JP2008538421A - 層厚プロファイルが不均一な光学厚さ層を含む多層反射体 - Google Patents

層厚プロファイルが不均一な光学厚さ層を含む多層反射体 Download PDF

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Abstract

可視波長範囲にわたって光線を反射または透過させるのに利用可能な多層反射体であって、光学厚さ構成層を含む。反射体の厚さ方向における構成層の光学厚さは、層厚プロファイルを規定する。厚さプロファイルが傾斜分布またはランダム分布などの編成された不均一分布を有するように層は構成される。設計波長の約1から5倍または1から10倍の範囲の光学厚さを層が有することが望ましい。反射体は、一つの垂直入射偏光状態のみを反射する偏光子、または二つの垂直入射直交偏光状態を反射するミラーである。

Description

本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)装置および他の電子ディスプレイ装置など、特に可視光線の適用に使用されるフィルム、シート、およびプレートを含むが、これらに限定されない反射型光学体と、さらにこのような光学体を製造および使用する方法に関する。
可視および近可視光線の反射に適した薄膜多層反射体は周知である。このような反射体は長年、真空室において異なる無機誘電性光透過材料の薄膜をガラス基板に連続して蒸着することにより製造されてきた。隣接層の屈折率の差は界面の10倍または100倍となり、各々がフレネル反射により光線を反射し、反射した光線成分のコヒーレントな強め合い干渉または弱め合い干渉が反射および透過特性を反射体に与える。多数の異なった光透過性ポリマー材料がダイにより同時押出成形され、一つ以上の積層装置を任意で通過してから、鋳造ホイールまたは鋳肌へ鋳造され、続いて一軸または二軸延伸を受ける押出成形プロセスにより薄膜多層反射体が製造されることも周知である。このような技術は、反射型偏光フィルムおよび反射型ミラーフィルムなど、全ポリマー薄膜反射型光学体の製造に使用できる。例えば、米国特許第5,486,949号(シュランク)(Schrenk)ら)、第5,882,774号(ジョンザ(Jonza)ら)、第6,531,230号(ウエーバー(Weber)ら)、および第6,827,886号(ニーヴィン(Neavin)ら)を参照。真空コーティングされた無機誘電性薄膜スタックと対照的に、ポリマー同時押出成形技術により製造される多層反射体は、形成および取り扱いのための独立した基板を必要としない。
近隣層界面からの光線のコヒーレントな強め合いまたは弱め合い干渉に依存するため、そして、このような強め合いまたは弱め合い干渉が他の幾何学的要因に加えて、個々の層厚と強い相関性を持つため、薄膜干渉装置の適切な動作を保証するため設計上の目標の狭い許容範囲内に層が確実に制御されるように、一般的に細心の注意が必要である。薄膜装置の物理的サイズが大きくなるにつれて−大型スクリーンサイズの需要が伸び続けているLCD装置で使用されるポリマー薄膜反射型偏光子または広帯域ミラーなどのため−、このような層制御の必要性はさらに重要となる可能性がある。薄い可撓性の全ポリマーシートまたはフィルムの形で製造される薄膜反射型偏光子およびミラーの物理的サイズが大きくなると、しわ、歪み、および層間剥離などの潜在的な力学的問題を大きくすることもある。
ある種の「厚膜」多層反射体も周知である。概してインコヒーレントな光線反射に関連するこれらの反射体は、例えば、個々の層が少なくとも0.45マイクロメートルの光学厚さを有する構造、または個々の層が反射される光線の波長平均の少なくとも5/4倍の平均光学厚さを有する構造など、文献では様々に定義されている。いずれの場合にも、たいていの実際的状況では、厚膜多層反射体は、薄膜対応物により達成可能なものを大きく下回るピーク反射率を有し、ゆえにたいてい前者は後者よりも劣っていると考えられることが、インコヒーレントな光線反射の原理から熟練技術者には理解される。さらに、個々の層の厚さがどれほどかに関係なく、厚膜多層スタックはインコヒーレントな光線反射を提供することと、厚膜多層スタックの層厚はこのようなスタックの反射率に実質的には影響しないことが、いくつかの引例から示唆される。
簡単な要約
可視領域など、関係する波長範囲では、厚膜多層反射体の層厚および層厚プロファイルが光学的性能に実質的な影響を与えることを我々は発見した。実際、個々の層が比較的厚い性質を持つためにスムーズなインコヒーレントな光線反射を提供すると予想されるある種の多層構造は、適したな帯域平滑化フィルタを用いて反射および透過特性を平均化しても、これらの性質にかなりの変動性が生まれることが分かった。このような変動性は、用途によっては有害な結果をもたらす。
そのため、本出願はとりわけ、より均一な反射および/または透過の性質など望ましい光学的性能を提供するため、厚膜多層反射体の場合でも、このような性質を達成するように層厚プロファイルを修正または調整できることなどを教示している。すなわち、反射体を構成する個々の層の光学厚さ分布を不均一にすることにより、より均一な性質を達成できる。例としての不均一分布は、傾斜分布およびランダム分布を含む。これに関して、「ランダム化する」、「ランダムな」などの用語は、純粋に統計学的な定義を含むがこれに限定されず、規則的パターンがほとんどまたは全く形成されない程度まで混合されるか混在する層の光学厚さの構成も含む。個々の層の光学厚さが適度に厚く、つまり目的の波長の約5/4から約5倍または10倍の厚さを有する多層反射体には、調整された不均一分布が特に効果的であることが分かっている。
本出願の以上および他の態様は、以下の詳細な説明から明らかになるだろう。しかし、いずれにしても上記要約は請求項に記載の主題に対する限定と解釈されるべきではなく、主題は、手続き中に補正される可能性もある添付の請求項のみによって規定される。
実施例の詳細な説明
図1は、従来の薄膜多層反射体10の一部分を示す。反射体10は全部ポリマーであって、光学薄さ層が光学厚さ外皮層12の間に挟持されたスタックまたはパケットを有する。図に見られる層厚は、物理厚さではなく、後述するような光学厚さを表すことを意図したものである。反射体10は、デカルトx−y−z座標系に関連して図示され、z軸は反射体の厚さ軸に沿い、xおよびy軸は層の面および層の間の境界面と平行に延在する。矢印14は、z軸に対して角度θでフィルムに入射する光線を表し、反射光線は矢印14aで、透過光線は矢印14bで表されている。
完成品では、光学薄さ層は従来、反射体のz軸に沿って反復パターンで配置される。反復パターンの最小単位は単位セルまたは光学反復単位と呼ばれる。単純な四分の一波スタック(再び図1参照)では、一つの材料で構成される「A」層が別の材料で構成される「B」層の間に散在して、「AB」の対を光学反復単位16とする。他の場合には、米国特許第5,103,337号(シュレンク(Schrenk)ら)に記載された4層反復単位(ABCB)または米国特許第5,360,659号(アーレンズ(Arends)ら)に記載された6層反復単位(7A1B1A7B1A1B)など、光学反復単位をより複雑にすることが可能である。
これらのフィルムの個々の層は、光線の設計波長λを下回る光学厚さ―物理厚さに個々の層の適切な屈折率を掛けたものとして定義される―を有するため、個々の層の間の境界面で反射された光線成分の強め合いまたは弱め合い干渉がコヒーレントに発生して、λで所望の全体的反射率が生じる。より詳しく述べると、成分層の光学厚さの合計に等しい各光学反復単位の光学厚さは、設計波長の二分の一に相当する。図1の反射体10では、光学薄さAとBの各層は、名目上では四分の一波長の厚さ、つまり約λ/4である。
反射帯域のスペクトル幅の拡張、またはこのような帯域の遷移端の先鋭化など、所望の反射率特性を達成するため、光学反復単位の光学厚さを既定の方法でスタックの厚さ軸に沿って変化させるように、薄膜反射体では多様な層厚プロファイル、例えば厚さ傾斜を利用することが可能である。例えば、米国特許第6,583,930号(シュレンク)(Schrenk)ら)と第6,157,490号(ウイートリー(Wheatley)ら)を参照。図2はこのようなプロファイルの一例を示し、水平軸は多層スタックの片側から反対側へ数えられた個々の光学反復単位の数を表し、垂直軸は対応する光学反復単位の光学厚さを表す。
近隣層との境界面からの光線のコヒーレントな強め合いまたは弱め合い干渉に依存しているため、そしてこのような強め合いまたは弱め合い干渉は、層厚プロファイル、入射角、偏光、波長など、照射される光学体の幾何学的要因に密接に関連するため、薄膜多層反射体では、これらの要因と相関して反射率および透過率にかなりの変動性が見られる。ある場合には、この変動性は望ましいばかりでなく目的の用途に必要である。他の場合には、変動性の少なくとも一部が望ましくない。上述したように、薄膜多層スタックが個々の層厚に左右されるという周知の事実のため、このようなスタックの正確な厚さ制御を製造者が保証する必要がある。
光学厚膜多層反射体は、個々の層が非常に厚いため、光学体の隣接境界面から反射した第1および第2光線成分が、関連する波長の観点から見てかなりインコヒーレントに組み合わされると推定されるという点で、薄膜対応物と異なる。一例は、「プレート積層体」偏光子である。例えば、関係する波長が人の可視光線である場合には、二つの隣接境界面に衝突して二つの対応する反射および透過光成分を発生させる可視光線またはビームについては、層厚の変化が少量であるならば、結果的に得られる反射または透過光を見る観察者は、観察している光線の輝度または色(スペクトル分布)の変化に気づかないことを意味する。「視認できる虹色のきらめきが物体から反射しないような光学厚さを個々の層は持つべきである」と、光学厚さ多層反射体に関連して記載された米国特許第5,122,905号(ウイートリー(Wheatley)ら)も参照すること。米国特許第5,122,905号ウイートリー(Wheatley)の引用例は、光学厚さが少なくとも0.45マイクロメートルである厚さ層について記載している。別の例として、米国特許第5,808,798号(ウエーバー(Weber)ら)には、スタックの層の平均光学厚さが、反射される光線の波長平均の少なくとも5/4倍である材料AとBの交互層による「プレート積層体」または「厚膜」スタックが記載されている。
インコヒーレントな光線相互作用の性質のため、層厚および層厚プロファイルは、厚膜多層反射体の性能に実質的に何の作用も持たないとされていた。例えば米国特許第5,122,905号ウイートリー(Wheatley)らの引用例には、こうある。
「こうして、本発明の多層ポリマー体から反射した光線の波長は、個々の層の大部分が約0.45マイクロメートルと等しいかこれより大きい光学厚さを有する限り、広い処理範囲にわたって個々の層と構造全体の両方の厚さと無関係である。反射の均一性は、物体のデザインに内在する。さらに、ポリマーの個々の層の大部分が約0.45マイクロメートルと等しいかこれより大きい光学的厚さを維持する限り、物体の厚さ方向における層厚の傾斜は、物体の外観にとって不都合でも好都合でもない。」
別の例として、米国特許第5,808,798号ウエーバー(Weber)らの引用例には、「プレート積層体」または「厚膜」スタックを含む無偏光ビームスプリッタに関して、このようなスタックは「波長選択性」を有しておらず、p偏光反射率RPとs偏光反射率Rの比「は材料特性のみによって決定され、層厚により大きな影響は受けない。」と記載されている。
厚膜多層反射体20の一部分が図3に概略図示されており、やはり層厚は物理厚さでなく光学厚さとして図示されている。この図は、合計N+2個の層について、外側光透過層22を境界とするN個の光透過層の中央グループを示す。場合によっては、外側層22は中央のN個の層から何らかの方法で区別可能としてもよい。例えば、中央のN個の層は、2つの交互に同時押出成形された光透過性ポリマー材料A、Bで本質的に構成され、外側層はともに、光学的、機械的、または化学的特性について選択された異なる光透過性ポリマー材料で製作されるとよい。例えば、米国特許第6,368,699号(ギルバート(Gilbert)ら)を参照。外側層22は例えば、ハードコーティング合成物による耐擦傷性、母材中の紫外線吸収剤または抑制剤による紫外線保護、帯電防止特性、スリップ剤によるスリップ特性、拡散剤、着色料、染料、顔料などによる外観修正特性、熱活性または感圧性の接着組成物による接着、および/または耐歪性などを備える。外側層22はまた、かなり薄くてもかなり厚くても、N個の中央層とは実質的に異なる厚さを有してもよい。あるいは、外側層22はN個の中央層と区別不可能であってもよく、その場合には、他の層によって確立されるパターンの終点に過ぎない。外側層22の一方または両方が省略されてもよい。反射体20は、反射体の構成層の数(例えばN,N+1,N+2)と同数の、二つの層が同じ組成を持つことのない光透過材料で構成されてもよいが、...ABAB...または...ABCABC...など交互に、二つ、三つ、またはその他の小さい数の光透過材料を配列する方が通常は実用的である。
各層は、n、n、およびnという、それぞれx、y、およびz軸上で偏光された光線の屈折率を有する。これらの軸に沿った隣接層の間の屈折率の差は、概してゼロまたは非ゼロであり、それぞれ△n、△n、および△nである。反射型偏光子については、△nはゼロであるか、△nと比較して小さな規模であり、その場合には、面内屈折率差が最大の方向にx軸を割り当てるという任意の慣行を用いることができる。この場合、x軸は偏光子のブロック軸に対応し、y軸はパス軸に対応する。ポリマー構造では、延伸中に応力誘発複屈折を起こす「A」層と、等方性を維持する「B」層とを製造すると好都合であることが多い。しかし、隣接層の間の一つの面内屈折率差(△n)が別の面内屈折率差(△n)よりかなり大きい限り、両タイプの層に応力誘発複屈折を起こすことも可能であるので、これは必要条件ではない。
図3において、個々の層は、設計波長λより幾分大きな光学厚さ、いずれにしても当該技術の熟練者により光学的に厚いと考えられる厚さ、例えば(5/4)λ以上を有するものとして図示されている。層の厚さのうち少なくとも一部はλ程度またはそれ以下であり、一部、大部分、実質的にすべては(5/4)λより大きいか、2λ、5λ、または10λあるいはそれ以上であり、厳密な上限はない。場合によっては、一つ以上の厚膜スタックを一つ以上の薄膜スタック(四分の一波干渉スタックなど)と組み合わせて、ハイブリッド多層反射体を製造することも望ましい。厚膜多層反射体は、光学厚さまたはその平均が少なくとも(5/4)λであるN個の個々の層を有するものとして記載されており、光学厚さ層が反射体の反射率および/または透過性に実質的に寄与するようにNは充分大きい。例えば、設計波長λでの反射率の少なくとも半分、または設計波長での反射率の実質的にすべてについて光学厚さ層が反応可能であるように、数Nは充分に大きい。以下から分かるように、特に関係のある光学厚さの範囲は約(5/4)λから約5λまたは10λであり、可視スペクトル全体にわたる動作については、設計波長λは可視領域のほぼ中央(約550ナノメートル)とすることができるか、あるいは可視領域の長波長端(例えば約700nm)とすることができる。光学厚さがこの範囲にある厚膜層は、ここでは妥当な厚さであるとされる。
開示された反射体は、可視スペクトルの実質的に全体にわたる少なくとも1回の偏光による光線のうちかなりの量を反射させることが可能である。例えば開示される反射体は、約400〜700nmの少なくとも一つの偏光状態について、少なくとも約30%、40%、さらに45%の垂直入射平均反射率を有することが望ましい。これは、スタック内にこのような層を充分な数N個確保することとともに、個々の光透過層の屈折率の関係を制御して層の間に充分に高い屈折率差を達成することにより実施できる。
薄膜多層反射体を設計するプロセスでは、特定の光透過性ポリマー材料が予想可能な屈折率特性を持つと仮定して、完成した多層反射体の所望の全体の厚さと、反射体の所望の反射率または透過率とを最初に指定することにより、個々の層厚が決定または計算される。一軸延伸プロセス(拘束でも無拘束でも、例えば、一偏光状態の垂直入射光線を実質的に反射して、直交偏光状態を実質的に透過させる偏光子を製造するため)により、または二軸延伸プロセス(例えば、直交偏光状態の垂直入射光線を実質的に均等に反射するバランスミラーまたはアンバランスミラーを製造するため)により、所望の反射体が製造されるかどうかに応じて、延伸プロセスの詳細およびポリマー材料の特性についての知識により、このような処理条件においてどのような層間屈折率差が予想されるのかが設計者には分かる。屈折率情報により、例えば所望の反射率を提供するのに必要な層の数Nを推定できる。次に、反射体が目標とする全体的な物理厚さD、例えば相対的な機械的剛性を持つが比較的低プロファイルのプレートを達成するように1から10mm、または1から4mmの範囲を持つ場合、個々の層の名目上の物理厚さはD/Nと推定される。あるいは、できる限り薄い反射体の製造を望む場合には、約(5/4)λ程度の名目上の光学厚さが選択され、結果的に反射体の全体的な物理厚さは約(5Nλ)/(4n)程度となり、ここでnは、様々な層に使用される異なる光透過材料の平均屈折率である。
図4aと4bは、層厚分布に対する厚膜多層反射体の感度を実証したものである。これらの図のデータは、オレゴン州ポートランドのSoftware Spectra,Inc.から入手可能な光学設計ソフトウェアパッケージであるTFCalcを用いて作成された。図は光学密度と波長とを示し、光学密度つまりOD=log10(1/T)であり、Tは0(完全吸収あるいは非透過)から1(完全透過)までの規模の透過である。各波長λでのTの値が、λを中心とする20nm波長帯域の平均として計算されるように、帯域△λ=20nmの帯域平滑化フィルタも使用された。この平滑化フィルタは、モデルとなった透過変化が人間の観察者の観点から見て確実に意味を持つように使用される。20nmより高いか低い異なる帯域△λを持つ平滑化フィルタが使用されてもよい。非常に狭い帯域の光源または他の成分を持つシステムに厚膜反射体が組み合わされる場合など、場合によっては、1nm以下の帯域△λを使用するか、平滑化フィルタを全く使用しないことも適切である。これ以外に、図4aの曲線30aは以下のパラメータを想定している。
正確に200層(N=200)で構成されるスタック。
スタックの各層は1.375マイクロメートルの光学厚さを有する(ゆえに、λ=550nmの場合は約2.5λ)。図5aに見られるように、スタックの厚さプロファイルは均一である。
層は交互ABパターンで配列され、層の半分は1.85の面内屈折率を有し、他の半分は1.56の面内屈折率を有する。これらの値は一軸延伸された交互PEN/coPEN反射型偏光子構造を表し、延伸はx方向に沿っていると仮定すると、yおよびz方向に光学体が完全に弛緩できるように延伸は無拘束であって、△n=0.19および△n=△n=0である。層は吸収を行わないと仮定され、ゆえに所与の波長において透過プラス反射は100%に等しい(T+R=100%)。
スタックは1.0の屈折率で空気中に置かれる。
光線はスタックに垂直に入射するため、θ=0である。
スタックが反射型偏光子である場合、曲線30aは、記載した層の1.85/1.56の屈折率と関連する偏光状態にある、例えばx軸上で偏光された光線の光学密度を表す。あるいはスタックが△n=△n=0.19のバランスミラーである場合には、曲線30aはx偏光、y偏光、および無偏光の垂直入射光線の光学密度を表す。
グラフに見られるように、曲線30aは0.1未満という低い基準光学密度を示し、可視領域には3個のピークが見られ、各々は3個の狭い反射ピークの結果生じる0.4未満の光学密度を有する。410〜700nmの可視領域における光学密度の変動性は0.3から0.4の大きさを有するが、対応する平滑化パーセント反射率(図示せず)は可視領域にわたって大きく変化し、5%の低い値(光学密度0.02)から59%の高い値(光学密度0.38)の範囲であって平均は19%であり、平滑化パーセント透過には対応の変動性が見られる。
最初の均一な層厚分布は、最適化ルーチン(可変計量法)を用いて修正されて400〜700nmの可視領域にわたって平均光学密度を上昇させる。曲線30aに関連して使用される他のパラメータはすべて同じであった。修正層厚分布は図5bに見られる。この修正分布は、λ=550nmの場合に約1.7、3.2、および2.5λに対応するそれぞれ0.95、1.74、および1.35マイクロメートルの最小、最大、および平均の光学厚さを特徴とする。最適化ルーチンにより、層厚平均を一定に維持する必要なく200個の層の各々の光学厚さを調節することが可能であるため、平均光学厚さは、図5aのものとは若干異なっている。
修正層厚分布の光学作用は、図4bに曲線30bで示されている。意図したように、修正多層光学体の場合には、可視範囲にわたって平均化された光学密度は上昇する。410〜700nmの平均光学密度は、曲線30bについては0.58、曲線30aについては0.10である。さらに有益なことに、曲線30bに関連する平滑化パーセント反射率および透過(図示せず)は、曲線30aに関連するものよりも可視波長にわたってかなり低い変動性を示す。曲線30bに関連する平滑化パーセント反射率は、410〜700nmの領域において、曲線30aについて上述した5から59%の範囲と比較して、60%と低い値(光学密度0.39)から84%と高い値(光学密度0.80)までの範囲で、平均は73%である。
図5aの均一層厚分布を図5bの不均一ランダム分布に変更することにより、平均光学密度の上昇と平滑化パーセント反射率の変動性の低下とが達成される。これに関して、「ランダム」の用語は、厳密に統計的な定義に限定されるものではなく、規則正しいパターンがほとんどまたは全く形成されない程度まで混合されるか混在する層の光学厚さの配列も含む。例えば、層厚プロファイル全体を三分の一、四分の一、五分の一、または十分の一などのセグメントに分割して、各セグメントの層の平均的な光学厚さまたは物理厚さを計算することができる。多くのランダム分布では、異なるセグメントの平均厚さは実質的に同じである。例えば、所与のセグメントの平均厚さは、所与のセグメントの厚さ変化の大きさまたは標準偏差より少ない量で、残りの各セグメントの平均厚さと異なっている。さらに、所与のセグメントの最小または最大層厚は、残りのセグメントすべての平均厚さより(それぞれ)小さいかまたは大きい。
10、20、さらには50nmなどの視覚的に有意義なスペクトル幅△λにわたって平均化することにより透過または反射データが平滑化された場合には特に、波長と相関させて透過および反射の変動性を低下させると、反射体が使用されるディスプレイまたは他のシステムに反射体が提供する顕著なカラーの量を減少させる。
狭帯域の用途、例えば狭帯域の光源、検出器、またはフィルタなどの狭帯域部品を利用する用途で反射体を使用する際には透過と反射の変動性を低下させることも重要である。「狭帯域」は、可視波長スペクトルに対して狭い帯域を意味する。このような帯域は、場合によっては約50、20、または10nm以下、場合によっては約5、2、さらに1nm以下の半値全幅(FWHM)スペクトル幅を有する。さらに、シングルモードレーザ光源など、このような狭帯域のみで作動する部品だけでなく、可視波長範囲だが複数の個別狭帯域で発光するある種の冷陰極蛍光管の白色光源、または高品質ファブリ・ペロフィルタ要素など、複数の個別の狭帯域にわたって作動する部品も意味する。従来の厚さの多層反射体でこのような狭帯域光源または他の部品が使用される際には、例えば、狭帯域光源からの狭帯域放射は透過または反射の局所的最小値および局所的最大値と一致するので、スペクトルのシフトまたは変化が小さいためにシステム作用が極めて変化することになる。このようなスペクトルのシフトまたは変化は、ユニット間の変動性、多層反射体の角度効果、熱効果、空間的不均一性(例えばキャリパ変動)などの一つまたはその組合せによるものであって、人による視覚的検出には狭すぎる波長規模で変動性が発生する場合は特に、通常の照明条件における厚さ多層反射体の簡単な視覚的検査によって明らかになることはない。多層反射体のスペクトル変動性を低下させるように層厚プロファイルを調整することにより、このような極端なシステム変化が同様に減少する。
さて図6を参照すると、方形の点で示された均一層分布40と、方形の点で示された傾斜層分布42と、ダイヤモンド形の点で示されたランダム層分布44とについての、光学厚さと層数とのグラフが見られる。各分布40、42、44は100の点、ゆえに関連する多層反射体について合計N=100の層を有する。さらに、分布40は137.5ユニット(≒550/4)の平均(均一)の層の光学厚さを有するのに対して、分布42および44は165.7ユニット(≒650/4)と若干高い層の平均光学厚さを有する。またさらに、ランダム分布44の各点は、傾斜分布42の点と一対一の対応を持つ。すなわち、分布44の層は、そのスタック内での順序が混在または混合されてランダム分布となっていることを除いて、分布42のものと全く同じ層である。しかし三つの分布の各々は、スタック全体にわたって交互AB反復パターンを維持している。モデリングの際には、層の半分(「A」層)は1.84の高い屈折率を有し、他の半分(「B」層)は1.56の低い屈折率を有する。これらの率は面内x軸に沿って偏光された光線についてのものであって、やはり無拘束の一軸延伸PEN/coPEN2ポリマーシステムには典型的である。相互に垂直なy軸とz軸の屈折率はすべて1.56に等しいか、他の値を有するが、実施されたモデリングには影響しない。モデルはさらに、層が吸収を行わないことと、スタックが空気に露出されることと、さらに光線が反射体に垂直に衝突することを想定している。
図6の垂直軸上における光学厚さの長さの単位は、「X」と記された倍率を含むものとして示されている。こうして変数Xは、層厚分布をランダム化する作用に対する全体的な層厚または寸法の影響を調べるための乗数として使用できる。例えばX=1またはX=10の場合、層分布40はそれぞれ137.5nmまたは1,375nmの平均光学厚さを有するのに対して、分布42、44はそれぞれ165.7nmまたは1,657nmの平均光学厚さを有する。
第一のケースでは、3個のモデル反射体の各々の場合に層が光学的に薄くなるようにXは1に設定された。各層分布40、42、44についてスペクトル反射率が計算され、所与の波長λで報告される反射率が波長λを中心とする△λ=20nmの幅の帯域における平均を表すように、平滑化操作が実施された。その結果は図7a〜cに示されている。曲線41は均一層分布40の平滑化反射率であり、曲線43は傾斜層分布42の平滑化反射率であり、さらに曲線45はランダム層分布44の平滑化反射率である。これらの曲線では、可視範囲での50%を大きく超える高い最高反射率はコヒーレントな多層光線反射には一般的であり、曲線41と45は選択された波長では100%に近づく。均一層分布およびランダム層分布は、傾斜層分布よりも可視スペクトルにおける反射率でかなり高い変動性を示すことに注意すること。
第二のケースでは、光学厚さ層となるように倍率Xは50に設定されたが、第一のケースと同じ相対的プロファイルを有する。平滑化スペクトル反射率は前と同様に計算され、図8a〜cに示されており、曲線51は均一層分布40、曲線53は傾斜層分布42、曲線55はランダム層分布44のものである。可視範囲における3本の曲線の最高反射率は一般的に50%より若干高く、図7a〜cの曲線よりもかなり低く、これはインコヒーレントな多層光線反射の特性であることに注意すること。また、このような光学的に厚い層であっても、均一層分布は可視波長範囲にわたってかなりの変動性を示す(図8a)ことにも注意すること。対照的に、不均一層分布では、はるかに小さい変動性が見られる(図8b、8c)。
上の二つのケース(X=1とX=50)が、X=1.5、2、3、5、10、100、および500の追加ケースについて繰り返され、同じように平滑化スペクトル反射率が計算された。Xの各値と、図6の三つのプロファイルの各々について、可視波長範囲410〜700nm、つまり約400〜700nmにわたって平滑化反射率データの平均Raveと標準偏差Rstdが計算された。これらの数から、変動性パラメータ、または変動係数(「COV」)がCOV=6*Rstd/Raveとして計算された。その結果は図9と図10に示され、倍率Xの各値についてそれぞれRaveとCOVが示されている。これらのグラフは線形垂直軸と非線形水平軸とを有する。曲線61と71は均一層分布40、曲線63と73は傾斜層分布42、曲線65と75はランダム層分布44についてのものである。図を調べると分かるように、不均一層分布42と44は均一分布に対してかなりの利点、つまり可視スペクトルにわたって概ね高い平均反射率と概ね低いスペクトル変動性を示す。特に注意すべきなのは、以下の領域である。X=3〜50、X=5〜50、X=3〜10、およびX=5〜10。X=3、5、10、および50の値については、均一層分布40の場合の層の平均光学厚さはそれぞれ約413、688、1,375、および6,875nmであることと、不均一分布42、44の各々の場合の平均的な層の光学厚さはそれぞれ約503、838、1,675、および8,375nmであり、これらの関係する範囲は、可視範囲がλの場合、例えばおよそ550nmのλの場合、約(5/4)λから10λ、および約(5/4)λから5λの層の平均光学厚さ範囲を含むことを記憶にとどめておくこと。
以上のことから、厚膜多層反射体に不均一な光学厚さプロファイルを与えると、均一な層厚プロファイルを有する厚膜反射体と比較して、可視領域の設計波長のスペクトル変動性の低下など、望ましい反射率および透過の特性が得られる。人の視覚応答に関わる用途については、透過においても反射においても、スペクトル変動性が低下すると、あまり色が知覚されない反射体となる。
上の説明では、偏光状態において十分に高い屈折率差△nと、例えば可視領域にわたって平均して約50%、少なくとも約30%または40%の程度で実質的に反射される充分な数の層Nとが見られる垂直入射光線について、厚膜多層反射体の反射率および透過の特性を強調している。厚膜多層偏光子については、これはブロック偏光状態に相当する。可視スペクトルにわたって、高い平均透過と低い平均反射率と低いスペクトル変動性とを有するとされる多層偏光子のパス偏光状態の反射率および透過の特性を調べるとともに、軸外作用を調べることも有益である。
この目的のため、厚膜スタックの交互の「A」と「B」の層について以下の屈折率特性が採用された。
「A」層:n=1.85、n=1.61、n=1.51
「B」層:n=1.61、n=1.61、n=1.61
ゆえに、△n=0.24、△n=0、△n=−0.10
これらの値は、複屈折「A」層に異なるyおよびz軸の屈折率を生じさせる拘束一軸延伸により製造されたPEN/coPENポリマーシステムを表す。△nを実質的にゼロにするように延伸は実施されるが、あるいは△nと△nの大きさの間に適したバランスを設けるように延伸の程度が調節されると想定される。
また、光透過層の合計数は100から300に増加された。各層の光学厚さとスタックの一端部から他端部までの層の数が描かれた図11は、モデリングされた3種類の新たな厚さ分布、つまり均一分布80と傾斜分布82とランダム化分布84とを示す。分布80は137.5ユニット(≒550/4)の平均(均一)の層の光学厚さを有し、分布82と84は165.7ユニット(≒650/4)と若干高い平均光学厚さを有する。前と同様、ランダム分布84の各点は傾斜分布82の点と一対一の対応を持つ、つまり分布84の層は、スタックの順序が混在または混合してランダム分布が生じることを除いて、分布82と全く同じ層である。三種類の分布80、82、および84の各々は、スタック全体で交互AB反復パターンを維持している。このモデルは、スタックが空気に露出されることと、層に吸収が見られないことを想定しているため、パーセント透過プラスパーセント反射(T+R)が100%に等しい。図6のように、図11の垂直軸の光学厚さの長さの単位は、層厚分布をランダム化する作用に対する全体の層厚または寸法の影響を調べるため倍率「X」を含むものとして示されている。
この拘束偏光子に関する第一のケースでは、3個のモデル反射体の各々について層が光学的に薄くなるようにXは1に設定された。各層分布80、82、84についてスペクトル反射率が計算され、所与の波長λで報告される反射率が波長λを中心とする帯域△λ=20nmの幅にわたる平均を表すように平滑化操作が実施された。これらの反射率計算は、(1)垂直入射、ブロック偏光状態と(2)斜入射(θ=60°、図3参照)パス偏光状態という二種類の入射光線について行われた。ゆえに垂直入射光線はz軸に対して平行に入射してx軸と平行に偏光されるのに対して、斜入射光線はy−z面に入射してこの入射面においてp偏光される。ゆえに、この拘束薄膜多層偏光子のブロック特性とパス特性の両方が調査された。ブロック状態垂直入射光線の結果は図12a〜cに示されており、それぞれ均一、傾斜、およびランダム層分布(80、82、84)の作用を示す。斜入射p偏光光線の結果は図13a〜cに示されており、それぞれ均一、傾斜、およびランダム層分布(80、82、84)の作用を示す。
この拘束偏光子に関する第二のケースでは、三種類のモデル反射体の各々について層が光学的に厚くなるようにXは10に設定された。各層分布80、82、84についてスペクトル反射率が計算され、△λ=20nmで上述のように平滑化操作が実施された。やはり反射率計算は、(1)垂直入射ブロック偏光状態の光線(z軸と平行に入射してx軸と平行に偏光される)と(2)θ=60°の斜入射パス偏光状態の光線(y−z面に入射してこの面でp偏光される)について行われた。ブロック状態の垂直入射光線の結果は図14a〜cに示され、それぞれ均一、傾斜、およびランダム層分布(80、82、84)の作用を示す。斜入射p偏光光線の結果は図15a〜cに示され、それぞれ均一、傾斜、およびランダム層分布(80、82、84)を示す。
次に、拘束偏光子に関する上の二つのケース(X=1とX=10)が、X=1.5、2、3、5、50、100、および500の追加のケースについて繰り返され、垂直入射ブロック状態光線と60度入射p偏光光線の両方について、前と同様に平滑化スペクトル反射率が計算された。Xの各値について、各タイプの入射光線がモデリングされ、図11の三種類のプロファイルの各々について、可視波長範囲410〜700nm(約400〜700nm)にわたって平滑化反射率データの平均Raveと標準偏差Rstdが計算され、これらの数から、変動係数(COV=6*Rstd/Rave)が計算された。垂直入射ブロック状態光線の結果は、倍率Xの各値についてそれぞれRaveとCOVが示された図16と図17に描かれている。これらのグラフは、線形垂直軸と非線形水平軸とを有する。曲線91bと101bは均一厚さプロファイル80、曲線93bと103bは傾斜厚さプロファイル82、さらに曲線95bと105bはランダム厚さプロファイル84についてのものである。斜入射p偏光パス状態光線の結果は、倍率Xの各値についてそれぞれRaveとCOVが示された図18と図19に描かれている。これらのグラフも同様に、線形垂直軸と非線形水平軸を有する。曲線91pと101pは均一厚さプロファイル80、曲線93pと103pは傾斜厚さプロファイル82、さらに曲線95pと105pはランダム厚さプロファイル84についてのものである。
図12a〜c、14a〜c、16、および17を調べると、ブロック偏光状態の垂直入射光線については、厚膜多層反射体では不均一な層厚分布を使用すると好都合であることが再び確認される。不均一分布は均一分布に対してかなりの利点を提供できる。つまり、λが可視範囲(例えば約500nm)の場合、約(5/4)λ〜10λと約(5/4)λ〜5λの範囲を含むスタックの平均層厚のある値については、可視スペクトルにわたって概ね高い平均反射率と概ね低いスペクトル変動性が得られるのである。
図13a〜c、15a〜c、18、および19を調べることで、これらの結論―特に変動性の低下に関連するもの―は、層の間に残留z軸屈折率の不一致を有する厚膜多層偏光子における斜入射p偏光パス状態の光線にも実質的に当てはまることが分かる。これは、わずかなy軸屈折率の不一致のために、狭い入射角θについては可視範囲にわたって反射率をほとんどまたは全く持たない光線である。しかし、入射角θが増加するにつれて、電界のz軸成分の増大によりこの光線の反射はわずかだが量は増加する。この反射率が実質的に可視波長範囲にわたって変化する場合、透過光線を観察する者には不要な色が見え始めるであろう。例えば、液晶ディスプレイのバックライトの光線リサイクリング空洞に厚膜反射型偏光子が使用される場合には、パス状態のp偏光光線の厚膜偏光子の反射率がわずかでなく実質的に可変であるならば、斜角からディスプレイを見る者には垂直角でディスプレイを見る者と比較して色の変化が見え始めるであろう。
偏光子の透過および反射の変動性のために、観察される光線に加えられると予想される色の変化の分析ができるように、上述した厚膜反射型偏光子が組み込まれたバックライトまたはディスプレイの予想輝度上昇または「増幅」の分析も行うことができる。色の変化は、液晶ディスプレイバックライトでは典型的なCCFL光源に関してモデリングされる。図11〜19に関して説明した拘束延伸多層偏光子の層分布、屈折率、及びその他の特徴が想定された。結果は表1、2、および3に挙げられている。
Figure 2008538421
表1では、各セルは二つの数字を有する。上の数字は垂直観察角での発光の増幅であり、下の数字は垂線から60°の斜視野角の場合の発光の増幅である。
Figure 2008538421
表2では、各セルは二つの数字を有する。上の数字は、垂直視野角からディスプレイを観察するための、色度の色座標「x」の変化であり、下の数字は色度の色座標「y」の変化である。色度座標x,yのこれらの変化は、バックライト光源を表すための計算に使用されるCCFL光源の色度の色座標x,yに関するものである。ディスプレイの用途では、これらの色度に色座標の各々の変化を最大±0.01に制限することが望ましいと考えられる。
Figure 2008538421
表2のように、表3の各セルの上の数字は、垂線から60°の斜視野角からディスプレイを観察するための、色度の色座標「x」の変化であり、表3の各セルの下の数字は色度の色座標「y」の変化である。やはり、ディスプレイ産業では、これらの色座標の各々の変化を最大±0.01に制限することが望ましいと考えられる。
これら三つの表から、光線リサイクリング空洞ディスプレイ/バックライトの用途では、不均一な層の光学厚さ分布を有する厚膜多層反射型偏光子には、高い発光の増幅と良好なわずかな色の変化が見られることが分かる。
2005年4月18日に出願された「ディスプレイの多機能厚膜反射型偏光子」という名称の米国特許出願番号第60/672964号(代理人整理番号60747US002)には、ディスプレイの厚膜反射型偏光子についての記載がさらに見られる。
考察
様々な屈折率の間に所望の関係(ゆえに多層反射体装置の光学特性)を達成することができるかどうかは、多層装置の調製に使用される処理条件に影響される。延伸により配向される有機ポリマーの場合、装置は概して、個々のポリマーを同時押出成形して多層膜を形成してから、選択された温度での延伸によりフィルムを配向し、任意でその後に選択された温度で熱硬化することにより調製される。あるいは、押出成形と配向の段階が同時に実施されてもよい。偏光子の場合には、フィルムは概して、実質的に一方向に延伸される(拘束でも無拘束でも一軸配向)のに対して、ミラーの場合は、フィルムは概して実質的に二方向(二軸配向)に延伸される。例えば、米国特許第5,882,774号(ジョンザ(Jonza)ら)、米国特許第6,827,886号(ニアビン(Neavin))、米国特許第6,949,212号(メリル(Merrill)ら)を参照。いずれの場合も、延伸は、例えば、長さ配向装置および幅配向装置(テンター)などの組み合わせ、またはバッチ一軸または二軸延伸装置を用いて個々のシートごとに、連続製造ラインで行うことができる。
ジョンザ(Jonza)らの米国特許第5,882,774号に記載されたz軸屈折率関係が、ここで開示される実施例で有益に使用されることは言うまでもない。ゆえに、隣接層の厚さ方向の屈折率を実質的に一致させることにより、ブリュースター角(p偏光光線の反射がゼロである角)が非常に大きいか存在しない境界面が生まれるように、構成層の屈折率を選択できる。これにより、p偏光光線の反射率が入射角とともにゆっくり低下する、入射角と無関係であるか、または垂線から入射角が離れるにつれて上昇する、多層のミラーおよび偏光子の構造が可能となる。その結果、広い帯域にわたって(ミラーの場合には入射方向について、偏光子の場合には選択された方向について、sとpの両方の偏光光線の)高い反射率を有する多層膜を達成することができる。例えば、厚さつまりz軸に沿った隣接層の屈折率差△nを、ゼロまたは実質的にゼロ、あるいは、△nの0.5、0.25、0.1、または0.05倍未満など、面内屈折率差△nに対して小さくすることができる。さらに、大きくても小さくても、△nは、面内屈折率差△nに対して反対の極性を持つことができる。
厚膜多層反射体がポリマー層の配向スタックであるか、これを含む実施例では、適した屈折率の関係を持つ多層装置が得られるように、予備延伸温度、延伸温度、延伸速度、延伸率、熱硬化温度、熱硬化時間、熱硬化緩和、およびクロス延伸緩和が選択される。これらの変数は相互依存であり、ゆえに例えば比較的低い延伸温度と組み合わされた場合には、比較的低い延伸速度が使用される。所望の多層装置を達成するのにこれらの変数の適切な組合せをどのように選択するかは、当該技術の熟練者には明らかであろう。
開示された厚膜多層反射体の製造において2層以上のシートの積層は、反射率を向上させたり、または2個の偏光子からミラーを形成したりするのに好都合である。場合によっては、反射体に使用される厚さの層の数Nと平均層厚および層材料特性とは、完成した反射体を剛直にして、それにより、単一の延伸作業のみを用いての製造を困難にするようなものにすることがある。これは、延伸後に完成厚膜多層反射体となる前駆物質つまり開始多層製品が、延伸中の薄膜化の結果として、完成した反射体よりも大きな全体の厚さを持たなければならないためである。このような場合には、単層または多層のポリマーウェブを例えば連続ロールプロセスで押出成形および延伸してから、多数のロールを連続的に、またはバッチ形式で多数の個々のシートを用いた積層プロセスを採用すると好都合である。積層は、ウェブまたはシートの間の接着層またはつなぎ層などの接合手段を用いて行うことができる。このようにして、単層または多層のポリマーウェブが従来の長さ配向装置および/またはテンターにより製造されてから、それ自体はこのような装置で配向されたことのない剛性プレートなどの物理的に厚い製品に結合される。
上述したように、多層構造の一軸配向は、拘束または無拘束の形で行うことができる。物理的に厚い膜では、前駆物質または開始多層製品は、拘束延伸が使用された場合に必要なものほど厚い必要はないという点で、無拘束延伸が好都合である。それは、クロス延伸方向の緩和は、所与の延伸比について生じる薄膜化の量を最小にするためである。多層構造は、長さ配向装置などで機械方向に、またはテンターを用いて横(幅)方向に延伸することができる。多層構造は、直行する2方向に同時に、または連続して、または同時かつ連続的に配向することができる。
図20は、初期構造124から最終完成構造126まで光学体の領域を延伸する、延伸装置および方法の一実施例を示す。厚膜、薄膜、またはハイブリッド多層反射体、さらには上述したこれらの前駆物質(単層膜を含む)のいずれかである光学体は、所望の方法で延伸装置へ送られる。実施例では、光学体は、精密に無拘束、実質的に無拘束、またはほぼ無拘束の一軸方法で延伸される。概して光学体140は、光学体の両側エッジを保持して所定の経路を画定する対面するトラック164上で光学体を搬送するような構造および構成を持つ一つ以上の把持部材に領域130で受け取られる。把持部材(図示せず)は一般的に、光学体をエッジまたはその付近で保持する。把持部材に保持された光学体の部分は延伸後には使用に適していないことが多いため、把持部材の位置は一般的に、プロセスにより発生する廃棄材料の量を制御しながら延伸するのに充分であるように膜を把持するように選択される。クリップなどの把持部材は、例えば、把持部材がチェーンに結合された状態でトラック上においてチェーンを回転させるローラ162により、トラック上を案内される。ローラは、延伸装置を搬送される際に膜の速度および方向を制御するドライバ機構に接続されている。ローラは、ベルトタイプの把持部材を回転させてその速度を制御するのにも使用される。
一部の実施例では、光学体は平面上を牽引される(つまり境界軌跡とトラックとが同一平面上にある)が、非同一平面上の延伸軌跡も使用可能である。理想的な無拘束一軸配向または延伸は、対面するトラック164を、面内MD中心線から発散する一対の鏡像対称で同一平面の放物線状の軌跡を画定するような構造とすることにより達成できる。
装置は、延伸の準備として光学体を加熱するための炉154または他の装置または構成に一般的に包囲された前処理領域132を任意で含む。前処理節領域は、予熱ゾーン142、熱吸収ゾーン144、またはその両方を含む。光学体は、一次延伸領域134で延伸される。一般的に一次延伸領域134内では、光学体のポリマーのガラス転移より上の加熱環境で光学体が加熱または維持される。一次延伸領域134内では、把持部材は一般に、発散方向トラックを通り、所望の量だけ光学体を延伸する。一次延伸領域および装置の他の領域のトラックは、多様な構造および材料を用いて形成できる。一次延伸領域の外側では、トラックは一般的にほぼ直線状である。向かい合った直線トラックは平行であっても、集束または発散するように構成されてもよい。一次延伸領域内では、トラックは概ね発散方向である。延伸装置のすべての領域において、任意で結合された一連の直線または曲線セグメントを用いてトラックが形成される。代替例として、または特定の領域または複数の領域において、単一の連続構造としてトラックを形成できる。少なくともいくつかの実施例では、一次延伸領域のトラックは、前の領域のトラックに結合されているが、これから分離可能である。図示されているように、後続する後処理または除去領域のトラック240、241は一般的に、一次延伸領域のトラックから分離されている。一部の実施例では、所望であればトラックの全体形状が調節されるように、1つ以上、好ましくはすべてのトラックセグメントの位置が調節自在である(例えば軸を中心に旋回自在である)。領域の各々に連続トラックが使用されてもよい。一般的に、一次延伸領域において把持部材に保持された光学体の部分は除去される。
横延伸の終了時に、(図のように)延伸工程の実質的にすべてにわたって実質的に一軸延伸を維持するため、急速に発散エッジ部分156が破断点158で延伸光学体148から分離することが好ましい。158では切断が行われ、鋳ばり、つまり使用不可能な部分156は廃棄される。連続把持機構からの縁部の解放は連続的に行われるが、テンタークリップなどの個別把持機構からの解放は、好ましくは所与のクリップの下の材料が一度に解放されるように行われるべきである。この個別解放機構は、上流の延伸ウェブが受ける応力に大きな変化を引き起こす。分離取出し装置の作用を補助するため、例えば、加熱され、延伸された膜の中央部分から縁部を「高温」破断する連続縁部分離機構が、装置で使用される。分離取出し点より上流の応力変化を最小にするか低下させるため、取出しシステムの把持部材により、破断箇所を「把持ライン」の充分近く、例えば第1有効接点の分離取出し点に配置することができる。膜が取出しシステムにより把持される前に膜が破断される場合には、例えばTDに沿った膜の「しなり」により結果的に不安定な取出しとなる。ゆえに、膜は把持ラインまたはその下流で破断されることが好ましい。破断は破砕プロセスであり、そのため一般的に空間的配置にはわずかだが自然な変動が見られる。こうして、破断の一時的変動が把持ラインの上流で発生するのを防止するには、把持ラインの若干下流で破断することが望ましい。膜が把持ラインよりかなり下流で破断されると、取出しと境界軌跡との間の膜はTDに沿って延伸し続ける。この時には膜のこの部分のみが引っ張られるので、境界軌跡と比較して増幅された延伸比で引っ張られ、上流へ伝搬するさらなる応力変化、例えば上流へ伝搬する望ましくない方向の機械方向張力を発生させる。
最終横延伸方向比の変化または取出しシステムの位置の調節に対応するのに必要な取出し位置の変更とともに変化できるように、破断は可動であって再配置可能であることが好ましい。このタイプの破断システムの長所は、好ましくはMDに沿って取出し破断点158を移動させるだけで延伸プロファイルを維持しながら延伸比を調整できることである。熱レザー、熱ワイヤ、レーザ、強力赤外線照射集束ビームまたは集束熱風ジェットを含む多様な破断技術が使用される。
装置は任意で、後処理領域136を含む。例えば、光学体はゾーン148で硬化(例えば、熱硬化)され、ゾーン150で急冷される。一次延伸領域134から光学体を取り出すには、取出しシステムが使用される。図の実施例では、この取出しシステムは、一次延伸領域でフィルムが搬送されるトラックと無関係である(分離されている、つまり直接接続されていない)。取出しシステムは、例えば向かい合って組になったベルトまたはテンタークリップなどの把持部材を備えるトラック240、241など、いかなるフィルム搬送構造でも使用できる。
一部の実施例では、相互に傾斜したトラック240、241を用いてTD防縮が行われる。例えば、取出しシステムのトラックは、後処理領域の少なくとも一部分において(わずか約5度の角度を成す)緩やかな集束経路を通って、冷却によるフィルムのTD縮みを可能にする。他の実施例では、2本の向かい合ったトラックは一般的にわずか約3度以下の角度で発散するが、実施例によってはさらに広い角度を使用できる。これは、一次延伸領域におけるフィルムのMD張力を上昇させて、例えば、フィルムの屈折率の主軸の変化などの性質不均一性を低下させるには有益である。
一部の実施例では、一次延伸領域のトラック164をフィルムが搬送される際に、取出しシステムの中心線は膜の中心線に対して傾斜している。傾斜した取出しシステム、一次延伸ゾーン、またはその両方は、屈折率軸または引き裂き軸など、フィルムの特性の主軸がフィルムに対して傾斜しているようなフィルムを設けるのに有益である。一部の実施例では、取出しシステムが一次延伸ゾーンに対して成す角度は、手動で、またはコンピュータ制御ドライバまたは他の制御機構またはその両方を用いて機械的に調節自在である。
プロセスは、領域138にも除去部分を含むことができる。延伸膜152を前進させるのに任意でローラ165が使用されてもよいが、所望であればこの部品は省略されてもよい。別の切断部160が設けられて、未使用部分161が廃棄されてもよい。取出しシステムから出るフィルムは一般的に、後での使用のためにロールに巻かれる。あるいは、取出しの後に直接加工が行われてもよい。装置および方法のさらなる詳細は、米国特許第6,939,499号(メリル(Merrill)ら)、第6,916,440号(ジャクソン(Jackson)ら)、第6,949,212号(メリル(Merrill)ら)、第6,936,209号(ジャクソン(Jackson)ら)に見られる。
上述した設計上の検討事項が確定されると、所望の層厚プロファイルと屈折率の関係をもたらすように選択された条件で処理されれば、開示された厚膜多層反射体を多様な材料を使用して形成できることが、熟練者には容易に納得できるだろう。
同時押出成形ポリマーを包含する実施例については、各々がそれぞれのスロットダイに供給する複数のインタリーブ側路管または導管を有する供給管プレートを用いて2本の溶融ポリマーストリームの流れを交互のABパターンに分割することが知られている。例えば米国特許第6,827,886号(ニーヴィン(Neavin)ら)を参照。一方が導管の半分に第1ポリマーを供給し、他方が残りの導管に他のポリマーを供給する2本の流路を有する傾斜プレートが、所望であれば供給管プレートに結合される。例えば直径、長さ、および/または局所的温度を調節することにより供給管プレートに個々の導管を別々に構成することにより、ランダム層分布など所望の層厚分布が達成される。導管をこのように構成することにより、所望により、完成した多層反射体の特定層に対応する特定の導管へ多量または少量の特定のポリマーが供給され、これにより、層を厚くまたは薄くする。
所望の屈折率関係は、膜形成中または形成後の延伸(例えば有機ポリマーの場合)、押出成形(例えば液晶材料の場合)、またはコーティングを含む多様な方法で得られる。場合によっては、同時押出成形されるように二種類の材料が同様の流動特性(例えば溶融粘度)を有することが望ましい。適切な材料の組合せは、第1光透過材料として、結晶質材料、半結晶質材料、好ましくはポリマーを含む。一方、第2光透過材料は、結晶質、半結晶質、または非晶質である。第2材料は、第1材料と反対または同じ複屈折性を有する。または、第2材料は複屈折性を持たなくてもよい。実際にある鏡像構造では、第1および第2材料はともに複屈折性を持たない。
光学的に複屈折性である第1材料と光学的に等方性の第2材料が使用される場合には、第1材料による層が第2材料による層より物理的に薄くなるように、層厚の分布を調節することが望ましい。例えば、第1材料の層は、第2材料の平均厚さより薄い、または第2材料の平均厚さの半分未満である厚さ平均を有する。厚膜多層反射体の厚さ全体の大部分は、複屈折性材料よりも等方性の熱膨張性を有するような高い等方性材料で構成されるので、このような構造は有益な防歪性を持つ。
偏光反射体の場合、一つの面内方向における第1および第2光透過材料の屈折率の差を完成偏光子では大きく異なるようにし、直交面内率の差が最小となるようにすると好都合である。等方性の時に第1ポリマーが高い屈折率を有して正の複屈折性である(つまり延伸方向に屈折率が上昇する)場合、第2ポリマーは一般的に、処理後に延伸方向に直交する平面方向での一致する屈折率と、できるだけ低い延伸方向の屈折率とを有するように選択される。逆に、第1ポリマーが等方性の時に低い屈折率を有して負の複屈折性である場合には、一般的に、処理後に延伸方向に直交する平面方向での一致する屈折率と、できるだけ高い延伸方向の屈折率とを有するように第2ポリマーが選択される。あるいは、正の複屈折性であって、等方性である時に中間または低い屈折率を有する第1ポリマー、または負の複屈折性であって等方性の時に中間または高い屈折率を有する第1ポリマーを選択することが可能である。これらの場合には、第2ポリマーは一般的に、処理後に、延伸方向、または延伸と直交する平面方向のいずれかに、屈折率が第1ポリマーのものと整合する屈折率を有するように選択される。さらに、第2ポリマーは残りの面内方向における屈折率の差が、この方向の非常に低いか非常に高い屈折率によって達成されるかどうかに関係なく、最大となるように選択される。
反射体が、光線の直交偏光状態を均等に反射する場合には、直交面内方向における所与の層の屈折率はほぼ等しいことが望ましい。しかし、第1光透過材料の面内率については、第2光透過材料の面内率とできるだけ大きく異なると好都合である。このため、等方性の時に第1ポリマーが高い屈折率を有する場合には、正の複屈折性でもあると好都合である。同様に、等方性の時に第1ポリマーが低い屈折率を有する場合には、負の複屈折性でもあると好都合である。第2ポリマーは、完成反射体において面内屈折率が第1ポリマーのものとできるだけ異なるように、延伸された時にほとんどまたは全く複屈折性を示さないか、反対の複屈折性を示す(正−負または負−正)と好都合である。反射体がある程度の偏光性を有する場合にも、これらの基準は偏光子について上に挙げられたものと適切に組み合わされる。
吸収は別の検討事項である。たいていの用途では、第1および第2光透過材料のいずれも、該当する反射体の関連帯域内に吸収帯域を有さないと好都合である。こうして、帯域内のすべての入射光線が反射または透過される。しかし、一部の用途では、第1および第2ポリマーの一方または両方が全体的または部分的に特定波長を吸収すると有益である。
第1ポリマーとして多くのポリマーが選択されるが、ある種のポリエステルは特に高い複屈折性を持つ可能性がある。これらのうち、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)を、開示された反射体の第1ポリマーとして選択できる。これは、非常に大きな正の応力光学係数を有し、延伸後に複屈折性を効果的に維持し、さらに可視範囲内でほとんどまたは全く吸収を行わない。また等方状態で高い屈折率を有する。偏光の面が延伸方向と平行である際には、550nmの波長の偏光入射光線の屈折率は、約1.64から約1.9までも上昇する。その複屈折性は、分子配向を上昇させることで向上し、一方、分子配向は、他の延伸条件を一定にしたまま高い延伸比で延伸することにより向上する。
他の半結晶ナフタレンジカルボン酸ポリエステルも、第1ポリマーとして適している。ポリブチレン2,6−ナフタレート(PBN)が一例である。コモノマーの使用が延伸後の応力光学係数および複屈折性の保持を実質的に損なうことがないと仮定すると、これらのポリマーはホモポリマーまたはコポリマーである。実際にはこの制限はコモノマー含有量に上限を加え、その正確な値は使用されるコモノマーの選択により変化するであう。しかし、コモノマーを取り入れることが他の特性を改良する結果となる場合、これらの特性においていくつかの妥協を受け入れなければならない。このような特性には、層間接着の改良、低融点(結果的には低い押出成形温度)、膜の他のポリマーとの流動整合性の向上、およびガラス転移温度の変化による延伸のためのプロセスウィンドウに都合の良いシフトが含まれるが、これらに制限されるわけではない。
PEN、PBNなどでの使用に適したコモノマーは、ジオールまたはジカルボン酸またはエステルタイプでよい。ジカルボン酸コモノマーは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、すべての異性体ナフタレンジカルボン酸(2,6−、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−、1,8−、2,3−、2,4−、2,5−、2,7−、および2,8−)、4,4’−ビフェニルジカルボン酸とその異性体などのビベンゾイック酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸とその異性体、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸とその異性体、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸とその異性体、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸とその異性体、2−クロロテレフタル酸と2,5−ジクロロテレフタル酸などのハロゲン化芳香族ジカルボン酸、第三級ブチルイソフタル酸およびスルホン化ナトリウムイソフタル酸などの他の代替芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とその異性体などのシクロアルカンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸とその異性体、二環式または多環式ジカルボン酸(様々な異性体ノルボルネンおよびノルボルネンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、ビシクロ−オクタンジカルボン酸など)、アルカンジカルボン酸(セバシン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸など)、および縮合環芳香族炭化水素(インデン、アントラセン、フェナントレン、ベンゾナフテン、フルオレンなど)の異性体ジカルボン酸のいずれかを含むが、これらに限定されない。あるいは、ジメチルテレフタレートなど、これらのモノマーのアルキルエステルが使用される。
適したなジオールコモノマーは、線状または分岐アルカンジオールまたはグリコール(エチレングリコール、トリメチレングリコールなどのプロパンジオール、テトラメチレングリコールなどのブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのペタンジオール、ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペタンジオール、および高次ジオールなど)、エーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、およびポリエチレングリコール)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸などの鎖状エステルジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールとその異性体および1,4−シクロヘキサンジオールとその異性体などのシクロアルカングリコール、二環式または多環式ジオール(様々な異性体トリシクロデカンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、およびビシクロオクタンジメタノールなど)、芳香族グリコール(1,4−ベンゼンジメタノールとその異性体、1,4−ベンゼンジオールとその異性体、ビスフェノールAなどのビスフェノール、2,2’−ジヒドロキシビフェニルおよびその異性体、4,4’−ジヒドロキシメチルビフェニルとその異性体、および1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとその異性体など)、さらにジメチルまたはジエチルジオールなどのジオールの低級アルキルエーテルまたはジエーテルを含むが、これらに限定されない。
ポリエステル分子に分岐構造を付与する役割を果たす三官能性または多官能性コモノマーも使用できる。カルボキシル酸、エステル、ヒドロキシまたはエーテルタイプのいずれでもよい。例には、トリメリト酸とそのエステル、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールが含まれるが、これらには限定されない。
やはりコモノマーとして適しているのは、パラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、およびとその異性体などのヒドロキシカルボキシル酸を含む混合官能性のモノマーと、さらに5−ヒドロキシイソフタル酸とその異性体などの混合官能性の三官能性または多官能性コモノマーである。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、高い正の応力光学係数を呈し、延伸後に複屈折性を効果的に保持し、可視範囲内でほとんどまたは全く吸収を行わない別の材料である。ゆえに、これと、上に挙げたコモノマーを使用するPET含有量の高いコポリマーも、一部の用途では第1ポリマーとして使用される。
PENまたはPBNなどのナフタレンジカルボン酸ポリエステルが第1ポリマーとして選択された際には、第2ポリマーの選択のために取られるアプローチがいくつかある。ある用途のためのアプローチは、延伸された際に複屈折性がかなり低いか見られないように生成されたナフタレンジカルボン酸コポリエステル(coPEN)を選択することである。これは、coPENの結晶性がなくなるか著しく低下するように、コモノマーおよびコポリマー中のその濃度を選択することによって達成される。典型的な一つの生成では、ジカルボン酸またはエステル成分として、約20モルパーセントから約80モルパーセントのジメチルナフタレートと、約20モルパーセントから約80モルパーセントのジメチルテレフタレートまたはジメチルイソフタレートを使用し、ジオール成分としてエチレングリコールを使用する。言うまでもなく、エステルの代わりに、対応するジカルボン酸が使用されてもよい。coPEN第2ポリマーの生成に使用できるコモノマーの数は、限定されない。coPEN第2ポリマーに適したコモノマーは、酸、エステル、ヒドロキシ、エーテル、三官能性または多官能性および混合官能性タイプを含めて、適したPENコモノマーとして上に挙げられたコモノマーをすべて含むがこれらに限定されない。
PENのものと適合性を持つガラス転移温度を有してPENの等方性屈折率と同様の屈折率を有するポリカーボネートも、第2ポリマーとして有益である。ポリエステル、コポリエステル、ポリカーボネート、およびコポリカーボネートも、押出成形機へ一緒に送られて、トランスエステル化され、適した新しいコポリマーの第2ポリマーとなる。
第2ポリマーは、コポリエステルまたはコポリカーボネートである必要はない。ビニルナフタレン、スチレン、エチレン、無水マレイン酸、アクリレート、アセテート、およびメタクリレートなどのモノマーから製造されたビニルポリマーおよびコポリマーを使用してもよい。ポリエステルとポリカーボネート以外の縮合ポリマーも使用できる。例には、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアミド酸、およびポリイミドが含まれる。第2ポリマーの屈折率を所望のレベルまで高めるには、ナフタレン基と、塩素、臭素、およびヨウ素などのハロゲンが有益である。所望の際に屈折率を低下させるには、アクリレート基とフッ素が特に有益である。
第2ポリマーの選択は、該当する多層光学膜の目的とする用途だけでなく、第1ポリマーについて行われた選択および延伸時に使用される処理条件にも左右されることが、以上の説明から理解できるだろう。適した第2ポリマー材料は、ポリエチレンナフタレート(PEN)とその異性体(2,6−、1,4−、1,5−、2,7−、および2,3−PENなど)、ポリアルキレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなど)、他のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレート(polyarylate)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4/6、ナイロン6/6、ナイロン6/9、ナイロン6/10、ナイロン6/12、およびナイロン6/Tなど)、ポリイミド(熱可塑性ポリイミドとポリアクリル酸イミドを含む)、ポリアミド−イミド、ポリエーテル−アミド、ポリエーテルイミド、ポリアリールエーテル(ポリフェニレンエーテルと環置換ポリフェニレンオキシドなど)、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)などのポリアリールエーテルケトン、脂肪族ポリケトン(二酸化炭素を含むエチレンおよび/またはプロピレンのコポリマーとターポリマーなど)、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンとポリアリールスルホンを含む)、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン(「sPS」)とその誘導体(シンジオタクチックポリ−アルファ−メチルスチレンとシンジオタクチックポリジクロロスチレンなど)、上記ポリスチレンのいずれかの混合物(ポリフェニレンオキシドなどの相互または他のポリマーとの混合物)、上記ポリスチレンのいずれかのコポリマー(スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、およびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンターポリマーなど)、ポリアクリレート(ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、およびポリブチルアクリレートなど)、ポリメタクリレート(ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、およびポリイソブチルメタクリレートなど)、セルロース誘導体(エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびセルロースニトレートなど)、ポリアルキレンポリマー(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、およびポリ(4−メチル)ペンテンなど)、フッ素系ポリマーおよびコポリマー(ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、フッ化ポリビニリデン、フッ化ポリビニル、フッ素系エチレン−プロピレンコポリマー、パーフルオロアルコキシ樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエチレン−コ−トリフルオロエチレン、ポリエチレン−コ−クロロトリフルオロエチレンなど)、塩素化ポリマー(ポリ塩化ビニリデンと塩化ポリビニルなど)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリエーテル(ポリオキシメチレンとポリエチレンオキシド)、アイオノマ樹脂、エラストマ(ポリブタジエン、ポリイソプレン、およびネオプレンなど)、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ならびにポリウレタンを含むが、これらに限定されない。
PENに適したポリエステルコモノマーについての上記リストから生成される他のナフタレン基非含有コポリエステルとともに、上述したPENのコポリマーなどのコポリマーもやはり適している。一部の用途、特にPETが第1ポリマーとして機能する用途では、PETに基づくコポリエステルと上記リストからのコモノマー(coPETs)が特に適している。そのうえ、第1ポリマーと第2ポリマーのいずれかは、上述したポリマーまたはコポリマーのうち二種類以上の混和性または非混和性の混合物(sPSとアタクチックポリスチレン、またはPENとsPSの混合物など)で構成される。上述したcoPENsとPETsは、直接合成されるか、少なくとも一つの成分がナフタレンジカルボン酸またはテレフタル酸に基づくポリマーであり、他の成分がPET、PEN、coPET、またはco−PENなどのポリカーボネートまたは他のポリエステルである場合には、ペレットの混合物として生成される。
一部の用途での第2ポリマーのための別の材料グループは、シンジオタクチックポリスチレンなど、シンジオタクチックビニル芳香族ポリマーである。本発明で有益なシンジオタクチックビニル芳香族ポリマーは、ポリ(スチレン)、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(アリールスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニルエステルベンゾエート)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)、およびポリ(アセナフタレン)、さらにこれらの構造単位を含有する水素化ポリマーおよび混合物またはコポリマーである。ポリ(アルキルスチレン)の例は、以下の異性体を含む。ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(プロピルスチレン)、およびポリ(ブチルスチレン)。ポリ(アリールスチレン)の例は、ポリ(フェニルスチレン)の異性体を含む。ポリ(ハロゲン化スチレン)としての例には、以下の異性体が含まれる。ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、およびポリ(フルオロスチレン)。ポリ(アルコキシスチレン)の例は、以下の異性体を含む。ポリ(メトキシスチレン)とポリ(エトキシスチレン)。これらの例のうち、特に好ましいスチレン基ポリマーは、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−第三級ブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、およびスチレンとp−メチルスチレンのコポリマーである。
さらに、コモノマーはシンジオタクチックビニル芳香族コポリマーの製造にも使用される。シンジオタクチックビニル芳香族ポリマーグループを定義する際に上に挙げられたホモポリマーのためのモノマーに加えて、適したコモノマーは、オレフィンモノマー(エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、またはデセンなど)、ジエンモノマー(ブタジエンとイソプレンなど)、および極性ビニルモノマー(環状ジエンモノマー、メチルメタクリレート、マレイン酸無水物、またはアクリロニトリルなど)を含む。
主として一軸延伸によるプロセスを用いて偏光子が製造される際には、光学層のためのポリマーの適した組合せは、PEN/coPEN、PET/coPET、PEN/sPS、PET/sPS、PEN/イースター(Eastar)(商標)、PET/イースター(Eastar)(商標)を含み、「coPEN」は(上述した)ナフタレンジカルボン酸に基づくコポリマーまたは混合物であり、イースター(Eastar)(商標)は、イーストマン・ケミカル社(Eastman Chemical Company)から市販されているポリエステルまたはコポリエステル(シクロヘキサンジメチレンジオール単位とテレフタレート単位を含むと考えられる)である。二軸延伸プロセスのプロセス条件を操作することにより偏光子が製造される際には、個々の層のポリマーの適した組合せは、PEN/coPEN、PEN/PET、PEN/PBT、PEN/PETG、およびPEN/PETcoPBTであり、「PBT」はポリブチレンテレフタレートを指し、「PETG」は第2グリコール(通常はシクロヘキサンジメタノール)を使用するPETのコポリマーを指し、さらに「PETcoPBT」はエチレングリコールと1,4−ブタンジオールの混合物を含むテレフタル酸のコポリエステルまたはそのエステルを指す。
鏡像反射体の場合に個々の層の適したポリマーの組合せは、PEN/PMMA、PET/PMMA、PEN/エクデル(Ecdel)(商標)、PET/エクデル(Ecdel)(商標)、PEN/sPS、PET/sPS、PEN/coPET、PEN/PETG、およびPEN/THV(商標)を含み、「PMMA」はポリメチルメタクリレートを指し、エクデル(Ecdel)(商標)はイーストマン・ケミカル社から市販されている熱可塑性ポリエステルまたはコポリエステル(シクロヘキサンジカルボキシレート単位、ポリテトラメチレンエーテルグリコール単位、およびシクロヘキサンジメタノール単位を含むと考えられる)であり、「coPET」は(上述した)テレフタル酸に基づくコポリマーまたは混合物を指し、「PETG」は第2グリコール(通常はシクロヘキサンジメタノール)を使用するPETのコポリマーを指し、さらにTHV(商標)はスリーエム社(3M Co.)から市販されているフルオロポリマーである。
一部の反射体については、厚さまたはz方向における第1および第2光透過材料の屈折率が一致することが好ましいことがあるが、それは、入射光線の角度に対して一定の反射が得られる(つまりブリュースター角度が見られない)からである。例えば特定の波長では、二軸配向のPENについては、面内屈折率は1.76であるのに対して、膜面に垂直な屈折率は1.49まで低下する。第2ポリマーとしてPMMAが使用される際には、三方向すべてにおける同じ波長での屈折率は1.495である。別の例は、PETの類似の率は1.66と1.51であるのに対して、エクデル(Ecdel)(商標)の等方性の率は1.52である、PET/エクデル(Ecdel)(商標)システムである。これらに関連する特性は、一つの材料についての面に垂直な率は、それ自身の面内率よりも他の材料の面内率に近いということである。
他の実施例では、面に垂直な屈折率を意図的に一致させないことが望ましい。面内方向の一つにおける率の不一致と符号が反対となるように面に垂直な率を意図的に不一致にすることが望ましい、光学スタックの三つ以上のポリマー層を伴うものが例に含まれる。場合によっては、多層反射体が二つ以上の区別可能なポリマーまたは他の光透過材料で構成されることが望ましい。続く第3ポリマーは、例えば、層状スタック内の第1ポリマーと第2ポリマーの間の接着促進層として、光学目的のスタックの付加成分として、保護境界層として、外皮層として、機能的コーティングとして、また他の目的のために使用されると有益である。そのため、続く第3ポリマーの組成は、あったとしても限定されない。いくつかの適した多成分構造は、米国特許第6,207,260号(ウイートリー(Wheatley)ら)に記載されている。
他に指示されない限り、明細書および請求項で使用される特徴のサイズ、量、物理的特性を表すすべての数字は、「約」の語で修飾されるものと理解すべきである。したがって、逆の指示がなければ、本明細書および請求項で提示される数的パラメータは、開示された教示を利用して当該技術の熟練者が得ようとする所望の特性に基づいて変化できる概数である。
本発明の範囲と趣旨から逸脱しない本発明の様々な変形および変更が、当該技術の熟練者には明らかであり、本発明はここに提示された実施例に限定されないことを理解すべきである。
従来の四分の一波薄膜多層反射体の概略断面図。 従来の薄膜多層反射体の傾斜層厚プロファイルのグラフ。 厚膜多層反射体の概略断面図。 均一な層厚分布を有する厚膜多層反射体の、光学密度として描かれたモデル透過と波長とのグラフ。 不均一な層厚分布を有する厚膜多層反射体の、光学密度として描かれたモデル透過と波長とのグラフ。 図4aの光学密度データと関連する厚膜多層反射体の層厚プロファイル。 図4bの光学密度データと関連する厚膜多層反射体の層厚プロファイル。 均一、傾斜、およびランダムの三種類の層厚プロファイルのグラフであり、各プロファイルはN=100個の光透過層で構成される。 厚さ倍率X=1の場合における図6の厚さプロファイルの垂直入射ブロック状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、反射率データは幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=1の場合における図6の厚さプロファイルの垂直入射ブロック状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、反射率データは幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=1の場合における図6の厚さプロファイルの垂直入射ブロック状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、反射率データは幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=50の場合における図6の厚さプロファイルの垂直入射ブロック状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、やはり反射率データは幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=50の場合における図6の厚さプロファイルの垂直入射ブロック状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、やはり反射率データは幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=50の場合における図6の厚さプロファイルの垂直入射ブロック状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、やはり反射率データは幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 1から500までの選択された倍率Xの値について、可視スペクトルにわたってモデル化、平滑化された反射率の平均を示す。 1から500までの選択された倍率Xの値について、可視スペクトルにわたってモデル化、平滑化された反射率の変動性を示す。 N=300個の光透過層で各々が構成される、均一、傾斜、およびランダムの三つの層厚プロファイルのグラフ。 厚さ倍率X=1の場合における図11の厚さプロファイルの垂直入射ブロック状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、反射率データは幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=1の場合における図11の厚さプロファイルの垂直入射ブロック状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、反射率データは幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=1の場合における図11の厚さプロファイルの垂直入射ブロック状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、反射率データは幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=1の場合における図11の厚さプロファイルの斜入射p偏光パス状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、反射率データはやはり幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=1の場合における図11の厚さプロファイルの斜入射p偏光パス状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、反射率データはやはり幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=1の場合における図11の厚さプロファイルの斜入射p偏光パス状態光線のモデル反射率と波長とのグラフであり、反射率データはやはり幅20nmの移動平均によりスペクトル平滑化されている。 厚さ倍率X=10を除いて図12aに対応する。 厚さ倍率X=10を除いて図12b対応する。 厚さ倍率X=10を除いて図12cに対応する。 厚さ倍率X=10を除いて図13aに対応する。 厚さ倍率X=10を除いて図13bに対応する。 厚さ倍率X=10を除いて図13cに対応する。 1から500の選択された倍率Xの値について可視スペクトルにわたってモデル化、平滑化された垂直入射ブロック状態光線の反射率の平均を示す。 1から500の選択された倍率Xの値について可視スペクトルにわたってモデル化、平滑化された垂直入射ブロック状態光線の変動性を示す。 斜入射p偏光パス状態光線を除いて図16に対応する。 斜入射p偏光パス状態光線を除いて図17に対応する。 一軸延伸装置およびプロセスの概略図。

Claims (20)

  1. 少なくとも一つの偏光状態について可視スペクトルにわたって光線を実質的に反射させる多層反射体であって、
    少なくとも第1および第2の交互したポリマー材料を含む光透過性ポリマー層のスタックであって、該第1および第2材料が少なくとも1つの面内軸に沿って異なる屈折率を有し、該ポリマー層が少なくとも約(5/4)λ(λは注目する可視波長)の平均光学厚さを有し、該ポリマー層が前記多層反射体の反射率に実質的に寄与している、スタックを含み、
    前記スタックの前記ポリマー層が、前記反射体の厚さ軸に沿って不均一な光学厚さ分布を有する、反射体。
  2. 前記光学厚さ分布が、可視光線波長にわたる反射または透過の変動性を低下させるように選択される、請求項に記載1の反射体。
  3. 前記光学厚さ分布が、可視光線波長にわたる前記少なくとも一つの偏光状態の垂直入射光線の反射の変動性を低下させるように選択される、請求項1に記載の反射体。
  4. 前記不均一分布が傾斜分布を含む、請求項1に記載の反射体。
  5. 前記不均一分布がランダム分布を含む、請求項1に記載の反射体。
  6. 前記ポリマー層が約10λ以下の平均光学厚さを有する、請求項1に記載の反射体。
  7. 前記ポリマー層が約5λ以下の平均光学厚さを有する、請求項6に記載の反射体。
  8. 前記第1ポリマー材料が実質的に複屈折性であり、前記第2ポリマー材料は実質的に等方性である、請求項1に記載の反射体。
  9. 前記第1材料の前記ポリマー層が前記第2材料の前記ポリマー層よりも薄い、請求項8に記載の反射体。
  10. 面内x軸に沿った屈折率差が△nであり、該x軸に対して垂直な面内y軸に沿った屈折率差が△nであって、|△n|≒|△n|である、請求項1に記載の反射体。
  11. 面内x軸に沿った屈折率差が△nであり、該x軸に対して垂直な面内y軸に沿った屈折率差が△nであって、|△n|>|△n|である、請求項1に記載の反射体。
  12. |△n|が0または0.01以下である、請求項11に記載の反射体。
  13. 前記x軸とy軸の両方に対して垂直なz軸における屈折率差が△nであり、|△n|が0または0.01以下である、請求項12に記載の反射体。
  14. 前記x軸とy軸の両方に対して垂直なz軸に沿った屈折率差が△nであり、|△n|>|△n|である、請求項12に記載の反射体。
  15. 前記光学厚さ分布が、可視光線波長にわたってy−z面に斜めに入射するp偏光の透過の変動性を低下させるように選択される、請求項14に記載の反射体。
  16. 前記反射体が1mm未満の全厚を有する、請求項1に記載の反射体。
  17. 前記反射体が少なくとも1mmの全厚を有する、請求項1に記載の反射体。
  18. 前記反射体を照射する少なくとも一つの光源と組み合わされており、該光源が少なくとも一つの狭い放射ピークで光線を放射する、請求項1に記載の反射体。
  19. 請求項1に記載の反射体を備えるディスプレイ。
  20. 前記反射体が反射型偏光子である、請求項19に記載のディスプレイ。
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