JP6664468B2 - 鞍乗型車両の前照灯装置 - Google Patents

Description

本発明は、鞍乗型車両の前照灯装置に係り、特に、ロービームおよびハイビームを任意に切り換えて照射することができる鞍乗型車両の前照灯装置に関する。

従来から、車両の灯火装置において、灯体の外観を維持しながら照射光の照射範囲を広げるようにした構成が知られている。

特許文献１には、ヘッドライト、ウインカランプおよびポジションランプを有するハウジングを単一のレンズで覆うようにした四輪車用のコンビネーションランプにおいて、リフレクタの配置とレンズカットの工夫によって、車幅方向外側に位置するウインカランプの照射光を車幅方向外側のみならず車体の中心方向にも照射できるようにした構成が開示されている。

特許第５１８０５７３号公報

近年、照射光の指向性が高いＬＥＤ（発光ダイオード）を用いた前照灯装置が増加している。しかし、旋回走行時に車体を旋回方向に傾けてバランスを取る自動二輪車／三輪車等の鞍乗型車両では、直立時に必要な照射範囲を得られるように設定しても、旋回走行時に旋回方向前方の照射光が不足しやすくなるという課題がある。

特許文献１の技術は、白熱電球を用いた四輪自動車用のウインカランプを対象とするものであり、前照灯装置の光源をＬＥＤとした上で、車体を傾けた際に必要となる部分の照射範囲を確保することは検討されていなかった。

本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、ＬＥＤを光源としつつ旋回走行時の照射範囲を旋回方向上方に拡大することができる鞍乗型車両の前照灯装置を提供することにある。

前記目的を達成するために、本発明は、光源（６０）と、該光源（６０）の照射光を車体前方に反射する反射板（４２，４６）と、該反射板（４２，４６）の一部を覆う化粧部品（３７）とを有する鞍乗型車両の前照灯装置（３０）において、前記反射板（４２，４６）の車幅方向外側の位置に、前記反射板（４２，４６）の照射方向より上方に向けて前記照射光を反射する外側反射部（４７）が設けられている点に第１の特徴がある。

また、前記外側反射部（４７）が、車体正面視で前記化粧部品（３７）に覆われている点に第２の特徴がある。

また、自車に対向する者を照射光で眩惑しないように照射範囲に制限のあるロービームを照射するロービーム部分（８０）と、照射範囲に制限のないハイビームを照射するハイビーム部分（９０）とを有し、前記光源（６０）および前記反射板（４２，４６）は、それぞれ前記ハイビーム用である点に第３の特徴がある。

また、前記ハイビーム部分（９０）を車幅方向に一対有し、前記外側反射部（４７）は、車幅方向に一対の前記反射板（４２，４６）の少なくとも一方に設けられている点に第４の特徴がある。

また、前記外側反射部（４７）が、車幅方向に一対の前記反射板（４２，４６）の両方に設けられており、前記外側反射部（４７）の照射範囲（ＬＨ，ＲＨ）が、車幅方向の左右で非対称である点に第５の特徴がある。

また、前記ハイビーム部分（９０）が複数の光源（６０）を有しており、前記外側反射部（４７）は、車幅方向外側の前記光源（６０）の照射光を反射する反射板（４６）に設けられている点に第６の特徴がある。

また、前記鞍乗型車両の前照灯装置（３０）が取り付けられる車両（１）のロール角が所定値以上である場合にのみ、前記外側反射部（４７）が設けられた反射板（４６）に対応する前記光源（６０）が点灯するように構成されている点に第７の特徴がある。

また、前記ハイビーム部分（９０）が、前記ロービーム部分（８０）の下方に配設されている点に第８の特徴がある。

また、光源（６０）と、該光源（６０）の照射光を車体前方に反射する反射板（４２，４６）と、該反射板（４２，４６）の一部を覆う化粧部品（３７）とを有する鞍乗型車両の前照灯装置（３０）において、前記反射板（４２，４６）の車幅方向内側の位置に、前記反射板（４２，４６）の照射方向より上方に向けて前記照射光を反射する内側反射部（１００）が設けられている点に第９の特徴がある。

さらに、前記光源（６０）がＬＥＤである点に第１０の特徴がある。

第１の特徴によれば、前記反射板（４２，４６）の車幅方向外側の位置に、前記反射板（４２，４６）の照射方向より上方に向けて前記照射光を反射する外側反射部（４７）が設けられているので、外側反射部により反射板が照射する照射範囲の上方を補って照射することが可能となり、前照灯装置による路面視認性を高めることができる。これにより、特に、旋回走行で車体がロール方向に傾斜した際に、旋回方向の前方の路面を照射する範囲が広がることとなり、旋回走行での路面視認性を高めることができる。

第２の特徴によれば、前記外側反射部（４７）が、車体正面視で前記化粧部品（３７）に覆われているので、外側反射部が車体前方から視認されることがなく、前照灯装置の外観性を向上させることができる。また、車体正面視で化粧部品に覆われたデッドスペースを利用して、外側反射部を設けることが可能となる。

第３の特徴によれば、自車に対向する者を照射光で眩惑しないように照射範囲に制限のあるロービームを照射するロービーム部分（８０）と、照射範囲に制限のないハイビームを照射するハイビーム部分（９０）とを有し、前記光源（６０）および前記反射板（４２，４６）は、それぞれ前記ハイビーム用であるので、自車に対向する者を照射光で眩惑しないように照射範囲の上端に限りがあるロービームに対し、照射範囲の上端に制限のないハイビームにおいて、照射範囲の下端を維持したまま照射範囲の上端を拡大することが可能となる。

第４の特徴によれば、前記ハイビーム部分（９０）を車幅方向に一対有し、前記外側反射部（４７）は、車幅方向に一対の前記反射板（４２，４６）の少なくとも一方に設けられているので、車幅方向左側のハイビーム部分に設けられた外側反射部で車幅方向右側の照射範囲を上方に拡大すると共に、車幅方向右側のハイビーム部分に設けられた外側反射部で車幅方向左側の照射範囲を上方に拡大することが可能となる。

第５の特徴によれば、前記外側反射部（４７）が、車幅方向に一対の前記反射板（４２，４６）の両方に設けられており、前記外側反射部（４７）の照射範囲（ＬＨ，ＲＨ）が、車幅方向の左右で非対称であるので、左側通行または右側通行の道路法規に合わせて、左右の照射範囲を異ならせることが可能となる。例えば、道路法規が左側通行の場合は、左側前方の照射範囲をさらに左側に拡大して、路肩や歩道の視認性を高めることが可能となる。

第６の特徴によれば、前記ハイビーム部分（９０）が複数の光源（６０）を有しており、前記外側反射部（４７）は、車幅方向外側の前記光源（６０）の照射光を反射する反射板（４６）に設けられているので、外側反射部によって照射範囲に影響のある光源を複数のうちの一部に限定することが可能となり、反射板を作成するレイアウトの自由度を高めることができる。

第７の特徴によれば、前記鞍乗型車両の前照灯装置（３０）が取り付けられる車両（１）のロール角が所定値以上である場合にのみ、前記外側反射部（４７）が設けられた反射板（４６）に対応する前記光源（６０）が点灯するように構成されているので、旋回走行で車体がロール方向に傾斜して照射範囲を拡大する必要がある場合にのみ、外側反射部を用いて旋回方向上方の照射範囲を拡大することができる。

第８の特徴によれば、前記ハイビーム部分（９０）が、前記ロービーム部分（８０）の下方に配設されているので、ロービーム部分およびハイビーム部分の両方を駆動することでハイビームを照射する前照灯装置において、ハイビーム照射時に、ロービーム部分による照射光とハイビーム部分による照射光とを上下でクロスさせることで良好な照射範囲を得ることができる。

第９の特徴によれば、光源（６０）と、該光源（６０）の照射光を車体前方に反射する反射板（４２，４６）と、該反射板（４２，４６）の一部を覆う化粧部品（３７）とを有する鞍乗型車両の前照灯装置（３０）において、前記反射板（４２，４６）の車幅方向内側の位置に、前記反射板（４２，４６）の照射方向より上方に向けて前記照射光を反射する内側反射部（１００）が設けられているので、内側反射部により反射板が照射する照射範囲の上方を補って照射することが可能となり、前照灯装置による路面視認性を高めることができる。これにより、特に、旋回走行で車体がロール方向に傾斜した際に、旋回方向の前方の路面を照射する範囲が広がることとなり、旋回走行での路面視認性を高めることができる。

第１０の特徴によれば、前記光源（６０）がＬＥＤであるので、照射光の指向性が強いＬＥＤに対応して、照射範囲を上方に拡大することが可能となる。

鞍乗型車両の前照灯装置を適用した自動二輪車の左側面図である。 前照灯装置の正面図である。 レンズを取り外した状態の前照灯装置の正面図である。 図３の状態の前照灯装置を車体右前方から見た斜視図である。 図３の状態からエクステンションを取り外した状態を示す構造説明図である。 車幅方向左側のライト支持部の斜視図である。 図５のVII−VII線断面図である。 前照灯装置の平面図である。 ハイビームの照射範囲を示す概念図である。 自動二輪車が左にバンクした場合のハイビームの照射範囲を示す概念図である。 旋回走行時の路面照射の状態を示す概念図である。 本願発明の第２実施形態に係るライト支持部の斜視図である。

以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図１は、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両の前照灯装置を適用した自動二輪車１の左側面図である。自動二輪車１は、エンジン１２の駆動力を後輪ＷＲに伝達して走行する鞍乗型車両である。前輪ＷＦを回転自在に軸支する左右一対のフロントフォーク１０は、車体フレーム２の前端に設けられるヘッドパイプ２３によって操舵可能に支持されている。

車体フレーム２のメインフレーム３は、ヘッドパイプ２３から後方下方に延出して、ピボット１３が設けられたピボットフレーム１５に連結される。ピボット１３には、後輪ＷＲを回転自在に軸支するスイングアーム１６の前端部が揺動可能に軸支される。スイングアーム１６は、リヤクッション２４によって車体フレームに吊り下げられている。エンジン１２の駆動力は、ドライブチェーン１７を介して後輪ＷＲに伝達される。

操向ハンドル５の前方には、本願発明に係る前照灯装置３０が埋設されたフロントカウル８が設けられている。前照灯装置３０の上方には、前側ウインカ装置７が埋設されたバックミラー６が取り付けられている。フロントカウル８の下部には、左右一対のサイドカウル１１が連結されている。メインフレーム３の上部には、燃料タンク４が配設される。

メインフレーム３とピボットフレーム１５との間には、車体後方上方に延びるリヤフレーム１８が取り付けられる。リヤフレーム１８には、シート１９およびシートカウル２０が取り付けられる。シートカウル２０には、尾灯装置２１、後側ウインカ装置２２およびナンバプレート（不図示）を支持するリヤフェンダ２５が取り付けられている。

図２は、前照灯装置３０の正面図である。左右対称形状とされる前照灯装置３０は、灯体の上段に左右一対のロービームの発光部Ｌ（点描部）を有すると共に、灯体の下段に左右一対のハイビームの発光部Ｈ（点描部）を有する。略方形とされるロービームの発光部Ｌは、車幅方向外側に向かって徐々に配設位置が高くなるように形成され、横長とされるハイビームの発光部Ｈは、車幅方向外側に向かって徐々に高くなる形状とされている。

前照灯装置３０は、光源やリフレクタ等を収納するハウジング３２の車体前方側を、無色透明のレンズ３１で覆って構成されている。ハウジング３２は、その四方に設けられた支持部３３，３４，３６によってフロントカウル８に固定される。

図３は、レンズ３１を取り外した状態の前照灯装置３０の正面図である。また、図４は図３の状態の前照灯装置３０を車体右前方から見た斜視図であり、図５は図３の状態からエクステンション３７を取り外した状態を示す構造説明図である（図３よりやや高い位置から見たもの）である。前照灯装置３０は左右対称形状のため、図３，４，５では左側半分のみを示す。

前照灯装置３０は、ハウジング３２の車体前方側にライト支持部５０を取り付け、このライト支持部５０の車体前方側に化粧部材としてのエクステンション３７（点描部）を取り付け、さらにこれらを覆うようにレンズ３１（図２参照）をハウジング３２に取り付けて構成されている。

ライト支持部５０の上段には、ロービーム用ＬＥＤ（光源）４０の照射光を集光して前方に照射するプロジェクタレンズ７０が支持されており、ライト支持部５０の下段には、ハイビーム用ＬＥＤ（光源）６０の照射光を車体前方に反射する曲面を有するハイビーム用リフレクタ４２，４６が形成されている。ハイビーム用リフレクタ４２，４６の上端には、ハイビーム用ＬＥＤ６０の照射光を下方に通過させる貫通孔４１，４５が設けられている。

エクステンション３７には、プロジェクタレンズ７０の周囲を車体前方に露出させる上側開口５０ａと、ハイビーム用リフレクタ４２，４６を車体前方に露出させる下側開口５０ｂとが形成されている。

本実施形態に係る外側反射部４７は、車幅方向外側に位置するハイビーム用リフレクタ４６に連なって形成されている。外側反射部４７は、図５に示すように、エクステンション３７を取り外した状態では車体前方から視認できる。しかし、エクステンション３７の下側開口５０ｂより外側に位置するため、エクステンション３７を取り付けることで車体正面から視認できなくなり、前照灯装置３０の外観性に影響を与えない。一方、エクステンション３７を取り付けた状態でも、図４に示すように車体右前方からは視認できる。

図６は、車幅方向左側のライト支持部５０の斜視図である。ライト支持部５０は、メッキや金属蒸着による反射面処理が施された有色樹脂等で形成された一体部品である。ライト支持部５０の上段には、プロジェクタレンズ７０の支持部５２およびプロジェクタレンズ７０が露出する開口５１が形成されている。支持部５２は、車幅方向外側に向かうにつれて、反射面が車体後方側に位置するように配設されている。また、ライト支持部５０の下段に設けられるハイビーム用リフレクタ４２，４６は、車幅方向外側に向かうにつれて、反射面が車体後方側に位置するように配設されている。

車幅方向内側のハイビーム用リフレクタ４２の側部には、車体前後方向に指向する側壁５４が設けられている。また、ライト支持部５０は、取付ステー４８等を用いてハウジング３２に取り付けられる。

本実施形態に係る前照灯装置３０では、ロービームを照射するためのロービーム部分８０と、ハイビームを照射するためのハイビーム部分９０とを一体に成形したことで、製造コストを低減するだけでなく、ロービーム部分８０とハイビーム部分９０との間隔Ｔを最小限に抑え、前照灯装置３０の全高を小さくして車体デザインの自由度も高めている。

図７は、図５のVII−VII線断面図である。また、図８は前照灯装置３０の平面図である。図７に示すように、基板６５に実装されたハイビーム用ＬＥＤの照射光は、ハイビーム用リフレクタ４６に反射することで矢印Ａの方向に反射する。一方、外側反射部４７は、矢印Ｂで示すように、ハイビーム用ＬＥＤ６０の照射光を、ハイビーム用リフレクタ４６で反射する照射光に比して上方に向けて反射するように角度や曲率が設定されている。

また、図８を参照して、車体平面視で見ると、外側反射部４７は、ハイビーム用ＬＥＤの照射光を、ハイビーム用リフレクタ４６で反射する照射光に比して車体内側に向けて反射するように角度や曲率が設定されている。矢印Ｂで示すように、外側反射部４７による反射光は、車体前方で交差する。すなわち、車幅方向左側の外側反射部４７による反射光は車体右側前方を照射し、車幅方向右側の外側反射部４７による反射光は車体左側前方を照射することとなる。

上記した構成によれば、車幅方向左側の外側反射部４７は、車幅方向左側のハイビーム用リフレクタ４２，４６による反射光に比して、ハイビーム用ＬＥＤ６０の照射光を車体右側上方に照射することとなる。一方、車幅方向右側の外側反射部４７は、車幅方向右側のハイビーム用リフレクタ４２，４６で反射する反射光に比して、ハイビーム用ＬＥＤ６０の照射光を車体左側上方に照射することとなる。

図９は、前照灯装置３０のハイビームの照射範囲を示す概念図である。また、図１０は、自動二輪車１が左にバンクした場合のハイビームの照射範囲を示す概念図である。本実施形態に係る前照灯装置３０は、ハイビームを選択した際に、ロービーム用ＬＥＤ４０とハイビーム用ＬＥＤ６０の両方が点灯するように構成されている。

車体の左右に灯体を有する前照灯装置では、左右の灯体の照射光が車体前方で重なって、車体中央前方の範囲が最も明るくなる。本実施形態に係る前照灯装置３０では、外側反射部４７を備えることにより、通常のロービーム範囲Ｌおよびハイビーム範囲Ｈに加えて、ハイビーム範囲Ｈの左上の拡大範囲ＬＨおよびハイビーム範囲Ｈの右上の拡大範囲ＲＨが設けられることとなる。この左右の拡大範囲ＬＨ，ＲＨは、図１０に示すように、自動二輪車１の車体上下方向の中心線Ｃが旋回走行で傾斜するのに伴って左右に移動する。

図１１は、旋回走行時の路面照射の状態を示す概念図である。前記したように、旋回走行時に車体を旋回方向に傾けてバランスを取る自動二輪車１は、直立時に必要な照射範囲を得られるようにハイビームを設定しても、旋回走行時に車体がバンクすることによって路面が照射される範囲が自車に近づいてしまい、旋回方向前方の路面が暗くなりやすい。

これに対し、本実施形態に係る前照灯装置３０では、外側反射部４７によってハイビームの照射範囲が上方に拡大されるので、旋回方向前方の路面を照らすことが可能となる。この図では、左旋回走行によって車体を左側にバンクさせても、車幅方向右側の外側反射部４７による左側上方の照射範囲ＬＨによって、旋回方向前方の路面が照らされる様子を示している。

なお、外側反射部４７は、車幅方向左右のライト支持部５０の両方に設けるほか、左右いずれか一方に設けてもよい。また、外側反射部４７を左右に設けた場合でも、外側反射部４７の照射範囲ＬＨ，ＲＨを左右で非対称として、左側通行または右側通行の道路法規に合わせて、左右の照射範囲を異ならせることが可能となる。例えば、道路法規が左側通行の場合は、左側前方の照射範囲をさらに左側に拡大して、路肩や歩道の視認性を高めることができる。

さらに、自動二輪車１のロール角を検知するロール角センサの信号に基づき、ハイビームが選択されていてもロール角が所定値以下であれば外側反射部４７に照射光を供給するハイビーム用ＬＥＤ６０を消灯しておき、ロール角が所定値を超えた場合にのみ点灯するように設定することもできる。これにより、旋回走行で車体がバンクして照射範囲を拡大する必要がある場合にのみ、外側反射部４７を用いて旋回方向上方の照射範囲を拡大することが可能となる。

図１２は、本願発明の第２実施形態に係るライト支持部５０の斜視図である。本実施形態では、車幅方向内側のハイビーム用リフレクタ４２の側部に設けられた側壁５４に、ハイビーム用ＬＥＤ６０の照射光を車体外側上方に反射する内側反射部１００を設けた点に特徴がある。車幅方向左側の外側反射部４７は、車幅方向左側のハイビーム用リフレクタ４２，４６で反射する反射光に比して、ハイビーム用ＬＥＤ６０の照射光を車体左側上方に照射し、車幅方向右側の外側反射部４７は、車幅方向右側のハイビーム用リフレクタ４２，４６で反射する反射光に比して、ハイビーム用ＬＥＤ６０の照射光を車体右側上方に照射する。これにより、ハイビームの照射範囲が上方に拡大することが可能となる。

なお、光源の数や種類、発光部の面積や形状、光源の配設位置、プロジェクタレンズの有無、ハイビーム用リフレクタの数や形状等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、ハイビーム用光源が車幅方向に１灯、車幅方向の左右いずれかにオフセットした位置に１灯が配設された前照灯装置であっても、この１灯の左右に外側反射部を設けて本願発明の構成を得ることができる。また、発光部の形状は横長の長方形であってもよく、光源が白熱電球等であってもよい。さらに、外側反射部および内側反射部をロービーム用ＬＥＤの近傍に設けて、ロービーム用ＬＥＤによる照射範囲を上方に拡大するように構成してもよい。本発明に係る前照灯装置は、自動二輪車に限られず、旋回走行時に車体を傾けてバランスを取る鞍乗型の三輪車に適用することが可能である。

１…自動二輪車（鞍乗型車両）、３０…前照灯装置、３１…レンズ、３２…ハウジング、３７…エクステンション（化粧部品）、４０…ロービーム用ＬＥＤ、４１，４３，４５…貫通孔、４２，４６…ハイビーム用リフレクタ（反射板）、４７…外側反射部、５０…ライト支持部、６０…ハイビーム用ＬＥＤ（光源）、７０…プロジェクタレンズ、８０…ロービーム部分、９０…ハイビーム部分、ＬＨ，ＲＨ…外側反射部による照射範囲

Claims (6)

1. 光源（６０）と、該光源（６０）の照射光を車体前方に反射する反射板（４２，４６）と、該反射板（４２，４６）の一部を覆う化粧部品（３７）とを有する鞍乗型車両の前照灯装置（３０）において、
   前記反射板（４２，４６）の車幅方向外側の位置に、前記反射板（４２，４６）の照射方向より上方に向けて前記照射光を反射する外側反射部（４７）が設けられており、
   自車に対向する者を照射光で眩惑しないように照射範囲に制限のあるロービームを照射するロービーム部分（８０）と、照射範囲に制限のないハイビームを照射するハイビーム部分（９０）とを有し、
   前記光源（６０）および前記反射板（４２，４６）は、それぞれ前記ハイビーム用であり、
   前記ハイビーム部分（９０）が複数の光源（６０）を有しており、
   前記外側反射部（４７）は、車幅方向外側の前記光源（６０）の照射光を反射する反射板（４６）に設けられており、
   前記ハイビーム部分（９０）が、前記ロービーム部分（８０）の下方に配設されており、
   前記外側反射部（４７）が、横長形状とされる前記反射板（４６）の下側に形成され、前記外側反射部（４７）で反射した方向で車体前方に照射するように構成されており、
   前記反射板（４６）は、該反射板（４６）の上方に配設される前記光源（６０）から下方に向けて照射される照射光を車体前方に反射することを特徴とする鞍乗型車両の前照灯装置。
2. 前記外側反射部（４７）が、車体正面視で前記化粧部品（３７）に覆われていることを特徴とする請求項１に記載の鞍乗型車両の前照灯装置。
3. 前記ハイビーム部分（９０）を車幅方向に一対有し、
   前記外側反射部（４７）は、車幅方向に一対の前記反射板（４２，４６）の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の鞍乗型車両の前照灯装置。
4. 前記外側反射部（４７）が、車幅方向に一対の前記反射板（４２，４６）の両方に設けられており、
   前記外側反射部（４７）の照射範囲（ＬＨ，ＲＨ）が、車幅方向の左右で非対称であることを特徴とする請求項１または２に記載の鞍乗型車両の前照灯装置。
5. 前記鞍乗型車両の前照灯装置（３０）が取り付けられる車両（１）のロール角が所定値以上である場合にのみ、前記外側反射部（４７）が設けられた反射板（４６）に対応する前記光源（６０）が点灯するように構成されていることを特徴とする請求項１または２に記載の鞍乗型車両の前照灯装置。
6. 前記光源（６０）がＬＥＤであることを特徴とする請求項１または２に記載の鞍乗型車両の前照灯装置。

Images