JP6836896B2 - 透明樹脂積層体 - Google Patents
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Description
前記ポリカーボネート系樹脂層(A)は下記一般式(1)で表される1価フェノールから誘導される末端構造と2価フェノールから誘導される構成単位とを有する、重量平均分子量20,000〜37,000のポリカーボネート系樹脂(A)を含み、
前記樹脂積層体の幅方向の加熱収縮率(S1)が−10〜0%であり、押出方向の加熱収縮率(S2)が0〜10%であり、且つ、レターデーション値が1500nm以下である、樹脂積層体。
R2〜R5はそれぞれ水素、ハロゲン、又は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数6〜12のアリール基を表し、置換基は、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)
[2] 前記1価フェノールは、下記一般式(2)で表わされる、上記[1]に記載の樹脂積層体。
[3] R1が炭素数14〜18のアルキル基である、上記[2]に記載の樹脂積層体。
[4] 前記ポリカーボネート系樹脂(A)は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される構成単位を主成分とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂積層体。
[5] 前記アクリル系樹脂層(B)の厚さが10〜200μmであり、前記ポリカーボネート系樹脂層(A)および前記アクリル系樹脂層(B)の総厚が200〜3,000μmである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂積層体。
[6] 前記ポリカーボネート系樹脂層(A)および前記アクリル系樹脂層(B)の少なくとも一方が紫外線吸収剤を含有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂積層体。
[7] 前記アクリル系樹脂層(B)上にハードコート層をさらに有する、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂積層体。
[8] 前記樹脂積層体の片面または両面に、耐指紋処理、反射防止処理、防眩処理、耐候性処理、帯電防止処理および防汚処理の少なくとも一つが施されてなる、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂積層体。
[8−1] 熱成形用の上記[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂積層体。
[9] 上記[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂積層体を熱曲げ加工された熱成形体。
[10] 上記[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂積層体上の前記ポリカーボネート系樹脂層(A)側に印刷層を有し、前記印刷層上に溶融樹脂の射出成形体からなる裏打ち層を有する、インモールド成形体。
[11] 上記[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂積層体、上記[9]に記載の熱成形体、または上記[10]に記載のインモールド成形体を含む透明基板材料。
[12] 上記[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂積層体、上記[9]に記載の熱成形体、または上記[10]に記載のインモールド成形体を含む、透明保護材料。
[13] 上記[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂積層体、上記[9]に記載の熱成形体、または上記[10]に記載のインモールド成形体を含む、タッチパネル前面保護板。
[14] 上記[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂積層体、上記[9]に記載の熱成形体、または上記[10]に記載のインモールド成形体を含む、カーナビ用、OA機器用または携帯電子機器用の前面板。
[15] ポリカーボネート系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にアクリル系樹脂層(B)が積層されてなる樹脂積層体の製造方法であって、
ダイから共押出した溶融状態のポリカーボネート系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)とを、第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、前記第2冷却ロールに巻き掛けた後、少なくとも1本の後段冷却ロールに巻きかけることにより樹脂積層体を得ること含み、
前記後段冷却ロールの温度が175℃以上であり、
前記ポリカーボネート系樹脂層(A)は下記一般式(1)で表される1価フェノールから誘導される末端構造と2価フェノールから誘導される構成単位とを有する、重量平均分子量20,000〜37,000のポリカーボネート系樹脂(A)を含む、製造方法。
R2〜R5はそれぞれ水素、ハロゲン、又は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数6〜12のアリール基を表し、置換基は、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)
該樹脂積層体は透明基板材料や透明保護材料として用いることができる。具体的には携帯電話端末、携帯型電子遊具、携帯情報端末、モバイルPCといった携帯型のディスプレイデバイスや、ノート型PC、デスクトップ型PC液晶モニター、カーナビ液晶モニター、液晶テレビといった設置型のディスプレイデバイスなどにおいて、例えばこれらの機器を保護する前面板として、好適に使用することができる。
本発明の一形態は、ポリカーボネート系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にアクリル系樹脂層(B)が共押出成形により積層されてなる樹脂積層体に関する。本形態樹脂積層体において、前記ポリカーボネート系樹脂層(A)は下記一般式(1)で表される1価フェノールから誘導される末端構造と2価フェノールから誘導される構成単位とを有する、重量平均分子量20,000〜37,000のポリカーボネート系樹脂(A)を含み、前記樹脂積層体の幅方向の加熱収縮率(S1)が−10〜0%であり、押出方向の加熱収縮率(S2)が0〜10%であり、且つ、レターデーション値が1500nm以下であることを特徴とする。
アクリル系樹脂層(B)は、ポリカーボネート系樹脂層(A)の片面に設けられていてもよいし、ポリカーボネート系樹脂層(A)の両面に設けられていてもよい。
R2〜R5はそれぞれ水素、ハロゲン、又は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数6〜12のアリール基を表し、置換基は、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)
ポリカーボネート系樹脂層(A)は、ポリカーボネート系樹脂(A)を主な成分とする。
R2〜R5はそれぞれ水素、ハロゲン、又は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数6〜12のアリール基を表し、置換基は、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)
一般式(1)の1価フェノールは、下記式(2)で表される1価フェノールであることが好ましい。
一般式(1)又は一般式(2)におけるR1の炭素数が増加しすぎると、1価フェノール(末端停止剤)の有機溶剤溶解性が低下する傾向があり、ポリカーボネート樹脂製造時の生産性が低下することがある。
一例として、R1の炭素数が36以下であれば、ポリカーボネート樹脂を製造するにあたって生産性が高く、経済性も良い。R1の炭素数が22以下、特に18以下であれば、1価フェノールは、特に有機溶剤溶解性に優れており、ポリカーボネート樹脂を製造するにあたって生産性を非常に高くすることができ、経済性も向上する。
一般式(1)又は一般式(2)におけるR1の炭素数が小さすぎると、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が十分に低い値とはならず、熱成形性が低下することがある。R1の炭素数が8以上であると一般的なポリカーボネート樹脂と比較して、溶融流動性が高く、環境湿度変化に伴う吸水膨張率が低く、ガラス転移温度が低くなる。R1の炭素数が12以上、特に14以上であると、これらの効果はより顕著なものとなり、より好ましい。
一般式(1)又は一般式(2)におけるR1は、熱安定性の点からアルキル基が好ましい。
すなわち、一実施形態において、一般式(1)又は一般式(2)におけるR1は、炭素数16のアルキル基である。例えば、ポリカーボネート系樹脂(A)は、パラヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル(すなわち、上記一般式(1)においてR1が1−ヘキサデシル基である化合物)またはパラヒドロキシ安息香酸2−ヘキシルデシルエステル(すなわち、上記一般式(1)においてR1が2−ヘキシルデシル基である化合物)から誘導される末端構造の1つ以上を有することが特に好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノールから誘導される構成単位は特に限定されない。
主骨格のために使用する2価フェノールの重合度と、1価フェノールの使用量は次式に示される。
1価フェノールの使用量(モル)
=2価フェノールの使用量(モル)÷主骨格の重合度×2
この式に基づいて、1価フェノールと2価フェノールの使用量が定められるが、2価フェノールの使用量(モル):1価フェノールの使用量(モル)の好ましい範囲は、50:1〜15:1であり、さらに好ましくは40:1〜17:1の範囲である。
ポリカーボネート系樹脂(A)の重量平均分子量は、特開2007−179018号公報の段落0061〜0064の記載に基づいて測定することができる。測定法の詳細を以下に示す。
(重量平均分子量)
Mw=Σ(NiMi2)/Σ(NiMi)
(換算式)
MPC=0.47822MPS1.01470
なお、MPCはPCの分子量、MPSはPSの分子量を示す。
カーボネート結合剤としては、ホスゲン、トリホスゲン、炭酸ジエステル、及び、一酸化炭素または二酸化炭素などのカルボニル系化合物が例示される。合成方法は特に制限されず公知のホスゲン法(界面重合法)、エステル交換法(溶融法)等、使用するモノマーにより適宜選択できる。
・1価フェノール(末端停止剤)測定時LC条件
LC:Waters Acquity UPLC H−Class
カラム:SSC PEGASIL C4
(内径4.6mm、長さ250mm、粒子径5μm)
温度:40℃
流速:1.0mL/min
検出器:PDA(190〜400nm)
注入量:25μL
溶離液:H2O/MeCN=2/8(isocratic)
・ポリカーボネート樹脂測定時LC条件
LC:Waters Acquity UPLC H−Class
カラム:SSC PEGASIL C4
(内径4.6mm、長さ250mm、粒子径5μm)
温度:40℃
流速:1.0mL/min
検出器:PDA(190〜400nm)
注入量:5μL
溶離液:A:H2O、B:MeCN、C:THF
MS:Waters Xevo G2−S Tof
スキャン範囲、速度:50〜1200/1.0sec
イオン化法:APCI(+)
Analysis mode:Sensitivity mode
Dynamic range:Normal
Corona電流:3μA
Sampling cone電圧:30V
Source Offset:80
Collision energy:off
Source温度:150℃
IonSabreProbe温度:500℃
Cone gas流量:50L/min
Desolvation gas流量:1200L/min
内部標準物質(質量補正):Leucine Enkephalin、1ng/μL
内部標準流速:10μL/min
アクリル系樹脂層(B)は、アクリル系樹脂(B)を主な成分とする。
アクリル系樹脂(B)は、(1)1種類以上のアクリル化合物単量体からなる重合体、(2)アクリル化合物単量体と他の単量体との共重合体、または(3)上記(1)の重合体及び上記(2)の共重合体のポリマーアロイであることが好ましい。中でも、アクリル系樹脂層(B)は、耐熱性の向上による高温高湿な環境の変形を防止する点から、(2)アクリル化合物単量体と他の単量体との共重合体又は(3)上記(1)の重合体及び上記(2)の共重合体のポリマーアロイであることが好ましい。
一実施形態のアクリル系樹脂(B)は、アクリル化合物単量体単位、芳香族ビニル単量体単位、および、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を含む共重合体を含む。例えば、アクリル系樹脂(B)として、アクリル化合物単量体単位を5〜92質量%、芳香族ビニル単量体単位を5〜80質量%、および、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を3〜30質量%含む共重合体が挙げられる。
本発明の一形態は、ポリカーボネート系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にアクリル系樹脂層(B)が積層されてなる樹脂積層体の製造方法に関する。本発明の樹脂積層体の製造方法は、特に限定されない。例えば、個別に形成したアクリル系樹脂層(B)と、ポリカーボネート系樹脂層(A)とを積層して両者を加熱圧着する方法、個別に形成したアクリル系樹脂層(B)とポリカーボネート系樹脂層(A)とを積層して、両者を接着剤によって接着する方法、アクリル系樹脂層(B)とポリカーボネート系樹脂層(A)とを共押出成形する方法、予め形成しておいたアクリル系樹脂層(B)を用いて、ポリカーボネート系樹脂層(A)をインモールド成形して一体化する方法、などの各種方法があるが、製造コストや生産性の観点からは、共押出成形する方法が好ましい。
図1に示す形態では、まず、ポリカーボネート系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)とをそれぞれ別の押出機(図示せず)で加熱溶融し、共押出成形用のダイ1から共押出して積層する。
例えば、フィードブロック方式の場合であれば、フィードブロックで積層した溶融樹脂をTダイなどのシート成形ダイに導き、シート状に成形した後、表面が鏡面処理された成形ロール(ポリッシングロール)に流入されてバンクを形成し、該成形ロール通過中に鏡面仕上げと冷却を行うようにすればよい。
マルチマニホールド方式の場合にはマルチマニホールドダイ内で積層した溶融樹脂を、ダイ内部でシート状に成形した後、成形ロールにて表面仕上げ及び冷却を行うようにすればよい。
ロール周速度は、例えば0.5〜30.0m/min、中でも好ましくは0.8〜6.0m/minに設定する。
後段冷却ロールとピンチロールの速度比は、例えば後段冷却ロール速度(m/min)/後段冷却ロール速度(m/min)=0.5〜1.2、中でも好ましくは0.7〜1.0に設定する。
(加熱収縮率)
幅方向の加熱収縮率(S1)(%)=
[(加熱前の押出と垂直方向の長さ)−(加熱後の押出と垂直方向の長さ)]×100
押出方向の加熱収縮率(S2)(%)=
[(加熱前の押出方向の長さ)−(加熱後の押出方向の長さ)]×100
加熱収縮率を上記範囲とする方法としては、弾性ロールを使用すること、ロール速度とピンチロールとの速度比を1.0に近づけること、及び/又は、後段冷却ロール温度を175℃以上にすることが挙げられる。例えば、後段冷却ロール温度を175℃以上にすると加熱収縮率(S1)及び加熱収縮率(S2)は小さくなる傾向がある。
レターデーションが2000〜3000nmの積層シートを偏光メガネ(サングラス)や3D用液晶シャッターメガネを通して液晶表示装置(TN方式液晶、VA方式液晶、IPS方式液晶など)を観察した場合、積層体シートのレターデーション及びそのムラに起因した色付き及び色ムラが発生する。積層シートのレターデーションを1500nm以下にすることで、該レターデーションの色度図上における分布が白色に近い領域に位置し、色付き及び色ムラの発生を抑制する効果があり、レターデーション1000nm以下がより好ましい。レターデーション値の下限は低いほど好ましく特に制限されないが、0nmに近いことが好ましい。
レターデーションを0nmに近づける方法としては、弾性ロールを使用すること、ロール速度とピンチロールとの速度比を1.0に近づけること、及び/又は、後段冷却ロール温度を175℃以上にすることが挙げられる。
樹脂積層体(シート)のHaze(ヘイズ)は好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下である。Hazeの下限値は好ましくは0%である。ただし、スモーク色などの色つきの樹脂積層体(シート)の外観は上記の全光線透過率およびHazeに限らない。
本発明において、基材層を形成するポリカーボネート系樹脂層(A)および/または表層を形成するアクリル系樹脂層(B)には、上述の主たる成分以外の成分を含めることができる。
本発明において、アクリル系樹脂層(B)の表面、またはポリカーボネート系樹脂層(A)の表面にハードコート処理を施してもよい。例えば、熱エネルギーおよび/または光エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料を用いるハードコート処理によりハードコート層を形成する。熱エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料としては、例えば、ポリオルガノシロキサン系、架橋型アクリル系などの熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。また、光エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料としては、例えば、1官能および/または多官能であるアクリレートモノマーおよび/またはオリゴマーからなる樹脂組成物に光重合開始剤が加えられた光硬化性樹脂組成物などが挙げられる。
好ましくは、実施形態の樹脂積層体はアクリル系樹脂層(B)上、すなわち、ポリカーボネート系樹脂層(A)とは反対側の表面上にハードコート層をさらに有する。
本発明の樹脂積層体の熱曲げ加工は、特に限定されない。例えば、プレス機に凸型(オス型)と凹型(メス型)の型を取り付け、加熱軟化させた積層シートをその2つの型で挟む「熱プレス」、加熱軟化させた積層シートと凸型(オス型)の型を真空状態にすることで積層シートを型に密着させ、望む形状に仕上げる「真空成形」、加熱軟化させた積層シートと凸型(オス型)の型を大気圧よりも大きな圧力を加えることで積層シートを型に密着させ、望む形状に仕上げる「圧空成形」がある。本発明の樹脂積層体は、低温(例えば120〜130℃)で熱曲げ加工した場合であってもスプリングバックしないされた熱成形体を得ることができる。
従来のポリカーボネート樹脂(例えば、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社から市販されている、ユーピロンS−2000、ユーピロンS−1000、ユーピロンE−2000)を使用した積層シートを熱プレスする場合、135〜145℃下でポリカーボネート樹脂が十分に伸長するまでシートを加熱する必要があり、その結果、アクリル樹脂に対して過剰な熱が加わるため、アクリル樹脂層とポリカーボネート樹脂層との界面に剥離が生じて、表面が白化したり、クラックが生じたりする場合があった(以下、「熱成形不良」)。一方、熱成形不良を抑制するために、120℃〜130℃の低温での熱プレスを行うと金型の形状を再現せずに、金型の形状から平らに戻ろうとする「スプリングバック」が生じることがある。
また、本樹脂積層体は上記のような特徴を備えているため、例えば樹脂積層体上のポリカーボネート系樹脂層(A)側に印刷層を形成して熱成形する一方、前記印刷層側に溶融樹脂を射出成形して裏打ち層を形成することにより、意匠性に優れたインモールド成形体を製造することもできる。
実施形態の成形品(例えば熱成形体またはインモールド成形体)は、上述した各種の好ましい形態、構成を含む本発明の樹脂積層体を含む成形品である。成形品の形状、模様、色彩、寸法等に制限はなく、その用途に応じて任意に設定すればよい。
実施形態の樹脂積層体、熱成形体またはインモールド成形体は、低温(例えば120〜130℃)での熱成形性や印刷性に優れ、かつ、色付き及び色ムラの発生を抑制することができる。したがって、透明基材材料や透明保護材料などとして好適に用いられる。具体的には、携帯電話端末、携帯型電子遊具、携帯情報端末、モバイルPCといった携帯型のディスプレイデバイスや、ノート型PC、デスクトップ型PC液晶モニター、カーナビ液晶モニター、液晶テレビといった設置型のディスプレイデバイスなどの透明基板材料および透明保護材料(例えば、前面板)として使用することができ、中でも、高意匠性が要求されるタッチパネル前面保護板や、カーナビ用、OA機器用または携帯電子機器用の前面板として好適に用いられる。
1.外観
積層体の外観観察をし、下記の基準で判定を行った。
○(合格):剥離マークの発生なし。
×(不合格):剥離マークが発生。
積層体の中心を100mm×100mmの正方形に試験片を切り出し、加熱前の押出方向の長さおよび押出と垂直方向の長さをそれぞれ測定した。ついで、金属バットにベビーパウダー(和光堂(株)製の「シッカロー・ハイ」)を敷いて、その上に前記試験片のアクリル系樹脂(B)が上面になるように置き、180℃のオーブンで30分投入し、自然冷却した後に、加熱後の押出方向の長さおよび押出と垂直方向の長さをそれぞれ測定した。得られた長さは以下の式を用いて、加熱収縮率を算出した。
幅方向の加熱収縮率(S1)(%)=
[(加熱前の押出と垂直方向の長さ)−(加熱後の押出と垂直方向の長さ)]×100
押出方向の加熱収縮率(S2)(%)=
[(加熱前の押出方向の長さ)−(加熱後の押出方向の長さ)]×100
+の結果は収縮したことを、−の結果は膨張したことを示す。
積層体の中心を押出方向200mm×70mmの長方形に切り出し、ポリカーボネート系樹脂(A)層に、黒インク(品名:SS8 911墨(東洋インキ(株)製)と品名:S719 溶剤 IKC(東洋インキ(株)製)を100vol%:20vol%で混ぜた液)を30μm厚みのアプリケーター(40mm幅)で試験片の押出方向に塗り、90℃のオーブンで30分投入し、自然冷却した後に、印刷塗装面の観察をし、下記の基準で判定を行った。
○(合格):印刷塗装面に亀裂なし。
×(不合格):印刷塗装面に亀裂あり。
RETS-100 (大塚電子(株)製)を用いて、積層体の590nm波長におけるレターデーション測定を行った。
積層体で作製した液晶表示装置の前面板について、実際のTN方式液晶パネルに装着した後、液晶ディスプレイ装置(NVIDIA社製の3Dディスプレイ)に組み込んだ。そして、3D用TN液晶シャッターメガネ(GEFORCE 3D VISION Model:P701)を装着した状態で、液晶ディスプレイに表示された映像の観察し、下記の基準で判定を行った。
○(合格):色付き及び色ムラが無し。
×(不合格):色付き及び色ムラの発生。
反射・透過率計HR−100型(株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて樹脂積層体の全光線透過率をJIS K7361−1に準じて測定し、下記の基準で全光線透過率試験の合否判定を行った。
○(合格):樹脂積層体の全光線透過率≧75%
×(不合格):上記の範囲以外
反射・透過率計HR−100型(株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて樹脂積層体のHazeをJIS K7136に準じて測定し、下記の基準でHaze試験の合否判定を行った。
○(合格):樹脂積層体のHaze≦30%
×(不合格):上記の範囲以外
1mmtのシートが20mmRのアクリル系樹脂(B)が凸になるように、凸型(オス型)と凹型(メス型)の型を作製した。積層体を成形前に100℃で予備加熱し、金型温度120℃で3分間プレスを行い、自然冷却することにより、熱プレス成形品を作製した。その後、熱プレス成形品を20mmRの円筒に沿わせて、下記の基準で判定を行った。
○(合格):円筒に沿う。(スプリングバック無し)
×(不合格):円筒に沿わない。(スプリングバック有り)
ポリカーボネート系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)について、下記に示す材料を使用した。
A−1:ポリカーボネート樹脂:下記製造例1に合成法を記載
A−2:ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製ユーピロンE−2000(末端基:p−tert−ブチルフェノール)
B−1:アクリル系樹脂:デンカ株式会社製 R100
B−2:アクリル系樹脂:株式会社クラレ製メチルメタクリレート樹脂 パラペットHR−L
B−3:アクリル系樹脂:旭化成ケミカルズ株式会社製 デルペット980N
B−4:アクリル系樹脂:デンカ株式会社製 R200
合成例1 〔ポリカーボネート樹脂末端停止剤の合成〕
有機化学ハンドブックP143〜150に基づき、東京化成工業(株)製4−ヒドロキシ安息香酸と東京化成工業(株)製1−ヘキサデカノールを用いて脱水反応によるエステル化を行い、パラヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル(CEPB)を得た。
製造例1 〔ポリカーボネート系樹脂(A−1)ペレットの製造〕
9w/w%の水酸化ナトリウム水溶液57.2kgに、新日鐵住友化学(株)製のビスフェノールA(以下、BPAという)7.1kg(31.14mol)とハイドロサルファイト30gとを加えて溶解した。これにジクロロメタン40kgを加え、撹拌しながら、溶液温度を15℃〜25℃の範囲に保ちつつ、ホスゲン4.33kgを30分かけて吹き込んだ。ホスゲンの吹き込み終了後、9w/w%の水酸化ナトリウム水溶液6kg、ジクロロメタン11kg、及び末端停止剤としてのパラヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル(CEPB)551g(1.52mol)をメチレンクロライド10kgに溶解させた溶液を加え、激しく撹拌して乳化させた。さらにその後、重合触媒として10mlのトリエチルアミンを溶液に加え、約40分間重合させた。
重合液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液のpHが中性になるまで純水で水洗を繰り返した。この精製されたポリカーボネート樹脂溶液から有機溶媒を蒸発留去することによりポリカーボネート樹脂粉末を得た。
得られたポリカーボネート樹脂粉末を、スクリュー径35mmの2軸押出機を用い、シリンダー温度260℃で溶融混練して、ストランド状に押出してペレタイザーでペレット化した。ポリカーボネート樹脂粉末のガラス転移温度は126℃であり、重量平均分子量は29,000であった。なお、ポリカーボネート樹脂粉末の重量平均分子量は上記<ポリカーボネート系樹脂(A)の重量平均分子量の測定法>にて説明した方法により測定した。
アクリル系樹脂(B)として、R100(B−1)(スチレン:無水マレイン酸:MMAの質量比=65:15:20、重量平均分子量:170,000)75質量部と、パラペットHR−L(B−2)(メチルメタクリレート樹脂100%、重量平均分子量:90,000)25質量部との合計100質量部に対して、リン系添加剤PEP−36(株式会社ADEKA製) 0.05質量%、およびステアリン酸モノグリセリド(製品名:H−100、理研ビタミン株式会社製) 0.2質量%、酸化防止剤2,6−ジ−ターシャリーブチル−クレゾール(製品名:K−NOX、共同薬品株式会社製) 0.1質量%、紫外線吸収剤Tinuvin1600(BASFジャパン株式会社製) 0.7質量%を加え、ブレンダーで20分混合後、スクリュー径26mmの2軸押出機(東芝機械株式会社製、TEM−26SS、L/D≒40)を用い、シリンダー温度240℃で溶融混錬して、ストランド状に押出してペレタイザーでペレット化した。ペレットは安定して製造できた。
アクリル系樹脂(B)として、デルペット980N(B−2)(スチレン:無水マレイン酸:MMAの質量比=16:8:76、重量平均分子量:133,000)を100質量部に対して、リン系添加剤PEP−36 0.05質量%、およびステアリン酸モノグリセリド 0.2質量%、酸化防止剤2,6−ジ−ターシャリーブチル−クレゾール 0.1質量%、紫外線吸収剤Tinuvin1600 0.7質量%を加え、製造例2と同様に混合、ペレット化を行った。ペレットは安定して製造できた。
アクリル系樹脂(B)として、R200(B−3)(スチレン:無水マレイン酸:MMAの質量比=55:20:25、重量平均分子量:185,000)60質量部と、パラペットHR−L(B1−2)(メチルメタクリレート樹脂100%、重量平均分子量:90,000)40質量部との合計100質量部に対して、リン系添加剤PEP−36 0.05質量%、およびステアリン酸モノグリセリド 0.2質量%、酸化防止剤2,6−ジ−ターシャリーブチル−クレゾール 0.1質量%、紫外線吸収剤Tinuvin1600 0.7質量%を加え、製造例2と同様に混合、ペレット化を行った。ペレットは安定して製造できた。
実施例1
軸径32mmの単軸押出機と、軸径65mmの単軸押出機と、全押出機に連結されたフィードブロックと、フィードブロックに連結されたTダイとを有する多層押出機に各押出機と連結したマルチマニホールドダイとを有する多層押出装置を用いて樹脂積層体を成形した。軸径32mmの単軸押出機に製造例2で得たアクリル系樹脂(B11)を連続的に導入し、シリンダー温度240℃、吐出量を2.1kg/hの条件で押し出した。また、軸径65mmの単軸押出機にポリカーボネート系樹脂(A−1)を連続的に導入し、シリンダー温度280℃、吐出量を30.0kg/hで押し出した。全押出機に連結されたフィードブロックは2種2層の分配ピンを備え、フィードブロックの温度270℃にして(B11)と(A−1)とを導入し積層した。その先に連結された温度270℃のTダイでシート状に押し出し、上流側から第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、前記第2冷却ロールに巻き掛けた後、第2冷却ロールでポリカーボネート系樹脂(A)面を巻き掛けた。ロール温度が第1冷却ロールは110℃、第2冷却ロールは120℃、後段冷却ロール(第3冷却ロール)は180℃とした3本の鏡面仕上げの剛体ロールで鏡面を転写しながら冷却し、ロール周速度は0.8m/min、後段冷却ロールとピンチロールの速度比は0.9にし、(B11)と(A−1)との積層体(E11)を得た。得られた積層体(E11)の全体厚みは1000μm、B11から成る層の厚みは中央付近で60μmであった。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを190℃とした以外は実施例1と同様な成形条件で積層体(E12)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
樹脂(B11)の代わりに樹脂(B12)を使用した以外は、実施例1と同様にして(B12)と(A−1)との積層体(E13)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを190℃とした以外は実施例3と同様な成形条件で積層体(E14)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
樹脂(B11)の代わりに樹脂(B13)を使用した以外は、実施例1と同様にして(B13)と(A−1)との積層体(E15)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを190℃とした以外は実施例5と同様な成形条件で積層体(E16)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを110℃とした以外は実施例1と同様な成形条件で積層体(F11)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを120℃とした以外は実施例1と同様な成形条件で積層体(F12)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを130℃とした以外は実施例1と同様な成形条件で積層体(F13)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを140℃とした以外は実施例1と同様な成形条件で積層体(F14)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを150℃とした以外は実施例1と同様な成形条件で積層体(F15)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを160℃とした以外は実施例1と同様な成形条件で積層体(F16)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを170℃とした以外は実施例1と同様な成形条件で積層体(F17)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
樹脂(A−1)の代わりに樹脂(A−2)を使用し、第3冷却ロールを110℃とした以外は、実施例1と同様にして(B11)と(A−2)との積層体(F18)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを120℃とした以外は比較例8と同様な成形条件で積層体(F19)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを130℃とした以外は比較例8と同様な成形条件で積層体(F20)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを140℃とした以外は比較例8と同様な成形条件で積層体(F21)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを150℃とした以外は比較例8と同様な成形条件で積層体(F22)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを160℃とした以外は比較例8と同様な成形条件で積層体(F23)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを170℃とした以外は比較例8と同様な成形条件で積層体(F24)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを180℃とした以外は比較例8と同様な成形条件で積層体(F25)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを190℃とした以外は比較例8と同様な成形条件で積層体(F26)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを200℃とした以外は比較例8と同様な成形条件で積層体(F27)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを110℃とした以外は実施例3と同様な成形条件で積層体(F28)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを120℃とした以外は実施例3と同様な成形条件で積層体(F29)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを130℃とした以外は実施例3と同様な成形条件で積層体(F30)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを140℃とした以外は実施例3と同様な成形条件で積層体(F31)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを150℃とした以外は実施例3と同様な成形条件で積層体(F32)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを160℃とした以外は実施例3と同様な成形条件で積層体(F33)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを170℃とした以外は実施例3と同様な成形条件で積層体(F34)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを140℃とした以外は実施例5と同様な成形条件で積層体(F35)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
第3冷却ロールを170℃とした以外は実施例5と同様な成形条件で積層体(F36)を得た。得られた積層体の評価結果を表1に示す。
特定の末端基を有するポリカーボネート樹脂(A−1)をポリカーボネート系樹脂(A)として用いた積層体であっても、特定の幅方向・押出方向の加熱収縮率でない積層体(比較例1〜7,18〜26)は印刷時に塗装面に亀裂が発生した。特に、第3冷却ロールの温度を140〜160℃とした積層体(比較例4〜6,21〜23,25)では、後段冷却ロールを剥がれる際に積層シートとロールが粘着してしまい、押出と垂直方向に剥がれムラ(剥離マーク)が発生し、外観が悪化した。
また、特定のレターデーション値でない積層体(比較例8〜17)は偏光メガネを通して観察した時に色付き及び色ムラが発生した。
一方、本発明による積層体(実施例1〜6)は、従来のアクリル樹脂とポリカーボネートの積層体より、低温での熱成形性や印刷性に優れ、且つ、液晶ディスプレイを組み込んだ熱成形品に表示された映像を、偏光メガネを通して観察した時に色付き及び色ムラの発生を抑制することができた。
2 第1冷却ロール
3 第2冷却ロール
4 後段冷却ロール
5 ピンチロール
Claims (15)
- ポリカーボネート系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にアクリル系樹脂層(B)が共押出成形により積層されてなる樹脂積層体であって、
前記ポリカーボネート系樹脂層(A)は下記一般式(1)で表される1価フェノールから誘導される末端構造と2価フェノールから誘導される構成単位とを有する、重量平均分子量20,000〜37,000のポリカーボネート系樹脂(A)を含み、
前記樹脂積層体の幅方向の加熱収縮率(S1)が−10〜0%であり、押出方向の加熱収縮率(S2)が0〜10%であり、且つ、レターデーション値が1500nm以下である、樹脂積層体。
R2〜R5はそれぞれ水素、ハロゲン、又は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数6〜12のアリール基を表し、置換基は、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。) - 前記1価フェノールは、下記一般式(2)で表わされる、請求項1に記載の樹脂積層体。
- R1が炭素数14〜18のアルキル基である、請求項2に記載の樹脂積層体。
- 前記ポリカーボネート系樹脂(A)は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される構成単位を主成分とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
- 前記アクリル系樹脂層(B)の厚さが10〜200μmであり、前記ポリカーボネート系樹脂層(A)および前記アクリル系樹脂層(B)の総厚が200〜3,000μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
- 前記ポリカーボネート系樹脂層(A)および前記アクリル系樹脂層(B)の少なくとも一方が紫外線吸収剤を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
- 前記アクリル系樹脂層(B)上にハードコート層をさらに有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
- 前記樹脂積層体の片面または両面に、耐指紋処理、反射防止処理、防眩処理、耐候性処理、帯電防止処理および防汚処理の少なくとも一つが施されてなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂積層体を熱曲げ加工された熱成形体。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂積層体上の前記ポリカーボネート系樹脂層(A)側に印刷層を有し、前記印刷層上に溶融樹脂の射出成形体からなる裏打ち層を有する、インモールド成形体。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂積層体、請求項9に記載の熱成形体、または請求項10に記載のインモールド成形体を含む透明基板材料。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂積層体、請求項9に記載の熱成形体、または請求項10に記載のインモールド成形体を含む、透明保護材料。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂積層体、請求項9に記載の熱成形体、または請求項10に記載のインモールド成形体を含む、タッチパネル前面保護板。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂積層体、請求項9に記載の熱成形体、または請求項10に記載のインモールド成形体を含む、カーナビ用、OA機器用または携帯電子機器用の前面板。
- ポリカーボネート系樹脂層(A)の少なくとも一方の面にアクリル系樹脂層(B)が積層されてなる樹脂積層体の製造方法であって、
ダイから共押出した溶融状態のポリカーボネート系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)とを、第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、前記第2冷却ロールに巻き掛けた後、少なくとも1本の後段冷却ロールに巻きかけることにより樹脂積層体を得ること含み、
前記後段冷却ロールの温度が175℃以上であり、
前記ポリカーボネート系樹脂層(A)は下記一般式(1)で表される1価フェノールから誘導される末端構造と2価フェノールから誘導される構成単位とを有する、重量平均分子量20,000〜37,000のポリカーボネート系樹脂(A)を含む、製造方法。
R2〜R5はそれぞれ水素、ハロゲン、又は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数6〜12のアリール基を表し、置換基は、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)
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