JP2016176984A - 熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱収縮率および配向角に対する幅方向のばらつきが小さく、生産性および工程安定性が高く、液晶表示装置等の光学補償に使用された場合に色抜け等が発生せずに、良好な表示品質を得ることができる位相差フィルムを提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂より形成される光学フィルムを少なくとも幅方向(TD)に延伸してなる位相差フィルムであって、厚みが20μm以上200μm以下、製品幅1000mm以上であり、波長450nmにおける面内位相差値R450と波長550nmにおける面内位相差値R550の関係が下記式(1)を満たし、0.60 ≦ R450/R550 ≦ 0.95 (1)該位相差フィルムの幅方向(TD)における延伸方向の熱収縮率の平均値xが2.5%以下、変動係数CVが0.15以下であり、該フィルムの幅方向(TD)の配向角の標準偏差σが1.5°以下であることを特徴とする位相差フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂から形成される光学フィルムを少なくとも幅方向に延伸してなる位相差フィルムであって、特に、特定の波長分散を有し、フィルム幅方向における特性ばらつきが小さく、生産性及び工程安定性に優れた一枚のフィルムにより広帯域化できる位相差フィルムである。
一般に光学フィルム、特に位相差フィルムは、液晶表示装置・有機EL表示装置等の表示装置に用いられ、色補償・視野角拡大・反射防止等の機能を有している。
位相差フィルムとしては、λ/4板、λ/2板が知られており、その材料としてはビスフェノールAを重縮合したポリカーボネートやポリエーテルサルフォン、ポリサルフォンなどの熱可塑性ポリマーが用いられている。これら材料のフィルムを延伸して得られたλ/4板、λ/2板は、短波長ほど位相差が大きくなるという性質がある。そのため、λ/4板、λ/2板として機能しうる波長が特定の波長に限られるという問題点があった。
広帯域において波長を制御する方法として、特許文献1には、位相差の波長依存性が異なる特定の2枚以上の複屈折性フィルムを特定の角度で積層して製造する方法が知られている。これらの場合、位相差フィルムを複数枚用いるので、それらを貼り合わせるためにフィルムの角度を調整する工程が必要であり、生産性に問題がある。また、位相差フィルム全体が厚くなるために光線透過率が低下して、装置に組み込んだときに暗くなるという問題もある。
一方で、特許文献2には、積層をせずに一枚のフィルムにより広帯域化する方法が提案されている。該フィルムは正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位とからなる高分子フィルムを延伸して形成される。しかしながら、特許文献2にはこのようなフィルムを工業的に得るための示唆がなく、生産性に優れた、一枚のフィルムにより広帯域化できる位相差フィルムが望まれていた。
また、特許文献3にはテンターにて横方向(幅方向)に延伸することにより、位相差や配向角の面内の均一性を高める方法が開示されている。しかしながら、フィルム幅方向の特性均一性や生産性に関する配慮はされていなかった。
さらに、特許文献4および特許文献5には、特定の構造を有する溶融製膜可能なポリカーボネート樹脂からなる光学フィルムを少なくとも一軸方向に延伸してなる位相差フィルムも提案されているが、フィルム幅方向の特性均一性や生産性、工程安定性についてはまったく議論されていなかった。
特開平2−120804号公報 国際公開第2000/026705号 特開2005−107100号公報 特開2013−76982号公報 国際公開第2013/039179号
そこで、本発明の目的は、横延伸時に破断の発生が少なく、工程安定性に優れ、一枚のフィルムで広帯域化できる位相差フィルムを提供することにある。
本発明者らは、かかる目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた。その結果、特定の波長分散を有する熱可塑性樹脂から形成される光学フィルムを少なくとも幅方向に延伸してなる位相差フィルムの熱収縮率および配向角の製品幅方向のばらつきを制御することにより、横(幅)延伸時に破断の発生が少なく、工程安定性に優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の要件により達成される。
1.熱可塑性樹脂より形成される光学フィルムを少なくとも幅方向(TD)に延伸してなる位相差フィルムであって、厚みが20μm以上200μm以下、製品幅1000mm以上であり、波長450nmにおける面内位相差値R450と波長550nmにおける面内位相差値R550の関係が下記式(1)を満たし、
0.60 ≦ R450/R550 ≦ 0.95 (1)
該位相差フィルムの幅方向(TD)における延伸方向の熱収縮率の平均値xが2.5%以下、変動係数CVが0.15以下であり、該フィルムの幅方向(TD)の配向角の標準偏差σが1.5°以下であることを特徴とする位相差フィルム。
(ただし、配向角の標準偏差σは製品全幅に対して20mm間隔でサンプリングした全データの標準偏差であり、熱収縮率の平均値xおよび変動係数CVは、製品全幅に対して200mm間隔でサンプリングした全データの平均値、変動係数である。)
2.前記熱可塑性樹脂が側鎖にフルオレン構造を有する構成単位から誘導される熱可塑性樹脂を含む、前記1に記載の位相差フィルム。
3.前記熱可塑性樹脂が下記式(A)、(B)、(C)および(D)から選ばれる少なくとも1種の構成単位と脂肪族ジオール化合物および/または脂環族ジオール化合物から誘導されるカーボネート構成単位(E)を含む前記2に記載の位相差フィルム。
下記式(A)で表される構成単位
Figure 2016176984
[式中、RおよびRは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示し、mおよびnは夫々独立して0〜4の整数を示す。]
下記式(B)で表される構成単位
Figure 2016176984
[式中、RおよびRは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示し、RおよびRは夫々独立して、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基を示し、pおよびqは夫々独立して0〜4の整数を示し、sおよびtは、夫々独立して1以上の整数を示す。]
下記式(C)で表される構成単位
Figure 2016176984
[式中、R及びRは、それぞれ独立に、直接結合、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基、若しくは置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基、又は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基及び置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基からなる群から選ばれる2つ以上の基が、酸素原子、置換されていてもよい硫黄原子、置換されていてもよい窒素原子若しくはカルボニル基で連結された基であり、Rは、直接結合、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基、又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基であり、R10〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアリールオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換基を有する硫黄原子、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基である。uおよびvは夫々独立して0〜4の整数を示し、wは1〜5の整数値を示す。]
下記式(D)で表される構成単位
Figure 2016176984
[上記一般式(D)中、R〜R11は上記(C)と同義で、Xは脂肪族、脂環式化合物を示す]
4.前記熱可塑性樹脂が構成単位(A)、構成単位(B)および構成単位(E)を含む前記3に記載の位相差フィルム。
5.ガラス転移温度が128℃以上155℃以下の範囲である熱可塑性樹脂より形成される光学フィルムを延伸してなる前記1〜4のいずれかに記載の位相差フィルム。
6.前記1〜5のいずれかに記載の位相差フィルムを具備した液晶表示装置または有機EL表示装置。
本発明によれば、特定の波長分散を有する熱可塑性樹脂から形成される光学フィルムを少なくとも幅方向に延伸してなる位相差フィルムを用いれば、熱収縮率および配向角の幅方向のばらつきが小さく、横延伸時に破断の発生が少なく、工程安定性に優れる一枚のフィルムで広帯域化できる位相差フィルムを提供することができる。
以下、本発明の位相差フィルムを構成する各成分、それらの配合割合、調整方法等について、順次具体的に説明する。
<熱可塑性樹脂>
本発明の位相差フィルムを形成する熱可塑性樹脂は、側鎖にフルオレン構造を有する構造単位を含む熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。側鎖にフルオレン構造を有する構造単位を含む熱可塑性樹脂は耐熱性に優れ、光弾性係数が小さく、高透明であるなど優れた光学特性を示す。また、側鎖にフルオレン構造を有する構造単位を含む熱可塑性樹脂は、フルオレン骨格が主鎖に対して垂直に配向するため、大きな負の分子分極率異方性を取りうる。そのため、側鎖にフルオレン構造を有する構造単位の含有量を特定の範囲に制御することで、当該熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂からなる位相差フィルムは、逆波長分散性を有し、一枚のフィルムで広帯域化でき、円偏光板として反射防止フィルムや光学補償フィルムとして好適に使用できる。
側鎖にフルオレン構造を有する構成単位を含む熱可塑性樹脂としては下記一般式(A)、(B)、(C)および(D)から選ばれる少なくとも1種の構成単位と脂肪族ジオール化合物および/または脂環族ジオール化合物から誘導されるカーボネート構成単位(E)であることが好ましい。
(構成単位(A))
構成単位(A)は、下記一般式(A)で表される。
Figure 2016176984
上記一般式(A)中、RおよびRは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示す。炭化水素基として、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基が挙げられる。ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
mおよびnは、夫々独立して0〜4の整数を示す。
上記一般式(A)として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン等から誘導される単位が挙げられる。これらの下記一般式(A1)を誘導する化合物は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて用いることもできる。
下記一般式(A1)を誘導する化合物の具体的例として9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが好ましく、特に9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが好ましい。
Figure 2016176984
上記一般式(A1)を含む熱可塑性樹脂は、その10gをエタノール50mlに溶解した溶液を光路長30mmで測定したb値が、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下、さらに好ましくは5.0以下である。このb値が上記範囲内であれば、熱可塑性樹脂から形成される光学フィルムは色相が良好で強度が高い。
上記一般式(A1)を誘導する化合物である9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンは、o−クレゾールとフルオレノンの反応によって得られる。b値の小さい9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンは、不純物を除去することによって得ることができる。
具体的には、o−クレゾールとフルオレノンの反応後に、未反応のo−クレゾールを留去した後、残渣をアルコール系、ケトン系またはベンゼン誘導体系の溶媒に溶解し、これに活性白土または活性炭を加えてろ過後、ろ液から結晶化した生成物をろ過して、精製された9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンを得ることができる。除去される不純物としては、2,4’−ジヒドロキシ体、2,2’−ジヒドロキシ体および構造不明の不純物等である。かかる精製に用いるアルコール系の溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールが好ましい。ケトン系の溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等の低級脂肪族ケトン類およびこれらの混合物が好ましい。ベンゼン誘導体系の溶媒としてはトルエン、キシレン、ベンゼンおよびこれらの混合物が好ましい。溶媒の使用量はフルオレン化合物が十分に溶解する量であれば足り、通常フルオレン化合物に対して2〜10倍量程度である。活性白土としては市販されている粉末状または粒状のシリカ−アルミナを主成分とするものが用いられる。また、活性炭としては市販されている粉末状または粒状のものが用いられる。
(構成単位(B))
構成単位(B)は、下記一般式(B)で表される。
Figure 2016176984
上記一般式(B)中、RおよびRは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示す。炭化水素基として、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基が挙げられる。ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
およびRは夫々独立して、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基を示す。炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基、より好ましくはエチレン基である。
pおよびqは、夫々独立して0〜4の整数を示す。
sおよびtは、それぞれ−(R−O)−および−(O−R)−の繰り返しの数を表す。sおよびtは、夫々独立して、0以上の整数であり、好ましくは1〜20の整数、さらに好ましくは1〜12の整数、さらにより好ましくは1〜8の整数、特に好ましくは1〜4の整数、最も好ましくは1である。
上記一般式(B)を誘導する化合物の具体的例として、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−n−ブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−メチルプロピル)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ−n−ブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ビス(1−メチルプロピル)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジフェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジベンジルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロペニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フルオロフェニル]フルオレン、およびこれらの9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレンから誘導される単位が挙げられる。また、pおよびqが2以上である9,9−ビス[ヒドロキシポリ(アルキレンオキシ)フェニル]フルオレン等から誘導される単位が挙げられる。
これらのうち、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン}等が好ましい。
特に、下記一般式で示される9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEF)から誘導される単位(B1)が好ましい。
Figure 2016176984
これらの単位(B1)を誘導する化合物は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて用いることもできる。
上記一般式(B1)を誘導する化合物は、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類と、基RおよびRに対応する化合物(アルキレンオキサイド、ハロアルカノール等)とを反応させることにより得られる。例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンは、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンにエチレンオキサイドを付加することにより得られる。9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレンは、例えば、9,9−ビス[4−ヒドロキシフェニル]フルオレンと3−クロロプロパノールとをアルカリ条件下にて反応させることにより得られる。なお、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンは、フルオレノン(9−フルオレノン等)と対応するフェノールとの反応により得ることができる。9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンは、例えば、フェノールと9−フルオレノンとの反応によって得ることができる。
(構成単位(C))
構成単位(C)は、下記一般式(C)で表される。
Figure 2016176984
上記一般式(C)中、R及びRは、それぞれ独立に、直接結合、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基、若しくは置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基、又は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基及び置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基からなる群から選ばれる2つ以上の基が、酸素原子、置換されていてもよい硫黄原子、置換されていてもよい窒素原子若しくはカルボニル基で連結された基であり、Rは、直接結合、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基、又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基であり、R10〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアリールオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換基を有する硫黄原子、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基である。uおよびvは夫々独立して0〜4の整数を示し、wは1〜5の整数値を示す。
上記一般式(C)を誘導する化合物の具体的例として、9,9’−ジ(ヒドロキシメチル)−9,9’−ビフルオレニル、ビス(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)メタン、1,2−ビス(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)エタン、ビス[9−(3−ヒドロキシプロピル)−フルオレン−9−イル]メタン、ビス{9−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニルエチル]フルオレン−9−イル}メタン、9,9−ビス[(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)−メチル]フルオレン、1,2−ビス[9−(3−ヒドロキシプロピル)−フルオレン−9−イル]エタン、α,α’−ビス−(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)−1,4−キシレン、1,2−ビス(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)ブタン、1−ビス(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)エタン、1,2−ビス(9−ヒドロキシフルオレン−9−イル)エタン、ビス−{[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン−9−イル}エタンが好ましい。
(構成単位(D))
構成単位(D)は、下記一般式(D)で表される。
Figure 2016176984
[上記一般式(D)中、R〜R11は上記と同義で、Xは脂肪族、脂環式化合物を示す]
上記一般式(D)を誘導する化合物の具体的例として、ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタン、1,2−ビス[9−(2−メトキシカルボニルプロピル)フルオレン−9−イル]エタン、ビス[9−(2−メトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタンが好ましい。
(構成単位(E))
構成単位(E)は、脂肪族ジオール化合物および/または脂環族ジオール化合物から誘導されるカーボネート単位(E)である。脂肪族ジオール化合物および脂環式ジオール化合物としては、国際公開第2004/111106号、国際公開第2011/021720号に記載のジオール化合物やジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのオキシアルキレングリコール類が挙げられる。
前記脂肪族ジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1.9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサングリコール、1,2−オクチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,3−ジイソブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジイソアミル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記脂環式ジオール化合物としては、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、イソソルビドなどが挙げられる。
前記ジオール化合物としては脂環式ジオールが好ましく、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、イソソルビドがさらに好ましく、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、イソソルビドが特に好ましい。これらの脂環式ジオール類は単独または二種以上組み合わせて用いてもよく、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとイソソルビドを組み合わせることが特に好ましい。
また、酸成分を共重合することにより、一部ポリエステルカーボネートとすることもできる。
(組成比)
本発明の熱可塑性樹脂は側差にフルオレン構造を有する構成単位(FLと略称)と上記構成単位(E)で表される繰り返し単位とのモル比(FL/E)が、好ましくは10/90〜80/20である。より好ましくは12/88〜70/30、さらに好ましくは20/80〜60/40である。上記範囲外では波長分散性が理想直線からはずれ、好ましくない。また、上記構成単位(A)で表される繰り返し単位を含むことが好ましく、上記構成単位(B)で表される繰り返し単位を含むことが好ましく、上記構成単位(C)で表される繰り返し単位を含むことが好ましく、上記構成単位(E)で表される繰り返し単位を含むことが好ましく、上記構成単位(A)で表される繰り返し単位および上記構成単位(B)で表される繰り返し単位の両方を含むことがより好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂の組成比は、繰り返し単位(A)+繰り返し単位(B)の合計と繰り返し単位(E)のモル比{(A)+(B)}/(E)が、0.4〜1.5が好ましく、0.5〜1.3がより好ましく、0.6〜1.1がさらに好ましい。0.4〜1.5の範囲外では波長分散性が理想直線からはずれる。
構成単位(A)と構成単位(B)のモル比(A)/(B)は、0.3〜11.0が好ましく、0.4〜6.0がより好ましく、0.4〜3.0がさらに好ましく、0.5〜2.5がもっとも好ましい。モル比(A)/(B)が11.0より大きい場合、耐久安定性に劣り、位相差低下が発生する。また、モル比(A)/(B)が0.3より小さい場合、可とう性に劣り、フィルムが割れやすくなる。
また、構成単位(A)および/または構成単位(B)、および/または構成単位(C)、および/または構成単位(D)、ならびに構成単位(E)の合計が全繰り返し単位を基準として好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは90モル%以上である。
(その他のジオール)
その他のジオールとしては芳香族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。具体的には、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(ビスフェノールM)、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、ビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)、および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカンなどが挙げられる。
(熱可塑性樹脂の製造方法)
本発明の熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂は、フルオレンジヒドロキシ成分、フルオレンジカルボン成分、脂肪族ジオール成分および炭酸ジエステルを溶融重合して製造することができる。
炭酸ジエステルとしては、置換されてもよい炭素数6〜12のアリール基、アラルキル基等のエステルが挙げられる。具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネートおよびビス(m−クレジル)カーボネート
等が挙げられる。これらの中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。
また溶融重合法においては重合速度を速めるために、重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、金属化合物等が挙げられる。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、二酢酸マグネシウム、二酢酸カルシウム、二酢酸ストロンチウム、二酢酸バリウム等が挙げられる。
含窒素化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。また、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。また、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が挙げられる。
その他のエステル交換触媒としては亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、オスミウムの塩が挙げられる。例えば、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)、チタンテトラブトキシド(IV)、チタンテトライソプロポキシド、チタン(IV)=テトラキス(2−エチル−1−ヘキサノラート)、酸化チタン、トリス(2,4−ペンタジオネート)アルミニウム(III)等が用いられる。
これらの重合触媒の使用量は、ジオール成分1モルに対し好ましくは1×10−9〜1×10−2当量、好ましくは1×10−8〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−7〜1×10−3当量の範囲で選ばれる。
溶融重縮合反応は、従来知られているように不活性ガス雰囲気下および減圧下で加熱しながら攪拌して生成するモノヒドロキシ化合物を留出させることで行なわれる。
反応温度は通常120〜350℃の範囲であり、反応後期には系の減圧度を10〜0.1Torrに高めて生成するモノヒドロキシ化合物の留出を容易にさせて反応を完結させる。必要に応じて末端停止剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
また、反応後期に触媒失活剤を添加することもできる。使用する触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましい。更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の塩類、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の塩類が好ましい。
またスルホン酸のエステルとして、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられる。その中でも、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた少なくとも1種の重合触媒を用いた場合、その触媒1モル当たり好ましくは0.5〜50モルの割合で、より好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用することができる。
また、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができる。
<ガラス転移温度:Tg>
本発明に使用される熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは128〜170℃、より好ましくは133〜150℃、さらに好ましくは135〜148℃、最も好ましくは137〜148℃の範囲である。ガラス転移温度(Tg)が128℃より低いと、耐熱安定性に劣り、位相差値が経時変化して表示品位に影響を与える場合がある。また、ガラス転移温度(Tg)が170℃より高いと、溶融製膜を行う場合、溶融粘度が高すぎて押出しが困難となることがある。
(未延伸フィルムの製造方法)
未延伸フィルムの製造方法としては、例えば、溶液キャスト法、溶融押出法、熱プレス法、カレンダー法等公知の方法を挙げることが出来る。本発明に用いる未延伸フィルムの製造法としては、溶液キャスト法、溶融押出法が好ましく、特に生産性の点から溶融押出法が好ましい。
溶融押出法においては、Tダイを用いて樹脂を押し出し冷却ロールに送る方法が好ましく用いられる。Tダイから押出されるときの樹脂温度は熱可塑性樹脂の分子量、Tg、溶融流動特性等から決められるが、180〜350℃の範囲であり、200℃〜320℃の範囲がより好ましい。180℃より低いと粘度が高くなりポリマーの配向、応力歪みが残りやすく好ましくない。また、350℃より高いと熱劣化、着色、Tダイからのダイライン(筋)等の問題が起きやすい。
また本発明で用いる熱可塑性樹脂は、有機溶媒に対する溶解性が良好なので、溶液キャスト法も適用することが出来る。溶液キャスト法の場合は、溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジオキソラン、ジオキサン等が好適に用いられる。溶液キャスト法で用いられる溶媒のフィルム中の残留量は2重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下である。2重量%を超えるとフィルムのガラス転移温度の低下が著しくなる。
本発明に用いる未延伸フィルムの厚みとしては、20〜400μmの範囲が好ましく、より好ましくは20〜300μmの範囲である。
本発明に用いる未延伸フィルムの厚みが、20μm未満の場合は、延伸後に所望される位相差の発現が困難となる。また、400μmを超えると延伸後にデバイスとして組み込んだ際の厚みが厚くなる。
(位相差フィルムの延伸方法)
かくして得られた未延伸フィルムは少なくとも幅方向に延伸配向され位相差フィルムとなる。延伸方法は、テンター等を用いる横一軸延伸、あるいは縦一軸・横一軸を組み合わせた同時二軸延伸、逐次二軸延伸等、公知の方法を用いることが出来る。
ここで、幅と横は、同じ意味である。
本発明の位相差フィルムを作成する方法に特に制限はないが、未延伸フィルムの両端をクリップで把持してテンターに導き、フィルムを所定温度で予熱後、加熱しながら横延伸し、その後、加熱しながら幅を狭め弛緩する方法が好ましい。
両エッジをトリミングした後の製品幅は1000mm以上であることが必要である。製品幅が狭いと、位相差フィルムを適用される表示装置のサイズに切り出す時の取り効率が著しく悪くなる。
例えば以下に示すような延伸方法を適宜選択することで、幅方向の熱収縮率のばらつきが小さく、かつ、配向角のばらつきが小さい位相差フィルムを得ることができる。
フィルムを横延伸する際の予熱温度は(Tg−5℃)以上(Tg+25℃)以下が好ましく、(Tg℃)以上(Tg+20℃)以下がより好ましく、(Tg+5℃)以上(Tg+15℃)以下がさらに好ましい。
フィルムを横延伸する際の予熱温度が、(Tg+25℃)を超える場合は、所望する位相差の発現が困難である。また、(Tg−5℃)未満の場合は、所望する予熱の効果が得られず延伸時に破断する。
予熱温度は幅方向の配向角の絶対値を調整するために適宜調整する。配向角の全幅方向の平均値を0°とするためには、予熱温度を延伸温度より5℃程度高くすることが好ましい。
フィルムを横延伸する際の延伸温度は(Tg−10℃)以上(Tg+20℃)以下が好ましく、(Tg−5℃)以上(Tg+15℃)以下がより好ましく、(Tg℃)以上(Tg+10℃)以下がさらに好ましい。延伸温度が、(Tg+20℃)を超えると所望する位相差の発現が困難であり、延伸温度が、(Tg−10℃)未満の場合には延伸時に破断する。
フィルムを横延伸する際の延伸倍率は、延伸前のテンターレール幅に対する延伸後のテンターレール幅であり、1.5倍以上5.0倍以下が好ましく、1.7倍以上4.0倍以下がより好ましく、2.0倍以上3.0倍以下がさらに好ましい。延伸倍率が、5.0倍を超えると延伸時に破断する。延伸倍率が、1.5倍未満の場合には所望する位相差の発現が困難である。
フィルムを横延伸する際の延伸速度は延伸倍率を延伸に要する時間で除した値であり、1.5倍/分以上10.0倍/分以下が好ましく、2.0倍/分以上9.0倍/分以下がより好ましく、3.0倍/分以上8.0倍/分以下がさらに好ましい。延伸速度が、10.0倍/分を超える場合には延伸時に破断する。延伸速度が、1.5倍未満の場合には所望する位相差の発現が困難である。
延伸工程に連続して行う幅方向の弛緩処理を適当に行うことで、熱収縮率を所定の値以下とし、さらに熱収縮率および配向角の製品幅方向のばらつきを制御することが可能である。
延伸後に加熱しながら幅を狭め弛緩する際の弛緩温度は80℃以上(Tg+10℃)以下が好ましく、90℃以上(Tg+5℃)以下がより好ましく、100℃以上(Tg℃)以下がさらに好ましい。弛緩温度が、(Tg+10℃)を超えると延伸による分子鎖の配向が乱れ、所望する位相差が低下する。また、熱収縮率および配向角の製品幅方向のばらつきが大きくなる。弛緩温度が、80℃未満の場合には所望する熱収縮率が得られない。また、残留する熱収縮応力によりフィルムが破断しやすくなる。
延伸後に加熱しながらテンターレール幅を狭めて弛緩する際の弛緩率は、延伸後にフィルムがクリップから解放されるまでにテンターレール幅を狭めた値を延伸後のテンターレール幅で除した値であり、0.010以上0.070以下が好ましく、0.015以上0.060以下がより好ましく、0.020以上0.050以下がさらに好ましい。弛緩率が、0.070を超えるとテンター出口でフィルムのばたつきにより破断する。また、熱収縮率および配向角の製品幅方向のばらつきが大きくなる。弛緩率が、0.010未満の場合には所望の熱収縮率が得られない。また、残留する熱収縮応力によりフィルムが破断しやすくなる。
延伸後に加熱しながら幅を狭め弛緩する際の弛緩速度は、弛緩率を弛緩に要する時間で除した値であり、0.005/分以上0.070/分以下が好ましく、0.007以上0.050以下がより好ましく、0.010以上0.040以下がさらに好ましい。弛緩速度が、0.070/分を超えると所望の熱収縮率が得られない。弛緩速度が、0.005/分未満の場合には、熱収縮率および配向角の製品幅方向のばらつきが大きくなる。
(厚み等)
本発明の位相差フィルムの厚みは、好ましくは20〜200μmであり、より好ましくは20〜150μmの範囲である。この範囲であれば、延伸により所望する位相差値が得やすく、製膜も容易で好ましい。
また、本発明の位相差フィルムは透明性が高いことが好ましい。厚さ100μmの本発明の位相差フィルムの全光線透過率は、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上である。また本発明の位相差フィルムのヘイズ値は、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
(波長分散性)
本発明で使用される熱可塑性樹脂を用いてなる未延伸フィルムを延伸することで、波長400〜800nmの可視光領域において、フィルム面内の位相差が短波長になるほど小さくなる逆波長分散性を示す光学フィルムを得ることができる。かかる延伸された位相差フィルムは、下記式(1)の条件を満たすことが必要である。
0.60 ≦ R(450)/R(550)≦0.95 (1)
好ましくは、下記式(1−1)の条件を満たすことが好ましい。
0.65≦R(450)/R(550)≦0.92 (1−1)
より好ましくは、下記式(1−2)の条件を満たすことが好ましい。
0.70≦R(450)/R(550)≦0.90 (1−2)
最も好ましくは、下記式(1−5)の条件を満たすことが好ましい。
0.70≦R(450)/R(550)≦0.85 (1−3)
ここで面内の位相差値Rとは下記式で定義されるものであり、フィルムに垂直方向に透過する光のX方向とそれと垂直のY方向との位相の遅れを現す特性である。
R=(n−n)×d
但し、nはフィルム面内の主延伸方向の屈折率であり、nはフィルム面内の主延伸方向と垂直方向の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。ここで、主延伸方向とは一軸延伸の場合には延伸方向、二軸延伸の場合にはより配向度があがるように延伸した方向を意味しており、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を指す。
また、光学フィルムの波長550nmにおけるフィルム面内の位相差値R(550)は、R(550)≧50nmであることが好ましい。光学フィルムは積層することなく1枚で広帯域のλ/4板またはλ/2板として使用できる。かかる用途ではさらに、λ/4板の場合は100nm≦R(550)≦180nm、λ/2板の場合は220nm≦R(550)≦330nmであることが望ましい。
光学フィルムの波長分散性は、日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し測定される。
<熱収縮率>
本発明の位相差フィルムは、幅方向(TD)における延伸方向の熱収縮率の平均値xが2.5%以下であり、2.0%以下が好ましく、1.5%以下がより好ましい。
熱収縮率の平均値xが2.5%より大きいと延伸時にフィルムが破断しやすく、工程安定性が低下する。
本発明の位相差フィルムは、幅方向(TD)における延伸方向の熱収縮率の変動係数CVが0.15以下であり、0.12以下が好ましく、0.10以下がより好ましい。
熱収縮率の変動係数CVが0.15より大きいと延伸時にフィルムが破断しやすく、工程安定性が低下する。
また、測定方法については、フィルムから幅方向に200mm間隔ごとに長さ(MD方向)4mm、幅(TD方向)30mmの試験片を切り出し、20mm間隔の保持治具でチャックした後、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製TMA/SS6100を使用して、40mNの張力下で120℃3時間保持した後のサンプル長を測定し、熱収縮率を評価する。得られた値を用いて熱収縮率の幅方向平均値、及び変動係数CV=標準偏差σ/平均値xを算出する。
<配向角>
配向角とは、フィルム面内遅相軸方向とフィルム幅方向(TD)のなす角度で表される。本発明の位相差フィルムは、幅方向(TD)における配向角の標準偏差σが1.5°以下であり、1.2°以下が好ましく、1.0°以下がより好ましい。配向角の標準偏差σが1.5°より大きいと延伸時にフィルムが破断しやすく、工程安定性が低下する。
また、測定方法については、フィルムから長さ50mm、全幅(TD方向)の試験片を切り出し、王子計測機器株式会社製KOBRA−WFDを使用し、20mm間隔ごとにフィルム幅方向(TD)の配向角を全幅について測定する。得られた値を用いて配向角の幅方向標準偏差σを算出する。
<液晶表示装置および有機EL表示装置>
本発明の光学フィルムは、特に位相差フィルムとして好適に用いることができる。本発明は、上記位相差フィルムを具備した画像表示装置(液晶表示装置や有機EL表示装置)を包含する。本発明においては、上記位相差フィルムと偏光層とからなる積層体を円偏光フィルムとし、これを反射防止フィルムとして好適に使用できる。また、上記位相差フィルムは画像表示装置の偏光板保護フィルムや光学補償フィルムとして好適に使用できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中「部」とは「重量部」を意味する。実施例において使用した使用樹脂および評価方法は以下のとおりである。
1.ポリマー組成比(NMR)
日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し、ポリマー組成比を算出した。
2.Tg(ガラス転移温度)
ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minにて測定した。
3.位相差、波長分散性
位相差フィルム全幅の中央付近から長さ100mm、幅70mmの試験片を切り出し、王子計測機器(株)製KOBRA−WFDを使用し、位相差値および波長分散性を測定した。
4.熱収縮率
フィルムから幅方向に200mm間隔ごとに長さ(MD方向)4mm、幅(TD方向)30mmの試験片を切り出し、20mm間隔の保持治具でチャックした後、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製TMA/SS6100を使用して、40mNの張力下で120℃3時間保持した後のサンプル長を測定し、熱収縮率を評価した。得られた値を用いて熱収縮率の幅方向平均値、及び変動係数CV=標準偏差σ/平均値xを算出する。
5.配向角
フィルムから長さ50mm、全幅(TD方向)の試験片を切り出し、王子計測機器株式会社製KOBRA−WFDを使用し、20mm間隔ごとにフィルム幅方向(TD)の配向角を全幅について測定した。得られた値を用いて配向角の幅方向標準偏差σを算出した。
6.破断回数(工程安定性)
工程安定性を、テンターによる横延伸を10時間実施した場合の破断回数により、破断回数が0〜2回の場合は◎、3〜5回の場合は〇、6回以上の場合は×として評価した。
[実施例1]
<ポリカーボネート共重合体の製造>
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下BCFと略す)37.0部,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(以下BPEFと略す)34.3部、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン(以下SPGと略す)65.5部、ジフェニルカーボネート85.7部および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド3.6×10−3部と炭酸水素ナトリウム1.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。
<未延伸フィルムの製造>
次に、幅1,200mm、リップ幅1.5mmのTダイおよびフィルム引取り装置を備えた押出機により、押出温度270℃の条件でポリカーボネート樹脂を溶融製膜し、幅800mm、厚み150μmの未延伸フィルムを得た。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度146℃、延伸温度143℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度4.1倍/分、弛緩温度132℃、弛緩率0.045、弛緩速度0.037/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表1に記載した。
[実施例2]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
BCF14.8部、BPEF77.3部、SPG53.6部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<未延伸フィルムの製造>
次に実施例1と同様にして厚み138μmのフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度135℃、延伸温度130℃、延伸倍率2.3倍、延伸速度7.5倍/分、処理温度125℃、弛緩率0.018、弛緩速度0.030/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表1に記載した。
[実施例3]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
BCF51.9部、SPG77.5部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にして厚み138μmのフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度150℃、延伸温度146℃、延伸倍率2.3倍、延伸速度9.0倍/分、弛緩温度138℃、弛緩率0.032、弛緩速度0.063/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表1に記載した。
[実施例4]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度146℃、延伸温度143℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度1.6倍/分、弛緩温度130℃、弛緩率0.045、弛緩速度0.015/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表1に記載した。
[実施例5]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度150℃、延伸温度143℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度8.2倍/分、弛緩温度140℃、弛緩率0.030、弛緩速度0.049/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表1に記載した。
[実施例6]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度146℃、延伸温度143℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度4.1倍/分、弛緩温度132℃、弛緩率0.060、弛緩速度0.049/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表1に記載した。
[実施例7]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度146℃、延伸温度143℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度4.1倍/分、弛緩温度132℃、弛緩率0.015、弛緩速度0.012/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表1に記載した。
[実施例8]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度146℃、延伸温度143℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度7.4倍/分、弛緩温度132℃、弛緩率0.045、弛緩速度0.066/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表1に記載した。
[実施例9]
<ポリエステルカーボネート共重合体樹脂の製造>
ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン(以下BFMと略す)342部、SPG403部、触媒としてテトラ―n―ブチルチタネート0.28重量部を用いて、220℃で120分間常圧で反応し、その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、常圧に戻し、イソソルビド(以下ISSと略す)400部、DPC750重量を加え、220℃で30分間溶解した後、さらに30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で250℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計5時間撹拌下で反応を行い、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度143℃、延伸温度140℃、延伸倍率2.3倍、延伸速度7.5倍/分、弛緩温度130℃、弛緩率0.030、弛緩速度0.049/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表1に記載した。
[比較例1]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度150℃、延伸温度147℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度12.3倍/分、弛緩温度136℃、弛緩率0.020、弛緩速度0.049/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
[比較例2]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度146℃、延伸温度143℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度4.1倍/分、弛緩温度155℃、弛緩率0.045、弛緩速度0.037/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
[比較例3]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度146℃、延伸温度143℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度4.1倍/分、弛緩温度60℃、弛緩率0.030、弛緩速度0.025/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
[比較例4]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度146℃、延伸温度143℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度4.1倍/分、弛緩温度132℃、弛緩率0.080、弛緩速度0.066/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
[比較例5]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度146℃、延伸温度143℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度4.1倍/分、弛緩温度132℃、弛緩率0.005、弛緩速度0.004/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
[比較例6]
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
実施例1と同様の操作を行い、脂肪族芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
<位相差フィルムの延伸>
得られた未延伸フィルムをテンターにて、予熱温度150℃、延伸温度147℃、延伸倍率2.5倍、延伸速度8.2倍/分、弛緩温度136℃、弛緩率0.060、弛緩速度0.098/分で横延伸して両エッジをトリミングし、製品幅1500mmの位相差フィルムを得た。評価結果を表2に記載した。
Figure 2016176984
Figure 2016176984
本発明の位相差フィルムは、横延伸時に破断の発生が少なく、工程安定性に優れ、一枚のフィルムで広帯域化できるという優れた特性を有するため、液晶表示装置用、有機ELディスプレイ用などの光学用位相差フィルムとして有用である。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂より形成される光学フィルムを少なくとも幅方向(TD)に延伸してなる位相差フィルムであって、厚みが20μm以上200μm以下、製品幅1000mm以上であり、波長450nmにおける面内位相差値R450と波長550nmにおける面内位相差値R550の関係が下記式(1)を満たし、
    0.60 ≦ R450/R550 ≦ 0.95 (1)
    該位相差フィルムの幅方向(TD)における延伸方向の熱収縮率の平均値xが2.5%以下、変動係数CVが0.15以下であり、該フィルムの幅方向(TD)の配向角の標準偏差σが1.5°以下であることを特徴とする位相差フィルム。
    (ただし、配向角の標準偏差σは製品全幅に対して20mm間隔でサンプリングした全データの標準偏差であり、熱収縮率の平均値xおよび変動係数CVは、製品全幅に対して200mm間隔でサンプリングした全データの平均値、変動係数である。)
  2. 前記熱可塑性樹脂が側鎖にフルオレン構造を有する構成単位から誘導される熱可塑性樹脂を含む、請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 前記熱可塑性樹脂が下記式(A)、(B)、(C)および(D)から選ばれる少なくとも1種の構成単位と脂肪族ジオール化合物および/または脂環族ジオール化合物から誘導されるカーボネート構成単位(E)を含む請求項2に記載の位相差フィルム。
    下記式(A)で表される構成単位
    Figure 2016176984
    [式中、RおよびRは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示し、mおよびnは夫々独立して0〜4の整数を示す。]
    下記式(B)で表される構成単位
    Figure 2016176984
    [式中、RおよびRは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示し、RおよびRは夫々独立して、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基を示し、pおよびqは夫々独立して0〜4の整数を示し、sおよびtは、夫々独立して1以上の整数を示す。]
    下記式(C)で表される構成単位
    Figure 2016176984
    [式中、R及びRは、それぞれ独立に、直接結合、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基、若しくは置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基、又は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基及び置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基からなる群から選ばれる2つ以上の基が、酸素原子、置換されていてもよい硫黄原子、置換されていてもよい窒素原子若しくはカルボニル基で連結された基であり、Rは、直接結合、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基、又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基であり、R10〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアリールオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換基を有する硫黄原子、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基である。uおよびvは夫々独立して0〜4の整数を示し、wは1〜5の整数値を示す。]
    下記式(D)で表される構成単位
    Figure 2016176984
    [上記一般式(D)中、R〜R11は上記(C)と同義で、Xは脂肪族、脂環式化合物を示す]
  4. 前記熱可塑性樹脂が構成単位(A)、構成単位(B)および構成単位(E)を含む請求項3に記載の位相差フィルム。
  5. ガラス転移温度が128℃以上155℃以下の範囲である熱可塑性樹脂より形成される光学フィルムを延伸してなる請求項1〜4のいずれかに記載の位相差フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の位相差フィルムを具備した液晶表示装置または有機EL表示装置。
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