JP6657557B2 - ボンド磁石 - Google Patents

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本開示は、ボンド磁石に関する。
永久磁石は焼結磁石とボンド磁石に大別することができる。焼結磁石は磁性粉末のみで構成されるのに対して、ボンド磁石は磁性粉末と樹脂を混合して成形品とする。ボンド磁石は樹脂と同じように射出成形や圧縮成形や押出成形等の手法で成形することが可能であるため、最終製品の形状に近い形での成形ができ、形状自由度が大きく寸法精度が高いという特徴を持つ。
しかし、樹脂成分を持つため、ボンド磁石は吸水が問題になる。
特開2011−134995号公報 特許第2940571号公報
特許文献1では、ボンド磁石の表面に非磁性粉末を添加し樹脂をコーティングすることで耐水性向上を狙っている。しかし、ボンド磁石を成形した後にコーティングを行う必要があり、工程が複雑になる。
一方、特許文献2には、ボンド磁石に非磁性粉末を添加することが開示されている。しかしながら、耐水に関する課題を解決するものではないため、耐水性を高めるための手段は何ら開示されていない。
本開示は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、工程を複雑にすることなく、ボンド磁石の耐水性を向上させることを目的とする。
本開示のボンド磁石は、磁性粉末と樹脂とからなるボンド磁石において、磁性粉末と非磁性粉末の平均粒子径の比が、磁性粉末:非磁性粉末=1:0.03〜1.00となるように非磁性粉末が添加されてなることを特徴とする。
本開示によれば工程を複雑にすることなく、ボンド磁石の耐水性を向上させることができる。
以下、本開示の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明するボンド磁石は、本開示の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。
本発明者らは鋭意研究した結果、ボンド磁石に所定の大きさ、所定の量の非磁性粉末を添加することで、成形性と磁気特性を犠牲にすることなく、ボンド磁石の耐水性を向上させることを見出した。
ボンド磁石は焼結磁石と比べて吸水性が高い。これはボンド磁石中の樹脂の吸水率が高いことが原因である。樹脂は分子間に水を抱き込むことで吸水する。
ボンド磁石を温水中に漬け込むと、樹脂が水を吸い始める。そして樹脂の飽和水分量まで樹脂中に水が取り込まれる。磁性粉末は蒸し焼き状態になる。そして磁性粉末が水による酸化が起こり、磁気特性が低下する。磁性粉末の酸化に消費された樹脂中の水分は、ボンド磁石の周りにある温水から再び樹脂に補給される。そしてまた磁性粉末が水分を消費する、という水分消費のサイクルが発生し、ボンド磁石の磁気特性の劣化、重量の増加が加速度的に進行する。
ボンド磁石において、樹脂の量を減らすことは、主として2つの弊害をもたらす。1つは成形性の低下であり、もう1つは配向性の低下である。
ボンド磁石の成形方法には射出成形、押出成形、圧縮成形等がある。いずれも金型の中でボンド磁石組成物中の樹脂が溶融して、ボンド磁石成形品となる。成形性を良くするためには、樹脂の量が多い方が良い。
また、磁気異方性を持つ異方性磁性粉末の場合、外部から磁場を印加し磁性粉末の向きを揃える磁場配向という操作を行うことで磁気特性が向上する。磁性粉末が樹脂中で動く必要があるため、等方性の磁性粉末を使ったボンド磁石に比べると、どうしても樹脂の量を多くする必要がある。
上述の通り、ボンド磁石は樹脂の量が多いほど成形性と配向性が向上する。しかし、樹脂の量が多くなることで、吸水量が多くなり、磁性粉末の酸化による劣化が生じ、ボンド磁石の耐水性は悪化することになる。
この様に、元来ボンド磁石においては成形性及び配向性と、耐水性はトレードオフの関係にあった。本実施形態は、このトレードオフの関係を打ち破ったものである。
本実施形態では、磁性粉末と非磁性粉末の平均粒子径の比が、磁性粉末:非磁性粉末=1:0.03〜1.00となるように非磁性粉末を添加する。
磁性粉末と非磁性粉末の粒子径をこのように設定することにより、隣り合った磁性粉末の隙間に入った樹脂の中に非磁性粉末が入り、隣り合った磁性粉末の配置を邪魔することなく、非磁性粉末が樹脂中に分散する。この非磁性粉末はいわゆる迷路効果によって、樹脂中に水がスムーズに拡散することを妨害する。水の拡散速度は遅くなり、結果として磁性粉末の酸化劣化が始まるのも遅くなる。隣り合った磁性粉末の配置を邪魔することなく非磁性粉末が添加されているので、成形時や配向時に磁性粉末の運動を邪魔することはないため、成形性や配向性を低下させることは無い。つまり、樹脂と非磁性粉末で、あたかも新たな樹脂材料として振る舞うのである。本実施形態では、このようにして、成形性及び配向性と、耐水性を向上させることを実現することができる。
本発明のボンド磁石に添加される非磁性粉末は、平均粒径が0.1μm以上3μm以下であることが好ましい。平均粒径が0.1μmより小さくなると樹脂の流動性を極端に悪化させてしまう。平均粒径が3μmより大きくなると、ボンド磁石の耐水性向上の効果が小さくなる。
なお、本明細書中において、平均粒径の値は、空気透過法又はF.S.S.S.No(Fisher−SubSieve−Sizers−No.)によるものとする。
また、非磁性粉末のボンド磁石全体に対する添加量は、2vol%以上、8vol%以下であることが好ましい。添加量が2vol%より小さくなると、ボンド磁石の耐水性向上の効果が小さくなる。8vol%より大きくなると、ボンド磁石組成物の流動性が低下して成形が出来なくなる。
本実施形態に使用することができる非磁性粉末としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、ガラス、タルク、マイカ等が挙げられ、磁性粉末:非磁性粉末=1:0.03〜1.00となるような粒子径を持つ非磁性粉末であれば、特に制限されない。
磁性粉末としてはフェライト系、希土類系等、いずれの粉末を使用しても良い。NdFeB系、SmFeN系、SmCo系等の希土類系を使用することが、磁気特性を向上させるためには好ましい。また、ボンド磁石の磁気特性向上のために、異方性の磁性粉末を使用することが更に好ましい。異方性のSmFeN磁性粉末が最も好ましい。他の希土類磁性粉末に比べて平均粒径が約3μmで粒度分布がシャープであるため、非磁性粉末の粒度の設定が的確に出来、耐水性の改善効果が顕著に表れるためである。
本実施形態に適用できる希土類磁性粉末は、以下に示す耐酸化、耐水、樹脂との濡れ性改善、耐薬品を改善する等の目的で表面処理が施されていることが好ましい。なお、これらの処理は必要に応じて組み合わせて用いることができる。表面処理方法は、必要に応じて基本的には湿式、ミキサなどの乾式、メッキ、蒸着で行われる。化成処理剤としては、P−O結合を有するリン化合物がまず挙げられる。
リン酸処理薬としては、例えば、オルトリン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム等のリン酸塩系、次亜リン酸系、次亜リン酸塩系、ピロリン酸、ポリリン酸系等の無機リン酸、有機リン酸が適用できる。
これらのリン酸源を水中またはIPNなどの有機溶媒中に溶解させ、必要に応じて硝酸イオン等の反応促進剤を添加したリン酸浴中に磁性粉末を投入し、粉表面にP−O結合を有する不動態膜を形成させる。加えて、湿式、乾式により、シリカ、アルミナ、チタニア膜等の無機酸化物膜をサブミクロン、ナノオーダーの粒子を用いて、磁性粉末に表面吸着させて膜を形成させる処理法や、有機金属を用いたゾルゲル法、磁性粉末の表面に膜を形成させる無機酸化物処理膜形成処理が適用できる。本発明においては、エチルシリケートの加水分解により、磁性粉末の表面にシリカ膜を形成させる処理方法が好適に使用される。
次に、カップリング剤による磁性粉末の被覆処理について述べる。カップリング剤処理は、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチレンジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシル[3−(トリメトキシアリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシメチルシロキサン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、t−ブチルカルバメートトリアルコキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピル(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクタチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラオクチルビス(トリオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリオクチルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)、イソプロピルジメタクリレートイソステアロイルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスヘート)エチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤が適用できる。
以上のようなアミノ系、メタクリル系、ビニル系、エポキシ系シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、弗素系カップリング剤を用いたカップリング剤処理、メタクリル樹脂等の有機保護膜を形成させる方法、真空蒸着、電解メッキ、無電解メッキによって亜鉛、ニッケル等の金属保護膜を形成させる方法が適用できる。本発明においては、後述のナイロン樹脂と馴染みの良いアミノ基をもつカップリング剤が好適に使用される。
本実施形態において、好適に使用される磁性粉末は3μm程度の比較的小さな平均粒径をもつ微粒子からなっており、表面処理によりその表面に樹脂と馴染みの良い親水基を導入することで樹脂バインダーをその表面上にストックし、保護膜もしくは粒子間の絶縁膜として粒子同士の分断に効果的に利用できる。そのため、結果として優れた耐食性を発揮するボンド磁石が得られる。このようなボンド磁石を得るために、磁性粉末の単位表面積あたりのカップリング剤由来のアミノ基重量が0.5〜5mg/mであることがより好ましい。0.5mg/m未満では上記の粒子間の絶縁は不十分であり、一方、5mg/mを超えると磁性粉末の粒子同士の親和性が高くなりすぎて粒子同士が凝集してしまい、磁気特性、耐食性および機械強度の全てが低下するため好ましくない
本実施形態で用いられる樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂や、エステル系、ポリアミド系、などの熱可塑性エラストマー、または、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、アリル樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。
特に、ポリアミドのなかでもポリアミド12を用いることが好ましい。ポリアミドは極性が高いため、磁性粉末を多く充填することが出来、その中でもポリアミド12は吸水率が小さいため、磁気特性が高く吸水率の小さいボンド磁石を作製できるからである。
磁性材料と樹脂の配合比率は、樹脂の種類にもよるが、ボンド磁石組成物全体に対する磁性材料の割合が45〜65vol%とすることが望ましい。また、樹脂成分には、耐熱安定性を改善する目的で酸化防止剤を添加することができる。具体的には、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。また、混練、射出成形性を改善するために滑剤を使用しても良い。具体的には、滑剤としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類、ステアリン酸等の脂肪酸類およびその塩、金属石鹸、脂肪酸アミド、尿素化合物、脂肪酸エステル、ポリエーテル、シリコーンオイル、シリコーングリース等のポリシロキサン類、フッ素系オイル、フッ素系グリース、フッ素樹脂粉末等を挙げることができる。さらにこれらに加えて、可塑剤、難燃剤、耐電防止剤等を添加しても良い。また、酸化防止剤、滑剤等をさらに混合することもできる。
成形方法としては、熱可塑性樹脂を使用したボンド磁石は、射出成形、押出成形等が挙げられる。熱硬化性樹脂を使用する場合は、圧縮成形等が挙げられる。異方性の磁性粉末を用いる場合は、磁場配向を行うことが好ましい。本実施形態によれば、磁場配向を行うために樹脂の量を多くしても、吸水による劣化を抑制することができる。
以下、実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施例での平均粒径の値は、フィッシャーサブシーブサイザーモデル95(フィッシャー社製商品名)により測定して得られる値である。
<実施例1>
(磁性材料の準備)
磁性材料は、異方性のSm−Fe−N系磁性材料(平均粒子径3μm)とする。
(ボンド磁石組成物の作製)
まず、Sm−Fe−N系磁性材料をエチルシリケートおよびシランカップリング剤で表面処理する。表面処理を行ったSm−Fe−N系磁性材料(密度7.66g/cm3)を908g、ポリアミド12(密度1.02g/cm3)を71g、非磁性粉末としてシリカ(密度2.2g/cm3)を22g、ミキサーで混合する。得られた混合粉を、2軸混練機を用いて220℃で混練し、冷却後、適当な大きさに切断しボンド磁石組成物を得る。
(射出成形)
射出成形機のバレルを230℃、金型を90℃に設定する。射出速度100mm/s、射出時間1sで射出成形を行う。その際、キャビティーに9kOeの磁場を印加し、SmFeN粉末を配向させる。成形品の形状は直径10mm、高さ7mmの円柱状で、SmFeN粉末の配向方向は高さ方向である。
<実施例2〜実施例9>
実施例1とのボンド磁石組成物の配合の違いを表1に記載する。尚、実施例8と9に非磁性粉末として使用した炭酸カルシウムとアルミナの密度は、それぞれ2.7g/cm3と4.0g/cm3で、これを用いてボンド磁石組成物の配合を決定した。それ以外は実施例1と同様の方法で実施例2〜9として、ボンド磁石成形品を作製した。
<比較例1〜比較例8>
実施例1とのボンド磁石組成物の配合の違いを表1に記載する。それ以外は実施例1と同様の方法で比較例1〜8のボンド磁石成形品を作製した。
<評価>
(射出圧力)
射出成形工程時の射出圧力である。結果を表1に示す。
(PCT)
射出成形工程で得られたボンド磁石を、プレッシャークッカーテスト(PCT)を行う。条件は120℃−2気圧−200hrとした。テスト前後の磁束をフラックスメータで測定し、フラックス変化率を評価した。また、テスト前後の重量を電子天秤で測定し、重量変化率を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006657557
(非磁性粉末粒子径の影響)
非磁性粉末の平均粒子径が3μm以下の場合に、フラックス変化率が小さく、重量変化率も小さいことが分かる。これらの結果より、吸水量が多く重量変化率が大きい物が、フラックスの減少が大きいことが分かる。非磁性粉末が0.03μmより小さくなると、射出圧力が大きくなることが分かる。これらの結果を総合して、非磁性粉末平均粒子径は0.1〜3μmが好ましい。
(非磁性粉末充填量の影響)
非磁性粉末の充填量が2vol%以上の場合に、フラックス変化率が小さく、重量変化率も小さいことが分かる。非磁性粉末が10vol%以上になると、射出圧力が極端に大きくなることが分かる。これらの結果を総合して、非磁性粉末充填量は2〜8vol%が好ましい。
(非磁性粉末の種類)
実施例3と実施例8と実施例9の比較より、非磁性粉末の種類に依らず、非磁性粉末の粒子径が同じであれば、重量変化率とフラックス変化率はほぼ同じであることが分かる。
例えば電動ウォーターポンプや給湯器といった、磁石が水に浸漬されて使用するモータへの希土類ボンド磁石の応用が可能となる。

Claims (4)

  1. 磁性粉末と樹脂とからなるボンド磁石において、
    樹脂が熱可塑性ポリアミドまたはポリアミド系熱可塑性エラストマーであり、
    磁性粉末と非磁性粉末の平均粒子径の比が、磁性粉末:非磁性粉末=1:0.03以上0.40以下であり、磁性粉末の割合が45vol%以上65vol%以下であり、非磁性粉末の添加量が2vol%以上8vol%以下であることを特徴とするボンド磁石射出成形品。
  2. 前記磁性粉末が異方性のSm−Fe−Nである請求項1に記載のボンド磁石射出成形品。
  3. 前記非磁性粉末の平均粒径が0.1μm以上3μm以下である請求項1または2に記載のボンド磁石射出成形品。
  4. 前記樹脂は、ポリアミド12である請求項1〜のいずれか1項に記載のボンド磁石射出成形品。
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