JP2016053603A - 積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法及びそれから得られる偏光板保護フィルム - Google Patents

積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法及びそれから得られる偏光板保護フィルム Download PDF

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陽 宮下
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Abstract

【課題】薄く、光学異方性が非常に小さく、透明性、機械強度に優れたフィルムを生産性よく製造する方法、その方法で得られた偏光板フィルム、並びにそれを用いて作製される偏光板の提供。【解決手段】それぞれ主成分を異とする(I)層と(II)層とを、(II)層が口金と接する面に存在するように共押出することを特徴とし、(I)層と(II)層とが剥離可能であり、(II)層を剥離したあとの(I)層が膜厚50μm以下、かつ、面内位相差(RO)及び厚み位相差(Rth)が10nm以下であることを特徴とする、積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、光学特性に優れたフィルムの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは液晶ディスプレイに使用される偏光板を保護する部材として好適に用いることのできるフィルム、及び、それを用いて作製される偏光板、液晶表示装置に関するものである。
近年、液晶ディスプレイが、テレビ、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の表示装置として広く用いられている。液晶ディスプレイは、表示側を前面側、その反対側(バックライト側)を後面側とするとき、前面側偏光板//液晶//後面側偏光板の構成を有する。偏光板は通常、染色一軸延伸されたポリビニルアルコール膜の偏光膜に、保護フィルム等を貼り合わせた構成である(保護フィルム/偏光膜/保護フィルム)。前面側偏光板を構成する偏光膜の前面側および後面側に配置する保護フィルムをそれぞれ保護フィルムA、保護フィルムBとし、後面側偏光板を構成する偏光膜の前面側および後面側に配置する保護フィルムをそれぞれ保護フィルムC、保護フィルムDとすると、全体的な構成は、前面側から、保護フィルムA/前面側偏光膜/保護フィルムB//液晶//保護フィルムC/後面側偏光膜/保護フィルムDとなる。
この偏光板の保護フィルムは、光学異方性が小さいこと、透明性が高いこと、防湿性や耐熱性、機械的強度に優れていること、異物の付着が少ないこと等が要求される。保護フィルムとしては、高い透明性や光学等方性を有することから、溶液流延法で作製されたトリアセチルセルロースフィルム(以下、TACフィルムと略記することがある)が多く使用されている。
しかし、溶液流延法で作製されたTACフィルムは、光学異方性は小さいが、生産性に劣る、フィルム内に残留する溶剤が揮発し、液晶表示装置内の電子回路や他の部品に悪影響を与えるなどの問題があった。
そこで、近年、偏光板保護フィルムとして、溶液流延法によるフィルムに代えて、熱可塑性樹脂の溶融押出法によるフィルムが検討されている。例えば、特許文献1では、熱可塑性樹脂としてアクリル系樹脂を用いて、偏光板保護フィルム等に使用可能な光学フィルムを製造している。しかし、このような製造方法では、製膜時や巻き取り時に異物がフィルムに付着しやすく、クリーン度の非常に高い環境で製膜する必要があり、製造設備が限られるという課題があった。また、偏光板の軽量化・薄膜化のために、偏光板保護フィルムの薄膜化が求められるが、このような製造方法で、例えば50μm以下程度の薄いフィルムを作製すると、口金の内壁からのせん断応力や、ドロー比(口金のリップギャップとフィルム膜厚との比)が大きいことなどによりフィルムに歪みがかかりやすく、光学異方性の小さなフィルムを製造することが困難であった。また、このような製造方法では、特に薄膜化したときに、フィルムの巻き取り時にシワが入りやすい、破断しやすいという課題があり、生産性に劣るものであった。
一方、光学異方性を小さくする手段として、特許文献2では、熱可塑性樹脂Aを、これに非接着性の熱可塑性樹脂Bで両面が被覆された状態で共押出し、その後、熱可塑性樹脂A層を剥離することで、せん断応力による歪みが小さく、光学異方性の小さなフィルムを製造することが開示されている。またこの方法では、クリーン度が低い環境でも、熱可塑性樹脂A層への異物の付着が抑制でき、かつ、熱可塑性樹脂A層を薄膜化しても、熱可塑性樹脂B層と共押出しているため、巻き取り時にフィルムにシワが入りにくく、また破断もしにくい。
特開2014−98133号公報 特公平5−71374号公報
特許文献2に開示されている方法では、剥離される熱可塑性樹脂Aの原料について、「容易に剥離でき」、「押出し温度が(熱可塑性樹脂Bと)近い」ものがよいと記載されているのみであり、薄く、光学歪みの小さいフィルムを得るための製造方法としては、不十分であった。特に、膜厚50μm以下で、フィルムの面内位相差(R)および厚み位相差(Rth)が10nm以下のような、光学歪みの非常に小さいフィルムを得るには、特許文献2で開示されている技術だけでは、不十分であった。
本発明の課題は、上記した従来技術の問題点に鑑み、薄く、光学異方性が非常に小さく、透明性、機械強度に優れたフィルムを生産性よく製造する方法を提供すること、さらにはその方法で得られた積層熱可塑性樹脂フィルム、偏光板保護フィルム、およびそれを用いて作製された偏光板、又は、液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の樹脂を主成分とする(I)層と(II)層とを特定の条件で共押出することで、薄膜かつ光学歪みが非常に小さく、透明性、機械強度に優れたフィルムを、生産性よく製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記(I)層と下記(II)層とを、(II)層は口金と接する面に存在するように共押出し、(I)層と(II)層とが剥離可能であり、(II)層を剥離したあとの(I)層が膜厚50μm以下かつ面内位相差(R)及び厚み位相差(Rth)が10nm以下であることを特徴とする、積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法が提供される。
(I)層:非晶性熱可塑性樹脂(i)を主成分とする層
(II)層:結晶性熱可塑性樹脂(ii)を主成分とする層
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記非晶性熱可塑性樹脂(i)及び結晶性熱可塑性樹脂(ii)が下記の条件(A)を満たすことを特徴とする積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法が提供される。
条件(A):非晶性熱可塑性樹脂(i)のガラス転移温度−結晶性熱可塑性樹脂(ii)の結晶化温度≦60℃
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記(I)層と(II)層を下記の条件(B)を満たすように共押出することを特徴とする積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法が提供される。
条件(B):口金のリップギャップ/積層熱可塑性樹脂フィルムの総膜厚≦19
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記非晶性熱可塑性樹脂(i)が、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とする積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法が提供される。
Figure 2016053603
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記結晶性熱可塑性樹脂(ii)が、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第4又は5の発明において、非晶性熱可塑性樹脂(i)がさらに、下記式(2)で表されるトリシクロデカンジメタノールに由来する構造単位を含有する積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法が提供される。
Figure 2016053603
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明に係る製造方法により得られる積層熱可塑性樹脂フィルムが提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明に係る製造方法により得られる積層熱可塑性樹脂フィルムから、前記(II)層を少なくとも1層以上剥離してなる偏光板保護フィルムが提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第7又は8の発明に係るフィルムを用いて作製された偏光板が提供される。
さらに、本発明の第10の発明によれば、第9の発明に係る偏光板が設けられた液晶表示装置が提供される。
本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を用いることにより、薄く、光学異方性が非常に小さく、透明性、機械強度に優れたフィルムを生産性よく製造することができる。このフィルムの用途としては、光学フィルム、特に、軽量・薄膜な偏光板用の保護フィルムが好適に挙げられる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
1.(I)層
本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法で使用される(I)層は、非晶性可塑性樹脂(i)を主成分とする。ここで主成分とは、層中の成分として、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含むことをいう。(I)層は、単層でも、積層構成であってもよい。
非晶性熱可塑性樹脂(i)としては、透明性の観点から、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂等が挙げられる。本発明においては高透明性、高強度、高耐熱性、高耐候性等の点より以下に説明するポリカーボネートが特に好ましい。
本発明の非晶性熱可塑性樹脂(i)に用いるポリカーボネート樹脂としては、構造の一部に下記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂が好ましい。
Figure 2016053603
より具体的には、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物としては、例えば、立体異性体の関係にある、イソソルビド、イソマンニドおよびイソイデットが挙げられる。
前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物は、生物起源物質を原料として糖質から製造可能なエーテルジオールである。とりわけ、イソソルビドは、澱粉から得られるD−グルコースを水添してから脱水することにより安価に製造可能であって、資源として豊富に入手することが可能である。これら事情により、イソソルビドが最も好ましい。
非晶性熱可塑性樹脂(i)に用いるポリカーボネート樹脂は、前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位以外の構造単位を、更に含んでいてもよい。前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位以外の構造単位を更に含むことで、加工容易性および耐衝撃性を改良することが可能となる。
前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位以外の構造単位のなかでも、芳香族環を有さないジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が好ましく用いられる。
より具体的に例えば、国際公開第2004/111106号に記載の脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位および国際公開第2007/148604号に記載の脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を挙げることができる。
前記脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の中でも、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールから選ばれる少なくとも1種のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むことが好ましい。
前記脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の中でも、5員環構造又は6員環構造を含むものであることが好ましい。6員環構造は共有結合によって椅子形又は舟形に固定されていてもよい。
5員環構造又は6員環構造である脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むことにより、得られるポリカーボネートの耐熱性を高くすることができる。
脂環式ジヒドロキシ化合物に含まれる炭素原子数は通常70以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましく、30以下であることがさらに好ましい。
前記5員環構造又は6員環構造を含む脂環式ジヒドロキシ化合物としては、上述の国際公開第2007/148604号に記載のものを挙げることができる。
中でも、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール及びペンタシクロペンタデカンジメタノールを好適に例示することができる。これらの中でも、シクロヘキサンジメタノール又はトリシクロデカンジメタノールが経済性および耐熱性などからより好ましい。特に、下記式(2)で表されるトリシクロデカンジメタノールに由来する構造単位を含有することが、経済性や耐熱性および、光学特性とのバランスの点で、最も好ましい。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2016053603
前記ポリカーボネート樹脂の、構造の一部に前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の含有割合としては、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であって、また、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下であればよい。
また構造の一部に前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位とのモル比率は、95:5〜30:70であることが好ましく、80:20〜40:60であることが更に好ましい。モル比率がこの範囲であれば、ガラス転移温度の維持による耐熱性の向上が可能となるため好ましい。
このような範囲とすることによって、カーボネート構造に由来する着色、生物起源物質を原料に用いる故に微量に含有する不純物に由来する着色等を抑制することができ、通常(I)層に要求される透明さを損なわない可能性がある。また、構造の一部に前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位のみで構成されるポリカーボネート樹脂等では達成が困難な、適当な成形加工性、機械強度および耐熱性等のバランスを取ることができる。
前記ポリカーボネート樹脂は、構造の一部に前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、更に脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位及び/又は脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位とからなることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲で、更にそれら以外のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が含まれていてもよい。
前記ポリカーボネート樹脂は、一般に用いられる重合方法で製造することができ、ホスゲン法または炭酸ジエステルと反応させるエステル交換法のいずれでもよい。なかでも、重合触媒の存在下に、構造の一部に前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物と、脂肪族及び/又は脂環式ジヒドロキシ化合物と、必要に応じて用いられるその他のジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを反応させるエステル交換法が好ましい。
エステル交換法は、構造の一部に前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物と、脂肪族及び/又は脂環式ジヒドロキシ化合物と、必要に応じて用いられるその他のジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを塩基性触媒、さらにはこの塩基性触媒を中和する酸性物質を添加し、エステル交換反応を行う製造方法である。
炭酸ジエステルの代表例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーネート、ビス(ビフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネートおよびジシクロヘキシルカーボネートなどが挙げられる。これらのうち、特にジフェニルカーボネートが好ましく用いられる。
このようにして得られた本発明で用いるポリカーボネート樹脂の分子量は、還元粘度で表すことができ、還元粘度の下限は、0.20dl/g以上が好ましく、0.30dL/g以上がより好ましく、0.35dL/g以上が更に好ましく、還元粘度の上限は、1.20dL/g以下が好ましく、1.00dL/g以下がより好ましく、0.80dL/g以下が更に好ましい。
ポリカーボネート樹脂の還元粘度が低すぎると成形品の機械的強度が小さい可能性があり、大きすぎると、成形する際の流動性が低下し、生産性や成形性を低下させる傾向がある。
なお、ポリカーボネート樹脂の還元粘度は、中央理化社製DT−504型自動粘度計にてウベローデ型粘度計を用い、溶媒として塩化メチレンを用い、ポリカーボネート濃度が0.60g/dlになるように精密に調整した後に、温度20.0℃±0.1℃で、下記に基づき測定する。
溶媒の通過時間t、溶液の通過時間tから、下記式:
ηrel=t/t
より相対粘度ηrelを求め、 相対粘度ηrelから、下記式:
ηsp=(η−η)/η=ηrel−1
より比粘度ηspを求める。
比粘度ηspを濃度c(g/dl)で割って、下記式:
ηred=ηsp/c
より還元粘度(換算粘度)ηredを求める。
(I)層には、紫外線吸収剤を添加してもよい。(I)層に添加する紫外線吸収剤としては、公知のもの、例えば各種市販のものを特に制限なく使用できる。中でも、公知の芳香族ポリカーボネート樹脂への添加に通常用いられるものを好適に用いることができる。
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールおよび2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)等のベンゾオキサジン系紫外線吸収剤;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノール等のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、を挙げることができる。
紫外線吸収剤の融点としては、特に120℃〜250℃の範囲にあるものが好ましい。融点が120℃以上の紫外線吸収剤を使用することにより、紫外線吸収剤が時間経過とともに成形品表面に凝集するブリードアウト現象により成形体表面が汚れたり、口金や金属ロールを用いて成形する場合には、ブリードアウトによりそれらが汚れたりすることを防止し、成形品表面の曇りを減少させ改善することが容易になる。
より具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]フェノールおよび2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、並びに2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノール等のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を好ましく使用できる。
これらの中でも、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノールが特に好ましい。これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記紫外線吸収剤の添加量は、本発明で用いる非晶性熱可塑性樹脂(i)100重量部に対して、0.0001重量部以上、5重量部以下の割合で添加することが好ましく、0.0005重量部以上、4重量部以下の割合で添加することがより好ましく、0.001重量部以上、3重量部以下の割合で添加することがさらに好ましい。
かかる範囲で紫外線吸収剤を添加することにより、(I)層表面への紫外線吸収剤のブリードや(I)層の機械特性低下を生じることなく、本発明の樹脂シート被覆金属積層体の耐候性を向上することができる。
(I)層には紫外線吸収剤以外の添加成分として、各種添加剤を適宜な量添加してもよい。
(I)層の膜厚は、偏光板の薄膜化の観点から、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。また、機械強度の観点から、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上が更に好ましい。
2.(II)層
本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法で使用される(II)層に使用される樹脂組成物の主成分に関しては、(I)層と剥離可能という観点のみでは、非晶性/結晶性樹脂どちらを主成分としてもかまわないが、後述する積層熱可塑性樹脂フィルムの強度やハンドリング性を良好にする観点から、結晶性熱可塑性樹脂(ii)を主成分とすることが好ましい。結晶性熱可塑性樹脂の中でもコストや剥離性、後述する積層熱可塑性樹脂フィルムのハンドリング性等の観点からポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン、又はポリエチレンであることが好ましい。また(II)層に使用される樹脂組成物については、1種の樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。また(II)層は、単層であっても、積層であってもよい。
また、本発明に用いられる結晶性熱可塑性樹脂(ii)としてポリプロピレン又はポリエチレンを選んだ場合のMFRは、特に制限されるものではないが、通常0.5〜50g/10分であることが好ましく、1.0〜40g/10分であることがより好ましく、2.0〜30g/分であることがさらに好ましい。MFRが該範囲であれば、(II)層が(I)層上に均一に展開できるため好ましい。なお、MFRは、JIS K7210に従い、ポリプロピレンの場合は温度230℃、荷重21.18Nの条件で、ポリエチレンの場合は温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定したものである。
本発明の結晶性熱可塑性樹脂(ii)として用いられるポリオレフィン系樹脂の製造方法は特に限定されず、公知のオレフィン系重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒や、メタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒などを用いた重合方法が挙げられる。
また、本発明に用いられる結晶性熱可塑性樹脂(ii)の融点は、特に制限されないが、後述する積層熱可塑性樹脂フィルムのブロッキング防止や、後述する条件(A)を満たしやすくする観点から、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。また、上限は特に制限されないが、通常180℃程度である。なお、融点は、実施例に記載の方法で測定される。
また、本発明に用いられる結晶性熱可塑性樹脂(ii)の25℃、周波数10Hzで測定される貯蔵弾性率E’は、特に制限されないが、後述する積層熱可塑性樹脂フィルムのブロッキング防止や、(II)層の剥離のしやすさ(伸びにくさ)の観点から、50MPa以上が好ましく、100MPa以上がより好ましく、500MPa以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、3000MPa程度である。
(II)層には添加成分として、各種添加剤を適宜な量添加してもよい。添加剤の例としては、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、核剤等が挙げられる。
(II)層の膜厚は、機械強度やハンドリング性の観点から、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。コストの観点から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。
本発明において(I)層と(II)層との剥離は、通常の操作で(過剰な力をかけることなく)、かつ、(I)層および(II)層を破壊することなく、これらの層を剥離できることが好ましい。より具体的には、(I)層と(II)層との剥離強度は、(I)層と(II)層とが自然に剥離しない限り、できる限り小さいほうが好ましい。具体的には剥離強度の上限は、好ましくは5N/cm 以下であり、さらに好ましくは3N/cm以下であり、最も好ましくは1N/cm以下である。このような範囲であれば、過剰な力や操作を要することなく、(I)層と(II)層とを容易に剥離できる。一方、剥離強度の下限は、好ましくは0.1N/cm以上である。このような範囲であれば、(I)層と(II)層とが良好に積層状態を維持し得るので、自然剥離によって操作が中断されるおそれがきわめて小さい。
3.積層熱可塑性樹脂フィルム
本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムの積層構造は、少なくとも(II)層が、口金と接する面に存在すればその層構成は特に制限されず、(II)層/(I)層あるいは、(II)層/(I)層/(II)層のような構成が挙げられる。特に、得られる積層熱可塑性樹脂フィルムの強度やカールのしにくさ、フィルムへの歪みのかかりにくさの等の観点から、(II)層/(I)層/(II)層の構成が好ましく例示される。また、この場合、(I)層の一方の面に積層される(II)層と、他方の面に積層される(II)層は、含有される樹脂やその比率、添加剤等の構成が全く同じでもよいし、異なっていてもよい。
本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムの積層比は、後述する条件Bを満足すれば特に制限されないが、積層熱可塑性樹脂フィルムの強度や、フィルムへの歪みのかかりにくさの観点から、(II)層と(I)層それぞれ1層あたりの比率((II)層/(I)層)が、0.5/1以上であることが好ましく、0.7/1以上がより好ましく、0.9/1以上がさらに好ましい。また、生産性やコストの観点から、10/1以下が好ましく、5/1以下がより好ましく、3/1以下がさらに好ましい。また、本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムが(II)層/(I)層/(II)層のような構成の場合、(I)層の一方の面に積層される(II)層と、他方の面に積層される(II)層の膜厚は、同じであっても、異なっていてもよい。
本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムの総膜厚は、特に制限されないが、前述した(I)層や(II)層の膜厚および膜厚比を満足しやすくする観点から、30μm〜200μmが好ましく、40μm〜150μmがより好ましい。
4.積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムは、(I)層と(II)層とを共押出することにより作製される。共押出としては、フィードブロック法や、マルチマニホールド法等の、任意の適切な方法が採用され得る。フィードブロック法の具体的な手順の一例は以下の通りである: まず、2台の押出機と共押出用のTダイとを、フィードブロック等を介して接続する。押出機の形式としては、任意の適切な形式が採用され得る。例えば、単軸スクリュータイプの押出機を用いてもよく、2軸スクリュータイプの押出機を用いてもよい。一方の押出機に(I)層に使用する樹脂を供給し、溶融混練する。同様に、他方の押出機に(II)層に使用する樹脂を供給し、溶融混練する。押出機の設定温度(溶融温度)、混練時間、スクリュー速度等は、使用される樹脂の種類等に応じて適宜設定され得る。例えば、前述したポリカーボネート樹脂の溶融温度は、代表的には200〜300℃であり、好ましくは220〜260℃である。また例えば、前述したポリプロピレンやポリエチレンの溶融温度は、代表的には100〜300℃であり、好ましくは150〜260℃である。必要に応じて、使用する樹脂に任意の適切な添加剤(例えば、可塑剤、酸化防止剤、加工助剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤)が添加され得る。次に、押出機にて溶融された(I)層および(II)層に使用する樹脂を、それぞれの溶融樹脂供給路からフィードブロックを介してTダイに供給する。このとき、前述したとおり、(II)層は、必ずTダイと接する面に供給する。Tダイの温度もまた、使用される(I)層および(II)層に使用する樹脂の種類等に応じて適宜設定され得る。前述したポリカーボネート樹脂およびポリエチレン、ポリプロピレンを用いた場合、Tダイ温度は、代表的には200〜300℃であり、好ましくは240〜260℃である。Tダイにおいて(I)層および(II)層に使用する樹脂を積層しながら押し出し、冷却(例えば、水冷)して引き取ることにより、(I)層および(II)層を有する積層熱可塑性樹脂フィルムが得られる。(I)層および(II)層の厚みは、フィードブロックの分割比や、押出量等を調整することにより、適切に制御され得る。
本発明のフィルムの製造方法においては、以下に述べる条件AおよびBを満たすことが望ましい。
条件A:非晶性熱可塑性樹脂(i)のガラス転移温度−結晶性熱可塑性樹脂(ii)の結晶化温度≦60℃
上記範囲であることで、結果として本発明の目的である光学異方性が非常に小さいフィルムが得られる。その原理については定かではないが、後述する積層熱可塑性樹脂フィルム製造の際、口金から押し出された直後の溶融状態から、(II)層がなるべく早く結晶化によって固定された方が、フィルムの引き落としや、引き取りなどにより(I)層にかかる歪みが低減され、光学的に等方性になりやすいと考えられる。「非晶性熱可塑性樹脂(i)のガラス転移温度−結晶性熱可塑性樹脂(ii)の結晶化温度」は、60℃以下であるが、50℃以下がより好ましく、40℃以下がさらに好ましい。
結晶性熱可塑性樹脂(ii)の結晶化温度は、非晶性熱可塑性樹脂(i)のガラス転移温度を超えてもよいが、あまり大きくなると結晶性熱可塑性樹脂(ii)の融点が高くなり、非晶性熱可塑性樹脂(i)と押出温度が離れるため、共押出が困難になる。良好に共押し出しするために、「非晶性熱可塑性樹脂(i)のガラス転移温度−結晶性熱可塑性樹脂(ii)の結晶化温度」は、−60℃以上が好ましく、−50℃以上がより好ましく、−30℃以上がさらに好ましい。
なお、非晶性熱可塑性樹脂(i)のガラス転移温度は、非晶性熱可塑性樹脂(i)を構成する構成単位の種類や比率によって制御することができる。たとえば、上述したポリカーボネート樹脂の場合は、ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位とのモル比率を調整することによって制御できる。
また、結晶性熱可塑性樹脂(ii)の結晶化温度は、結晶性熱可塑性樹脂(ii)を構成する構成単位の種類や比率、分岐などの分子構造の他に、結晶核剤の添加などによっても制御できる。
条件B:口金のリップギャップ/積層熱可塑性樹脂フィルムの総膜厚≦19
リップギャップと積層熱可塑性樹脂フィルムの総膜厚が上記条件を満たすことで、口金から出たあと、所望の膜厚になるまでの変形歪みが低減でき、結果として本発明の目的である光学異方性が非常に小さいフィルムが得られる。口金のリップギャップ/積層熱可塑性樹脂フィルムの総膜厚は、より好ましくは16以下であり、更にこのましくは、14以下である。また、口金のリップギャップ/積層熱可塑性樹脂フィルムの総膜厚の下限については、特に制限されないが、生産性の観点から、1.0より大きいことが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。
また、本発明のフィルムの製造工程において、異物検査は、本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムをそのまま検査してもよいし、(II)層を1層、あるいは2層以上剥離してから検査してもよい。
なお、積層熱可塑性樹脂フィルムから(II)層を剥離せずにそのまま検査する場合は、(II)層を透明な層にすることが好ましい。すなわち、本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムにおいて、(II)層の全光線透過率が、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。(II)層の全光線透過率を上記範囲内にする方法としては、押出製膜後に急冷する、(II)層表面にエンボス(凹凸)がつかないようにする、(II)層に結晶核剤をいれ、結晶サイズを微小にする、等が挙げられる。
5.偏光板保護フィルム
本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムから(II)層を少なくとも1層以上剥離することにより、本発明の目的の、薄膜かつ光学異方性が非常に小さいフィルムが得られる。このフィルムは、光学フィルム、特に、軽量・薄膜な偏光板用の偏光板保護フィルムとして適している。ここで、本発明の偏光板保護フィルムは、最終的に液晶表示装置に組み込まれて使用されるときは(II)層をすべて剥離して使用されることが望ましいが、それまでは、ハンドリング性や(I)層への異物付着抑制の観点から、片面あるいは両面に、(II)層が積層された状態で扱われることが好ましい。
(II)層を少なくとも1層以上剥離することにより得られるフィルム((I)層)の全光線透過率は好ましくは、85%以上、より好ましくは88%以上、特に好ましくは90%以上である。85%以上であれば、透明な光学フィルムとして適する。
また、(II)層を少なくとも1層以上剥離することにより得られるフィルム((I)層)の膜厚は、前述したとおり、偏光板の薄膜化の観点から、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。また、機械強度の観点から、3μm以上か好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上が更に好ましい。
また、(II)層を少なくとも1層以上剥離することにより得られるフィルム((I)層)の面内位相差(R)、及び、厚み位相差(Rth)は10nm以下、好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下である。10nm以下である場合、光学異方性が小さいため光学フィルムとして適する。前述した製造方法で製膜することで、このような光学異方性の小さいフィルムが製造できる。さらに下限については特に定めないが、より好ましくは−10nm以上、さらに好ましくは−5nm以上、特に好ましくは−3nm以上である。
また、(II)層を少なくとも1層以上剥離することにより得られるフィルム((I)層)の機械強度に関して、JIS K7161の方法により測定される引張伸びは好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは100%以上である。前述したポリカーボーネート樹脂を使用することで、このような引張伸びの優れたフィルムが製造できる。
また、(II)層を少なくとも1層以上剥離することにより得られるフィルム((I)層)のJIS K7161の方法により測定される引っ張り最大強度は好ましくは50MPa以上、より好ましくは60MPa以上、特に好ましくは70MPa以上である。前述したポリカーボーネート樹脂を使用することで、このような引張強度の優れたフィルムが製造できる。
また、(II)層を少なくとも1層以上剥離することにより得られるフィルム((I)層)のJIS K7128−2の方法により測定される引き裂き強度は好ましくは3kg/cm以上、より好ましくは6kg/cm以上、特に好ましくは8kg/cm以上である。前述したポリカーボーネート樹脂を使用することで、このような引き裂き強度の優れたフィルムが製造できる。
また、本発明の偏光板保護フィルムは、(I)層の表面に、プライマー層や接着層、粘着層、ハードコート層等の機能層が設けられていたり、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理が行われていてもよい。
6.偏光板およびその製造方法
本発明の偏光板は、本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムの(I)層が、偏光子の片面あるいは両面に貼りあわされてなる。ここで、本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムの構成が、(II)層/(I)層/(II)層の場合、片面の(II)層のみ剥がされた状態で偏光子と貼りあわされ、その後もう片面の(II)層を剥離してもよいし、両面とも(II)層を剥離してから偏光子と貼りあわされてもよいが、前者の方が、フィルムの剛性やハンドリング性の観点から好ましい。また、本発明の積層熱可塑性樹脂フィルムの構成が、(II)層/(I)層の場合、(II)層が積層されていない面と偏光子とを貼り合せてから、(II)層を剥離してもよいし、(II)層を剥離してから偏光子と貼りあわされてもよいが、前者の方が、フィルムの剛性やハンドリング性の観点から好ましい。
また、(I)層/偏光子を接着するための接着剤は、特に制限されず、水系接着剤、UV硬化系接着剤等が適宜選択できる。
7.液晶表示装置
本発明の偏光板保護フィルムを備える偏光板は、TN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型、IPS型などの各種の駆動方式を有する液晶表示装置に使用できるが、本発明の偏光板保護フィルムの光学異方性が非常に小さい点から、IPS型の駆動方式を有する液晶表示装置に、特に適する。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これらの実施例および比較例により本発明は制限を受けるものではない。なお、実施例では、積層シートの流れ(引取方向)をMD,その直角方向をTDと記載する
本実施例に用いた材料、および、作製したフィルムの評価は、以下の方法で行った。
(結晶化温度(T)、融点(T)、ガラス転移温度(T))
示差走査熱量計((株)パーキンエルマー社製、商品名:Pyris1 DSC)を用いて、JIS K7122に準じて、本実施例に用いた材料約10mgを加熱速度10℃/分で室温から250℃まで昇温し、250℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温した時に測定されたサーモグラムから、発熱ピーク温度を結晶化温度(T)として読みとった。また、これを再度加熱速度10℃/分で250℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから、吸熱ピーク温度を融点(T)として読みとった。また、同じく再度昇温した時のサーモグラムから、ガラス転移温度(T)を読み取った。
(面内位相差(R)および厚み位相差(Rth))
実施例1〜6については作製した積層熱可塑性樹脂フィルムから(II)層をすべて剥離し、評価用サンプルとした。比較例1については、作製した単層フィルムをそのまま評価用サンプルとした。これら評価用サンプルを、位相差測定装置(王子計測社製、商品名:KOBRA)を用いて測定した。測定結果から、以下のように評価した。
(◎):R、Rthの絶対値が5nm以下
(○):R、Rthの絶対値が5nmより大きく、10nm以下
(×):R、Rthの絶対値が10nmより大きい
(全光線透過率)
実施例1〜6については、作製した積層熱可塑性樹脂フィルムから(II)層をすべて剥離し、評価用サンプルとした。比較例1については、作製した単層フィルムをそのまま評価用サンプルとした。JIS K7105に準じて、ヘーズメーター(日本電色工業(株)社製、商品名:NDH−5000)を用いて、全光線透過率を測定した。
(引張伸びおよび引張最大強度)
実施例1〜6については、作製した積層熱可塑性樹脂フィルムから(II)層をすべて剥離し、MDおよびTDにそれぞれ幅6mmで切り出し、評価用サンプルとした。比較例1については、作製した単層フィルムからMDおよびTDにそれぞれ幅6mmで切り出し、評価用サンプルとした。JIS K7161に準じて、評価用サンプルを試験速度200mm/分で引張試験を行い、その時の伸びおよび引張最大強度を測定し、以下の基準で評価した。
引張伸びについては、100%以上の場合、実用可能な範囲であるので○とした。一方、100%未満の場合、フィルムのハンドリング性や強度に劣るので△とした。
引張最大強度については、70MPa以上の場合、実用可能な範囲であるので○とした。一方、70MPa未満の場合、フィルムのハンドリング性や強度に劣るので△とした。
(引裂強度)
実施例1〜6については、作製した積層熱可塑性樹脂フィルムから(II)層を剥離し、評価用サンプルとした。比較例1については、作製した単層フィルムをそのまま評価用サンプルとした。JIS K7128−2に準じて、MDおよびTDの引裂強度を評価した。以下の基準で評価した。
8kg/cm以上の場合、実用可能な範囲であるので○とした。一方、8kg/cm未満の場合、フィルムのハンドリング性や強度に劣るので△とした。
(構成材料)
以下に、本発明の積層シートを作製する際に用いた構成材料を例示する。
(I)層用の材料として、以下を用いた。
非晶性熱可塑性樹脂(i)
・ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含有するポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製、商品名DURABIO T7450A、Tg:132℃、イソソルバイド構造単位62モル%、トリシクロデカンジメタノール構造単位38モル%)
(II)層用の材料として、以下を用いた。
結晶性熱可塑性樹脂(ii)
・PP(1)(日本ポリプロ(株)製、商品名ノバテックPP MG03B、Tm:155℃、Tc:121℃)
・PP(2)(日本ポリプロ(株)製、商品名ノバテックPP FG3DC、Tm:148℃、Tc:105℃)
・HDPE(日本ポリエチレン(株)製、商品名ノバテックHD HF560、Tm:135℃、Tc:118℃)
・LLDPE(プライムポリマー(株)製、商品名エボリューP SP9048、Tm:84℃、Tc:64℃)
[実施例1]
(I)層用の材料として上記ポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製、商品名DURABIO T7450A)、(II)層用の材料としてPP(1)を、それぞれ、φ65mm単軸押出機、φ40mm単軸押出機に投入し、それぞれ220〜240℃、および、180℃〜240℃のバレル設定温度にて溶融混練し、フィードブロックおよび幅1350mm、リップギャップ0.7mmの口金(設定温度240℃)から共押出したのち、65℃に温調されたキャストロールにて巻き取り、(II)層/(I)層/(II)層の構成の積層熱可塑性樹脂フィルム(各層の厚み15μm)を作製した。
[実施例2]
(II)層用の材料をPP(2)に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
[実施例3]
(II)層の厚みを20μmにした以外は、実施例2と同様にして、積層熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
[実施例4]
(II)層の材料をHDPEに変更し、バレル設定温度を180℃〜250℃にし、キャスト温度を85℃にし、(I)層の厚みを20μmにした以外は、実施例3と同様にして、積層熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
[実施例5]
(II)層の厚みを10μmにした以外は、実施例2と同様にして、積層熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
[実施例6]
(II)層用の材料をLLDPEに変更し、各層の厚みを20μmにした以外は、実施例1と同様にして、積層熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
[比較例1]
(I)層用の材料をφ65mm単軸押出機に投入し、220〜240℃のバレル設定温度にて溶融混練し、幅1350mm、リップギャップ0.5mmの口金(設定温度240℃)から押出したのち、100℃に温調されたキャストロールにて巻き取り、(I)層のみの単層フィルム(厚み20μm)を作製した。
実施例および比較例で作製したフィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 2016053603
実施例1〜6のフィルムの製造方法は、(I)層と下記(II)層とを、(II)層が口金と接する面に存在するように共押出しているため、フィルムの破断や巻き取り時のシワ等がなく、生産性に優れており、かつ、(II)層を剥離して得られるフィルムに関してRおよびRthともに10nm未満であり光学異方性の非常に小さいフィルムとなった。とくに、実施例1〜4は、さらに条件(A)および(B)を満たしているため、RおよびRthともに5nm以下の、光学異方性の更に小さいフィルムとなった。また、このフィルムの透明性、機械強度も優れていることがわかる。
実施例で得られたフィルムは、薄く、光学異方性が非常に小さく、透明性、機械強度に優れているため、光学フィルムとして広く有用に用いることができる。
一方、比較例1のフィルムの製造方法は、単層押出で作製しているため、フィルムの破断や巻き取り時のシワ等が発生し、生産性に劣るものであった。また、得られたフィルムに関してもRthが10nmより大きくなり、光学異方性が大きかった。
本発明で提供される積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法により、薄く、光学異方性が非常に小さく、透明性、機械強度に優れたフィルムを生産性よく製造することができ、しかも製造されるフィルムは、光学フィルムとして適しており、特に偏光板保護フィルムとして好適に用いられるので、その意味で産業上の意義が強い。

Claims (10)

  1. 下記(I)層と下記(II)層とを、(II)層は口金と接する面に存在するように共押出し、(I)層と(II)層とが剥離可能であり、(II)層を剥離したあとの(I)層が膜厚50μm以下かつ面内位相差(R)及び厚み位相差(Rth)が10nm以下であることを特徴とする、積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    (I)層:非晶性熱可塑性樹脂(i)を主成分とする層
    (II)層:結晶性熱可塑性樹脂(ii)を主成分とする層
  2. 前記非晶性熱可塑性樹脂(i)及び結晶性熱可塑性樹脂(ii)が下記の条件(A)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    条件(A):非晶性熱可塑性樹脂(i)のガラス転移温度−結晶性熱可塑性樹脂(ii)の結晶化温度≦60℃
  3. 前記(I)層と(II)層を下記の条件(B)を満たすように共押出することを特徴とする、請求項1又は2に記載の積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    条件(B):口金のリップギャップ/積層熱可塑性樹脂フィルムの総膜厚≦19
  4. 前記非晶性熱可塑性樹脂(i)が、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    Figure 2016053603
  5. 前記結晶性熱可塑性樹脂(ii)が、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  6. 非晶性熱可塑性樹脂(i)がさらに、下記式(2)で表されるトリシクロデカンジメタノールに由来する構造単位を含有する請求項4又は5に記載の積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    Figure 2016053603
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られる積層熱可塑性樹脂フィルム。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られる積層熱可塑性樹脂フィルムから、前記(II)層を少なくとも1層以上剥離してなる偏光板保護フィルム。
  9. 請求項7又は8に記載のフィルムを用いて作製された偏光板。
  10. 請求項9に記載の偏光板が設けられた液晶表示装置。
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