JP2009079191A - 光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオマス資源を原料として使用され、面内および厚み方向どちらの位相差も小さい、すなわち3次元的に光学等方性が高くかつ光弾性定数も小さいことを特徴とするポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物よりなる光学フィルムを提供する。
【解決手段】下記式(1)で表されるカーボネート構成単位[A]を含んでなるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物であって、カーボネート構成単位[A]が全カーボネート構成単位中50〜100モル%の割合であるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物より形成された光学フィルム。
【化1】
Figure 2009079191

【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂より形成された光学フィルムに関する。さらに詳しくは、面内および厚み方向どちらの位相差も小さい、すなわち3次元的に光学等方性が高くかつ光弾性定数も小さい、偏光膜保護フィルムや光ディスクの光透過層などに好適に用いられる光学フィルムに関する。
近年の液晶表示装置の進歩は著しく、携帯電話、パソコンモニター用の小型、中型のものだけでなく、テレビ用の大型のものまで用途が拡大している。液晶表示装置には偏光板が用いられるが、偏光板としてこれまで一般的にはポリビニルアルコールフィルムにヨウ素または二色性色素を含浸させ延伸して得られる偏光膜の両面を、トリアセチルセルロース(以下、「TAC」という。)フィルムではさんで保護した積層フィルムが用いられてきた。
かかる偏光膜の保護フィルムとして用いられるTACは、偏光膜との密着性に優れており、透明性が高く、外観が良好であるといった利点がある反面、吸水率や水蒸気透過性が高いため、TACフィルムを保護フィルムとして用いた偏光板は高温高湿下での耐久性に乏しいことが指摘されている。また、TACフィルムは引張強度が6〜11kg/mm程度しかなく、物理的強度が不足している等、様々な欠点があることが指摘されている。
TACフィルムは通常溶剤キャスト法ないし溶液製膜法により製造されるが、かかる製膜方法では製造工程上フィルム面内の位相差Rは小さくすることができるものの、ポリマーの面配向性が高くなる傾向にあり、厚み方向の位相差Rthを小さくすることは困難であることが知られている。非特許文献1には、例えばIPS(In−Plane−Switching)モードの液晶表示装置のような用途においては、TACフィルムの高いRthが望ましくないことが記載されている。
TACフィルムに代わる偏光板保護フィルムとしてこれまで様々な素材のフィルムが検討されている。例えば特許文献1には、TACフィルムに代えて熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を用いることが報告されている。しかし、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂は光学特性には優れるものの、偏光膜との密着性が低いという欠点がある。また吸湿性、水蒸気透過性が極めて低く偏光膜との張り合わせ後に偏光膜内の水分が抜けにくいとの問題がある。更に偏光板保護フィルムには位相差の小さい未延伸フィルムを用いるが、該樹脂は靭性が低いため未延伸ではフィルムの力学強度が低いという問題がある。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂以外の素材としてポリカーボネート樹脂も検討されている。ポリカーボネート樹脂は適度な吸湿性、水蒸気透過性を有しまた未延伸フィルムの力学強度も高いという利点があり、特許文献2では溶液製膜法により得られるポリカーボネートフィルムからなる偏光膜保護フィルムが報告されている。ただし、かかる偏光膜保護フィルム用途も含め、現在光学用のポリカーボネートフィルムは専ら溶液製膜法により製造されているためコスト面で不利となる。またTACと同様に面配向性(Rth)の高いフィルムである。それらはポリカーボネート樹脂が熱可塑性ノルボルネン系樹脂と違って固有複屈折や光弾性定数が高く複屈折を生じやすいため溶融押出法による位相差の小さなフィルムを得るのが極めて難しく且つ異方性が高い、という樹脂そのものの特性に起因するところが大きかった。
これらの特性を克服するため、例えば特許文献3ではポリカーボネート樹脂を溶融製膜後にフィルム加工方向に張力を加えて熱処理することにより位相差を10nm以下とする方法が開示されている。かかる方法では製膜後のアニール処理工程が必要となり、工業的観点からは生産性に乏しく好ましくない。またこの方法では位相差Rを小さくすることは可能であるがRthが大きくなる傾向にある。
一方、光ディスクの分野においては、古くからポリカーボネート樹脂が利用されている。近年、高密度、大容量の記録媒体として、ディスクの片面から情報を読み出す膜面入射方式の光ディスクの技術が提案されている。膜面入射方式の光ディスクとは、主としてポリカーボネート樹脂よりなり、光記録層がディスク状に形成された高密度記録媒体のことをいう。光記録層は、厚み約0.6〜1.1mmのディスク面上に形成される。この光記録層を保護するために、厚み約0.01〜0.1mmのフィルムが接着剤等で光記録層に付着(接着)されている。かかる保護層は、当業者間で「光透過層」と呼ばれる。
光透過層に要求される性能としては、透明性が高いこと、厚みが均一であること、面内の位相差および厚み方向の位相差が双方とも小さいことのほか、光ディスク基盤の主材料であるポリカーボネートと機械的特性、特に熱収縮率が近いこと等が挙げられる。
ところで、ポリカーボネート樹脂フィルムを製造する方法としては、従来から溶液製膜法および溶融製膜法が知られている。このうち、光学用途では主として溶液製膜法の検討がなされてきた。しかしながら、溶液製膜法はコストが高いという問題があるほか、溶液製膜法により厚いフィルムを製造しようとすると、溶液を塗布後、溶媒を除去する過程で結晶化が起こり、透明で柔軟性のあるフィルムが得難くなるという問題がある。
そこで、溶融製膜法により光学用途のポリカーボネート樹脂フィルムを製造する試みがなされている。
例えば、特許文献4には、ポリカーボネート樹脂の溶融製膜後にフィルムの加工方向に張力を加えて熱処理することにより位相差を10nm以下とする方法が開示されている。かかる方法は、製膜後に熱処理を要することから生産性に乏しく好ましくない。またこの方法によると、面内の位相差を小さくすることは可能であるがフィルム厚み方向の位相差がかえって大きくなる傾向にある。特許文献5には、フィルム面内の複屈折が8×10−5〜30×10−5であり、光学軸がフィルムの幅方向であるポリカーボネート系樹脂フィルムが開示されている。しかし、実施例で実際に報告されている面内の位相差Rは十分に小さいものではない。
このように、従来のポリカーボネート樹脂を用いた光学フィルムでは工業的に好適な製法で位相差R、Rthどちらも小さいすなわち3次元的にも光学等方性が高いものは産業的な実現が難しく、このような光学フィルム特に液晶表示素子の偏光膜保護フィルムや光ディスクの光透過層等の用途としてその実現が望まれていた。
併せて、環境志向の高まりに伴い、近年PLAなどに代表される再生可能資源から得られる材料がさまざまな分野において求められているが、これまで、上記要求特性を満足し、且つ再生可能資源から得られる材料というものは未だ知られていない。
第12回 IDW/AD’05 講演要旨集 1317p FMC11−2『Development of Low−Retardation TAC Film』 特許第3297450号公報 特開平08−062419号公報 特開2003−302522号公報 特開2003−302522号公報 特開2004−315636号公報
本発明の目的は、バイオマス資源を原料として使用され、面内および厚み方向どちらの位相差も小さい、すなわち3次元的に光学等方性が高くかつ光弾性定数も小さいことを特徴とするポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物よりなる光学フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、下記式(1)で表されるカーボネート構成単位[A]を主とするポリカーボネート樹脂から形成された光学フィルムが、面内および厚み方向どちらの位相差も小さく、且つ光弾性定数も小さくなることを見出し、本発明に至った。
Figure 2009079191
すなわち、本発明によれば、
1.下記式(1)で表されるカーボネート構成単位[A]を含んでなるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物であって、カーボネート構成単位[A]が全カーボネート構成単位中50〜100モル%の割合であるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物より形成された光学フィルム、
Figure 2009079191
2.カーボネート構成単位[A]が全カーボネート構成単位中75〜100モル%の割合である前項1記載の光学フィルム、
3.カーボネート構成単位[A]が全カーボネート構成単位中90〜100モル%の割合である前項1記載の光学フィルム、
4.カーボネート構成単位[A]のみからなるポリカーボネート樹脂より形成された前項1記載の光学フィルム、
5.ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物は、樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度が0.20〜0.65である前項1記載の光学フィルム、
6.(1)波長550nmで測定したフィルム面内の位相差R(550)が20nm以下、(2)波長550nmで測定したフィルム厚み方向の位相差Rth(550)が60nm以下である前項1記載の光学フィルム、
7.ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物は、光弾性定数が0×10−12〜70×10−12Pa−1の範囲である前項1記載の光学フィルム、
8.液晶表示素子の偏光膜保護フィルムに用いられることを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム、
9.前項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムを液晶表示素子の偏光膜の少なくとも一方の面に保護フィルムとして積層した偏光板、
10.光ディスクの光透過層に用いられることを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム、および
11.前項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムをロール状に巻回して得られたフィルム巻層体、
が提供される。
以下、本発明で用いるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物から形成された光学フィルムについて具体的に説明する。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物は、前記式(1)で表されるカーボネート構成単位を含むポリカーボネート樹脂であり、全カーボネート構成単位中、前記式(1)で表わされる構成単位は50モル%以上が好ましく、75モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上が特に好ましい。最も好適には、前記式(1)のカーボネート構成単位のみからなるホモポリカーボネート樹脂である。
また、本発明で用いるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物は、樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度としては0.20〜0.65のものを好ましく用いることができる。比粘度の下限は0.20以上がより好ましく、0.22以上がさらに好ましい。また上限は0.65以下がより好ましく、0.55以下がさらに好ましく、0.50以下が特に好ましい。また比粘度が0.20より低くなると本発明のポリカーボネート樹脂より得られた成形品に充分な機械強度を持たせることが困難となる。また比粘度が0.65より高くなると溶融流動性が高くなりすぎて、成形に必要な流動性を有する溶融温度が分解温度より高くなってしまう。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物は、そのガラス転移温度(Tg)の下限が60℃以上が好ましく、より好ましくは90℃以上であり、さらにより好ましくは110℃以上である。また上限は200℃以下が好ましい。Tgが60℃未満だと耐熱性に劣り、200℃を超えると成形する際の溶融流動性に劣る。TgはTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定される。
また、本発明に用いるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物は、その5%重量減少温度の下限が310℃以上が好ましく、より好ましくは320℃以上であり、さらに好ましくは330℃以上である。上限は450℃以下が好ましく、より好ましくは400℃以下であり、さらに好ましくは380℃以下である。5%重量減少温度が上記範囲内であると、本発明のポリカーボネート樹脂を用いて製膜する際の樹脂の分解がほとんど無く好ましい。5%重量減少温度を上昇させるためには、後述の通り溶融重合触媒として好ましい化合物を選択することが有効である。5%重量減少温度はTA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定される。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、下記式(a)で表されるエーテルジオールおよび炭酸ジエステルとから溶融重合法により製造することができる。
Figure 2009079191
エーテルジオールとしては、具体的には下記式(b)、(c)および(d)で表されるイソソルビド、イソマンニド、イソイディッドなどが挙げられる。
Figure 2009079191
Figure 2009079191
Figure 2009079191
これら糖質由来のエーテルジオールは、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。イソソルビドは、でんぷんから得られるDーグルコースに水添した後、脱水を受けさせることにより得られる。その他のエーテルジオールについても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。
特に、カーボネート構成単位がイソソルビド(1,4:3,6ージアンヒドローDーソルビトール)由来のカーボネート構成単位を含んでなるポリカーボネート樹脂が好ましい。イソソルビドはでんぷんなどから簡単に作ることができるエーテルジオールであり資源として豊富に入手することができる上、イソマンニドやイソイディッドと比べても製造の容易さ、性質、用途の幅広さの全てにおいて優れている。
また本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、その特性を損なわない範囲で脂肪族ジオール類または芳香族ビスフェノール類との共重合としても良い。脂肪族ジオールとしては、下記式(2)で表される脂肪族ジオールが好ましく用いられる。
Figure 2009079191
(式中、mは1〜20の整数)
具体的にはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖状ジオール類や、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式アルキレン類などが挙げられ、中でも1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、およびシクロヘキサンジメタノールが好ましい。
芳香族ビスフェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称“ビスフェノールA”)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン等が挙げられる。
また、上記式(1)で表されるエーテルジオール、上記式(2)で表される脂肪族ジオールおよび芳香族ビスフェノールに加えて他のジオール残基を含むこともできる。その他のジオールとしてはジメタノールベンゼン、ジエタノールベンゼンなどの芳香族ジオールなどを挙げることができる。
また本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、その特性を損なわない範囲で末端基を導入することもできる。かかる末端基は、対応するヒドロキシ化合物を重合時に添加することにより導入することができる。該末端基としては下記式(3)または(4)で表される末端基が好ましい。
Figure 2009079191
Figure 2009079191
上記式(3),(4)中、Rは炭素原子数4〜30のアルキル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数4〜30のパーフルオロアルキル基、または下記式(5)
Figure 2009079191
であり、好ましくは炭素原子数4〜20のアルキル基、炭素原子数4〜20のパーフルオロアルキル基、または上記式(5)であり、特に炭素原子数8〜20のアルキル基、または上記式(5)が好ましい。Xは単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミノ結合およびアミド結合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結合が好ましいが、より好ましくは単結合、エーテル結合およびエステル結合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結合であり、なかでも単結合、エステル結合が好ましい。aは1〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数であり、特に1が好ましい。
また、上記式(5)中、R,R,R,R及びRは、夫々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、好ましくは夫々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基及び炭素原子数6〜10のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、特に夫々独立してメチル基及びフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基が好ましい。bは0〜3の整数であり、1〜3の整数が好ましく、特に2〜3の整数が好ましい。cは4〜100の整数であり、4〜50の整数が好ましく、特に8〜50の整数が好ましい。
これらの末端基を導入することにより、該ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物から形成された表面保護フィルムまたはシートの流動性、離型性、耐吸湿性または表面エネルギー性(防汚性や摩耗耐性)等を向上させる効果が得られる。これらの末端基は好ましくはポリマー主鎖構造に対して0.3〜9.0重量%含まれており、より好ましくは0.3〜7.5重量%含まれており、特に好ましくは0.5〜6.0重量%含まれている。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、植物などの再生可能資源から得られる原料を用いたカーボネート構成単位を主鎖構造に持つことから、これらのヒドロキシ化合物もまた植物などの再生可能資源から得られる原料であることが好ましい。植物から得られるヒドロキシ化合物としては、植物油から得られる長鎖アルキルアルコール類(セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール)などが挙げられる。
また、本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、前記式(a)で表されるエーテルジオールを含むビスヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを混合し、エステル交換反応によって生成するアルコールまたはフェノールを高温減圧下にて留出させる溶融重合を行うことによって得ることができる。
反応温度は、エーテルジオールの分解を抑え、着色が少なく高粘度の樹脂を得るために、できるだけ低温の条件を用いることが好ましいが、重合反応を適切に進める為には重合温度は180℃〜280℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは180℃〜270℃の範囲である。
また、反応初期にはエーテルジオールと炭酸ジエステルとを常圧で加熱し、予備反応させた後、徐々に減圧にして反応後期には系を1.3×10−3〜1.3×10−5MPa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる方法が好ましい。反応時間は通常1〜4時間程度である。
炭酸ジエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜18のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(p−ブチルフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
炭酸ジエステルは全エーテルジオール化合物に対してモル比で1.05〜0.97の割合で用いる事が好ましく、1.03〜0.97の割合で用いる事がより好ましく、1.03〜0.99の割合で用いる事がさらに好ましい。炭酸ジエステルのモル比が1.02より多くなると、炭酸エステル残基が末端封止として働いてしまい充分な重合度が得られなくなってしまい好ましくない。また炭酸ジエステルのモル比が0.98より少ない場合でも、充分な重合度が得られず好ましくない。
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができる。該重合触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二価フェノールのナトリウム塩またはカリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。なかでも、含窒素塩基性化合物とアルカリ金属化合物とを併用して使用することが好ましい。
これらの重合触媒の使用量は、それぞれ炭酸ジエステル成分1モルに対し、好ましくは1×10−9〜1×10−3当量、より好ましくは1×10−8〜5×10−4当量の範囲で選ばれる。反応系は窒素などの原料、反応混合物、反応生成物に対し不活性なガスの雰囲気に保つことが好ましい。窒素以外の不活性ガスとしては、アルゴンなどを挙げることができる。更に、必要に応じて酸化防止剤等の添加剤を加えてもよい。
上記製造法により得られたポリカーボネート樹脂に触媒失活剤を添加する事もできる。触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましく、更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の上記塩類やパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の上記塩類が好ましい。またスルホン酸のエステルとしてベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられ、その中でもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた前記重合触媒1モル当たり0.5〜50モルの割合で、好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用する事ができる。
また、本発明で用いるポリカーボネート樹脂ブレンド物は、カーボネート構成単位[A]のみからなるホモポリカーボネートとカーボネート構成単位[A]を含む共重合ポリカーボネートとのブレンド、カーボネート構成単位[A]のモル分率の異なる共重合ポリカーボネート同士のブレンドのいずれの形態であっても良い。また、分子量の異なるポリカーボネート樹脂をブレンドしたものも含まれる。
この場合得られたポリカーボネート樹脂ブレンド物におけるカーボネート構成単位[A]の割合が100〜50モル%であり、好ましくは100〜75モル%であり、より好ましくは100〜90モル%である。
ポリカーボネート樹脂ブレンド物の製造に当たっては、その製造法は特に限定されるものではない。しかし本発明に用いるポリカーボネート樹脂ブレンド物の好ましい製造方法は押出機を用いて各ポリカーボネート樹脂成分を溶融混練する方法である。
押出機としては特に二軸押出機が好適であり、原料中の水分や溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生した水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物は必要に応じて離型剤を添加することができる。かかる離型剤は、アルコールと脂肪酸とのエステルである。その中でも一価アルコールと脂肪酸とのエステルまたは多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルが好ましく、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルおよび/または全エステルがより好ましく、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルがさらに好ましい。なお、ここで云う部分エステルとは、多価アルコールの水酸基の一部が脂肪酸とエステル反応せずに残存しているものを意味する。さらに、炭素原子数1〜20の一価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸とのエステル及び炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種の離型剤が好ましく、特に炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが使用される。
具体的に一価アルコールと飽和脂肪酸とのエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等が挙げられる。
具体的に多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等のジペンタエリスルトールの全エステルまたは部分エステル等が挙げられる。
これらのエステルのなかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノステアレート等の部分エステルが好ましく、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレートがより好ましく、特に、ステアリン酸モノグリセリドが好ましい。かかるC成分の化合物は、1種または2種以上の混合物であってもよい。
離型剤の量はポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物100重量部に対して0.01〜0.5重量部が好ましく、0.03〜0.5重量部がより好ましく、0.03〜0.3重量部がさらに好ましく、特に0.03〜0.2重量部が好ましい。離型剤がこの範囲内にあると、ヤケを抑制しつつ離型性の向上を達成することができる。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物には、さらにヒンダードフェノール系熱安定剤および/またはリン系熱安定剤を加えても良い。
ヒンダードフェノール系熱安定剤としては、例えばオクタデシルー3ー(3,5ージーtertーブチルー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネート、ベンゼンプロパン酸3,5ービス(1,1ージメチルエチル)ー4ーヒドロキシアルキルエステル(アルキルは炭素数7〜9で側鎖を有する)、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3ー(5ーtertーブチルー4ーヒドロキシーmートリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3ー(3,5ージーtertーブチルー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3ー(3,5ージーtertーブチルー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9ービス[2ー[3ー(3ーtertーブチルー4ーヒドロキシー5ーメチルフェニル)プロピオニロキシ]ー1,1ージメチルエチル]ー2,4,8,10ーテトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−イソプロピリデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−tert−ペンチル−6−(3−tert−ペンチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルメタクリレート、2−tert−ペンチル−6−(3−tert−ペンチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルメタクリレート、および2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルメタクリレートなどが挙げられる。上記ヒンダードフェノール系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。
ヒンダードフェノール系安定剤の配合量はポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物100重量部に対して0.0005〜0.1重量部が好ましく、0.001〜0.1重量部がより好ましく、0.005〜0.1重量部がさらに好ましく、0.01〜0.1重量部が特に好ましい。ヒンダードフェノール系熱安定剤がこの範囲内にあると、本発明のポリカーボネート樹脂を成形する際の分子量低下や色相悪化などを抑える事ができる。
リン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステルなどが例示される。具体的にはホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4ージーtertーブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6ージーtertーブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4ージーtertーブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6ージーtertーブチルー4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6ージーtertーブチルー4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
更に他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4ージーtertーブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトなどを挙げることができる。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができ、好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4ージーtertーブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4ージーtertーブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4ージーtertーブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6ージーtertーブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6ージーtertーブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6ージーtertーブチルフェニル)−3,3’―ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4ージーtertーブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4ージーtertーブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6ージーtertーブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6ージーtertーブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4ージーtertーブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4ージーtertーブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。上記リン系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。
リン系安定剤の配合量はポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましく、0.005〜0.5重量部がより好ましく、0.005〜0.3重量部がさらに好ましく、0.01〜0.3重量部が特に好ましい。リン系安定剤がこの範囲内にあると、本発明のポリカーボネート樹脂を成形する際の分子量低下や色相悪化などを抑える事ができる。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物には、上記の他必要に応じて各種の添加剤を添加してもよく、例えば熱安定化剤、安定化助剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、重金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤などが挙げられる。
また、本発明で用いる共重合ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物には、本発明の目的を損なわない範囲でポリ乳酸、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート(カーボネート構成単位[A]を含まないもの)、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリル、ABS、ポリウレタンなど、各種のポリマーならびに合成樹脂、ゴムなどを混合しアロイ化して用いることもできる。
本発明の光学フィルムの製造方法としては、本発明で用いるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物を溶媒に溶解させた樹脂溶液を用いる溶液キャスト法、本発明で用いるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物をそのまま溶融させて流延する溶融製膜法が挙げられる。
溶液キャスト法によりフィルムを作成する場合には、使用する溶媒としては、汎用性、製造コスト面からハロゲン系溶媒、中でも塩化メチレンを用いることが最も好ましいが、製膜性を妨げない範囲で他の溶媒を用いてもかまわず、また必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。他の溶媒としては例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール類、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒が挙げられる。
本発明で用いるポリカーボネートの樹脂溶液(ドープ)を支持基板上に流延した後、加熱して溶媒を蒸発させることによりフィルムを得ることが出来る。支持基板としてガラス基板、ステンレスやフェロタイプなどの金属基板、PETなどのプラスチック基板などを使用し、ドクターブレードなどでドープを均一に支持基板上に流延させる。工業的にはダイからドープをベルト状もしくはドラム状の支持基板上に連続して押し出す方法が一般的である。
支持基板上に流延したドープは発泡が起きないよう低温から徐々に加熱乾燥していくことが好ましく、加熱して大部分の溶媒を除去して自立性のあるフィルムとしてから支持基板から剥離し、さらにフィルム両面から加熱乾燥して残りの溶媒を除去することが好ましい。基板から剥離した後の乾燥工程では、熱収縮による寸法変化によりフィルムに応力がかかる可能性が高いため、液晶表示装置に用いる光学用フィルムのように精密な光学特性のコントロールが必要とされる製膜においては、乾燥温度、フィルムの固定条件などに留意して行うことが必要である。一般には剥離後の乾燥においては用いるポリカーボネート樹脂の(Tg−100℃)〜Tgの範囲で段階的に昇温しながら乾燥する方法をとることが好ましい。Tg以上で乾燥するとフィルムの熱変形が起こり好ましくなく、(Tg−100℃)以下では乾燥温度が著しく遅くなるため好ましくない。
溶液キャスト法で得るフィルムの残留溶媒量は2重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下である。2重量%以上と残留溶媒量が多いとフィルムのガラス転移点の低下が著しくなり好ましくない。
溶融製膜法によりフィルムを作成する場合には、一般にTダイから融液を押し出して製膜される。製膜温度は、ポリカーボネート樹脂の分子量、Tg、溶融流動特性などから決められるが、通常180℃〜350℃の範囲であり、200℃〜320℃の範囲がより好ましい。温度が低すぎると粘度が高くなりポリマーの配向、応力歪みが残りやすいことがあり、逆に温度が高すぎるのも熱劣化、着色、Tダイからのダイライン(筋)などの問題がおきやすくなることがある。
本発明の光学フィルムの平均厚みは、10〜150μmが好ましい。フィルムの好ましい平均厚みは用途により異なり、例えばフィルムを偏光膜の保護フィルムとして使用する場合には30〜90μmであることが好ましく、光ディスクの光透過層として使用する場合には20〜100μmであることが好ましい。
本発明の光学フィルムは、その光弾性定数が70×10−12Pa−1以下であることが好ましく、より好ましくは60×10−12Pa−1以下、さらに好ましくは50×10−12Pa−1以下であり、特に好ましくは30×10−12Pa−1以下である。光弾性定数が70×10−12Pa−1より高い場合には、該光学フィルムの複屈折が顕著に発生しやすく好ましくない。下限は0×10−12Pa−1が好ましい。
本発明の光学フィルムは、波長550nmで測定した面内の位相差R(550)は20nm以下が好ましい。ここで面内の位相差(R)とは、下記式(1)
R=(n−n)×d (1)
(ここで、nはフィルム面内の遅相軸(屈折率が最も高い方向)の屈折率であり、nはフィルム面内で遅相軸に垂直な方向の屈折率であり、dはフィルムの平均厚みである。)
で定義される値であり、フィルム面に垂直な方向に通過する光の位相の遅れを現す特性値である。本明細書においては、波長550nmで測定された面内の位相差を「R(550)」と表す。R(550)は、より好ましくは15nm以下であり、より好ましくは10nm以下である。
また、フィルムの厚み方向の位相差Rth(550)は60nm以下である。ここで、厚み方向の位相差(Rth)とは、下記式(2)
Rth={(n+n)/2−n}×d (2)
(ここで、n、nおよびdは上記式(1)における定義と同じであり、nはフィルム面に垂直な方向の屈折率である。)
で定義される値である。本明細書においては、波長550nmで測定された厚み方向の位相差を「Rth(550)」と表す。Rth(550)は、好ましくは40nm以下であり、より好ましくは30nm以下である。
上記の面内の位相差R(550)および厚み方向の位相差Rth(550)は、フィルムの全面にわたるものであり、例えばR(550)が20nm以下であるとは、フィルム全面にわたってR(550)が20nm以下であることをいう。
なお、ここでいう「全面」とは、使用に供される面積の全部のことである。溶融製膜されたフィルムの端部(幅方向の両端の部分)には使用に適さない領域が存在し、使用に先立ち切り取られる部分があることが通常だが、ここでいう「全面」にはそのような部分は含まない。後述するように、本発明の光学フィルムは好ましくは幅が600〜2,000mm程度、長さが10〜4,000m程度の巻層体として製造され、かかる範囲の全部が上記「使用に供される面積」となり得る。このような広範な面積において上記の如き均一性を示すところが本発明の光学フィルムの特徴のひとつである。もちろん、使用の最終段階においては更に狭い面積において具体的な使用対象、例えば偏光膜保護フィルム、光ディスクの光透過層等に相当する面積について上記の均一性が適用される。
本発明の光学フィルムは、フィルムの全面にわたって面内の位相差および厚み方向の位相差が小さいものであるため、該フィルムを偏光膜保護フィルムとして使用したときには二次元的にも三次元的にも光漏れ等がないものとすることができ、また、光ディスクの光透過層として使用したときには斜め入射光に対する位相差も小さく、安定した信号特性が得られるという利点を有する。
本発明のポリカーボネート樹脂製の光学フィルムは、生産性の点から製膜後にロール状に巻回したフィルム巻層体として製造することが好ましい。この巻層体を更に裁断して、より狭幅の巻層体としてもよい。
溶融押出しフィルムの幅方向の両端部は、フィルムの中央部分と比較して厚みが異なっているのが通常である。すなわち、エッジピンニングを行わない場合にはフィルム両端部が厚くなる傾向にあり、エッジピンニングを行った場合にはフィルム両端部が薄くなる傾向がある。したがって、巻層体の全幅にわたってフィルム性状が所望のものとなるよう、フィルムを巻回する前にその両端部分を切り取ること(エッジトリミング)が好ましく行われる。
フィルム巻層体におけるフィルム幅は生産性の面から大きいほうが好ましく、具体的には600〜2,000mmの範囲が好ましく、より好ましくは800〜2,000mmの範囲である。なお、エッジトリミングを行う場合には、これら好ましいフィルム幅の値はエッジトリミング後の値として理解されるべきである。巻き長(フィルムの長さ)は取り扱い面、生産性の面で決めればよく、特に制限はないが、10〜4,000mの範囲が好適である。
ロール状に巻回する際に、フィルムの全幅において次周回のフィルムと直接接触するように巻回すると、フィルム面が互いに擦過して巻きズレが発生する不具合が生ずることがある。したがって、フィルム表面を保護しつつ巻回することが好ましい。フィルム表面を保護する方法として具体的には例えば
(1)広幅フィルムの両端部に狭い幅で機械的、熱的等の方法で凹凸をつけて、それより内側のフィルム面を互いに離間させて擦過を防ぎつつ巻き取るいわゆるナーリング付与巻き取り、
(2)フィルム両端部のみを他の材料の狭幅フィルムと重ね巻きしてそれより内部のフィルム面を擦過から保護する共巻き(または重ね巻き)、
(3)他の高分子フィルムと本発明のフィルムとを全面重ね巻きする方法、
(4)表面に弱粘着層を持ったマスキングフィルムと本発明のフィルムとを重ね巻きする方法等を好ましく採用できる。
上記のうち、(4)マスキングフィルムを用いる方法が取り扱い面、生産性、フィルム物性への影響が少ない等の観点からより好ましい。マスキングフィルムとしては、比較的柔かいフィルムを基材として表面が弱粘着性を持つように加工されたものが多用されている。
マスキングフィルムは、好ましくは予め巻出機にセットしておいたものを巻き出して、本発明のフィルムと合流させ、マスキングフィルムの粘着面を本発明のフィルムの面に向けてニップロールで弱く挟持して貼り合せ、共に巻回される。マスキングフィルムの巻出し時には、マスキングフィルムが巻き出し張力により変形しないよう、弱い力で巻き出すことが好ましい。また、マスキングフィルムと本発明のフィルムとを貼り合わせた貼合体は、弱い巻回張力で巻回することが好ましい。
本発明の光学フィルムを偏光膜保護フィルムとして用いる場合、本発明のフィルムは偏光膜と接着剤または粘着剤で貼り合せて使用される。偏光膜は、一般にポリビニルアルコールフィルムにヨウ素または二色性色素を含浸させ延伸して製造されるため、上記接着剤または粘着剤としては、光学的に等方であることのほか、ポリカーボネートとポリビニルアルコールの双方に接着または粘着するものであることを要する。接着剤または粘着剤としては塗布型の接着剤もしくは粘着剤またはフィルム状の接着剤もしくは粘着剤を使用することができる。このような接着剤または粘着剤としては、塗布型のものとして例えばポリエステル系、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系等の感熱接着性樹脂;アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等の感圧接着性樹脂;飽和ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。一方、フィルム状のものとしては例えばポリブタジエンポリオール、官能基含有アクリル共重合体等の官能基を有する樹脂に硬化剤を配合して製膜し、部分架橋または不完全架橋させたフィルム;ポリ塩化ビニルに可塑剤を例えば20重量%以上配合した軟質ポリ塩化ビニルフィルム;飽和ポリエステル樹脂フィルム;アクリル系共重合体フィルム;ブチルゴム、ウレタンゴム、ブタジエン系ゴム(例えばポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等)、スチレン−イソプレン−スチレンゴム等の合成ゴムを製膜して得られたフィルム;低分子量ポリエチレン、アタクチックポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン等のポリオレフィン系重合体を製膜して得られたフィルム;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合体を製膜して得られたフィルム等を挙げることができる。
これらの粘着剤または接着剤の厚みは、1〜50μmに設定することが好ましい。偏光膜上または本発明のフィルム上に上記の粘着剤または接着剤の層を公知のコーティング方法または離型フィルムを用いた転写法により設けた後、両フィルムをラミネートすることにより両フィルムを貼り合わせることができる。このとき、接着性または粘着性を向上させるため、事前に偏光膜および本発明のフィルムのうちの少なくとも1つの表面を活性化処理することも好ましく行われる。表面の活性化処理としては、例えばコロナ処理、UV処理、プラズマ処理等が挙げられる。
本発明のフィルムを偏光膜保護フィルムとして用いる場合、その個別の要求特性に応じて偏光膜と貼り合わせる前にフィルム表面を加工して性能を向上させることができる。このような表面処理としては、例えば表面反射を防ぎ液晶パネルの視認性を向上させる処理としてアンチグレア処理、ノングレア処理または反射防止処理;表面の汚れ付着を低減させるためのアンチスタティック処理または防汚染処理;機械特性を向上させ表面硬度を高くし且つ耐溶剤性と耐化学薬品性とを向上させるハードコート処理;所望の色相を付与するための着色処理等が挙げられる。これらの処理は目的に応じて公知の方法で実施することができる。数種の表面処理を重畳的に実施してもよい。
偏光膜保護フィルムとして一般に使用されているトリアセチルセルロース(TAC)フィルムは、耐熱性が低く、機械特性が不十分であり、吸湿膨張係数が大きく寸法安定性に劣り、耐溶剤性が低い等の問題点を有し、偏光膜保護フィルムとして要求される機能性の付与を十分に実施するための処理条件が設定できず、機能性を十分に付与できないという欠点があった。これと比較して本発明のポリカーボネート樹脂製の光学フィルムは、耐熱性、機械特性が非常に高いレベルにあるため、機能性を十分に付与するために厳しい加工条件の設定が可能であり、偏光膜の多機能化の実現を可能ならしめる点で極めて有利である。
本発明のフィルムを光ディスクの光透過層用として用いる場合、光記録層の表面に積層して用いられる。
光記録層と本発明のフィルムとの接着性を向上するために、本発明のフィルムの表面にコロナ処理およびアンカーコート処理を施し、フィルムの表面エネルギーを上げた後に光記録層と積層してもよい。また、光ディスクとしたときの取り扱いによる表面の破損防止や傷付き防止のために、本発明のフィルムは、その少なくとも片面に表面硬化処理(ハードコート処理)がなされていることが好ましい。
本発明のフィルムを光ディスクの光透過層として用いると、ノイズが少なく信号特性が安定した信頼性の高い光ディスクが得られる。
本発明のフィルムを光ディスクの光透過層として用いる場合は、その厚みが20〜100μmであることが好ましく、より好ましくは40〜100μmであり、更に好ましくは50〜95μmである。光ディスクの光透過層に要求される厚みは、本発明のフィルムが使用される光ディスクの構造、層構成ならびに粘着層およびハードコート層の種類や厚み等により異なる。例えば「Blu−ray disc」の商品名で市販されている光ディスクでは、読み出し専用のディスク(BD−ROM)、追記型ディスク(BD−R)および書き換え型ディスク(BD−RE)があり、それぞれに単層構造および二層構造のものがある。このうち、単層構造のBD−ROMに用いる光透過層としては厚み92μm程度のフィルムが、二層構造のBD−ROMに用いる光透過層としては厚み50〜70μm程度のフィルムが、それぞれ求められる。また、単層構造のBD−REに用いる光透過層としては厚み75〜80μm程度のフィルムが、二層構造のBD−REに用いる光透過層としては厚み50〜70μm程度のフィルムが、それぞれ求められる。
本発明の光学フィルムは、再生可能資源であるバイオマス資源を原料として使用されたポリカーボネート樹脂からなり、面内および厚み方向どちらの位相差も小さい、すなわち3次元的に光学等方性が高くかつ光弾性定数も小さいことから、特に液晶表示素子の偏光膜保護フィルムや光ディスクの光透過層等の用途に好適に用いることができる。
以下に実施例により本発明を詳述する。但し、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお参考例、実施例および比較例中の物性測定は以下のようにして行ったものである。
(1)比粘度(ηsp
ペレットを塩化メチレンに溶解、濃度を約0.7g/dLとして、温度20℃にて、オストワルド粘度計(装置名:RIGO AUTO VISCOSIMETER TYPE VMR−0525・PC)を使用して測定した。なお、比粘度ηspは下記式から求められる。
ηsp=t/t−1
t :試料溶液のフロータイム
:溶媒のみのフロータイム
(2)ガラス転移温度(Tg)
ペレットをTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定した。
(3)5%重量減少温度(Td)
ペレットをTA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定した。
(4)光弾性定数
幅1cm、長さ6cmのフィルムを準備し、このフィルムの無荷重状態の位相差、1N、2N、3N荷重時の波長550nmの光の位相差を日本分光(株)製分光エリプソメーター「M220」で測定し(位相差)×(フィルム幅)/(荷重)を計算することにより求めた。
(5)面内の位相差値R(550)
日本分光(株)製分光エリプソメーター「M220」により、波長550nmで測定した。位相差値はフィルム面に対して垂直入射光線に対する位相差値を測定した。
(6)厚み方向位相差Rth値
分光エリプソメーター『M150』(日本分光(株)製)により測定した。Rth値は入射光線と位相差フィルムの表面の角度を変えることにより、各角度での位相差値を測定し、公知の屈折率楕円体の式でカーブフィッティングすることにより三次元屈折率であるn、n、nを求めた。なお、その際、別のパラメータとして平均屈折率nが必要になるが、これはアッベ屈折計((株)アタゴ社製の『アッベ屈折計2−T』により測定した。
[参考例1](実施例で用いるポリカーボネート樹脂の製造)
イソソルビド1608重量部(11モル)とジフェニルカーボネート2356重量部(11モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化した。得られたポリマーの比粘度は0.26、ガラス転移温度は162℃、5%重量減少温度は357℃であった。
[参考例2](実施例で用いるポリカーボネート樹脂の製造)
イソソルビド66.42重量部(0.45モル)と1,3−プロパンジオール11.52重量部(0.15モル)とジフェニルカーボネート129.81重量部(0.61モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)とを用いた以外は参考例1と同様にしてポリカーボネートの溶融重合を行った。得られたポリマーの比粘度は0.25、ガラス転移温度は116℃、5%重量減少温度は338℃であった。
[参考例3](実施例で用いるポリカーボネート樹脂の製造)
イソソルビド1388.33重量部(9.5モル)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン(以下、DEDと略することもある)163.33重量部(0.5モル)およびジフェニルカーボネート2142重量部(10モル)を反応槽に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド1.0重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウム1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)とを用いた以外は参考例1と同様にしてポリカーボネート樹脂の溶融重合を行った。得られたポリマーの比粘度は0.25、ガラス転移温度は124℃、5%重量減少温度は357℃であった。
[参考例4](実施例で用いるポリカーボネート樹脂ブレンド物の製造)
実施例1で製造したポリカーボネート樹脂ペレット50部と実施例2で製造した共重合ポリカーボネート樹脂ペレット50部とをブレンダーにて混合してイソソルビド構成単位87モル%および1,3−プロパンジオール構成単位13モル%のポリカーボネート樹脂ブレンド物を得た。得られたポリマーの比粘度は0.26、ガラス転移温度は140℃、5%重量減少温度は348℃であった。
[実施例1〜4]
参考例1〜4で得られたポリカーボネート樹脂をKZW15−30MGフィルム成形装置((株)テクノベル製)及びKYA−2H−6 ロール温調機((株)加藤理機製作所製)を用いて溶融製膜フィルムを得た。押出し機シリンダー温度は220℃〜260℃の範囲内に保持し、ロール温度は250℃にて行った。
また、テイクオフロールを介してフィルムを引き取り、両端部を100mmずつ切り除いて1,100mm幅、厚み約80μmのフィルムとして、厚さ29μmのポリエチレンテレフタレートの二軸延伸熱固定フィルムの表面を弱粘着加工したマスキングフィルムとともに500mを共巻し、巻層体を得た。得られたフィルムの特性を表1に示した。
[比較例1]
ビスフェノールAからなるポリカーボネート樹脂である帝人化成(株)製パンライト(登録商標)AD5503を用いて、実施例1〜4と同様にして溶融製膜フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示した。実施例1〜4と比較して3次元等方性に劣ることが分かる。
Figure 2009079191
[実施例5]
ポリビニルアルコールフィルム「VF9P−75R」(クラレ(株)製)を105℃にて延伸倍率3.3倍で縦一軸延伸した。この延伸フィルムを、ヨウ素0.2重量%およびヨウ化カリウム10重量%を含む水溶液に30℃で1分間浸漬してヨウ素を吸着させた。更に固定化処理のためホウ酸12重量%およびヨウ化カリウム10重量%を含む水溶液に60℃で4分間浸漬した後、60℃にて延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸した。その後水洗し、乾燥することにより、ポリビニルアルコール−ヨウ素系の偏光膜を得た。
一方、実施例1で得たポリカーボネート樹脂フィルム(マスキングフィルムを剥がしたもの)に、アンカーコート層としてアクリル樹脂系のプライマー(信越化学工業(株)製、商品名「PC−7A」)をメチルイソブチルケトンで2倍に希釈して塗工して、片面に厚み1μmの易接着層を形成した後、ブチルアクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比=30/67/3(モル比))35重量部、トリレンジイソシアネート−トリメチロールプロパンアダクト体2重量部および酢酸エチル63重量部からなる溶液を剥離性シート上に流延して80℃で3分間加熱して得た厚み20μmの粘着材層を転写することにより、粘着剤層を有するポリカーボネート樹脂フィルムを得た。
この粘着剤層を有するポリカーボネート樹脂フィルムを保護フィルムとして上記偏光膜の両面にラミネートして偏光板を得た。
次に、該偏光板につき、高温試験および高温高湿試験を行いその耐久性を調べた。高温試験において、該偏光板を80℃に設定した高温乾燥機で500時間加熱した後の特性変化を調べたところ、外観上大きな変化は見られなかった。また、高温高湿試験では、同様にして作成した偏光板について60℃、80%RHに設定された高温高湿試験機に500時間入れた後の特性変化を調べたところ、外観上大きな変化は見られなかった。
[比較例2]
偏光板の保護フィルムを厚み80μmのTACフィルム(富士写真フィルム(株)製、商品名「フジタック」)とし、偏光膜との張り合わせのためにポリビニルアルコール系接着剤を使用したほかは実施例5と同様の方法により偏光板を得た。得られた偏光板を用いて実施例5と同様にして耐久性試験を行った。高温試験ではTACフィルムが収縮して偏光板の端部から引けが観察され、高温高湿試験ではTACフィルムの加水分解によると思われる白化が観察され、耐久性が不十分であることが分かった。
[実施例6]
ポリカーボネート樹脂フィルムを偏光膜の保護フィルムとして用いる際に問題となる光漏れについて、以下のようにして評価した。
実施例5と同様にしてポリビニルアルコール−ヨウ素系の偏光膜を2枚作成し、これらをお互いの吸収軸が直行するクロスニコル状態とし、その間に実施例1で得たポリカーボネート樹脂フィルム(マスキングフィルムを剥がしたもの)を挟んで、偏光膜/ポリカーボネート樹脂フィルム/偏光膜の3層の積層フィルムを20cm×20cmの大きさで製造した。
この積層フィルムについて、黒状態からの光漏れを調べた。すなわち、ポリカーボネート樹脂フィルムの方向を偏光膜の吸収軸に対してさまざまな角度としてバックライトからの光の透過具合を目視で観察した。その結果、光漏れはほとんど認められなかった。
[実施例7]
実施例1で得たポリカーボネート樹脂フィルムを光透過層とする光ディスク(Blu−ray Disc(商品名)仕様)を作成した。
先ず、ポリカーボネート樹脂のペレット(帝人化成(株)製、商品名「AD−5503」、ビスフェノールAのホモポリマー、Tg=145℃、粘度平均分子量M=15,000)を光ディスク用射出成形機((株)名機製作所製、型式「M35B−D−DM」)により射出成形し、外径120mmφ、内径15mmφ、厚み1.1mmの光記録層用の基板を作成した。この射出成形の際、Blu−ray Disc ROM用のスタンパーを金型に装着して成形することにより、基板の片面表面にデータ情報、トラッキングサーボ信号等を記録したピットを形成した。
次いで、形成した基板を高周波マグネトロンスパッタ装置の真空層内に固定して5.3×10−5Paまで排気した後、Arガスを導入して圧力0.067Paとなるようガス流量を調整し、Agのターゲットを用いて放電電力500Wsにて基板のピット面側にDCスパッタリングによりAg膜を25nm堆積して光反射層とした。
上記のAg膜を有する基板のAg膜側に、紫外線硬化性のフェノールノボラックエポキシアクリレート樹脂をスピンコートにより塗布した。
実施例1で得られたポリカーボネート樹脂フィルムを外径120mmφ、内径15mmφに切り出し、マスキングフィルムを剥がした後に上記基板上に塗布したフェノールノボラックエポキシアクリレート樹脂層の上に貼り合わせ、紫外線照射装置を通過させて樹脂を硬化した。更に、貼り合せたポリカーボネート樹脂フィルム上にアクリレート系ハードコート剤をスピンコートにより塗布し、紫外線硬化させることにより、ポリカーボネート樹脂フィルムを光透過層とする光ディスク(Blu−ray Disc媒体)を得た。
上記の如くして得られた光ディスクは、フォーカス残差が小さく、再生信号のレベルも安定しており、信号の時間軸方向のずれであるジッタの小さいものであった。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で表されるカーボネート構成単位[A]を含んでなるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物であって、カーボネート構成単位[A]が全カーボネート構成単位中50〜100モル%の割合であるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物より形成された光学フィルム。
    Figure 2009079191
  2. カーボネート構成単位[A]が全カーボネート構成単位中75〜100モル%の割合である請求項1記載の光学フィルム。
  3. カーボネート構成単位[A]が全カーボネート構成単位中90〜100モル%の割合である請求項1記載の光学フィルム。
  4. カーボネート構成単位[A]のみからなるポリカーボネート樹脂より形成された請求項1記載の光学フィルム。
  5. ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物は、樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度が0.20〜0.65である請求項1記載の光学フィルム。
  6. (1)波長550nmで測定したフィルム面内の位相差R(550)が20nm以下、(2)波長550nmで測定したフィルム厚み方向の位相差Rth(550)が60nm以下である請求項1記載の光学フィルム。
  7. ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物は、光弾性定数が0×10−12〜70×10−12Pa−1の範囲である請求項1記載の光学フィルム。
  8. 液晶表示素子の偏光膜保護フィルムに用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムを液晶表示素子の偏光膜の少なくとも一方の面に保護フィルムとして積層した偏光板。
  10. 光ディスクの光透過層に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムをロール状に巻回して得られたフィルム巻層体。
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