JP6464030B2 - ポリカーボネート樹脂組成物および光学フィルム - Google Patents
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しかしながら、PC−Aからなるフィルムを透明導電性フィルム用基板に使用する場合、耐熱性が十分ではなく、使用が困難であった。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
で表される単位(A)と下記式
で表される単位(B)を含むポリカーボネート樹脂[A]、および下記式
で表される単位(C)を主たる繰り返し単位として含むポリカーボネート樹脂[B]を含有し、ポリカーボネート樹脂[A]とポリカーボネート樹脂[B]の重量比([A]/[B])が5/95〜95/5であるポリカーボネート樹脂組成物を用いた波長550nmにおける面内位相差値Reの絶対値が20nm以下であり、厚み方向位相差値Rthの絶対値が50nm以下である光学フィルム。
3.ポリカーボネート樹脂組成物の比粘度が0.18〜0.34である請求項1記載の光学フィルム。
4.ポリカーボネート樹脂組成物にリン系酸化防止剤またはフェノール系酸化防止剤を含む前項1記載の光学フィルム。
5.ゲル数が100個/m2以下である前項1記載の光学フィルム。
<ポリカーボネート樹脂[A]>
本発明のポリカーボネート樹脂[A]は、主たる繰り返し単位が、単位(A)と単位(B)とから構成される。主たる繰り返し単位とは、単位(A)と(B)の合計が全繰り返し単位を基準として60モル%以上であり、好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上であり、実質的に100モル%であることが特に好ましい。
単位(A)は、前記式(A)で示され、R1、R2は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルケニル基、またはハロゲン基(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)が好ましい。mおよびnは夫々独立して0〜4の整数を示す。
単位(B)は、前記式(B)に示したように、芳香族構造を有するカーボネート単位である。前記式(B)中、R3、R4は、水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数7〜13のアラルキル基、またはハロゲン原子が好ましい。R3、R4は、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜9のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数7〜9のアラルキル基、またはハロゲン原子がより好ましく、メチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基がさらに好ましい。p、qはR3、R4がベンゼン環上に置換している数を示し、0〜4の整数である。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂[A]の組成比は、単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が、好ましくは5/95以上95/5以下、より好ましくは10/90以上90/10以下、さらに好ましくは15/85以上80/20以下である。モル比(A/B)が5/95〜95/5の範囲であるかかる組成範囲のポリカーボネート樹脂をフィルム化した場合、フィルムの耐熱性、流動性に優れ、光学用途に適したものとなり好ましい。本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は共重合体が好ましい。なお、モル比は、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し算出する。
ポリカーボネート樹脂[A]において、その他の共重合構成単位を誘導する化合物としては、脂肪族ジオール化合物や脂環族ジオール化合物などが挙げられる。また、テレフタル酸などの酸成分を共重合することにより、一部ポリエステルカーボネートとすることもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂[B]は、主たる繰り返し単位が、単位(C)から構成される。主たる繰り返し単位とは、単位(C)が全繰り返し単位を基準として60モル%以上であり、好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上であり、さらに好ましくは85モル%以上である。
単位(C)は、前記式(C)で示される。単位(C)中、R10およびR11は夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示す。炭化水素基として、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基が挙げられる。ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
rおよびkは、それぞれ−(R12−O)−および−(O−R13)−の繰り返しの数を表す。rおよびkは、夫々独立して、1以上の整数であり、好ましくは1〜20の整数、さらに好ましくは1〜12の整数、さらにより好ましくは1〜8の整数、特に好ましくは1〜4の整数、最も好ましくは1である。sおよびtは、夫々独立して0〜4の整数を示す。
ポリカーボネート樹脂[B]において、その他の共重合構成単位を誘導する化合物としては、脂肪族ジオール化合物、脂環族ジオール化合物または芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導されるカーボネート単位が挙げられる。芳香族ジヒドロキシ化合物としては前述した単位(B)で使用される芳香族ジヒドロキシ化合物が挙げられ、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(ビスフェノールM)、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、ビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)、および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカンなどが好ましい。
さらに、下記式(E)で表されるエステル単位も好ましく用いられる。この場合、ポリエステルカーボネートとなる。
上記一般式(E)を誘導する化合物の具体的例として、ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタン、1,2−ビス[9−(2−メトキシカルボニルプロピル)フルオレン−9−イル]エタン、ビス[9−(2−メトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタンが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂[A]およびポリカーボネート樹脂[B]は、通常のポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えばジオール成分にホスゲンや炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
なお、ポリカーボネート樹脂[A]は、耐熱性が高く、溶融粘度も高いため、ホスゲンを使用するホスゲンを使用した製造方法(溶液法)が好ましい。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
これらの重合触媒の使用量は、ジヒドロキシ成分1モルに対し好ましくは1×10−9〜1×10−2当量、好ましくは1×10−8〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−7〜1×10−3当量の範囲で選ばれる。
なお、ポリカーボネート樹脂[B]は脂肪族ジオールを含むため、炭酸ジエステルを用いたエステル交換法(溶融法)が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂[A]とポリカーボネート樹脂[B]とを含有する組成物である。本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、一部他のポリカーボネート樹脂を含んでいてもよい。ポリカーボネート樹脂[A]とポリカーボネート樹脂[B]は、ポリカーボネート樹脂組成物中の好ましくは60重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは80重量%以上であり、特に好ましくは90重量%以上であり、実質的に100重量%であることがもっとも好ましい。
ポリカーボネート樹脂[A]とポリカーボネート樹脂[B]との重量比([A]/[B])は5/95〜95/5であり、10/90〜90/10が好ましく、15/85〜80/20がより好ましく、20/80〜70/30がさらに好ましく、25/75〜60/40が特に好ましい。上記範囲外であると耐熱性が低かったり、光学フィルムとしたときに位相差が高くなり易く好ましくない。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の比粘度(ηSP)としては、好ましくは0.18〜0.34の範囲であり、より好ましくは0.20〜0.33の範囲であり、特に好ましくは0.23〜0.32の範囲である。かかる範囲内では、強度等が向上し、且つ流動特性が優れる。
本発明でいう比粘度は、20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂組成物0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは150〜190℃、より好ましくは152〜180℃、特に好ましくは154〜175℃の範囲である。Tgが下限以上であると耐熱安定性が良好となり、フィルムの加工工程でのフィルムの変形を抑制できる。またTgが上限以下の範囲では、フィルムの製膜加工に高い温度は必要なく、従来と異なる特別な加工設備を必要としないため好ましい。Tgは、アルキル基の導入により低くなると推定される。Tgはティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定する。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができる。
ポリカーボネート樹脂組成物には、押出・成形時の分子量低下や色相の悪化を抑制するために、熱安定剤を含有することが好ましい。熱安定剤としてはリン系安定剤を含有することが好ましい。リン系安定剤として、ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物、二価フェノール類と反応し環状構造を有するホスファイト化合物、その他各種ホスファイト化合物、ホスフェート化合物、ホスホナイト化合物、およびホスホネイト化合物などを配合することが好ましい。
上記のリン系安定剤は、単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。リン系安定剤はポリカーボネート樹脂組成物100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.7重量部、さらに好ましくは0.1〜0.5重量部配合される。
ポリカーボネート樹脂組成物は、押出・成形時の分子量低下や色相の悪化を抑制することを目的に、熱安定剤として、ヒンダードフェノール系熱安定剤を添加することもできる。
ヒンダードフェノール系安定剤はポリカーボネート樹脂組成物100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量部配合される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は光学フィルムとして用いることができる。具体的には、位相差フィルム、プラセル基板フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルム、輝度上昇フィルム、光ディスクの保護フィルム、拡散フィルム等の用途が挙げられる、なかでも位相差フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルムが好ましい。
光学フィルムの製造方法としては、生産性の点から溶融押出法が採用される。
未延伸の光学フィルムの厚みとしては、30〜400μmの範囲が好ましく、より好ましくは40〜300μmの範囲である。かかる未延伸光学フィルムは、ディスプレイ用基板やタッチパネル用基板として好適に用いられる。
上記範囲であるとディスプレイ用基板やタッチパネル用基板として使用した際に、ディスプレイやタッチパネルの画像のぼやけがなくなり、高精細な画像を表示することができ好ましい。
本発明の光学フィルムは、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム(基板)として好適に用いられる。
透明導電性フィルムは、ベースフィルムの低屈折率層の上に透明導電膜を設けることにより得られる。
タッチパネルとしては、抵抗膜式タッチパネルと静電容量式タッチパネルが主流であるが、透明導電性フィルムはいずれのタッチパネルにも用いることができる。特に、透明導電性フィルムは、静電容量式タッチパネルに好適である。
静電容量式タッチパネルの透明導電性フィルムの透明導電膜は、通常、所定のパターンにパターン化されている。この透明導電膜のパターン化は、透明導電膜をエッチング処理することにより行われる。
透明導電膜の厚みは、透明導電膜の視認性を向上させるという観点から小さい方が好ましく、具体的には40nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、25nm以下が更に好ましく、特に20nm以下が好ましい。透明導電膜の厚みの下限は、低抵抗の透明導電膜を確保するという観点から5nm以上が好ましく、7nm以上がより好ましく、10nm以上が特に好ましい。
透明導電膜の屈折率1.81以上であることが好ましい。さらに透明導電膜の屈折率は1.85以上が好ましく、1.90以上がより好ましい。上限は2.20以下が好ましく、2.10以下がより好ましい。
透明導電膜の形成方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いることができる。
エッチング液としては、従来公知のものが用いられる。例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、およびこれらの混合物、ならびにそれらの水溶液が用いられる。
日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し、ポリマー組成比(モル比)を算出した。
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂(または樹脂組成物)0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
ポリカーボネート樹脂(または樹脂組成物)8mgを用いてティー・エイ・インスツルメント(株)製の熱分析システム DSC−2910を使用して、JIS K7121に準拠して窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
実施例で得られた光学フィルムをカラー3Dレーザ顕微鏡を用いて、500mm×1000mmに存在する長軸の直径が300μm以上の干渉縞を有するゲル数をフィルム1m2中に換算して求めた。
実施例で得られた光学フィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用して測定した。
実施例で得られた光学フィルムを用いて濁度計NDH−2000型(日本電色工業(株)製)を使用し、JIS K7105に準拠して、フィルムのHazeを測定した。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21540部、48%水酸化ナトリウム水溶液4930部を入れ、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)2587部および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下“BPA”と略称することがある)2344部、ハイドロサルファイト15部を溶解した後、塩化メチレン14530部を加えた後撹拌下15〜25℃でホスゲン2200部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール104.8部および48%水酸化ナトリウム水溶液705部を加え、乳化後、トリエチルアミン5.9部を加えて28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗したのち塩酸で酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになったところで、ニーダーにて塩化メチレンを蒸発して、白色のポリカーボネート樹脂A1を得た。樹脂A1の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
BCF1294部、BPA3126部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂A2を得た。該樹脂A2の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
BCF4529部、BPA1172部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂A3を得た。該樹脂A3の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(以下BPEFと略す)1502部、ジフェニルカーボネート749.7部および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド3.6×10−3部と炭酸水素ナトリウム1.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で270℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてポリカーボネート樹脂B1を得た。樹脂B1の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
BPEF1353部、BCF151部、ジフェニルカーボネート749.7部および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド3.6×10−3部と炭酸水素ナトリウム1.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で270℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてポリカーボネート樹脂B2を得た。樹脂B2の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
BCF389部、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(以下SPGと略す)730部、ジフェニルカーボネート749.7部および触媒として炭酸水素ナトリウム4.5×10−3部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてポリカーボネート樹脂C1を得た。樹脂C1の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
BPEF901部、BCF259部、BPA156部、ジフェニルカーボネート749.7部および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド3.6×10−3部と炭酸水素ナトリウム1.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で270℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてポリカーボネート樹脂C2を得た。樹脂C2の比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
<樹脂組成物の製造>
ポリカーボネート樹脂A1を250部とポリカーボネート樹脂B1を750部とトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.3部を、ベント付きΦ30mm二軸押出機を用いてストランドを押出し、40℃の温水にて冷却し、カットしてポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表2に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、(株)テクノベル製15φ二軸押出混練機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、得られたペレットを280℃で溶融押出しフィルム成形することにより透明な押出しフィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
<樹脂組成物の製造>
ポリカーボネート樹脂A1を250部とポリカーボネート樹脂B2を750部用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表2に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と全く同様の操作を行い、透明な押出しフィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
<樹脂組成物の製造>
ポリカーボネート樹脂A2を500部とポリカーボネート樹脂B1を500部用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表2に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と全く同様の操作を行い、透明な押出しフィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
<樹脂組成物の製造>
ポリカーボネート樹脂A2を500部とポリカーボネート樹脂B2を500部用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表2に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と全く同様の操作を行い、透明な押出しフィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
<樹脂組成物の製造>
ポリカーボネート樹脂A3を150部とポリカーボネート樹脂B1を850部用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表2に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と全く同様の操作を行い、透明な押出しフィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
<樹脂組成物の製造>
ポリカーボネート樹脂A1を1000部用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表2に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と製膜温度を280℃から300℃に変更した以外は全く同様の操作を行なった。評価結果を表2に記載した。溶融粘度が高いため、製膜温度を300℃としたが、樹脂が分解し、フィルムが得られなかった。
<樹脂組成物の製造>
ポリカーボネート樹脂A1を250部と帝人社製パンライトL1225(ビスフェノールAを原料として得られたポリカーボネート樹脂、以下ポリカーボネート樹脂C3と略す)を750部用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表2に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と全く同様の操作を行い、透明な押出しフィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
<樹脂組成物の製造>
ポリカーボネート樹脂B1を750部とポリカーボネート樹脂C1を250部用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表2に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と全く同様の操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムは非相溶のため、白濁していた。評価結果を表2に記載した。
<樹脂組成物の製造>
ポリカーボネート樹脂B1を750部とポリカーボネート樹脂C3を250部用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表2に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と全く同様の操作を行い、透明な押出しフィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
<樹脂組成物の製造>
ポリカーボネート樹脂C2を1000部用いた他は実施例1と全く同様の操作を行い、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表2に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と全く同様の操作を行い、透明な押出しフィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
Claims (5)
- 主たる繰り返し単位が下記式
で表される単位(A)と下記式
で表される単位(B)を含むポリカーボネート樹脂[A]、および下記式
で表される単位(C)を主たる繰り返し単位として含むポリカーボネート樹脂[B]を含有し、ポリカーボネート樹脂[A]とポリカーボネート樹脂[B]の重量比([A]/[B])が5/95〜95/5であるポリカーボネート樹脂組成物を用いた波長550nmにおける面内位相差値Reの絶対値が20nm以下であり、厚み方向位相差値Rthの絶対値が50nm以下である光学フィルム。 - ポリカーボネート樹脂組成物のガラス転移温度が150〜190℃である請求項1記載の光学フィルム。
- ポリカーボネート樹脂組成物の比粘度が0.18〜0.34である請求項1記載の光学フィルム。
- ポリカーボネート樹脂組成物にリン系酸化防止剤またはフェノール系酸化防止剤を含む請求項1記載の光学フィルム。
- ゲル数が100個/m2以下である請求項1記載の光学フィルム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015106449A JP6464030B2 (ja) | 2015-05-26 | 2015-05-26 | ポリカーボネート樹脂組成物および光学フィルム |
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