JP7308592B2 - 光学フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学フィルムおよびその製造方法に関する。
従来から、位相差フィルムなどの光学フィルムが種々提案されている。この光学フィルムは、フィルム基材を一方向に延伸することによって得られ、例えば液晶表示装置の偏光板や、反射防止を目的として表示装置の視認側に配置される円偏光板に利用される。
近年では、上記光学フィルムとして、位相差の発現性の良好なポリカーボネート系樹脂を用いた光学フィルムが注目されている。例えば特許文献1では、低い光弾性定数を有するポリカーボネート系樹脂を用いることによって、光学用途に適した波長分散性を発現する光学フィルムを実現するようにしている。また、例えば特許文献2では、長さ方向(長尺方向)の熱寸法変化率を所定範囲に規定することにより、光学特性および熱安定性に優れたポリカーボネート系位相差フィルムを実現するようにしている。
特開2011-168742号公報(請求項1、段落〔0008〕、〔0009〕、〔0014〕、〔0015〕等参照) 特開2003-167121号公報(請求項1、段落〔0007〕、〔0008〕等参照)
ところが、ポリカーボネート系樹脂を用いた光学フィルム(延伸フィルム)を含む偏光板または円偏光板(以下、偏光板等とも称する)を液晶表示装置に組み込んでバックライトを点灯させると、画面中央部と画面端部とで表示にムラが生じることがわかった。この理由について、本願発明者らは以下のように推測している。
上記光学フィルムを含む偏光板等が液晶セルに貼合され、固定されていると、光学フィルムは、環境温度が変化しても寸法変化を起こすことができない。このため、バックライトの点灯によって温度上昇が生じたときに、光学フィルムの延伸時の残留応力(収縮応力)の反作用力が延伸方向(例えば幅手方向とする)に生じる。この反作用力の影響により、光学フィルムの幅手中央部は延伸方向に伸びようとし、幅手端部は逆に延伸方向に縮もうとする。この結果、延伸方向の中央部と端部とで位相差(例えば面内リタデーションRo)に差が生じてフィルム面内で位相差ムラが生じ、この位相差ムラによって上記の表示ムラが生じる。
上記した特許文献1および2では、ポリカーボネート系樹脂を用いた光学フィルムにおいて、上記の表示ムラの原因となるフィルム面内での位相差ムラを低減する点については、一切検討されていない。特に、特許文献1では、光弾性定数の小さいポリカーボネート系樹脂を作製するようにしているが、光弾性定数を小さくするにも限界があり、光弾性定数の調整によって上記の位相差ムラを低減することは困難と考えられる。なお、上記した位相差ムラの問題は、ポリカーボネート系樹脂以外の樹脂で、延伸によって位相差が出やすい樹脂を用いて光学フィルムを構成した場合には、同様に起こり得る。
なお、例えば光学フィルムの作製時に延伸倍率を低くして、光学フィルムの延伸時の残留応力を小さくし、これによって温度上昇時の延伸方向の反作用力を小さくして位相差ムラを低減する方法も考えられる。しかし、延伸倍率を小さくすると、光学フィルムに所望の位相差を付与することが困難となるため、上記の方法は妥当とは言えない。
本発明の目的は、前記の事情に鑑み、光学フィルムが(例えば他の部材に固定されて)温度変化によって寸法変化できない状態であるときに温度変化が生じても、光学フィルムの残留応力に対する反作用力に起因するフィルム面内での位相差ムラを低減することができる光学フィルムと、その光学フィルムの製造方法とを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成および方法によって達成される。
1.熱処理を行ったときにフィルム面内で収縮が最大となる第1の方向におけるフィルムの熱処理前後での寸法変化率をT1(%)とし、フィルム面内で前記第1の方向に垂直な第2の方向におけるフィルムの熱処理前後での寸法変化率をT2(%)とし、前記熱処理を、100℃相対湿度0%の条件で24時間放置する処理としたとき、以下の条件式(1)~(3)を満足することを特徴とする光学フィルム;
T1<-0.2% ・・・(1)
T2≧0.05% ・・・(2)
-0.4%≦T1+T2<0.0% ・・・(3)
ただし、
T1={(a2-a1)/a1}×100
T2={(b2-b1)/b1}×100
a1:前記熱処理前における、フィルム面上で前記第1の方向に並ぶ2点AおよびBの前記第1の方向の距離(mm)
a2:前記熱処理後における、前記2点AおよびBの前記第1の方向の距離(mm)
b1:前記熱処理前における、フィルム面上で前記第2の方向に並ぶ2点CおよびDの前記第2の方向の距離(mm)
b2:前記熱処理後における、前記2点CおよびDの前記第2の方向の距離(mm)
である。
2.以下の条件式(3a)をさらに満足することを特徴とする前記1に記載の光学フィルム;
-0.20%≦T1+T2<0.0% ・・・(3a)
である。
3.ポリカーボネート系樹脂を含むことを特徴とする前記1または2に記載の光学フィルム。
4.前記1から3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、
同時二軸延伸機を用いて、前記光学フィルムを前記第1の方向に延伸すると同時に、前記第2の方向に収縮させる延伸工程を有することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
上記の構成によれば、光学フィルムが温度変化によって寸法変化できない状態であるときに温度変化が生じても、光学フィルムの第1の方向の残留応力に対する反作用力(第1の反作用力)に起因して、第1の方向の中央部よりも端部において位相差が低下するのを、光学フィルムの第2の方向の残留応力に対する反作用力(第2の反作用力)によって抑えることができる。これにより、第1の方向に位相差ムラが生じるのを低減することができるため、フィルム面内で位相差ムラが生じるのを低減することができる。
従来の光学フィルムの熱処理前および熱処理中の状態を模式的に示す説明図である。 固定部材に貼り付けられた上記光学フィルムの熱処理前および熱処理中の状態を模式的に示す説明図である。 上記光学フィルムにおける延伸方向の位置と位相差との関係を模式的に示す説明図である。 固定部材に貼り付けられた本発明の実施の形態の光学フィルムの熱処理前および熱処理中の状態を模式的に示す説明図である。 上記光学フィルムにおける延伸方向の位置と位相差との関係を模式的に示す説明図である。 上記光学フィルムを製造する延伸機の構成を模式的に示す説明図である。 上記光学フィルムが適用される偏光板の概略の構成を示す分解斜視図である。 上記光学フィルムが適用される表示装置の一例である有機EL表示装置の概略の構成を分解して示す断面図である。 上記表示装置の他の例である液晶表示装置の概略の構成を示す断面図である。 光学フィルムから切り出された正方形状のサンプルフィルムを模式的に示す説明図である。 光学フィルムから切り出された長方形状のフィルムにおける位相差の測定位置を模式的に示す説明図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をA~Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。
〔課題についての補足〕
本実施形態の光学フィルムについて説明する前に、上述した解決課題について説明を補足しておく。
図1は、ポリカーボネート系樹脂を含む従来の光学フィルムF’の熱処理前および熱処理中の状態を模式的に示している。なお、ここでは、光学フィルムF’は、フィルム面内で幅手方向に延伸されたフィルムであるとする。また、以下では、幅手方向(延伸方向)をD1方向とも称し、フィルム面内で延伸方向に垂直な方向をD2方向とも称する。
D1方向に延伸された光学フィルムF’に張力をかけない状態で熱をかけると、延伸方向の残留応力が緩和されるため、延伸による収縮方向の残留応力によって、図1に示すように、D1方向では光学フィルムF’が収縮し、D2方向では光学フィルムF’が伸びる。ただし、D2方向においては、熱処理前にD2方向に積極的に収縮させる力は付与されていないため、熱処理後にD2方向に光学フィルムF’が伸びようとする力(残留応力)は小さい。
一方、図2は、ガラスなどの複屈折のない固定部材Gに貼り付けられた光学フィルムF’の熱処理前および熱処理中の状態を模式的に示している。D1方向に延伸された光学フィルムF’を固定部材Gに貼り付けた状態で、光学フィルムF’に熱をかけると、光学フィルムF’はD1方向およびD2方向の両方向において寸法を変化させることができない。このため、D1方向においては、光学フィルムF’が収縮しようとする力(残留応力)に対する反作用力(第1の反作用力)が働き、疑似延伸状態となる。また、D2方向においては、光学フィルムF’が伸びようとする力(残留応力)に対する反作用力(第2の反作用力)が働く。ただし、上記のように、熱処理後にD2方向に光学フィルムF’が伸びようとする力は小さいため、D2方向における第2の反作用力も小さい。
図3は、ガラスなどの複屈折のない固定部材Gに貼り付けられた光学フィルムF’におけるD1方向の位置と位相差(例えば面内リタデーションRo)との関係を模式的に示している。上記のように、D1方向では、光学フィルムF’に熱をかけたときに第1の反作用力が働くため、その第1の反作用力により、光学フィルムF’の幅手中央部は伸びようとし、幅手端部(左端、右端)は逆に縮もうとする。この結果、D1方向において、光学フィルムF’の中央部では、面内リタデーションRoが初期の基準値Rrefから増加する(増加した面内リタデーションRoの最大値をR11とする)。逆に、光学フィルムF’の左右の各端部では、面内リタデーションRoが初期の基準値Rrefから低下する(低下した面内リタデーションRoの最小値をR12とする)。このように、光学フィルムF’のD1方向において、中央部と各端部とで面内リタデーションRoに差(R11-R12)が生じる結果、フィルム面内で位相差にムラが生じることになる。
なお、ガラスなどの複屈折のない固定部材Gに貼り付けられた光学フィルムF’に熱をかけたとき、D2方向においては、上述のように第2の反作用力が小さいため、この第2の反作用力は、D1方向の第1の反作用力にほとんど影響しない。したがって、D1方向においては、上述のように、第1の反作用力の影響で、面内リタデーションRoにムラが生じる。
また、上記のように、熱処理によって光学フィルムF’のD1方向の各端部で面内リタデーションRoが低下すると、D1方向において、面内リタデーションRoが初期の基準値Rref未満の部分の幅W12(mm)が増加し、フィルム全幅W0(mm)に対して面内リタデーションRoが初期の基準値Rref以上となって現れる部分の幅W11(mm)の割合(すなわちW11/W0)が低下する。これは、光学フィルムF’が例えば偏光板の状態で表示装置に適用されたときに、面内リタデーションRoの低下による表示ムラを観察者に容易に視認させる原因となる。
つまり、上記光学フィルムF’が表示装置に適用されたとき、光学フィルムF’のD1方向の末端部は表示装置の外縁のフレームで隠れるため、上記末端部においては、面内リタデーションRoが低下しても画像の表示(視認性)に影響を与えることはない。しかし、光学フィルムF’の幅手端部において、面内リタデーションRoが低下しすぎると、幅手方向の末端部から幅手中央部にかけて面内リタデーションRoが初期の基準値Rrefに到達するまでの幅W12が広がり、上記幅W12の一部が表示装置のフレームの内側まで入る。このため、観察者がフレームの内側の画像を観察する際に、位相差ムラによる表示ムラを視認しやすくなる。
〔本実施形態の光学フィルムのポイント〕
本実施形態では、以下の条件式(1)~(3)を満足する光学フィルムFを構成することにより、上述の課題を解決するようにしている。すなわち、熱処理を行ったときにフィルム面内で収縮が最大となる第1の方向におけるフィルムの熱処理前後での寸法変化率をT1(%)とし、フィルム面内で前記第1の方向に垂直な第2の方向におけるフィルムの熱処理前後での寸法変化率をT2(%)とし、前記熱処理を、100℃相対湿度0%の条件で24時間放置する処理としたとき、本実施形態の光学フィルムFは、以下の条件式(1)~(3)を満足する。すなわち、
T1<-0.2% ・・・(1)
T2≧0.05% ・・・(2)
-0.4%≦T1+T2<0.0% ・・・(3)
である。ただし、
T1={(a2-a1)/a1}×100
T2={(b2-b1)/b1}×100
a1:前記熱処理前における、フィルム面上で前記第1の方向に並ぶ2点AおよびBの前記第1の方向の距離(mm)
a2:前記熱処理後における、前記2点AおよびBの前記第1の方向の距離(mm)
b1:前記熱処理前における、フィルム面上で前記第2の方向に並ぶ2点CおよびDの前記第2の方向の距離(mm)
b2:前記熱処理後における、前記2点CおよびDの前記第2の方向の距離(mm)
である。なお、第1の方向は、例えば延伸方向である(熱処理を行ったときに延伸方向において収縮が最大となるため)。以下では、この第1の方向を、D1方向とも称する。また、第2の方向は、例えばフィルム面内で延伸方向とは垂直な方向である。以下では、この第2の方向を、D2方向とも称する。
なお、従来の一般的な横延伸フィルム(幅手方向に延伸した光学フィルム)では、幅手方向に垂直な長手方向には積極的な収縮応力が付与されていないため、少なくとも本実施形態の条件式(2)を満足することはない(寸法変化率T2が0.05%以上となることはない)。この点で、本実施形態の光学フィルムFは、従来の一般的な横延伸フィルムとは明確に区別される。また、前述の特許文献2では、ポリカーボネート系位相差フィルムにおいて、長さ方向の熱寸法変化率が0.001%~0.04%であるが、本実施形態では、条件式(2)より、T2≧0.05%であり、D2方向の寸法変化率T2が特許文献2の位相差フィルムよりも大きい特性となっている。
条件式(1)より、光学フィルムFのD1方向の寸法変化率T1が負であり、条件式(2)より、D2方向の寸法変化率T2が正であるため、(例えばD1方向に延伸された)光学フィルムFに張力をかけない状態で熱をかけたとき、光学フィルムFは、D1方向に収縮し、D2方向に伸びる特性を有する。しかも、条件式(2)を満足することにより、寸法変化率T2が従来の位相差フィルム(一般的な横延伸フィルムや、特許文献2の位相差フィルムを含む)よりも大きいため、D2方向においては、熱処理によって光学フィルムFが伸びようとする力(残留応力)も、従来よりも大きくなる。
図4は、ガラスなどの複屈折のない固定部材Gに貼り付けられた本実施形態の光学フィルムFの熱処理前および熱処理中の状態を模式的に示している。上記特性の光学フィルムFを固定部材Gに貼り付けた状態で、光学フィルムFに熱をかけると、光学フィルムFは、D1方向およびD2方向の両方向において寸法を変化させることができない。このため、D1方向においては、光学フィルムFが収縮しようとする力(残留応力)に対する反作用力(第1の反作用力)が働き、疑似延伸状態となる。一方、D2方向においては、光学フィルムFが伸びようとする力(残留応力)に対する反作用力(第2の反作用力)が働くが、上述のように、熱処理によって光学フィルムFが伸びようとする力が従来よりも大きいため、第2の反作用力も従来よりも大きくなる(図2、図4の熱処理中のD2方向の反作用力参照)。
このように、D2方向における第2の反作用力が大きいため、この第2の反作用力を、D1方向の第1の反作用力の低減に寄与させることができる。そして、第1の反作用力の低減により、第1の反作用力によって、光学フィルムFの幅手中央部がD1方向に伸び、幅手端部(左端、右端)がD1方向に縮むのを抑えることができる。このため、図5に示すように、D1方向において、光学フィルムFの中央部では、面内リタデーションRoの初期の基準値Rrefからの増大が抑えられ(増大後の面内リタデーションRoの最大値をR21とする)、光学フィルムFの左右の各端部では、面内リタデーションRoの初期の基準値Rrefからの減少が抑えられる(減少後の面内リタデーションRoの最小値をR22とする)。これにより、D1方向における面内リタデーションRoの変動量(R21-R22)を、従来の変動量(R11-R12)よりも小さく抑えることが可能となり、D1方向の位相差ムラを低減することが可能となる。その結果、フィルム面内での位相差ムラを低減することが可能となり、本実施形態の光学フィルムFを表示装置に適用した場合でも、画面中央部と画面端部とで表示ムラが生じるのを低減することが可能となる。
また、D1方向の各端部での面内リタデーションRoの初期の基準値Rrefからの低下が抑えられることで、図5に示すように、面内リタデーションRoが初期の基準値Rref未満である部分の幅W22(mm)が減少し、面内リタデーションRoが初期の基準値Rref以上となって現れる部分の幅W21(mm)が広がる。これにより、光学フィルムFの全幅W0に対する幅21の割合が増加する((W21/W0)>(W11/W0))。したがって、面内リタデーションRoが初期の基準値Rref未満となる部分を、表示装置のフレームで完全に隠したり、上記部分がフレームの内側(画像として視認される領域)に入り込む場合でもその入り込む幅をできるだけ狭くすることが可能となる。これによって、位相差ムラによる表示ムラを観察者に視認されにくくすることができ、表示品質を向上させることが可能となる。
また、条件式(1)を満足することにより、光学フィルムFには、D1方向の延伸によって所定の位相差が付与されるため、位相差フィルムや反射防止用の偏光板(円偏光板)に好適な光学フィルムFを実現することが可能となる。なお、光学フィルムFに所定の位相差を確実に付与しつつ、本実施形態の作用効果を得る観点から、本実施形態の光学フィルムFは、以下の条件式(1a)をさらに満足することが望ましい。すなわち、
T1≦-0.24% ・・・(1a)
である。
また、条件式(3)を満足することにより、D1方向の寸法変化率T1と、D2方向の寸法変化率T2とを適度にバランスさせて、上述した本実施形態の効果を高めることが可能となる。つまり、熱処理によるD2方向の第2の反作用力によってD1方向の第1の反作用力を確実に低減することが可能となり、その結果、D1方向の各端部での面内リタデーションRoの低下をより抑えて、D1方向ひいてはフィルム面内での位相差ムラを確実に低減することが可能となる。
本実施形態の光学フィルムFは、以下の条件式(3a)をさらに満足することが望ましい。すなわち、
-0.20%≦T1+T2<0.0% ・・・(3a)
である。条件式(3a)を満足することにより、T1、T2の絶対値の差をゼロに近づけて、T1およびT2を良好にバランスさせることができる。これにより、上述した本実施形態の効果をさらに高めることが可能となる。つまり、D1方向ひいてはフィルム面内での位相差ムラをさらに確実に低減することが可能となる。特に、以下の条件式(3b)を満足していれば、T1およびT2を良好にバランスさせて、上記した位相差ムラの低減効果が十分に得られる。
-0.20%≦T1+T2≦-0.13% ・・・(3b)
また、本実施形態の光学フィルムFは、ポリカーボネート系樹脂を含む。ポリカーボネート系樹脂を含む光学フィルムFは、延伸によって位相差の発現性が良好である反面、温度変化時に延伸方向において上述した位相差ムラが生じやすいため、上述した条件式を設定する本実施形態の構成が非常に有効となる。
なお、本実施形態の光学フィルムFは、シクロオレフィン系樹脂(COP)を含んでいてもよく、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート樹脂)を含んでいてもよい。いずれの場合でも、温度変化時に延伸方向において上述した位相差ムラが生じやすいため、上述した条件式を設定して位相差ムラを低減する本実施形態の構成が非常に有効となる。
〔本実施形態の光学フィルムの製造方法〕
上述した条件式を満足する本実施形態の光学フィルムFは、図6に示す延伸機10(同時二軸延伸機)を用いて製造することができる。延伸機10は、一対のガイドレール11・12と、光学フィルムFの幅手方向の両端部を把持する複数の把持具C1・C2とを備えている。複数の把持具C1・C2は、光学フィルムFが予熱ゾーンZ1、延伸ゾーンZ2および熱固定(緩和)ゾーンZ3を順に通過するように、それぞれガイドレール11・12に沿って走行する。予熱ゾーンZ1は、光学フィルムFを延伸前に所定の温度に加熱するゾーンである。延伸ゾーンZ2は、光学フィルムFを延伸するゾーンである。熱固定ゾーンZ3は、延伸された光学フィルムFの延伸状態を熱緩和によって安定化させるゾーンである。予熱ゾーンZ1、延伸ゾーンZ2および熱固定ゾーンZ3の温度は、光学フィルムFに含まれる樹脂に応じて適宜設定される。
延伸ゾーンZ2では、光学フィルムFの幅手方向(D1方向)の各端部を把持する把持具C1・C2の間隔が予熱ゾーンZ1を走行するときよりも広がりながら、搬送方向(長手方向、D2方向)に隣り合う把持具C1・C1の間隔、および把持具C2・C2の間隔が、予熱ゾーンZ1を走行するときよりも狭まる。これにより、延伸ゾーンZ2では、光学フィルムFがD1方向に延伸されると同時に、D2方向に収縮する。これによって、上述した条件式を満足する光学フィルムFが得られる。なお、把持具C1は、延伸機10の入口にあるガイドレール11上の点Aから出口の点Pに到達した後、図示しない戻り用ガイドレールを通って再び点Aに戻される。同様に、把持具C2は、延伸機10の入口にあるガイドレール12上の点Bから出口の点Qに到達した後、図示しない戻り用ガイドレールを通って再び点Bに戻される。
上記のように、把持具C1・C2の間隔、把持具C1・C1の間隔、把持具C2・C2の間隔を同時に調整可能な延伸機10としては、公知のパンタグラフ方式の延伸機(例えば特開2011-203427号公報、特開2011-154398号公報参照)を用いることができる。
以上のことから、本実施形態の光学フィルムFの製造方法は、同時二軸延伸機(延伸機10)を用いて、光学フィルムFをD1方向(第1の方向)に延伸すると同時に、D2方向(第2の方向)に収縮させる延伸工程を有すると言うことができる。同時二軸延伸機を用いて光学フィルムFを製造することにより、上述した条件式を満足する光学フィルムFを容易に得ることができる。なお、上述した条件式を満足する本実施形態の光学フィルムFは、同時二軸延伸機を用いる以外に、例えばフィルムを加熱して押しつぶすなどの手法によっても得ることができる。
〔光学フィルムに含まれる樹脂について〕
本実施形態の光学フィルムは、熱可塑性樹脂から構成されているフィルムであれば何でも良いが、例えば、延伸後のフィルムを光学用途に使用する場合には、所望の波長に対して透明な性質を有する樹脂からなるフィルムが好ましい。このような樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂(PC)、ポリエステル系樹脂、脂環構造を有するオレフィンポリマー系樹脂(シクロオレフィン系樹脂、COP)、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、などが挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂とは、炭酸とグリコールあるいは2価フェノールとのポリエステルで、-O-CO-O-のカーボネート結合を有する高分子で、ビスフェノールと炭酸エステルの高分子が最も実用的に用いられており、帝人株式会社(パンライト(登録商標)、ピュアエース(登録商標))、株式会社カネカ(エルメック(登録商標))、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社(ユーピロン(登録商標))などから市販されている。勿論、これにフルオレン基を有したモノマーを共重合したポリマー(例えば特開2005-189632号公報参照)は位相差の逆波長分散を示すので、このようなポリカーボネートも用途によっては好んで用いることができる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられ、また、これにフルオレン基を有したモノマーを共重合したポリマーは位相差の逆波長分散を示すので、このようなポリエステルも用途によっては好んで用いることができる。
ポリエチレンナフタレート系樹脂としては、例えば、ナフタレンジカルボン酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとを重縮合させて製造したポリエチレンナフタレートを好適に用いることができる。市販品としては、テオネックス(帝人社製)等を好適に用いることができる。
シクロオレフィン系樹脂としては、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する樹脂であれば特に限定されるものではない。シクロオレフィン系樹脂は、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであってもよい。シクロオレフィンコポリマーとは、環状オレフィンとエチレン等のオレフィンとの共重合体である非結晶性の環状オレフィン系樹脂のことをいう。
上記環状オレフィンとしては、多環式の環状オレフィンと単環式の環状オレフィンとが存在している。かかる多環式の環状オレフィンとしては、ノルボルネン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブチルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、ジメチルシクロテトラドデセン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエンなどが挙げられる。また、単環式の環状オレフィンとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、シクロドデカトリエンなどが挙げられる。
シクロオレフィン系樹脂は、市販品としても入手可能であり、例えば、日本ゼオン社製「ZEONOR」、JSR社製「ARTON」、ポリプラスチック社製「TOPAS」、三井化学社製「APEL」などが挙げられる。
その他、光学フィルムを構成する樹脂としては、特開2006-45369号公報に記載の樹脂組成物や、特開2016-108544号公報に記載のアルコキシケイ皮酸エステル系重合体も用いることができる。
〔長尺フィルムの製膜方法〕
上記した同時二軸延伸機によって延伸する前の光学フィルムF(長尺フィルム)は、以下に示す溶液流延製膜法または溶融流延製膜法によって製膜することができる。以下、各製膜法について説明する。
(溶液流延製膜法)
溶液流延製膜法では、樹脂および添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープをベルト状もしくはドラム状の金属支持体上に流延する工程、流延したドープを流延膜(ウェブ)として乾燥する工程、金属支持体からウェブを剥離する工程、ウェブを延伸または幅保持する工程、更にウェブを乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻き取る工程が行われる。
流延工程の金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、ステンレススティールベルト若しくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。金属支持体の表面温度は、-50℃~溶剤が沸騰して発泡しない温度以下に設定される。支持体温度が高いほうがウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高すぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化したりする場合がある。
好ましい支持体温度としては、0~100℃で適宜決定され、5~30℃が更に好ましい。または、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶媒を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いるほうが、熱の伝達が効率的に行われ、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短くなるため、好ましい。
温風を用いる場合は、溶媒の蒸発潜熱によるウェブの温度低下を考慮して、溶媒の沸点以上の温風を使用しつつ、発泡も防ぎながら目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
特に、流延から剥離するまでの間で支持体の温度および乾燥風の温度を変更し、効率的に乾燥を行うことが好ましい。
製膜される樹脂フィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量が所望の範囲であることが好ましい。ここで、残留溶媒量は、下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%または%)={(M-N)/N}×100
なお、Mはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料の質量(g)であり、NはMを115℃で1時間の加熱した後の質量(g)である。
フィルム乾燥工程では、一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールにウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
(溶融流延製膜法)
溶融流延製膜法は、樹脂および可塑剤などの添加剤を含む樹脂組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後、流動性を有する溶融物を流延してフィルムを製膜する方法である。溶融流延によって形成される方法は、溶融押出(成形)法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの中で、機械的強度および表面精度などに優れるフィルムが得られる溶融押出法が好ましい。また、溶融押出法で用いる複数の原材料は、通常、予め混錬してペレット化しておくことが好ましい。
ペレット化は、公知の方法で行えばよい。例えば、乾燥樹脂や可塑剤、その他添加剤をフィーダーで押出し機に供給し、1軸や2軸の押出し機を用いて混錬し、ダイからストランド状に押出し、水冷または空冷し、カッティングすることでペレット化できる。
添加剤は、押出し機に供給する前に樹脂に混合しておいてもよいし、添加剤および樹脂をそれぞれ個別のフィーダーで押出し機に供給してもよい。また、粒子や酸化防止剤等の少量の添加剤は、均一に混合するため、事前に樹脂に混合しておくことが好ましい。
押出し機は、剪断力を抑え、樹脂が劣化(分子量低下、着色、ゲル生成等)しないようにペレット化可能でなるべく低温で加工することが好ましい。例えば、2軸押出し機の場合、深溝タイプのスクリューを用いて、同方向に回転させることが好ましい。混錬の均一性から、噛み合いタイプが好ましい。
以上のようにして得られたペレットを用いてフィルム製膜を行う。勿論、ペレット化せず、原材料の粉末をそのままフィーダーで押出し機に供給し、そのままフィルム製膜することも可能である。
上記ペレットを1軸や2軸タイプの押出し機を用いて、押出す際の溶融温度を200~300℃程度とし、リーフディスクタイプのフィルターなどで濾過して異物を除去した後、Tダイからフィルム状に流延し、冷却ロールと弾性タッチロールとでフィルムをニップし、冷却ロール上で固化させる。
供給ホッパーから押出し機へ上記ペレットを導入する際は、真空下または減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。
押出し流量は、ギヤポンプを導入するなどして安定に行うことが好ましい。また、異物の除去に用いるフィルターは、ステンレス繊維焼結フィルターが好ましく用いられる。ステンレス繊維焼結フィルターは、ステンレス繊維体を複雑に絡み合った状態を作り出した上で圧縮し接触箇所を焼結し一体化したもので、その繊維の太さと圧縮量により密度を変え、濾過精度を調整できる。
可塑剤や粒子などの添加剤は、予め樹脂と混合しておいてもよいし、押出し機の途中で練り込んでもよい。均一に添加するために、スタチックミキサーなどの混合装置を用いることが好ましい。
冷却ロールと弾性タッチロールとでフィルムをニップする際のタッチロール側のフィルム温度は、フィルムのTg(ガラス転移温度)以上Tg+110℃以下にすることが好ましい。このような目的で使用する弾性体表面を有するロールは、公知のロールを使用できる。
弾性タッチロールは挟圧回転体ともいう。弾性タッチロールとしては、市販されているものを用いることもできる。
冷却ロールからフィルムを剥離する際は、張力を制御してフィルムの変形を防止することが好ましい。
なお、上記した各製膜法で製膜される光学フィルムは、単層若しくは2層以上の積層フィルムであってもよい。積層フィルムは共押出成形法、共流延成形法、フィルムラミネイション法、塗布法などの公知の方法で得ることができる。これらのうち共押出成形法、共流延成形法が好ましい。
〔偏光板〕
次に、本実施形態の光学フィルムFを適用可能な偏光板について説明する。図7は、本実施形態の偏光板50の概略の構成を示す分解斜視図である。偏光板50は、偏光板保護フィルム51、偏光子52、位相差フィルム53をこの順で積層して構成されている。偏光板保護フィルム51は、例えばセルロースエステルフィルムで構成されているが、他の透明な樹脂フィルム(例えばシクロオレフィン系樹脂)で構成されてもよい。また、偏光板保護フィルム51は、視野角拡大などの光学的な特性を補償する光学補償フィルムで構成されてもよい。
偏光子52としては、ヨウ素または二色性染料をドープしたポリビニルアルコールを延伸したものを使用できる。偏光子の膜厚は、例えば5~40μm、好ましくは5~30μmであり、特に好ましくは5~20μmである。
位相差フィルム53は、本実施形態の光学フィルムF、すなわち、延伸フィルムで構成されている。位相差フィルム53の遅相軸は、フィルム面内で、矩形状のフィルムの外形の一辺(例えば辺53a)に対して10~80°傾いている。なお、上記辺53aは、光学フィルムFの幅手方向に対応する辺である。フィルム面内で辺53aに対する遅相軸の傾き角の望ましい範囲は、30~60°であり、より望ましくは45°である。また、位相差フィルム53の遅相軸と偏光子52の吸収軸(または透過軸)とのなす角度は、例えば10~80°であり、望ましくは15~75°であり、より望ましくは30~60°であり、さらに望ましくは45°である。
位相差フィルム53の偏光子52とは反対側の面には、用途に合わせて、他の層(例えばハードコート層、低屈折率層、反射防止層、液晶(ポジティブC型プレート)が適宜設けられてもよい。また、位相差フィルム53の偏光子52側の面や、位相差フィルム53と上記の他の層との間には、後述する易接着層が設けられてもよい。
本実施形態の偏光板50は、長尺状の偏光板保護フィルム51、長尺状の偏光子52、長尺状の位相差フィルム53(長尺状の斜め延伸フィルム)がこの順で積層された長尺状の偏光板であってもよく、長尺状の偏光板50を長手方向に垂直な幅手方向に沿って切断したシート状の偏光板であってもよい。
偏光板50は、一般的な方法で作製することができる。例えば、偏光子52と位相差フィルム53とを紫外線硬化型接着剤(UV接着剤)で接着して、偏光板50を作製することができる。また、アルカリ鹸化処理した位相差フィルム53は、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子52の一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液(水糊)を用いて貼り合わされてもよい。また、偏光子52と偏光板保護フィルム51との接着についても、紫外線硬化型接着剤または水糊を用いることができる。
(易接着層)
上記易接着層を構成する材料としては、透明保護フィルムと偏光子との密着性および接着性を改善し得る任意の材料を用いることができる。また、材料の特性としては、密着性・接着性以外に、透明性、熱安定性などに優れることが好ましい。このような材料としては、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系ポリマー、変性シリコーン系ポリマー、スチレンブタジエンゴム、カルボジイミド化合物、イソシアネート等で構成される樹脂が挙げられる。
上記易接着層は、必要に応じて任意の添加剤を含むこともできる。添加剤の具体例としては、レベリング剤、光重合開始剤、熱重合開始剤、重合促進剤、粘度調整剤、スリップ剤、分散剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑材、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類および量は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、添加剤の使用量は、易接着層中の全固形分100重量部に対して、好ましくは30重量部以下であり、さらに好ましくは20重量部以下である。
上記易接着層を構成する材料としては、上記の樹脂の中でも、ポリウレタンを主成分とするものが好ましく用いられる。ポリウレタンの具体例としては、DIC(株)製、商品名「ハイドランシリーズ」AP-201、AP-40F、HW-140SF、WLS-202、第一工業製薬(株)製、商品名「スーパーフレックスシリーズ」SF-210、SF460、SF870、SF420、SF-420NS、三井化学(株)製、商品名「タケラックシリーズ」W-615、W6010、W-6020、W-6061、W-405、W-5030、W-5661、W-512A-6、W-635、WPB-6601、WS-6021、WS-5000、WS-5100、WS-4000、WSA-5920、WF-764、アデカ(株)製、開発品「SPX-0882」などが挙げられる。なお、側鎖にカルボキシル基を持ったポリウレタン等の樹脂は、イソシアネートやオキサゾリン、カルボジイミド等の架橋剤で架橋することで、易接着層の強度向上を図ることができる。
上記易接着層を構成する材料として用いることができるポリオレフィンの具体例としては、ユニチカ(株)製、商品名「アローベースシリーズ」SE-1010、SE‐1013N、SE‐1030N、SD-1010、TC-4010、TD-4010、東邦化学(株)製、「ハイテックシリーズ」S3148、S3121、S8512、P-5060N、P-9018、三井化学(株)製、商品名「ユニストールシリーズ」S-120、S-75N、V100、H-200、H-300、EV210H、三井化学(株)製、商品名「ケミパールシリーズ」XHP-400、住友精化(株)製、商品名「ザイクセンシリーズ」ザイクセンA、ザイクセンL、東洋紡(株)製、商品名「ハードレンシリーズ」NZ-1004、NZ-1005、NZ-1022などが挙げられる。
上記易接着層を構成する材料として用いることができるアクリル系ポリマーの具体例としては、日本触媒(株)製、商品名「エポクロスWSシリーズ」WS-700、新中村化学(株)製、商品名「ニューコートシリーズ」開発品CP-0101などが挙げられる。
上記易接着層を構成する材料として用いることができる変性シリコーン系ポリマーの具体例としては、DIC(株)製、商品名「セラネートシリーズ」WSA1060、WSA1070、旭化成ケミカルズ(株)製、H7620、H7630、H7650などが挙げられる。
上記易接着層を構成する材料として用いることができるポリエステルの具体例としては、東洋紡(株)製、商品名「バイロナールシリーズ」MD1400、MD1480、MD1245、MD1500、互応化学工業(株)製、商品名「プラスコートシリーズ」Z-221、Z-561、Z-730、RZ-142、Z-687などが挙げられる。
上記易接着層を構成する材料として用いることができるスチレンブタジエンゴムの具体例としては、日本ゼオン(株)製、NIPOL LX415、NIPOL LX407、NIPOL V1004、NIPOL MH8101、SX1105などが挙げられる。
上記易接着層を構成する材料として用いることができるポリ塩化ビニリデンの具体例としては、旭化成(株)製、商品名「サランラテックスシリーズ」L509などが挙げられる。
上記易接着層を構成する材料として用いることができるカルボジイミド化合物の具体例としては、日清紡ケミカル(株)製、商品名「カルボジライトシリーズ」V-02、V-02-L2、SV-02、V-04、E-02などが挙げられる。
上記易接着層を構成する材料として用いることができるイソシアネート化合物としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する各種化合物を用いることができる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。また、イソシアネートはブロック剤によるマスキング加工をされたものでも良い。
上記易接着層に、アンチブロッキング性を付与するために任意の適切な微粒子を用いることができる。微粒子の具体例としては、日本触媒(株)製、「シーホスターシリーズ」KE-P20、KE-P30、開発品KE-W20、「エポスターシリーズ」MX100W等が挙げられる。微粒子の粒径は、50~500nmが好ましく、さらに好ましくは100~300nmである。上記の範囲であれば、易接着層の透明性とアンチブロッキング性を両立することができる。
上記易接着層のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは-40~+130℃であり、さらに好ましくは-30~+50℃であり、特に好ましくは0~+20℃である。なお、ガラス転移温度は、動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)の極大値を読み取ることで測定することができる。
上記易接着層の厚みとしては、任意の厚みが採用され得る。易接着層の厚みは、好ましくは10~1000nmであり、さらに好ましくは20~500nmであり、最も好ましくは50~400nmである。
上記易接着層は、例えば、上記ポリウレタン等の熱可塑性樹脂を所定割合で含有する塗工液を透明保護フィルムの表面に塗工し、乾燥することで形成される。上記塗工溶液の調整方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、市販の溶液、もしくは分散液を用いてもよいし、市販の溶液、もしくは分散液に溶剤を添加して用いてもよいし、固形分を各種溶剤に溶解または分散して用いてもよい。塗工液の溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、ベンジルアルコール、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、エチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、トルエン、キシレン、ベンゼン、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、ヘキサン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸等が挙げられる。これを単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。塗工液の塗工方法としては、任意の方法を用いて良い。例えば、グラビアダイやコーターを用いた塗工方式を用いることができる。なお、易接着層は必要に応じ、透明保護フィルムの片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
上記易接着層を透明保護フィルムに塗工する際には、ぬれ性を向上させるための予備処理として、透明保護フィルム表面の溶剤改質、コロナ処理、プラズマ処理を施すことができる。
上記塗工液の全固形分濃度は、易接着層形成材料の種類、溶解性、塗工粘度、ぬれ性、塗工後の厚みなどによって変化し得る。表面均一性の高い易接着層を得るためには、全固形分濃度は溶剤100重量部に対して、好ましくは固形分が1~100重量部であり、更に好ましくは1~50重量部である。
上記塗工液の粘度としては、塗工可能な範囲において任意の適切な粘度が採用され得る。当該粘度としては、23℃におけるせん断速度1000(1/s)で測定した値が、好ましくは1~50(mPa・sec)であり、さらに好ましくは2~10(mPa・sec)である。上記の範囲であれば、表面均一性に優れた易接着層を形成することができる。
上記易接着層が積層された透明保護フィルムは、必要に応じて任意の倍率で延伸することもできる。延伸方向は搬送方向に対して水平方向、垂直方向、斜め方向の一軸方向いずれかであってもよいし、2軸方向であってもよい。なお、透明保護フィルムの延伸は、易接着層の塗工前、易接着層塗工後など必要に応じて行ってよく、易接着層塗工前と易接着層塗工後に各1回以上の延伸をしてもよい。延伸温度は透明保護フィルムのガラス転移温度に対し、好ましくは±0~+25℃高い温度、さらに好ましくは+5~+20℃高い温度である。
<有機EL表示装置>
図8は、本実施形態の表示装置の一例である有機EL表示装置100の概略の構成を分解して示す断面図である。なお、有機EL表示装置100の構成は、これに限定されるものではない。
有機EL表示装置100は、表示セルとしての有機EL素子101上に、接着層201を介して偏光板301を形成することによって構成されている。有機EL素子101は、ガラスやポリイミド等を用いた基板111上に、順に、金属電極112、発光層113、透明電極(ITO等)114、封止層115を有して構成されている。なお、金属電極112は、反射電極と透明電極とで構成されていてもよい。
偏光板301は、有機EL素子101側から順に、λ/4位相差フィルム311、接着層312、偏光子313、接着層314、保護フィルム315を積層してなり、偏光子313がλ/4位相差フィルム311と保護フィルム315とによって挟持されている。偏光子313の透過軸(または吸収軸)と、本実施形態の光学フィルムからなるλ/4位相差フィルム311の遅相軸とのなす角度が約45°(または135°)となるように両者を貼り合わせることで、偏光板301(円偏光板)が構成されている。なお、偏光板301の保護フィルム315、偏光子313、λ/4位相差フィルム311は、図7の偏光板50の偏光板保護フィルム51、偏光子52、位相差フィルム53にそれぞれ対応している。
上記の保護フィルム315には硬化層が積層されていることが好ましい。硬化層は、有機EL表示装置の表面のキズを防止するだけではなく、偏光板301による反りを防止する効果を有する。更に、硬化層上には、反射防止層を有していてもよい。上記有機EL素子101自体の厚さは1μm程度である。
上記の構成において、金属電極112と透明電極114とに電圧を印加すると、発光層113に対して、金属電極112および透明電極114のうちで陰極となる電極から電子が注入され、陽極となる電極から正孔が注入され、両者が発光層113で再結合することにより、発光層113の発光特性に対応した可視光線の発光が生じる。発光層113で生じた光は、直接または金属電極112で反射した後、透明電極114および偏光板301を介して外部に取り出されることになる。
一般に、有機EL表示装置においては、透明基板上に金属電極と発光層と透明電極とを順に積層して発光体である素子(有機EL素子)が形成されている。ここで、発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、このような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層との積層体や、これらの正孔注入層、発光層、電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物質を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg-Ag、Al-Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
本実施形態の円偏光板は、このような外光反射が特に問題となる有機EL表示装置に適している。
すなわち、有機EL素子101の非発光時に、室内照明等により有機EL素子101の外部から入射した外光は、偏光板301の偏光子313によって半分は吸収され、残りの半分は直線偏光として透過し、λ/4位相差フィルム311に入射する。λ/4位相差フィルム311に入射した光は、偏光子313の透過軸とλ/4位相差フィルム311の遅相軸とが45°(または135°)で交差しているため、λ/4位相差フィルム311を透過することにより円偏光に変換される。
λ/4位相差フィルム311から出射された円偏光は、有機EL素子101の金属電極112で鏡面反射する際に、位相が180度反転し、逆回りの円偏光として反射される。この反射光は、λ/4位相差フィルム311に入射することにより、偏光子313の透過軸に垂直(吸収軸に平行)な直線偏光に変換されるため、偏光子313で全て吸収され、外部に出射されないことになる。つまり、偏光板301により、有機EL素子101での外光反射を低減することができる。
〔液晶表示装置〕
図9は、本実施形態の表示装置の他の例である液晶表示装置400の概略の構成を示す断面図である。液晶表示装置400は、液晶セル401の一方の面側に、偏光板402を配置して構成されている。
液晶セル401は、一対の基板で液晶層を挟持した表示セルである。なお、液晶セル401に対して偏光板402とは反対側には、偏光板402とクロスニコル状態で配置される別の偏光板と、液晶セル401を照明するバックライトとが設けられるが、図9では、それらの図示を省略している。
また、液晶表示装置400は、偏光板402に対して液晶セル401とは反対側に、フロントウィンドウ403を有していてもよい。フロントウィンドウ403は、液晶表示装置400の外装カバーとなるものであり、例えばカバーガラスで構成されている。フロントウィンドウ403と偏光板402との間には、例えば紫外線硬化型樹脂からなる充填材404が充填されている。充填材404がない場合は、フロントウィンドウ403と偏光板402との間に空気層が形成されるため、フロントウィンドウ403および偏光板402と空気層との界面での光の反射により、表示画像の視認性が低下する場合がある。しかし、上記の充填材404により、フロントウィンドウ403と偏光板402との間に空気層が形成されないため、上記界面での光の反射による表示画像の視認性の低下を回避することができる。
偏光板402は、所定の直線偏光を透過する偏光子411を有している。偏光子411の一方の面側(液晶セル401とは反対側)には、接着層412を介して、λ/4位相差フィルム413と、紫外線硬化型樹脂からなる硬化層414とがこの順で積層されている。また、偏光子411の他方の面側(液晶セル401側)には、接着層415を介して保護フィルム416が貼り合わされている。
偏光子411は、例えばポリビニルアルコールフィルムを二色性色素で染色し、高倍率延伸することで得られるものである。偏光子411は、アルカリ処理(鹸化処理ともいう)された後、一方の面側にλ/4位相差フィルム413が接着層412を介して貼り合わされ、他方の面側に保護フィルム416が接着層415を介して貼り合わされる。なお、偏光板402の保護フィルム416、偏光子411、λ/4位相差フィルム413は、図4の偏光板50の偏光板保護フィルム51、偏光子52、位相差フィルム53にそれぞれ対応している。接着層412・415は、例えばポリビニルアルコール接着剤(PVA接着剤、水糊)からなる層であるが、紫外線硬化型の接着剤(UV接着剤)からなる層であってもよい。
λ/4位相差フィルム413は、透過光に対して波長の1/4程度の面内位相差を付与する層であり、本実施形態の光学フィルム(延伸フィルム)で構成され、その厚みは例えば10~70μmである。また、λ/4位相差フィルム413の遅相軸と偏光子411の吸収軸とのなす角度(交差角)は、例えば30~60°であり、より望ましくは45°である。これにより、偏光子411からの直線偏光は、λ/4位相差フィルム413によって円偏光または楕円偏光に変換される。
硬化層414(ハードコート層とも言う)は、活性エネルギー線硬化型樹脂(例えば紫外線硬化型樹脂)で構成されている。
保護フィルム416は、例えばセルロース系樹脂(セルロース系ポリマー)、アクリル樹脂、環状ポリオレフィン(COP)、ポリカーボネート(PC)からなる樹脂フィルムで構成される。保護フィルム416は、単に偏光子411の裏面側を保護するフィルムとして設けられているが、所望の光学補償機能を有する位相差フィルムを兼ねた光学フィルムとして設けられてもよい。
なお、液晶表示装置の場合、液晶セル401(液晶セル)に対して偏光板402とは反対側に配置される別の偏光板は、偏光子の表面を2つの光学フィルムで挟持して構成されるが、上記の偏光子および光学フィルムとしては、偏光板402の偏光子411および保護フィルム416と同様のものを用いることができる。
なお、λ/4位相差フィルム413の接着層412側に、λ/4位相差フィルム413の接着性を向上させるための易接着層が設けられてもよい。易接着層は、λ/4位相差フィルム413の接着層412側に易接着処理を行うことによって形成される。易接着処理としては、コロナ(放電)処理、プラズマ処理、フレーム処理、イトロ処理、グロー処理、オゾン処理、プライマー塗布処理等があるが、このうち少なくとも1種が実施されればよい。これらの易接着処理のうち、生産性の観点からは、コロナ処理、プラズマ処理が易接着処理として好ましい。
このように、偏光板402が液晶セル401に対して視認側に位置しており、偏光板402のλ/4位相差フィルム413が、偏光子411に対して液晶セル401とは反対側に位置する液晶表示装置400の構成では、液晶セル401から出射されて視認側の偏光子411を透過した直線偏光は、λ/4位相差フィルム413にて円偏光または楕円偏光に変換される。このため、観察者が偏光サングラスを装着して液晶表示装置400の表示画像を観察する場合に、偏光子411の透過軸と、偏光サングラスの透過軸とがどのような角度をなしていても、偏光サングラスの透過軸に平行な光の成分を観察者の眼に導いて表示画像を観察させることができる。
なお、本実施形態の光学フィルム(延伸フィルム)は、偏光板402の保護フィルム416の代わりに位相差フィルムとして設けられてもよい。この場合は、垂直配向型(VA用)の液晶表示装置に好適な偏光板402を実現することができる。
〔実施例〕
以下、本実施形態の光学フィルムの具体例な実施例について、比較例も挙げながら説明する。なお、本発明は、以下の実施例には限定されない。
<実施例1>
(長尺フィルム1の作製)
長尺フィルム1としてのポリカーボネート系樹脂フィルム(PCフィルム)を、以下の製造方法(溶融流延製膜法)によって作製した。
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。9,9-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BHEPF)、イソソルビド(ISB)、ジエチレングリコール(DEG)、ジフェニルカーボネート(DPC)、および酢酸マグネシウム4水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸マグネシウム=0.348/0.490/0.162/1.005/1.00×10-5になるように仕込んだ。反応器内を十分に窒素置換した後(酸素濃度0.0005~0.001vol%)、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気を45℃の凝縮器に導いて回収した。
第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、反応液をストランドの形態で抜出し、回転式カッターでペレット化を行い、BHEPF/ISB/DEG=34.8/49.0/16.2[mol%]の共重合組成のポリカーボネート系樹脂Aを得た。このポリカーボネート系樹脂Aの還元粘度は、0.430dL/g、ガラス転移温度は138℃であった。
得られたポリカーボネート系樹脂Aを80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(いすず化工機社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:220℃)、Tダイ(幅900mm、設定温度:220℃)、チルロール(設定温度:120~130℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用い、厚み130μmのポリカーボネート系樹脂フィルムを長尺フィルム1として作製した。
(光学フィルム1の作製)
上記で作製した長尺フィルム1を、パンタグラフ方式の同時二軸延伸機(図6の延伸機10)に供給して、同時二軸延伸を行うことによって、光学フィルム1を作製した。このとき、延伸ゾーンZ2での延伸倍率は、ガイドレール11・12の形状および左右の把持具C1・C2の搬送速度を調整することにより、幅手方向(D1方向)において3.0倍とし、搬送方向(長手方向、D2方向)において0.73倍とした、また、延伸ゾーンZ2での延伸温度は、150℃とした。また、延伸後、左右の把持具C1・C2のピッチを固定した状態で長尺フィルム1を搬送し、熱固定ゾーンZ3にて緩和温度131℃で熱処理を行った。作製した光学フィルム1は、巻き取ってフィルムロールとした。
<実施例2~5、比較例1~2>
長尺フィルム1の延伸条件(延伸倍率、延伸温度、緩和温度)を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、光学フィルム2~5(実施例2~5)と、光学フィルム11~12(比較例1~2)をそれぞれ作製した。
<実施例6>
(長尺フィルム2の作製)
長尺フィルム2としての脂環式オレフィンポリマー系樹脂フィルム(COPフィルム)を、以下の製造方法によって作製した。
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500質量部に、1-ヘキセン1.2質量部、ジブチルエーテル0.15質量部、トリイソブチルアルミニウム0.30質量部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、DCPと略記)20質量部、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン(以下、MTFと略記)140質量部および8-メチル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-ドデカ-3-エン(以下、MTDと略記)40質量部からなるノルボルネン系モノマー混合物と、六塩化タングステン(0.7%トルエン溶液)40質量部とを、2時間かけて連続的に添加し重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06質量部とイソプロピルアルコール0.52質量部を加えて重合触媒を不活性化し重合反応を停止させた。
次いで、得られた開環重合体を含有する反応溶液100質量部に対して、シクロヘキサン270質量部を加え、さらに水素化触媒としてニッケル-アルミナ触媒(日揮触媒化成(株)製)5質量部を加え、水素により5MPaに加圧して攪拌しながら温度200℃まで加温した後、4時間反応させ、DCP/MTF/MTD開環重合体水素化ポリマーを20%含有する反応溶液を得た。
濾過により水素化触媒を除去した後、軟質重合体((株)クラレ製;セプトン2002)および酸化防止剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ(株)製;イルガノックス1010)を、得られた溶液にそれぞれ添加して溶解させた(いずれも重合体100質量部あたり0.1質量部)。次いで、溶液から、溶媒であるシクロヘキサンおよびその他の揮発成分を、円筒型濃縮乾燥器((株)日立製作所製)を用いて除去し、水素化ポリマーを溶融状態で押出機からストランド状に押出し、冷却後ペレット化して回収した。重合体中の各ノルボルネン系モノマーの共重合比率を、重合後の溶液中の残留ノルボルネン類組成(ガスクロマトグラフィー法による)から計算したところ、DCP/MTF/MTD=10/70/20でほぼ仕込組成に等しかった。この開環重合体水素添加物の、重量平均分子量(Mw)は31,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.5、水素添加率は99.9%、Tgは134℃であった。
得られた開環重合体水素添加物のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去した。次いで、前記ペレットを、コートハンガータイプのTダイを有する短軸押出機(三菱重工業(株)製:スクリュー径90mm、Tダイリップ部材質は炭化タングステン、溶融樹脂との剥離強度44N)を用いて溶融押出成形して厚み75μm(製膜工程により得られた乾燥後の長尺フィルムの厚みであり、延伸工程を経て作製される長尺状の斜め延伸フィルムの厚みではない)のシクロオレフィンポリマーフィルムを製造した。押出成形は、クラス10,000以下のクリーンルーム内で、溶融樹脂温度240℃、Tダイ温度240℃の成形条件にて幅1500mmの長尺フィルム2を得た。
(光学フィルム6の作製)
長尺フィルム2の延伸条件(延伸倍率、延伸温度、緩和温度)を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、光学フィルム6を作製した。
<寸法変化率の測定>
上記で作製した光学フィルム1~6および光学フィルム11~12から、サンプルとして、図10に示すように、100mm×100mmの正方形状のフィルム(以下、サンプルフィルムとも称する)を切り出した。そして、熱処理を行う前に、サンプルフィルムにおいて、延伸方向(D1方向)に沿って2点AおよびBをマーキングし、フィルム面内で延伸方向と直交する方向(D2方向)に沿って2点CおよびDをマーキングし、画像寸法測定器(キーエンス社製IM-6120)を用いて、2点AおよびBの距離a1と、2点CおよびDの距離b1とを測定した。測定した距離a1および距離b1は、ともに70mmであった。
続いて、サンプルフィルムに張力がかからない状態で、100℃相対湿度0%の環境下にサンプルフィルムを24時間静置した。この熱処理後に、マーキングした2点AおよびBの距離a2と、2点CおよびDの距離b1とを、上記と同様に画像寸法測定器を用いて測定した。そして、以下の式により、D1方向の寸法変化率T1(%)と、D2方向の寸法変化率T2(%)とを、各サンプルフィルムについて求めた。
T1={(a2-a1)/a1}×100
T2={(b2-b1)/b1}×100
各フィルムについての延伸条件(延伸倍率、延伸温度、緩和温度)および各種パラメータを表1に示す。
Figure 0007308592000001
<評価>
(初期の基準値からの位相差の変化率)
上記で作製した光学フィルム1~6および光学フィルム11~12のそれぞれについて、以下の手法によって、初期の基準値からの位相差の変化率を求めた。
まず、光学フィルム1~6および光学フィルム11~12から、サンプルとして、図11に示すように、70mm(D1方向)×120mm(D2方向)の長方形状のフィルムを切り出した。次に、切り出したフィルムを、両面粘着フィルム(リンテック社製 NCF-N632)を用いて厚み1.5mmの複屈折のないガラス板に貼合し、測定用サンプルとした。
続いて、Axometrics社製のAxoscanを用い、D1方向と直交するD2方向において測定用サンプルのフィルム端部から60mmの位置の位相差(面内リタデーション)を、D1方向に1mmピッチで測定し、これを熱処理前の初期の基準値(Rref)とした。
その後、測定用サンプルを100℃、相対湿度0%の環境下に24時間静置した後、初期の基準値Rrefの測定方法と同様にして、上記各位置について、位相差(面内リタデーション)を測定し、これを熱処理後の位相差(Ro)とした。そして、各測定位置(1mmピッチ、合計70点)について、下記式に基づいて、熱処理後の位相差の変化率R(%)を求めた。
R={(Ro-Rref)/Rref}×100
次に、位相差を測定した上記70点のうちで、最も変化率Rが大きかった点についての上記変化率RをRmaxとし、最も変化率Rが小さかった点についての上記変化率RをRminとしたとき、これらの差分ΔR、すなわち、ΔR=Rmax-Rminを、初期の基準値Rrefからの位相差の変化率とした。
そして、以下の評価基準に基づいて、初期の基準値Rrefからの位相差の変化率ΔRについて評価した。
《評価基準》
◎・・・変化率ΔRが4.0%未満であり、位相差ムラの程度が非常に弱く、表示装置に用いた際の表示品質が良好である。
○・・・変化率ΔRが4.0%以上5%未満であり、位相差ムラの程度が弱く、表示装置への実使用に耐えうる。
△・・・変化率ΔRが5%以上8%未満であり、位相差ムラの程度は強いが、表示装置への実使用に耐えうる。
×・・・変化率ΔRが8%以上であり、位相差ムラの程度は非常に強く、表示装置への実使用に耐えない。
(位相差が熱処理前よりも上がった部分の測定幅全体対する割合)
光学フィルム1~6および光学フィルム11~12のそれぞれについて、D1方向の70点の各位置ごとに求めた、熱処理前の初期の基準値(Rref)と、熱処理後の位相差(Ro)とを比較し、熱処理後の位相差が熱処理前よりも上がっている点を抽出した。そして、D1方向において、抽出した複数の点のうち、左端の点から右端の点までの距離(幅W)を求め、この幅Wと測定幅(W0とする)とから、位相差が熱処理前よりも上がった部分の測定幅全体対する割合Pを求めた。すなわち、割合P(%)は、下記式で表される。
P=(W/W0)×100
そして、以下の評価基準に基づいて、割合Pについて評価した。なお、割合Pが大きいほど、光学フィルムを表示装置に用いた際に、位相差が熱処理前よりも下がった部分が額縁パネルの内側にはみ出にくくなり、位相差ムラが視認されにくくなって表示品質が向上する。
《評価基準》
◎・・・割合Pが85%以上であり、表示装置に用いた際の表示品質が非常に良好である。
○・・・割合Pが65%以上85%未満であり、表示装置に用いた際の表示品質が良好である。
×・・・割合Pが65%未満であり、表示装置に用いた際の表示品質が不良である。
<総合判定>
上記で求めた変化率ΔRおよび割合Pに基づき、以下の基準に基づいて総合判定を行った。
◎◎・・・変化率ΔRおよび割合Pの評価が両方とも◎である。
◎ ・・・変化率ΔRおよび割合Pのうち、一方の評価が◎であり、他方の評価が○である。
○ ・・・変化率ΔRおよび割合Pの評価が両方とも○である。
△ ・・・変化率ΔRおよび割合Pのうち、一方の評価が○であり、他方の評価が△である。
× ・・・変化率ΔRおよび割合Pの評価に×が含まれる。
光学フィルム1~6および光学フィルム11~12のそれぞれについての評価の結果を表2に示す。
Figure 0007308592000002
比較例1および2では、総合判定が不良(×)となっている。表1に示すように、比較例1の光学フィルム11では、T2=0.00%であり、D2方向において熱処理によって生ずる伸長方向の反作用力(第2の反作用力)がほとんどないため、熱処理によるD1方向の収縮に対する反作用力(第1の反作用力)を第2の反作用力によって低減することができない。また、比較例2では、T1が-0.55%と小さすぎるため、T2=0.05%では、D1方向の第1の反作用力を低減できるだけのD2方向の反作用力(第2の反作用力)が得られない。このように、第1の反作用力を第2の反作用力で低減できないことが、変化率ΔRの増大または割合Pの低下を引き起こしていると考えられる。
これに対して、実施例1~6では、総合判定が良好(△以上)となっている。実施例1~6では、
T1<-0.2% ・・・(1)
T2≧0.05% ・・・(2)
-0.4%≦T1+T2<0.0% ・・・(3)
を全て満足していることから、熱処理によるD1方向の収縮によって生ずる第1の反作用力を、D2方向の第2の反作用力によって低減でき、これによって変化率ΔRの増大または割合Pの低下を抑えることができていると考えられる。
特に、実施例3~6では、総合判定がより良好(○以上)となっている。実施例3~6では、
-0.20%≦T1+T2<0.0% ・・・(3a)
をさらに満足しており、T1+T2がゼロに近づくとともに良好にバランスされる結果、変化率ΔRまたは割合Pの改善効果が高くなると考えられる。
また、実施例1~6の結果より、光学フィルムが、ポリカーボネート系樹脂を含んで構成されていても、シクロオレフィン系樹脂を含んで構成されていても、上記の条件式を満足することによって、変化率ΔRおよび割合Pを改善できる効果があると言える。
本発明の光学フィルムは、例えば表示装置の偏光板に利用可能である。
F 光学フィルム

Claims (3)

  1. 熱処理を行ったときにフィルム面内で収縮が最大となる第1の方向におけるフィルムの熱処理前後での寸法変化率をT1(%)とし、フィルム面内で前記第1の方向に垂直な第2の方向におけるフィルムの熱処理前後での寸法変化率をT2(%)とし、前記熱処理を、100℃相対湿度0%の条件で24時間放置する処理としたとき、以下の条件式(1)~(3)を満足し、かつ、ポリカーボネート系樹脂を含むことを特徴とする有機EL表示装置用のλ/4位相差フィルム;
    -0.51≦T1<-0.2% ・・・(1)
    0.21≧T2≧0.05% ・・・(2)
    -0.4%≦T1+T2<0.0% ・・・(3)
    ただし、
    T1={(a2-a1)/a1}×100
    T2={(b2-b1)/b1}×100
    a1:前記熱処理前における、フィルム面上で前記第1の方向に並ぶ2点AおよびBの前記第1の方向の距離(mm)
    a2:前記熱処理後における、前記2点AおよびBの前記第1の方向の距離(mm)
    b1:前記熱処理前における、フィルム面上で前記第2の方向に並ぶ2点CおよびDの前記第2の方向の距離(mm)
    b2:前記熱処理後における、前記2点CおよびDの前記第2の方向の距離(mm)
    である。
  2. 以下の条件式(3a)をさらに満足することを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置用のλ/4位相差フィルム;
    -0.20%≦T1+T2<0.0% ・・・(3a)
    である。
  3. 請求項1または2に記載の有機EL表示装置用のλ/4位相差フィルムの製造方法であって、
    同時二軸延伸機を用いて、前記λ/4位相差フィルムを前記第1の方向に延伸すると同時に、前記第2の方向に収縮させる延伸工程を有することを特徴とするλ/4位相差フィルムの製造方法。
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