JP5706246B2 - 多層延伸フィルム - Google Patents
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Description
λ=2(n1×d1+n2×d2)
(上式中、λは反射波長(nm)、n1、n2はそれぞれの層の屈折率、d1、d2はそれぞれの層の厚み(nm)を表わす)
この原理を利用して、例えば一方向の偏光を反射し、その直交方向の偏光を透過するといった反射偏光フィルムを設計することができ、そのときの望ましい複屈折性は下記の式で表される。
n1X>n2X、n1Y=n2Y
(上式中、n1X、n2Xはそれぞれの層における延伸方向の屈折率、n1Y、n2Yはそれぞれの層における延伸方向に直交する方向の屈折率を表す)
また、特許文献3にはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを高屈折率層とし、不活性粒子を含む多層積層フィルムが記載されているが、広波長域において一方の偏光を高反射させる反射偏光フィルムの概念は提案されていない。
すなわち、本発明の目的は、以下の発明により達成される。
1)該第1層は、ジカルボン酸成分とジオール成分とのポリエステルからなる厚み0.01μm以上0.5μm以下の層であり、
(i)ジカルボン酸成分は5モル%以上90モル%以下の下記式(A)で表される成分および10モル%以上95モル%以下の下記式(B)で表される成分を含有し、
(ii)ジオール成分は90モル%以上100モル%以下の下記式(C)で表される成分を含有し、
該第2層は共重合量が5モル%以上50モル%以下の共重合ポリエステルからなり、平均屈折率1.55以上1.62以下かつ光学等方性の厚み0.01μm以上0.5μm以下の層であり、
2)フィルム面内における第1層と第2層の1軸延伸方向(X方向)の屈折率差が0.10〜0.45であって、1軸延伸方向に直交する方向(Y方向)における第1層と第2層との屈折率差、およびフィルム厚み方向(Z方向)における第1層と第2層との屈折率差がそれぞれ0.06以下であり、
3)第1層および第2層におけるそれぞれの最大層厚みと最小層厚みの比率がいずれも2.0以上5.0以下であり、かつ
4)フィルム面を反射面とし、X方向を含む入射面に対して平行な偏光成分について入射角0度および50度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率がそれぞれ90%以上であり、
5)フィルム面を反射面とし、X方向を含む入射面に対して垂直な偏光成分について、入射角0度および50度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率がそれぞれ15%以下である、
ことを特徴とする多層延伸フィルム。
2. 前項1に記載の多層延伸フィルムからなる輝度向上用部材。
3. 前項2に記載の輝度向上用部材の少なくとも一方の面に光拡散フィルムが積層されてなる液晶ディスプレイ用複合部材。
4. 前項2に記載の輝度向上用部材を含む液晶ディスプレイ装置。
5. 前項3に記載の液晶ディスプレイ用複合部材を含む液晶ディスプレイ装置。
本発明の多層延伸フィルムは、第1層と第2層とが交互に積層され、251層以上を有し、少なくとも1軸方向に延伸されたフィルムである。ここで第1層は第2層より屈折率の高い層、第2層は第1層より屈折率の低い層をそれぞれ表す。
ここで、延伸方向(X方向)の屈折率はnX、延伸方向と直交する方向(Y方向)の屈折率はnY、フィルム厚み方向(Z方向)の屈折率はnZと記載することがある。
以下、さらに本発明の多層延伸フィルムについて詳述する。
本発明において、第1層を構成するポリエステル(以下、芳香族ポリエステル(I)と称することがある)は以下のジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合によって得られる。
本発明の芳香族ポリエステル(I)を構成するジカルボン酸成分(i)として、5モル%以上90モル%以下の下記式(A)で表される成分、および10モル%以上95モル%以下の下記式(B)で表される成分の、少なくとも2種の芳香族ジカルボン酸成分が用いられる。ここで、各芳香族ジカルボン酸成分の含有量は、ジカルボン酸成分の全モル数を基準とする含有量である。
式(A)で表される成分の含有量の下限値は、好ましくは7モル%、より好ましくは10モル%、さらに好ましくは15モル%である。また、式(A)で表される成分の含有量の上限値は、好ましくは85モル%、より好ましくは45モル%、さらに好ましくは35モル%である。従って、式(A)で表される成分の含有量は、好ましくは5モル%以上85モル%以下、より好ましくは7モル%以上45モル%以下、さらに好ましくは10モル%以上35モル%以下である。
かかる芳香族ポリエステル(I)は、ジカルボン酸成分が5モル%以上90モル%以下の式(A)で表される成分を含有することを特徴とする。式(A)で示される成分の割合が下限値に満たない場合は、延伸によるY方向の屈折率の低下が生じないため、延伸フィルムにおけるY方向の屈折率nYとZ方向の屈折率nZの差異が大きくなり、斜め方向の入射角で入射した偏光による色相ずれが改善し難い。また、式(A)で示される成分の割合が上限値を超える場合は液晶性が高くなり、X方向の屈折率特性を得るための製膜が困難となる。
また、式(B)で表される成分について、式中、RBはナフタレンジイル基である。
式(B)で表される成分は、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
このように、式(B)で表される成分を含有するポリエステルを用いることで、X方向に高屈折率を示すと同時に1軸配向性の高い複屈折率特性を実現できる。
本発明の芳香族ポリエステル(I)を構成するジオール成分(ii)として、90モル%以上100モル%以下の下記式(C)で表されるジオール成分が用いられる。ここで、ジオール成分の含有量は、ジオール成分の全モル数を基準とする含有量である。
式(C)で表されるジオール成分の含有量は、好ましくは95モル%以上100モル%以下、より好ましくは98モル%以上100モル%以下である。式(C)で示されるジオール成分の割合が下限値に満たない場合は、前述の1軸配向性が損なわれる。
芳香族ポリエステル(I)において、式(A)で表される成分と式(C)で表されるジオール成分で形成される繰り返し単位((A)−(C))の含有量は、全繰り返し単位の5モル%以上90モル%以下であり、好ましくは5モル%以上85モル%以下、さらに好ましくは10モル%以上35モル%以下である。
芳香族ポリエステル(I)を構成する他のエステル単位として、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、トリメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどのアルキレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位が挙げられる。これらの中でも高屈折率性などの点からエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位が好ましい。
芳香族ポリエステル(I)は、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が0.4〜3dl/gであることが好ましく、さらに好ましくは0.4〜1.5dl/g、特に好ましくは0.5〜1.2dl/gである。
芳香族ポリエステル(I)のガラス転移温度(以下、Tgと称することがある。)は、好ましくは60〜120℃の範囲にある。Tgがこの範囲にあると、耐熱性および寸法安定性に優れたフィルムが得られる。かかる融点やガラス転移温度は、共重合成分の種類と共重合量、そして副生物であるジアルキレングリコールの制御などによって調整できる。
かかる芳香族ポリエステル(I)の製造方法は、例えばWO2008/153188号パンフレットの第9頁に記載されている方法に準じて製造することができる。
また、第1層を構成する共重合系の芳香族ポリエステル(I)は、例えばフィルムにする段階で2種以上のポリエステルを溶融混練してエステル交換させたものであってもよい。
本発明の第1層は、各層の厚みが0.01μm以上0.5μm以下の層である。第1の層の厚みがかかる範囲にあることにより、層間の光干渉によって選択的に光を反射することが可能となる。
芳香族ポリエステル(I)を1軸延伸した場合、X方向の屈折率nXは延伸により増加する方向にあり、Y方向の屈折率nYとZ方向の屈折率nZはともに延伸に伴い低下する方向にあり、しかも延伸倍率によらずnYとnZの屈折率差が小さいことを特徴としている。
またY方向の1軸延伸後の屈折率nYとZ方向の1軸延伸後の屈折率nZの屈折率差は、具体的には0.06以下であり、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.03以下である。これら2方向の屈折率差が小さいことにより、偏光光が斜め方向の入射角で入射しても色相ずれが生じにくい効果を奏する。
(共重合ポリエステル)
本発明において第2層は、1軸延伸における製膜性の観点から、ポリエステルを構成する全繰り返し単位を基準として共重量が5〜50モル%、好ましくは10〜40モル%の共重合ポリエステルであり、さらに好ましくはかかる共重合量の共重合ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリトリメチレンテレフタレートまたは共重合ポリブチレンテレフタレートであり、さらに好ましくはかかる共重合量の共重合ポリエチレンテレフタレートまたは共重合ポリトリメチレンテレフタレートである。
なお、第2層を構成する共重合ポリエステルは、例えばフィルムにする段階で2種以上のポリエステルを溶融混練してエステル交換させたものであってもよい。
本発明の第2層は、各層の厚みが0.01μm以上0.5μm以下の層である。第2の層の厚みがかかる範囲にあることにより、層間の光干渉によって選択的に光を反射することが可能となる。
第1層と第2層のX方向(フィルム面内における1軸延伸方向)の屈折率差は0.10〜0.45であることが必要であり、好ましくは0.10〜0.30である。X方向の屈折率差がかかる範囲にあることにより、反射特性を効率よく高めることができる。
フィルム面内で1軸延伸方向に直交する方向(Y方向)における第1層と第2層との屈折率差、およびフィルム厚み方向(Z方向)における第1層と第2層との屈折率差は、それぞれ0.06以下である。また、Y方向における第1層と第2層との屈折率差は、好ましくは0.03以下、さらに好ましくは0.02以下、特に好ましくは0.01以下である。また、Z方向における第1層と第2層との屈折率差は、好ましくは0.05以下、さらに好ましくは0.03以下である。
本発明の多層延伸フィルムは、フィルムの巻取り性を向上させるために、少なくとも一方の最外層に平均粒径が0.01μm〜2μmの不活性粒子を、層の重量を基準として0.001重量%〜0.5重量%含有することが好ましい。不活性粒子の平均粒径が下限値よりも小さいか、含有量が下限値よりも少ないと、多層延伸フィルムの巻取り性を向上させる効果が不十分になりやすく、他方、不活性粒子の含有量が上限値を超えるか、平均粒径が上限値を超えると、粒子による多層延伸フィルムの光学特性の悪化が顕著になることがある。好ましい不活性粒子の平均粒径は、0.02μm〜1μm、特に好ましくは0.1μm〜0.3μmの範囲である。また、好ましい不活性粒子の含有量は、0.02重量%〜0.2重量%の範囲である。
不活性粒子は、最外層のみならず、最外層と同じ樹脂で構成される層中に含まれていてもよく、例えば第1層または第2層の少なくとも一方の層中に含まれていてもよい。または、第1層、第2層と異なる別の層を最外層として設けてもよく、またヒートシール層を設ける場合は該ヒートシール層中に不活性粒子が含まれていてもよい。
(積層数)
本発明の多層延伸フィルムは、上述の第1層および第2層を交互に合計251層以上積層したものである。積層数が251層未満であると、延伸方向を含む入射面に対して平行な偏光成分の平均反射率特性について、波長400〜800nmにわたり一定の平均反射率を満足することができない。
かかる積層数はかかる範囲内であれば特に限定されないが、積層数が増えるに従い、反射軸方向に平行な偏光についてより高い反射率が得られ、好ましくは301層以上、より好ましくは401層以上、さらに好ましくは501層以上である。
積層数の上限値は、生産性およびフィルムのハンドリング性など観点から2001層に制限される。積層数の上限値は、本発明の平均反射率特性が得られれば生産性やハンドリング性の観点からさらに積層数を減らしてもよく、例えば1001層、901層であってもよい。
第1層および第2層は、層間の光干渉によって選択的に光を反射するために、各層の厚みは0.01μm以上0.5μm以下である。各層の厚みは透過型電子顕微鏡を用いて撮影した写真をもとに求めることができる。
本発明の多層延伸フィルムが示す反射波長帯は、可視光域から近赤外線領域であることから、上記層厚の範囲とすることが必要である。層厚みが0.5μmを超えると反射帯域が赤外線領域になり、反射偏光フィルムとして有用性が得られない。一方、層厚みが0.01μm未満であると、ポリエステル成分が光を吸収し反射性能が得られなくなる。
第1層の各層の厚みは、好ましくは0.01μm以上0.1μm以下である。また第2層の各層の厚みは、好ましくは0.01μm以上0.3μm以下である。
本発明の多層延伸フィルムは、第1層および第2層におけるそれぞれの最大層厚みと最小層厚みの比率がいずれも2.0以上5.0以下であり、好ましくは2.0以上4.0以下、より好ましくは2.0以上3.5以下、さらに好ましくは2.0以上3.0以下である。
すなわち、第1層における最大層厚みと最小層厚みの比率が2.0以上5.0以下であり、かつ第2層における最大層厚みと最小層厚みの比率が2.0以上5.0以下である。
かかる層厚みの比率は、具体的には最小層厚みに対する最大層厚みの比率で表わされる。第1層、第2層におけるそれぞれの最大層厚みと最小層厚みは、透過型電子顕微鏡を用いて撮影した写真をもとに求めることができる。
本発明の多層延伸フィルムの積層方法は特に限定されないが、例えば、第1層用ポリエステルを138層、第2層用共重合ポリエステルを137層に分岐させた、第1層と第2層が交互に積層され、その流路が連続的に2.0〜5.0倍までに変化する多層フィードブロック装置を使用する方法が挙げられる。
本発明の多層延伸フィルムは、第1層の平均層厚みに対する第2層の平均層厚みの比が1.5倍以上5.0倍以下の範囲であることが好ましい。第1層の平均層厚みに対する第2層の平均層厚みの比の下限値は、より好ましくは2.0である。また、第1層の平均層厚みに対する第2層の平均層厚みの比の上限値は、より好ましくは4.0であり、さらに好ましくは3.5である。
一方、第1層の平均層厚みに対する第2層の平均層厚みの比がかかる範囲からはずれる場合、反射波長の半波長で生じる2次反射が小さくなってしまい、反射率が低下することがある。
本発明の多層延伸フィルムは、かかる第1層、第2層以外に、層厚みが2μm以上の厚み調整層を第1層と第2層の交互積層構成の一部に有していてもよい。かかる厚みの厚み調整層を第1層と第2層の交互積層構成の一部に有することにより、偏光機能に影響を及ぼすことなく、第1層および第2層を構成する各層厚みを均一に調整しやすくなる。かかる厚みの厚み調整層は、第1層、第2層のいずれかと同じ組成、またはこれらの組成を部分的に含む組成であってもよく、層厚みが厚いため、反射特性には寄与しない。一方、透過する偏光光には影響することがあるため、層中に粒子を含める場合は既述の粒子濃度の範囲内であることが好ましい。
本発明の多層延伸フィルムは、目的とする反射偏光フィルムとしての光学特性を満足するために、少なくとも1軸方向に延伸されている。本発明における1軸延伸には、1軸方向にのみ延伸したフィルムの他、2軸方向に延伸されたフィルムであって、一方向に、より延伸されたフィルムも含まれる。1軸延伸方向(X方向)は、フィルム長手方向、幅方向のいずれの方向であってもよい。また、2軸方向に延伸されたフィルムであって、一方向により延伸されたフィルムの場合は、より延伸される方向(X方向)はフィルム長手方向、幅方向のいずれの方向であってもよく、延伸倍率の低い方向は、1.05〜1.20倍程度の延伸倍率にとどめることが偏光性能を高める点で好ましい。2軸方向に延伸され、一方向により延伸されたフィルムの場合、偏光光や屈折率との関係での「延伸方向」とは、2軸方向のうちのより延伸された方向を指す。
延伸方法としては、棒状ヒータによる加熱延伸、ロール加熱延伸、テンター延伸など公知の延伸方法を用いることができるが、ロールとの接触によるキズの低減や延伸速度などの観点から、テンター延伸が好ましい。
本発明の多層延伸フィルムは、フィルム厚みが15μm以上150μm以下であることが好ましく、より好ましくは25μm以上100μm以下、さらに好ましくは30μm以上80μm以下である。
本発明の多層延伸フィルムは、フィルム面を反射面とし、1軸延伸フィルムの延伸方向(X方向)を含む入射面に対して平行な偏光成分について入射角0度および50度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率がそれぞれ90%以上である。
またフィルム面を反射面とし、1軸延伸フィルムの延伸方向(X方向)を含む入射面に対して垂直な偏光成分について、入射角0度および50度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率がそれぞれ15%以下である。
ここで、入射面とは反射面と垂直の関係にあり、かつ入射光線と反射光線を含む面を指す。また、フィルム面を反射面とし、1軸延伸フィルムの延伸方向(X方向)を含む入射面に対して平行な偏光成分は、一般的にP偏光とも称される。また、フィルム面を反射面とし、1軸延伸フィルムの延伸方向(X方向)を含む入射面に対して垂直な偏光成分は、一般的にS偏光とも称される。さらに入射角とは、フィルム面の垂直方向に対する入射角を表す。
かかる入射角でのP偏光成分に対する波長400〜800nmの平均反射率が下限値に満たない場合、反射偏光フィルムとしての偏光反射性能はもとより、反射した光の色相ずれが生じ、ディスプレイとした場合に着色が生じる。また、かかる範囲内でより該平均反射率が高い方がより偏光反射性能が高まる。
P偏光成分に対するこのような高い平均反射率特性を有し、さらにS偏光成分に対して後述する反射率特性をも備えることにより、本発明の液晶ディスプレイ装置の第1態様における輝度向上用部材として好適に用いることができる。
また、フィルム面を反射面とし、1軸延伸フィルムの延伸方向(X方向)を含む入射面に対して垂直な偏光成分について入射角50度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率は、より好ましくは13%以下、さらに好ましくは5%以上12.5%以下であり、特に好ましくは8%以上12.5%以下である。
かかる入射角でのS偏光成分に対する波長400〜800nmの平均反射率が上限値を越える場合、反射偏光フィルムとしての偏光透過率が低下するため、液晶ディスプレイなどの輝度向上フィルムや液晶セルに貼り合せる偏光板としての十分な性能を発現しない。
かかるP偏光成分についての平均反射率特性を得るためには、各層厚み、積層数に加え、第1層および第2層を構成するポリマー成分として上述の特性を有するポリマーを用い、かつ延伸方向(X方向)に一定の延伸倍率で延伸して第1層のフィルム面内方向を複屈折率化させることにより、延伸方向(X方向)における第1層と第2層の屈折率差を大きくすることによって達成される。
第1層のポリエステルのX方向における屈折率nXは、延伸により0.1以上増大することが好ましい。該屈折率の変化がより大きい方が偏光性能を高めることができるが、延伸倍率が高すぎるとフィルム破断が生じる関係で、上限値は0.3に制限される。
第1層のポリエステルのY方向における屈折率nYおよびZ方向における屈折率nZは、延伸により0.1以下の範囲で低下することが好ましい。該屈折率の低下量が上限値を超える場合は、配向性が高すぎて、機械的な強度が十分でないことがある。
本発明における多層延伸フィルムは、斜め方向の入射光に対する色相の変化量が小さいことが好ましく、具体的には、JIS規格Z8729に準じてCIE表色系におけるx、y値の少なくとも一方について0〜80度視野での最大変化量が0.03未満であることが好ましく、さらにx,yの両方ともに最大変化が0.03未満であることが好ましい。かかる範囲を超える最大変化量の場合、斜め方向の入射角による透過偏光の色相ずれが大きく、輝度向上フィルムとして用いた場合に高視野角での色相ずれが大きくなり、視認性が低下することがある。
色相変化量をかかる範囲にするためには、第1層、第2層を構成するポリマーとしてそれぞれ上述の特定のポリエステルを用い、延伸により上述のX方向、Y方向、Z方向の屈折率の関係にすることにより達成される。
本発明の多層延伸フィルムは、第1層と第2層との交互積層の少なくとも一方の最外層面上にさらにヒートシール層(以下、保護層と称することがある)を設けることができる。ヒートシール層を有することにより、例えば液晶ディスプレイの部材として他の部材と積層させる際に、加熱処理により、ヒートシール層を介して部材同士を貼り合せることができる。
なお、前述の厚み調整層を交互積層の最外層面上に設ける場合、上述の特性を備えている場合はヒートシール層としても機能する。また、前述の厚み調整層が交互積層の最外層面に存在する場合、厚み調整層上にさらにヒートシール層を設けてもよい。
本発明の多層延伸フィルムは、P偏光成分を選択的に高反射し、該偏光成分と垂直方向のS偏光成分を選択的に高透過させ、かつ斜め方向に入射した光についての透過偏光の色相ずれが解消される。そのため、液晶ディスプレイの輝度向上フィルムとして好適に使用することができ、加工して輝度向上用部材にすることができる。特に従来よりも高い偏光性能を有することから、輝度向上用部材として用いた場合に高い輝度向上率が得られ、かつ高視野角で色相ずれの少ない視認性に優れた液晶ディスプレイを提供することができる。
本発明の多層延伸フィルムを用いて作成された輝度向上用部材は、さらにその少なくとも一方の面に光拡散フィルムを積層し、液晶ディスプレイ用複合部材として使用されることが好ましい。また、輝度向上用部材と光拡散フィルムとはヒートシール層を介して貼り合せて積層されることが好ましい。
また、本発明の液晶ディスプレイ用複合部材は、輝度向上用部材の両方の面に光拡散フィルムを積層する態様が好ましい。光拡散フィルムを輝度向上用部材の表層に設けることにより、耐熱寸法安定性が向上することに加え、輝度の均一性が向上する。
本発明の多層延伸フィルムを輝度向上用部材として用いる場合、図1に示すような第1態様の構成で液晶ディスプレイ装置に用いることができる。
具体的には、液晶ディスプレイの光源5と、偏光板1/液晶セル2/偏光板3で構成される液晶パネル6との間に輝度向上用部材4を配置する態様の液晶ディスプレイ装置が例示される。
本発明の多層延伸フィルムは、液晶セルと貼り合せる反射偏光板として用いることができる。
具体的には、本発明の多層延伸フィルムのうち、P偏光成分について入射角0度および50度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率がそれぞれ95%以上であり、S偏光成分について、入射角0度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率が12%以下である多層延伸フィルムを、液晶セルと貼り合せる反射偏光板として用いることができる。
かかる反射率特性を有する偏光板は、従来の吸収型偏光板に匹敵する高い偏光性能と、透過されない偏光光を反射させて再利用する輝度向上フィルムとしての機能とを備える。
本発明には、本発明の多層延伸フィルムからなる第1の偏光板、液晶セルおよび第2の偏光板がこの順で積層された液晶ディスプレイ装置用光学部材も発明の一態様として含まれる(本発明において、液晶ディスプレイ装置の第2態様と称することがある)。かかる光学部材は、液晶パネルとも称される。かかる光学部材は図2における11に相当し、第1の偏光板は9、液晶セルは8、第2の偏光板は7に相当する。
すなわち、本発明の特徴は、第1の偏光板として本発明の多層延伸フィルムからなる偏光板を液晶セルの一方において単独で用いることにある。本発明の多層延伸フィルムを複数積層して第1の偏光板としてもよい。本発明の多層延伸フィルムを他のフィルムと積層した積層体を第1の偏光板として用いてもよいが、好ましくは本発明の多層延伸フィルムと吸収型偏光板とが積層された構成は除かれる。
液晶セルの種類は特に限定されず、VAモード、IPSモード、TNモード、STNモードやベンド配向(π型)など、任意のタイプのものを用いることができる。
本発明の液晶ディスプレイ装置用光学部材は、第1の偏光板、液晶セル、および第2の偏光板がこの順で積層されることが好ましく、これらの各部材同士は直接積層されてもよく、また粘着層や接着層と称される層間の接着性を高める層(以下、粘着層と称することがある)、保護層などを介して積層されてもよい。
液晶セルに偏光板を配置する方法としては、両者を粘着層によって積層することが好ましい。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤のように透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を有し、耐候性や耐熱性等に優れるものが好ましい。また、粘着層は異なる組成又は種類の層を複数設けてもよい。
また、粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的として離型フィルム(セパレータ)が仮着されてカバーされることが好ましい。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。離型フィルムとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体などを、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデンなどの剥離剤でコート処理したものを用いうる。
本発明には、光源と本発明の液晶ディスプレイ装置用光学部材とを備え、第1の偏光板が光源側に配置されてなる液晶ディスプレイ装置も発明の一態様として含まれる。
図2に本発明の第2態様である液晶ディスプレイ装置の概略断面図を示す。液晶ディスプレイ装置は光源10および液晶パネル11を有し、さらに必要に応じて駆動回路等を組込んだものである。液晶パネル11は、液晶セル8の光源10側に第1の偏光板9を備える。また、液晶セル8の光源側と反対側、すなわち、視認側に第2の偏光板7を備えている。液晶セル8としては、例えばVAモード、IPSモード、TNモード、STNモードやベンド配向(π型)などの任意なタイプのものを用いうる。
本発明の偏光板は、従来の吸収型偏光板に匹敵する高い偏光性能と、透過されない偏光光を反射させて再利用する輝度向上フィルムとしての機能とを備えるため、光源10と第1の偏光板9との間にさらに輝度向上フィルムとよばれる反射型偏光板を用いる必要がなく、輝度向上フィルムと液晶セルに貼り合せる偏光板の機能を一体化させることができるため、部材数を減らすことができる。
また、通常は図2に示すように、液晶セル8の視認側に第2の偏光板7が配置される。第2の偏光板7は特に制限されず、吸収型偏光板など公知のものを用いることができる。外光の影響が非常に少ない場合には、第2の偏光板として第1の偏光板と同じ種類の反射型偏光板を用いてもかまわない。また、液晶セル8の視認側には、第2の偏光板以外にも、例えば光学補償フィルム等の各種の光学層を設けることができる。
本発明の液晶ディスプレイ装置用光学部材(液晶パネル)と光源とを組合せ、さらに必要に応じて駆動回路等を組込むことによって本発明の第2態様の液晶ディスプレイ装置が得られる。また、これら以外にも液晶ディスプレイ装置の形成に必要な各種部材を組合せることができるが、本発明の液晶ディスプレイ装置は光源から射出される光を第1の偏光板に入射させるものであることが好ましい。
一般に液晶ディスプレイ装置の光源は、直下方式とサイドライト方式に大別されるが、本発明の液晶ディスプレイ装置においては、方式の限定なく使用可能である。
つぎに、本発明の多層延伸フィルムの製造方法について詳述する。
本発明の多層延伸フィルムは、第1層を構成するポリエステルと第2層を構成する共重合ポリエステルとを溶融状態で交互に少なくとも251層以上重ね合わせた状態で押出し、多層未延伸フィルム(シート状物とする工程)とする。このとき、積層された251層以上の積層物は、各層の厚みが段階的または連続的に2.0倍〜5.0倍の範囲で変化するように積層される。
ポリエステル試料またはフィルムサンプルを10mgサンプリングし、DSC(TAインスツルメンツ社製、商品名:DSC2920)を用い、20℃/minの昇温速度で、融点およびガラス転移点を測定する。
フィルムサンプルの各層について、1H−NMR測定より樹脂の成分ならびに共重合成分および各成分量を特定した。
フィルムサンプルをフィルム長手方向2mm、幅方向2cmに切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂(リファインテック(株)製エポマウント)にて包埋した。包埋されたサンプルをミクロトーム(LEICA製ULTRACUT UCT)で幅方向に垂直に切断し、5nm厚の薄膜切片にした。透過型電子顕微鏡(日立S−4300)を用いて加速電圧100kVにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定した。
また、得られた各層の厚みをもとに、第1層における最小層厚みに対する最大層厚みの比率、第2層における最小層厚みに対する最大層厚みの比率をそれぞれ求めた。
また、得られた各層の厚みをもとに、第1層の平均層厚み、第2層の平均層厚みをそれぞれ求め、第1層の平均層厚みに対する第2層の平均層厚みを算出した。
なお、最外層の厚み調整層は第1層と第2層から除外した。また交互積層中に2μm以上の厚み調整層が存在する場合は、かかる層も第1層と第2層から除外した。
フィルムサンプルをスピンドル検出器(安立電気(株)製K107C)にはさみ、デジタル差動電子マイクロメーター(安立電気(株)製K351)にて、異なる位置で厚みを10点測定し、平均値を求めフィルム厚みとした。
各層を構成する個々のポリマーについて、それぞれ溶融させてダイより押出し、キャスティングドラム上にキャストしたフィルムを作成し、得られたフィルムを多層延伸フィルムの製膜条件と同じ条件で製膜して延伸フィルムを用意した。得られた延伸フィルムについて、それぞれ延伸方向(X方向)とその直交方向(Y方向)、厚み方向(Z方向)のそれぞれの屈折率(それぞれnX、nY、nZとする)を、メトリコン製プリズムカプラを用いて波長633nmにおける屈折率を測定して求め、平均屈折率については、nX、nY、nZの平均値を求めた。
分光光度計((株)島津製作所製、MPC−3100)を用い、光源側に偏光フィルタを装着し、各波長でのアルミ蒸着したミラーとの相対鏡面反射率を波長400nmから800nmの範囲で測定する。このとき、偏光フィルタの透過軸をフィルムの延伸方向(X方向)と合わせるように配置した場合の測定値をP偏光とし、偏光フィルタの透過軸をフィルムの延伸方向と直交するように配置した場合の測定値をS偏光とした。それぞれの偏光成分について、400−800nmの範囲での反射率の平均値を平均反射率とした。
LCDパネル(松下電器製ビエラTH−32LZ80 2007年製)中の光学フィルム(拡散フィルム、プリズムシート)の代わりに、作成した積層フィルム(拡散フィルム/多層延伸フィルム/拡散フィルムの積層フィルム)を光源と偏光板との間に挿入し、PCで白色を表示したときの正面輝度をオプトデザイン社製FPD視野角測定評価装置(ErgoScope88)により評価した。
サンプルフィルム挿入前の輝度に対するサンプルフィルム挿入後の輝度の上昇率を算出し、輝度向上効果を下記の基準で評価した。
◎: 輝度向上効果が160%以上
○: 輝度向上効果が150%以上、160%未満
△: 輝度向上効果が140%以上、150%未満
×: 輝度向上効果が140%未満
あわせて、JIS規格Z8729に準じてCIE表色系における色相x、y値について、0度〜80度の全方位視野角での色相xまたはyの最大変化を測定し、下記の基準で評価した。
○: x、yともに最大変化が0.03未満
△: x、yのいずれかの最大変化が0.03以上
×: x、yともに最大変化が0.03以上
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、4,4’−(エチレンジオキシ)ジ安息香酸、そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の15モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の85モル%が4,4’−(エチレンジオキシ)ジ安息香酸成分、グリコール成分がエチレングリコールである芳香族ポリエステルを得た。
これに真球状シリカ粒子(平均粒径:0.3μm、長径と短径の比:1.02、粒径の平均偏差:0.1)を第1層の重量を基準として0.10wt%添加したものを第1層用ポリエステルとし、第2層用ポリエステルとして固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)0.62dl/gのイソフタル酸10mol%共重合ポリエチレンテレフタレート(IA10PET)を準備した。
得られた多層延伸フィルムの各層のポリマー構成、各層の特徴を表1に、また物性を表2に示す。また、得られた多層延伸フィルムの最表層を構成する両側の厚み調整層上に光拡散性ポリカーボネートフィルム(SABIC社製 レクサン8A35−0.25)を粘着剤で貼り合わせて積層体フィルムを得た。
表1に示すとおり、各層のポリマー組成を変更した以外は、実施例1と同様にして多層延伸フィルムを得た。その際、第1層を構成するポリマーのTgに合わせて延伸温度および熱固定温度を調整した。
得られた多層延伸フィルムの物性を表2に示す。また、得られた多層延伸フィルムの両面(厚み調整層)に実施例1と同様にして光拡散性ポリカーボネートフィルムを粘着剤で貼り合わせて積層体フィルムを得た。
1ユニットの積層状態を得たあとの積層数(ダブリング数)を3倍に変更した以外は実施例1と同様にして多層延伸フィルムを得た。
得られた多層延伸フィルムの物性を表2に示す。また、得られた多層延伸フィルムの両面(厚み調整層)に実施例1と同様にして光拡散性ポリカーボネートフィルムを粘着剤で貼り合わせて積層体フィルムを得た。
1ユニットの積層状態を得たあとの積層(ダブリング)を行わなかった以外は実施例1と同様にして多層延伸フィルムを得た。
得られた多層延伸フィルムの物性を表2に示す。また、得られた多層延伸フィルムの両面(厚み調整層)に実施例1と同様にして光拡散性ポリカーボネートフィルムを粘着剤で貼り合わせて積層体フィルムを得た。
第1層用ポリエステルを固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)0.62dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)に変更し、1ユニットの積層状態を得たあとの積層(ダブリング)を行わなかった以外は実施例1と同様にして多層延伸フィルムを得た。なお、延伸温度および熱固定温度は表1のように変更して製膜を行った。
得られた多層延伸フィルムの物性を表2に示す。また、得られた多層延伸フィルムの両面(厚み調整層)に実施例1と同様にして光拡散性ポリカーボネートフィルムを粘着剤で貼り合わせて積層体フィルムを得た。
表1に示すとおり、第2層用ポリエステルを固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)0.62dl/gのテレフタル酸45mol%共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(TA45PEN)に変更した以外は比較例1と同様にして多層延伸フィルムを得た。
得られた多層延伸フィルムの物性を表2に示す。また、得られた多層延伸フィルムの両面(厚み調整層)に実施例1と同様にして光拡散性ポリカーボネートフィルムを粘着剤で貼り合わせて積層体フィルムを得た。
NDC: 2,6−ナフタレンジカルボン酸
EG: エチレングリコール
PEN: ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
C3PA: 4,4’−(トリメチレンジオキシ)ジ安息香酸
C4PA: 4,4’−(テトラメチレンジオキシ)ジ安息香酸
TMG: トリメチレングリコール
PTN: ポリトリメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
CHDM: シクロヘキサンジメタノール
PCN: ポリシクロヘキサンジメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
IA: イソフタル酸
TA: テレフタル酸
PET: ポリエチレンテレフタレート
PTT: ポリトリメチレンテレフタレート
2 液晶セル
3 偏光板
4 輝度向上用部材
5 光源
6 液晶パネル
7 第2の偏光板
8 液晶セル
9 第1の偏光板
10 光源
11 液晶パネル
Claims (5)
- 第1層と第2層とが交互に積層された251層以上の多層延伸フィルムであり、
1)該第1層は、ジカルボン酸成分とジオール成分とのポリエステルからなる厚み0.01μm以上0.5μm以下の層であり、
(i)ジカルボン酸成分は5モル%以上90モル%以下の下記式(A)で表される成分および10モル%以上95モル%以下の下記式(B)で表される成分を含有し、
(ii)ジオール成分は90モル%以上100モル%以下の下記式(C)で表される成分を含有し、
該第2層は共重合量が5モル%以上50モル%以下の共重合ポリエステルからなり、平均屈折率1.55以上1.62以下かつ光学等方性の厚み0.01μm以上0.5μm以下の層であり、
2)フィルム面内における第1層と第2層の1軸延伸方向(X方向)の屈折率差が0.10〜0.45であって、1軸延伸方向に直交する方向(Y方向)における第1層と第2層との屈折率差、およびフィルム厚み方向(Z方向)における第1層と第2層との屈折率差がそれぞれ0.06以下であり、
3)第1層および第2層におけるそれぞれの最大層厚みと最小層厚みの比率がいずれも2.0以上5.0以下であり、かつ
4)フィルム面を反射面とし、X方向を含む入射面に対して平行な偏光成分について入射角0度および50度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率がそれぞれ90%以上であり、
5)フィルム面を反射面とし、X方向を含む入射面に対して垂直な偏光成分について、入射角0度および50度での該入射偏光に対する波長400〜800nmの平均反射率がそれぞれ15%以下である、
ことを特徴とする多層延伸フィルム。 - 請求項1に記載の多層延伸フィルムからなる輝度向上用部材。
- 請求項2に記載の輝度向上用部材の少なくとも一方の面に光拡散フィルムが積層されてなる液晶ディスプレイ用複合部材。
- 請求項2に記載の輝度向上用部材を含む液晶ディスプレイ装置。
- 請求項3に記載の液晶ディスプレイ用複合部材を含む液晶ディスプレイ装置。
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