JP6890923B2 - 多層体 - Google Patents

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JP6890923B2
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Description

本発明は、耐熱性が高く、透明性に優れ、位相差が低い光学フィルムに好適な多層体に関するものである。
従来、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)にカーボネート前駆物質を反応させて得られるポリカーボネート樹脂(以下、PC−Aという)は透明性、耐熱性、機械的特性、寸法安定性が優れているがゆえにエンジニアリングプラスチックとして多くの分野に広く使用されてきた。さらに近年その透明性を生かして光ディスク、フィルム、レンズ等の分野への光学用材料としての利用が展開されている。
しかしながら、PC−Aからなるフィルムを透明導電性フィルム用基板に使用する場合、耐熱性が十分ではなく、使用が困難であった。
そこで、上記問題への対策として様々な手法が検討されている。その一つとして、ビスフェノールAと9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンにカーボネート前駆物質を反応させると耐熱性が高いポリカーボネート樹脂が得られることが提案され(例えば特許文献1、2参照)、そのポリカーボネート樹脂を用いてなるフィルムを位相差フィルム用、偏光板の保護フィルム用に使用することが提案されている(例えば特許文献3〜6参照)。しかしながら、上記ポリカーボネート樹脂は溶融粘度が高く、溶液キャスト法での製膜に限られていた。
また、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンとスピログリコールからなるポリカーボネート樹脂を溶融製膜法でフィルム化することが提案されている(特許文献7)。しかしながら、ガラス転移温度が150℃以上の樹脂では、熱分解温度が低いため、溶融製膜が困難で、製膜中に分解が起こり、気泡やゲルが発生する問題がある。またフィルムの強度も低く、折り曲げ特性に課題があった。
また、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンとビスフェノールAとシロキサン化合物を共重合したポリカーボネート樹脂を溶融製膜したシートが提案されている(特許文献8)。しかしながら、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンの比率が高いため、フィルムが脆く、光学特性に関しては何ら記載がない。また、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンを含む偏光板保護フィルムが提案されている(特許文献9)が、耐熱性が十分でなかった。
また積層フィルムとして正の高分子と負の高分子からなるフィルムが提案されているが、厚さ方向の位相差が高いフィルム(特許文献10)や逆波長分散性フィルムであるフィル(特許文献11)であり、面内と厚さ方向の位相差の低い積層フィルムは提案されていなかった。
特開2004−331688号公報 特開平8−134199号公報 国際公開第2000/026705号パンフレット 国際公開第2001/009649号パンフレット 特開2001−296423号公報 特開2001−194530号公報 特許第5119250号公報 特開2011−89050号公報 特開2012−103507号公報 特開2007−25649号公報 特開2003−161833号公報
本発明の目的は、耐熱性が高く、透明性に優れ、位相差が低い光学フィルムに好適な多層体を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、異なる構造を有する熱可塑性樹脂2種を積層することで耐熱性が高く、透明性に優れ、位相差が低い光学フィルムに好適な多層体が得られることを究明した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.熱可塑性樹脂Aを含む層と熱可塑性樹脂Bを含む層をそれぞれ少なくとも1層以上有する多層体であり、下記条件1〜4を満たし、波長550nmにおける面内位相差値Reの絶対値が15nm以下であり、厚み方向位相差値Rthの絶対値が50nm以下である多層体。
条件1:熱可塑性樹脂Aが正の屈折率異方性を有する
条件2:熱可塑性樹脂Bが負の屈折率異方性を有し、主たる繰り返し単位が下記式
Figure 0006890923
[式中、R12およびR13は夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示し、R14およびR15は夫々独立して、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基を示し、sおよびtは夫々独立して1〜4の整数を示し、uおよびkは、夫々独立して1以上の整数を示す。]
で表される単位(C)を含むポリカーボネート樹脂[B]である
条件3:熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bのいずれか一方のガラス転移温度が160℃以上である
条件4:多層体が未延伸である
2.多層体が未延伸多層体である前項1記載の多層体。
3.波長550nmにおける面内位相差値Reの絶対値が10nm以下であり、厚み方向位相差値Rthの絶対値が30nm以下である前項1記載の多層体。
4.熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度の差が10〜50℃である前項1記載の多層体。
5.多層体の総厚みが20μm〜500μmである前項1記載の多層体。
6.熱可塑性樹脂Aが、それぞれポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂またはポリエステルカーボネート樹脂のいずれかである前項1記載の多層体。
7.熱可塑性樹脂Aは、主たる繰り返し単位が下記式
Figure 0006890923
[式(A)中、RおよびRは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示し、mおよびnは夫々独立して1〜4の整数を示す。Wは下記式(W)
Figure 0006890923
であり、ここにR、Rは夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜9の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子であり、pは1〜4の整数を示す。]
で表される単位(A)と下記式
Figure 0006890923
[式(B)中、R、Rは夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜9の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子であり、qおよびrは夫々独立して1〜4の整数を示す。Xは、単結合または下記式(X)
Figure 0006890923
であり、ここにRとRはそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、または炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、RとRが結合して炭素環または複素環を形成しても良い。RとR10はそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または炭素原子数6〜12アリール基を表す。R11は炭素原子数1〜9のアルキレン基である。aは1〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。]
で表される単位(B)を含むポリカーボネート樹脂[A]である前項1記載の多層体。
.前項1記載の多層体からなる光学フィルム。
.前項記載の光学フィルムを基材とした透明導電性フィルム。
本発明の多層体は、特定の熱可塑性樹脂を積層することで、耐熱性が高く、透明性に優れ、光学等方性に優れたフィルムが得られることが判明した。そのため、その奏する工業的効果は格別である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<熱可塑性樹脂A>
本発明で使用される熱可塑性樹脂Aとしてはポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂が好ましい。好ましくはポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂であり、特に好ましくはポリカーボネート樹脂である。
熱可塑性樹脂Aは、正の屈折率異方性を有する。正の屈折率異方性とは、熱可塑性樹脂Aを延伸した際に、延伸方向に遅相軸が発現するものをいう。
好ましいポリカーボネート樹脂としては、主たる繰り返し単位が、単位(A)と単位(B)とを含む。主たる繰り返し単位とは、単位(A)と単位(B)の合計が全繰り返し単位を基準として60モル%以上であり、好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上であり、実質的に100モル%であることが特に好ましい。
(単位(A))
単位(A)として、下記式(A)
Figure 0006890923
[式(A)中、RおよびRは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示し、mおよびnは夫々独立して1〜4の整数を示す。Wは下記式(W)
Figure 0006890923
であり、ここにR、Rは夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜9の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子であり、pは1〜4の整数を示す。]
で表される単位(A)が好ましく用いられる。
、Rは夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルケニル基、またはハロゲン基(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)が好ましい。
上記式(W)中、R、Rは夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルケニル基、またはハロゲン基(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)が好ましい。pは1〜3の整数が好ましい。
具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどから誘導されるカーボネート単位が挙げられる。
なかでも、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンから誘導されるカーボネート単位が好ましい。
特に、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンや1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンから誘導されるカーボネート単位が好ましい。
(単位(B))
単位(B)として、下記式(B)
Figure 0006890923
[式(B)中、R、Rは夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜9の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子であり、qおよびrは夫々独立して1〜4の整数を示す。Xは、単結合または下記式(X)
Figure 0006890923
であり、ここにRとRはそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、または炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、RとRが結合して炭素環または複素環を形成しても良い。RとR10はそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または炭素原子数6〜12アリール基を表す。R11は1〜9のアルキレン基である。aは1〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。]
で表される単位(B)が好ましく用いられる。
単位(B)は、前記式(B)に示したように、芳香族構造を有するカーボネート単位である。前記式(B)中、R、Rは、水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数7〜13のアラルキル基、またはハロゲン原子が好ましい。R、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜9のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数7〜9のアラルキル基、またはハロゲン原子がより好ましく、メチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基がさらに好ましい。q、rはR、Rがベンゼン環上に置換している数を示し1〜4の整数である。
式(B)中のXは前記式(X)で示され、RとRはそれぞれ炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基が好ましい。RとR10はそれぞれ水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基が好ましい。
具体的には、4,4′−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールE)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(ビスフェノールM)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサンなどから誘導されるカーボネート単位が例示される。なかでも、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールMが耐熱性、流動性の観点から好ましく、特にビスフェノールAが高流動、入手容易性の観点から好ましい。これらは2種類以上併用して用いても良い。
(組成比)
本発明で好ましく使用されるポリカーボネート樹脂[A]の組成比は、単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が、好ましくは5/95以上95/5以下、より好ましくは10/90以上90/10以下、さらに好ましくは15/85以上80/20以下、特に好ましくは18/82以上60/40以下、もっとも好ましくは20/80以上40/60以下である。モル比(A/B)が5/95〜95/5の範囲である組成のポリカーボネート樹脂をフィルム化した場合、フィルムの耐熱性、流動性に優れ、光学用途に適したものとなり好ましい。本発明で使用されるポリカーボネート樹脂[A]は共重合体が好ましい。なお、モル比は、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し算出する。
(他の単位)
ポリカーボネート樹脂[A]において、その他の共重合構成単位を誘導する化合物としては、脂肪族ジオール化合物や脂環族ジオール化合物などが挙げられる。また、テレフタル酸などの酸成分を共重合することにより、一部ポリエステルカーボネートとすることもできる。
<熱可塑性樹脂B>
本発明で使用される熱可塑性樹脂Bとしてはポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂が好ましい。好ましくはポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂であり、特に好ましくはポリカーボネート樹脂である。
熱可塑性樹脂Bは、負の屈折率異方性を有する。負の屈折率異方性とは、熱可塑性樹脂Bを延伸した際に、延伸方向と垂直方向に遅相軸が発現するものをいう。
好ましいポリカーボネート樹脂としては、主たる繰り返し単位が、下記単位(C)を含む。主たる繰り返し単位とは、単位(C)が全繰り返し単位を基準として60モル%以上であり、好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上である。
(単位(C))
単位(C)として、下記式(C)
Figure 0006890923
[式中、R12およびR13は夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示し、R14およびR15は夫々独立して、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基を示し、sおよびtは夫々独立して1〜4の整数を示し、uおよびkは夫々独立して1以上の整数を示す。]
で表される単位(C)が好ましく用いられる。
単位(C)中、R12およびR13において、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基として、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基が好ましく挙げられる。ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が好ましく挙げられる。
14およびR15において、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基として、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、より好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基、さらに好ましくはエチレン基である。
uおよびkは、それぞれ−(R14−O)−および−(O−R15)−の繰り返しの数を表す。uおよびkは、夫々独立して、1以上の整数であり、好ましくは1〜20の整数、より好ましくは1〜12の整数、さらに好ましくは1〜8の整数、特に好ましくは1〜4の整数、最も好ましくは1である。
単位(C)として、具体的には9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−n−ブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−メチルプロピル)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ−n−ブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ビス(1−メチルプロピル)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジフェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジベンジルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロペニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フルオロフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレンから誘導されるカーボネート単位が挙げられる。また、rおよびkが2以上である9,9−ビス[ヒドロキシポリ(アルキレンオキシ)フェニル]フルオレン等から誘導される単位が挙げられる。
これらのうち、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン}等が好ましい。特に、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEF)から誘導される単位(C1)が好ましい。
(他の単位)
ポリカーボネート樹脂[B]において、その他の共重合構成単位を誘導する化合物としては、脂肪族ジオール化合物、脂環族ジオール化合物または芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導されるカーボネート単位が挙げられる。芳香族ジヒドロキシ化合物としては前述した単位(B)で使用される芳香族ジヒドロキシ化合物が挙げられ、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(ビスフェノールM)、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、ビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)、および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカンなどが好ましい。
また、下記式(C2)で表されるカーボネート単位も好ましく用いられる。
Figure 0006890923
上記式(C2)中、R16及びR17は、それぞれ独立に、直接結合、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基、若しくは置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基、又は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基及び置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基からなる群から選ばれる2つ以上の基が、酸素原子、置換されていてもよい硫黄原子、置換されていてもよい窒素原子若しくはカルボニル基で連結された基であり、R18は、直接結合、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基、又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基であり、R19およびR20は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアリールオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換基を有する硫黄原子、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基である。vおよびwは夫々独立して1〜4の整数を示し、zは1〜5の整数値を示す。)
上記式(C2)を誘導する化合物の具体的例として、9,9’−ジ(ヒドロキシメチル)−9,9’−ビフルオレニル、ビス(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)メタン、1,2−ビス(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)エタン、ビス[9−(3−ヒドロキシプロピル)−フルオレン−9−イル]メタン、ビス{9−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニルエチル]フルオレン−9−イル}メタン、9,9−ビス[(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)−メチル]フルオレン、1,2−ビス[9−(3−ヒドロキシプロピル)−フルオレン−9−イル]エタン、α,α’−ビス−(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)−1,4−キシレン、1,2−ビス(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)ブタン、1−ビス(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)エタン、1,2−ビス(9−ヒドロキシフルオレン−9−イル)エタン、ビス−{[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン−9−イル}エタンが好ましい。
また、下記式(C3)で表されるエステル単位も好ましく用いられる。この場合、ポリエステルカーボネートとなる。
Figure 0006890923
上記式(C3)中、R16〜R20、v、wおよびzは上記式(C2)と同義で、Gは単位(C)または脂肪族基または脂環式基または芳香族基を示す]
上記一般式(C3)を誘導する化合物の具体的例として、ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタン、1,2−ビス[9−(2−メトキシカルボニルプロピル)フルオレン−9−イル]エタン、ビス[9−(2−メトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタンが好ましい。
また、テレフタル酸などの酸成分を共重合することにより、ポリエステルカーボネートとすることもできる。
(ポリカーボネート樹脂の製造方法)
本発明のポリカーボネート樹脂[A]およびポリカーボネート樹脂[B]は、通常のポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えばジオール成分にホスゲンや炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
カーボネート前駆物質として、例えばホスゲンを使用する反応では、通常酸結合剤および溶媒の存在下に反応を行う(溶液法)。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはピリジンなどのアミン化合物が用いられる。溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えば第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩などの触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時間である。本発明のポリカーボネート樹脂は、その重合反応において、末端停止剤として通常使用される単官能フェノール類を使用することができる。殊にカーボネート前駆物質としてホスゲンを使用する反応の場合、単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られた芳香族ポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。
かかる単官能フェノール類としては、芳香族ポリカーボネート樹脂の末端停止剤として使用されるものであればよい。
なお、ポリカーボネート樹脂[A]は、耐熱性が高く、溶融粘度も高いため、ホスゲンを使用するホスゲンを使用した製造方法(溶液法)が好ましい。
カーボネート前駆物質として炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下所定割合の芳香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる(溶融法)。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点などにより異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また、必要に応じて末端停止剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエステルとしては、置換されてもよい炭素原子数6〜12のアリール基、アラルキル基等のエステルが挙げられる。具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネートおよびm−クレジルカーボネート等が例示される。なかでもジフェニルカーボネートが特に好ましい。ジフェニルカーボネートの使用量は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、好ましくは0.97〜1.10モル、より好ましは1.00〜1.06モルである。
また溶融重合法においては重合速度を速めるために、重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、金属化合物等が挙げられる。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が例示される。
アルカリ土類金属化合物としては、具体的に、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、二酢酸マグネシウム、二酢酸カルシウム、二酢酸ストロンチウム、二酢酸バリウム等が例示される。
含窒素化合物としては、具体的に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類が例示される。また、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類が例示される。また、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が例示される。
金属化合物としては、亜鉛アルミニウム化合物、ゲルマニウム化合物、有機スズ化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物等が挙げられる。これらの化合物は1種または2種以上併用してもよい。
これらの重合触媒の使用量は、ジヒドロキシ成分1モルに対し好ましくは1×10−9〜1×10−2当量、好ましくは1×10−8〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−7〜1×10−3当量の範囲で選ばれる。
また、反応後期に触媒失活剤を添加することもできる。使用する触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、なかでもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましい。更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の塩類、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の塩類が好ましい。
またスルホン酸のエステルとして、具体的に、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が例示される。なかでも、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が特に好ましい。
これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた少なくとも1種の重合触媒を用いた場合、その触媒1モル当たり好ましくは0.5〜50モルの割合で、より好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用することができる。
なお、ポリカーボネート樹脂[B]は脂肪族ジオールを含むため、炭酸ジエステルを用いたエステル交換法(溶融法)が好ましい。
(比粘度:ηSP
本発明のポリカーボネート樹脂の比粘度(ηSP)としては、好ましくは0.18〜0.50の範囲であり、より好ましくは0.20〜0.40の範囲であり、特に好ましくは0.23〜0.35の範囲である。かかる範囲内では、強度等が向上し、且つ流動特性が優れる。
本発明でいう比粘度は、20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
なお、本発明のポリカーボネート樹脂の比粘度を測定する場合は、次の要領で行うことができる。すなわち、ポリカーボネート樹脂をその20〜30倍重量の塩化メチレンに溶解し、可溶分をセライト濾過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩化メチレン可溶分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から20℃における比粘度をオストワルド粘度計を用いて求める。
(ガラス転移温度:Tg)
本発明の多層体に用いる熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂BのいずれかのTgが160℃以上であることが必要である。特に好ましくは熱可塑性樹脂AのTgが160℃以上である。熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂BのいずれかのTgが160℃以上であると耐熱安定性が良好となり好ましい。
また、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、それぞれ好ましくは130〜195℃、より好ましくは140〜192℃、特に好ましくは145〜190℃の範囲である。熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂BのTgの差は好ましくは0〜50℃、より好ましくは10〜50℃、さらに好ましくは15〜40℃、特に好ましくは20〜35℃である。熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂BのTgが下限以上であると耐熱安定性が良好となり、フィルムの加工工程でのフィルムの変形を抑制できる。またTgが上限以下の範囲では、フィルムの製膜加工に高い温度は必要なく、従来と異なる特別な加工設備を必要としないため好ましい。またTgの差がこの範囲であると製膜時の製膜安定性や厚み制御が抑制できる。Tgはティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定する。
(添加剤)
また、本発明の熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bには、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができる。
(熱安定剤)
熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bには、押出・成形時の分子量低下や色相の悪化を抑制するために、熱安定剤を含有することが好ましい。熱安定剤としてはリン系安定剤を含有することが好ましい。リン系安定剤として、ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物、二価フェノール類と反応し環状構造を有するホスファイト化合物、その他各種ホスファイト化合物、ホスフェート化合物、ホスホナイト化合物、およびホスホネイト化合物などを配合することが好ましい。
ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられ、中でも好適には、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
二価フェノール類と反応し環状構造を有するホスファイト化合物としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、6−tert−ブチル−4−[3−[(2,4,8,10)−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル]−2−メチルフェノールなどを挙げることができる。
他のホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、およびトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。好ましくはトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトおよびトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトである。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができ、好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。
ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
上記のリン系安定剤は、単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。リン系安定剤は熱可塑性樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.7重量部、さらに好ましくは0.1〜0.5重量部配合される。
熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bは、押出・成形時の分子量低下や色相の悪化を抑制することを目的に、熱安定剤として、ヒンダードフェノール系熱安定剤を添加することもできる。
ヒンダードフェノール系安定剤としては、例えば、酸化防止機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス{メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、ジステアリル(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルベンジル)マロネート、トリエチレグリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,2−チオジエチレンビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2,4−ビス{(オクチルチオ)メチル}−o−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5,7,8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン−6−オール、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール等が挙げられる。
これらの中で、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、2,2−チオジエチレンビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}等が好ましい。
これらのヒンダードフェノール系安定剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても用いても良い。
ヒンダードフェノール系安定剤は熱可塑性樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量部配合される。
<多層体>
本発明の多層体は、フィルム、シート、プレート等の成形品として広く使用することができる。多層体の成形方法としては公知の方法、例えば、共押出、押出ラミネート、熱ラミネート、ドライラミネート等の方法を用いることができる。この中でも特に共押出法を用いることが好ましい。
共押出の場合、多層体の各層を構成する樹脂、及び、添加剤を複数台の押出機を用いてフィードブロック、あるいは、マルチマニホールドダイを通じ樹脂を合流させ、多層体を成形する。本発明の多層体は未延伸の多層体である。
また、本発明においては、前記多層体は二種二層に限られず、二種三層(前記熱可塑性樹脂Aを含む層/前記熱可塑性樹脂Bを含む層/前記熱可塑性樹脂Aを含む層や前記熱可塑性樹脂Bを含む層/前記熱可塑性樹脂Aを含む層/前記熱可塑性樹脂Bを含む層)であってもよく、前記熱可塑性樹脂Aを含む層および前記熱可塑性樹脂Bを含む層以外の層を含んでいてもよい。
本発明の多層体において、総厚みが20〜500μmの範囲が好ましく、25〜300μmの範囲がより好ましく、30〜100μmの範囲がさらに好ましい。
<光学フィルム>
本発明の多層体は光学フィルムとして好適に用いることができる。具体的には、位相差フィルム、プラセル基板フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルム、輝度上昇フィルム、光ディスクの保護フィルム、拡散フィルム等の用途が挙げられる、なかでも位相差フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルムが好ましい。
光学フィルムの製造方法としては、生産性の点から溶融押出法(共押出法)が採用される。
溶融押出法においては、Tダイを用いて樹脂を溶融押出し、冷却ロールに送る方法が好ましく用いられる。このときの溶融押出樹脂温度は熱可塑性樹脂の分子量、Tg、溶融流動特性等から決められるが、ポリカーボネート樹脂の場合240〜300℃の範囲が好ましく、250℃〜290℃の範囲がより好ましい。240℃より低いと粘度が高くなりポリマーの配向、応力歪みが残りやすく、また、300℃より高いと熱劣化によるゲル化、着色、Tダイからのダイライン(筋)等の問題が起きやすい。また、減圧状態に保持できる真空ホッパーを使用することが好ましい。真空度は10kPa以下が好ましく、5kPa以下がさらに好ましく、3kPa以下が特に好ましい。
本発明の光学フィルムは未延伸の光学フィルムが採用される。光学フィルムの厚みとしては、30〜400μmの範囲が好ましく、より好ましくは40〜300μmの範囲である。かかる光学フィルムは、ディスプレイ用基板やタッチパネル用基板として好適に用いられる。
光学フィルムは、波長550nmにおける面内位相差値Reの絶対値が20nm以下であることが好ましく、15nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましく、5nm以下であることが特に好ましい。また、波長550nmにおける厚み方向位相差値Rthの絶対値が50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることがさらに好ましく、10nm以下であることが特に好ましく、5nm以下であることがもっとも好ましい。上記範囲であるとディスプレイ用基板やタッチパネル用基板として使用した際に、ディスプレイやタッチパネルの画像のぼやけがなくなり、高精細な画像を表示することができ好ましい。
光学フィルムのヘーズ(Haze)は0〜3%が好ましく、0〜2%がより好ましく、0〜1%がさらに好ましく、0〜0.5%が特に好ましい。ヘーズが上記範囲内であると、画像の視認性に優れ好ましい。
また、得られる光学フィルムのゲル数が100個/m以下であることが好ましく、50個/m以下であることがより好ましく、30個/m以下であることがさらに好ましく、20個/m以下であることが特に好ましい。ゲル数が上記範囲内であるとディスプレイ用基板やタッチパネル用基板として使用した際に、ディスプレイやタッチパネルが高精細な画像を表示することができ好ましい。
<タッチパネル用透明導電性フィルム>
本発明の多層体は、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム(基板または基材)として特に好適に用いられる。
透明導電性フィルムは、ベースフィルムの低屈折率層の上に透明導電膜を設けることにより得られる。
タッチパネルとしては、抵抗膜式タッチパネルと静電容量式タッチパネルが主流であるが、透明導電性フィルムはいずれのタッチパネルにも用いることができる。特に、透明導電性フィルムは、静電容量式タッチパネルに好適である。
静電容量式タッチパネルの透明導電性フィルムの透明導電膜は、通常、所定のパターンにパターン化されている。この透明導電膜のパターン化は、透明導電膜をエッチング処理することにより行われる。
パターン化された透明導電膜を有する透明導電性フィルムは、透明導電膜のパターン部(透明導電膜がエッチングされずに残存している部分(導電部))と非パターン部(透明導電膜がエッチングされて除去された部分(非導電部))との反射率や透過率の違い、あるいはパターン部と非パターン部の色調の違いにより、パターン部が視認される、いわゆる「骨見え」が起こり、透明導電膜の視認性を低下させている。この「骨見え」の問題は、本発明の多層体をベースフィルムとして用いることにより低減される。
透明導電膜の材料としては、透明導電性フィルムに用いられる公知の材料を用いることができる。例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウム錫)、ATO(酸化アンチモン錫)などの金属酸化物、銀ナノワイヤーなどの金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等が挙げられる。これらの中でもITOや金属ナノワイヤーが好ましく用いられる。
透明導電膜の厚みは、透明導電膜の視認性を向上させるという観点から小さい方が好ましく、具体的には40nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、25nm以下が更に好ましく、特に20nm以下が好ましい。透明導電膜の厚みの下限は、低抵抗の透明導電膜を確保するという観点から5nm以上が好ましく、7nm以上がより好ましく、10nm以上が特に好ましい。
透明導電膜の表面抵抗値は、1000Ω/□以下が好ましく、500Ω/□以下が好ましい。
透明導電膜の屈折率1.81以上であることが好ましい。さらに透明導電膜の屈折率は1.85以上が好ましく、1.90以上がより好ましい。上限は2.20以下が好ましく、2.10以下がより好ましい。
透明導電膜の形成方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いることができる。
透明導電膜はパターン化されていることが好ましい。透明導電膜のパターン化は、透明導電性フィルムが適用される用途に応じて、各種のパターンを形成することができる。なお、透明導電膜のパターン化により、パターン部と非パターン部が形成されるが、パターン部のパターン形状としては、例えば、ストライプ状、格子状、あるいはこれらの組み合わせ等が挙げられる。具体的には、例えば、特開2006−344163号公報、特開2011−128896号公報等に開示されているパターンが挙げられる。
透明導電膜のパターン化は、一般的にはエッチングによって行われる。例えば、透明導電膜上に所定パターンのエッチングレジスト膜を、フォトリソグラフィ法、レーザー露光法、あるいは印刷法により形成した後エッチン処理することにより、透明導電膜がパターン化される。
エッチング液としては、従来公知のものが用いられる。例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、およびこれらの混合物、ならびにそれらの水溶液が用いられる。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中「部」とは「重量部」を意味する。実施例において使用した使用樹脂および評価方法は以下のとおりである。
1.ポリマー組成比(NMR)
日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し、ポリマー組成比(モル比)を算出した。
2.比粘度
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂(または樹脂組成物)0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
3.ガラス転移温度
ポリカーボネート樹脂(または樹脂組成物)8mgを用いてティー・エイ・インスツルメント(株)製の熱分析システム DSC−2910を使用して、JIS K7121に準拠して窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
4.屈折率異方性
参考例で得られた光学フィルムを1.5倍延伸し、日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用して測定し、屈折率異方性を評価した。
5.位相差測定
実施例で得られた光学フィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用して測定した。
6.Haze
実施例で得られた光学フィルムを用いて濁度計NDH−2000型(日本電色工業(株)製)を使用し、JIS K7105に準拠して、フィルムのHazeを測定した。
7.ゲル数
実施例で得られた光学フィルムをカラー3Dレーザ顕微鏡を用いて、500mm×1000mmに存在する長軸の直径が300μm以上の干渉縞を有するゲル数をフィルム1m中に換算して求めた。
8.耐熱テスト
実施例で得られた光学フィルムを150℃熱風乾燥機で1時間処理した後の、フィルム外観を評価し、外観変化がない場合を○、収縮や変形していた場合を×とした。
[参考例1]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21540部、48%水酸化ナトリウム水溶液4930部を入れ、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)1940部および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下“BPA”と略称することがある)2735部、ハイドロサルファイト15部を溶解した後、塩化メチレン14530部を加えた後撹拌下15〜25℃でホスゲン2200部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール104.8部および48%水酸化ナトリウム水溶液705部を加え、乳化後、トリエチルアミン5.9部を加えて28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗したのち塩酸で酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになったところで、ニーダーにて塩化メチレンを蒸発して、白色のポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂1000部とトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.3部を、ベント付きΦ30mm二軸押出機を用いてストランドを押出し、40℃の温水にて冷却し、カットしてポリカーボネート樹脂組成物のペレット樹脂A1を得た。樹脂A1の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。次に、(株)テクノベル製15φ二軸押出混練機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、得られたペレットを280℃で溶融押出しフィルム成形することにより透明な押出しフィルムを得た。得られたフィルムを1.5倍に延伸し、屈折率異方性を評価した。
[参考例2]
BCF1294部、BPA3126部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂A2を得た。該樹脂A2の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。参考例1と全く同様の操作を行い、屈折率異方性を評価した。
[参考例3]
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“TMC”と略称することがある)1859部、BPA2539部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂A3を得た。該樹脂A3の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。参考例1と全く同様の操作を行い、屈折率異方性を評価した。
[参考例4]
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(以下BPEFと略す)1502部、ジフェニルカーボネート749.7部および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド3.6×10−3部と炭酸水素ナトリウム1.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で270℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてポリカーボネート樹脂B1を得た。樹脂B1の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。参考例1と全く同様の操作を行い、屈折率異方性を評価した。
[参考例5]
BPEF1353部、BCF151部、ジフェニルカーボネート749.7部および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド3.6×10−3部と炭酸水素ナトリウム1.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で270℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてポリカーボネート樹脂B2を得た。樹脂B2の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。参考例1と全く同様の操作を行い、屈折率異方性を評価した。
[参考例6]
BCF389部、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(以下SPGと略す)730部、ジフェニルカーボネート749.7部および触媒として炭酸水素ナトリウム4.5×10−3部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてポリカーボネート樹脂C1を得た。樹脂C1の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。参考例1と全く同様の操作を行い、屈折率異方性を評価した。
Figure 0006890923
[実施例1]
<多層体の製造>
上記製造方法で作成した(A)層を形成する樹脂にポリカーボネート樹脂A1を用いて、スクリュー径40mmの単軸押出機で、また、(B)層を形成する樹脂にポリカーボネート樹脂B1を用いて、スクリュー径30mmの単軸押出機でそれぞれ溶融させ、マルチマニホールド法にて2種3層に積層させ、ポリカーボネート樹脂A1については設定温度295℃、ポリカーボネート樹脂B1については設定温度275℃のT型ダイスを介して押出し、得られるシートを鏡面仕上げされたロールにて冷却し、ポリカーボネート樹脂A1の両面にポリカーボネート樹脂B1を積層した積層体を得た。また、この時それぞれの層の厚みは、第1層(ポリカーボネート樹脂A1)/第2層(ポリカーボネート樹脂B1)/第3層(ポリカーボネート樹脂A1)=15/20/15(μm)となるよう溶融樹脂の吐出量を調整した。得られた積層体の各種評価結果を表2に記載した。
[実施例2]
<多層体の製造>
それぞれの層の厚みは、第1層(ポリカーボネート樹脂A1)/第2層(ポリカーボネート樹脂B1)/第3層(ポリカーボネート樹脂A1)=10/10/10(μm)とした他は実施例1と全く同様の操作を行い、積層体を得た。各種評価結果を表2に記載した。
[実施例3]
<多層体の製造>
ポリカーボネート樹脂A1の代わりにポリカーボネート樹脂A3を用いた他は実施例2と全く同様の操作を行い、積層体を得た。各種評価結果を表2に記載した。
[実施例4]
<多層体の製造>
ポリカーボネート樹脂B1の代わりにポリカーボネート樹脂B2を用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、積層体を得た。各種評価結果を表2に記載した。
[実施例5]
<多層体の製造>
ポリカーボネート樹脂A1の代わりにポリカーボネート樹脂A2を用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、積層体を得た。各種評価結果を表2に記載した。
[実施例6]
<多層体の製造>
ポリカーボネート樹脂A1の代わりにポリカーボネート樹脂A2、ポリカーボネート樹脂B1の代わりにポリカーボネート樹脂B2を用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、積層体を得た。各種評価結果を表2に記載した。
[実施例7]
<多層体の製造>
(A)層を形成する樹脂にポリカーボネート樹脂B1を用いて、スクリュー径40mmの単軸押出機で、また、(B)層を形成する樹脂にポリカーボネート樹脂A1を用いて、スクリュー径30mmの単軸押出機でそれぞれ溶融させ、マルチマニホールド法にて2種3層に積層させ、ポリカーボネート樹脂A1については設定温度295℃、ポリカーボネート樹脂B1については設定温度275℃のT型ダイスを介して押出し、得られるシートを鏡面仕上げされたロールにて冷却し、ポリカーボネート樹脂B1の両面にポリカーボネート樹脂A1を積層した積層体を得た。また、この時それぞれの層の厚みは、第1層(ポリカーボネート樹脂B1)/第2層(ポリカーボネート樹脂A1)/第3層(ポリカーボネート樹脂B1)=20/10/20(μm)となるよう溶融樹脂の吐出量を調整した。得られた積層体の各種評価結果を表2に記載した。
[実施例8]
<多層体の製造>
ポリカーボネート樹脂A1の代わりにポリカーボネート樹脂A2、ポリカーボネート樹脂B1の代わりにポリカーボネート樹脂B2を用いた他は実施例5と全く同様の操作を行い、積層体を得た。各種評価結果を表2に記載した。
[実施例9]
<多層体の製造>
(A)層を形成する樹脂にポリカーボネート樹脂B1を用いて、スクリュー径40mmの単軸押出機で、また、(B)層を形成する樹脂にポリカーボネート樹脂A1を用いて、スクリュー径30mmの単軸押出機でそれぞれ溶融させ、マルチマニホールド法にて2種2層に積層させ、ポリカーボネート樹脂A1については設定温度295℃、ポリカーボネート樹脂B1については設定温度275℃のT型ダイスを介して押出し、得られるシートを鏡面仕上げされたロールにて冷却し積層体を得た。また、この時それぞれの層の厚みは、第1層(ポリカーボネート樹脂B1)/第2層(ポリカーボネート樹脂A1)=30/10(μm)となるよう溶融樹脂の吐出量を調整した。得られた積層体の各種評価結果を表2に記載した。
[比較例1]
<フィルムの製造>
(株)テクノベル製15φ二軸押出混練機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、ポリカーボネート樹脂A1を295℃で溶融押出しフィルム成形することにより透明な押出しフィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
[比較例2]
<フィルムの製造>
ポリカーボネート樹脂C1を270℃で溶融押出しフィルム成形した他は、比較例1と全く同様の操作を行い、透明な押出しフィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
Figure 0006890923
本発明の多層体は、透明導電性フィルムの基板として有用である。

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂Aを含む層と熱可塑性樹脂Bを含む層をそれぞれ少なくとも1層以上有する多層体であり、下記条件1〜4を満たし、波長550nmにおける面内位相差値Reの絶対値が15nm以下であり、厚み方向位相差値Rthの絶対値が50nm以下である多層体。
    条件1:熱可塑性樹脂Aが正の屈折率異方性を有する
    条件2:熱可塑性樹脂Bが負の屈折率異方性を有し、主たる繰り返し単位が下記式
    Figure 0006890923
    [式中、R12およびR13は夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示し、R14およびR15は夫々独立して、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基を示し、sおよびtは夫々独立して1〜4の整数を示し、uおよびkは、夫々独立して1以上の整数を示す。]
    で表される単位(C)を含むポリカーボネート樹脂[B]である
    条件3:熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bのいずれか一方のガラス転移温度が160℃以上である
    条件4:多層体が未延伸である
  2. 多層体が未延伸多層体である請求項1記載の多層体。
  3. 波長550nmにおける面内位相差値Reの絶対値が10nm以下であり、厚み方向位相差値Rthの絶対値が30nm以下である請求項1記載の多層体。
  4. 熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度の差が10〜50℃である請求項1記載の多層体。
  5. 多層体の総厚みが20μm〜500μmである請求項1記載の多層体。
  6. 熱可塑性樹脂Aが、それぞれポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂またはポリエステルカーボネート樹脂のいずれかである請求項1記載の多層体。
  7. 熱可塑性樹脂Aは、主たる繰り返し単位が下記式
    Figure 0006890923
    [式(A)中、RおよびRは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示し、mおよびnは夫々独立して1〜4の整数を示す。Wは下記式(W)
    Figure 0006890923
    であり、ここにR、Rは夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜9の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子であり、pは1〜4の整数を示す。]
    で表される単位(A)と下記式
    Figure 0006890923
    [式(B)中、R、Rは夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜9の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子であり、qおよびrは夫々独立して1〜4の整数を示す。Xは、単結合または下記式(X)
    Figure 0006890923
    であり、ここにRとRはそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子
    数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、または炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、RとRが結合して炭素環または複素環を形成しても良い。RとR10はそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または炭素原子数6〜12アリール基を表す。R11は炭素原子数1〜9のアルキレン基である。aは1〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。]
    で表される単位(B)を含むポリカーボネート樹脂[A]である請求項1記載の多層体。
  8. 請求項1記載の多層体からなる光学フィルム。
  9. 請求項8記載の光学フィルムを基材とした透明導電性フィルム。
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