JP5281423B2 - 導光板 - Google Patents

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Description

本発明は、アクリル樹脂層の両面にポリカーボネート樹脂層を積層した導光板に関する。
従来より、導光板として透明性の優れたメタクリル酸メチル系樹脂が多用されている。メタクリル酸メチル系樹脂は、冷陰極管やLED等の光源からの光を高い透過率で通すことができる。それゆえ、厚さ3〜5mm程度のメタクリル酸メチル系樹脂が、ノートパソコンや液晶モニター等のバックライトの導光板として使用されている。
一方、携帯電話や携帯ゲーム機等に使われる導光板は、厚みが1〜2mm程度と薄型化が進んでおり、メタクリル酸メチル系樹脂だけでなく、強度を持ったポリカーボネート系樹脂や脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂も使用されるようになってきている。
薄型化の傾向は、近時において顕著であり、携帯電話や携帯ゲーム機等の用途では、厚さ1mm未満の導光板が要望されている。導光板は、射出成形により形成されることが多いが、このような薄型化の導光板は、射出成形し難い。また、メタクリル酸メチル系樹脂が多く使用されてきたノートパソコンや液晶モニター等においても、比較的大きな画面を薄く成形する必要が出てきており、従来のような射出成形では対応し難くなってきている。さらに、メタクリル酸メチル系樹脂は割れやすい特性があり、薄くなると取扱い面でも難しくなってきている。
このような問題に対応するために、ポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂を押出成形によってフィルム化したものを導光板として使用する技術や、メタクリル樹脂中にゴム粒子を分散させたフィルムを用いる技術が出てきている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、ポリカーボネート系樹脂を押出成形によって薄くフィルム化したものを導光板に適用する場合、ポリカーボネート系樹脂自体の光透過性が悪いため、長い光路を通過させると、低い輝度になる傾向があった。この傾向は、面積を大きくした際に顕著である。また、アクリル系樹脂は、押出成形によって薄くフィルム化できるものの、これを導光板に適用すると、打ち抜き加工等で形状を整える際にクラックが入る傾向があり、ハンドリング性に問題があった。
一方、メタクリル樹脂中にゴム粒子を分散させると、薄いフィルムでも打ち抜き加工性やハンドリング特性は、通常のアクリル系樹脂と比べて大幅に改善される。
しかしながら、ゴム粒子を含有させると、光透過性が低下し、アクリル樹脂本来の特性を損ねてしまう問題があった。
特開2008−218207号公報
本発明の課題は、高い光透過性を保持し、かつ加工性やハンドリング特性に優れた導光板を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)アクリル樹脂層の両面にポリカーボネート樹脂層が共押出成形により積層されてなることを特徴とする導光板。
(2)前記アクリル樹脂層が、アクリル樹脂100重量部に対し、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤、および酢酸エステル系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種を0.001〜1重量部の割合で含有するアクリル樹脂組成物から構成されている前記(1)記載の導光板。
(3)前記ポリカーボネート樹脂層が、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、アクリル樹脂を0.01〜1重量部の割合で含有するポリカーボネート樹脂組成物から構成されている前記(1)または(2)記載の導光板。
前記(1)によれば、長光路の光透過特性に優れ、かつ割れ難いという効果を有する。したがって、該導光板は、薄くしても液晶のバックライト用導光板として好適に利用することができる。
前記(2)によれば、アクリル樹脂層が特定の紫外線吸収剤を特定の割合で含有するので、耐光性を十分に得ることができる。
前記(3)によれば、ポリカーボネート樹脂層がアクリル樹脂を特定の割合で含有するので、ポリカーボネート樹脂層のアクリル樹脂層に対する密着性を向上させることができる。
本発明の一実施形態にかかる導光板の製造方法を示す概略説明図である。 本発明の一実施形態にかかる金属ロールおよび弾性ロールを示す概略断面説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる弾性ロールを示す概略断面説明図である。
本発明の導光板は、アクリル樹脂層の両面にポリカーボネート樹脂層が共押出成形により積層されてなる。前記アクリル樹脂層を構成するアクリル樹脂としては、一般的にメタクリル樹脂が用いられる。該メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチル単位を主成分とするもの、具体的にはメタクリル酸メチル単位を通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上含むメタクリル酸メチル樹脂であるのが好ましく、メタクリル酸メチル単位100重量%のメタクリル酸メチル単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチルと、該メタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体との共重合体であってもよい。
前記メタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体としては、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類や、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類等が挙げられる。また、スチレンや置換スチレン類、例えばクロロスチレン、ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類や、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のアルキルスチレン類等も挙げられる。さらに、メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等も挙げられる。これらメタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル樹脂層には、導光板の耐光性を十分なものとするために、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。この紫外線吸収剤の含有量は、アクリル樹脂100重量部に対し、0.001〜1重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部、より好ましくは0.005〜0.1重量部である。この紫外線吸収剤の含有量があまり少ないと、光源から出る紫外線への耐光性が十分でなく、またあまり多いと、コスト的に不利になる。
紫外線吸収剤としては、250〜320nmの範囲に極大吸収波長を有するものが好ましく、特に該極大吸収波長が250〜800nmの範囲における最大吸収波長(以下、「λmax」と言うことがある。)であるものが、導光板の耐光性を向上させ、また紫外線吸収剤の可視光吸収による導光板および出射光の着色を抑制することもできて好ましい。また、紫外線吸収剤としては、最大吸収波長におけるモル吸光係数(以下、「εmax」と言うことがある。)が10000mol-1cm-1以上、特に15000mol-1cm-1以上であるものや、分子量(以下、「Mw」と言うことがある。)が400以下であるものが、使用重量低減の観点から好ましい。
また、紫外線吸収剤の種類としては、例えばベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤、酢酸エステル系紫外線吸収剤等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤、酢酸エステル系紫外線吸収剤が好ましく、特にマロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤、酢酸エステル系紫外線吸収剤が、導光板の耐光性を向上させ、また紫外線吸収剤の可視光吸収による導光板および出射光の着色を抑制することもできて好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(Mw:214、λmax:288nm、εmax:14100mol-1cm-1)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Mw:228、λmax:289nm、εmax:14700mol-1cm-1)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(Mw:308、λmax:292nm、εmax:12500mol-1cm-1)、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン(Mw:326、λmax:291nm、εmax:15300mol-1cm-1)、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(Mw:383、λmax:290nm、εmax:16200mol-1cm-1)、4−ベンジロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(Mw:304、λmax:289nm、εmax:15900mol-1cm-1)、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン(Mw:274、λmax:289nm、εmax:11800mol-1cm-1)、1,6−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ヘキサン(Mw:511、λmax:290nm、εmax:30100mol-1cm-1)、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン(Mw:483、λmax:290nm、εmax:28500mol-1cm-1)等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えばエチル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Mw:277、λmax:305nm、εmax:15600mol-1cm-1)、2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Mw:362、λmax:307nm、εmax:14400mol-1cm-1)等が挙げられる。
サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えばフェニルサリチレート(Mw:214、λmax:312nm、εmax:5000mol-1cm-1)、4−t−ブチルフェニルサリチレート(Mw:270、λmax:312nm、εmax:5400mol-1cm-1)等が挙げられる。
ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば(2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート))−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)(Mw:629、λmax:298nm、εmax:6600mol-1cm-1)等が挙げられる。
ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば2’,4’−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(Mw:436、λmax:267nm、εmax:20200mol-1cm-1)等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:225、λmax:300nm、εmax:13800mol-1cm-1)、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:358、λmax:312nm、εmax:14600mol-1cm-1)、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:316、λmax:354nm、εmax:14300mol-1cm-1)、2−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:352、λmax:305nm、εmax:15200mol-1cm-1)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:323、λmax:303nm、εmax:15600mol-1cm-1)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール(Mw:388、λmax:304nm、εmax:14100mol-1cm-1)、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:323、λmax:301nm、εmax:14700mol-1cm-1)等が挙げられる。
マロン酸エステル系紫外線吸収剤としては、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類、中でも下記一般式(1)で示される化合物が好適に用いられる。
Figure 0005281423
(式中、X1は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R1およびR2はそれぞれ同一または異なる基であって、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
上記一般式(1)中、X1で表されるアルキル基およびX1で表されるアルコキシ基におけるアルキル基は、それぞれ直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。X1は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基であるのが好ましく、X1の置換位置は、パラ位であるのが好ましい。
また、上記一般式(1)中、R1およびR2で表されるアルキル基は、それぞれ直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。R1およびR2は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基であるのが好ましい。
上記一般式(1)で示される化合物としては、特に2−(パラメトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル(Mw:250、λmax:308nm、εmax:24200mol-1cm-1)が好ましい。
オキサルアニリド系紫外線吸収剤としては、アルコキシオキサルアニリド類、中でも下記一般式(2)で示される化合物が好適に用いられる。
Figure 0005281423
(式中、R3およびR4はそれぞれ同一または異なる基であって、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
上記一般式(2)中、R3およびR4で表されるアルキル基は、それぞれ直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。R3およびR4は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基であるのが好ましく、また、R3およびR4の置換位置は、それぞれオルト位であるのが好ましい。
上記一般式(2)で示される化合物としては、特に2−エトキシ−2’−エチルオキサルアニリド(Mw:312、λmax:298nm、εmax:16700mol-1cm-1)が好ましい。
酢酸エステル系紫外線吸収剤としては、2−(1−アリールアルキリデン)酢酸エステル類、中でも下記一般式(3)で示される化合物が好適に用いられる。
Figure 0005281423
(式中、X2は水素原子、アルキル基またはアルコキシル基を表し、R5はアルキル基を表す。)
置換基X2におけるアルコキシル基は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよく、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基等の炭素数1〜6程度のアルコキシル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4程度のアルコキシル基である。アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6程度のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4程度のアルキル基であり、さらに好ましくはメトキシ基である。置換基X2はアルコキシル基であることが好ましい。
置換基R5におけるアルキル基としては、通常は炭素数1〜10程度のアルキル基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜10程度のアルキル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、2−エチルヘキシル基等である。
導光板には、さらに耐光性を向上させるために、ヒンダードアミン(Hindered Amine)類、特に2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を有する化合物を含有させるのが望ましい。ヒンダードアミン類の含有量は、アクリル樹脂層中に含有される紫外線吸収剤の、通常2重量倍以下であり、好ましくは0.01〜1重量倍である。
ヒンダードアミン類としては、例えばコハク酸ジメチル/1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))、2−(2,3−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン/2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)や、下記一般式(4)で示される化合物等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
Figure 0005281423
(式中、Yは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、全炭素数2〜20のカルボキシアルキル基、全炭素数2〜25のアルコキシアルキル基または全炭素数3〜25のアルコキシカルボニルアルキル基を表わす。)
上記一般式(4)中、Yで表されるアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基における2つのアルキル基(アルコキシ基のアルキル基およびアルコキシ基で置換されたアルキル基)、ならびにアルコキシカルボニルアルキル基における2つのアルキル基(アルコキシ基のアルキル基およびアルコキシカルボニル基で置換されたアルキル基)は、それぞれ直鎖状であっても分岐状であってもよい。Yは、水素原子または全炭素数5〜24のアルコキシカルボニルアルキル基であるのが好ましく、水素原子またはアルコキシカルボニルエチル基であるのがさらに好ましい。該アルコキシカルボニルエチル基としては、例えばドデシルオキシカルボニルエチル基、テトラデシルオキシカルボニルエチル基、ヘキサデシルオキシカルボニルエチル基、オクタデシルオキシカルボニルエチル基等が挙げられる。
一方、前記ポリカーボネート樹脂層を構成するポリカーボネート樹脂としては、例えば、二価フェノールとカルボニル化剤とを界面重縮合法や溶融エステル交換法等で反応させることにより得られるものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法等で重合させることにより得られるもの、環状カーボネート化合物を開環重合法で重合させることにより得られるもの等が挙げられる。
前記二価フェノールとしては、例えばハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
中でも、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンから選ばれる二価フェノールを単独で、または2種以上用いるのが好ましく、特に、ビスフェノールAの単独使用や、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンから選ばれる1種以上の二価フェノールとの併用が好ましい。
前記カルボニル化剤としては、例えば、ホスゲン等のカルボニルハライド、ジフェニルカーボネート等のカーボネートエステル、二価フェノールのジハロホルメート等のハロホルメート等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
ポリカーボネート樹脂層には、アクリル樹脂層との密着性を上げるために、アクリル樹脂を含有させるのが好ましい。具体的には、前記ポリカーボネート樹脂層が、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、アクリル樹脂を0.01〜1重量部の割合で含有するポリカーボネート樹脂組成物から構成されているのが好ましい。前記アクリル樹脂としては、前述のアクリル樹脂層に用いたものと同じアクリル樹脂が採用可能であり、低い分子量のものが好ましく用いられる。好ましい分子量の範囲としては1000〜100000である。この分子量が低すぎると押出成形の際にアクリル樹脂が揮発してしまい、高すぎるとアクリル樹脂がポリカーボネート樹脂と相分離を起こし、光透過率を低下させる傾向がある。
なお、一方のポリカーボネート樹脂層の組成と、他方のポリカーボネート樹脂層の組成とは、同じで組成であってもよく、それぞれ異なる組成であってもよい。また、アクリル樹脂層およびポリカーボネート樹脂層には、それぞれ導光板としての特性を悪化させない程度で、例えば光安定剤、酸化防止剤、離型剤等の添加剤を1種または2種以上、添加してもよい。
本発明の導光板は、アクリル樹脂層とポリカーボネート樹脂層とを共押出成形で積層一体化することにより、好適に製造される。この共押出成形は、2基または3基の一軸または二軸の押出機を用いて、前述したアクリル樹脂層の材料とポリカーボネート樹脂層の材料とをそれぞれ溶融混練した後、フィードブロックダイやマルチマニホールドダイ等を介して積層することにより行うことができる。そして、積層一体化されたシート状ないしフィルム状の溶融樹脂を、例えばロールユニット等を用いて冷却固化して本発明の導光板を得る。以下、本発明にかかる導光板の製造方法の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態にかかる導光板の製造方法を示す概略説明図である。図2は、本実施形態にかかる金属ロールおよび弾性ロールを示す概略断面説明図である。図1に示すように、まず、アクリル樹脂およびポリカーボネート樹脂を、それぞれ別個の押出機1,2で加熱して溶融混練しながら、共押出成形用のダイ3から押出し、積層一体化する。
ついで、ダイ3から共押出されたシート状ないしフィルム状の溶融樹脂4を、略水平方向に対向配置された2本の冷却ロール5に挟み込んで冷却することで導光板11を得る。
冷却ロール5は、図2に示すように、高剛性の金属ロール6と、外周部に金属製薄膜9を備えた弾性ロール、すなわち金属弾性ロール7とで構成されている。金属ロール6および金属弾性ロール7は、少なくとも一方がモータ等の回転駆動手段に接続されており、両ロールが所定の周速度で回転するように構成されている。
高剛性の金属ロール6は、金属ロール6および金属弾性ロール7間で挟持された後のシート状ないしフィルム状の導光板11が巻き掛けられる、巻き掛けロールである。金属ロール6は、特に限定されるものではなく、従来から押出成形で使用されている通常の金属ロールを採用することができる。具体例としては、ドリルドロールやスパイラルロール等が挙げられる。金属ロール6の表面状態は、例えば鏡面であってもよく、模様や凹凸等があってもよい。
金属弾性ロール7は、略円柱状の回転自在に設けられた軸ロール8と、この軸ロール8の外周面を覆うように配置され、溶融樹脂4に接触する円筒形の金属製薄膜9とを備えており、これら軸ロール8と金属製薄膜9との間には流体10が封入されており、これにより金属弾性ロール7は弾性を示すことができる。前記軸ロール8は、特に限定されるものではなく、例えばステンレス鋼等からなる。
金属製薄膜9は、例えばステンレス鋼等からなり、その厚さとしては2〜5mm程度が好ましい。この金属製薄膜9は、屈曲性や可撓性等を有しているのが好ましく、溶接継ぎ部のないシームレス構造が好ましい。このような金属製薄膜9を備えた金属弾性ロール7は、耐久性に優れると共に、金属製薄膜9を鏡面化すれば通常の鏡面ロールと同様の取り扱いができ、金属製薄膜9に模様や凹凸を付与すればその形状を転写できるロールになるので、使い勝手がよい。
この金属製薄膜9が軸ロール8の両端部で固定され、軸ロール8と金属製薄膜9との間に流体10が封入される。流体10としては、例えば水、油等が挙げられる。この流体10を温度制御することによって、金属弾性ロール7を温度制御可能にすることができる。前記温度制御には、例えばPID制御やON−OFF制御等の公知の制御方法を採用することができる。なお、流体10に代えて、空気等の気体を用いることもできる。
このような金属ロール6および金属弾性ロール7間に溶融樹脂4を挟持すると、金属弾性ロール7が溶融樹脂4を介して金属ロール6の外周面に沿って凹状に弾性変形し、金属弾性ロール7と金属ロール6とが溶融樹脂4を介して所定の接触長さLで接触する。
前記接触長さLとしては、1〜20mm、好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜7mmであるのがよい。前記接触長さLを所定の値にするには、例えば金属製薄膜9の厚み、流体10の封入量等を調整することによって任意に行うことができる。なお、前記接触長さLとは、溶融樹脂4を介して金属弾性ロール7と金属ロール6とが接触を開始する点と、接触を終了する点とを結ぶ直線の長さを意味する。
接触長さLで金属弾性ロール7と金属ロール6とが溶融樹脂4を介して接触すると、金属ロール6および金属弾性ロール7は、溶融樹脂4に対して面接触で圧着するようになり、これらロール間に挟持される溶融樹脂4は面状に均一加圧されながら製膜される。このようにして製膜すると、導光板11内に歪が残留するのを抑制することができ、得られる導光板11の加熱収縮特性が小さくなる傾向がある。したがって、該導光板11には、温度環境が厳しい場所での使用において、反りやうねり等の変形を抑制する効果がある。
具体的には、導光板11を160℃の熱雰囲気下で30分放置したときの導光板11の押出方向の収縮率S1(%)および幅方向の収縮率S2(%)が、いずれも0〜5%になる傾向がある。収縮率S1,S2がマイナス、すなわち0%未満であると、導光板として使用した際に、光源の熱によって導光板が膨張してバックライトのハウジングに当たり、導光板自体が変形するのみならず、該導光板を備えるバックライトユニットにも変形が発生しやすくなる。また、収縮率S1,S2が5%を超えると、光源を点灯して内部温度が上昇すると導光板の収縮が大きくなり、変形を伴うこともあるため、光源部分から光漏れが発生して輝度低下を引き起こす可能性がある。前記収縮率S1,S2の算出方法については、後述する。
導光板11の加熱収縮特性を小さくする上で、溶融樹脂4を金属ロール6および金属弾性ロール7に挟持して成形する際に、溶融樹脂4を冷却固化前ないし冷却固化させる過程で両ロールに挟持させるのがよい。具体的には、金属ロール6および金属弾性ロール7の表面温度(Tr)を、アクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂の熱変形温度(Th)に対して、(Th−20℃)≦Tr≦(Th+20℃)、好ましくは(Th−15℃)≦Tr≦(Th+10℃)、より好ましくは(Th−10℃)≦Tr≦(Th+5℃)の範囲とすることが望ましい。
一方、表面温度(Tr)が(Th−20℃)よりも低い温度になると、収縮率S2が小さくなる傾向がある。また、表面温度(Tr)が(Th+20℃)よりも高い温度になると、収縮率S1が大きくなる傾向がある。また導光板にロールからの剥離跡が残り外観を損ねる傾向がある。
表面温度(Tr)は、アクリル樹脂およびポリカーボネート樹脂のうち熱変形温度(Th)が高い方の樹脂を基準とする。熱変形温度(Th)としては、特に限定されるものではないが、通常、60〜200℃程度である。熱変形温度(Th)は、ASTM D−648に準拠して測定される温度である。
金属ロール6および金属弾性ロール7間で挟持された後のシート状ないしフィルム状の導光板11は、金属ロール6に巻き掛けられた後、図示しない引取りロールにより搬送ロール上を冷却されながら引取られ、これにより導光板11を得る。
次に、本発明にかかる導光板の製造方法の他の実施形態について説明する。図3は、本実施形態にかかる弾性ロールを示す概略断面説明図である。なお、図3においては、前述した図1,図2と同一の構成部分には同一の符号を付して説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態にかかる金属弾性ロール15は、略円柱状の回転自在に設けられた軸ロール16の外周面を、円筒形の金属製薄膜17で被覆したものである。
軸ロール16は、例えばシリコンゴム等のゴムからなるゴムロールであり、これにより金属弾性ロール15は弾性を示すことができる。前記ゴムの硬度を調整することによっても、前記接触長さLを所定の値にすることができる。
金属製薄膜17は、例えばステンレス鋼等からなり、その厚さとしては0.2〜1mm程度が好ましい。
金属弾性ロール15を温度制御可能に構成するには、例えばバックアップ冷却ロールを金属弾性ロール15に取り付ければよい。その他の構成は、前記した一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
本発明の導光板は、シート状ないしフィルム状であり、その厚みは、通常0.05〜1mm、好ましくは0.1〜0.8mm、より好ましくは0.2〜0.7mmである。そして、本発明の導光板においては、アクリル樹脂層の厚みを、全体の厚みの50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上とするのがよい。これにより、光透過特性が良好になる。なお、アクリル樹脂層の厚みは、全体の厚みに対し、通常95%以下、好ましくは90%以下とするのがよい。
導光板の加工性を重視する場合には、ポリカーボネート樹脂層の厚みを10μm以上、好ましくは10〜50μmとするのがよい。一方のポリカーボネート樹脂層の厚みと、他方のポリカーボネート樹脂層の厚みとは、同じで厚みであってもよく、それぞれ異なる厚みであってもよい。導光板の厚みは、前記したダイ3から押し出される溶融樹脂4の厚み、2本の冷却ロール5の間隔等により調整することができる。
こうして得られる本発明の導光板は、光透過性能が良好で、かつ薄くても割れ難いことが特徴である。したがって、例えば、カーナビゲーションシステムや携帯情報端末、産業機械の操作パネル、携帯ゲーム機、ノートパソコン、液晶モニター、液晶テレビ等のバックライト用導光板として使われる。特に、今後バックライトは薄肉大型化が進むため、5インチ以上の導光板に好適に用いられるものと考えられる。
本発明の導光板は、必要に応じて、鋸切断やトムソン刃等による断裁、熱をかけての折り曲げや真空、圧空成形、端面研磨等の処理を施すことができる。また、本発明の導光板に対して、例えばドット印刷、プレス成形、硬化性樹脂塗工等による形状付与を行うこともできる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。以下の実施例および比較例で使用した押出装置の構成は、次の通りである。
押出機1:スクリュー径65mm、一軸、ベント付き(東芝機械(株)製)。
押出機2:スクリュー径45mm、一軸、ベント付き(日立造船(株)製)。
フィードブロック:2種3層分配(日立造船(株)製)。
ダイ3:Tダイ、リップ幅1400mm、リップ間隔1mm(日立造船(株)製)。
ロール:横型、面長1400mm、径300mmφの冷却ロール2本。
押出機1,2、ダイ3を図1に示すように配置し、フィードブロックを所定位置に配置した。ついで、前記2本の冷却ロールのうち、押出機1,2に最も近いロールを1番ロール、巻き掛けロールを2番ロールとし、各ロールを以下のように構成した。
<ロール構成1>
図2に示した構成をロール構成1とした。具体的には、1番ロールおよび2番ロールを以下のように構成した。
(1番ロール)
軸ロール8の外周面を覆うように金属製薄膜9を配置し、軸ロール8と金属製薄膜9との間に流体10を封入した金属弾性ロール7を1番ロールとした。軸ロール8、金属製薄膜9および流体10は、次の通りである。
軸ロール8:ステンレス鋼製
金属製薄膜9:厚さ2mmのステンレス鋼製の鏡面金属スリーブ
流体10:油であり、この油を温度制御することによって、金属弾性ロール7を温度制御可能にした。より具体的には、温度調節機のON−OFF制御により前記油を加熱、冷却して温度制御可能にし、軸ロール8と金属製薄膜9との間に循環させた。
(2番ロール)
表面状態を鏡面にしたステンレス鋼製のスパイラルロールを高剛性の金属ロール6とし、これを2番ロールとした。
なお、金属弾性ロール7と金属ロール6とが溶融樹脂4を介して接触する接触長さLは、4mmにした。
<ロール構成2>
1番ロールおよび2番ロールを、いずれも高剛性の金属ロール(表面状態を鏡面にしたステンレス鋼製のスパイラルロール)とした。
以下の実施例および比較例で使用した樹脂は、次の通りである。
樹脂1:芳香族ポリカーボネート(住友ダウ(株)製の「カリバー200−13」)100重量部に分子量30000のメタクリル酸メチル系樹脂(三菱レイヨン(株)製の「ダイヤナールBR83」)を0.1重量部添加したポリカーボネート樹脂組成物。熱変形温度(Th)は140℃である。
樹脂2:メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=94/6(重量比)の共重合体100重量部にマロン酸エステル系紫外線吸収剤を0.01重量部添加したアクリル樹脂組成物。熱変形温度(Th)は100℃である。前記マロン酸エステル系紫外線吸収剤は、上記一般式(1)中、X1がメトキシ基でその置換位置がパラ位であり、R1およびR2がメチル基の化合物である2−(パラメトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル(Clariant社製の商品名「Sanduvor PR−25」)を用いた。
[実施例1〜8および比較例3]
<導光板の作製>
樹脂層Aとして、表1に示す種類の樹脂を押出機1にて溶融混練し、フィードブロックに供給した。一方、樹脂層Bとして、表1に示す種類の樹脂を押出機2にて溶融混練し、フィードブロックに供給した。押出機1からフィードブロックに供給される樹脂層Aが中間層となり、押出機2からフィードブロックに供給される樹脂層Bが両表層となるように、共押出成形を行った。
そして、ダイ3から押出された溶融樹脂4を、表1に示すロール構成の1番ロールおよび2番ロールで挟持しながら製膜し、表1に示す厚さの3層構造からなる導光板を得た。なお、1番ロールの表面温度は130℃であり、2番ロールの表面温度は、140℃であった。これらの温度は、各ロールの表面温度を実測した値である。また、表1中の押出機1,2における「厚み」は、樹脂層A,Bの各厚みを示しており、「総厚み」は、得られた導光板の総厚みを示している。
[比較例1,2]
表1に示す種類の樹脂を押出機1にて溶融混練し、フィードブロックおよびダイ3の順に供給した。そして、ダイ3から押出された溶融樹脂4を、表1に示すロール構成の1番ロールおよび2番ロールで挟持しながら製膜し、表1に示す厚さの単層構造からなる導光板を得た。なお、比較例1では、1番ロールの表面温度は130℃であり、2番ロールの表面温度は、140℃であった。また、比較例2では、1番ロールの表面温度は100℃であり、2番ロールの表面温度は、95℃であった。
<評価>
得られた各導光板(実施例1〜8および比較例1〜3)について、収縮率、長光路透過率およびカッター評価を行った。各評価方法を以下に示すと共に、その結果を表1に併せて示す。
(収縮率)
まず、得られた導光板から約10cm角サイズで試験片を切り出し、この試験片の押出方向の寸法(MD0)および幅方向の寸法(TD0)をそれぞれ測定した。ついで、金属製のバットにベビーパウダー(和光堂(株)製の「シッカロール・ハイ」)を敷いて、その上に前記試験片を置いて、160℃のオーブンに30分間投入した。
その後、自然冷却した試験片の押出方向の寸法(MD)および幅方向の寸法(TD)をそれぞれ測定し、得られた各寸法を式:収縮率S1={1−(MD/MD0)}×100,式:収縮率S2={1−(TD/TD0)}×100に当てはめて、収縮率S1,S2を算出した。また、算出された収縮率S1,S2から、比(S1/S2)を算出した。表1中の収縮率S1,S2において、+の結果は収縮したことを、−の結果は膨張したことをそれぞれ示している。
(長光路透過率)
まず、得られた導光板から10cm×4cmサイズで試験片を切り出し、この試験片の4辺を、エッジ研磨機(メガロテクニカ(株)製の「PB−500」)を用いて研磨した。ついで、この試験片の光の透過率を、分光光度計((株)日立製作所製の「U4000型」積分球付き)を用いて光路10cm、波長300〜800nmを5nm刻みで測定し、波長380〜780nmの光の平均透過率を求め、これを長光路透過率とした。
(カッター評価)
得られた導光板をカッターで切断し、クラックの発生の有無を目視観察した。なお、判定基準は以下のものを用いた。
○:クラックが発生しなかった
×:クラックが発生した
Figure 0005281423
表1から明らかなように、実施例1〜8の導光板は、長光路の光透過特性に優れ、かつ割れ難いことがわかる。特に、ロール構成1を採用した実施例1,3〜6および8の導光板は、収縮率が小さいものであった。
一方、ポリカーボネート樹脂層の単層構造からなる比較例1の導光板と、ポリカーボネート樹脂層の両面にアクリル樹脂層が積層されてなる比較例3の導光板は、いずれも長光路の光透過特性に劣る結果を示した。また、アクリル樹脂層の単層構造からなる比較例2の導光板は、割れやすい結果を示した。
1,2 押出機
3 ダイ
4 溶融樹脂
5 冷却ロール
6 金属ロール
7,15 金属弾性ロール
8,16 軸ロール
9,17 金属製薄膜
10 流体
11 導光板

Claims (2)

  1. アクリル樹脂層の両面にポリカーボネート樹脂層が共押出成形により積層されてなり、前記ポリカーボネート樹脂層が、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、アクリル樹脂を0.01〜1重量部の割合で含有するポリカーボネート樹脂組成物から構成されていることを特徴とする導光板。
  2. 前記アクリル樹脂層が、アクリル樹脂100重量部に対し、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤、および酢酸エステル系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種を0.001〜1重量部の割合で含有するアクリル樹脂組成物から構成されている請求項1記載の導光板。
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