパーソナルコンピューターに保存し、次に、画像処理ソフトImage−Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向位置と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域の平均明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)でデータ採用した後に、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBA(ビジュアル・ベーシック・フォア・アプリケーションズ)プログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして層厚みを算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。得られた層厚みのうち、1μm以上の厚みの層を厚膜層とした。また、薄膜層は500nm以下の厚みの層とした。
傾斜構造は、測定したA層およびB層の薄膜層の層厚みの分布から、隣り合う同一樹脂の層厚み間での厚み差が50nm以下の範囲で連続性を有し、最小二乗近似によるRの二乗が0.5以上となる正もしくは負の傾きをもつ層厚み分布を有するA層およびB層の群を傾斜構造として特定し、その数と傾きの関係を調べた。
(3)偏光反射率、透過率
サンプルをフィルム幅方向中央部から5cm×5cmで切り出した。日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の12°正反射付属装置P/N134−0104を取り付け、入射角度φ=12度における絶対反射率を測定した。なお、サンプルのMD方向を垂直方向にして、ホルダーに設置した。また、付属のグランテーラ社製偏光子を設置して、偏光成分を0〜180°において、5度刻みで回転させた方位角で波長250〜2600nmの絶対反射率を測定した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/min.で測定し、方位角0〜180度における分光反射率を得た。これらの測定結果から、Rmin、Rmaxを得た。さらに、Rminを測定した方位角における透過率をTmax、Rmaxを測定した方位角における透過率をTminとし、TmaxとTminについても同様の方法で測定を行なった。
(4)結晶化エンタルピー(ΔHc)、微小吸熱ピーク(ΔHe)
サンプルを電子天秤で5mg計量し、アルミパッキンで挟み込みセイコーインスツルメント社(株)ロボットDSC−RDC220熱示差走査計を用いて測定を行い、データ解析は同社製ディスクセッションSSC/5200を用いて、JIS−K−7122(1987年)に従って行った。25℃から300℃まで20℃/min.で昇温した。結晶化時のピーク(発熱ピーク)に該当するピークにベースラインを引き、該ベースラインとピーク曲線とで囲まれた領域の面積を結晶融解エンタルピー(ΔHc)とし、微小吸熱ピーク(ΔHe)は、吸熱ピークに該当するピークにベースラインを引き、該ベースラインとピーク曲線とで囲まれた領域の面積のうち、3J/g以下のものとした。また、そのときのピーク温度をTeとした。
(5)熱収縮率
サンプルを長手方向150mm×幅方向10mmに切り出した。このサンプル片を、23℃、60%RHの雰囲気に30分間放置し、その雰囲気下で、フィルム長手方向に約100mmの間隔で2つの印をつけ、Nikon社製万能投影機(Model V−16A)を用いて、その印の間隔を測定し、その値をAとした。次に、サンプルを、張力フリーの状態で150℃の雰囲気中で30分間放置し、次いで、23℃・60%RHの雰囲気中で1時間冷却、調湿後、先につけた印の間隔を測定し、これをBとした。このとき、下記式(6)より、熱収縮率を求めた。フィルム長手方向(MD)、幅方向(TD)それぞれについて、n数は3とし、その平均値を採用した。
熱収縮率(%)=100×(A−B)/A ・・・式(6)
(6) マイクロ波複屈折率
フィルム幅方向中央部から10cm×10cmの寸法で切り出したものを測定サンプルとし、マイクロ波分子配向計を用いてマイクロ波複屈折率を測定した。マイクロ波分子配向計は、KSシステムズ(株)製(現王子計測機器(株))の分子配向計MOA−2001(周波数4GHz)を用いた。0°から180°まで5°刻みでマイクロ波屈折率を測定し、屈折率の最も高い値と最も低い値の差をマイクロ波複屈折率とした。
(7)輝度向上率
サンプルとなる偏光反射体をフィルム幅方向中央部の位置から長手方向700mm×幅方向400mmサイズで切り出した。次いで、評価用32インチ直下型バックライトユニット(蛍光管直径3mm、蛍光管ピッチ20.5mm、ランプ19本)の上に、50%拡散板、マイクロレンズシート、偏光反射体、偏光板の順に設置して測定を行った。ここで、蛍光管の長手方向と本発明の偏光反射体のMD方向が平行の関係になるように配置した。蛍光管を60分間点灯して光源を安定させたのちに、CA−2000((株)コニカミノルタ)を用い、付属のCCDカメラをバックライト表面から90cmの地点にバックライト面に対して正面となるように設置し、正面輝度(cd/m2)を測定した。先ず、偏光反射体を設置しない状態(ブランク状態)で平均正面輝度を測定した。その後、偏光反射体をマイクロレンズシートと偏光板の間に設置して平均正面輝度を測定した。この際、偏光反射体の長手方向(MD)と偏光板の吸収軸を一致させた状態で配置した。輝度向上率は、測定した平均正面輝度をブランク状態の正面輝度で割り、100を乗じることにより求めた。
(8)反射率ムラ
サンプルとなる偏光反射体を長手方向40cm×幅方向40cmサイズで切り出した。次いで、切り出したサンプルから図6に示すように5cm×5cmのサンプルを9点切り出した。この5cm×5cmのサンプルに対して、(3)項の方法にてRmin、Rmaxを求めて、式(6)、式(7)により反射率ムラを求めた。
Figure 2011141408
Figure 2011141408
ここで、Rminaveは5cm×5cmサンプル9点のRmin平均値、Rmaxaveは5cm×5cmサンプル9点のRmax平均値、iは切り出した9点の5cm×5cmサンプルに対応し、AminはRminに関する反射率ムラ、AmaxはRmaxに関する反射率ムラである。
反射率ムラの評価方法は下記のようにした。
◎:反射率ムラ≦10%
○:10%<反射率ムラ≦15%
△:15%<反射率ムラ≦20%
×:反射率ムラ>20%
(9)寸法安定性
サンプルとなる偏光反射体をフィルム幅方向中央部の位置から長手方向700mm×幅方向400mmサイズで切り出した。次いで、評価用32インチ直下型バックライトユニット(蛍光管直径3mm、蛍光管ピッチ20.5mm、ランプ19本)の上に、50%拡散板、マイクロレンズシート、偏光反射体、偏光板の順に設置し、蛍光管を12時間点灯させた後の偏光反射体の平面性を目視にて評価した。
平面性の評価方法は下記のようにした。
○:しわが全くない
△:長さ2cm以下のしわが3個以下
×:長さ2cm以下のしわが4個以上、または、長さ2cmよりも長いしわが認められる。
(実施例1)
A層を構成する結晶性の熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Aとも称する)としてポリエチレンテレフタレートを用い、またB層を構成する熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Bとも称する)としてポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジメタノール成分33mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBを、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A/熱可塑性樹脂B=1/1.07になるように計量しながら、スリット数267個のスリット板を2枚、269個のスリット板1枚の計3枚用いた構成である801層フィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に801層積層された積層体とした。A層同士の合流層があるため、スリット数は、803個となる。但し、最表層に位置する厚膜層を形成するスリット巾が、他の薄膜層を形成するスリット巾の2倍以上である設計とし、さらに、薄膜層を形成する最小の層厚みと最大の層厚みの比を0.55とした。最も薄い薄膜層を形成するスリット板と中間の薄膜層を形成するスリット板間において、100個のスリット数にわたり、スリット長さが同じとなる設計とした。最も厚い薄膜層を形成するスリット板と中間の薄膜層を形成するスリット板間においては、30個のスリット数にわたり、スリット長さが同じとなる設計とした。ここでは、スリット幅(間隙)は、全て一定とし、長さのみ変化させた。また、積層構造の内訳は、熱可塑性樹脂Aが401層、熱可塑性樹脂Bが400層からなる厚み方向に交互に積層された傾斜構造を有する積層体とした。フィードブロックのスリット板設計時の層厚み分布のパターンは、図4に示すものを用いた。
次いで、各スリット板からの積層流が合流した801層の積層流が図2に示す合流装置を通過後に、スクエアミキサーにて、分配比1:0.85の一度の分岐・合流を繰り返すことにより、1601層の積層流とし、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを、25℃、200m/sの冷風を吹き出す、吹き出し口をフィルムの両端側に位置する2つのクリップレール部それぞれに3箇所設置したテンターに導き温度95℃、5.5倍横延伸した後、230℃で30秒間熱処理を施し、約3%幅方向の弛緩処理を実施し、厚み152μmの偏光反射体を得た。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。
(実施例2)
フィードブロックのスリット板設計時の層厚み分布のパターンとして図3に示すものを用いたこと以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。
(実施例3)
熱可塑性樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレートの共重合体(イソフタル酸成分25mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)を用いた以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。
(実施例4)
熱可塑性樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレートの共重合体(アジピン酸成分15mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)を用いた以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。
(実施例5)
延伸倍率を4倍としたこと以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。
(実施例6)
熱処理温度を180℃としたこと以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。
(実施例7)
熱処理時間を120秒としたこと以外は実施例6と同様の条件で製膜した。得られた偏光反射体の物性結果を標に示す。表2に各種条件をまとめた。
(実施例8)
熱処理温度を200℃としたこと以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。
(実施例9)
熱可塑性樹脂AおよびBの組み合わせは実施例1と同様にし、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=1/1.07になるように計量しながら、フィードブロックの表層側に位置するスリット数272個と271個のスリット板を2枚、内側の301個のスリット板1枚、283個のスリット板1枚の計4枚用いた構成である1127層フィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に1127層積層された積層体とした。但し、最表層に位置する厚膜層を形成するスリット巾が、他の薄膜層を形成するスリット巾の2倍以上である設計とし、さらに、薄膜層を形成する最小の層厚みと最大の層厚みの比をスリット板毎に表層側のスリット板2つは、0.33、内側は、0.4と0.36とした。隣同士のスリット板間において、270個以上のスリット数にわたり、スリットからのポリマー流量が同じとなる同じスリット長さと同じ間隙をもつ多段傾斜設計とした。また、積層構造の内訳は、熱可塑性樹脂Aが563層、熱可塑性樹脂Bが564層からなる厚み方向に交互に積層された傾斜構造を有する積層体とした。フィードブロックのスリット板設計時の層厚み分布のパターンは、図5に示すものを用いた。次いで、各スリット板からの積層流が合流した1127層の積層流をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを、25℃、200m/sの冷風を吹き出す、吹き出し口をフィルムの両端側に位置する2つのクリップレール部それぞれに3箇所設置したテンターに導き温度90℃、4.5倍横延伸した後、次いで230℃で30秒間熱処理を施し、約3%の幅方向弛緩処理を実施し、厚み122μmの偏光反射体を得た。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレートを熱可塑性樹脂Aとして用い、また熱可塑性樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジメタノール成分33mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)を用いた(熱可塑性樹脂A,Bとも無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBを、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=1/1.07になるように計量しながら、スリット数267個のスリット板を2枚、269個のスリット板1枚の計3枚用いた構成である801層フィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に801層積層された積層体とした。A層同士の合流層があるため、スリット数は、803個となる。但し、最小の層厚みと最大の層厚みの比を0.55とした。最も薄い薄膜層を形成するスリット板と中間の薄膜層を形成するスリット板間において、100個のスリット数にわたり、スリット長さが同じとなる設計とした。最も厚い薄膜層を形成するスリット板と中間の薄膜層を形成するスリット板間においては、30個のスリット数にわたり、スリット長さが同じとなる設計とした。ここでは、スリット幅(間隙)は、全て一定とし、長さのみ変化させた。また、積層構造の内訳は、熱可塑性樹脂Aが401層、熱可塑性樹脂Bが400層からなる厚み方向に交互に積層された傾斜構造を有する積層体とした。フィードブロックのスリット板設計時の層厚み分布のパターンは、図3に示すものを用いた。
次いで、各スリット板からの積層流が合流した801層の積層流が合流装置を通過後に、801層の積層体とした。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを、25℃、200m/sの冷風を吹き出す、吹き出し口をフィルムの両端側に位置する2つのクリップレール部それぞれに3箇所設置したテンターに導き温度95℃、速度20%/s、2.5倍横延伸し、次いで160℃で30秒間熱処理を施し、約3%のTDリラックスを実施し、厚み76μmの偏光反射体を得た。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。熱結晶化により白化し、偏光特性や熱寸法安定性に乏しいフィルムであった。
[比較例2]
延伸倍率を5.5倍、熱処理を行わなかったこと以外は、比較例1と同様の条件で製膜した。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。偏光特性や熱寸法安定性に乏しいフィルムであった。
[比較例3]
クリップの冷却を行なわなかったこと以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。熱処理器内でフィルム破れが多発し、サンプルを得ることができなかった。
[比較例4]
ポリエチレンナフタレートを熱可塑性樹脂Aとして用い、また熱可塑性樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレートを用いた。熱可塑性樹脂AおよびBを、それぞれの押出機にて300℃と280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A/熱可塑性樹脂B=1/1.14になるように計量しながら、スリット数267個のスリット板を2枚、269個のスリット板1枚の計3枚用いた構成である801層フィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に801層積層された積層体とした。A層同士の合流層があるため、スリット数は、803個となる。但し、最表層に位置する厚膜層を形成するスリット巾が、他の薄膜層を形成するスリット巾の2倍以上である設計とし、さらに、薄膜層を形成する最小の層厚みと最大の層厚みの比を0.55とした。最も薄い薄膜層を形成するスリット板と中間の薄膜層を形成するスリット板間において、100個のスリット数にわたり、スリット長さが同じとなる設計とした。最も厚い薄膜層を形成するスリット板と中間の薄膜層を形成するスリット板間においては、30個のスリット数にわたり、スリット長さが同じとなる設計とした。ここでは、スリット幅(間隙)は、全て一定とし、長さのみ変化させた。また、積層構造の内訳は、熱可塑性樹脂Aが401層、熱可塑性樹脂Bが400層からなる厚み方向に交互に積層された傾斜構造を有する積層体とした。フィードブロックのスリット板設計時の層厚み分布のパターンは、図4に示すものを用いた。
次いで、各スリット板からの積層流が合流した801層の積層流が図2に示す合流装置を通過後に、スクエアミキサーにて、分配比1:0.85の一度の分岐・合流を繰り返すことにより、1601層の積層流とし、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを、25℃、200m/sの冷風を吹き出す、吹き出し口をフィルムの両端側に位置する2つのクリップレール部それぞれに3箇所設置したテンターに導き温度110℃、5.5倍横延伸し、厚み160μmの偏光反射体を得た。得られた偏光反射体の物性結果を表1に示す。表2に各種条件をまとめた。偏光特性は十分であったが、熱寸法安定性に乏しいフィルムであった。
Figure 2011141408
Figure 2011141408
本発明は、偏光反射体、及びその製造方法に関するものである。また、本発明の偏光反射体は、LCDの輝度を向上させるバックライト部材、偏光サングラス、偏光フィルタ、偏光を利用する光学センサー部材として好適なものである。該偏光反射体は、ディスプレイ部材、自動車部材、ホログラムなどの偽造防止用意匠部材、光学印刷機器、カメラ、太陽電池部材、建材などに好適な偏光反射体およびその成形品である。
1:幅方向
2:長手方向
3:偏光反射体
4:平面上に投影された光線の振動方向
5:方位角
6:合流装置
7:各スリット板で積層された多層積層流れ
8L:スリット板13の流出口
9L:スリット板15の流出口
10L:スリット板17の流出口
8M:スリット板13の流出口から流路の規制により再配置された流路の断面形状
9M:スリット板15の流出口から流路の規制により再配置された流路の断面形状
10M:スリット板17の流出口から流路の規制により再配置された流路の断面形状
8N:拡幅された流路の断面形状
9N:拡幅された流路の断面形状
10N:拡幅された流路の断面形状
11 :フィードブロック
12 :層厚み番号
13 :層厚み(nm)
14 :厚膜層
15 :スリット板
16 :A層からなる傾斜構造
17 :B層からなる傾斜構造
18 :スリット板間で同じ層厚みをもった層厚み分布
19:他の傾斜構造
20:他の傾斜構造
21:他の傾斜構造と反対の傾きを有する傾斜構造

Claims (7)

  1. 結晶性の熱可塑性樹脂からなる層(A層)とA層を構成する樹脂とは異なる光学的性質を有する熱可塑性樹脂からなる層(B層)とが交互にそれぞれ50層以上積層されてなり、示差走査熱量測定(DSC)による結晶化エンタルピー(ΔHc)が1J/g以下、かつ、下記(1)式および(2)式を満たす偏光反射体。
    Rmin≦40% ・・・(1)式
    Rmax≧70% ・・・(2)式
    (ここで、Rmin、Rmaxは、波長550nmの偏光を該偏光反射体の表面に対して入射角0°で照射し、該偏光反射体を入射光軸を中心に半回転させたときの反射率(%)の最小値(Rmin)と最大値(Rmax)である。)
  2. 150℃雰囲気下で30分間処理した際の長手方向および幅方向の熱収縮率が−0.3%以上、1%以下である請求項1に記載の偏光反射体。
  3. マイクロ波複屈折率が0.05以上、0.15以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光反射体。
  4. 前記DSC測定において3J/g以下の微小吸熱ピークが190℃〜230℃の間に存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光反射体。
  5. 前記A層またはB層の層厚み分布は、3つ以上の傾斜構造を有し、少なくとも1つの傾斜構造の向きが、他の傾斜構造と反対の傾斜構造であって、反射率のムラが20%以内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光反射体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の偏光反射体、バックライト、拡散体、及び、偏光子からなる、ディスプレイ用バックライトユニット。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の偏光反射体を用いた成型体。
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