JPWO2020045138A1 - フィルム及びフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

厚みが20μm以下であり、弾性率が2000MPa以上であり、破断伸度が20%以上であるフィルム。好ましくは、前記フィルムの端部において、長さ30μm以上であるクラックが、前記端部の長さ1mmあたり1本未満である。

Description

本発明は、フィルム及びフィルムの製造方法に関する。
フィルムは、例えば、携帯情報端末が備える画像表示素子の表面保護、偏光板の製造、光学補償などのために用いられ、近年の携帯情報端末の出荷台数の増大に伴い、需要が伸びている。
特に偏光板を製造するために、セルロースエステルを主体とした材料から形成されるフィルムの開発が進んでいる(特許文献1、2)。
特開2010−204616号公報 特開2007−284570号公報
さて、需要の増加に対応してフィルムを大量生産するため、通常フィルムを搬送しながら種々の処理を行う。しかしながら、搬送中にフィルムが破断すると、通常搬送ラインを停止させて、破断したフィルムを搬送ラインに再導入する必要がある。そのため、フィルムの搬送性が良好であることが求められる。
すなわち、搬送性が良好なフィルム;及び、搬送性が良好なフィルムを製造する方法が、求められる。
本発明者は、前記課題を解決するべく、鋭意検討した。その結果、フィルムの厚み、弾性率、及び破断伸度を所定の範囲とすることで、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
[1] 厚みが20μm以下であり、弾性率が2000MPa以上であり、破断伸度が20%以上であるフィルム。
[2] 前記フィルムの端部において、長さ30μm以上であるクラックが、前記端部の長さ1mmあたり1本未満である、[1]に記載のフィルム。
[3] 水蒸気透過率が、5g/(m・24h)以下である、[1]又は[2]に記載のフィルム。
[4] 波長380nmの紫外線透過率が5%以下である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のフィルム。
[5] 脂環式構造含有重合体を50重量%以上含む材料で形成されている、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のフィルム。
[6] 前記脂環式構造含有重合体が結晶性である、[5]に記載のフィルム。
[7] 長尺である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載のフィルム。
[8] レーザー光により切断されている、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のフィルム。
[9] 厚みが20μm以下であるカット前フィルムをレーザー光により切断して、厚みが20μm以下であり、弾性率が2000MPa以上であり、破断伸度が20%以上であるフィルムを得る工程を含む、フィルムの製造方法。
本発明によれば、搬送性が良好なフィルム;搬送性が良好なフィルムを製造する方法を提供できる。
図1は、フィルム端部に存在しうるクラックの説明図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、幅に対して、5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。フィルムの長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍以下としうる。
以下の説明において、要素の方向が「平行」、「垂直」及び「直交」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±3°、±2°又は±1°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
長尺のフィルムの長手方向は、通常、製造ラインにおけるフィルム搬送方向と平行であり、フィルムの幅方向は、通常、フィルム搬送方向と直交する。
以下の説明において、「(メタ)アクリル」の文言は、「アクリル」、「メタクリル」、及びこれらの組み合わせを包含する。
[1.フィルムの概要]
本発明の一実施形態に係るフィルムは、厚みが20μm以下であり、弾性率が2000MPa以上であり、破断伸度が20%以上である。
フィルムが、前記特徴を備えることにより、良好な搬送性を実現できる。
[1.1.フィルムの厚み]
フィルムの厚みは、通常20μm以下、好ましくは20μm未満、より好ましくは18μm以下、更に好ましくは、15μm以下である。フィルムの厚みの下限は、通常0μmより大きく、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは、5μm以上である。
本実施形態のフィルムは、厚みが前記範囲である場合にも搬送性を良好にしうる。
フィルムの厚みは、フィルムが複層構造を有している場合は、複層構造を構成する各層の厚みの合計である。
フィルムの厚みは、例えば接触式膜厚計(例、ミツトヨ社製「デジマチック シックネスゲージ」)により測定されうる。
[1.2.フィルムの弾性率]
フィルムの弾性率は、通常2000MPa以上、好ましくは2300MPa以上、更に好ましくは2500MPa以上であり、好ましくは5000MPa以下、より好ましくは4000MPa以下、更に好ましくは3500MPa以下である。フィルムの弾性率が、前記下限値以上であることにより、搬送性を良好にでき、前記上限値以下であることにより、弾性率と破断伸度とがバランスして搬送性を向上させうる。
フィルムの弾性率は、例えば下記の方法により測定されうる。
JIS K7161に準じ、ダンベル形の試験片を準備し、試験温度25℃±1℃において、引張試験器で試験片を延伸して応力及び歪みを計測し、弾性率を算出する。
フィルムの材料として、種々の弾性率を有する材料が市場より入手可能であるので、材料を適宜選択することにより、弾性率を前記範囲に収めることができる。
[1.3.フィルムの破断伸度]
フィルムの破断伸度は、通常20%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上であり、好ましくは500%以下、より好ましくは300%以下、更に好ましくは200%以下である。フィルムの破断伸度が、前記範囲に収まることにより、搬送中のフィルムの破断を抑制しつつ、シワの発生を抑制しうる。
例えば、フィルム端部のクラックを少なくすることにより、フィルムの破断伸度を大きくしうる。
フィルムの破断伸度は、例えば下記の方法により測定されうる。
JIS K7161に準じ、ダンベル形の試験片を準備し、試験温度25℃±1℃において、引張試験機で試験片を延伸し、破断したときの伸び量ΔLを測定して、初期長さL0とΔLとから下記式により破断伸度を算出する。
破断伸度(%)=ΔL/L0×100
[1.4.フィルムのその他物性]
フィルムは、好ましくは、端部において、長さ30μm以上であるクラックが、端部の長さ1mmあたり1本未満である。フィルムの端部において、長さ30μm以上であるクラックが端部の長さ1mmあたり1本未満であることにより、搬送性を効果的に向上させうる。
図1は、フィルムの端部に存在しうるクラックの説明図である。
フィルム100の端部110は、フィルム100の端120からの距離がL以下であるフィルム100の部分である。Lは、例えば、0mmより大きく5mm以下、好ましくは0mmより大きく0.5mm以下である。フィルム100が長尺フィルムである場合は、幅方向端部の幅はLである。
ここで、フィルム100の端部110の長さ方向LDは、フィルム100が長尺のフィルムである場合、通常搬送方向に平行である。クラック130の方向は、特に限定されず、任意の方向でありうる。
フィルムの端部において、長さ30μm以上であるクラックの本数を端部の長さ1mmあたり1本未満とすることは、例えば、フィルムをレーザー光で切断することにより実現できる。
したがって、フィルムは、レーザー光で切断されたフィルムであることが好ましい。
フィルムは長尺であることがより好ましく、長尺であってフィルムの搬送方向と平行な方向にレーザー光で切断されたフィルムであることが更に好ましい。
フィルムを切断する際のレーザー光としては、例えば、COレーザー光、及びYAGレーザー光が挙げられる。
フィルムの水蒸気透過率は、好ましくは5g/(m・24h)以下であり、より好ましくは4g/(m・24h)以下であり、更に好ましくは3g/(m・24h)以下であり、理想的には0g/(m・24h)であり、0g/(m・24h)以上としうる。フィルムの水蒸気透過率が、前記上限値以下であることにより、例えば湿度により影響を受けやすい部材の保護フィルムとしてフィルムを好適に用いうる。
水蒸気透過率は、JIS K7129 B法に従い、温度40℃、湿度90%RHの条件にて測定しうる。
フィルムの材料として、脂環式構造含有重合体を含む材料を用いることにより、水蒸気透過率を前記好ましい範囲としうる。
フィルムは、好ましくは波長380nmの紫外線透過率が5%以下であり、より好ましくは3%以下であり、更に好ましくは1%以下であり、理想的には0%であり、0%以上としうる。フィルムの波長380nmの紫外線透過率が前記上限値以下であることにより、例えば紫外線により影響を受けやすい部材の保護フィルムとしてフィルムを好適に用いうる。
例えば、フィルムの材料に少なくとも波長380nmの紫外線を吸収しうる紫外線吸収剤を含有させることにより、フィルムの波長380nmの紫外線透過率を前記好ましい範囲としうる。
[1.5.フィルムの材料]
フィルムを形成する材料は、通常重合体を含む。フィルムを形成する材料に含まれうる重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリフェニレンサルファイド等のポリアリーレンサルファイド;ポリビニルアルコール;ポリカーボネート;ポリアリレート;セルロースエステル重合体;ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリアリルサルホン(polyarylsulfone);ポリ塩化ビニル;ノルボルネン系重合体等の、脂環式構造含有重合体;棒状液晶ポリマー;ポリスチレン系重合体などが挙げられる。これらの重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、重合体は、単独重合体でもよく、共重合体でもよい。これらの中でも、機械特性、耐熱性、透明性、低吸湿性、寸法安定性及び軽量性に優れることから、脂環式構造含有重合体が好ましい。
脂環式構造含有重合体とは、その重合体の構造単位が脂環式構造を含有する重合体である。脂環式構造含有重合体は、主鎖に脂環式構造を有していてもよく、側鎖に脂環式構造を有していてもよく、主鎖及び側鎖に脂環式構造を有していてもよい。中でも、機械的強度及び耐熱性の観点から、主鎖に脂環式構造を含有する重合体が好ましい。
脂環式構造としては、例えば、飽和脂環式炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和脂環式炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などが挙げられる。中でも、機械強度及び耐熱性の観点から、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が特に好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、一つの脂環式構造あたり、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下の範囲である。脂環式構造を構成する炭素原子数をこの範囲にすることにより、脂環式構造含有重合体を含む樹脂の機械強度、耐熱性及び成形性が高度にバランスされる。
脂環式構造含有重合体における脂環式構造を有する構造単位の割合は、好ましくは55重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体における脂環式構造を有する構造単位の割合がこの範囲にあると、脂環式構造含有重合体を含む樹脂の透明性及び耐熱性が良好となる。
脂環式構造含有重合体としては、例えば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。これらの中でも、透明性及び成形性が良好であるので、ノルボルネン系重合体がより好ましい。
ノルボルネン系重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体及びその水素添加物;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体及びその水素添加物が挙げられる。また、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の開環単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の開環共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる任意の単量体との開環共重合体が挙げられる。更に、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の付加単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の付加共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる任意の単量体との付加共重合体が挙げられる。これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の水素添加物は、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性及び軽量性の観点から、特に好適である。
脂環式構造含有重合体の市販品の例としては、日本ゼオン社製のゼオネックス及びゼオノア(ノルボルネン系樹脂);住友ベークライト社製のスミライトFS−1700;JSR社製のアートン(変性ノルボルネン系樹脂);三井化学社製のアペル(環状オレフィン共重合体);Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体);及び、日立化成社製のオプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂);が挙げられる。
フィルムを形成する材料における脂環式構造含有重合体の含有率は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%以上であり、通常100重量%以下であり、99重量%以下としてもよい。
脂環式構造含有重合体の含有率が、前記下限値以上であることにより、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性及び軽量性などの、脂環式構造含有重合体の優れた特性を、フィルムに効果的に付与しうる。
フィルムが、複層構造を有する場合、フィルムを構成する各々のフィルムを形成する各々の材料が、脂環式構造含有重合体を前記好ましい含有率の範囲で含むことが好ましい。
フィルムを形成する材料は、好ましくは結晶性の脂環式構造含有重合体を含む。結晶性の脂環式構造含有重合体は、透明性、低吸湿性、寸法安定性及び軽量性に優れる。
ここで、結晶性の重合体とは、示差走査熱量計(DSC)で観測できる融点を有する重合体をいう。このような結晶性の重合体は、通常、分子鎖が規則正しく長距離秩序を持って配列する。また、非晶性の重合体とは、示差走査熱量計(DSC)で観測できる融点を有さない重合体をいう。非晶性の重合体は、通常、分子鎖が結晶のような長距離秩序を有さない。
示差走査熱量計による融点の測定は、例えば下記の条件により行いうる。
窒素雰囲気下で300℃に加熱した試料を液体窒素で急冷し、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分で昇温して試料の融点を求める。
結晶性の脂環式構造含有重合体の好ましい例としては、下記の重合体(α)〜重合体(δ)が挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れるフィルムが得られ易いことから、重合体(β)が特に好ましい。
重合体(α):環状オレフィン単量体の開環重合体であって、結晶性を有するもの。
重合体(β):重合体(α)の水素化物であって、結晶性を有するもの。
重合体(γ):環状オレフィン単量体の付加重合体であって、結晶性を有するもの。
重合体(δ):重合体(γ)の水素化物等であって、結晶性を有するもの。
より具体的には、結晶性の重合体としては、ジシクロペンタジエンの開環重合体であって結晶性を有するもの、及び、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物であって結晶性を有するものがより好ましく、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物であって結晶性を有するものが特に好ましい。ここで、ジシクロペンタジエンの開環重合体とは、全構造単位に対するジシクロペンタジエン由来の構造単位の割合が、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは100重量%の重合体をいう。
結晶性である脂環式構造含有重合体は、従前公知の方法により製造でき、例えば、特開2002−249553号公報に記載の方法により製造しうる。
フィルムを形成する材料は、前記重合体に加えて、任意の成分を含みうる。
任意の成分としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤;石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリアルキレンワックス等のワックス;ソルビトール系化合物、有機リン酸の金属塩、有機カルボン酸の金属塩、カオリン及びタルク等の核剤;ジアミノスチルベン誘導体、クマリン誘導体、アゾール系誘導体(例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、及びベンゾチアゾール誘導体)、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ナフタル酸誘導体、及びイミダゾロン誘導体等の蛍光増白剤;タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維等の無機充填材;顔料、染料等の着色剤;分散剤;熱安定剤;光安定剤;難燃剤;難燃助剤;帯電防止剤;酸化防止剤;可塑剤;レーザー光吸収剤;近赤外線吸収剤;紫外線吸収剤;界面活性剤;滑剤;フィラー;などが挙げられる。
また、任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
フィルムを形成する材料は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
紫外線吸収剤の例としては、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤等の有機紫外線吸収剤が挙げられる。中でも、波長380nm付近における紫外線吸収性能が優れているという点で、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。また、紫外線吸収剤としては、分子量は400以上であるものが好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤の例としては、1,3,5−トリアジン環を有する化合物を好ましく用いうる。トリアジン系紫外線吸収剤の具体例としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(へキシル)オキシ]−フェノール、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。また、トリアジン系紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、「チヌビン1577」(チバスペシャリティーケミカルズ社製)等を挙げることができる。
フィルムが複層構造である場合は、フィルムを構成するすべての層の材料に紫外線吸収剤が含まれていてもよく、一部の層の材料にのみ紫外線吸収剤が含まれていてもよい。
[1.6.フィルムの構成]
フィルムは、単層構造であってもよく、複層構造であってもよい。複層構造のフィルムの例としては、異種の重合体を含む2以上の層の積層体であるフィルム;同種の重合体を含むが各重合体の含有率が異なる2以上の層の積層体であるフィルム;及び、同種の重合体を含むが添加剤の種類及び/又は含有量が異なる2以上の層の積層体であるフィルム;が挙げられる。
複層構造のフィルムの更なる具体例としては、第1スキン層、コア層、及び第2スキン層をこの順で含み、コア層が、紫外線吸収剤を含むフィルムが挙げられる。第1スキン層、コア層、及び第2スキン層それぞれが含みうる重合体の例及び好ましい例は、前記[1.5.フィルムの材料]の項で説明した例及び好ましい例と同様としうる。
第1スキン層及び第2スキン層は、好ましくは同種の重合体を同一の含有率で含み、更に好ましくは同種の脂環式構造含有重合体を50重量%以上含む。コア層は、好ましくは、第1スキン層及び第2スキン層と同種の脂環式構造含有重合体を50重量%以上と紫外線吸収剤とを含む。
紫外線吸収剤の含有率は、紫外線吸収剤を含む層(例えば、コア層)を形成する材料において、例えば1重量%以上20重量%以下としうる。
[2.フィルムの製造方法]
前記フィルムは、任意の方法で製造しうる。好ましくは、フィルムの製造方法は、厚みが20μm以下であるカット前フィルムをレーザー光により切断して、厚みが20μm以下であり、弾性率が2000MPa以上であり、破断伸度が20%以上であるフィルムを得る工程を含む。
カット前フィルムを形成する材料の例及び好ましい例、カットフィルムの好ましい層構成については、前記[1.5.フィルムの材料]の項で説明した例及び好ましい例、前記[1.6.フィルムの構成]で説明した好ましい層構成とそれぞれ同様としうる。
レーザー光としては、任意の波長のレーザー光を用いうるが、赤外領域の波長を有するレーザー光が好ましい。赤外領域の波長を有するレーザー光を発するレーザー装置としては、COレーザーが挙げられる。
フィルムの製造方法は、前記工程に加えて、任意の工程を含んでいてもよい。任意の工程の例としては、レーザー光により切断されたフィルムを、搬送する工程、巻取ロールに巻き取る工程が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
[評価方法]
(融点)
熱可塑性樹脂の融点を、下記条件により測定した。
窒素雰囲気下で300℃に加熱した試料を液体窒素で急冷し、示差走査熱量計(ナノテクノロジー社製「DSC6220S11」)を用いて、10℃/分で昇温して試料の融点を求めた。
前記条件の測定において、融点を示す吸熱ピークが現れない熱可塑性樹脂は、非晶性であると判断した。
(フィルム厚み)
フィルムの厚みを、接触式膜厚計(ミツトヨ社製「デジマチック シックネスゲージ」)により測定した。
(弾性率)
フィルムの弾性率を、JIS K7161に準じて下記の方法により測定した。
JIS K7161に準じたダンベル形の試験片を、フィルムから各実施例及び比較例に記載した方法で切り出して作製した。試験温度25℃±1℃において、引張試験器(インストロンジャパン社製「恒温恒湿槽付き引張試験機」)で試験片を延伸して応力及び歪みを計測し、弾性率を算出した。
(破断伸度)
フィルムの破断伸度を、JIS K7161に準じて下記の方法により測定した。
試験温度25℃±1℃において、引張試験機で試験片を延伸し、破断したときの伸び量ΔLを測定して、初期長さL0とΔLとから、前記破断伸度の算出式により破断伸度を算出した。
(クラック)
長尺であるロール状フィルムサンプルから任意の長さでフィルム片を切り出した。フィルム片の幅方向における端部を、幅0.5mm長さ1mmに亘って、光学顕微鏡により観察した。観察したフィルムの端部において、長さ30μm以上のクラックがフィルムの端部1mmあたり1本以上存在する場合は、「クラック有」と判定し、長さ30μm以上のクラックがフィルムの端部1mmあたり存在しない場合は、「クラック無」と判定した。
(水蒸気透過率)
フィルムの水蒸気透過率を、JIS K7129 B法に従い、温度40℃、湿度90%RHの条件にて測定した。測定装置として、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製「PERMATRAN−W」)を用いた。
(紫外線透過率)
フィルムの波長380nmの紫外線透過率を、JIS K0115(吸光光度分析通則)に準拠して測定した。測定装置として、分光光度計(日本分光社製「紫外可視近赤外分光光度計V−570」)を用いた。
(搬送性)
長尺である、ロール状のフィルムサンプルを、搬送装置にセットし、フィルムサンプルを搬送速度10m/minで30分間搬送した。搬送装置は、10本のフリーロールと、2本のニップロールを備えている。30分間のフィルムサンプルの搬送中に、フィルムサンプルの破断又は折れ曲がりが発生しなかった場合に、搬送性が良と判定し、フィルムサンプルの破断又は折れ曲がりが一度以上発生した場合に、搬送性が不良と判定した。
[製造例1]
(熱可塑性樹脂Kの製造)
金属製の耐圧反応器を、充分に乾燥した後、窒素置換した。この金属製耐圧反応器に、シクロヘキサン154.5部、ジシクロペンタジエン(エンド体含有率99%以上)の濃度70%シクロヘキサン溶液42.8部(ジシクロペンタジエンの量として30部)、及び1−ヘキセン1.9部を加え、53℃に加温した。
テトラクロロタングステンフェニルイミド(テトラヒドロフラン)錯体0.014部を0.70部のトルエンに溶解し、溶液を調製した。この溶液に、濃度19%のジエチルアルミニウムエトキシド/n−ヘキサン溶液0.061部を加えて10分間攪拌して、触媒溶液を調製した。
この触媒溶液を耐圧反応器に加えて、開環重合反応を開始した。その後、53℃を保ちながら4時間反応させて、ジシクロペンタジエンの開環重合体の溶液を得た。
得られたジシクロペンタジエンの開環重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、それぞれ、8,750および28,100であり、これらから求められる分子量分布(Mw/Mn)は3.21であった。
得られたジシクロペンタジエンの開環重合体の溶液200部に、停止剤として1,2−エタンジオール0.037部を加えて、60℃に加温し、1時間攪拌して重合反応を停止させた。ここに、ハイドロタルサイト様化合物(協和化学工業社製「キョーワード(登録商標)2000」)を1部加えて、60℃に加温し、1時間攪拌した。その後、濾過助剤(昭和化学工業社製「ラヂオライト(登録商標)#1500」)を0.4部加え、PPプリーツカートリッジフィルター(ADVANTEC東洋社製「TCP−HX」)を用いて吸着剤と溶液を濾別した。
濾過後のジシクロペンタジエンの開環重合体の溶液200部(重合体量30部)に、シクロヘキサン100部を加え、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.0043部を添加して、水素圧6MPa、180℃で4時間水素化反応を行なった。これにより、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物を含む反応液が得られた。この反応液は、水素添加物が析出してスラリー溶液となっていた。
前記の反応液に含まれる水素添加物と溶液とを、遠心分離器を用いて分離し、60℃で24時間減圧乾燥して、結晶性を有するジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物を28.5部得た。この水素添加物の水素添加率は99%以上、ガラス転移温度Tgは93℃、融点(Tm)は262℃、ラセモ・ダイアッドの割合は89%であった。
得られたジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物100部に、酸化防止剤(テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン;BASFジャパン社製「イルガノックス(登録商標)1010」)1.1部を混合して熱可塑性樹脂Kを得て、次いで内径3mmΦのダイ穴を4つ備えた二軸押出し機(製品名「TEM−37B」、東芝機械社製)に投入し、熱溶融押出し成形によりストランド状の成形体にした後、ストランドカッターにて細断し、ペレット形状である、熱可塑性樹脂Kの熱溶融押出し成形体を得た。熱可塑性樹脂Kの融点は、265℃であった。
二軸押出し機の運転条件を、以下に箇条書きで記す。
・バレル設定温度=270〜280℃
・ダイ設定温度=250℃
・スクリュー回転数=145rpm
・フイーダー回転数=50rpm
[実施例1]
製造例1で製造した結晶性の脂環式構造含有重合体を含む熱可塑性樹脂K(融点265℃)、樹脂中の紫外線吸収剤濃度が0重量%であり、結晶性の脂環式構造含有重合体を樹脂中99重量%含む。)を、溶融押出機に導入して溶融し、溶融状態の熱可塑性樹脂Kを、約700mm幅のダイスよりキャストロール上にフィルム状に押し出し、冷却ロールで冷却し、カット前フィルムを得た。冷却ロールの速度は、カット前フィルムの厚みが20μmになるように調整した。
得られたカット前フィルムの幅方向両端部を、フィルムの搬送方向と平行に赤外線レーザー光照射機により切り落とし、幅約400mmのカットフィルムを得た。切断は、レーザー光をフィルムの表面より照射することにより行われた。得られたカットフィルムを、レーザー光照射機の下流に設けた巻取りロールにより巻き取り、約300m長さの長尺である、ロール状のフィルムサンプルを得た。得られたフィルムサンプルの搬送性を、前記の方法により評価した。
また、得られたフィルムサンプルから、フィルム片を切り出して、クラックの本数、水蒸気透過率、及び紫外線透過率を前記の方法により評価した。
更に、得られたフィルムサンプルから、赤外線レーザー光照射機によりJIS K7161に準じたダンベル形の試験片を切り出して、弾性率及び破断伸度を前記の方法により測定した。
評価結果を表1に示す。
[実施例2]
カット前フィルムの厚みを10μmとした以外は実施例1と同様にして、カット前フィルムを製造した。厚みの変更は、冷却ロールの速度を調整することにより行われた。得られたカット前フィルムを用いて実施例1と同様にしてフィルムサンプルを得て、実施例1と同様の方法により、搬送性、クラックの本数、水蒸気透過率、紫外線透過率、弾性率、及び破断伸度を評価した。
評価結果を表1に示す。
[実施例3]
前記の熱可塑性樹脂K85重量部と、紫外線吸収剤15重量部(ADEKA社製「LA−31」)とを押出機に投入して溶融混合し、押出機から押出して、紫外線吸収剤を15重量%含む熱可塑性樹脂K’を得た。
第1スキン層形成用の熱可塑性樹脂K、コア層形成用の熱可塑性樹脂K’、及び第2スキン層形成用の熱可塑性樹脂Kを、それぞれ押出機に供給して溶融し、溶融した各樹脂をマルチマニホールドダイに供給し、マルチマニホールドダイからキャスト上に共押し出しした。マルチマニホールドダイへの各樹脂の供給は、第1スキン層である熱可塑性樹脂Kの層、コア層である熱可塑性樹脂K’の層、及び、第2スキン層である熱可塑性樹脂Kの層の、3層を含むフィルム状に吐出されるように行った。共押し出しの際、各層の厚みを、押出機のフィーダーからの送り出し量を調整することにより調整した。
キャスト上に共押し出しされたフィルムを冷却ロールで冷却し、カット前フィルムを得た。冷却ロールの速度は、カット前フィルムの厚みが15μmになるように調整した。カット前フィルムにおいて、コア層は10μmであり、第1スキン層及び第2スキン層はそれぞれ2.5μmであった。
得られたカット前フィルムを用いて、実施例1と同様にしてフィルムサンプルを得て、実施例1と同様の方法により、搬送性、クラックの本数、水蒸気透過率、紫外線透過率、弾性率、及び破断伸度を評価した。
評価結果を表1に示す。
[実施例4]
熱可塑性樹脂Kを、非晶性の脂環式構造含有重合体を含む熱可塑性樹脂H(日本ゼオン社製「ZEONOR1430」、ガラス転移温度135℃)に変更した以外は実施例1と同様にして、カット前フィルムを製造した。得られたカット前フィルムを用いて実施例1と同様にしてフィルムサンプルを得て、実施例1と同様の方法により、搬送性、クラックの本数、水蒸気透過率、紫外線透過率、弾性率、及び破断伸度を評価した。
評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様にしてカット前フィルムを製造した。
得られたカット前フィルムの幅方向両端部を、フィルムの搬送方向と平行に金属刃を有するカッターにより切り落とし、幅約400mmのカットフィルムを得た。得られたカットフィルムを、カッターの下流に設けた巻取りロールにより巻き取り、約300m長さの長尺である、ロール状のフィルムサンプルを得た。得られたフィルムサンプルの搬送性を、前記の方法により評価した。
また、得られたフィルムサンプルから、任意の長さでフィルム片を切り出して、クラックの本数、水蒸気透過率、及び紫外線透過率を前記の方法により評価した。
更に、得られたフィルムサンプルから、ダンベル形の打ち抜き刃により、JIS K7161に準じたダンベル形の試験片を切り出して、弾性率及び破断伸度を前記の方法により測定した。
評価結果を表2に示す。
[比較例2]
カット前フィルムの厚みを10μmとした以外は実施例1と同様にして、カット前フィルムを製造した。厚みの変更は、冷却ロールの速度を調整することにより行われた。得られたカット前フィルムを用いて比較例1と同様にしてフィルムサンプルを得て、比較例1と同様の方法により、搬送性、クラックの本数、水蒸気透過率、紫外線透過率、弾性率、及び破断伸度を評価した。
評価結果を表2に示す。
[比較例3]
熱可塑性樹脂Kを、前記の熱可塑性樹脂Hに変更した以外は実施例1と同様にして、カット前フィルムを製造した。得られたカット前フィルムを用いて比較例1と同様にしてフィルムサンプルを得て、比較例1と同様の方法により、搬送性、クラックの本数、水蒸気透過率、紫外線透過率、弾性率、及び破断伸度を評価した。
評価結果を表2に示す。
[比較例4]
熱可塑性樹脂Kを、熱可塑性樹脂PMMA(ポリメチルメタクリレート、旭化成社製「デルペット80NH」)に変更した以外は実施例1と同様にして、カット前フィルムを製造した。得られたカット前フィルムを用いて比較例1と同様にしてフィルムサンプルを得て、比較例1と同様の方法により、搬送性、クラックの本数、水蒸気透過率、紫外線透過率、弾性率、及び破断伸度を評価した。
評価結果を表2に示す。
[比較例5]
熱可塑性樹脂Kを、前記の熱可塑性樹脂PMMAに変更した以外は実施例1と同様にして、カット前フィルムを製造した。得られたカット前フィルムを用いて実施例1と同様にしてフィルムサンプルを得て、実施例1と同様の方法により、搬送性、クラックの本数、水蒸気透過率、紫外線透過率、弾性率、及び破断伸度を評価した。
評価結果を表3に示す。
[比較例6]
熱可塑性樹脂Kを、熱可塑性樹脂PE(ポリエチレン、日本ポリエチレン社製「ノバテックUF421」に変更した以外は実施例1と同様にして、カット前フィルムを製造した。得られたカット前フィルムを用いて実施例1と同様にしてフィルムサンプルを得て、実施例1と同様の方法により、搬送性、クラックの本数、水蒸気透過率、紫外線透過率、弾性率、及び破断伸度を評価した。
評価結果を表3に示す。
下記表中の略号は、下記の意味を表す。
K:結晶性の脂環式構造含有重合体を含む熱可塑性樹脂
K’:結晶性の脂環式構造含有重合体及び紫外線吸収剤を含む熱可塑性樹脂
H:非晶性の脂環式構造含有重合体を含む熱可塑性樹脂
PMMA:ポリメチルメタクリレート
PE:ポリエチレン
フィルムのカット:カット前フィルムの切断手段
Figure 2020045138
Figure 2020045138
Figure 2020045138
以上の結果によれば、以下が分かる。
弾性率が2000MPa以上であり、破断伸度が20%以上であり、クラックが1本未満である実施例1〜4に係るフィルムは、搬送性が良好であることが分かる。
また、カット前フィルムをレーザー光により切断して得られた実施例1〜4に係るフィルムは、弾性率が2000MPa以上であり、破断伸度が20%以上であり、クラックが1本未満であって、搬送性が良好であることが分かる。
一方、弾性率が2000MPa未満である比較例6に係るフィルム、破断伸度が20%未満である比較例1〜5に係るフィルムは、搬送性が不良であることが分かる。
また、クラックが1本以上である比較例1〜4に係るフィルムは、搬送性が不良であることがわかる。
前記結果は、本発明により、搬送性に優れたフィルムを提供できることを示す。
100 フィルム
110 端部
120 端
130 クラック
LD 長さ方向

Claims (9)

  1. 厚みが20μm以下であり、弾性率が2000MPa以上であり、破断伸度が20%以上であるフィルム。
  2. 前記フィルムの端部において、長さ30μm以上であるクラックが、前記端部の長さ1mmあたり1本未満である、請求項1に記載のフィルム。
  3. 水蒸気透過率が、5g/(m・24h)以下である、請求項1又は2に記載のフィルム。
  4. 波長380nmの紫外線透過率が5%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム。
  5. 脂環式構造含有重合体を50重量%以上含む材料で形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム。
  6. 前記脂環式構造含有重合体が結晶性である、請求項5に記載のフィルム。
  7. 長尺である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルム。
  8. レーザー光により切断されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルム。
  9. 厚みが20μm以下であるカット前フィルムをレーザー光により切断して、厚みが20μm以下であり、弾性率が2000MPa以上であり、破断伸度が20%以上であるフィルムを得る工程を含む、フィルムの製造方法。
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