JP2022025942A - 偏光子保護用ポリエステルフィルム、および該ポリエステルフィルムを含む偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエステル系樹脂を用いつつも、偏光板の加湿耐久性向上に寄与し得る偏光子保護用ポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】偏光子保護用ポリエステルフィルム20は、25℃10%RHの初期条件から、85℃85%RHの高温高湿条件まで、温度および湿度を50分で等速上昇させ、その後、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させる応力緩和試験において、該応力緩和試験中で第1の方向の長さが最大となる時の第1の方向における寸法変化率A1と、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の第1の方向における寸法変化率B1との差が、5%以下であり、該応力緩和試験中で第1の方向に直交する第2の方向の長さが最大となる時の第2の方向における寸法変化率A2と、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の第2の方向における寸法変化率B2との差が、10%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子保護用ポリエステルフィルム、および該ポリエステルフィルムを含む偏光板に関する。
画像表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置)には、その画像形成方式に起因して、多くの場合、表示セルの少なくとも一方の側に偏光板が配置されている。近年、画像表示装置は、機能、用途がさらに多様化する傾向にあり、より過酷な環境での使用に耐え得ることが求められ、そのひとつとして、多湿環境下での使用に耐え得ることが求められている。偏光板は一般に偏光子を2枚の保護フィルムで挟持する構成を有しており、保護フィルムとしてはトリアセチルセルロース、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等が広く用いられている。
偏光板の耐久性(特に、耐湿性)向上のためには、保護フィルムを形成する樹脂材料の特性面から、当該耐久性向上を図る手段がとられることが一般的である。しかしながら、樹脂材料の特性向上を図るとなると、多大な時間およびコストがかかるという問題が生じる。
特開平8-271733号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、樹脂材料としては一般的なポリエステル系樹脂を用いつつも、偏光板の加湿耐久性向上に寄与し得る偏光子保護用ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明の偏光子保護用ポリエステルフィルムは、25℃10%RHの初期条件から、85℃85%RHの高温高湿条件まで、温度および湿度を50分で等速上昇させ、その後、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させる応力緩和試験において、該応力緩和試験中で第1の方向の長さが最大となる時の第1の方向における寸法変化率A1と、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の第1の方向における寸法変化率B1との差(A1-B1)が、5%以下であり、
該応力緩和試験中で第1の方向に直交する第2の方向の長さが最大となる時の第2の方向における寸法変化率A2と、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の第2の方向における寸法変化率B2との差(A2-B2)が、10%以下である。
1つの実施形態においては、上記偏光子保護用ポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレートおよび/または変性ポリエチレンテレフタレートから形成される。
1つの実施形態においては、上記変性ポリエチレンテレフタレートが、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオールまたはイソフタル酸由来の構成単位を含む。
1つの実施形態においては、、上記偏光子保護用ポリエステルフィルムは、厚みが、80μm以下である。
本発明の別の局面によれば、偏光板が提供される。この偏光板は、偏光子と、該偏光子の一方の側に配置された上記偏光子保護用ポリエステルフィルムとを備える。
1つの実施形態においては、上記偏光子の厚みが、20μm以下である。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、上記偏光子保護用ポリエステルフィルムの上記偏光子側に配置された易接着層をさらに含む。
1つの実施形態においては、上記易接着層が、微粒子を含む。
1つの実施形態においては、上記易接着層の屈折率が、1.55以下である。
1つの実施形態においては、上記偏光子保護用ポリエステルフィルムの前記偏光子側の面が、表面処理面である。
1つの実施形態においては、上記表面処理が、コロナ処理またはプラズマ処理である。
本発明の別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記偏光板を備える。
本発明によれば、樹脂材料としては一般的なポリエステル系樹脂を用いつつも、偏光板の加湿耐久性向上に寄与し得る偏光子保護用ポリエステルフィルムを提供することができる。
本発明の1つの実施形態による偏光板の概略断面図である。 本発明の別の実施形態による偏光板の概略断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.ポリエステルフィルム
本発明の偏光子保護用ポリエステルフィルム(以下、単にポリエステルフィルムともいう)は、25℃10%RHの初期条件から、85℃85%RHの高温高湿条件まで、温度および湿度を50分で等速上昇させ、その後、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させる応力緩和試験において、当該応力緩和試験中で第1の方向の長さが最大となる時の第1の方向における寸法変化率A1と、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の第1の方向における寸法変化率B1との差(A1-B1)が、5%以下であり、当該応力緩和試験中で第1の方向に直交する第2の方向の長さが最大となる時の第2の方向における寸法変化率A2と、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の第2の方向における寸法変化率B2との差(A2-B2)が、10%以下である。なお、寸法変化率は、初期条件における寸法(長さ)を基準としており、寸法変化率A1およびA2は、{(応力緩和試験中の最長長さ-初期条件における寸法(長さ))/初期条件における寸法(長さ)}×100の式により求めることができる。また、寸法変化率B1およびB2は、{(85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の長さ-初期条件における寸法(長さ))/初期条件における寸法(長さ)}×100の式により求めることができる。以下、本明細書において、差(A1-B1)を第1の方向における応力緩和による寸法変化ともいう。また、差(A2-B2)を第2の方向における応力緩和による寸法変化ともいう。
本発明においては、応力緩和による寸法変化が上記範囲であることにより、偏光子の加湿耐久性を向上させ得るポリエステルフィルムを得ることができる。上記応力緩和による寸法変化は、主に、ポリエステルフィルムを製造する際の製膜条件を調整することにより制御することができる。製膜条件としては、延伸条件(延伸温度、延伸倍率、延伸速度、MD/TD延伸順序)、延伸前の予熱温度、延伸後の熱処理温度、延伸後の熱処理時間、延伸後のMD/TD方向の緩和率等が挙げられる。延伸温度、延伸倍率および延伸速度は、MD/TDごとに適切に調整され得る。一般的な樹脂であるポリエステルを用い、樹脂材料自体の特性最適化に依らずに、製膜条件の調整にて、加湿耐久性付与効果を発揮する偏光子保護フィルムが得られたことは、本発明の大きな成果である。本発明においては、ポリエステルを材料とすることにより、安価に偏光子保護フィルムが得られる点、延伸により機械的特性(例えば、弾性率)を制御しやすい点でも有利である。1つの実施形態においては、上記第1の方向は、ポリエステルフィルムを製造する際の搬送方向(MD)に相当する。また、上記第2の方向はMDに直交するTDに相当し得る。本発明においては、MDにおける応力緩和による寸法変化が上記範囲であることにより、上記効果が顕著となる。
第1の方向における応力緩和による寸法変化(上記差(A1-B1))は、好ましくは4.8%以下であり、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは2%以下であり、特に好ましくは1%以下である。第1の方向における応力緩和による寸法変化の下限は、例えば、0.2%(好ましくは0.1%、より好ましくは0.01%、特に好ましくは0%)である。このような範囲であれば、上記効果がより顕著となる。
第2の方向における応力緩和による寸法変化(上記差(A2-B2))は、好ましくは8%以下であり、より好ましくは6%以下であり、さらに好ましくは4%以下である。第2の方向における応力緩和による寸法変化の下限は、例えば、0.2%(好ましくは0.1%、より好ましくは0.01%、特に好ましくは0%)である。このような範囲であれば、上記効果がより顕著となる。
上記応力緩和試験中で第1の方向の長さが最大となる時の第1の方向における寸法変化率A1は、好ましくは0%~5%であり、好ましくは0%~2.5%であり、より好ましくは0%~1.75%である。このような範囲であれば、上記効果がより顕著となる。
上記応力緩和試験中で第2の方向の長さが最大となる時の第2の方向における寸法変化率A2は、好ましくは-5%~2.5%であり、より好ましくは-3%~1.75%である。このような範囲であれば、上記効果がより顕著となる。
上記応力緩和試験において85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の第1の方向における寸法変化率B1は、好ましくは0%~5%であり、好ましくは0%~2.5%であり、より好ましくは0%~1.75%である。このような範囲であれば、上記効果がより顕著となる。
上記応力緩和試験において85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の第2の方向における寸法変化率B2は、好ましくは-10%~2.5%であり、より好ましくは-7.5%~1.75%である。このような範囲であれば、上記効果がより顕著となる。
上記ポリエステルフィルムは、示差走査熱量測定(DSC)で測定される結晶化度が好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上である。結晶化度の上限は、例えば70%である。このような範囲であれば、耐熱性および機械的特性に優れ、偏光子保護フィルムとして好適なポリエステルフィルムを得ることができる。
上記ポリエステルフィルムの厚みは、好ましくは80μm以下であり、より好ましくは10μm~80μmであり、さらに好ましくは20μm~50μmである。
上記ポリエステルフィルムの全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95%以上である。上記ポリエステルフィルムのヘイズは、好ましくは1.0%以下であり、より好ましくは0.7%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは0.3%以下である。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステル系樹脂から形成される。ポリエステル系樹脂は、カルボン酸成分とポリオール成分との縮合重合により得ることができる。
カルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ベンジルマロン酸、1,4-ナフタール酸、ジフェニン酸、4,4′-オキシ安息香酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタール酸、アゼライン酸、ゼバシン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、チオジプロピオン酸、ジグリコール酸が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、例えば、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,5-ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸が挙げられる。カルボン酸成分は、エステル、塩化物、酸無水物のような誘導体であってもよく、例えば、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチルおよびテレフタル酸ジフェニルを含む。カルボン酸成分は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分としては、代表的には二価アルコールが挙げられる。二価アルコールとしては、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオールが挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオールが挙げられる。脂環族ジオールとしては、例えば、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールが挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、4,4′-チオジフェノール、4,4′-メチレンジフェノール、4,4′-(2-ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4′-ジヒドロキシビフェノール、o-,m-およびp-ジヒドロキシベンゼン、4,4′-イソプロピリデンフェノール、4,4′-イソプロピリデンビス(2,6-シクロロフェノール)2,5-ナフタレンジオールおよびp-キシレンジオールが挙げられる。ポリオール成分は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステル系樹脂としては、好ましくはポリエチレンテレフタレートおよび/または変性ポリエチレンテレフタレートが用いられ、より好ましくはポリエチレンテレフタレートが用いられる。これらの樹脂を用いれば、機械的特性に優れ、寸法変化の制御が容易なポリエステルフィルムを得ることができる。ポリエチレンテレフタレートと変性ポリエチレンテレフタレートとはブレンドして用いてもよい。
変性ポリエチレンテレフタレートとしては、例えば、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオールまたはイソフタル酸由来の構成単位を含む変性ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。ポリオール成分におけるジエチレングリコールの割合は、好ましくは0モル%を超えて10モル%以下であり、より好ましくは0モル%を超えて3モル%以下である。ポリオール成分における1,4-ブタンジオールの割合は、好ましくは0モル%を超えて10モル%以下であり、より好ましくは0モル%を超えて3モル%以下である。ポリオール成分における1,3-プロパンジオールの割合は、好ましくは0モル%を超えて10モル%以下であり、より好ましくは0モル%を超えて3モル%以下である。カルボン酸成分におけるイソフタル酸の割合は、好ましくは0モル%を超えて10モル%以下であり、より好ましくは0モル%を超えて8モル%以下である。このような範囲であれば、良好な結晶性を有するポリエステルフィルムを得ることができる。なお、上記に記載のモル%は、ポリマー全繰り返し単位の合計に対するモル%である。
ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10000~100000であり、より好ましくは20000~75000である。このような重量平均分子量であれば、成形時の取り扱いが容易であり、かつ、優れた機械的強度を有するフィルムが得られ得る。重量平均分子量は、GPC(溶媒:THF)により測定され得る。
1つの実施形態においては、易接着層付ポリエステルフィルムが提供される。易接着層は、例えば、水系ポリウレタンとオキサゾリン系架橋剤とを含む。易接着層の詳細は、例えば特開2010-55062号公報に記載されている。当該公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
1つの実施形態においては、上記易接着層は、任意の適切な微粒子を含む。微粒子を含む易接着層を形成することにより、巻き取り時に生じるブロッキングを効果的に抑制することができる。上記微粒子は、無機系微粒子であってもよく、有機系微粒子であってもよい。無機系微粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア等の無機酸化物、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、燐酸カルシウム等が挙げられる。有機系微粒子としては、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、シリカである。
上記微粒子の粒子径(数平均一次粒子径)は、好ましくは10nm~200nm、さらに好ましくは20nm~60nmである。
上記易接着層の厚みは、好ましくは2μm以下であり、より好ましくは1μm以下であり、さらに好ましくは0.35μm以下である。このような範囲であれば、画像表示装置に適用した際に他部材の光学特性を阻害し難い易接着層付ポリエステルフィルムを得ることができる。
1つの実施形態においては、上記易接着層の屈折率は、好ましくは1.55以下であり、より好ましくは1.5以下である。このような範囲であれば、画像表示装置に適用した際に他部材の光学特性を阻害し難い易接着層付ポリエステルフィルムを得ることができる。
1つの実施形態においては、上記ポリエステルフィルムは、その少なくとも一方の側に、アンチブロック層を備え得る。アンチブロック層の構成は、上記で説明した易接着層の構成が採用され得る。好ましくは、アンチブロック層は、上記微粒子を含む。
1つの実施形態においては、上記ポリエステルフィルムは、少なくとも一方の面が、表面処理面であってもよい。表面処理としては、任意の適切な処理が採用され得る。例えば、コロナ処理、プラズマ処理等が挙げられる。
(ポリエステルフィルムの製造方法)
上記ポリエステルフィルムは、上記ポリエステル系樹脂を含むフィルム形成材料(樹脂組成物)をフィルム状に成形する成形工程、および、該成形されたフィルムを延伸する延伸工程を経て得られ得る。好ましくは、延伸工程は、フィルム延伸の前に行われるフィルムの予熱処理、およびフィルム延伸の後に行われる熱処理を含む。また、フィルム延伸の後に、フィルムをテンターで保持したまま、フィルムを幅方向に収縮させる緩和処理を行ってもよい。1つの実施形態においては、ポリエステルフィルムは長尺状(または長尺体から切り出した形状)で提供される。
フィルム形成材料は、上記ポリエステル系樹脂に加えて、添加剤を含んでいてもよく、溶媒を含んでいてもよい。添加剤としては、目的に応じて任意の適切な添加剤が採用され得る。添加剤の具体例としては、反応性希釈剤、可塑剤、界面活性剤、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、チクソトロピー剤、帯電防止剤、導電材、難燃剤が挙げられる。添加剤の数、種類、組み合わせ、添加量等は目的に応じて適切に設定され得る。
フィルム形成材料からフィルムを形成する方法としては、任意の適切な成形加工法が採用され得る。具体例としては、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、キャスト塗工法(例えば、流延法)、カレンダー成形法、熱プレス法等が挙げられる。押出成形法またはキャスト塗工法が好ましい。得られるフィルムの平滑性を高め、良好な光学的均一性を得ることができるからである。
フィルムの延伸方法は、一軸延伸であってもよく、二軸延伸であってもよい。
1つの実施形態においては、上記フィルムの延伸方法として、一軸延伸が採用され、上記フィルムの長さ方向(MD)に延伸される。
二軸延伸は、逐次二軸延伸であってもよく、同時二軸延伸であってもよい。逐次二軸延伸または同時二軸延伸は、代表的にはテンター延伸機を用いて行われる。したがって、フィルムの延伸方向は、代表的にはフィルムの長さ方向(MD)および幅方向(TD)である。
1つの実施形態においては、上記フィルムの延伸方法として、逐次二軸延伸が採用される。TD延伸の後、MD延伸を行って、上記ポリエステルフィルムを得ることが好ましい。このようにすれば、TD延伸の際に生じるボーイングの影響を緩和して、ポリエステルフィルムにおける第1の方向(MD)と、遅相軸とのなす角度を適切な値とすることが可能となる。
延伸温度は、フィルムのガラス転移温度(Tg)に対し、好ましくはTg+5℃~Tg+50℃であり、より好ましくはTg+5℃~Tg+30℃であり、さらに好ましくはTg+10℃~Tg+20℃である。このような温度で延伸することにより、遅相軸の方向および線膨張係数がバランスよく制御されたポリエステルフィルムを得ることができる。また、透明性に優れるポリエステルフィルムを得ることができる。
MDにおける延伸倍率は、好ましくは1.1倍~8倍であり、より好ましくは2.5倍~6.5倍であり、さらに好ましくは2.8倍~6倍であり、特に好ましくは2.8倍~5倍である。このような範囲であれば、寸法変化率を所望の範囲に収めつつ、加湿耐久性付与効果に優れるポリエステルフィルムを得ることができる。
TDにおける延伸倍率は、好ましくは1.1倍~11倍であり、より好ましくは2.5倍~6.5倍であり、さらに好ましくは3倍~6倍であり、特に好ましくは3倍~5倍である。このような範囲であれば、寸法変化率を所望の範囲に収めつつ、加湿耐久性付与効果に優れるポリエステルフィルムを得ることができる。
TDにおける延伸倍率とMDにおける延伸倍率との比(MD延伸倍率/TD延伸倍率)は、好ましくは0.1~7であり、より好ましくは0.2~5であり、さらに好ましくは0.3~4であり、さらに好ましくは0.4~3であり、特に好ましくは0.5~2であり、最も好ましくは0.6~1.7である。このような範囲であれば、第1の方向(MD)の寸法変化率と、第2の方向(TD)の寸法変化率との関係を所望の範囲に収め、加湿耐久性付与効果に優れるポリエステルフィルムを得ることができる。
MDにおける延伸速度は、好ましくは5%/sec~100%/secであり、より好ましくは8%/sec~80%/secであり、さらに好ましくは8%/sec~60%/secである。このような範囲であれば、寸法変化率を所望の範囲に収めつつ、加湿耐久性付与効果に優れるポリエステルフィルムを得ることができる。
TDにおける延伸速度は、好ましくは5%/sec~100%/secであり、より好ましくは8%/sec~80%/secであり、さらに好ましくは8%/sec~60%/secである。このような範囲であれば、寸法変化率を所望の範囲に収めつつ、加湿耐久性付与効果に優れるポリエステルフィルムを得ることができる。
予熱処理の温度は、好ましくは80℃~150℃であり、より好ましくは90℃~130℃である。また、予熱処理の時間は、好ましくは10秒~100秒であり、より好ましくは15秒~80秒である。このような範囲であれば、寸法変化率を所望の範囲に収めつつ、加湿耐久性付与効果に優れるポリエステルフィルムを得ることができる。
熱処理の温度は、好ましくは100℃~250℃であり、より好ましくは120℃~200℃であり、さらに好ましくは130℃~180℃である。このような範囲であれば、寸法変化率を所望の範囲に収めつつ、加湿耐久性付与効果に優れるポリエステルフィルムを得ることができる。熱処理の時間は、好ましくは2秒~50秒であり、より好ましくは5秒~40秒であり、さらに好ましくは8秒~30秒である。このような範囲であれば、透明性に優れ、かつ、良好な結晶性を有し耐久性に優れるポリエステルフィルムを得ることができる。
1つの実施形態においては、フィルム延伸の後(熱処理を行う場合は熱処理の後)、緩和処理が行われる。緩和処理は、フィルムをテンターで保持したまま、フィルムを幅方向に収縮させる処理である。緩和処理時の温度は、好ましくは80℃~210℃であり、より好ましくは90℃~180℃である。1つの実施形態においては、緩和処理時の温度は、好ましくは80℃~150℃であり、より好ましくは90℃~140℃である。別の実施形態においては、緩和処理時の温度は、好ましくは150℃~210℃であり、より好ましくは160℃~200℃である。このような温度範囲であれば、ポリエステルフィルムを構成する樹脂を結晶化させることができる。緩和処理における収縮率は、好ましくは0%より大きく5%以下であり、さらに好ましくは0.5%~3%である。
B.偏光板
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光板の概略断面図である。偏光板100は、偏光子10と、偏光子10の一方の側に配置されたポリエステルフィルム20とを備える。ポリエステルフィルム20としては、上記A項で説明した本発明のポリエステルフィルムが用いられる。偏光子の他方の側には任意の適切な別の偏光子保護フィルムが配置されてもよく、偏光子保護フィルムは配置されなくてもよい。1つの実施形態においては、偏光子10とポリエステルフィルム20(または別の偏光子保護フィルム)は、接着剤層30を介して積層される。ポリエステルフィルム20が表面処理面(例えば、コロナ処理面、プラズマ処理面)を有する場合、ポリエステルフィルム20の偏光子10側の面が、表面処理面であることが好ましい。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、上記ポリエステルフィルムが配置された側が視認側となるように画像表示装置に適用され得る。また、上記偏光板を液晶表示装置に適用する場合、ポリエステルフィルムを備える偏光板は、液晶セルの視認側に配置されてもよく、背面側に配置されてもよい。
偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。好ましくは、光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子が用いられる。
上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報に記載されている。当該公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、例えば1μm~80μmである。1つの実施形態においては、偏光子の厚みは、好ましくは20μm以下であり、さらに好ましくは3μm~15μmである。本発明のポリエステルフィルムは偏光子保護効果が大きく、例えば、偏光子のクラックを効果的に防止することができる。そのため、高温、温度変化の大きい等の過酷な環境下においても、薄い偏光子を用いることが可能となる。
偏光子と偏光子保護フィルム(ポリエステルフィルム)は、任意の適切な接着剤層を介して積層され得る。好ましくは、接着剤層は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤組成物から形成される。
1つの実施形態においては、偏光子の吸収軸方向と、ポリエステルフィルムの第1の方向(代表的にはMD)とは略平行である。偏光子の吸収軸とポリエステルフィルムの第1の方向とが略平行となるようにして、偏光板を構成すれば、当該ポリエステルフィルムと偏光子とが同調して好ましく形状変化することができる。その結果、偏光子のクラックが防止される。ポリエステルフィルムの遅相軸角度は、偏光子の吸収軸方向となす角度が一致するほど好ましく、2つの軸のなす角度が好ましくは0°±10°であり、より好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。このような範囲であれば、画像表示装置に適用した際の虹ムラの発生を抑制することができる。なお、遅相軸角度はロール流れ方向を0°としたときの角度である。
図2は、本発明の別の実施形態による偏光板の概略断面図である。偏光板200は、ポリエステルフィルム20の偏光子10側に配置された易接着層40をさらに備える。1つの実施形態においては、易接着層40が偏光子10の側となるようにして、易接着層付ポリエステルフィルムAが、偏光子10上に配置される。易接着層としては、上記A項に記載の易接着層が採用され得る。ポリエステルフィルム20が表面処理面(例えば、コロナ処理面、プラズマ処理面)を有する場合、ポリエステルフィルム20の偏光子10側(易接着層40側)の面が、表面処理面であることが好ましい。
C.画像表示装置
上記偏光板は、画像表示装置に適用され得る。画像表示装置の代表例としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置が挙げられる。画像表示装置は業界で周知の構成が採用されるので、詳細な説明は省略する。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)応力緩和による寸法変化
フィルムをMDが長手になるようにして切り取った短冊状のサンプルについて、ブルカー・エイエックスエス社製の湿度TMA、商品名「TMA4000SE」を用いて評価した。本評価ではフィルムは短手を4mm幅で切削し、チャック間を約20mmでサンプルを装着した。初期条件として25℃10%RHで安定させてから、50分間で85℃85%RHになるように温度及び湿度を等速で上昇させる。その後85℃85%RHで2時間維持した。当該測定中(測定開始~85℃85%RHで2時間維持終了までの間)で、寸法が最も大きくなった時点での寸法変化率を寸法変化率A1とし、85℃85%RHで2時間維持した時点での寸法変化率を寸法変化率B1とし、A1-B1とから、MDにおける応力緩和による寸法変化を求めた。なお、2時間維持した時点が評価中で寸法が一番大きい場合、A=Bとなるため、応力緩和による寸法変化は0%となる。
また、TDが長手になるようにして、サンプルを得たこと以外は、上記と同様にして、TDにおける応力緩和による寸法変化を求めた。
(2)加湿耐久性
実施例および比較例で得られた偏光板の偏光子のポリエステルフィルムとは反対側の面と、無アルカリガラスとを、粘着剤を介して貼り合わせて評価用サンプルを得た。紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製、商品名「V7100」、VAP-7070自動偏光フィルム測定装置付き)を用いて、当該評価用サンプルの偏光度(初期偏光度)を測定した。その後、85℃85%RHの恒温恒湿装置に1000時間投入した。次いで、評価用サンプルを常温に戻した後、上記同様に、評価用サンプルの偏光度(加湿試験後偏光度)を測定した。初期偏光度に対する加湿試験後偏光度の変化量から、下記の基準で、加湿耐久性を評価した。
◎ 初期偏光度に対する加湿試験後の偏光度の変化量が1%以下
〇 初期偏光度に対する加湿試験後の偏光度の変化量が10%未満
× 初期偏光度に対する加湿試験後の偏光度の変化量が10%以上
[製造例1]偏光子の作製
基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、120℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.0倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸)。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴に、偏光板が所定の透過率となるようにヨウ素濃度、浸漬時間を調整しながら浸漬させた。本実施例では、水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.5重量部配合して得られたヨウ素水溶液に60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸)。
その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させ(洗浄処理)、剥離可能な基材付き偏光子を得た。
[製造例2]ポリエステルフィルムAの製造
ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ベルポリエステルプロダクツ社製、IV値0.75dl/g(フェノール:1,1,2,2,-テトラクロロエタン=6:4混合溶媒 溶液濃度0.4g/dl)を100℃で10時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東洋精機社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:280℃)、Tダイ(幅500mm、設定温度:280℃)、チルロール(設定温度:50℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み200μmの非晶性ポリエステル系樹脂フィルムを作製した。
得られた非晶性ポリエステル系樹脂フィルムをブルックナー社製延伸機KAROIVにて、二軸延伸を行い、ポリエステルフィルムA(厚み:26m)を得た。延伸倍率は、長さ方向(MD)に2.9倍、幅方向(TD)に3.5倍とした。MD延伸温度は95℃、TD延伸温度は110℃とし、延伸速度はMD、TDともに30%/secとした。また、延伸処理後、寸法を維持したまま、180℃で10秒間熱処理を行い、その後、フィルムをテンターで保持したまま、テンター幅を狭めることにより、幅方向に3%収縮させる緩和処理を行った。
[製造例3~7]ポリエステルフィルムB~Fの製造
延伸条件および緩和処理条件を表1に示すとおりとしたこと以外は、製造例2と同様にしてポリエステルフィルムB~Fを得た。
[実施例1]
製造例2で製造したポリエステルフィルムAにコロナ処理を行い、第一工業製薬社製の商品名「スーパーフレックス210R」15.2wt%と、日本触媒社製の商品名「WS-700」2.7wt%を溶解させた水溶液を乾燥後膜厚が300μmになるように塗工し、80℃で1分間乾燥させたて易接着層付ポリエステルフィルムAを得た。
製造例1で得た基材付き偏光子の偏光子表面に、紫外線硬化型接着剤を介して、上記易接着層付ポリエステルフィルムを貼り合わせた。具体的には、硬化型接着剤の総厚みが約1.0μmになるように塗工し、ロール機を使用して貼り合わせた。その後、UV光線をポリエステルフィルムA側から照射して接着剤を硬化させた。その後、基材をPVA系樹脂層から剥離し、偏光板(偏光子(透過率42.3%、厚み5μm)/保護フィルム(ポリエステルフィルム))を得た。なお、ポリエステルフィルムAと偏光子とは、ポリエステルフィルムAのMD方向と偏光子の吸収軸方向とが略平行となるようにして積層した。
得られた偏光板について、上記評価(1)~(2)に供した。結果を表1に示す。
[実施例2~5、比較例1]
製造例2で製造したポリエステルフィルムAに代えて、表1に示すポリエステルフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を得た。
得られた偏光板について、上記評価(1)~(2)に供した。結果を表1に示す。
Figure 2022025942000002
10 偏光子
20 ポリエステルフィルム
30 接着剤層
40 易接着層
100、200 偏光板

Claims (12)

  1. 25℃10%RHの初期条件から、85℃85%RHの高温高湿条件まで、温度および湿度を50分で等速上昇させ、その後、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させる応力緩和試験において、
    該応力緩和試験中で第1の方向の長さが最大となる時の第1の方向における寸法変化率A1と、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の第1の方向における寸法変化率B1との差(A1-B1)が、5%以下であり、
    該応力緩和試験中で第1の方向に直交する第2の方向の長さが最大となる時の第2の方向における寸法変化率A2と、85℃85%RHの高温高湿条件を2時間維持させた後の第2の方向における寸法変化率B2との差(A2-B2)が、10%以下である、
    偏光子保護用ポリエステルフィルム。
  2. ポリエチレンテレフタレートおよび/または変性ポリエチレンテレフタレートから形成される、請求項1に記載の偏光子保護用ポリエステルフィルム。
  3. 前記変性ポリエチレンテレフタレートが、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオールまたはイソフタル酸由来の構成単位を含む、請求項2に記載の偏光子保護用ポリエステルフィルム。
  4. 厚みが、80μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の偏光子保護用ポリエステルフィルム。
  5. 偏光子と、該偏光子の一方の側に配置された請求項1から4のいずれかに記載の偏光子保護用ポリエステルフィルムとを備える、偏光板。
  6. 前記偏光子の厚みが、20μm以下である、請求項5に記載の偏光板。
  7. 前記偏光子保護用ポリエステルフィルムの前記偏光子側に配置された易接着層をさらに含む、請求項5または6に記載の偏光板。
  8. 前記易接着層が、微粒子を含む、請求項7に記載の偏光板。
  9. 前記易接着層の屈折率が、1.55以下である、請求項5から8のいずれかに記載の偏光板。
  10. 前記偏光子保護用ポリエステルフィルムの前記偏光子側の面が、表面処理面である、請求項5から9のいずれかに記載の偏光板。
  11. 前記表面処理が、コロナ処理またはプラズマ処理である、請求項10に記載の偏光板。
  12. 請求項5から11のいずれかに記載の偏光板を備えた、画像表示装置。
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