JP5292814B2 - ポリエステル系積層フィルムおよび偏光板 - Google Patents
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Description
物性(4):面内位相差が100nm以下である。
本発明のポリエステル系積層フィルムは、厚みが15μm以上100μm以下であることが好ましい。厚みが15μm未満では、フィルムの機械強度が不足し加工性が低下したり、偏光板として偏光子と貼合わせて使用したときに偏光子の収縮応力を抑えられず寸法が変化する場合がある。厚みが100μmを超えると生産性が低下し、またディスプレイの薄膜軽量化が困難となる。
示差走査熱量計(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用い、窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度で測定した。サンプル量は5mgとした。
本発明のポリエステル系積層フィルムまたはポリエステル系フィルムを、東洋精機(株)製直読ヘイズメーターを用いて、23℃での全光線透過率(%)、ヘイズ値(%)を3回測定し、平均値で透明性を評価した。光源にはハロゲンランプ(12V50W)を用い、全光線透過率はJIS−K7361−1(1997)、ヘイズはJIS−K7136(2000)に準じて測定を行った。
JIS−K7127(1999)に規定された方法によりロボットテンシロンRTA100(オリエンテック社製)を用いて、25℃、65%RH雰囲気で5回測定を行い、平均値を求めた。ただし、試験片は幅10mmで長さ50mmの試料とした。試験を開始してから荷重が1Nを通過した点を伸びの原点とした。
マイクロ厚み計(アンリツ社製)を用いて5点測定し、平均値を求めた。
王子計測(株)製の自動複屈折系(KOBRA−21ADH)を用い、波長590nmの光線に対する樹脂フィルム面内の直交軸方向の屈折率をnx、ny(ただしnx≧ny)、波長590nmの光線に対する樹脂フィルムの厚み方向の屈折率nzを測定し、樹脂フィルムの厚みをd(nm)とした時に下記式から求めた。測定回数は1回である。
厚み方向の位相差Rth(nm)=d×{(nx+ny)/2−nz}
6.ポリマー組成
ポリマーを溶解する適切な溶媒に溶解し、1H核のNMR(核磁気共鳴)スペクトルを測定する。適切な溶媒は、ポリマーの種類によって異なるが、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/重クロロホルムが用いられる。得られたスペクトルにおいて、ポリマーに特有の吸収(例えばPETであればテレフタル酸の芳香族プロトンの吸収)のピーク面積強度をもとめ、その比率とプロトン数よりポリマーのモル比を算出する。さらに各々のポリマーの単位ユニットに相当する式量より重量比を算出する。測定条件は、例えば、以下のような条件であるが、ポリマーの種類によって異なるため、この限りではない。
溶媒 :HFIP/重クロロホルム
観測周波数 :499.8MHz
基準 :TMS(テトラメチルシラン)(0ppm)
測定温度 :30℃
観測幅 :10KHz
データ点 :64K
acquisiton time :4.952秒
pulse delay time:3.048秒
積算回数 :256回
7.380nmにおける光線透過率
下記装置を用いて測定し、各波長の光に対応する透過率を求めた。測定は1回行った。
ただしT1は試料を通過した光の強度、T0は試料を通過しない以外は同一の距離の空気中を通過した光の強度である。
波長範囲:300nm〜800nm
測定速度:120nm/分
測定モード:透過
測定結果より波長380nmの光に対する光線透過率を求めた。
本発明のポリエステル系積層フィルムまたはポリエステル系フィルムの長手方向および幅方向に約100mmの間隔で油性ペンを用いてマーキングし、その間隔を万能投影機にて測定し平均値を求めた(L1)。このサンプルを温度60℃湿度90%RHの条件下で500時間処理した後(湿熱条件下)、または、温度80℃の条件下で500時間処理した後(耐熱条件下)に、その間隔を万能投影機にて測定し長手方向および幅方向の平均値を求めた(L2)。下式より寸法変化率R(%)を求めた。
9.透明性評価
本発明のポリエステル系積層フィルムと偏光子とTACフィルムをこの順に貼り合わせて偏光板を作成した。携帯電話F903i(A)の最表面の偏光板を取り除き、代わりに作成した偏光板を、本発明のポリエステル系積層フィルムが外側となるように偏光軸の方向を合わせて貼り、携帯電話サンプル(B)を得た。F903i(A)と本発明のサンプルを使用した携帯電話サンプル(B)を40cm離れた位置から見比べ以下の基準で評価した。
△:(B)の視認性が(A)の視認性と同レベルであるが、ルーペを使用して観察すると(B)の視認性が悪い
×:(B)の視認性が(A)の視認性より悪い
10.湿熱耐久性評価
本発明のポリエステル系積層フィルムと偏光子とTACフィルムをこの順に貼り合わせて偏光板を作成した。携帯電話F903i(A)の最表面の偏光板を取り除き、代わりに作成した偏光板を、本発明のポリエステル系積層フィルムが外側となるように偏光軸の方向を合わせて貼り、携帯電話サンプル(B)を得た。
△:(B)の視認性が(A)の視認性と同レベルであるが、ルーペを使用して観察すると(B)の視認性が悪い
×:(B)の視認性が(A)の視認性より悪い
11.耐熱耐久性評価
本発明のポリエステル系積層フィルムと偏光子とTACフィルムをこの順に貼り合わせて偏光板を作成した。携帯電話F903i(A)の最表面の偏光板を取り除き、代わりに作成した偏光板を、本発明のポリエステル系積層フィルムが外側となるように偏光軸の方向を合わせて貼り、携帯電話サンプル(B)を得た。
△:(B)の視認性が(A)の視認性と同レベルであるが、ルーペを使用して観察すると(B)の視認性が悪い
×:(B)の視認性が(A)の視認性より悪い
12.耐候性評価
本発明のポリエステル系積層フィルムと偏光子とTACフィルムをこの順に貼り合わせて偏光板を作成した。携帯電話F903i(A)の最表面の偏光板を取り除き、代わりに作成した偏光板を、本発明のポリエステル系積層フィルムが外側となるように偏光軸の方向を合わせて貼り、携帯電話サンプル(B)を得た。
△:(B)の視認性が(A)の視認性と同レベルであるが、ルーペを使用して観察すると(B)の視認性が悪い
×:(B)の視認性が(A)の視認性より悪い
(実施例1)
テレフタル酸ジメチル194質量部とエチレングリコール124質量部に、酢酸マグネシウム4水塩0.1質量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチル0.05質量部のエチレングリコール溶液、および三酸化アンチモン0.05質量部を加えて5分間撹拌した後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。3時間重合反応させ所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートのペレット(a)を得た。
押出機A、B2台を用い、280℃に加熱された押出機Aには、実施例1で得られた得られたPETのペレット(a)を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機Bには、実施例1で得られたPETのペレット(b)を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。それぞれの原料を1.2μmカットの繊維焼結ステンレス金属フィルターを用いて濾過した後、3層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比A/B/A=1/5/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。続いて実施例1と同様の方法にて延伸およびオリゴマー析出防止層の積層を行い、ポリエステル系積層フィルムを得た。
実施例1において、オリゴマー析出防止層を積層しない以外は実施例1と同様の方法でポリエステル系フィルムを得た。
実施例2において、オリゴマー析出防止層を積層しない以外は実施例1と同様の方法でポリエステル系フィルムを得た。
実施例1において、製膜原料としてペレット(b)の代わりにペレット(a)を使用する以外は実施例1と同様の方法でポリエステル系フィルムを得た。
Claims (6)
- ポリエステル系ポリマーからなるポリエステル系フィルムの両面にオリゴマー析出防止層が設けられた構成を有し、以下の物性(1)〜(4)を全て満足する偏光子保護用ポリエステル系積層フィルム。
物性(1):波長380nmにおける光線透過率が30%未満である。
物性(2):ヘイズが3%以下である。
物性(3):温度60℃、相対湿度90%の雰囲気下で500時間静置した後のヘイズが3%以下である。
物性(4):面内位相差が100nm以下である。 - ポリエステル系積層フィルムを温度60℃湿度90%RHの条件下で500時間処理したとき、処理前後のヘイズ値の差が1.0%以下である、請求項1に記載の偏光子保護用ポリエステル系積層フィルム。
- ポリエステル系積層フィルムを温度80℃の条件下で500時間処理したとき、処理前後のヘイズ値の差が1.0%以下である、請求項1または2に記載の偏光子保護用ポリエステル系積層フィルム。
- ポリエステル系フィルムが、共押出による3層積層構成を有し、各層をフィルムの片面側から順にA層(表面層)、B層(中間層)、C層(表面層)としたとき、B層がポリエステル系ポリマーと紫外線吸収剤とを含有している、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護用ポリエステル系積層フィルム。
- A層およびC層がポリエステル系ポリマーを含有している、請求項4に記載の偏光子保護用ポリエステル系積層フィルム。
- 偏光子の両面に偏光子保護フィルムを積層してなる偏光板であって、偏光子保護フィルムの少なくとも一方が、請求項1〜5のいずれかに記載の偏光子保護用ポリエステル系積層フィルムである偏光板。
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