JP5583987B2 - 光弾性定数が低いポリカーボネート樹脂および光学フィルム - Google Patents
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1.主たる繰り返し単位が下記式
で表される繰り返し単位(A1)と下記式
R11とR12はそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、 炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数6 〜12アリール基を表す。R13は炭素原子数1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。]
で表される繰り返し単位(B)を含み、それら繰り返し単位(A1)と繰り返し単位( B)とのモル比(A1/B)が40/60以上100/0未満の範囲で、20℃の塩化 メチレン溶液で測定された比粘度が0.20〜1.50であることを特徴とするポリカーボネート樹脂。
4.上記3記載の未延伸フィルムを延伸してなり、下記式(1)
R(450)<R(550)<R(650) (1)
[但し、R(450)、R(550)およびR(650)は夫々、波長450nm、5 50nm、650nmにおけるフィルム面内の位相差値を示す。]
を満たす延伸フィルム。
5.下記式(2)および(3)
0<R(450)/R(550)<1.00 (2)
1.01<R(650)/R(550)<2.00 (3)
を満たす上記4記載の延伸フィルム。
6.下記式(4)〜(6)
−30<R(450)<0 (4)
−10<R(550)<10 (5)
0<R(650)<30 (6)
を満たす上記4記載の延伸フィルム。
7.下記式(7)
R(650)<0 (7)
を満たす上記4記載の延伸フィルム。
8.上記4記載の延伸フィルムと偏光層からなる円偏光フィルム。
9.上記4記載の延伸フィルムを具備した液晶表示装置。
10.上記8記載の円偏光フィルムを反射防止フィルムとして用いた表示素子。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明のポリカーボネート樹脂は、主たる繰り返し単位が、繰り返し単位(A1)と 繰り返し単位(B)とから構成される。
本発明で用いられる繰り返し単位(A1)は、前記式(A1)に示したように、立体 障害の大きいアルキル基とフルオレン構造を有するフルオビスフェノール化合物から誘 導されるものである。前記式(A1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R1、R2が結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。また、R4、R5が結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。炭化水素基として炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基が挙げられる。前記式(A1)は、具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソペンチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロペンチルフェニル)フルオレンなどから誘導される繰り返し単位が例示される。特に、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンから誘導される前記式(A2)、(A3)、(A4)で表される繰り返し単位は、立体障害の大きいアルキル基がフェニル基の回転を抑制することで光弾性が低くなることが推定されるため好ましい。なかでも(A2)は大きく流動性が上がり、成形加工性にも優れるためさらに好ましい。
本発明にかかる繰り返し単位(B)は、前記式(B)に示したように、芳香族構造を有するカーボネート単位である。前記式(B)中、R7、R8は、水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数7〜13のアラルキル基、及びハロゲンから選ばれる1種を示し、p、qはR7、R8がベンゼン環上に置換している数を示し、1〜4の整数である。好ましくは、R7、R8は炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜9のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数7〜9のアラルキル基、及びハロゲンから選ばれる1種を示す。更に好ましくは、メチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基である。R9とR10はそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、R9とR10が結合して炭素環または複素環を形成しても良い。R11とR12はそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数6〜12アリール基を表す。R13は1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。具体的には、4,4′−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールE)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(ビスフェノールM)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサンなどが例示される。なかでも、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールMが耐熱性、流動性の観点から好ましく、特にビスフェノールAが高流動、入手容易性の観点から好ましい。これらは2種類以上併用して用いても良い。
本発明のポリカーボネート樹脂の組成比は、主たる繰り返し単位(A1)と繰り返し 単位(B)のモル比(A1/B)が、40/60以上100/0未満である。モル比( A1/B)が40/60以上の範囲である本発明のポリカーボネート樹脂をフィルム化 した場合、フィルムの波長分散性が、位相差フィルムや偏光板の保護フィルム等の光学 用途に適したものとなり好ましい。好ましくは、モル比(A1/B)が50/50以上 98/2以下、更に好ましくは、60/40以上95/5以下である。繰り返し単位( B)を含むことは、流動性、波長分散性の制御という点で好ましい。モル比(A1/B)は、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し算出する。主たる繰り返し単位とは、繰り返し単位(A1)及び(B)の合計が全繰り返し単位を基準として90モル%以上であり、好ましくは95モル%以上、より好ましくは100モル%である。
本発明のポリカーボネート樹脂の比粘度(ηSP)としては、0.20〜1.50の範囲である。0.20を超えると強度等が向上し、1.50より低いと成形加工特性が優れる。好ましくは、0.25〜1.20の範囲であり、特に好ましくは、0.30〜1.00の範囲である。本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂と併用してよい。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは130〜220℃、より好ましくは140〜200℃、特に好ましくは140〜160℃の範囲である。Tgが下限以上であると耐熱安定性が良好となり、位相差フィルムとして使用した際に、位相差値の変化が起こりづらく好ましい。またTgが上限を超えない範囲では、フィルムの延伸加工に高い温度は必要なく、従来と異なる特別な加工設備を必要としないため好ましい。Tgは、アルキル基の導入により低くなると推定される。Tgはティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、熱による5%重量減少の温度が380℃以上であることが好ましく、特に好ましくは400℃以上である。5%重量減少の温度が380℃以下である場合、溶融製膜時に分解が起こり易く、異物が発生し表示品位に影響を与える場合がある。5%の重量減少の温度は、DUPONT社(株)製のTGA 951 Thermogravimetric analyzerを用いて、40ml/minの窒素気流下、20℃/minの昇温速度で熱重量測定し、5%重量が減少した時の温度を求めた。
本発明のポリカーボネート樹脂の光弾性定数の絶対値は、45×10−12Pa−1以下、より好ましくは42×10−12Pa−1以下、さらに好ましくは40×10−12Pa−1以下である。絶対値が45×10−12Pa−1を超えると、応力による複屈折が大きく、位相差フィルム等に使用する場合に光抜けが起こり好ましくない。光弾性定数は未延伸フィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し測定する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、通常のポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えばジオール成分にホスゲンや炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
かかる単官能フェノール類としては、芳香族ポリカーボネート樹脂の末端停止剤として使用されるものであればよい。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
これらの重合触媒の使用量は、ジオール成分1モルに対し好ましくは1×10−9〜1×10−2当量、好ましくは1×10−8〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−7〜1×10−3当量の範囲で選ばれる。
本発明のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学成形品は、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液キャスティング法など任意の方法により成形される。本発明のポリカーボネート樹脂は、光弾性定数が低く、延伸により所望の波長分散性を実現することができるため特に光学フィルムとして有利に使用することができる。もちろん本発明のポリカーボネート樹脂は、光弾性定数が低く、しかも成形性にも優れているので、光ディスク基板、光学レンズ、液晶パネル、光カード、シート、光ファイバー、コネクター、蒸着プラスチック反射鏡、ディスプレーなどの光学部品の構造材料または機能材料用途に適した光学用成形品としても有利に使用することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学フィルムは、具体的には、位相差フィルム、プラセル基板フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルム、輝度上昇フィルム、光ディスクの保護フィルム、拡散フィルム等の用途が挙げられる、なかでも位相差フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルムが好ましい。
光学フィルムの製造方法としては、例えば、溶液キャスト法、溶融押出法、熱プレス法、カレンダー法等公知の方法を挙げることが出来る。なかでも、溶液キャスト法、溶融押出法が好ましく、特に生産性の点から溶融押出法が特に好ましい。
また延伸後のフィルムの厚みは、好ましくは20〜200μm、より好ましくは20〜150μmの範囲である。この範囲であれば、延伸による所望する位相差値が得やすく、製膜も容易で好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂を用いてなる未延伸フィルムを延伸することで、波長400〜800nmの可視光領域において、フィルム面内の位相差が短波長になるほど小さくなるという特徴を有する。即ち、下記式(1)
R(450)<R(550)<R(650) (1)
を満たす。但し、R(450)、R(550)およびR(650)は夫々、波長450nm、550nm、650nmにおけるフィルム面内の位相差値を示す。
R=(nx−ny)×d
但し、nxはフィルム面内の主延伸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の主延伸方向と垂直方向の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。ここで、主延伸方向とは一軸延伸の場合には延伸方向、二軸延伸の場合にはより配向度があがるように延伸した方向を意味しており、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を指す。
フィルム(I)は、下記式(2)および(3)を満たすいわゆる逆波長分散性を示す フィルムである。
0<R(450)/R(550)<1.00 (2)
1.01<R(650)/R(550)<2.00 (3)
フィルム(I)は、より好ましくは下記式(2−1)および(3−1)を満たす。
0.60<R(450)/R(550)<1 (2−1)
1.01<R(650)/R(550)<1.40 (3−1)
さらに好ましくは下記式(2−2)および(3−2)を満たす。
0.65<R(450)/R(550)<0.92 (2−2)
1.01<R(650)/R(550)<1.30 (3−2)
特に好ましくは下記式(2−3)および(3−3)を満たす。
0.70<R(450)/R(550)<0.91 (2−3)
1.03<R(650)/R(550)<1.20 (3−3)
フィルム(I)は、繰り返し単位(A1)と繰り返し単位(B)のモル比(A1/B)を40/60以上68/32未満の範囲で製造した本発明のポリカーボネート樹脂を用いてなる未延伸フィルムを延伸することにより得られる。繰り返し単位(A1)と繰り返し単位(B)のモル比(A1/B)は、50/50以上68/32未満となることが好ましく、更に好ましくは、55/45以上67/33未満である。
また、フィルム(I)の条件を満たす本発明のポリカーボネート樹脂の光弾性定数は 45×10−12Pa−1以下であることが好ましく、さらに好ましくは42×10−12Pa−1以下、特に好ましくは40×10−12Pa−1以下である。
フィルム(I)は、逆波長分散性を示すので、積層することなく1枚で液晶表示装置 等の位相差フィルムに好適に用いられる。かかる用途では、λ/4板の場合は100n m<R(550)<180nm、λ/2板の場合は220nm<R(550)<330 nmであることが望ましい。
フィルム(II)は、下記式(4)、(5)、および(6)を満たすいわゆるゼロ複屈 折性を示すフィルムである。
−30<R(450)<0 (4)
−10<R(550)<10 (5)
0<R(650)<30 (6)
フィルム(II)は、より好ましくは下記式(4−1)、(5−1)、および(6−1)を満たす。
−30<R(450)<0 (4−1)
−5<R(550)<5 (5−1)
0<R(650)<25 (6−1)
フィルム(II)は、繰り返し単位(A1)と繰り返し単位(B)のモル比(A1/B)を68/32以上75/25未満の範囲で製造した本発明のポリカーボネート樹脂を用いてなる未延伸フィルムを延伸することにより得られる。繰り返し単位(A1)と繰り返し単位(B)のモル比(A1/B)は、68/32以上74/26未満となることが好ましく、更に好ましくは69/31以上73/27未満である。
また、フィルム(II)の条件を満たす本発明のポリカーボネート樹脂の光弾性定数は 40×10−12Pa−1以下であることが好ましく、さらに好ましくは39×10−12
Pa−1以下、特に好ましくは38×10−12Pa−1以下である。
フィルム(II)は低い光学異方性を有する。即ち、波長400〜800nmにおいて フィルムの面内の位相差値がゼロに近い。従って、液晶表示装置の偏光板の保護フィル ム等に好適に用いることができる。
フィルム(III)は、下記式(7)を満たす負の複屈折性を示すフィルムである。
R(650)<0 (7)
フィルム(III)は、繰り返し単位(A1)と繰り返し単位(B)のモル比(A1/ B)を75/25以上100/0未満の範囲で製造した本発明のポリカーボネート樹脂 を用いてなる未延伸フィルムを延伸することにより得られる。繰り返し単位(A1)と 繰り返し単位(B)分のモル比(A1/B)が、78/22以上98/2未満となるこ とが好ましく、更に好ましくは80/20以上95/5以下である。
また、フィルム(III)の条件を満たす本発明のポリカーボネート樹脂の光弾性定数 は35×10−12Pa−1以下であることが好ましく、さらに好ましくは33×10−12 Pa−1以下、特に好ましくは30×10−12Pa−1以下である。
フィルム(III)は、負の複屈折性を有するので、インプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶表示装置の位相差フィルムに適している。
日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し、ポリマー組成比(モル比)を算出した。
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
ポリカーボネート樹脂8mgを用いてティー・エイ・インスツルメント(株)製の熱分析システム DSC−2910を使用して、JIS K7121に準拠して窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
ポリカーボネート樹脂8mgを用いてDUPONT社(株)製のTGA 951 Thermogravimetric analyzerを使用して、40ml/minの窒素気流下、20℃/minの昇温速度で熱重量測定し、5%重量が減少した時の温度を求めた。
未延伸フィルムを製膜方向に50mm、それと直交する幅方向に10mmサイズに切り出し、そのサンプルを用いて光弾性定数を測定した。日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用して測定した。
延伸した光学フィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用して測定した。
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子フィルムを2枚のトリアセチルセルロースフィルムにより挟んだ構造で、その片面にアクリル系感圧接着剤層が設けられている直線偏光板を用意した。実施例で作成した延伸フィルムを積算照射量1500Jの条件でコロナ放電処理を施し、そのコロナ放電処理面を、前記直線偏光板へアクリル系感圧接着剤層側に45°の角度で張り合わせた。上記偏光板を2枚作成し、無アルカリガラス(コーニングジャパン社製、商品名:EAGLE2000)に粘着剤を介し図1に示したように貼り合わせた。構成した円偏光板を85℃30分保管した直後にバックライトを当てた時の透過光の光抜けを目視で評価し、光抜けのない場合は○、エッジから少量光抜けがある場合は△、全体的に光抜けが見られる場合を×とした。光抜けは、位相差フィルムの熱膨張によりガラスに接着されているフィルムに応力が発生して、発生した応力により複屈折が生じて起こる。従って、光弾性定数の高いフィルムほど光抜けが大きい。加熱前の室温での光抜けは、逆波長分散性が良好であるほど少なく黒色となる。
透過型構成での熱ムラ評価に用いたものと同様の偏光板と無アルカリガラスを用意して、図2に示したように粘着剤を介し貼り合わせた。構成した反射構成を反射板の上にのせて、室温で上部から光を当てた時に反射光の光抜けがなく黒色の場合は○、紺色の場合を△、青色の場合を×とした。逆波長分散性が良好であるほど光抜けがなく黒色となる。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21540部、48%水酸化ナトリウム水溶液4930部を入れ、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン(以下“BSBF”と略称することがある)5063部および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下“BPA”と略称することがある)1407部、ハイドロサルファイト15部を溶解した後、塩化メチレン14530部を加えた後撹拌下15〜25℃でホスゲン2200部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール181.2部および48%水酸化ナトリウム水溶液705部を加え、乳化後、トリエチルアミン5.9部を加えて28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗したのち塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになったところで、ニーダーにて塩化メチレンを蒸発して、白色のポリマーを得た。得られたポリカーボネート樹脂の比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表1に記載した。
次に、(株)テクノベル製15mmφ二軸押出機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、得られたポリカーボネート樹脂を280℃でフィルム成形することにより透明な押出未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムより50mm×10mmサイズのサンプルを切り出し、そのサンプルを用いて光弾性定数を測定した。また、同様にして切り出した長さ100mm×幅70mmサイズの未延伸フィルムを167℃(Tg+10℃)にて長さ方向に2.0倍で一軸延伸し、延伸フィルムを得た。この光学フィルムの位相差測定、波長分散性を測定した。さらに、この光学フィルムを用いて前記7の方法で図1のように円偏光板を作成し、熱ムラ評価を実施した。また、この光学フィルムを用いて前記8の方法で図2の反射構成を作成し、反射光の光抜け評価を実施した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン(以下“BCHF”と略称することがある)5442部、BPA1368部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表1に記載した。
次に得られたポリカーボネート樹脂をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から厚み80μmとなるようにガラス板上に流涎し、剥離後、乾燥して、キャストフィルムを作製した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン(以下“BTBF”と略称することがある)5300部、BPA1290部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表1に記載した。
次に実施例2と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BSBF4667部、BPA1603部、ジフェニルカーボネート3741部、および触媒として水酸化ナトリウム1.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で280℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行い、反応終了後、触媒量の4倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BSBF5442部、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(以下“BPM”と略称することがある)2192部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表1に記載した。
次に得られたポリカーボネート樹脂をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から公知の方法によりキャストフィルムを作製した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BTBF5616部、BPA1134部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表2に記載した。
次に実施例2と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BSBF5616部、BPA1134部、ジフェニルカーボネート3741部を用いた他は、実施例4と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表2に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BSBF5853部、BPA1016部、ジフェニルカーボネート3741部を用いた他は、実施例4と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表2に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BCHF5777部、BPA1211部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表2に記載した。
次に得られたポリカーボネート樹脂をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から公知の方法によりキャストフィルムを作製した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BSBF5616部、BPM1720部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表2に記載した。
次に得られたポリカーボネート樹脂をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から公知の方法によりキャストフィルムを作製した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BSBF7117部、BPA586部を用いた他は、実施例4と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表3に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表3に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BTBF6802部、BPA587部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表3に記載した。
次に実施例2と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表3に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BCHF6530部、BPA860部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表3に記載した。
次に実施例2と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表3に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BSBF7436部、BPA235部、ジフェニルカーボネート3741部を用いた他は、実施例4と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表3に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表3に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BSBF6723部、BPM888部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表3に記載した。
次に得られたポリカーボネート樹脂をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から公知の方法によりキャストフィルムを作製した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表3に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、BPA1775部及びナトリウムハイドロサルファイト3.5部を溶解し、塩化メチレン7925部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール52.6部と48%水酸化ナトリウム水溶液327部を加え、さらにトリエチルアミン1.57部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させポリカーボネート樹脂を得た。該パウダーの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表1に記載した。
得られたポリカーボネート樹脂を15mmφ二軸押出機によりペレット化した。次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表1に示す。本フィルムは光弾性定数が80×10−12Pa−1と高く、応力による複屈折が大きい。そのため、位相差フィルムとして使用する場合に光抜けが起こり、好ましくない。また、波長分散性が正分散であるため、広帯域においてλ/4とならず、色抜けなどが問題となる。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BPA585部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンBCF(以下“BCF”と略称することがある)1969部を用いた他は、比較例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該パウダーの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表1に記載した。
得られたポリカーボネート樹脂をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から公知の方法によりキャストフィルムを作製した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BCF830部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール(以下TCDDMと略称することがある)242部を用いた他は、実施例4と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BCF156部、TCDDM356部、イソソルビド175部を用いた他は、実施例4と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BPA461部、BCF2175部を用いた他は、比較例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該パウダーの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表2に記載した。
次に比較例2と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例2と同様に熱ムラ評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BCF610部、TCDDM356部を用いた他は、実施例4と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表2に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、BPA337部、BCF2280部およびナトリウムハイドロサルファイト4.5部を溶解し、塩化メチレン6604部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール70部と48%水酸化ナトリウム水溶液327部を加え、さらにトリエチルアミン1.57部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させフルオレン骨格を有するポリカーボネート樹脂を得た。該パウダーの比粘度、ガラス転移温度、熱分解温度を測定し、表3に記載した。
次に実施例2と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた気炎新フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に評価した。フィルムについては実施例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差測定、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価を実施した。結果を表3に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BCF1037部、TCDDM135部を用いた他は、実施例4と全く同様の操作を行ったが、溶融粘度が高すぎて、高分子量体は得られなかった。該樹脂の比粘度を測定し、表3に記載した。
2.延伸フィルム
3.無機ガラス
4.延伸フィルム
5.偏光板
6.反射板
Claims (10)
- 主たる繰り返し単位が下記式
で表される繰り返し単位(A1)と下記式
R11とR12はそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、 炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数6 〜12アリール基を表す。R13は炭素原子数1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。]
で表される繰り返し単位(B)を含み、それら繰り返し単位(A1)と繰り返し単位( B)とのモル比(A1/B)が40/60以上100/0未満の範囲で、20℃の塩化 メチレン溶液で測定された比粘度が0.20〜1.50であることを特徴とするポリカーボネート樹脂。 - 請求項1記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる未延伸フィルム。
- 請求項3記載の未延伸フィルムを延伸してなり、下記式(1)
R(450)<R(550)<R(650) (1)
[但し、R(450)、R(550)およびR(650)は夫々、波長450nm、5 50nm、650nmにおけるフィルム面内の位相差値を示す。]
を満たす延伸フィルム。 - 下記式(2)および(3)
0<R(450)/R(550)<1.00 (2)
1.01<R(650)/R(550)<2.00 (3)
を満たす請求項4記載の延伸フィルム。 - 下記式(4)〜(6)
−30<R(450)<0 (4)
−10<R(550)<10 (5)
0<R(650)<30 (6)
を満たす請求項4記載の延伸フィルム。 - 下記式(7)
R(650)<0 (7)
を満たす請求項4記載の延伸フィルム。 - 請求項4記載の延伸フィルムと偏光層からなる円偏光フィルム。
- 請求項4記載の延伸フィルムを具備した液晶表示装置。
- 請求項8記載の円偏光フィルムを反射防止フィルムとして用いた表示素子。
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