JP6544187B2 - 積層体、およびディスプレイ用前面板 - Google Patents
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Description
特許文献2に開示されている積層体によれば、優れた表面硬度と耐衝撃性とを兼備させることが可能であった。
A層は、構造の一部に下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)を含み、ガラス転移温度が110℃以上であるポリカーボネート樹脂(A)からなる。A層は、本積層体に高い表面硬度を付与するともに、耐衝撃性、打ち抜き加工性、および、耐熱性を付与する層である。
一般的に、上記構造単位(a)の含有量が多ければ多いほどポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度は高くなる傾向がある。所望のガラス転移温度を得るためには、上記構造単位(a)の含有量は50モル%以上であることが好ましく、55モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがさらに好ましい。
ポリカーボネート樹脂の還元粘度が低すぎると成形品の機械的強度が小さい可能性があり、大きすぎると、成形する際の流動性が低下し、生産性や成形性を低下させる傾向がある。
溶媒の通過時間t0、溶液の通過時間tから、下記式:
ηrel=t/t0
より相対粘度ηrelを求め、 相対粘度ηrelから、下記式:
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
より比粘度ηspを求める。
比粘度ηspを濃度c(g/dl)で割って、下記式:
ηred=ηsp/c
より還元粘度(換算粘度)ηredを求める。
より具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノール等のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を好ましく使用でき、これらの中でも、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル) −6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノールが特に好ましい。これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記紫外線吸収剤の添加量は、A層で用いるポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、0.0001重量部以上、1重量部以下の割合で添加することが好ましく、0.0005重量部以上、0.5重量部以下の割合で添加することがより好ましく、0.001重量部以上、0.2重量部以下の割合で添加することがさらに好ましい。かかる範囲で紫外線吸収剤を添加することにより、A層表面への紫外線吸収剤のブリードやA層の機械特性低下を生じることなく、本積層体の耐候性を向上することができる。
商業的に入手可能な紫外線吸収剤の一例としては、BASF社製の商品名「チヌビン1577FF」を挙げることができる。
B層は、芳香族ポリカーボネート樹脂(B)からなる層であり、本積層体に耐衝撃性、打ち抜き加工性、および、耐熱性を付与する層である。B層に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(B)は、単独重合体または共重合体のいずれであってもよい。また、芳香族ポリカーボネート樹脂(B)は、分岐構造であっても、直鎖構造であってもよいし、さらに分岐構造と直鎖構造との混合物であってもよい。
なお、粘度平均分子量(Mv)はウベローデ型粘度計を用い、ポリカーボネート樹脂試料の塩化メチレン溶液(濃度:0.6g/dl)を調製し、20℃におけるηspを測定し、以下の式(I)および(II)より求める。
ηsp/C=[η]×(1+0.28ηsp) (I)
[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83 (II)
式(I)中、ηspはポリカーボネート樹脂試料の塩化メチレン中20℃で測定した比粘度であり、Cはこの塩化メチレン溶液の濃度である。塩化メチレン溶液としては、ポリカーボネート樹脂試料の濃度が0.6g/dlの溶液を使用する。
A層とB層とを積層する本積層体の製造方法は特に制限されるものではないが、より好適な方法は前述の通り両者を共押出しして製膜する方法である。具体的に説明すると、B層を構成する樹脂を供給する主押出機と、A層を構成する樹脂を供給する副押出機とを備える。
本積層体は、上記A層が従来の芳香族ポリカーボネート樹脂より表面硬度が高いため、透明建材、電気電子機器の小型表示窓など特段の表面硬度が要求されない用途の場合、そのまま各種用途に用いることができる。
また、本積層体の前面側A層の表面には、本発明の本質を損なわない範囲で反射防止層または防汚層を設けることもできる。これらの層を設けることで、特に屋外で使用する画像表示装置のディスプレイ用前面板に本積層体を用いた場合に、画像の視認性をより一層向上させることができる。
本積層体には、さらに印刷層を設けることができる。印刷層は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷およびスクリーン印刷などの公知の印刷の方法で設けられる。
ここで、A層とB層との剥離強度とは、引っ張り試験機((株)インテスコ社製205X)を用いて、幅10mmに切り出したA層のみをチャックした後、引っ張り速度60mm/分の条件で180度方向にA層をB層から引き剥がした際に測定される剥離強度(N/10mm巾)を意味する。
所望の剥離強度を得るためには、上記A層中の構造単位(a)の含有割合は90モル%以下であることが好ましく、85モル%以下であることがより好ましく、80モル%以下であることがさらに好ましい。一方、耐熱性および表面硬度も兼備するためには、上記A層中の構造単位(a)の含有割合は50モル%以上であることが好ましく、55モル%以上であることがより好ましく、60モル%以上であることがさらに好ましい。
上記A層中には、優れた層間密着性と耐熱性とを兼備させるため、構造単位(a)のほか、上述した構造単位(b)を含むことがより好ましく、さらに脂肪族ジヒドロキシ化合物および/または脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むことが好ましい。剥離強度は、構造単位(a)と構造単位(b)との含有割合を適宜選択することでも調節可能である。
また、ダイおよびフィードブロックの温度を樹脂原料が分解しない範囲において高温にすることによっても剥離強度を向上させることができる。ダイ温度およびフィードブロック温度は通常220℃以上、260℃以下であることが好ましく、230℃以上、260℃以下であることがより好ましい。
本積層体は、前述の製造方法によってフィルム、シートおよびプレートなどの形状に成形される。成形された本積層体は、透明性、表面硬度、耐衝撃性、打ち抜き加工性、耐熱性、層間密着性および耐黄変劣化性に優れる。
一般的に「フィルム」とは、長さおよび幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JIS K−6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
実施例および比較例における評価および測定は以下の方法で行った。
(ガラス転移温度)
実施例および比較例で使用した樹脂のガラス転移温度を、示差走査熱量計(Diamond DSC パーキンエルマージャパン製)を用いて、昇温速度:10℃/minで測定した。表裏層(第1層および第3層)に使用した樹脂についての測定結果を表1に示す。
(剥離強度)
実施例および比較例で得られた積層体について、引っ張り試験機((株)インテスコ社製205X)を用いて、幅10mmに切り出したA層のみをチャックした後、引っ張り速度60mm/分の条件で180度方向にA層をB層から引き剥がし、A層とB層の剥離強度(N/10mm巾)を測定した。結果を表1に示す。
実施例および比較例で得られた積層体について、カッターナイフで(A層)に切り込みを入れた後、手でA層のみをつかみ積層体の面方向に引張った時に、A層が剥がれるかどうかを確認した。剥がれやすさは下記の基準で評価した。表1に、実施例および比較例の評価結果を示した。
○・・・ほとんど剥がすことができない。
△・・・部分的に剥がすことができる。
×・・・容易に全面剥がすことができる。
(破壊エネルギー)
実施例および比較例で得られた積層体について、ハイドロショット高速衝撃試験器(島津製作所社製「HTM−1型」)を用いて、縦方向100mm×横方向100mmの大きさに切り出したシートを試料とし、クランプで固定し、温度23℃でシート中央に直径が1/2インチの撃芯を落下速度3m/秒で落として衝撃を与え、試料が破壊するときの破壊エネルギー(kgf・mm)を測定した。破壊エネルギーが200kgf・mm以上のものを合格とした。結果を表1に示す。
(鉛筆硬度)
実施例および比較例で得られた積層体について、JIS K5400に基づき、サンプルの第1層の表面に対して、荷重750gfの条件にて試験を実施し硬度の判定を行った。結果を表1に示す。
実施例で使用した樹脂は以下のとおりである。
(A−1)本発明におけるA層を構成する樹脂として、イソソルビドに由来する構造単位(a)とトリシクロデカンジメタノールに由来する構造単位(b)とのモル%が(70/30)であるポリカーボネート樹脂。
(ガラス転移温度=129℃、還元粘度:0.53dl/g)
(B)本発明におけるB層を構成する樹脂として、芳香族ポリカーボネート樹脂である、住化スタイロンポリカーボネート社製、「カリバー301−15」。
(ガラス転移温度=149℃)
(A−2)イソソルビドに由来する構造単位(a)と1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位(c)のモル%が(70/30)であるポリカーボネート樹脂。
(ガラス転移温度=120℃、還元粘度:0.56dl/g)
(A−3)イソソルビドに由来する構造単位(a)と1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位(c)とのモル%が(50/50)であるポリカーボネート樹脂。
(ガラス転移温度=100℃、還元粘度:0.57dl/g)
(実施例1)
(A−1)をφ40mm単軸押出機を用いて樹脂温度230℃で溶融混練し、230℃に設定した2種3層のマルチマニホールド式の口金より第1層、第3層として押出した。また、同時に(B)をφ65mm単軸押出機を用いて樹脂温度270℃で溶融混練し、同様の口金より第2層として押出した。次いで、この共押出シートを約120℃のキャスティングロールにて冷却し、実施例1に係る積層体を得た。この時それぞれの層の厚みは、第1層/第2層/第3層が0.07/0.56/0.07(mm)となるよう溶融樹脂の吐出量を調整した。
実施例1において、(A−1)の代わりに(A−2)を用い、口金の設定温度を210℃とした以外は同様にして、比較例1に係る積層体を得た。
実施例1において、(A−1)の代わりに(A−2)を用いた以外は同様にして、比較例2に係る積層体を得た。
実施例1において、(A−1)の代わりに(A−3)を用い、口金の設定温度を210℃、キャスティングロールの温度を90℃とした以外は同様にして、比較例3に係る積層体を得た。
Claims (5)
- 前記A層の厚みが1〜200μmである、請求項1に記載の積層体。
- 総厚みが10〜3000μmである、請求項1または2に記載の積層体。
- 少なくとも一方の面にハードコート層を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の積層体を備えるディスプレイ用前面板。
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